JP3299531B2 - 発電プラント - Google Patents

発電プラント

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JP3299531B2
JP3299531B2 JP36533299A JP36533299A JP3299531B2 JP 3299531 B2 JP3299531 B2 JP 3299531B2 JP 36533299 A JP36533299 A JP 36533299A JP 36533299 A JP36533299 A JP 36533299A JP 3299531 B2 JP3299531 B2 JP 3299531B2
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boiler
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崇仁 山寺
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の熱エネルギ
ー発生源および複数の電気エネルギー発生装置を備えた
発電プラントにおいて、線形計画法や非線形計画法等を
用いて各熱エネルギー発生源および各電気エネルギー発
生装置の負荷を適切に配分できるように構成した発電プ
ラントおよびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ボイラや蒸気タービンを含む既存
設備に新たなボイラや蒸気タービンを増設した多缶ボイ
ラ型発電プラントが増加している。こうしたシステムを
効率的に運用するためには、効率の良いボイラ、蒸気タ
ービンを優先的に使用して、全体の負荷を高効率設備に
集中させる方法が一般的である。また、複数のボイラや
蒸気タービンを備える場合、100%動作させる設備の
数を制御する台数制御が主流となっている。
【0003】一方、CO2、NOx、SOxなどの環境
問題が地球規模で議論されており、発電プラントからの
排気ガスを適切に管理する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】関連する先行技術につ
いて、特開平10−159507号はディーゼル/ボイ
ラからなる発電装置においてNOxを規制値以下に保持
し、最適なプラント効率を維持するように負荷分担する
ものであるが、ディーゼル燃料費用とボイラ燃料費用と
が同等でない場合は考慮されておらず、ディーゼルやボ
イラが複数台構成になって組み合わせが複雑になると計
算が困難になるという問題がある。
【0005】また特開平8−200095号は、予め作
成した起動停止スケジュールに沿って各プラントの発停
タイミングを最適化するものであり、発停中の燃料ロス
を最小にすることによってCO2、NOxの低減化を図
っている。
【0006】また特開昭61−104107号は、複数
ユニットから成る火力発電プラントにおいて、各ユニッ
トのNOx量を予測して制御するとともに、未起動のユ
ニットを起動する際にもNOxの総量が規制値を超えな
いようにプラント全体のNOx量を制御している。
【0007】また特開平8−128305号は、火力発
電プラントの起動スケジュールを自動生成する際、ファ
ジー推論を用いて、発生熱応力による制限と排出NOx
などの環境規制値による制限を同時に満足している。
【0008】また特開平8−303211号は、火力発
電プラントの起動スケジュールを自動生成する際、ファ
ジー推論、ニューラルネットワークなどの適応知識を習
得し、プラント運用が変更されても過去の運転実績に基
づいて起動スケジュールを最適化している。
【0009】また特開平9−152903号は、火力発
電プラントの起動スケジュールを生成する際、動的シミ
ュレータに対してファジー推論を繰り返し適用して、起
動スケジュールの最適化をオフラインで支援している。
【0010】また特開平2−44119号は、環境因子
(NOx、SOx等)、安全因子(熱交換部のメタル温
度等)、効率因子(ボイラ効率、補機動力等)を指標と
してボイラの燃焼状態を制御している。
【0011】また特開平4−322721号は、脱流装
置の補機などの異常によって脱流性能が劣化した場合、
SOx規制値を超えないように発電プラントの最大負荷
を設定している。
【0012】本発明の目的は、排気ガスの規制値を遵守
しつつ、ランニングコストの低減化が図られる発電プラ
ントおよびその運転方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)燃料を
燃焼させて熱エネルギーを発生し、高温の熱媒体を供給
する複数の熱エネルギー発生源と、 (b)熱エネルギー発生源からの熱媒体が有する熱エネ
ルギーを電気エネルギーに変換する複数の電気エネルギ
ー発生装置と、 (c)各熱エネルギー発生源から排出される排気ガスを
処理する複数の排気ガス処理装置と、 (d)熱エネルギー発生源へ供給する燃料の流量を制御
する燃料流量制御手段と、 (e)熱エネルギー発生源へ供給する空気の流量を制御
する空気流量制御手段と、 (f)電気エネルギー発生装置へ供給する熱媒体の流量
を制御する熱媒体流量制御手段と、 (g)電力要求値WSETを設定する手段と、 (h)プラント制御装置であって、 (h1)熱エネルギー発生源からの熱媒体の流量fB
(i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流量fFU
EL(i)(k)の近似式で表し、 (h2)各電気エネルギー発生装置Tjの発電量W
(j)SETを、各電気エネルギー発生装置Tjに供給
される熱媒体の流量fT(j)の近似式で表し、 (h3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各熱エ
ネルギー発生源Bi毎の総燃料消費ランニングコストC
FUELを計算し、 (h4)各熱エネルギー発生源Bi毎の複数の各種類毎
の排気ガス処理装置による排気ガス処理のランニングコ
ストの総和CCO2,CNOx,CSOxを計算し、 (h5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重みを考慮
したトータルのランニングコストCALLを計算し、 (h6)各熱エネルギー発生源Biからの各種類毎の排
気ガスの発生量fCO2(i),fNOx(i),fS
Ox(i)の総量fCO2all,fNOxall,f
SOxallを、予め定める各規制値fCO2(ma
x),fNOx(max),fSOx(max)以下と
し、かつ、 (h7)前記トータルのランニングコストCALLが最
小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
して、 (h8)各電気エネルギー発生装置B1〜Bnの目標電
力値W(1)SET〜W(m)SET、ならびに (h9)各エネルギー発生源B1〜Bnの燃料流量fF
UEL(1)(k)〜fFUEL(n)(k)および空
気流量fA(1)〜fA(n)を、定期的に算出してそ
れぞれ制御目標値とし、 (h10)各熱エネルギー発生源Biの燃料の種類、燃
料の流量、燃焼用空気を制御するとともに、 各電気エネルギー発生装置Tjに供給される熱媒体流量
を制御するプラント制御装置とを含むことを特徴とする
発電プラントである。 また本発明は、(a)燃料を燃焼させて熱エネルギーを
発生し、高温の熱媒体を供給する複数の熱エネルギー発
生源と、 (b)熱エネルギー発生源からの熱媒体が有する熱エネ
ルギーを電気エネルギーに変換する複数の電気エネルギ
ー発生装置と、 (c)各熱エネルギー発生源から排出される排気ガスを
処理する複数の排気ガス処理装置と、 (d)熱エネルギー発生源へ供給する燃料の流量を制御
する燃料流量制御手段と、 (e)熱エネルギー発生源へ供給する空気の流量を制御
する空気流量制御手段と、 (f)電気エネルギー発生装置へ供給する熱媒体の流量
を制御する熱媒体流量制御手段と、 (g)電力要求値WSETを設定する手段とを含み、 (h1)熱エネルギー発生源からの熱媒体の流量fB
(i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流量fFU
EL(i)(k)の近似式で表し、 (h2)各電気エネルギー発生装置Tjの発電量W
(j)SETを、各電気エネルギー発生装置Tjに供給
される熱媒体の流量fT(j)の近似式で表し、 (h3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各熱エ
ネルギー発生源Bi毎の総燃料消費ランニングコストC
FUELを計算し、 (h4)各熱エネルギー発生源Bi毎の複数の各種類毎
の排気ガス処理装置による排気ガス処理のランニングコ
ストの総和CCO2,CNOx,CSOxを計算し、 (h5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重みを考慮
したトータルのランニングコストCALLを計算し、 (h6)各熱エネルギー発生源Biからの各種類毎の排
気ガスの発生量fCO2(i),fNOx(i),fS
Ox(i)の総量fCO2all,fNOxall,f
SOxallを、予め定める各規制値fCO2(ma
x),fNOx(max),fSOx(max)以下と
し、かつ、 (h7)前記トータルのランニングコストCALLが最
小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
して、 (h8)各電気エネルギー発生装置B1〜Bnの目標電
力値W(1)SET〜W(m)SET、ならびに (h9)各エネルギー発生源B1〜Bnの燃料流量fF
UEL(1)(k)〜fFUEL(n)(k)および空
気流量fA(1)〜fA(n)を、定期的に算出してそ
れぞれ制御目標値とし、 (h10)各熱エネルギー発生源Biの燃料の種類、燃
料の流量、燃焼用空気を制御するとともに、各電気エネ
ルギー発生装置Tjに供給される熱媒体流量を制御する
ことを特徴とする発電プラントの運転方法である。 また本発明は、(a)複数nのボイラBiであって、費
用が異なる複数qの燃料を切換えて使用するボイラBi
と、 (b)各ボイラBiからの蒸気が流入される蒸気ヘッダ
SHと、 (c)複数mのタービン発電機Tjであって、 蒸気ヘッダSHからの蒸気がそれぞれ供給され、各ター
ビン発電機Tjからの総電力が外部に供給されるタービ
ン発電機Tjと、 (d)電力要求値WSETを設定する手段と、 (e)プラント制御装置であって、 (e1)各ボイラBiの蒸気ヘッダSHへ流入する蒸気
流量fB(i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流
量fFUEL(i)(k)の近似式で表し、各ボイラB
iの運用の燃料供給流量fB(i)の範囲を設定し、 (e2)各タービン発電機Tjの発電量W(j)SET
を、蒸気ヘッダSHから供給する蒸気流量fT(j)の
近似式で表し、各タービン発電機Tjの運用の発電量W
(j)SETの範囲を設定し、 (e3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各ボイ
ラBi毎の総燃料消費ランニングコストCFUELを計
算し、 (e4)各ボイラBi毎のCO2排気ガス処理のランニ
ングコストの総和CCO2と、各ボイラBi毎のNOx
排気ガス処理のランニングコストの総和CNOxと、各
ボイラBi毎のSOx排気ガス処理のランニングコスト
の総和CSOxを計算し、 (e5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重み係数w
f,wCO2,wNOx,wSOxを設定し、 (e6)トータルのランニングコストCALL、 CALL = wf・CFUEL+wCO2・CCO2 +wNOx・CNOx+wSOx・CSOx を計算し、 (e7)各ボイラBiのCO2の発生量fCO2(i)の
総量fCO2allを予め定めるCO2規制値fCO
2(max)以下とし、各ボイラBiのNOxの発生量
fNOx(i)の総量fNOxallを予め定めるNO
x規制値fNOx(max)以下とし、各ボイラBiの
SOxの発生量fSOx(i)の総量fSOxallを
予め定めるSOx規制値fSOx(max)以下とし、
かつ、 (e8)前記トータルのランニングコストCALLが最
小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
して、 (e9)各発電機G1〜Gmの目標電力値W(1)SE
T〜W(m)SET、各蒸気タービンT1〜Tmの抽気
流量fP(1)〜fP(m)、各ボイラB1〜Bnの燃
料流量fFUEL(1)(k)〜fFUEL(n)
(k)および空気流量fA(1)〜fA(n)を定期的
に算出してそれぞれ制御目標値とし、 (e10)各ボイラBiの燃料の種類、燃料の流量、燃
焼用空気および給水量を制御するとともに、各タービン
発電機Tjの蒸気ヘッダSHから供給される蒸気流量を
制御するプラント制御装置とを含むことを特徴とする発
電プラント。 また本発明は、(a)第1および第2ボイラB1,B2
であって、第1ボイラB1は、第2ボイラB2よりも燃
費がよく、第2ボイラB2は、第1ボイラB1よりも効
率がよく、各第1および第2ボイラB1,B2はいずれ
も、費用が異なる第1および第2燃料を切換えて使用す
る第1および第2ボイラB1,B2と、 (b)第1および第2ボイラB1,B2からの蒸気が流
入される蒸気ヘッダSHと、 (c)第1および第2タービン発電機T1,T2であっ
て、 蒸気ヘッダSHからの蒸気がそれぞれ供給され、第1タ
ービン発電機T1は、第2タービン発電機T2よりも効
率がよく、第1および第2タービン発電機T1,T2か
らの総電力が外部に供給される第1および第2タービン
発電機T1,T2と、 (d)電力要求値WSETを設定する手段と、 (e)プラント制御装置であって、 (e1)第1および第2の各ボイラB1,B2の蒸気ヘ
ッダSHへ流入する蒸気流量fB(i)を、燃料の費用
が異なる第1および第2種類毎の流量fFUEL(i)
(k)の2次式で表し、 各ボイラB1,B2の運用の燃料供給流量fB(i)の
範囲を設定し、 (e2)第1および第2の各タービン発電機T1,T2
の発電量W(j)SETを、蒸気ヘッダSHから供給す
る蒸気流量fT(j)の2次式で表し、各タービン発電
機T1,T2の運用の発電量W(j)SETの範囲を設
定し、 (e3)燃料ランニングコストCaを、予め定める第1
燃料の費用KFUEL(1)を基準として、非線形計画
法を適用して、燃料ランニングコストCaが最小となる
条件を計算し、 (e4)第2燃料の費用KFUEL(2)が第1燃料の
費用KFUEL(1)の予め定める倍率の第1範囲(た
とえば1.0を含む範囲)である場合、電力要求値設定
手段によって設定された電力要求値WSETが予め定め
る低い範囲では、効率のよい第2ボイラB2を優先的に
動作させ、第2ボイラB2の能力限界付近で、燃費のよ
い第1ボイラB1を立ち上げ、かつ、効率のよい第1タ
ービン発電機T1を優先的に動作させ、第1タービン発
電機T1の能力の予め定める割合(たとえば約70%)
となった時点で、第2タービン発電機T2への負荷配分
を始め、第1タービン発電機T1の能力が100%とな
る時点まで、第1および第2タービン発電機T1,T2
の負荷を適切に配分し、 (e5)第2燃料の費用が第1燃料の費用の前記第1範
囲を超える第2範囲(たとえば1.2倍を含む範囲)で
ある場合、電力要求値WSETが予め定める低い範囲
(たとえば約14〜23MW)では、最初に、燃費のよ
い第1ボイラB1を立ち上げ、電力要求値が前記予め定
める低い範囲を超える第2ボイラB2の能力限界となる
範囲(約23〜63MW)では、第1および第2ボイラ
B1,B2の負荷を適切に配分し、かつ、効率のよい第
1タービン発電機T1を優先的に動作させ、第1タービ
ン発電機T1の能力の予め定める割合(たとえば約70
%)となった時点で、第2タービン発電機T2への負荷
配分を始め、第1タービン発電機T1の能力が100%
となる時点まで、第1および第2タービン発電機T1,
T2の負荷を適切に配分し、 (e6)第2燃料の費用が第1燃料の費用の第2の範囲
を超える第3の範囲(たとえば1.5倍を含む範囲)で
ある場合、電力要求値WSETが予め定める低い範囲で
は、効率のよい第2ボイラB2よりも燃費のよい第1ボ
イラB1を優先的に動作させ、かつ、効率のよい第1タ
ービン発電機T1を優先的に動作させ、第1タービン発
電機T1の能力の予め定める割合(たとえば約70%)
となった時点で、第2タービン発電機T2への負荷配分
を始め、第1タービン発電機T1の能力が100%とな
る時点まで、第1および第2タービン発電機T1,T2
の負荷を適切に配分するプラント制御装置とを含むこと
を特徴とする発電プラントである。また本発明は、プラ
ント制御装置は、第1および第2ボイラのNOx濃度f
dNOx(i)を、燃料消費量fdFUEL(i)
(1)の2次式で近似し、NOx規制値に対する制約条
件を設定し、(式16b)第1ボイラは、第2ボイラよ
りもNOx発生量が少なく、前記第2範囲では、発電要
求が増えるにつれて、NOx発生量の少ない第1ボイラ
が優先して使用され、前記第3範囲では、NOx発生量
は多いが対燃料費用効果の高い第1ボイラを優先して使
用し、NOx発生量が規制値に達する総発電量付近で、
第1ボイラB1の燃料使用量の増加を抑えつつ、NOx
発生量の少ない第2ボイラB2の燃料使用量を増加させ
て、発電量とNOx規制値の両方を満足させることを特
徴とする。また本発明は、脱硝装置を備え、プラント制
御装置は、燃料流量fFUEL(i)(1)に比例する
脱硝媒体の消費量fdeNOx(i)を、前記燃料ラン
ニングコストCaに加算することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、複数の熱エネルギー発生
源の一例であるボイラおよび複数の電気エネルギー発生
装置の一例であるタービン発電機を備える発電プラント
において、各熱エネルギー発生源の燃料別効率特性、燃
料別費用特性および燃料別排気ガス発生特性、ならびに
各電気エネルギー発生装置の発電特性、各排気ガス処理
装置の処理費用特性に基づいて、非線形計画法を用い
て、排気ガスの発生量が所定の制限値以内で、かつ燃
料、さらには脱硝媒体ランニングコストが最小となるよ
うに、各熱エネルギー発生源の燃料流量および空気流
量、ならびに各電気エネルギー発生装置の熱媒体流量を
制御することによって、電力需要や燃料種類が変化して
も、各熱エネルギー発生源および各電気エネルギー発生
装置の負荷を適切に配分でき、その結果、排気ガス規制
値をクリアしつつ、発電プラント全体の効率的運用を実
現できる。本発明に従えば、各熱エネルギー発生源が供
給する蒸気を蒸気ヘッダに一旦蓄積することによって、
熱エネルギー発生源と電気エネルギー発生装置との独立
性を高めることができる。蒸気ヘッダが無い場合は、熱
エネルギー発生源と電気エネルギー発生装置とが対とな
って1つの発電ユニットを構成するため、メンテナンス
作業等によって一方の設備を停止するときは他方の設備
も停止せざるを得ない。これに対して蒸気ヘッダを設け
た場合、1つの熱エネルギー発生源が停止しても残りの
熱エネルギー発生源で必要な蒸気圧を維持できるため、
プラント全体に与える影響が少なくて済む。
【0015】なお、熱エネルギー発生源としてボイラや
ガスタービン発電機などが適用可能であり、また電気エ
ネルギー発生装置としてボイラからの蒸気やガスタービ
ンからの燃焼ガスを利用するタービン発電機などが適用
可能である。
【0016】また本発明は、第1および第2ボイラは、
プロセス蒸気を直接取り出す送気を行い、残余の蒸気
を、蒸気ヘッダSHへ流入する蒸気流量fB(i)とし
て計算することを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、各熱エネルギー発生源が
供給する蒸気の一部を分流して外部プロセス向けに利用
する、いわゆるプロセス蒸気の送気を行なう際にも、上
述した各特性を考慮しながら分流蒸気の流量を制御する
ことによって、各熱エネルギー発生源の負荷を適切に配
分でき、その結果、排気ガス規制値をクリアしつつ、発
電プラント全体の効率的運用を実現できる。
【0018】また本発明は、第1および第2タービン発
電機のタービンは、抽気式であり、抽気量fP(i)に
応じて発電量が低下する特性を有し、プラント制御装置
は、燃料ランニングコストCaの計算のために、抽気量
fP(i)で補正した各タービン発電機の前記発電量W
(j)SETを用いることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、抽気式の各電気エネルギ
ー発生装置から蒸気の一部を分流して外部プロセス向け
に利用する、いわゆるプロセス蒸気の抽気を行なう際に
も、上述した各特性を考慮しながら分流蒸気の流量を制
御することによって、各電気エネルギー発生装置の負荷
を適切に配分でき、その結果、排気ガス規制値をクリア
しつつ、発電プラント全体の効率的運用を実現できる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を
示す構成図である。発電プラントは、複数(ここではn
台)のボイラB1〜Bnと、各ボイラB1〜Bnからの
蒸気を蓄積する蒸気ヘッダSHと、蒸気ヘッダSHから
の蒸気によって回転駆動される複数(ここではm台)の
蒸気タービンT1〜Tmと、蒸気タービンT1〜Tm毎
に連結された発電機G1〜Gmと、プラント全体および
個々のプロセスを制御するプラント制御計算機などで構
成される。
【0027】ボイラB1〜Bnには、燃料の流量を制御
する燃料バルブV1〜Vnと、空気を流量制御可能に供
給する送風機A1〜Anと、蒸気原料である水を流量制
御可能に供給する給水ポンプP1〜Pnとが接続され
る。さらに、ボイラB1〜Bnの排気ガス経路には、C
2、NOx、SOxの濃度を測定するCO2 センサS
C1〜SCn、NOxセンサSN1〜SNn、SOxセ
ンサSS1〜SSnが設置され、センサ出力はプラント
制御計算機に入力される。各ボイラB1〜Bnからの排
気ガスは、脱硝装置や脱硫装置等の排気ガス処理装置D
1〜Dnによって規制値以内に維持される。
【0028】蒸気ヘッダSHには、ヘッダ内の蒸気圧を
測定する圧力センサSPが設けられ、センサ出力はプラ
ント制御計算機に入力される。蒸気ヘッダSHと各蒸気
タービンT1〜Tmとの間には、蒸気の流量を制御する
蒸気バルブS1〜Smが接続される。発電機G1〜Gm
が発生する電力は電力センサSW1〜SWnによって測
定され、プラント制御計算機に入力される。
【0029】また図1の構成では、蒸気タービンT1〜
Tmの蒸気経路の途中からプロセス蒸気を取り出す抽気
を行なっている。
【0030】プラント制御計算機は、プラント運用スケ
ジュールに沿って蒸気ヘッダSHの目標圧力値PSET が
設定されると、目標圧力値Pset と圧力センサSPの実
測値との偏差を計算して、所定の伝達関数CB を経て、
ボイラ負荷配分プログラムの実行によってボイラB1〜
Bnに供給すべき燃料流量fFUEL(1)〜fFUEL(n)を算出
して燃料バルブV1〜Vnの開度を制御するとともに、
送風機A1〜Anの空気流量fA(1)〜fA(n)を制御す
る。
【0031】また発電ユニットに関して、プラント制御
計算機は、プラント運用スケジュールに沿って電力デマ
ンドが設定されると、電力負荷配分プログラムの実行に
よって各発電機G1〜Gmの目標電力値W(1)SET〜W
(m)SETを設定し、これらの目標値と電力センサSW1〜
SWnの実測値との偏差を計算して、所定の伝達関数C
T(1)〜CT(m)を経て、蒸気タービンT1〜Tmに入る蒸
気流量fT(1)〜fT(m)を算出して蒸気バルブS1〜Sm
の開度を制御する。
【0032】次にプラント全体の負荷配分方法について
説明する。まず発電プラントの電力バランスに関して、
外部に供給すべき総電力デマンド値WSET とプラント内
で自己消費される補機動力W(i)AUXの総合計が実際に発
電すべき電力量であることから、次式(1)が成立す
る。
【0033】次にタービン発電機の静特性は、蒸気ター
ビンTjに流入する蒸気流量fT(j)、および途中で
分流する抽気流量fP(j)の関数となるから、次式(2)
が成立する。 W(j)SET = fCT(j)(fT(j),fP(j)) …(2)
【0034】次に補機動力W(i)AUXは、給水ポンプPi
からの蒸気流量fB(i)、および送風機Aiの空気流量f
A(i)の関数となるから、次式(3)が成立する。 W(i)AUX = fCAUX(i)(fB(i),fA(i)) …(3)
【0035】次にプロセス蒸気の総量fPallに関して、
次式(4)が成立する。
【0036】次に蒸気ヘッダSHに流入する蒸気流量f
B(i)と流出する蒸気流量fT(j)とのバランスから、次式
(5)が成立する。i=1〜nの自然数、j=1〜mの
自然数である。
【0037】次にボイラBiの静特性に関して、燃料の
流量および種類に応じて効率が変化することから、次式
(6)が成立する。ここではq種類の燃料について燃料
流量fFUEL(i)(1)〜fFUEL(i)(q)を設定する。k=1〜
qの自然数である。 fB(i) = fCB(i)(fFUEL(i)(1),…,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(6)
【0038】次にボイラBiの排気ガス発生特性、特に
CO2、NOx、SOxの発生量fCO2(i),fNOx(i),
fSOx(i)に関して、燃料の種類や空気流量fA(i)に応じ
て変化することから、次式(7)〜(9)が成立する。 fCO2(i) = fCCO2(i)(fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(7) fNOx(i) = fCNOx(i)(fdeNOx(i),fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(8) fSOx(i) = fCSOx(i)(fdeSOx(i),fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(9)
【0039】次にボイラB1〜Bnの燃料消費ランニン
グコストfFUEL(i)(k)は、ボイラ毎に燃料種
類と燃料単価が変化することから、総燃料消費ランニン
グコストCFUELの次式(10)が成立する。
【0040】次に排気ガス処理装置Diの処理費用に関
して、NOx、SOxでは脱硝処理や脱硫処理のランニ
ングコストが掛かり、CO2 では国際条約に基づくプラ
ント総発生量に関わる金銭的ペナルティのランニングコ
ストが掛かることから、次式(11)〜(13)が成立
する。
【0041】次にトータルのランニングコスト関数とし
て、式(10)〜(13)に重み係数を掛けて合計する
と、次式(14)のように表現できる。重み係数wf,w
CO2,wNOx,wSOx はコスト評価の自由度を設定するも
ので、重要なコスト要因ほど大きな数値となり、評価し
たくなければゼロに設定する。 CALL = wf・CFUEL+wCO2・CCO2 +wNOx・CNOx+wSOx・CSOx …(14)
【0042】さらに、排気ガスの総量を規制値以内に遵
守するには、次式(15)〜(17)の不等式を満足す
る必要がある。
【0043】こうして式(1)〜式(9)を満足し、不
等式(15)〜(17)が成立し、かつ、全体のランニ
ングコストを示す式(14)が最小となるように、線形
計画法や非線形計画法等を適用して、プラント制御計算
機が各発電機G1〜Gmの目標電力値W(1)SET〜W(m)S
ET、各蒸気タービンT1〜Tmの抽気流量fP(1)〜fP
(m)、各ボイラB1〜Bnの燃料流量fFUEL(1)(k)〜fF
UEL(n)(k)および空気流量fA(1)〜fA(n)を定期的に算
出してそれぞれ制御目標値とし、燃料バルブV1〜V
n、送風機A1〜An、給水ポンプP1〜Pn、蒸気バ
ルブS1〜Smを制御する。
【0044】これによって電力需要や燃料種類が変化し
ても、ボイラB1〜Bnおよび蒸気タービンT1〜Tm
の負荷を適切に配分しながら、排気ガス規制値をクリア
しつつ、発電プラント全体の効率的運用を実現できる。
【0045】次に非線形計画法を用いた負荷配分方法の
具体例を説明する。ここでは簡単化のために、1)補機動
力W(i)AUXは全体の発電量に比べて小さいと仮定して無
視し式(3)はゼロとし、2)蒸気タービンの抽気を行な
わないと仮定して式(4)はゼロとし、3)環境変数に対
する制約、すなわち排気ガスの総量は規制値を充分に下
回っていると仮定して不等式(15)〜(17)は無視
し、4)環境対策に関わるコストは燃料消費コストに比べ
て充分に小さいと仮定して式(11)〜(13)はゼロ
とし、5)発電プラントは2台のボイラと2機のタービン
発電機とで構成されると仮定している。
【0046】図2(a)(b)は、2台のボイラの静特
性の例を示すグラフである。横軸は燃料流量fFUEL(単
位はkl/h)で、縦軸は発生する蒸気流量fB (単位はt/
h )である。これらのグラフは次のような2次の近似式
で表される。 fB(1) = kB2(1)・{fFUEL(1)(1)−keB(1) ・(fFUEL(1)(1)−fFUEL(1)(1)OPT)∧2} …(20) kB2(1) = 9.396 [t/kl] keB(1) = 0.00893 [t・h/kl∧2] fFUEL(1)(1)OPT = 14.0 [kl/h] fB(2) = kB2(2)・{fFUEL(2)(2)−keB(2) ・(fFUEL(2)(2)−fFUEL(2)(2)OPT)∧2} …(21) kB2(2) = 11.7909 [t/kl] keB(2) = 0.00222 [t・h/kl∧2] fFUEL(2)(2)OPT = 15.0 [kl/h]
【0047】また、ボイラ運用(燃料供給)範囲とし
て、次の不等式制約条件を設定する。 4.8 [t/h]≦fB(1)≦ 16.0 [t/h] 4.0 [t/h]≦fB(2)≦ 9.0 [t/h]
【0048】図3(a)(b)は、2機のタービン発電
機の静特性の例を示すグラフである。横軸は供給される
蒸気流量fT(単位はt/h )で、縦軸は発電量W(j)SET
(単位はMW)である。これらのグラフは次のような2
次の近似式で表される。 W(1)SET = kT2(1)・{fT(1)−keT(1) ・(fT(1)−fT(1)OPT)∧2} …(22) kT2(1) = 0.2001 [MW/(t/h)] keT(1) = 0.00024 [MW/(t/h)∧2] fT(1)OPT = 160 [t/h] W(2)SET = kT2(2)・{fT(2)−keT(2) ・(fT(2)−fT(2)OPT)∧2} …(23) kT2(2) = 0.1873 [MW/(t/h)] keT(2) = 0.00035 [MW/(t/h)∧2] fT(2)OPT = 170 [t/h]
【0049】また、発電機運用範囲として、次の不等式
制約条件を設定する。 7 [kw]≦W(1)SET≦ 35 [kw] 7 [kw]≦W(2)SET≦ 35 [kw] 燃料ランニングコストは、第1燃料費用を基準として次
のように表される。
【0050】
【数1】
【0051】これらの式(20)〜(24)に基づい
て、線形計画法や非線形計画法を適用して燃料ランニン
グコストCaが最小となる条件を計算した。
【0052】図4は第1燃料費用と第2燃料費用が等し
い場合(KaFUEL(2)=1.0)の負荷配分を示すグラフであ
る。図5は第2燃料費用が第1燃料費用の1.2倍であ
る場合(KaFUEL(2)=1.2)の負荷配分を示すグラフであ
る。図6は第2燃料費用が第1燃料費用の1.5倍であ
る場合(KaFUEL(2)=1.5)の負荷配分を示すグラフであ
る。
【0053】まず第1燃料費用と第2燃料費用が等しい
場合、図4(b)に示すように、線形計画法の結果を見
ると、電力要求値WSET が低い範囲では効率のよい第2
ボイラが優先的に動作し、第2ボイラの能力限界付近
(約48MW)で第1ボイラが立ち上がる。こうした傾向
は非線形計画法の結果も同様である。次に図4(a)を
見ると、電力要求値WSET が低い範囲では効率のよい第
1タービン発電機が優先的に動作し、第1タービン発電
機の能力限界付近(電力要求値が約42MW)で第2ター
ビン発電機が立ち上がる。また、非線形計画法の結果を
見ると、第1タービン発電機の能力が約70%となった
時点(約33MW)で第2タービン発電機への負荷配分が
始まり、第1タービン発電機の能力が100%となる時
点(約50MW)まで両者の負荷が適切に配分され、それ
以後は線形計画法と同様である。
【0054】次に第2燃料費用が第1燃料費用の1.2
倍である場合、図5(a)(b)に示すように、線形計
画法の結果は図4(a)(b)のものと一致している。
しかしながら、図5(b)の非線形計画法の結果を見る
と、約14MWから約23MWまでの範囲では最初に第1ボ
イラが立ち上がり、約23MWからは第2ボイラへの負荷
配分が始まり、第2ボイラの能力限界となる約63MWま
で両者の負荷が適切に配分され、それ以後は線形計画法
と同様である。次に図5(a)を見ると、図4(a)と
同様な傾向が現われている。
【0055】次に第2燃料費用が第1燃料費用の1.5
倍である場合、図6(b)に示すように、線形計画法の
結果を見ると、電力要求値WSET が低い範囲では効率の
よい第2ボイラよりも燃費のよい第1ボイラが優先的に
動作することが判る。なお、図6(a)は図4(a)と
同様な傾向を示している。
【0056】以上の説明では、ボイラ特性およびタービ
ン発電機特性を2次で近似した例を示したが、線形で近
似した場合には次のような式となる。 fB(1) = kB1(1)・fFUEL(1)(1)−fB(1)bias …(20a) kB1(1) = 10 [t/kl], fB(1)bias = 10 [kl/h] fB(2) = kB1(2)・fFUEL(2)(2)−fB(2)bias …(21a) kB1(2) = 12 [t/kl], fB(2)bias = 4 [kl/h] 燃料ランニングコストは、第1燃料費用を基準として次
のように表される。
【0057】
【数2】
【0058】ここで、KaFUEL(2)=1.2を代入すると、
【0059】
【数3】
【0060】となって、燃料ランニングコストCaは総
発生蒸気量で決定され、負荷の配分は任意となることが
判る。
【0061】このように2台のボイラに使用する燃料の
種類や費用が相違する場合でも、線形計画法や非線形計
画法を適用することによって、全体の燃料ランニングコ
ストを最小とする運転条件を容易に見出すことができ
た。
【0062】次に環境規制値を考慮した負荷配分方法の
具体例を説明する。ここでは、窒素酸化物NOx を対象
とする例を説明するが、CO2、SOxについても同様な
手法を適用できる。また、ボイラおよびタービン発電機
の特性は図2、図3と同じ場合を説明する。
【0063】図7(a)(b)は、2台のボイラのNO
x 特性の例を示すグラフである。横軸は燃料流量fFUEL
(定格流量を1として規格化)で、縦軸は発生するNO
x 濃度(規制濃度を1として規格化)である。
【0064】NOx の発生量fNOx(i)は、各ボイラ単体
で既に最適化に調整されているとすると、脱硝媒体の消
費量fdeNOx(i)、空気流量fA(i)、燃料流量fFUEL(i)
(1)の関数で表現されるが、結局、上記式(8)は次式
(8a)のように表現できる。 fNOx(i) = fCNOx(i)(fFUEL(i)(1)) …(8a)
【0065】さらに、実データからの定性的な表現に書
換えると、次式(8b)となる。 fdNOx(i) = fCNOx(i)(fdFUEL(i)(1)) …(8b)
【0066】ここで、fdNOx(i)はNOx規制値を1と考
えた場合のNOx濃度であり、fdFUEL(i)(1)は定格流量
(第1ボイラでは16[t/h]、第2ボイラでは18[t/h])を
1としたときの燃料消費量である。
【0067】具体的な計算例として、図7(a)(b)
のグラフは次のような2次の近似式で表される。 第1ボイラ: fdNOx(1) = 0.9−0.1×fdFUEL(1)(1) +0.4×fdFUEL(1)(1)∧2 …(8c) 第2ボイラ: fdNOx(2) = 0.6−0.06667×fdFUEL(2)(1) +0.266667×fdFUEL(2)(1)∧2 …(8d)
【0068】さらに簡単化のために、ボイラ2台分のN
Ox 濃度について排ガス総量を用いた評価ではなく、燃
料消費量ベースで算出すると、上記式(16)は次式
(16a)のように書換えられる。 fdNOxall = (fdNOx(1)×fFUEL(1)(1)+fdNOx(2)×fFUEL(2)(1)) /(fFUEL(1)(1)+fFUEL(2)(1)) …(16a) ここで、 fdNOxall ≦ 1 …(16b) というように、NOx 規制値に対する制約条件が表現で
きる。
【0069】この制約条件(16b)を加えて、図5に
示した第2燃料費用が第1燃料費用の1.2倍である条
件と同一の条件で非線形計画法を用いて計算し直した結
果を図8に示す。
【0070】図8(a)は発電量配分、図8(b)は燃
料配分、図8(c)はNOx 濃度をそれぞれ示すグラフ
である。このNOx 制約条件では、発電要求が増えるに
つれて、NOx 発生量の少ない第1ボイラが優先して使
用されることになり(図8(b)参照)、NOx 発生量
が規制値を超えることなく(図8(c)参照)、結果的
には図5の結果と同様な配分傾向となる。
【0071】次に、この制約条件(16b)を加えて、
図6に示した第2燃料費用が第1燃料費用の1.5倍で
ある条件と同一の条件で非線形計画法を用いて計算し直
した結果を図9に示す。
【0072】図9(a)は発電量配分、図9(b)は燃
料配分、図9(c)はNOx 濃度をそれぞれ示すグラフ
である。このNOx 制約条件では、発電要求が増えるに
つれて、NOx 発生量は多いが対燃料費用効果の高い第
1ボイラが優先して使用されることになる(図9(b)
参照)。しかし、総発電量33MW付近で総NOx 発生
量が規制値に達してしまうため(図9(c)参照)、規
制値をクリアするために、第1ボイラの燃料使用量の増
加を抑えつつNOx 発生量の少ない第2ボイラの燃料使
用量を増加させることによって、発電量とNOx 規制値
の両方を満足させることが可能になる。
【0073】さらに、いずれのケースともボイラに関す
る制約であるため、図8(a)および図9(a)に示す
ように、タービン発電機の発電量配分への影響が現われ
ていないことが判る。
【0074】次に排ガス処理費用を考慮した負荷配分方
法の具体例を説明する。ここでは、窒素酸化物NOx を
対象とする例を説明するが、CO2、SOxについても同
様な手法を適用できる。また、ボイラおよびタービン発
電機の特性は図2、図3と同じで、NOx 特性も図7と
同じ場合を説明する。
【0075】ここで、脱硝装置に関わるランニングコス
トが脱硝媒体の消費量fdeNOx(i)に比例し、さらに消費
量fdeNOx(i)は燃料流量fFUEL(i)(1)に比例すると考え
ると、上記式(12)は次式(12a)のように書換え
られる。 CNOx = KCdeNOx×KdeNOx×(fFUEL(1)(1)+fFUEL(2)(1)) …(12a)
【0076】この関係を用いて、式(24)と同様に、
第1燃料費用を基準として総燃料ランニングコストCa
は次のように表される。 Ca=fFUEL(1)(1)+KaFUEL(2)×fFUEL(2)(1)+CNOx/KFUEL(1) =fFUEL(1)(1)+KaFUEL(2)×fFUEL(2)(1) +KaNOx×(fFUEL(1)(1)+fFUEL(2)(1)) …(24c)
【0077】ここでは、脱硝処理コストがおおよそ第1
ボイラ燃料費用の5割であるとし、KaNOx=0.55の場合
の計算例を図10に示す。
【0078】図10(a)はコスト削減効果、図10
(b)は燃料配分、図10(c)はNOx 濃度をそれぞ
れ示すグラフである。第2ボイラ燃料費用は第1ボイラ
の1.5倍として、KaFUEL(2)=1.5を用いており、図
9の結果を併記している。
【0079】本発明による費用削減効果は、図10
(a)に示すように、発電要求量が約37MW〜54M
Wの範囲で現われており、この影響で燃料配分が若干変
更されている(図10(b)参照)。また、この場合で
もNOx を超えないように負荷配分がなされていること
が判る(図10(c)参照)。電力配分は図9(a)の
グラフと同じになるため、図示を省略している。
【0080】次に抽気を含めた負荷配分方法の具体例を
説明する。タービンより抽気される場合、抽気量fP(i)
に応じてタービン出力(発電量と同等)が低下する影響
を近似的に次式で表す。 fT(i)’= fT(i)−kfts(i)×fP(i) と表し、ここでは第1および第2タービンとも同じ影響
を受けるとして、kfts(1)=kfts(2)=0.3とする。
【0081】この特性を元に、式(22)(23)をf
T(i)’の関数として書換えると、各タービン発電機の目
標発電量W(i)SETは、タービン供給蒸気量fT(i)、抽気
量fP(i)の関数となる。 W(i)SET=kT2(i)×{fT(i)'−keT(i)×(fT(i)'−fT(i)OPT)∧2} …(22a)(23a)
【0082】また、タービンによって排出される蒸気量
fTex(i)は、fTex(i)=fT(i)-fP(i)となり、供給蒸気
量より多く抽気できないため、少なくともfTex(i)=fT
(i)-fP(i)≧0となる。
【0083】ここでは、さらにfTex(i)=fT(i)-fP(i)
≧Kfmin(i)×fT(i)として、今回の計算例においてKf
min(1)=Kfmin(2)=0.2とする。すなわち、供給蒸気量の
2割は最低排出されるという不等式制約条件を設定す
る。
【0084】さらに、タービンに供給される蒸気量も一
般的には制限されるため、ここでは抽気がない場合の各
タービン発電最大量35MW時に必要となる蒸気量の
1.1倍の数値として、次の不等式制約条件を設定す
る。 fT(1) ≦ 192.5 [t/h] fT(2) ≦ 205.7 [t/h]
【0085】上述した図10の計算条件に今回の不等式
制約条件を追加して、抽気量を100[t/h]として計算した
結果を図11に示す。
【0086】図11(a)は抽気量配分、図11(b)
は燃料配分、図11(c)はNOx濃度をそれぞれ示す
グラフである。
【0087】本発明による効果は、図11(a)に示す
ように、抽気がある場合でも対応可能であり、抽気特性
を両タービンとも同一としたため、タービン特性のよい
第1タービンの抽気量がやや多くなる配分傾向を示す。
一方、燃料配分も抽気による発電量の低下を補充する
分、発電要求量に対しては燃料が増加するが、配分傾向
としては図10(b)と同じ傾向を示す(図11(b)
参照)。また、この場合でもNOx を超えないように負
荷配分がなされていることが判る(図11(c)参
照)。電力配分は図9(a)のグラフと同じになるた
め、図示を省略している。さらに、本抽気条件では、発
電要求量が約16MW以下、あるいは64MW以上で運
用不能となり、このことは100[t/h]の抽気を行なうだけ
で約16MWの発電量が得られ、さらに発電量64MW
において100[t/h]の抽気を行なうと6MW分のロスにな
ることを意味する。
【0088】次に補機動力損失を含めた負荷配分方法の
具体例を説明する。補機動力損失を考慮した場合でも本
発明による配分計算が可能である。ここでは、各ボイラ
の補機動力W(i)AUXが燃料流量fFUEL(i)(1)に比例する
と仮定する。 W(1)AUX = 0.1531×fFUEL(1)(1) …(3a) W(2)AUX = 0.0583×fFUEL(2)(1) …(3b)
【0089】なお、式(3)では補機動力W(i)AUXが発
生蒸気量fB(i)および空気量fA(i)の関数としている
が、ここでは発生蒸気量、空気量ともに燃料流量の関数
とみなしている。また、これらの計数の根拠は、定格時
70MWの発電量に対して約5%の補機動力が必要にな
るとして算出しており、燃料単価の安い第1ボイラ側の
補機の使用電力が多いと仮定している。
【0090】上述した図11の計算条件に今回の条件を
追加して計算した結果を図12、図13に示す。
【0091】図12(a)は発電量配分、図12(b)
は燃料配分、図12(c)はNOx濃度をそれぞれ示す
グラフである。また図13(a)はランニングコストの
目的関数、図13(b)はその拡大図である。なお、横
軸は実際に系外に取り出せる電力としている。
【0092】図12(a)に示すように、電力配分につ
いては大きな差は見られず、特性のよい第1タービンが
優先して使用される。これに対して燃料配分について
は、総発電量が少ないときは対燃料費用特性のよい第1
ボイラが優先されるが、ボイラ負荷の上昇に伴い、補機
動力損失が増加するため、補機動力損失を考慮しない場
合と比べて、第2ボイラが早く投入されることが判る
(図12(b)参照)。また、発電量が増えるに従い、
対環境性の優れた第2ボイラが優先されるため、その結
果、対環境性も補機動力損失を考慮しない場合と比べて
向上している(図12(c)参照)。
【0093】一方、ランニングコストに関しては、元々
損失分が少ないので大きな効果となって現われていない
が(図13(a)参照)、たとえば燃料配分特性が補機
動力損失の考慮によって変化する発電量20MW付近を
拡大すると、ランニングコストが僅かながらも改善して
いることが判る(図13(b)参照)。なお、本抽気条
件では、発電要求量が約60MW以上で運用不能とな
り、このことは100[t/h]の抽気で6MW分のロスになる
ことに加えて、補機動力4MWが失われていることを意
味する。
【0094】次に抽気量が変化したときの負荷配分方法
の具体例を説明する。総発電要求デマンドを50MWと
し抽気量が変化する場合でも、本発明による配分計算が
可能であり、上述と同じプラント条件を用いた結果を図
14、図15に示す。
【0095】図14(a)は発電量配分、図14(b)
は燃料配分、図14(c)はNOx濃度をそれぞれ示す
グラフである。また図15は抽気量配分を示すグラフで
ある。いずれも横軸は総抽気量[t/h]で、本発電条件で
の最大抽気量は288[t/h]としている。
【0096】電力配分は、特性のよい第1タービンが優
先して使用されるが、抽気量が増えて160[t/h]付近で
は、第1タービンの発電量が低下し、その分を第2ター
ビンが補充している(図14(a)参照)。また本プラ
ント条件では、ボイラの負荷も対燃料費用特性のよい第
1ボイラより補機動力損失の少ない第2ボイラが優先さ
れる(図14(b)参照)。その結果、対環境性の優れ
た第2ボイラが優先されるため、環境規制値もクリアで
きることが判る(図14(c)参照)。
【0097】抽気量配分は、抽気量が少ないときはほぼ
均等に配分されているが、第1タービンの供給蒸気量が
制限値に達する約110[t/h]付近から、第2タービンの抽
気が優先されることが判る(図15参照)。さらに、総
抽気量が約250[t/h]を超えると、第1タービンの発電量
を犠牲にして第1タービンの抽気量を増やしていること
が判る。
【0098】次にボイラの動特性を考慮した例を説明す
る。図16は、ボイラの燃料流量の時間変化を示すグラ
フである。横軸は時間(単位はサンプル周期)、縦軸は
燃料流量[kl/h]である。時刻0で燃料流量が10[kl/h]
から増加して、現在時刻1で12.5[kl/h]となり、こ
れ以後の将来の変化を予測している。なお、サンプル周
期は負荷変化、すなわち電力デマンド値の更新周期(2
〜3分)とボイラ制御周期(0.5秒程度)との間の適
切な周期を設定する。
【0099】ここでは簡単化のために、タービン発電機
の応答特性がボイラに比べて充分に速く、かつ、発電量
と供給蒸気量が比例すると仮定して、ボイラ動特性につ
いてのみ検討した。ボイラ時定数TB 、ラプラス演算子
s、設計圧力で正規化したボイラ圧力の変動PB 、定格
燃料量で正規化した燃料流量fFUEL、定格蒸気量で正規
化した発生蒸気量fB を用いて、ボイラ動特性は、次式
(30)で表される。
【0100】
【数4】
【0101】次に主蒸気出口までの圧力損失を線形化す
ると、Pc を設計圧力で正規化した主蒸気圧力の変動、
Rを正規化した圧力損失パラメータとして、次式(3
1)で表される。 Pc = PB−R・fB …(31)
【0102】次にボイラマスタ制御をPI制御と発生蒸
気量fB のFF制御で行なうと仮定して、燃料流量fFU
ELは次式(32)で表される。ここで、KP はPI制御
器の比例ゲイン、TI はPI制御器の積分時定数[分]、
KFFはFF制御の比例ゲインである。
【0103】
【数5】
【0104】式(30)〜(32)を状態方程式で表現
すると次のようになる。
【0105】
【数6】
【0106】次に、式(36)を式(34)に代入し
て、出力変数y1 を消去して変形すると、次式(37)
になる。
【0107】
【数7】
【0108】次に、式(35)と式(37)とを式(3
3)の形式に書換える。
【0109】
【数8】
【0110】従って、状態方程式は次のようになる。
【0111】
【数9】
【0112】こうしてボイラの動特性を定式化すること
ができた。次に非線形計画法を適用する。ボイラの静特
性を式(20)と同様に2次の近似式で表現すると、次
のようになる。ここで、faFUELはタービン発電機とバ
ランスする燃料流量(単位はkl/h)である。 fB = kB2・{faFUEL−keB・(faFUEL−fFUELOPT)∧2} …(41)
【0113】次に入力変数u=fB=faFUELと置き換
え、さらにデジタル計装を考慮して静的に釣り合う燃料
流量faFUELも0次ホールドと仮定する。すなわち、 faFUEL(t) = faFUEL(k)= const.(t(k)≦t<t(k)+Δt) …(42) 次に式(39)を解いて、次のサンプルt=t(k)+Δt
での応答予測は次のように表される。
【0114】
【数10】
【0115】また、動特性を考えた場合、評価として燃
料の積算値で評価するのが妥当であり、次のサンプルt
=t(k)+Δtまでの積算値の予測はt(k)≦t<t(k)+
Δtの範囲で積分することになる。
【0116】
【数11】
【0117】ここで、発電プラントが上述した2台のボ
イラと2機のタービン発電機とで構成される場合は、燃
料ランニングコストCaは式(45)(46)に示した
燃料積算値の予測を用いて、次のように表される。 Ca =fFUEL_sum(1)(k)+KaFUEL(2)・fFUEL_sum(2)(k) …(47)
【0118】以下、図4〜図6で説明した手法と同じ手
法を用いて、全体の燃料ランニングコストを最小とする
運転条件を容易に見出すことができる。
【0119】その際、不等式制約条件として、燃料流量
の予測値が制約(最大、最小)を超えない条件として、
次の不等式を考慮する。 g(1)(k) = fFUEL(1)(k+1)−fFUEL(1)max ≦ 0 …(48) g(2)(k) = fFUEL(2)(k+1)−fFUEL(2)max ≦ 0 …(49) g(3)(k) = fFUEL(1)min−fFUEL(1)(k+1) ≦ 0 …(50) g(4)(k) = fFUEL(2)min−fFUEL(2)(k+1) ≦ 0 …(51)
【0120】さらに、主蒸気圧力の予測値が制約(最
大、最小)を超えない条件として、次の不等式を考慮す
る。 g(5)(k) = PC(1)(k+1)−PC(1)max ≦ 0 …(52) g(6)(k) = PC(2)(k+1)−PC(2)max ≦ 0 …(53) g(7)(k) = PC(1)min−PC(1)(k+1) ≦ 0 …(54) g(8)(k) = PC(2)min−PC(2)(k+1) ≦ 0 …(55) こうして動特性上の制約を考慮した最適負荷配分が可能
になる。
【0121】図17は、発電プラントの負荷配分オンラ
イン制御システムの概念図である。発電プラントの計測
状態量として、燃料流量、ボイラ蒸気発生量、ボイラ主
蒸気圧力、ボイラ主蒸気温度、各環境変数(CO2、N
Ox、SOxの濃度)、タービン供給蒸気量、抽気蒸気
量、発電量がある。
【0122】プラント制御計算機は、こうした計測状態
量の推定値および実績値に基づいてボイラモデル特性お
よびタービン発電機特性の補正を行ない、さらにモデル
パラメータからボイラ状態量およびタービン発電機状態
量の推定を行ない、状態量の推定値をフイードバック
し、さらに制約条件を考慮して燃料流量、空気流量、抽
気蒸気量、発電量に関する最適負荷配分を行ない、その
結果は発電プラントの制御やモデル特性補正のフイード
バック情報に反映される。
【0123】図18は、本発明の第2実施形態を示す構
成図である。図1の構成が蒸気タービンの蒸気経路の途
中からプロセス蒸気を取り出す抽気を行なうのに対し
て、ここでは抽気の代わりに、ボイラB1〜Bnから蒸
気バルブW1〜Wnを介してプロセス蒸気を直接取り出
す送気を行なっている。その他の構成は図1と同様であ
るため、重複説明を省く。
【0124】次にプラント全体の負荷配分方法について
説明する。まず発電プラントの電力バランスに関して、
外部に供給すべき総電力デマンド値WSET とプラント内
で自己消費される補機動力W(i)AUXの総合計が実際に発
電すべき電力量であることから、次式(61)が成立す
る。
【0125】次にタービン発電機の静特性は、蒸気ター
ビンTjに流入する蒸気流量fT(j)、および途中で
分流する抽気流量fP(j)の関数となるから、次式(6
2)が成立する。 W(j)SET = fCT(j)(fT(j),fP(j)) …(62)
【0126】次に補機動力W(i)AUXは、給水ポンプPi
からの蒸気流量fB(i)、および送風機Aiの空気流量f
A(i)の関数となるから、次式(63)が成立する。 W(i)AUX = fCAUX(i)(fB(i),fA(i)) …(63)
【0127】次にプロセス蒸気の総量fPallに関して、
次式(64)が成立する。
【0128】次に蒸気ヘッダSHに流入する蒸気流量f
BSH(i)と流出する蒸気流量fT(j)とのバランスから、次
式(65)が成立する。
【0129】次にボイラBiの静特性に関して、燃料の
流量および種類に応じて効率が変化することから、次式
(66)が成立する。ここではq種類の燃料について燃
料流量fFUEL(i)(1)〜fFUEL(i)(q)を設定する。 fB(i) = fCB(i)(fBSat(i)(1),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(66)
【0130】次にボイラBiの排気ガス発生特性、特に
CO2、NOx、SOx の発生量fCO2(i),fNOx(i),fSO
x(i)に関して、燃料の種類や空気流量fA(i)、脱硝媒体
の消費量fdeNOx(i)、脱硫媒体の消費量fdeSOx(i)、に
応じて変化することから、次式(67)〜(69)が成
立する。 fCO2(i) = fCCO2(i)(fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(67) fNOx(i) = fCNOx(i)(fdeNOx(i),fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(68) fSOx(i) = fCSOx(i)(fdeSOx(i),fA(i),fFUEL(i)(1), …,fFUEL(i)(k),…,fFUEL(i)(q)) …(69)
【0131】次にボイラB1〜Bnの燃料消費ランニン
グコストに関して、ボイラ毎に燃料種類と燃料単価が変
化することから、次式(70)が成立する。
【0132】次に排気ガス処理装置Diの処理費用に関
して、NOx、SOxでは脱硝処理や脱硫処理のランニ
ングコストが掛かり、CO2 では国際条約に基づくプラ
ント総発生量に関わる金銭的ペナルティのランニングコ
ストが掛かることから、次式(71)〜(73)が成立
する。
【0133】次にトータルのランニングコスト関数とし
て、式(70)〜(73)に重み係数を掛けて合計する
と、次式(74)のように表現できる。重み係数wf,
wCO2,wNOx,wSOx はコスト評価の自由度を設定する
もので、重要なコスト要因ほど大きな数値となり、評価
したくなければゼロに設定する。 CALL = wf・CFUEL+wCO2・CCO2+wNOx・CNOx+wSOx・CSOx …(74)
【0134】さらに、排気ガスの総量を規制値以内に遵
守するには、次式(75)〜(77)の不等式を満足す
る必要がある。
【0135】こうして式(61)〜式(69)を満足
し、不等式(75)〜(77)が成立し、かつ、全体の
ランニングコストを示す式(74)が最小となるよう
に、線形計画法や非線形計画法等を適用して、プラント
制御計算機が各発電機G1〜Gmの目標電力値W(1)SET
〜W(m)SET、各ボイラB1〜Bnの送気流量fBSat(1)
〜fBSat(n) 、各ボイラB1〜Bnの燃料流量fFUEL
(1)(k)〜fFUEL(n)(k)および空気流量fA(1)〜fA(n)を
定期的に算出してそれぞれ制御目標値とし、燃料バルブ
V1〜Vn、送風機A1〜An、給水ポンプP1〜P
n、蒸気バルブW1〜Wnを制御する。
【0136】これによって電力需要や燃料種類が変化し
ても、ボイラB1〜Bnおよび蒸気タービンT1〜Tm
の負荷を適切に配分しながら、排気ガス規制値をクリア
しつつ、発電プラント全体の効率的運用を実現できる。
【0137】次に送気量を考慮して発電量が変化する場
合の負荷配分方法の具体例を説明する。送気量を100[t/
h]とし、総発電要求デマンドが変化した場合でも本発明
による配分計算が可能であり、上述したボイラ特性:式
(20),(21)、タービン特性:式(22),(2
3)、NOx発生特性:式(8c),(8d)、コスト
評価:式(24c)(KaFUEL(2)=1.5,KaNOx=0.5
5)、および補機動力特性:式(3a),(3b)と同
じプラント条件で、抽気がないときの結果を図19に示
す。
【0138】図19(a)は発電量配分、図19(b)
は燃料配分、図19(c)はNOx濃度をそれぞれ示す
グラフである。横軸は総発電量[MW]で、最大総発電量は
送気ロス分により約47[MW]としている。
【0139】電力配分は、抽気がないときと同じで、特
性のよい第1タービンが優先して使用される(図19
(a)参照)。ボイラの負荷についても送気分の蒸気が
発電に全く寄与しない分だけ発電量当りの燃料が増加し
ているが、配分傾向は抽気ありの場合と同様である(図
19(b)参照)。また、環境規制値もクリアできるこ
とが判る(図19(c)参照)。
【0140】次に送気量が変化する場合の負荷配分方法
の具体例を説明する。総発電要求デマンドを50MWと
し送気量が変化する場合でも、本発明による配分計算が
可能であり、上述と同じプラント条件で、抽気がないと
きの結果を図20に示す。
【0141】図20(a)は発電量配分、図20(b)
は燃料配分、図20(c)はNOx濃度をそれぞれ示す
グラフである。横軸は送気量[t/h]で、最大送気量は約8
8[t/h]としている。
【0142】電力配分は、特性のよい第1タービンが優
先して使用される(図20(a)参照)。ボイラの負荷
についても、抽気ありの場合と同様に、本プラント条件
では、対燃料費用特性のよい第1ボイラより補機動力損
失の少ない第2ボイラが優先される(図20(b)参
照)。また、環境規制値もクリアできることが判る(図
20(c)参照)。
【0143】さらに、蒸気量の増加に伴い、燃料流量が
増加し、その増加分に応じて補機動力損失が増加する
が、その増加分を第2タービンの発電によって補ってい
ることが判る(図20(a)参照)。
【0144】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、複
数の熱エネルギー発生源、たとえばその一例として2つ
のボイラ、および複数の電気エネルギー発生装置、たと
えばその一例として2つのタービン発電機を備える発電
プラントにおいて、各ボイラの燃料別効率特性、燃料別
費用特性および燃料別排気ガス発生特性、ならびに各タ
ービン発電機の発電特性、各排気ガス処理装置の処理費
用特性に基づいて、線形計画法または非線形計画法を用
いて、排気ガスの発生量が所定の制限値以内で、かつラ
ンニングコストが最小となるように、各ボイラの燃料流
量および空気流量、ならびに各タービン発電機の熱媒体
流量を制御することによって、電力需要や燃料種類が変
化しても、各ボイラおよび各タービン発電機の負荷を適
切に配分でき、その結果、排気ガス規制値をクリアしつ
つ、発電プラント全体の効率的運用を実現できる。特に
本発明によれば、NOxなどの排ガス環境規制値以下に
抑止しながら燃料ランニングコストの評価を行い、その
ランニングコストが最小になるように、たとえば2つの
ボイラとたとえば2つのタービン発電機の運転制御を行
い。したがって本発明によれば、プラント全体でいわば
トータルで環境規制を解決し、したがってたとえば第1
および第2ボイラのうち、或るボイラでは規制値を超え
ていても、他のボイラでは規制を大きくし、こうしてプ
ラント全体で環境規制を解決し、こうしてより柔軟な運
用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す構成図である。
【図2】2台のボイラの静特性の例を示すグラフであ
る。
【図3】2機のタービン発電機の静特性の例を示すグラ
フである。
【図4】第1燃料費用と第2燃料費用が等しい場合(K
aFUEL(2)=1.0)の負荷配分を示すグラフである。
【図5】第2燃料費用が第1燃料費用の1.2倍である
場合(KaFUEL(2)=1.2)の負荷配分を示すグラフであ
る。
【図6】第2燃料費用が第1燃料費用の1.5倍である
場合(KaFUEL(2)=1.5)の負荷配分を示すグラフであ
る。
【図7】2台のボイラのNOx 特性の例を示すグラフで
ある。
【図8】環境規制値を考慮した負荷配分方法の具体例で
あり、図8(a)は発電量配分、図8(b)は燃料配
分、図8(c)はNOx 濃度を示すグラフである。
【図9】環境規制値を考慮した負荷配分方法の具体例で
あり、 図9(a)は発電量配分、図9(b)は燃料配
分、図9(c)はNOx 濃度を示すグラフである。
【図10】排ガス処理費用を考慮した負荷配分方法の具
体例であり、図10(a)はコスト削減効果、図10
(b)は燃料配分、図10(c)はNOx 濃度を示すグ
ラフである。
【図11】抽気を含めた負荷配分方法の具体例であり、
図11(a)は抽気量配分、図11(b)は燃料配分、
図11(c)はNOx 濃度を示すグラフである。
【図12】補機動力損失を含めた負荷配分方法の具体例
であり、図12(a)は発電量配分、図12(b)は燃
料配分、図12(c)はNOx 濃度を示すグラフであ
る。
【図13】補機動力損失を含めた負荷配分方法の具体例
であり、図13(a)はランニングコストの目的関数、
図13(b)はその拡大図である。
【図14】抽気量が変化したときの負荷配分方法の具体
例であり、図14(a)は発電量配分、図14(b)は
燃料配分、図14(c)はNOx 濃度を示すグラフであ
る。
【図15】抽気量が変化したときの負荷配分方法の具体
例であり、抽気量配分を示すグラフである。
【図16】ボイラの燃料流量の時間変化を示すグラフで
ある。
【図17】発電プラントの負荷配分オンライン制御シス
テムの概念図である。
【図18】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図19】送気量を考慮して発電量が変化する場合の負
荷配分方法の具体例であり、図19(a)は発電量配
分、図19(b)は燃料配分、図19(c)はNOx 濃
度を示すグラフである。
【図20】送気量が変化する場合の負荷配分方法の具体
例であり、図20(a)は発電量配分、図20(b)は
燃料配分、図20(c)はNOx 濃度を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
V1〜Vn 燃料バルブ A1〜An 空気ポンプ P1〜Pn 給水ポンプ B1〜Bn ボイラ D1〜Dn 排気ガス処理装置 SH 蒸気ヘッダ T1〜Tm 蒸気タービン G1〜Gm 発電機 S1〜Sm、W1〜Wn 蒸気バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山寺 崇仁 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 伊藤 俊郎 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎 重工業株式会社 東京設計事務所内 (72)発明者 和佐田 憲彦 東京都江東区南砂2丁目11番1号 川崎 重工業株式会社 東京設計事務所内 (56)参考文献 特開 平8−95604(JP,A) 特開 平6−74414(JP,A) 実開 昭50−143122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F22B 35/00 - 35/18 F01K 13/02 G05B 13/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)燃料を燃焼させて熱エネルギーを
    発生し、高温の熱媒体を供給する複数の熱エネルギー発
    生源と、 (b)熱エネルギー発生源からの熱媒体が有する熱エネ
    ルギーを電気エネルギーに変換する複数の電気エネルギ
    ー発生装置と、 (c)各熱エネルギー発生源から排出される排気ガスを
    処理する複数の排気ガス処理装置と、 (d)熱エネルギー発生源へ供給する燃料の流量を制御
    する燃料流量制御手段と、 (e)熱エネルギー発生源へ供給する空気の流量を制御
    する空気流量制御手段と、 (f)電気エネルギー発生装置へ供給する熱媒体の流量
    を制御する熱媒体流量制御手段と、 (g)電力要求値WSETを設定する手段と、 (h)プラント制御装置であって、 (h1)熱エネルギー発生源からの熱媒体の流量fB
    (i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流量fFU
    EL(i)(k)の近似式で表し、 (h2)各電気エネルギー発生装置Tjの発電量W
    (j)SETを、各電気エネルギー発生装置Tjに供給
    される熱媒体の流量fT(j)の近似式で表し、 (h3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各熱エ
    ネルギー発生源Bi毎の総燃料消費ランニングコストC
    FUELを計算し、 (h4)各熱エネルギー発生源Bi毎の複数の各種類毎
    の排気ガス処理装置による排気ガス処理のランニングコ
    ストの総和CCO2,CNOx,CSOxを計算し、 (h5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
    Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
    2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重みを考慮
    したトータルのランニングコストCALLを計算し、 (h6)各熱エネルギー発生源Biからの各種類毎の排
    気ガスの発生量fCO2(i),fNOx(i),fS
    Ox(i)の総量fCO2all,fNOxall,f
    SOxallを、予め定める各規制値fCO2(ma
    x),fNOx(max),fSOx(max)以下と
    し、かつ、 (h7)前記トータルのランニングコストCALLが最
    小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
    して、 (h8)各電気エネルギー発生装置B1〜Bnの目標電
    力値W(1)SET〜W(m)SET、ならびに (h9)各エネルギー発生源B1〜Bnの燃料流量fF
    UEL(1)(k)〜fFUEL(n)(k)および空
    気流量fA(1)〜fA(n)を、定期的に算出してそ
    れぞれ制御目標値とし、 (h10)各熱エネルギー発生源Biの燃料の種類、燃
    料の流量、燃焼用空気を制御するとともに、 各電気エネルギー発生装置Tjに供給される熱媒体流量
    を制御するプラント制御装置とを含むことを特徴とする
    発電プラント。
  2. 【請求項2】 (a)燃料を燃焼させて熱エネルギーを
    発生し、高温の熱媒体を供給する複数の熱エネルギー発
    生源と、 (b)熱エネルギー発生源からの熱媒体が有する熱エネ
    ルギーを電気エネルギーに変換する複数の電気エネルギ
    ー発生装置と、 (c)各熱エネルギー発生源から排出される排気ガスを
    処理する複数の排気ガス処理装置と、 (d)熱エネルギー発生源へ供給する燃料の流量を制御
    する燃料流量制御手段と、 (e)熱エネルギー発生源へ供給する空気の流量を制御
    する空気流量制御手段と、 (f)電気エネルギー発生装置へ供給する熱媒体の流量
    を制御する熱媒体流量制御手段と、 (g)電力要求値WSETを設定する手段とを含み、 (h1)熱エネルギー発生源からの熱媒体の流量fB
    (i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流量fFU
    EL(i)(k)の近似式で表し、 (h2)各電気エネルギー発生装置Tjの発電量W
    (j)SETを、各電気エネルギー発生装置Tjに供給
    される熱媒体の流量fT(j)の近似式で表し、 (h3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各熱エ
    ネルギー発生源Bi毎の総燃料消費ランニングコストC
    FUELを計算し、 (h4)各熱エネルギー発生源Bi毎の複数の各種類毎
    の排気ガス処理装置による排気ガス処理のランニングコ
    ストの総和CCO2,CNOx,CSOxを計算し、 (h5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
    Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
    2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重みを考慮
    したトータルのランニングコストCALLを計算し、 (h6)各熱エネルギー発生源Biからの各種類毎の排
    気ガスの発生量fCO2(i),fNOx(i),fS
    Ox(i)の総量fCO2all,fNOxall,f
    SOxallを、予め定める各規制値fCO2(ma
    x),fNOx(max),fSOx(max)以下と
    し、かつ、 (h7)前記トータルのランニングコストCALLが最
    小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
    して、 (h8)各電気エネルギー発生装置B1〜Bnの目標電
    力値W(1)SET〜W(m)SET、ならびに (h9)各エネルギー発生源B1〜Bnの燃料流量fF
    UEL(1)(k)〜fFUEL(n)(k)および空
    気流量fA(1)〜fA(n)を、 定期的に算出してそれぞれ制御目標値とし、 (h10)各熱エネルギー発生源Biの燃料の種類、燃
    料の流量、燃焼用空気を制御するとともに、 各電気エネルギー発生装置Tjに供給される熱媒体流量
    を制御することを特徴とする発電プラントの運転方法。
  3. 【請求項3】 (a)複数nのボイラBiであって、費
    用が異なる複数qの燃料を切換えて使用するボイラBi
    と、 (b)各ボイラBiからの蒸気が流入される蒸気ヘッダ
    SHと、 (c)複数mのタービン発電機Tjであって、 蒸気ヘッダSHからの蒸気がそれぞれ供給され、 各タービン発電機Tjからの総電力が外部に供給される
    タービン発電機Tjと、 (d)電力要求値WSETを設定する手段と、 (e)プラント制御装置であって、 (e1)各ボイラBiの蒸気ヘッダSHへ流入する蒸気
    流量fB(i)を、燃料の費用が異なる各種類k毎の流
    量fFUEL(i)(k)の近似式で表し、 各ボイラBiの運用の燃料供給流量fB(i)の範囲を
    設定し、 (e2)各タービン発電機Tjの発電量W(j)SET
    を、蒸気ヘッダSHから供給する蒸気流量fT(j)の
    近似式で表し、 各タービン発電機Tjの運用の発電量W(j)SETの
    範囲を設定し、 (e3)複数q種類の各燃料を切換えて使用する各ボイ
    ラBi毎の総燃料消費ランニングコストCFUELを計
    算し、 (e4)各ボイラBi毎のCO2排気ガス処理のランニ
    ングコストの総和CCO2と、 各ボイラBi毎のNOx排気ガス処理のランニングコス
    トの総和CNOxと、 各ボイラBi毎のSOx排気ガス処理のランニングコス
    トの総和CSOxを計算し、 (e5)これらの総燃料消費ランニングコストCFUE
    Lと、各排気ガス処理のランニングコストの総和CCO
    2,CNOx,CSOxにそれぞれ対応する重み係数w
    f,wCO2,wNOx,wSOxを設定し、 (e6)トータルのランニングコストCALL、 CALL = wf・CFUEL+wCO2・CCO2 +wNOx・CNOx+wSOx・CSOx を計算し、 (e7)各ボイラBiのCO2の発生量fCO2(i)の
    総量fCO2allを予め定めるCO2規制値fCO
    2(max)以下とし、 各ボイラBiのNOxの発生量fNOx(i)の総量f
    NOxallを予め定めるNOx規制値fNOx(ma
    x)以下とし、 各ボイラBiのSOxの発生量fSOx(i)の総量f
    SOxallを予め定めるSOx規制値fSOx(ma
    x)以下とし、かつ、 (e8)前記トータルのランニングコストCALLが最
    小となるように、線形計画法または非線形計画法を適用
    して、 (e9)各発電機G1〜Gmの目標電力値W(1)SE
    T〜W(m)SET、各蒸気タービンT1〜Tmの抽気
    流量fP(1)〜fP(m)、各ボイラB1〜Bnの燃
    料流量fFUEL(1)(k)〜fFUEL(n)
    (k)および空気流量fA(1)〜fA(n)を定期的
    に算出してそれぞれ制御目標値とし、 (e10)各ボイラBiの燃料の種類、燃料の流量、燃
    焼用空気および給水量を制御するとともに、 各タービン発電機Tjの蒸気ヘッダSHから供給される
    蒸気流量を制御するプラント制御装置とを含むことを特
    徴とする発電プラント。
  4. 【請求項4】 (a)第1および第2ボイラB1,B2
    であって、 第1ボイラB1は、第2ボイラB2よりも燃費がよく、 第2ボイラB2は、第1ボイラB1よりも効率がよく、 各第1および第2ボイラB1,B2はいずれも、費用が
    異なる第1および第2燃料を切換えて使用する第1およ
    び第2ボイラB1,B2と、 (b)第1および第2ボイラB1,B2からの蒸気が流
    入される蒸気ヘッダSHと、 (c)第1および第2タービン発電機T1,T2であっ
    て、 蒸気ヘッダSHからの蒸気がそれぞれ供給され、 第1タービン発電機T1は、第2タービン発電機T2よ
    りも効率がよく、 第1および第2タービン発電機T1,T2からの総電力
    が外部に供給される第1および第2タービン発電機T
    1,T2と、 (d)電力要求値WSETを設定する手段と、 (e)プラント制御装置であって、 (e1)第1および第2の各ボイラB1,B2の蒸気ヘ
    ッダSHへ流入する蒸気流量fB(i)を、燃料の費用
    が異なる第1および第2種類毎の流量fFUEL(i)
    (k)の2次式で表し、 各ボイラB1,B2の運用の燃料供給流量fB(i)の
    範囲を設定し、 (e2)第1および第2の各タービン発電機T1,T2
    の発電量W(j)SETを、蒸気ヘッダSHから供給す
    る蒸気流量fT(j)の2次式で表し、 各タービン発電機T1,T2の運用の発電量W(j)S
    ETの範囲を設定し、 (e3)燃料ランニングコストCaを、予め定める第1
    燃料の費用KFUEL(1)を基準として、非線形計画
    法を適用して、燃料ランニングコストCaが最小となる
    条件を計算し、 (e4)第2燃料の費用KFUEL(2)が第1燃料の
    費用KFUEL(1)の予め定める倍率の第1範囲であ
    る場合、 電力要求値設定手段によって設定された電力要求値WS
    ETが予め定める低い範囲では、効率のよい第2ボイラ
    B2を優先的に動作させ、第2ボイラB2の能力限界付
    近で、燃費のよい第1ボイラB1を立ち上げ、かつ、 効率のよい第1タービン発電機T1を優先的に動作さ
    せ、第1タービン発電機T1の能力の予め定める割合と
    なった時点で、第2タービン発電機T2への負荷配分を
    始め、第1タービン発電機T1の能力が100%となる
    時点まで、第1および第2タービン発電機T1,T2の
    負荷を適切に配分し、 (e5)第2燃料の費用が第1燃料の費用の前記第1範
    囲を超える第2範囲である場合、 電力要求値WSETが予め定める低い範囲では、 最初に、燃費のよい第1ボイラB1を立ち上げ、 電力要求値が前記予め定める低い範囲を超える第2ボイ
    ラB2の能力限界となる範囲では、第1および第2ボイ
    ラB1,B2の負荷を適切に配分し、かつ、 効率のよい第1タービン発電機T1を優先的に動作さ
    せ、第1タービン発電機T1の能力の予め定める割合と
    なった時点で、第2タービン発電機T2への負荷配分を
    始め、第1タービン発電機T1の能力が100%となる
    時点まで、第1および第2タービン発電機T1,T2の
    負荷を適切に配分し、 (e6)第2燃料の費用が第1燃料の費用の第2の範囲
    を超える第3の範囲である場合、 電力要求値WSETが予め定める低い範囲では、効率の
    よい第2ボイラB2よりも燃費のよい第1ボイラB1を
    優先的に動作させ、かつ、 効率のよい第1タービン発電機T1を優先的に動作さ
    せ、第1タービン発電機T1の能力の予め定める割合と
    なった時点で、第2タービン発電機T2への負荷配分を
    始め、第1タービン発電機T1の能力が100%となる
    時点まで、第1および第2タービン発電機T1,T2の
    負荷を適切に配分するプラント制御装置とを含むことを
    特徴とする発電プラント。
  5. 【請求項5】 プラント制御装置は、 第1および第2ボイラのNOx濃度fdNOx(i)
    を、 燃料消費量fdFUEL(i)(1)の2次式で近似
    し、 NOx規制値に対する制約条件を設定し、 第1ボイラは、第2ボイラよりもNOx発生量が少な
    く、 前記第2範囲では、発電要求が増えるにつれて、NOx
    発生量の少ない第1ボイラが優先して使用され、 前記第3範囲では、NOx発生量は多いが対燃料費用効
    果の高い第1ボイラを優先して使用し、 NOx発生量が規制値に達する総発電量付近で、第1ボ
    イラB1の燃料使用量の増加を抑えつつ、NOx発生量
    の少ない第2ボイラB2の燃料使用量を増加させて、発
    電量とNOx規制値の両方を満足させることを特徴とす
    る請求項4記載の発電プラント。
  6. 【請求項6】 脱硝装置を備え、 プラント制御装置は、 燃料流量fFUEL(i)(1)に比例する脱硝媒体の
    消費量fdeNOx(i)を、前記燃料ランニングコス
    トCaに加算することを特徴とする請求項4または5記
    載の発電プラント。
  7. 【請求項7】 第1および第2ボイラは、プロセス蒸気
    を直接取り出す送気を行い、残余の蒸気を、蒸気ヘッダ
    SHへ流入する蒸気流量fB(i)として計算すること
    を特徴とする請求項4〜6のうちの1つに記載の発電プ
    ラント。
  8. 【請求項8】 第1および第2タービン発電機のタービ
    ンは、抽気式であり、抽気量fP(i)に応じて発電量
    が低下する特性を有し、 プラント制御装置は、燃料ランニングコストCaの計算
    のために、抽気量fP(i)で補正した各タービン発電
    機の前記発電量W(j)SETを用いることを特徴とす
    る請求項4〜6のうちの1つに記載の発電プラント。
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