JP3300116B2

JP3300116B2 - 農産物収穫機

Info

Publication number: JP3300116B2
Application number: JP18405893A
Authority: JP
Inventors: 豊典佐藤; 明彦垣見; 稔小田; 政利藤原
Original assignee: KOBASHI INDUSTRIES CO., LTD.
Current assignee: KOBASHI INDUSTRIES CO., LTD.
Priority date: 1993-07-26
Filing date: 1993-07-26
Publication date: 2002-07-08
Anticipated expiration: 2017-07-08
Also published as: JPH0731243A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば甘藷、馬鈴薯、
玉葱、ビート、里芋、こんにゃく芋、短根人参、ラッキ
ョウ等の根菜類を圃場から収穫してのちこれを選別する
選別用コンベアを、バータイプコンベアと平ベルトタイ
プコンベアとに簡単に変更できるようにした農産物収穫
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、甘藷、馬鈴薯、こんにゃく芋のよ
うな根菜類を圃場から収穫して選別して収容するように
した農産物収穫機として、自走機体に、圃場に植生して
いる農産物を収穫し搬送を行う収穫用コンベアと、収穫
用コンベアにより搬送された収穫物を選別する選別用コ
ンベアと、選別用コンベアにより選別された収穫物をコ
ンテナに収容して搭載するコンテナ搭載台と、を設けた
ものが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
農産物収穫機の選別用コンベアは、収穫される根菜（い
も）類の種類、収穫圃場の土質、気象条件等により、バ
ータイプコンベアが適している場合（例えば馬鈴薯）
と、平ベルトタイプコンベアが適している場合（例えば
甘藷）とがあり、これらを選択して用いることが望まし
い。しかしながら、バータイプコンベアと平ベルトタイ
プコンベアとを相互に交換する作業は、多くの時間及び
労力を要するばかりでなく、予め両コンベアを用意して
おくことは、経済的負担が大きい、といった問題点があ
った。本発明は、上記の問題点を解決することを目的に
なされたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、 (1) 自走機体に、圃場に植生している農産物を収穫し搬
送を行う収穫用コンベアの後段に、この収穫用コンベア
により搬送された収穫物を選別する選別用コンベアを設
けた農産物収穫機において、上記選別用コンベアを、バ
ータイプのコンベアによって構成し、このバータイプコ
ンベアに対して、嵌合，離脱可能の嵌合部を有する平ベ
ルトを外嵌して平ベルトタイプのコンベアに変更可能と
したこと、

【０００５】(2) 上記平ベルトを、バータイプコンベア
のバーによって回転駆動するように構成したこと、をそ
れぞれ特徴とする。

【０００６】

【作用】上記の構成によって本発明の農産物収穫機は、
次の作用を行う。選別用コンベアを、バータイプのコンベアによって
構成し、このバータイプコンベアに対して、嵌合，離脱
可能の嵌合部を有する平ベルトを外嵌して平ベルトタイ
プのコンベアに変更可能としたので、バータイプコンベ
アから平ベルトタイプコンベアに、また、平ベルトタイ
プコンベアからバータイプコンベアに、簡単に変更でき
る。

【０００７】平ベルトを、バータイプコンベアのバ
ーによって回転駆動するようにしたので、バータイプコ
ンベアに平ベルトを外嵌するだけで、平ベルトタイプコ
ンベアにすることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付の図面を参照
して具体的に説明する。図４及び図５において、符号１
はいも類収穫機であり、このいも類収穫機１は機体２に
左右対をなしスピン旋回を可能にしたクローラ３，３を
装備している。機体２の一側前側にエンジン４を搭載
し、その近傍に、エンジン４により駆動される油圧装置
を装備している。クローラ３，３間で、機体２の後部寄
り下部位置にはトランスミッション５を設けている。ま
た、クローラ３，３間の機体２の前方下部から機体中央
上部を通って機体後部にかけて、圃場の農産物を掘取
り、後方に向け搬送を行う，先端側が下降するように傾
斜した掘取りコンベア装置６を設けている。エンジン４
後側の機体２の一側には、操縦装置７を設けている。

【０００９】上記掘取りコンベア装置６は、左右一対の
側枠（フレーム）８に支持され、先端に掘取り刃９を設
け、この掘取り刃９に連続するようにして、無端リンク
ロッド（バー）からなり、所定間隔にスラットを有する
傾斜搬送部１０を巻装し、その傾斜上端部の回動部１０
ａを中心に傾斜下端側が上下方向に回動可能で、機体２
と側枠８，８間に設けた油圧シリンダ１１の伸縮作動に
よって上下動調節、即ち、掘取り深さの調節が行われる
ようになっており、また、側枠８，８の途中から掘取り
コンベア１０と共に機体側に折り畳めるようになってい
て、その折り畳み，折り畳み解除操作を油圧シリンダ１
２により行うようにしている。掘取りコンベア１０は、
その移動速度を、無段または有段に変速調節可能となっ
ている。また、左右の側枠８，８から前方に向け突出し
たブラケット１３，１３には、収穫対象畝の長さ方向に
沿って機体の移動と共に追従する畝追従装置１４を設け
ている。

【００１０】この畝追従装置１４は、収穫対象畝の傾斜
両肩部に転接する一対のホィール１５，１５を対向させ
て設け、この両ホィール１５を掘取りコンベア装置６に
対し上下調節機構１６により上下調節可能、かつスライ
ド機構１７，１７により左右移動調節可能に支持してい
る。また、一対のホィール１５，１５は、キャンバー角
を有している。上記掘取りコンベア装置６の側枠８に
は、その折り畳み部の近傍に図示しないが動力断接機構
を設けている。掘取りコンベア装置６の側方に、掘取ら
れて搬送されてくる収穫物の前処理を行う補助作業者が
搭乗する補助作業者搭乗装置１８を配設している。この
補助作業者搭乗装置１８は不要の場合には取り外し可能
となっている。

【００１１】掘取りコンベア装置６と連続するようにし
て、機体後部にバータイプの選別コンベア１９が配設さ
れている。このコンベア１９の移送方向一側に操縦部７
の操縦操作及び選別作業を行う作業者が搭乗する作業者
搭乗装置２０が、他側に選別作業を行う作業者が搭乗す
る選別作業者搭乗装置２１が、それぞれ設けられてい
る。選別作業者搭乗装置２１の近傍に、操縦部７に設け
た走行クラッチレバー及び掘取りコンベア１０のクラッ
チレバーと連動して操作できるクラッチレバー２２が設
けられている。両搭乗装置２０，２１には、それぞれス
テップ２０ａ，２１ａが設けられている。両搭乗装置２
０，２１の選別コンベア１９に臨む前側位置に、機体２
の強度メンバーを兼ねる手摺２３，２３が設けられてい
る。選別コンベア１９の下方にはコンテナを収容する空
間部２４が形成され、後方にはコンテナを搭載するため
の収穫物搭載装置２５が設けられている。

【００１２】上記バータイプ選別コンベア１９は、図１
及び図２に示すように、多数のバー１９ａ，１９ａ…の
両端部をチェン状の連結部材１９ｂ，１９ｂにより連結
し、その両連結部を、側枠２８，２８に支持された軸受
に軸支され、対をなす複数のスプロケット１９ｃ，１９
ｃ…に巻回して噛み合わせており、スプロケット１９ｃ
の回転により回転駆動するようになっている。このバー
タイプ選別コンベア１９に対して、嵌合，離脱可能の平
ベルト２９が設けられている。この平ベルト２９にはそ
の内面側に、バータイプ選別コンベア１９のバー１９
ａ，１９ａ間の長さ方向に嵌合，離脱可能の嵌合突起２
９ａを複数個（図面では２個）突設させている。

【００１３】上記平ベルト２９は、図３に示すベルトレ
ーシング３０により連結、連結解除が行われる。即ち、
平ベルト２９の両端部にはそれぞれ多数のレーシング駒
３０ａ，３０ａ…が対向して固着され、これらレーシン
グ駒３０ａ，３０ａ…を対向，組合せてレーシングピン
３０ｂを挿通することにより、平ベルト２９がエンドレ
スベルトとなってバータイプ選別コンベア１９に外嵌さ
れ、平ベルト２９はバータイプ選別コンベア１９により
回転駆動されて、平ベルトタイプの選別コンベ３１に変
更される（図６参照）。また、レーシングピン３０ｂを
レーシング駒３０ａ，３０ａ…から引き抜くと、平ベル
ト２９はバータイプ選別コンベア１９から簡単に外すこ
とができ、再びバータイプ選別コンベア１９となる。

【００１４】上記手摺２３，２３を延長するようにし
て、バータイプ選別コンベア１９及び掘取りコンベア１
０の上方を跨ぐ跨ぎフレーム２６が設けられ、この跨ぎ
フレーム２６に機体の前後両方向を照らすライト２７が
取り付けられている。また、上記エンジン４から動力を
受けて変速するトランスミッション５においては、図示
しないが無段変速する油圧無段変速装置（ＨＳＴ）を具
備しており、変速ギヤを介して無段と有段とに変速する
ようにし、サイドクラッチ、デファレンシャル装置を介
して動力伝達を接，断してクローラ３，３を無段と有段
とに変速走行させるようにしている。また、デファレン
シャル装置に関連してブレーキ装置が設けられている。
そして、操向レバーを大きく操作したとき、サイドクラ
ッチ、差動機構、ブレーキの作動により機体をスピン
（超信地）旋回させる。

【００１５】さらに、掘取りコンベア１０は、その移動
速度が無段と有段とに変速調節可能であり、これにクロ
ーラ３，３の無段または有段走行と組合せることによ
り、掘取り作業速度が自由に設定可能である。上記掘取
りコンベア装置６は、いも類収穫機１の非使用時には、
掘取りコンベア装置６全体を回動部１０ａを中心に回動
させるか、あるいは図５に示すように、先端側部分を折
り畳んで機体側に回動させて収納状態にし、機体前後長
を短くして軽トラックの荷台に積載して運搬でき、ま
た、倉庫などに収納できると共に、枕地旋回を少ない面
積で行うことができる。

【００１６】次に、上記のように構成されたいも類収穫
機１の作用について説明する。いも類収穫機１は、例え
ば、甘藷、馬鈴薯、こんにゃく芋等のいも類を圃場から
収穫するとき、畝追従装置１４のホィール１５，１５
を、収穫対象畝の傾斜両肩部に転接させ、掘取りコンベ
ア装置６の掘取り刃９を油圧シリンダ１１によって上下
動調節して掘取り深さを調節し、機体の前進により収穫
物を掘取り刃９により掘取り、これを掘取りコンベア１
０により土と共に搬送しながら機体斜め上方に揚上す
る。この搬送の間にリンクロッド間から土が落下し、補
助作業者搭乗装置１８に座った作業者により、いも以外
のつるや茎葉、大きな土塊、石等を除去する前処理が行
われる。

【００１７】掘取りコンベア１０の搬送終端からバータ
イプ選別コンベア１９上に排出された収穫物の内のいも
のみを、作業者搭乗装置２０及び選別作業者搭乗装置２
１に座った作業者が手摺２３，２３越しに選別し、収穫
物搭載装置２５に搭載されたコンテナ内に収容する。バ
ータイプ選別コンベア１９から落下した小さいいもは空
間部２４に置かれたコンテナ内に収容される。このよう
な収穫、選別、収容作業時に収穫されるいもの種類、収
穫圃場の土質、気象条件等により、バータイプコンベア
１９が適している場合（例えば馬鈴薯）と、平ベルトタ
イプコンベア３１が適している場合（例えば甘藷）とを
選択して用いる。平ベルト２９のバータイプコンベア１
９への着脱は、ベルトレーシング３０のレーシングピン
３０ｂの挿脱操作により簡単に、かつ短時間に行われ
る。

【００１８】いも類収穫機１は、クローラ（走行装置）
３，３の前方側にエンジン４、トランスミッション５、
操作部（操作系）７を配設し、後方側に作業者搭乗装置
２０，選別作業者搭乗装置２１及び収穫物搭載装置２５
を配設することにより、機体２の前後，左右のバランス
がよく、作業性，作業精度が良好であり、機体２の走行
性，旋回性能，安定性が良い。また、走行装置（クロー
ラ３，３）をスピン旋回が可能に構成すると共に、トラ
ンスミッション５を機体前側中央部に配設していること
により、機体２がスピン旋回するときに左右何れの方向
にもバランスよく旋回できる。従って、クローラ３，３
によって圃場の土を大きくかき寄せることがない。

【００１９】掘取りコンベア装置６の前方には収穫対象
畝の長さ方向に沿って機体の移動と共に追従する畝追従
装置１４を設け、その収穫対象畝の傾斜両肩部に転接す
る一対のホィール１５を対向させて設けて掘取りコンベ
ア装置６に対し上下調節、かつ左右調節可能に支持して
いるので、両ホィール１５は収穫対象畝に対し正確に追
従して機体を自動操向し、掘取りコンベア装置６による
自動掘取り・搬送が行われる。従って、作業者搭乗装置
２０に座った作業者は収穫対象畝の畝端における機体操
向操作以外は、ほとんどの時間を選別作業に当てること
ができる。また圃場端で枕地旋回を行うときは、油圧シ
リンダ１２で掘取りコンベア装置６を折り畳むことによ
り、クローラ３，３のスピン旋回とともに小さい旋回半
径で旋回できる。

【００２０】上記平ベルトタイプの選別コンベ３１は、
図７及び図８に示す第２実施例のように構成してもよい
ものである。即ち、この実施例のものは、バータイプ選
別コンベア１９のバー１９ａ，１９ａ…のうちの適当間
隔のものに、その両側端部の外周面に係合突起１９ｄ，
１９ｄ…を設け、これら係合突起１９ｄ，１９ｄ…と係
合する係合孔２９ｂ，２９ｂ…を平ベルト２９に形成し
たものである。

【００２１】この第２の実施例の平ベルトタイプの選別
コンベ３１においても、上記第１実施例のものと同様
に、平ベルト２９のバータイプコンベア１９への着脱
は、ベルトレーシング３０のレーシングピン３０ｂの挿
脱操作により簡単かつ短時間に行うことができる。

【００２２】なお、本考案のいも類収穫機１は、いも類
収穫作業のほか、例えば海岸や砂丘地などにおいて、放
置されている空かん，空き瓶，木片等を回収する作業に
も用いることができる。その際には、畝追従装置１４を
取外すか、あるいは掘取り刃９の掘取り深さ調節装置と
して機能させればよい。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明の農産物収穫
機によれば、以下の効果を奏することができる。選別用コンベアを、バータイプのコンベア１９によ
って構成し、このバータイプコンベア１９に対して、嵌
合，離脱可能の嵌合部を有する平ベルト２９を外嵌して
平ベルトタイプのコンベア３１に変更可能としたので、
バータイプコンベア１９から平ベルトタイプコンベア３
１に、また、平ベルトタイプコンベア３１からバータイ
プコンベア１９に、簡単かつ短時間に変更することがで
き、目的に応じた適正な選別作業を行うことができる。
また、平ベルト２９を用意するだけでバータイプコンベ
ア１９を平ベルトタイプコンベア３１に変更することが
できので、経済的である。

【００２４】平ベルトを、バータイプコンベアのバ
ーによって回転駆動するようにしたので、バータイプコ
ンベアに平ベルトを外嵌するだけで、平ベルトタイプコ
ンベアにすることができる。従って、平ベルトタイプコ
ンベアを別に用意する必要がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による選別用コンベアの第１実施例の平
面図である。

【図２】同側面図である。

【図３】ベルトレーシングの斜視図である。

【図４】本発明によるバータイプ選別用コンベアを適用
した農産物収穫機全体の平面図である。

【図５】同側面図である。

【図６】本発明による平ベルトタイプ選別用コンベアを
適用した農産物収穫機全体の平面図である。

【図７】本発明による選別用コンベアの第２実施例の平
面図である。

【図８】同側面図である。

【符号の説明】

１いも類収穫機２機体３クローラ４エンジン５トランスミッション６掘取りコンベア装置７操縦部８側枠（フレーム）９掘取り刃１０掘取りコンベア１０ａ回動部１１掘取りコンベア装置の上下動調節用油圧シリンダ１２掘取りコンベア装置の折り畳み用油圧シリンダ１３ブラケット１４畝追従装置１５ホィール１６上下調節機構１７スライド機構１８補助作業者搭乗装置１９バータイプの選別コンベア１９ａバー１９
ｂ連結部材１９ｃスプロケット１９ｄ係合突起２０作業者搭乗装置２０ａステップ２１選別作業者搭乗装置２１ａステップ２２クラッチレバー２３機体の強度メンバーを兼ねる手摺２４空間部２５収穫物搭載装置２６跨ぎフレーム２７ライト２８選別コンベアの側枠２９ベルト２９ａ嵌合突起２９ｂ係合孔３０ベルトレーシング３０ａレーシング駒３０
ｂレーシングピン３１ベルトタイプの選別コンベア

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者藤原政利岡山県岡山市中畦684番地小橋工業株式会社内 (56)参考文献特開平５−168323（ＪＰ，Ａ) 実開平６−9413（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01D 13/00 - 33/14

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】自走機体に、圃場に植生している農産物
を収穫し搬送を行う収穫用コンベアの後段に、この収穫
用コンベアにより搬送された収穫物を選別する選別用コ
ンベアを設けた農産物収穫機において、上記選別用コンベアを、バータイプのコンベアによって
構成し、このバータイプコンベアに対して、嵌合，離脱
可能の嵌合部を有する平ベルトを外嵌して平ベルトタイ
プのコンベアに変更可能としたことを特徴とする農産物
収穫機。
【請求項２】上記平ベルトを、バータイプコンベアの
バーによって回転駆動するように構成したことを特徴と
する請求項１記載の農産物収穫機。