JP3301694B2 - ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体及びその製造方法

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JP3301694B2 JP08060696A JP8060696A JP3301694B2 JP 3301694 B2 JP3301694 B2 JP 3301694B2 JP 08060696 A JP08060696 A JP 08060696A JP 8060696 A JP8060696 A JP 8060696A JP 3301694 B2 JP3301694 B2 JP 3301694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れかつ
良好な力学性能を有する成形物を与えるブロック共重合
体、該共重合体からなる成形物及び該共重合体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カチオン重合法によりカチオン重合性単
量体の重合を行うと、一般に、生長炭素カチオンが不安
定なため、連鎖移動反応及び停止反応が起こりやすく、
所望の重合体を平均分子量及び分子量分布を制御して製
造することが困難である。また、そのため、複数種のカ
チオン重合性単量体を、カチオン重合法により順次重合
させてブロック共重合体を製造することも困難である。
【0003】しかしながら、近年、カチオン重合におけ
る生長炭素カチオンを安定化させることにより、連鎖移
動反応、停止反応等の副反応を抑制した、いわゆるリビ
ングカチオン重合法が開発されている。例えば、特開昭
62-48704号公報、特開昭64-62308号公報、特開平3-1744
03号公報、米国特許第4,276,394号明細書、米国特許第
4,316,973号明細書、米国特許第4,946,899号明細書、米
国再発行特許第34,640号明細書、ジャーナル・オブ・ポ
リマー・サイエンス:パートA:ポリマー・ケミストリ
ー(Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Ch
emistry)第29巻、第427〜435頁(1991年)等には、ア
シロキシル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基又はハ
ロゲン原子が結合した第三級炭素原子を分子中に有する
化合物とルイス酸とからなる重合開始剤系の存在下にお
いて、イソブチレン単独のリビングカチオン重合を行う
か、又はイソブチレンのリビングカチオン重合とスチレ
ン系単量体のリビングカチオン重合とを逐次的に行うこ
とによる、直鎖形又は星形のイソブチレン系重合体の製
造方法が記載されている。すなわち、該製造方法によれ
ば、カチオン重合性単量体としてイソブチレンを単独で
使用する場合にはポリイソブチレンが得られ、また、カ
チオン重合性単量体としてイソブチレンとスチレン系単
量体とを時期をずらせて逐次的に使用する場合には、イ
ソブチレン単位からなる重合体ブロックとスチレン系単
量体単位からなる重合体ブロックとを分子主鎖中に有す
るブロック共重合体が得られる。
【0004】また、米国特許第5,219,948号明細書に
は、上記のごとき重合開始剤系の存在下でのリビングカ
チオン重合によるイソブチレン系重合体の製造方法につ
いて、ルイス酸として四塩化チタンを使用し、さらに、
電子対供与体として作用するピリジンを共存させ、反応
系中の生成イソブチレン系重合体(リビングポリマー)
の分子量分布が特定値以下の段階で反応を停止させるこ
とからなる改良方法が記載されている。すなわち、米国
特許第5,219,948号明細書の記載によれば、イソブチレ
ンのリビングカチオン重合の場合については、生成ポリ
イソブチレンの分子量分布が1.2以下の時点で重合反
応を停止させること、及び、該イソブチレンのリビング
カチオン重合に引き続いてスチレン系単量体のリビング
カチオン重合を行う場合については、生成ブロック共重
合体の分子量分布が1.3以下の時点で重合反応を停止
させることが、それぞれ、高い平均分子量と狭い分子量
分布とを兼備したイソブチレン系重合体を得るうえで重
要であるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エラストマーとして有
用なイソブチレン単位からなる重合体ブロックとスチレ
ン系単量体単位からなる重合体ブロックとを分子主鎖中
に有するブロック共重合体に、高い耐久性と力学性能を
発揮させるためには、平均分子量が十分に高いことが望
まれる。
【0006】上記のごときリビングカチオン重合におい
ては、カチオン重合性単量体の使用モル数に対する開始
剤化合物(上記のアシロキシル基、アルコキシル基、ヒ
ドロキシル基又はハロゲン原子が結合した第三級炭素原
子を分子中に有する化合物)の使用モル数の比を低く設
定すれば、理論的には、得られる重合体の到達分子量を
上昇させることができる。単量体の使用モル数に対する
開始剤化合物の使用モル数の比を低く設定する手段とし
て、重合系における単量体の濃度を高めるか、又は開始
剤化合物の濃度を低める方法が想定される。しかしなが
ら、重合系における単量体の濃度を高くする方法は、重
合系内の粘度上昇による撹拌不良が生じやすくなるの
で、工業的には採用し難い。また、重合系における開始
剤化合物の濃度を低くする方法は、重合系中の水分等の
不純物の悪影響を受けやすくなり、得られる重合体にお
ける平均分子量及び分子量分布の再現性が悪くなるの
で、工業的製造方法として採用するには不適当である。
実験室的には、重合系への水分の混入を厳密に防止する
ことによって、得られる重合体の平均分子量をある程度
は高くすることはできるが、その場合でも、成形物にお
ける耐久性と力学性能には限度がある。
【0007】しかして、本発明の第一の目的は、主とし
てイソブチレン単位からなる重合体ブロックと主として
スチレン系単量体単位からなる重合体ブロックとを有す
る共重合体であって、かつ優れた耐久性と良好な力学性
能を有する成形物を与えることの可能な共重合体を提供
することにある。本発明の第二の目的は、上記の共重合
体からなる、優れた耐久性と良好な力学性能を有する成
形物を提供することにある。また本発明の第三の目的
は、優れた性質を有する上記の共重合体を、工業的に有
利に製造し得る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、リビングカチオ
ン重合法でブロック共重合体を製造する際、重合反応に
より実質的に全量のカチオン重合性単量体が消費された
後も反応操作をさらに継続した場合には、単量体が実質
的に消失しているにもかかわらず、意外にも数平均分子
量がさらに上昇し、生成した共重合体の分子量分布の状
態が特異なものとなることを見いだした。そして、本発
明者らは、このように反応操作の継続を十分に行って得
られた共重合体が、次の長所を有することを見いだし
た。すなわち、一点目には、それが、常法に従ってカチ
オン重合性単量体の実質的全量が消費された時点で反応
停止して得られたブロック共重合体と比較して、成形物
にした場合に耐久性と力学性能が著しく改善されている
ことである。二点目には、それが、常法に従うリビング
カチオン重合を、単量体の使用モル数に対する開始剤化
合物の使用モル数の比を低く設定し、かつ重合系への水
分の混入を厳密に防止して行った場合に得られた同程度
の数平均分子量を有するブロック共重合体と比較して
も、成形物にした場合に耐久性と力学性能が著しく改善
されていることである。以上の知見に基づき、さらに検
討を重ねた結果、本発明者らは本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明によれば、上記第一の目的は、イソ
ブチレン単位を主体とするカチオン重合性単量体単位か
らなる少なくとも1個の重合体ブロックとスチレン系単
量体単位を主体とするカチオン重合性単量体単位からな
る少なくとも1個の重合体ブロックとを有し、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/
Mn)が1.3〜3.0の範囲内にある共重合体におい
て、
【0010】(1)ゲルパーミエーションクロマトグラ
ムにおいて分子量が実質的に連続的な分布を示し、
【0011】(2)ゲルパーミエーションクロマトグラ
ムにおいて最大ピークを示す分子量が10000〜50
0000の範囲内であり、かつ
【0012】(3)ゲルパーミエーションクロマトグラ
ムにおいて最大ピークより低分子量側の部分の溶出時間
の長さ(a)と該最大ピークより高分子量側の部分の溶
出時間の長さ(b)とが式
【0013】
【数5】4.0 ≧ (b)/(a) ≧ 1.3
【0014】で示される条件を満足することを特徴とす
る共重合体(但し、コアに結合する3以上のカチオン重
合体分枝を含有する多分枝カチオン系星型重合体を除
く)を提供することによって達成される。
【0015】本発明によれば、上記第二の目的は、該共
重合体からなる成形物を提供することによって達成され
る。
【0016】本発明によれば、上記第三の目的は、下記
の共重合体の製造方法(i)を提供することによって達
成される。
【0017】[製造方法(i)] 式
【0018】
【化2】 −C(R)(R)−X (I)
【0019】(式中、R及びRはそれぞれアルキル
基、アリール基又はアラルキル基を表し、Xはアシロキ
シル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン
原子を表す)
【0020】で示される基を有する化合物及びルイス酸
からなる重合開始剤系の存在下に、イソブチレンを主体
とするカチオン重合性単量体とスチレン系単量体を主体
とするカチオン重合性単量体とをそれぞれ時間的に独立
させて反応系に添加して反応させるに際し、カチオン重
合性単量体全体の反応率が95%以上となり、かつ式
【0021】
【数6】 Mn > Mn (II)
【0022】(式中、Mnはカチオン重合性単量体全
体の反応率が95%の時点における生成共重合体の数平
均分子量を表し、Mnは反応終了時における生成共重
合体の数平均分子量を表す)
【0023】で示される条件及び式
【0024】
【数7】 [Mw/Mn]/[Mw/Mn] ≧ 1.1 (III)
【0025】(式中、[Mw/Mn]はカチオン重合性
単量体全体の反応率が95%の時点における生成共重合
体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量の値)
を表し、[Mw/Mn]は反応終了時における生成共重
合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量の
値)を表す)
【0026】で示される条件が満足される時点まで反応
を行うことを特徴とする、前記共重合体の製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0028】本発明の共重合体は、イソブチレン単位を
主体とするカチオン重合性単量体単位からなる少なくと
も1個の重合体ブロックとスチレン系単量体単位を主体
とするカチオン重合性単量体単位からなる少なくとも1
個の重合体ブロックとを有する共重合体に包含される。
したがって、本発明の共重合体は、イソブチレンから誘
導される単位[−CH−C(CH)−]及びスチレ
ン系単量体から誘導される単位を必須の構成単位とする
が、他の構成単位を任意に含有し得る。該スチレン系単
量体としては、スチレン又はβ位に少なくとも1個の水
素原子を有するスチレン誘導体が好ましい。β位に少な
くとも1個の水素原子を有するスチレン誘導体の例とし
ては、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、β−メチルスチレンの如きメチルスチレン;
2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m
−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、
β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メ
チルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン等のジ
メチルスチレン;2,4,6−トリメチルスチレン、α
−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−
2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメ
チルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン
等のトリメチルスチレン;o−、m−又はp−クロロス
チレン;2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロ
スチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロ
ロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチ
レン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−
m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン
等のジクロロスチレン;2,4,6−トリクロロスチレ
ン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロ
ロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−
ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチ
レン等のトリクロロスチレン;o−、m−又はp−t−
ブチルスチレン;o−、m−又はp−メトキシスチレ
ン;o−、m−又はp−クロロメチルスチレン;o−、
m−又はp−ブロモメチルスチレン等が挙げられる。
【0029】本発明の共重合体がエラストマー性(ゴム
弾性)を有する場合には、成形物での耐久性及び力学性
能の改善効果が顕著に発揮されやすい。この観点から、
該共重合体を構成するカチオン重合性単量体から誘導さ
れる単位全体の50モル%以上がイソブチレン単位であ
ることが好ましく、イソブチレン単位をカチオン重合性
単量体単位全体に対して50〜90モル%の範囲内で含
有し、かつ、スチレン系単量体単位をカチオン重合性単
量体単位全体に対して50〜10モル%の範囲内で含有
していることが特に好ましい。なお、本発明の共重合体
は、少割合(好ましくは、該共重合体を構成するカチオ
ン重合性単量体単位全体の10モル%以下)であれば、
イソブチレン及びスチレン系単量体とは異なるカチオン
重合性単量体から誘導される単位を含有していてもよ
い。該イソブチレン及びスチレン系単量体とは異なるカ
チオン重合性単量体としては、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2
−クロロエチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピ
レン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペン
テン等のオレフィン;インデン;アセナフチレン;N−
ビニルカルバゾールなどが例示される。
【0030】本発明の共重合体は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)測定により得られるク
ロマトグラム(ゲルパーミエーションクロマトグラム)
において、実質的に連続的な分子量分布を示す。すなわ
ち、本発明の共重合体は、GPC測定において、共重合
体の溶出開始時から溶出終了時に至るまで、実質的に連
続的に溶出することを意味する。したがって、本発明の
共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラムにお
いて実質的に1個の山部を示すだけであるが、該山部は
複数のピークを有していてもよい。
【0031】本発明の共重合体では、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラムにおける最大ピークを示す分子量が
10000〜500000の範囲内であることが必要で
ある。該分子量が10000未満の場合には、共重合体
から得られる成形物の耐久性及び力学性能が不十分なも
のとなる。また、該分子量が500000を越える場合
には、共重合体の溶融粘度が極めて高いものとなり、成
形性が不十分なものとなる。成形性並びに得られる成形
物の耐久性及び力学性能の全てが総合的に優れる点にお
いて、最大ピークを示す分子量は、20000〜200
000の範囲内であることが好ましい。
【0032】さらに、本発明の共重合体では、ゲルパー
ミエーションクロマトグラムにおける最大ピークより低
分子量側の部分の共重合体の溶出時間の長さを(a)で
示し、該最大ピークより高分子量側の部分の共重合体の
溶出時間の長さを(b)で示す場合、(b)/(a)の
値が1.3以上4.0以下であることが必要である。
(b)/(a)の値が1.3未満の場合、得られる成形
物の耐久性及び力学性能が不十分なものとなる。成形物
物性が優れる点において、(b)/(a)の値が1.4
以上であることが好ましく、1.5以上であることがよ
り好ましい。一方、(b)/(a)の値の上限値が大き
すぎると、溶融流動性が低下し、成形性が低下すること
があるので、(b)/(a)の値は4.0を越えないこ
とが必要である
【0033】発明の共重合体では、成形性と成形物物
性の両方が特に良好となる点において、数平均分子量
(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/M
n)は、GPCで分析した結果に基づく値で、1.3〜
3.0の範囲内であることが必要であり、1.3〜2.
5の範囲内であることが好ましい。
【0034】本発明の共重合体は、押出成形、射出成
形、プレス成形等の溶融成形により、フィルム、シー
ト、チューブ等の押出成形物;所定の3次元形状の物品
等の射出成形物などの各種成形物に成形することができ
る。溶融成形時での溶融温度は、特に制限されることな
く、使用する共重合体の種類、成形方法の種類、目的と
する成形物の形態等に応じて実験的に適宜容易に決定す
ることができるが、例えば押出成形の場合には、一般
に、150〜300℃の範囲内の温度を採用することが
できる。なお、本発明の共重合体を成形に供するに際し
ては、所望に応じて、事前に、成形加工時の流動性を向
上させるための鉱物油軟化剤(例えば、パラフィン系オ
イル、ナフテン系オイル等);柔軟性を付与するための
炭化水素系柔軟剤;耐熱性又は耐候性の付与、増量等を
目的とする無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、アル
ミナ、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、シリ
カ、クレー、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、マイ
カ、ゼオライト、フェライト等);繊維補強材(ガラス
繊維、炭素繊維等の無機繊維、有機繊維等);熱安定
剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、発泡剤などを
添加してもよい。また、同様に、スチレン−エチレン・
プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、
スチレン−エチレン・プロピレンブロック共重合体(S
EP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEBS)、エチレン−プロピレン−非
共役ジエン共重合体(EPDM)、ポリブテン、通常の
ポリイソブチレンなどの他の重合体を配合してもよい。
【0035】上記のごとき共重合体からなる成形物は、
一般にエラストマー性を有し、しかも、強伸度物性、引
張応力等の力学性能に優れ、圧縮永久歪み等の耐久性に
おいても優れている。
【0036】本発明の共重合体は、記の製造方法
(i)によって製造することができる。
【0037】造方法(i)、すなわち、イソブチレン
及びスチレン系単量体を主たる原料化合物として使用す
る共重合体の製造方法について以下に説明する。
【0038】該製造方法(i)に従う、上記式(I)で
示される基を有する化合物及びルイス酸からなる重合開
始剤系の存在下における、イソブチレン及びスチレン系
単量体を主体とするカチオン重合性単量体の反応は、途
中の時点(好ましくは、少なくともカチオン重合性単量
体全体の反応率が95%となる時点)までは、通常のリ
ビングカチオン重合反応に準じた条件を採用して、実質
的なカチオン重合性単量体のリビングカチオン重合反応
を行うことが好ましい。
【0039】式(I)中、R及びRがそれぞれ表す
アルキル基としてはメチル基、エチル基等が例示され、
アリール基としてはフェニル基、トリル基等が例示さ
れ、またアラルキル基としてはベンジル基等が例示され
る。式(I)中、Xが表すアシロキシル基としてはアセ
トキシル基、プロピオニルオキシル基等が例示され、ア
ルコキシル基としてはメトキシル基、エトキシル基等が
例示され、またハロゲン原子としては塩素原子、臭素原
子等が例示される。式(I)で示される基を有する化合
物には、酸素原子と結合した第三級炭素原子を有するエ
ーテル、ハロゲン原子と結合した第三級炭素原子を有す
るハロゲン化炭化水素、第三級アルコール、第三級アル
コールとカルボン酸とのエステル等が包含される。式
(I)で示される基を有する化合物の具体例としては、
2−アセトキシ−2−フェニルプロパン、2−プロピオ
ニルオキシ−2−フェニルプロパン等のα−クミルエス
テルなどの第三級アルコールとカルボン酸とのエステ
ル;1,4−ビス(1−メトキシ−1−メチルエチル)
ベンゼン等のα−クミルエーテルなどの酸素原子と結合
した第三級炭素原子を有するエーテル;2−クロロ−2
−フェニルプロパン、1,4−ビス(1−クロロ−1−
メチルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼン等のα−クミルクロ
リド;2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン;
2,6−ジクロロ−2,4,4,6−テトラメチルヘプ
タンなどのハロゲン原子と結合した第三級炭素原子を有
するハロゲン化炭化水素;1,4−ビス(1−ヒドロキ
シ−1−メチルエチル)ベンゼン、2,6−ジヒドロキ
シ−2,4,4,6−テトラメチルヘプタン等の第三級
アルコールなどが挙げられる。
【0040】上記のルイス酸としては、金属ハロゲン化
物が好ましく用いられる。該金属ハロゲン化物の具体例
としては、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、三フッ化ホ
ウ素のジエチルエーテル錯体等のハロゲン化ホウ素化合
物;四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等の
ハロゲン化チタン化合物;四塩化スズ、四臭化スズ、四
ヨウ化スズ等のハロゲン化スズ化合物;三塩化アルミニ
ウム、アルキルジクロロアルミニウム、ジアルキルクロ
ロアルミニウム等のハロゲン化アルミニウム化合物;五
塩化アンチモン、五フッ化アンチモン等のハロゲン化ア
ンチモン化合物;五塩化タングステン等のハロゲン化タ
ングステン化合物;五塩化モリブデン等のハロゲン化モ
リブデン化合物;五塩化タンタル等のハロゲン化タンタ
ル化合物などが挙げられる。また、ルイス酸として、テ
トラアルコキシチタン等の金属アルコキシドを使用する
こともできる。ルイス酸の使用量としては、式(I)で
示される基のモル数に対して1〜100倍の範囲内のモ
ル数となる割合が好ましい。
【0041】製造方法(i)で使用するカチオン重合性
単量体は、イソブチレンとスチレン系単量体とを主体と
する。スチレン系単量体の好適な例としては、本発明の
共重合体に関して前記したとおりである。上記のよう
に、得られる共重合体がエラストマー性(ゴム弾性)を
有し、成形物での耐久性及び力学性能の向上の効果が特
に顕著に発揮されやすい点からは、使用するカチオン重
合性単量体全体の50モル%以上がイソブチレンである
ことが好ましく、イソブチレンをカチオン重合性単量体
全体に対して50〜90モル%の範囲内で使用し、か
つ、スチレン系単量体をカチオン重合性単量体全体に対
して50〜10モル%の範囲内で使用することが特に好
ましい。
【0042】製造方法(i)では、イソブチレンを主体
とするカチオン重合性単量体及びスチレン系単量体を主
体とするカチオン重合性単量体をそれぞれ時間的に独立
させて反応系に添加する。その添加方法の一例として、
イソブチレンを主体とするカチオン重合性単量体を反応
させた後に、スチレン系単量体を主体とするカチオン重
合性単量体を反応系に添加した場合には、イソブチレン
を主体とするカチオン重合性単量体の重合により形成さ
れたイソブチレン単位(−CH−C(CH)−)を
主体とするカチオン重合性単量体単位からなるリビング
ポリマーの活性末端に対して、後で添加されたスチレン
系単量体を主体とするカチオン重合性単量体が重合反応
を開始するため、イソブチレン単位を主体とするカチオ
ン重合性単量体単位からなる重合体ブロックに連結した
スチレン系単量体単位を主体とするカチオン重合性単量
体単位からなる重合体ブロックが形成される。なお、こ
の場合、スチレン系単量体を主体とするカチオン重合性
単量体の添加時期は、先に使用したイソブチレンを主体
とするカチオン重合性単量体の実質的に全量が消費され
た時点(好ましくは、先に使用したカチオン重合性単量
体の反応率が95%以上の時点)である。なお、少量
(好ましくはカチオン重合性単量体全体の10モル%以
下)であれば、イソブチレン及びスチレン系単量体とは
異なるカチオン重合性単量体を併用してもよい。併用可
能なカチオン重合性単量体の例は、本発明の共重合体に
関して前記したとおりである。
【0043】製造方法(i)における反応操作は、上記
のように、途中の時点までは、実質的に、カチオン重合
性単量体のリビングカチオン重合反応を目的とし、少な
くともカチオン重合性単量体全体の反応率(転化率)が
95%となる時点までは、通常のリビングカチオン重合
におけると同様の反応条件を採用するのが好ましい。該
重合反応においては、通常のイソブチレン、スチレン等
のリビングカチオン重合におけると同様の温度条件を採
用することができ、一般に、−150℃〜−20℃の範
囲内であれば特に限定されない。重合反応系中に、必要
に応じて、酢酸エチル等のエステル類;トリエチルアミ
ン等のアミン類;ピリジン等のピリジン類;N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド
等のスルフィニル化合物;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類などの有機ルイス塩基を添加してもよ
い。該有機ルイス塩基の使用量としては、式(I)で示
される基のモル数に対して、0.1〜100倍の範囲内
のモル数となる割合が好ましく、0.5〜2倍の範囲内
のモル数となる割合がより好ましい。製造方法(i)に
おける重合反応は有機溶媒中、均一溶液系で行うことが
好ましく、該有機溶媒としては、通常のカチオン重合に
使用され得るものを使用することができる。該有機溶媒
の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチ
ル、塩化エチル、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などの単独溶媒又は
混合溶媒が挙げられる。
【0044】製造方法(i)において、式(I)で示さ
れる基を有する化合物(開始剤化合物)及びルイス酸か
らなる重合開始剤系の存在下にカチオン重合性単量体を
反応させるに際し、反応系への開始剤化合物、ルイス
酸、カチオン重合性単量体等の添加順序は必ずしも限定
されるものではないが、ルイス酸とカチオン重合性単量
体との接触が最後となるような順序を採用することが好
ましい。なお、副反応を抑制し所望の重合反応を促進さ
せるために、できるだけ反応系に水分を混入させないこ
とが好ましく、そのため、使用する反応器、原料化合
物、有機溶媒等は予め十分に乾燥させておくことが望ま
しい。
【0045】製造方法(i)においては、カチオン重合
性単量体全体の反応率(転化率)が95%以上となるよ
うに管理する。反応率が95%未満の時点で反応を終了
させた場合には、成形物において優れた耐久性及び力学
性能を示す共重合体を得ることができない。なお、反応
系におけるカチオン重合性単量体全体の反応率は、カチ
オン重合性単量体の供給量と重合体の生成量に基づいて
決定することができる。
【0046】製造方法(i)においては、上記のよう
に、カチオン重合性単量体全体の反応率が95%以上と
なる時点までは常法に従う重合反応を行うことが好まし
いが、その後も特定の条件下で反応を継続することが重
要である。
【0047】カチオン重合性単量体全体の反応率が95
%以上の時点における反応操作としては、反応混合物
を、−150℃〜+50℃の範囲内の温度の下で、機械
的撹拌手段等を用いて混合することが好ましい。
【0048】製造方法(i)では、カチオン重合性単量
体全体の反応率が95%以上の領域における反応の際
に、上記式(II)で示される条件及び上記式(II
I)で示される条件の両方が満足されるように管理する
ことが必要である。上記式(II)で示される条件は、
最終的な生成共重合体の数平均分子量(Mn)が、カ
チオン重合性単量体全体の反応率が95%の時点におけ
る生成共重合体の数平均分子量(Mn)よりも大きく
なるまで反応操作を継続することが必要であることを意
味する。MnがMnと同じかそれ未満となった時点
で反応を停止させた場合には、得られる共重合体におけ
る成形物の耐久性及び力学性能の改善効果が不十分とな
る。なお、反応率が95%の時点における生成共重合体
の数平均分子量(Mn)は、必ずしも限定されるもの
ではないが、最終的に得られた共重合体における成形物
の耐久性及び力学性能の改善効果が発揮されやすいこと
から、10000〜200000の範囲内であることが
好ましい。上記式(III)で示される条件は、最終的
な生成共重合体の分子量分布([Mw/Mn])が、カ
チオン重合性単量体全体の反応率が95%の時点におけ
る生成共重合体の分子量分布([Mw/Mn])の1.
1倍以上の値になるまで反応操作を継続することが必要
であることを意味する。[Mw/Mn]が[Mw/Mn]
の1.1倍未満の時点で反応を停止させた場合には、
得られる共重合体における成形物の耐久性及び力学性能
の改善効果が不十分となる。これらの改善効果が特に顕
著となる点からは、[Mw/Mn]/[Mw/Mn]
値が1.3以上になるまで反応操作を継続するのが好ま
しい。[Mw/Mn]/[Mw/Mn]の値について、
成形物の耐久性及び力学性能の改善効果からは特に上限
はないが、高すぎると、得られる共重合体の溶融流動性
が悪くなり溶融成形が難しくなる傾向があるので、3を
越えないことが望ましい。なお、反応率が95%の時点
における生成共重合体の分子量分布([Mw/Mn]
は、必ずしも限定されるものではないが、最終的に得ら
れた共重合体における成形物の耐久性及び力学性能の改
善効果が発揮されやすいことから、1.0〜1.5の範
囲内であることが好ましい。
【0049】上記の反応系中の生成共重合体についての
Mn及び[Mw/Mn]は、反応系から採取した生成
重合体の試料をGPCで分析した結果に基づいて決定す
ることができる。例えば、Mnについては、反応中、
生成重合体の試料を反応系から適時採取し、個々の試料
の数平均分子量をGPC分析により決定し、各試料の数
平均分子量をその時点におけるカチオン重合性単量体全
体の反応率に対してグラフにプロットし、内挿法によ
り、反応率が95%となった時点の数平均分子量として
求めることができる。また、[Mw/Mn]について
は、反応系から適時採取した生成重合体の複数の試料の
分子量分布(Mw/Mn)をGPC分析によりそれぞれ
決定し、各試料のMw/Mnをその時点におけるカチオ
ン重合性単量体全体の反応率に対してグラフにプロット
し、内挿法により、反応率が95%となった時点のMw
/Mnの値として求めることができる。
【0050】カチオン重合性単量体全体の反応率が95
%以上の時点において、それまでに開始剤系を形成させ
る目的で反応系に添加したルイス酸のモル数に対して1
00倍以下の範囲内のモル数のルイス酸を追加してもよ
い。この場合に使用可能なルイス酸の代表例としては、
重合開始剤系を構成するルイス酸に関して上記した具体
例が挙げられる。反応系は、上記重合反応におけると同
様に有機溶媒中、均一溶液系であることが好ましい。該
有機溶媒の具体例としては、重合反応で使用される有機
溶媒の具体例として先に記載したものが挙げられる。反
応系には、上記重合反応において説明したような有機ル
イス塩基が存在していても差し支えない。また、所望の
高分子量化を促進させるためには、反応系に水分を実質
的に存在させないことが好ましく、そのため、反応器、
有機溶媒等を新たに使用する場合には、それらを十分に
乾燥させておくことが望ましい。したがって、それまで
の重合反応を−150℃〜−20℃の範囲内の温度で行
っていた場合には、反応率が95%以上の時点において
も反応温度等の反応条件をそのまま維持して反応操作を
続行し、上記式(II)及び式(III)が満足される
ようになった段階で適時、反応を停止させるという手法
を採用してもよい。製造方法(i)において、カチオン
重合性単量体全体の反応率が95%以上の時点で上記式
(II)で示される条件及び上記式(III)で示され
る条件が満足されるように管理して行われる反応につい
て、反応時間は必ずしも限定されるものでなく、反応系
中に存在する生成重合体の分子量分布(Mw/Mn)及
び数平均分子量を連続的又は間欠的に測定しながら、こ
れらが所定の条件を満足するようになるまで反応を行え
ばよいが、一般には、反応率が95%となった時点から
2〜20時間の範囲内である。なお、反応率が95%以
上の領域では、一般に、反応系中の生成重合体の分子量
分布及び数平均分子量は反応時間に伴って増大する傾向
がある。
【0051】製造方法(i)においては、上記のように
して式(II)及び(III)の条件が満足されるよう
になった領域内の所望の時点において、通常のリビング
カチオン重合におけると同様の方法で反応を停止させ、
生成した共重合体を分離取得することができる。例え
ば、所望の時点において、反応系に、反応停止剤として
メタノール、エタノール、水等のプロトン性化合物を添
加し、得られた反応混合物を水、アルカリ水溶液等の水
性液体で洗浄することによってルイス酸等を除去し、次
いでメタノール等の貧溶媒中に再沈させるか、又は水蒸
気を導入して溶媒を共沸除去することによって、所望の
共重合体が分離取得される。
【0052】上記の製造方法(i)において、反応によ
り数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)が増大す
る理由は、必ずしも明らかではないが、次のようなもの
であると推定される。すなわち、上記製造方法(i)に
おけるカチオン重合性単量体全体の反応率が95%以
上、100%近くとなった段階の生成重合体は、反応系
中において分子主鎖末端に炭素カチオンを形成するが、
重合体の一部の分子について、炭素カチオンに対するβ
位の水素原子のプロトンの形での脱離により分子主鎖末
端に炭素−炭素二重結合が形成される。このようにして
形成された炭素−炭素二重結合を分子主鎖末端に有する
重合体分子が、炭素カチオンを分子主鎖末端に有する他
の重合体分子との間で付加反応を起こし、両重合体分子
がカップリングした形の分子量の高い重合体分子が形成
される。このようなカップリングした形の重合体分子と
カップリングしない重合体分子とが各種混在するため、
最終的に得られた共重合体全体としては、数平均分子量
が高くなるとともに、分子量分布(Mw/Mn)が大き
くなる。上記のようなカップリングした形の重合体分子
の推定される生成機構を、分子主鎖末端にイソブチレン
単位が存在する重合体及び分子主鎖末端にスチレン単位
が存在する重合体について、それぞれ式(VIII)及
び式(IX)に示す。
【0053】
【化3】
【0054】
【化4】
【0055】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに具体
的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。
【0056】カチオン重合性単量体全体の反応率(転化
率)は、反応系から採取した溶液試料における固形分濃
度を測定し、これに基づいて求めた。使用したブロック
共重合体、反応系中の生成重合体及び最終的に得られた
共重合体における数平均分子量(Mn)及び分子量分布
(Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量))
は、それぞれ、標準ポリスチレンを指標として用いて、
下記の条件の下、GPCにより求めた。
【0057】 装置:液体クロマトグラフLC−6A(島津製作所製) 溶離液:テトラヒドロフラン 流量:1ml/分 温度:55℃ カラム:shim-pack GPC 802、804、806
(島津製作所製) 検出器:示差屈折率検出計
【0058】ゲルパーミエーションクロマトグラムにつ
いては、解析処理上の誤差を軽減できるようにするため
に、次のようにして、補正されたベースラインを取り決
めた。ゲルパーミエーションクロマトグラムの山部より
低分子量側のベースラインを延長した直線(L1)と、
該L1と平行であって、かつ山部に接する直線(L
1’)との距離(D1)を求めた。該L1と平行であっ
て、L1とL1’との間に位置し、かつL1からの距離
が0.01×D1である直線(L1”)を引いた。該L
1”と山部との交点のうち最も低分子量側にある点をA
とした。同様にして、山部より高分子量側のベースライ
ンを延長した直線(L2)と、該L2と平行であって、
かつ山部に接する直線(L2’)との距離(D2)を求
めた。該L2と平行であって、L2とL2’との間に位
置し、かつL2からの距離が0.01×D2である直線
(L2”)を引いた。該L2”と山部との交点のうち最
も高分子量側にある点をBとした。該点Aと点Bとを通
る直線を引き、これを補正されたベースラインとした。
この補正されたベースラインとの距離が最大値となる山
部上の点を「最大ピーク」とした。また、上記点Aにお
ける溶出時間と最大ピークにおける溶出時間との差の絶
対値を、重合体の「最大ピークより低分子量側の部分の
溶出時間の長さ(a)」とし、同様に、上記点Bにおけ
る溶出時間と最大ピークにおける溶出時間との差の絶対
値を、重合体の「最大ピークより高分子量側の部分の溶
出時間の長さ(b)」とした。
【0059】なお、カチオン重合性単量体全体の反応率
が95%となる時点の数平均分子量は、経時的に追跡し
た生成重合体の数平均分子量の値を、カチオン重合性単
量体全体の反応率の値に対してグラフにプロットし、内
挿法により求めた。また、カチオン重合性単量体全体の
反応率が95%となる時点の分子量分布(Mw/Mn)
は、同様にして、経時的に追跡した生成重合体の分子量
分布の値を、カチオン重合性単量体全体の反応率の値に
対してグラフにプロットし、内挿法により求めた。
【0060】使用したブロック共重合体及び得られた共
重合体について、200℃の温度で熱プレスすることに
より作製したシートを用い、JIS−K6301に基づ
き、島津製作所製オートグラフ(AG2000B)を使
用して引張試験を行い、この試験結果から破断強度、破
断伸度及び100%引張応力を測定した。同様にして作
製されたシートを使用し、JIS−K6301に準じ
て、70℃で22時間熱処理した場合と100℃で22
時間熱処理した場合について、それぞれ圧縮永久歪みを
測定した。得られた共重合体について、キャピラリーフ
ローメータ(東洋精機製キャピログラフ 1C)によ
り、温度230℃、剪断速度100(1/s)の条件で
の溶融粘度(Pa・s)を測定した。さらに、得られた
共重合体(所望に応じ、同じ製造実験を繰り返して行う
ことにより、所定量を獲得した)について、ラボプラス
トミル製膜機(東洋精機製)により、温度230℃、ス
クリュー回転数130rpm、巻取速度2〜3m/分の
条件で、溶融押出成形法によるフィルム化試験を行っ
た。該フィルム化試験の評価は、次の判定基準によっ
た。
【0061】 A:均一なフィルムが連続的に得られる。 B:巻取時にフィルムの切断が多発する。 C:Tダイからの吐出量が少なく、均一なフィルムが得
られない。
【0062】実施例1 撹拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱
水した塩化メチレン800ml及びメチルシクロヘキサ
ン1200mlを仕込み、さらに1,4−ビス(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼン2.0g(8.7m
mol)、2,6−ジメチルピリジン0.98g(9.
1mmol)、ピリジン1.38g(17.4mmo
l)及びイソブチレン210gをそれぞれ加えた。これ
に、−78℃で四塩化チタン12.3g(65mmo
l)を加えることにより反応を開始させ、同温度で溶液
を撹拌しながら3時間反応させた。次いで、反応混合液
に2,6−ジメチルピリジン0.50g(4.7mmo
l)及びスチレン90gを添加し、−78℃で撹拌下に
さらに7時間反応を続けた後、メタノール100mlを
加えることによって反応を停止させた。得られた反応混
合物を水洗し、次いで大量のメタノール中に再沈させる
ことによって、ポリイソブチレンブロックとポリスチレ
ンブロックとを有する共重合体を得た。なお、イソブチ
レンとスチレンの反応率の和が95%となった時点にお
ける生成重合体の数平均分子量は36000であり、分
子量分布は1.21であった。また、反応停止時におけ
る共重合体の数平均分子量は53000であり、分子量
分布は1.65(反応率95%の時点における生成重合
体を基準とする反応停止時における生成共重合体の分子
量分布の比は1.36)であった。得られた共重合体に
おけるフィルム化試験の評価結果は、「A」であった。
得られた共重合体の他の分析結果及び評価結果を下記表
1に示す。また、得られた共重合体のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラムを図1に示す。
【0063】比較例1 2,6−ジメチルピリジン及びスチレンを添加した後の
反応時間を7時間から2時間に短縮した以外は実施例1
と同様にして反応操作及び後処理操作を行うことによっ
て、ポリイソブチレンブロックとポリスチレンブロック
とを有するブロック共重合体を得た。イソブチレンとス
チレンの反応率の和が95%となった時点における生成
重合体の数平均分子量は34000であり、分子量分布
は1.20であった。また、反応停止時における共重合
体の数平均分子量は34000であり、分子量分布は
1.23(反応率95%の時点における生成重合体を基
準とする反応停止時における生成共重合体の分子量分布
の比は1.03)であった。得られた共重合体における
フィルム化試験の評価結果は、「B」であった。得られ
た共重合体の他の分析結果及び評価結果を下記表1に示
す。なお、得られた共重合体のゲルパーミエーションク
ロマトグラムを図2に示す。
【0064】実施例2 撹拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱
水した塩化メチレン800ml及びメチルシクロヘキサ
ン1200mlを仕込み、さらに1,4−ビス(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼン1.0g(4.3m
mol)、2,6−ジ−t−ブチルピリジン1.74g
(9.1mmol)、ピリジン0.68g(8.6mm
ol)及びイソブチレン210gをそれぞれ加えた。こ
れに、−78℃で四塩化チタン12.3g(65mmo
l)を加えることにより反応を開始させ、同温度で溶液
を撹拌しながら4時間反応させた。次いで、反応混合液
に2,6−ジ−t−ブチルピリジン0.90g(4.7
mmol)及びスチレン90gを添加し、−78℃で撹
拌下にさらに12時間反応を続けた後、メタノール10
0mlを加えることによって反応を停止させた。得られ
た反応混合物を水洗し、次いで大量のメタノール中に再
沈させることによって、ポリイソブチレンブロックとポ
リスチレンブロックとを有する共重合体を得た。なお、
イソブチレンとスチレンの反応率の和が95%となった
時点における生成重合体の数平均分子量は72000で
あり、分子量分布は1.22であった。また、反応停止
時における共重合体の数平均分子量は113000であ
り、分子量分布は1.76(反応率95%の時点におけ
る生成重合体を基準とする反応停止時における生成共重
合体の分子量分布の比は1.44)であった。得られた
共重合体におけるフィルム化試験の評価結果は、「A」
であった。得られた共重合体の他の分析結果及び評価結
果を下記表1に示す。
【0065】比較例2 2,6−ジ−t−ブチルピリジン及びスチレンを添加し
た後の反応時間を12時間から4時間に短縮した以外は
実施例2と同様にして反応操作及び後処理操作を行うこ
とによって、ポリイソブチレンブロックとポリスチレン
ブロックとを有するブロック共重合体を得た。イソブチ
レンとスチレンの反応率の和が95%となった時点にお
ける生成重合体の数平均分子量は74000であり、分
子量分布は1.18であった。また、反応停止時におけ
る共重合体の数平均分子量は75000であり、分子量
分布は1.20(反応率95%の時点における生成重合
体を基準とする反応停止時における生成共重合体の分子
量分布の比は1.02)であった。得られた共重合体に
おけるフィルム化試験の評価結果は、「B」であった。
得られた共重合体の他の分析結果及び評価結果を下記表
1に示す。
【0066】実施例3 撹拌機付き反応器中に、モレキュラーシーブス4Aで脱
水した塩化メチレン800ml及びメチルシクロヘキサ
ン1200mlを仕込み、さらに1,4−ビス(1−ク
ロロ−1−メチルエチル)ベンゼン0.5g(2.16
mmol)、2,6−ジメチルピリジン0.98g
(9.1mmol)、ピリジン0.34g(4.3mm
ol)及びイソブチレン210gをそれぞれ加えた。こ
れに、−78℃で四塩化チタン12.3g(65mmo
l)を加えることにより反応を開始させ、同温度で溶液
を撹拌しながら8時間反応させた。次いで、反応混合液
に2,6−ジメチルピリジン0.50g(4.7mmo
l)及びスチレン90gを添加し、−78℃で撹拌下に
さらに12時間反応を続けた後、メタノール100ml
を加えることによって反応を停止させた。得られた反応
混合物を水洗し、次いで大量のメタノール中に再沈させ
ることによって、ポリイソブチレンブロックとポリスチ
レンブロックとを有する共重合体を得た。なお、イソブ
チレンとスチレンの反応率の和が95%となった時点に
おける生成重合体の数平均分子量は153000であ
り、分子量分布は1.21であった。また、反応停止時
における共重合体の数平均分子量は182000であ
り、分子量分布は2.17(反応率95%の時点におけ
る生成重合体を基準とする反応停止時における生成共重
合体の分子量分布の比は1.79)であった。得られた
共重合体の他の分析結果及び評価結果を下記表1に示
す。
【0067】比較例3 2,6−ジメチルピリジン及びスチレンを添加した後の
反応時間を12時間から4時間に短縮した以外は実施例
3と同様にして反応操作及び後処理操作を行うことによ
って、ポリイソブチレンブロックとポリスチレンブロッ
クとを有するブロック共重合体を得た。イソブチレンと
スチレンの反応率の和が95%となった時点における生
成重合体の数平均分子量は150000であり、分子量
分布は1.22であった。また、反応停止時における共
重合体の数平均分子量は155000であり、分子量分
布は1.24(反応率95%の時点における生成重合体
を基準とする反応停止時における生成共重合体の分子量
分布の比は1.02)であった。得られた共重合体の他
の分析結果及び評価結果を下記表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】上記の表1における実施例1と比較例1と
の対比、実施例2と比較例2との対比及び実施例3と比
較例3との対比から、単量体の実質的に全量が消費され
た時点で重合反応を停止して製造された共重合体(比較
例1〜3)に比べて、上記製造方法(i)に従い、単量
体の実質的に全量が消費された後も反応を継続して製造
された、本発明の共重合体(実施例1〜3)は、成形物
とした場合に、圧縮永久歪みが低減することに代表され
るように耐久性が良好となり、かつ破断強度、破断伸度
及び100%引張応力が向上することに代表されるよう
に力学性能も良好となることがわかる。さらに、実施例
1及び2並びに比較例1及び2におけるフィルム化試験
の評価結果から、本発明の共重合体の一部(実施例1、
2)では、押出成形性も改善されていることがわかる。
【0070】
【発明の効果】本発明の共重合体は、イソブチレン重合
体ブロックとスチレン系単量体重合体ブロックとを有す
る通常のブロック共重合体と比較して、成形物とした場
合に改善された耐久性及び力学性能を示す。また、本発
明の方法は操作上、通常のリビングカチオン重合法と大
差ないため、該方法によって、本発明の共重合体を容易
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明の共重合体のゲルパ
ーミエーションクロマトグラムである。
【図2】比較例1で得られた本発明以外の共重合体のゲ
ルパーミエーションクロマトグラムである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−287256(JP,A) 特表 平7−500617(JP,A) 特表 平9−510236(JP,A) 米国特許4946899(US,A) 米国特許5219948(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/00 C08F 2/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチレン単位を主体とするカチオン
    重合性単量体単位からなる少なくとも1個の重合体ブロ
    ックとスチレン系単量体単位を主体とするカチオン重合
    性単量体単位からなる少なくとも1個の重合体ブロック
    とを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が1.3〜3.0の範囲内に
    ある共重合体において、 (1)ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて分
    子量が実質的に連続的な分布を示し、 (2)ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて最
    大ピークを示す分子量が10000〜500000の範
    囲内であり、かつ (3)ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて最
    大ピークより低分子量側の部分の溶出時間の長さ(a)
    と該最大ピークより高分子量側の部分の溶出時間の長さ
    (b)とが式 【数1】4.0 ≧ (b)/(a) ≧ 1.3 で示される条件を満足することを特徴とする共重合体
    (但し、コアに結合する3以上のカチオン重合体分枝を
    含有する多分枝カチオン系星型重合体を除く)
  2. 【請求項2】 (a)と(b)とが式 【数2】4.0 ≧ (b)/(a) ≧ 1.4 で示される条件を満足する請求項1記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の共重合体からな
    る成形物。
  4. 【請求項4】 式 【化1】 −C(R)(R)−X (I) (式中、R及びRはそれぞれアルキル基、アリール
    基又はアラルキル基を表し、Xはアシロキシル基、アル
    コキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子を表す) で示される基を有する化合物及びルイス酸からなる重合
    開始剤系の存在下に、イソブチレンを主体とするカチオ
    ン重合性単量体とスチレン系単量体を主体とするカチオ
    ン重合性単量体とをそれぞれ時間的に独立させて反応系
    に添加して反応させるに際し、カチオン重合性単量体全
    体の反応率が95%以上となり、かつ式 【数3】 Mn > Mn (II) (式中、Mnはカチオン重合性単量体全体の反応率が
    95%の時点における生成共重合体の数平均分子量を表
    し、Mnは反応終了時における生成共重合体の数平均
    分子量を表す) で示される条件及び式 【数4】 [Mw/Mn]/[Mw/Mn] ≧ 1.1 (III) (式中、[Mw/Mn]はカチオン重合性単量体全体の
    反応率が95%の時点における生成共重合体の分子量分
    布(重量平均分子量/数平均分子量の値)を表し、[M
    w/Mn]は反応終了時における生成共重合体の分子
    量分布(重量平均分子量/数平均分子量の値)を表す) で示される条件が満足される時点まで反応を行うことを
    特徴とする、請求項1の共重合体の製造方法。
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