JP3301212B2 - 金属貼合せ用ポリエステル複合フィルム - Google Patents

金属貼合せ用ポリエステル複合フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属貼合せ用ポリエス
テル複合フィルムに関し、さらに詳細には、特に缶壁部
の長い、ビール缶、飲料缶、エアゾール缶等の金属缶の
内面塗装用として利用されるラミネートフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属缶には、強度、耐熱性、耐寒性に優
れていることから、ブリキ、ティンフリースチール等の
スチール系やアルミニウム等の金属材料が用いられてい
る。これらの金属缶は特に食品用途として用いる場合、
金属臭が内容物である食料品や飲料に移行するいわゆる
フレーバー不良や、内容物の変質および金属缶自体の内
容物による腐食を防ぐ必要がある。このため、ポリエス
テルフィルムをブリキ(錫メッキ鋼板)、クロム処理鋼
板(ティンフリースチール)、ニッケルメッキ鋼板等に
加熱加圧接着して得られるラミネート鋼板が、金属の持
つ強度等の特性と、プラスチックフィルムの持つ耐食
性、バリア性の両者を満たすものとして研究されてき
た。
【0003】例えば、特公昭57−23584号および
特公昭59−34580号には、特定ポリエステル層を
金属基質上に形成させた被覆金属構造物が開示されてい
る。しかしながらこれらの従来技術のものは、熱接着性
は比較的良好であるが、耐熱性に劣り、ポリエステル層
が比較的弱く耐衝撃性に劣る。このため、特に使用ポリ
エステルの融点以上で鋼板とラミネートした場合は、製
缶工程ライン中に設けられているストッパーに高速で衝
突する際の衝撃でフィルム、特に缶底部に局所的クラッ
クが発生することがある。一方ラミネート時の温度が不
足する場合は、高速衝撃を受けてもクラックの発生は起
りにくいが、缶壁部に大変形が起ったときにフィルム破
れが生じ易い。
【0004】このため、実質上非晶質のポリエステルを
用いて、フィルムの柔軟性を向上させることによって耐
変形性や耐衝撃性を確保することが試みられた。しかし
ながらこのような非晶質フィルムは、製缶工程中のダイ
スとポンチによる加工の際に、加工時の摩擦発熱によっ
てフィルムがポンチに粘着し、その結果缶壁部のフィル
ムが引き裂かれて破れてしまうことが多かった。さら
に、製缶加工後の熱処理工程で、搬送ピンの跡がついて
金属缶の商品価値を低下させてしまうという問題があっ
た。
【0005】これらの耐熱性不足を改善する目的で、強
度・密着性の両方を満足する積層フィルムをラミネート
フィルムとして用いることが試みられ、例えば特開平2
−81630号では、110〜180℃間での結晶化発
熱量が0.1〜1.5cal/gであるポリエステル複
合フィルムが開示された。しかしこのフィルムは、耐熱
性を確保する表面層と密着性を確保する下層のバランス
が悪く、製缶工程の種々の熱履歴によってラミネート後
のフィルムが収縮したり、皺が生じるという問題や、金
属、特にブリキとの密着性に劣っており、缶壁部や缶底
部にフィルム剥離やクラックが発生し易いという問題が
残存していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、耐
熱性、耐変形性、耐衝撃性、密着性に優れ、熱処理時に
も皺の発生のない金属貼合せ用ポリエステル複合フィル
ムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属貼合せ用ポ
リエステル複合フィルムは、A層、B層、C層の3層が
積層された構造のポリエステル複合フィルムであって、
前記A層は結晶化温度Tc2 が150℃以上のポリエス
テルからなり、前記B層は融点Tmが190〜225℃
で、ガラス転移温度Tgが50℃以上のポリエステルか
らなり、前記C層はTgが30〜50℃であるポリエス
テルからなるところに要旨を有する。A層を構成するポ
リエステルが酸成分としてテレフタル酸のみを用いたポ
リエステルであり、B層およびC層を構成するポリエス
テルが酸成分としてイソフタル酸を用いたポリエステル
を含むことは本発明の好ましい実施態様である。
【0008】
【作用】本発明の複合ポリエステルフィルムは、複合フ
ィルムに耐熱性を与えるためのA層と、耐衝撃性と耐変
形性を与えるB層と、金属との密着性に優れるC層の3
層構造とし、それぞれの層を構成するポリエステルの温
度特性を特定したところにポイントがある。
【0009】まずA層は、金属とラミネートした後には
最も表面となる層である。A層は優れた耐熱性を有する
ポリエステル層であり、結晶化温度Tc2が150℃以上
であることが必要である。Tc2が150℃未満では、製
缶時にポンチとフィルムの粘着が起こったり、熱処理工
程で搬送ピンの跡がフィルムに残ったりする等の耐熱性
不足に由来する不良が発生する。Tc2が高ければ耐熱性
はより向上していくが、Tc2が200℃を超えるとフィ
ルムの剛性が高まり製缶加工時の変形に対応できなくな
って、缶壁部にクラックが発生する。また成膜性も著し
く低下するため、Tc2は200℃以下とすることが好ま
しい。A層の厚みは特に限定されないが1〜10μmが
好ましい。1μmより薄いと耐熱性確保層としての役割
を発揮できず、厚過ぎると耐変形性が低下する。より好
ましい厚みは2〜7μmである。
【0010】B層は、耐変形性と耐衝撃性の両性能を確
保する働きを有する。B層の融点Tmは190〜225
℃、ガラス転移点Tgは50℃以上でなければならな
い。この範囲内のポリエステルをB層に用いると、缶壁
部や缶底部にクラックが発生せず、また耐衝撃性にも優
れたものとなる。しかし、融点Tmが225℃を超える
と、製缶加工時の耐変形性が低下してクラックの発生頻
度が高くなるため好ましくない。B層のTmが190℃
より低い、あるいはTgが50℃より低い場合には、ク
ラックの発生は起きないが、A層との熱特性のバランス
が悪くなってフィルムを鋼板とラミネートする場合や、
製缶後の熱処理時にフィルムに皺が入り易くなる。この
ため金属缶としての商品価値が著しく低下して好ましく
ない。B層の厚みは、耐衝撃性を発揮させるためには5
μm以上が好ましい。しかし100μmを超えると耐変
形性が悪化する。より好ましくは20〜50μmであ
る。
【0011】C層は、金属との密着性を発現させるため
に設けられる層であり、C層を構成するポリエステルの
Tgが30〜50℃であることが必須要件である。C層
のTgが高すぎると、金属鋼板、特にブリキとの密着性
が悪くなり、缶壁部にフィルム剥離が生じて、この剥離
部を起点としたクラックが発生することになる。C層の
Tgが低いほど、フィルムは柔軟な性質を持つので密着
性は向上するが、Tgが30℃未満になると、A層やB
層との熱特性のバランスが悪くなるため、製缶加工後の
熱処理工程において、フィルムに皺が入り易くなる。C
層の厚みは特に限定されないが1〜10μm程度が好ま
しい。
【0012】本発明の複合フィルムに用いられるA層、
B層、C層を構成するポリエステルは、エチレングリコ
ールとテレフタル酸を重縮合させたポリエチレンテレフ
タレート(PET)は結晶化温度が高く高融点を示すの
で、A層構成成分として利用できる。また、ブチレング
リコールとテレフタル酸からなるポリブチレンテレフタ
レートや、ブタンジオールとテレフタル酸からなるポリ
エステル等のテレフタル酸を酸成分とするポリエステル
が、結晶性が高く耐熱性を発揮し得るA層構成成分とし
て有用である。その他、結晶化温度Tc2が前記規定範囲
からはずれない限り、後述の他のジカルボン酸成分やジ
オール成分を併用することは構わない。
【0013】エチレングリコールとテレフタル酸とイソ
フタル酸からなるポリエチレンテレフタレートイソフタ
レートはPETに比べ分子鎖の動き易さが増し、融点が
低下することは知られている。従って、イソフタル酸成
分の共重合比を増やすことによって、融点やTgを下げ
た共重合ポリエステルを得ることができる。これらのポ
リエステルを単独で、または前述のテレフタル酸主体の
ポリエステルと混合することによって、B層あるいはC
層を構成するポリエステルを得ることができる。その他
の使用できる酸成分としては、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン
酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられ、ジオール
成分としては、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、デカンジオール、ジ、トリおよびポリエチレン
グリコール、テトラメチレングリコール等を用いること
ができる。
【0014】上記ポリエステルは、ジカルボン酸とグリ
コールとを直接反応させてから、ジカルボン酸のアルキ
ルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後
重縮合させるか、あるいはジカルボン酸のジグリコール
エステルを重縮合させる等の公知の方法によって製造す
ることができる。
【0015】本発明の複合フィルムを製造する方法とし
ては、A層、B層、C層を構成するポリエステルを、そ
れぞれ独立した別々の押出機で押出し、ダイ外またはダ
イ内で3層化することによって未延伸複合フィルムが得
られるので、その後公知の延伸工程を行えば良い。未延
伸フィルムは、速度差を有するロール間でのロール延伸
法、クリップに把持して拡げていくテンター延伸法、空
気圧によって円周方向に拡げるインフレーション法等の
公知の延伸法によって、少なくとも1軸に配向処理され
る。延伸条件としては、例えば70〜110℃で縦方向
に2〜4倍延伸し、次いで80〜110で横方向に3〜
5倍延伸することができるが、延伸方法に応じて適宜条
件変更が可能である。延伸後には熱処理することが好ま
しく、120〜240℃で行うと良い。
【0016】本発明の金属貼合せ用ポリエステル複合フ
ィルムは以上の工程を経て製造することができる。貼り
合せる対象金属としては特に限定されないが、金属缶用
のブリキ(錫メッキ鋼板)、クロム処理鋼板(ティンフ
リースチール)、ニッケルメッキ鋼板等が例示される。
ラミネート温度は、B層のポリエステルの融点より高い
温度で行うことが各層の特性を発揮する点で好ましい。
【0017】本発明のポリエステル複合フィルムには、
必要に応じて公知の添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、可塑剤、無機系粒子、無機・有機系滑材、
顔料、耐電防止剤等を分散・配合させることも可能であ
る。
【0018】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0019】実施例および比較例で用いた測定・評価方
法は次の通りである。 1)結晶化温度 A層用のポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶
融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル10mgを
用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DSC)を用い
て10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線(DSC曲
線)を測定したときの、結晶化に伴う発熱ピークの頂点
温度を結晶化温度Tc2(℃)とした。
【0020】2)融点およびガラス転移点 B層およびC層用のポリエステル組成物を300℃で5
分間加熱溶融した後、液体窒素で急冷して得たサンプル
10mgを用い、窒素気流中、示差走査型熱量計(DS
C)を用いて10℃/分の昇温速度で発熱・吸熱曲線
(DSC曲線)を測定したときの、融解に伴う吸熱ピー
クの頂点温度を融点Tm(℃)とし、0〜100℃缶の
吸熱変化カーブに2本の接線を引き、その交点をガラス
転移点Tg(℃)とした。
【0021】3)製缶後の状態評価 後述の実施例1〜6および比較例1〜7で得たポリエス
テル複合フィルムを、220℃に加熱したブリキ(T−
1、#25/#25、厚さ0.29mm)に水冷ロール
で圧着した後、水中において急冷しラミネート鋼板を作
製した。このラミネート鋼板に絞り・しごき加工を施し
て、缶径φ211mmの金属缶を10個作製し、ポンチ
とフィルムとの粘着、フィルム剥離、缶壁部、缶底部に
おけるクラックの発生状態を目視で観察した。
【0022】4)熱処理後の皺の発生状態評価 上記金属缶10個を熱風乾燥機中200℃で5分間加熱
した後の皺の発生状態を目視で観察した。 5)耐熱性(分銅の跡形の有無) ラミネート鋼板を5cm×5cmに切断したサンプルの
上に、100gの分銅を載せ、200℃で5分間加熱し
た後の、分銅の跡形の発生状態を目視で観察した。
【0023】なお、以下の実施例および比較例で用いた
ポリエステルの略号と内容は次のとおりである。 PET :ポリエチレンテレフタレート PBT :ポリブチレンテレフタレート PETI15:ポリエチレンテレフタレート・イソフタ
レート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位15モ
ル%) PETI22:エチレンテレフタレート・イソフタレー
ト(エチレンイソフタレートの繰り返し単位22モル
%) PETI50:ポリエチレンテレフタレート・イソフタ
レート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位50モ
ル%) PTIAB :テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン
酸(モル%比65/10/25)とブタンジオール(1
00モル%)との共重合ポリエステル PDB :テレフタル酸/ダイマー酸(モル%比9
1/9)とブタンジオール(100モル%)との共重合
ポリエステル PENT :テレフタル酸(100モル%)とエチレ
ングリコール/ネオペンチルグリコール(モル%比70
/30)
【0024】実施例1 A層としてPET単独、B層としてPETI15単独、
C層としてPETI22を70重量%とPTIABを3
0重量%からなるポリエステルを用い、各層構成ポリエ
ステルをダイ外結合で3層化した後、290℃で押出し
急冷して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを
95℃で縦方向に3.5倍延伸し、次いで95℃で横方
向に4.0倍延伸した後、180℃で熱処理することに
よって、全体厚さ30μmのポリエステル複合フィルム
を得た。このときA層は3μm、B層は25μm、C層
は2μmであった。前記測定手法で評価した特性結果を
表1に示した。
【0025】実施例2 A層としてPBT単独を使用した以外は実施例1と同様
にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/2
5/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。
【0026】実施例3 A層としてPDB単独を使用した以外は実施例1と同様
にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/2
5/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。 実施例4 B層としてPETI22を単独で使用した以外は実施例
1と同様にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層
=3/25/2μm)のポリエステル複合フィルムを得
た。特性結果を表1に示した。
【0027】実施例5 B層としてPETI22を80重量%と、PBT20重
量%含むポリエステルを使用した以外は実施例1と同様
にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/2
5/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。 実施例6 C層としてPETI22を80重量%と、PTIAB2
0重量%含むポリエステルを使用した以外は実施例1と
同様にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3
/25/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。
特性結果を表1に示した。
【0028】比較例1 C層を設けない以外は実施例1と同様にして、厚さ30
μm(A層/B層=3/27μm)の2層ポリエステル
フィルムとした。特性結果を表1に示した。 比較例2 B層を設けない以外は実施例1と同様にして、厚さ30
μm(A層/C層=3/27μm)の2層ポリエステル
フィルムとした。特性結果を表1に示した。
【0029】比較例3 A層を設けない以外は実施例1と同様にして、厚さ30
μm(B層/C層=28/2μm)の2層ポリエステル
フィルムとした。特性結果を表1に示した。 比較例4 C層をPENT単独とした以外は実施例1と同様にし
て、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/25/
2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性結果
を表1に示した。
【0030】比較例5 B層としてPET50重量%と、PETI22を50重
量%含むポリエステルを使用した以外は実施例1と同様
にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/2
5/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。
【0031】比較例6 B層をPENT単独とした以外は実施例1と同様にし
て、全体厚み25μm(B層/A層=3μm/22μm
=0.14)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。 比較例7 A層としてPET60重量%と、PETI50を40重
量%含むポリエステルを使用した以外は実施例1と同様
にして、全体厚さ30μm(A層/B層/C層=3/2
5/2μm)のポリエステル複合フィルムを得た。特性
結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1〜6の本発明のポリエステル複合
フィルムは、耐熱性に優れ、ポンチ粘着や、分銅の跡形
の発生は全くなかった。また、製缶後のフィルム剥離
や、缶壁部および缶底部におけるクラック発生はもとよ
り、熱処理後の皺の発生も認められず、高性能なラミネ
ート鋼板であることがわかる。
【0034】一方比較例1はC層がないため、ブリキに
対する密着性に劣り、フィルム剥離や缶壁部のクラック
発生が5割の金属缶に認められた。B層がなく、A層と
C層のみの2層構成である比較例2は、2層の熱特性の
バランスが悪いため6割の金属缶に熱処理時の皺の発生
が認められた。A層のない比較例3では、耐熱性不足に
起因するポンチ粘着や分銅の跡形付着等の不良が発生し
ている。
【0035】比較例4〜7は3層構成であるがいずれも
本発明の規定する各層の熱特性を満足していない例であ
り、比較例4では密着性を確保するためのC層のTgが
高すぎるため、すべての金属缶にフィルム剥離や缶壁部
のクラックが発生した。B層のTmが高すぎる比較例5
は、耐変形性に劣っているため、特に缶壁部でのクラッ
ク発生が著しい。逆にB層のTmの低過ぎる比較例6
は、熱処理時の皺の発生が8割の金属缶に認められた。
比較例7はA層の結晶化温度Tc2が低過ぎて耐熱性を確
保できないことが明らかである。
【0036】
【発明の効果】本発明の金属貼合せ用ポリエステル複合
フィルムは以上の様に構成されているので、耐熱性、耐
変形性、耐衝撃性、密着性のすべてに優れたラミネート
鋼板を提供することができる。また各層の熱特性のバラ
ンスが良好であるので、製缶後の熱処理工程でもフィル
ムに皺が発生することがない。このため、本発明のフィ
ルムを用いたラミネート鋼板は、製缶加工時におけるポ
ンチとの粘着や、搬送ピンの跡形付着等、実ラインでの
不良を起こすことがなくなった。また、缶壁部の長い缶
においても良好な密着性や耐変形性を有するため、金属
缶用内部保護フィルムとして非常に高性能でかつ有用な
フィルムを提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 煕 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (72)発明者 竹内 邦夫 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (72)発明者 松田 明 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社犬山工場内 (56)参考文献 特開 平2−81630(JP,A) 特開 平5−254065(JP,A) 特開 平5−154971(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A層、B層、C層の3層が積層された構
    造のポリエステル複合フィルムであって、前記A層は結
    晶化温度Tc2 が150℃以上のポリエステルからな
    り、前記B層は融点Tmが190〜225℃で、ガラス
    転移温度Tgが50℃以上のポリエステルからなり、前
    記C層はTgが30〜50℃であるポリエステルからな
    ることを特徴とする金属貼合せ用ポリエステル複合フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 上記A層を構成するポリエステルが酸成
    分としてテレフタル酸のみを用いたポリエステルであ
    り、B層およびC層を構成するポリエステルが酸成分と
    してテレフタル酸とイソフタル酸を用いたポリエステル
    である請求項1に記載の複合フィルム。
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