JP3299506B2 - 鋳型の冷却方法および鋳造装置 - Google Patents

鋳型の冷却方法および鋳造装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型の冷却方法お
よび鋳造装置に関するもので、特に、大型鋼塊用(11
0トン以上の鋼塊)の鋳型の冷却方法および鋳造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、タービンロータ、大型反応容器
(シェル)等用の鋼塊は鋳造により製造されている。そ
の後、この鋼塊は鍛造、熱処理、機械加工等の製造工程
を経て最終製品に加工されている。前記鋳造工程では、
電気炉等により所定の成分に調整された溶湯が、鋳鉄製
の鋳型に上注ぎされ、この鋳込まれた溶湯は鋳型内で凝
固、冷却されて鋼塊が製造される。鋼塊、特に大型鋼塊
の鋳造工程は、図10に示すような、真空鋳造法が用い
られることが多い。この真空鋳造法は、真空チャンバー
6内に鋳型1を配設し、真空排気口14から図示しない
大型の真空ポンプ又はスチームエジェクタにより排気し
ながら、溶湯を鋳型1に注入するものである。このと
き、溶湯は細かい粒滴11となり、溶湯中の有害ガス
(主に水素ガス)が除去される。鋼塊中に、水素が残留
すると水素割れ原因となり、特に、大型鋼塊は割れ感受
性が高く、さらに割れた場合の影響も大きい。このた
め、大型鋼塊の製造には真空鋳造法が用いられている。
そして、この大型鋼塊は、鋳型とともに、真空チャンバ
ー内に所定の時間静置後、鍛錬のために加熱炉で加熱す
るのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これら鋼塊
の鋳造に用いられる鋳型の寿命は、表1に示すように、
鋼塊が大型化するほどに低下する傾向がある。ここで、
表1はタービンロータ、大型反応容器(シェル)等に用
いられる大型鋼塊用鋳型の寿命までの使用回数を示すも
のである。このように、鋼塊が大型化することにより、
それに用いる鋳型の寿命が低下して早期に廃却しなけば
ならないのが現状である。さらに、100トン以上の鋼
塊用鋳型の寿命は、数トンから数十トンクラスの鋼塊用
鋳型の寿命(約100ch以上)に比べて著しく低くな
る問題がある。さらに、このような大型鋼塊用鋳型の製
作費は高価なものであり、大型鋼塊の製造コストをさら
に高くする問題がある。このため、大型鋼塊用鋳型の省
資源化および大型鋼塊の製造コストの低減のために大型
鋼塊用鋳型の高寿命化が要望されている。
【0004】
【表1】
【0005】この大型鋼塊用鋳型の寿命低下の原因は、
鋼塊の大型化に伴い、鋳型が高温で保持される時間が長
くなったために生じたものと考えられる。しかしなが
ら、従来、鋳型を冷却することにより鋳型寿命の向上を
図ることは考慮されていなかった。
【0006】なぜなら、溶湯が注入された状態での大型
鋼塊用鋳型の冷却を効率よく冷却することが困難であ
る。すなわち、溶湯が注入された状態での大型鋼塊用鋳
型は、重量が大きいため熱容量が多く、かつ、単重量当
たりの表面積が小さいので、外部からの冷却効果が少な
いためである。このような溶湯が注入された状態での大
型鋼塊用鋳型を効率よく冷却するためには、例えば、冷
却ガスを送風するための大容量の送風機を多数設ける
と、冷却設備の投資に多大の費用を必要とすることとな
る。さらに、大型鋼塊は真空鋳造法で主に製造されるの
で、真空チャンバー内にこれら冷却設備を設ける必要が
ある。しかし、真空チャンバー内に送風機等を設けるス
ペースがなく、たとえ、設けることができたとしても、
真空チャンバーの有効容積を減少させるという問題も生
じる。
【0007】そこで、本発明は、大型鋼塊用鋳型の寿命
を向上させるために、真空鋳造法で用いる鋳造用チャン
バー又は鋳造用ピット内に、簡便な冷却設備を設けるこ
とができ、そして、この冷却設備によって鋳型を効率よ
く冷却し、鋳型寿命を向上できる鋳型の冷却方法および
鋳造装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、鋳造用
チャンバー又は鋳造用ピット内に配設された鋳型内へ溶
湯を鋳造した後の鋼塊の冷却に際して、前記鋳造用チャ
ンバー又は鋳造用ピット内に複数のガス噴射ノズルを設
け、この複数のガス噴射ノズルからの噴射ガスを前記鋳
型の外周部で旋回させて、鋳型内面が650℃以上の温
度で保持される時間を短縮することを特徴とするもので
ある。鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に複数のガ
ス噴射ノズルを設け、この複数のガス噴射ノズルからの
噴射ガスを、前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピットの
内面と前記鋳型の外周部との間で同一方向へ旋回させる
ことによって、噴射ガスと鋳型の外周面との間の熱交換
を促進させて鋳型を効率よく冷却できる。そして、鋳型
を効率よく冷却することによって、鋳型の寿命低下に大
きな影響をあたえる温度領域(650℃以上)に、鋼塊
と接する鋳型内面が保持される時間を短縮することがで
き、鋳型寿命を向上できる。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、鋳型の外周部で旋回させる噴射
ガスの流速を5m/秒以上にすることを特徴とするもの
である。鋳型の外周部で旋回させる噴射ガスの流速を5
m/秒以上にすることによって、噴射ガスと鋳型の外周
部との間の熱交換をより促進させて鋳型をさらに効率よ
く冷却できる。
【0010】また請求項3記載の発明は、請求項1又は
2記載の発明を110トン以上の鋼塊の鋳造用鋳型に用
いることを特徴とするものである。110トン以上の鋼
塊用鋳型の寿命を効果的に向上できる。
【0011】また請求項4記載の発明は、鋳造用チャン
バー又は鋳造用ピット内に配設された鋳型内へ溶湯を注
入する鋳造装置において、前記鋳造用チャンバー又は鋳
造用ピットの内面側に複数のガス噴射ノズルを設け、こ
の複数のガス噴射ノズルが前記鋳造用チャンバー又は鋳
造用ピット内に設置された前記鋳型の外周部の同一接線
方向にガス噴射できる構造であることを特徴とするもの
である。鋳造用チャンバー又は鋳造用ピットの内面側に
複数のガス噴射ノズルを設け、この複数のガス噴射ノズ
ルが前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に設置さ
れた前記鋳型の外周部の同一接線方向にガス噴射できる
構造とすることにより、前記複数のガス噴射ノズルから
の噴射ガスを前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピットの
内面と前記鋳型の外周部との間の狭い空間で旋回させる
ことができる。この結果、噴射ガスと鋳型の外周面との
間の熱交換を促進させて鋳型を効率よく冷却できると共
に、これら鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内の有効
スペースを殆ど狭めることはない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例によ
り説明する。図1は本発明の鋳造装置の概略を示す図で
あって、a)は鋳型を配設した状態を示す平面図であ
り、b)は鋳型を配設し、真空タンク用蓋を設置した状
態を示すA−A断面図である。
【0013】本発明の鋳造装置は、図1に示すような、
ピット内に真空チャンバー6を設けた構造である。この
真空チャンバー6内の台盤4上に、鋳型1が配設され、
さらに、この鋳型1上に押湯枠3が配置される。この状
態で、前述したように真空鋳造が行われる。
【0014】本発明の鋳造装置に用いる冷却装置は、図
1(a)に示すように、ガス噴射ノズル5を真空チャン
バー6の内面側に、鋳型1を囲むように、当間隔(45
°置きに8本)に設けるとともに、このガス噴射ノズル
群5a、5b、5cを、図1(b)に示すように、高さ
方向に3列に設けた構造である。これらガス噴射ノズル
群5a、5b、5cのガス噴射方向は、真空チャンバー
6の内円周の接戦に対して、真空チャンバー6の中心部
に向かって45°の方向に向いており、必要に応じて、
これらガス噴射ノズル群5a、5b、5cのガス噴射方
向は可変に動かすことができる構造になっている。そし
て、これらガス噴射ノズル群5a、5b、5cはリング
状ガス配管8に接続され、さらに、このリング状ガス配
管8は図示しないガス供給装置につながるガス配管9に
接続されている。
【0015】この本発明は、この鋳造装置を用いて、種
々の実験および解析を行った結果、「鋳造用チャンバー
内に設けた複数のガス噴射ノズルからの噴射ガスを、鋳
造用チャンバーの内面と鋳造後の鋳型の外周部との間で
同一方向に旋回させて、鋳型内面が650℃以上で保持
される時間を短縮することにより鋳型寿命を向上でき
る」という知見を得たものである。この発明の完成に至
った過程を説明する。
【0016】まず、溶湯を注入した鋳型の温度変化を調
査し、この調査結果と鋳型寿命との関係について検討し
た。このときの鋳造条件を表2および表3に示す。そし
て、鋳型の外周部の測温結果と鋳型の内面の伝熱計算に
よるシミュレーション結果を図2に、鋳型寸法と高温保
持時間との関係を図3に、さらに、鋳型寸法と累積高温
保持時間との関係を図4に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】溶湯を注入した鋳型の温度変化の調査は、
前述の真空鋳造装置(図1参照)の真空チャンバー内に
設置した鋳型内に溶湯を注入し、鋳型の中央部の外表面
を測温するとともに、その鋳型の内面の温度を伝熱計算
により演算して求めた。これらの結果を図2に示す。
【0020】図2に示すように、鋳型の外表面および内
面の温度は、溶湯の注入と同時に急激に高くなり、ある
値で極大を示した後、徐々に低下する。このとき鋳型の
内面温度が極大を示す温度は約780℃であることが判
明した。そして、内面温度が極大を示す温度は、130
T(トン)鋼塊用鋳型、230T鋼塊用鋳型との間で大
差がないが、鋳型の内面が650℃以上の温度で保持さ
れる時間は、130T鋼塊用鋳型に比べて、230T鋼
塊用鋳型の方が長くなっていることが判明した。
【0021】次に、鋳型の内面の温度が650℃以上で
保持される時間と鋳型寸法との関係を調査し、この結果
を図3に示す。横軸に鋳型寸法、縦軸に各温度以上で保
持される時間を示す。図3に示すように、650℃およ
び700℃以上の温度で保持される時間と鋳型寸法との
間に、比例関係が認められ、鋳型寸法の増加とともに保
持時間が増加することが明らかとなった。
【0022】そして、前述の表1に示す鋳型寿命を基
に、各鋳型がこの鋳型寿命になるまでに650℃又は7
00℃以上の温度で保持された累積時間を計算した。こ
の結果を図4に示す。図4から明らかなように、鋳型寿
命は、鋳型寸法にかかわらず、ほぼ一定の累積保持時間
で寿命に達すことが判明した。例えば、650℃以上で
保持された累積時間が約950時間に達すると、鋳型は
寿命となり廃却されることとなる。
【0023】この現象は、鋳鉄が高温で長時間加熱され
ると不可逆的な体積膨張を生じ、その結果、鋳鉄に割れ
が生ずるものと対応するものである。この現象はパーラ
イト中のCの黒鉛化によるもので、黒鉛化は約480℃
から始まり、温度の上昇とともに増大する傾向がある。
すなわち、高温(例えば、650℃以上)に保持された
時間に比例して、鋳物に割れが発生して、鋳型が寿命に
達したものと考えられる。この結果、鋳型の寿命を向上
させるためには、高温(650℃以上)で鋳型の内面が
保持される時間を短縮することにより達成できるという
知見を得た。
【0024】さらに、発明者らは、真空鋳造法における
大型鋳型の効率の良い冷却方法を検討し、本発明の鋳型
の冷却方法および冷却に用いる鋳造装置を完成した。こ
の結果を次に示す。大型鋼塊用鋳型の冷却方法を種々検
討した結果、「鋳造用チャンバー内に複数のガス噴射ノ
ズルを設け、この複数のガス噴射ノズルからの噴射ガス
を前記鋳型の外周部で同一方向に旋回させることによ
り、鋳型を効率よく冷却できる」という知見を得た。す
なわち、鋳造用チャンバー内に設けた複数のガス噴射ノ
ズルからの噴射ガスにより、鋳型と鋳造用チャンバーと
の間の狭い空間に、旋回流を生じさせ、この旋回流によ
り鋳型外周部と熱交換を行うものである。
【0025】この旋回流を生じさせる方法についての検
討結果を図5および図6に示す。図5はガスの流れの数
値計算による検討方法を示す説明図であり、(a)は鋳
型とガス噴射ノズルを配設した状態を示す鋳造用チャン
バーの平面図であり、(b)は鋳型とガス噴射ノズルを
配設した状態を示す鋳造用チャンバーの断面図である。
そして、図6は、ガスの流れの数値計算による結果の一
例を示す説明図である。
【0026】図5(a)に示すように、ガス噴射ノズル
は鋳造用チャンバー内周面に、同一円周上に45°置き
に設け、そして、図5(b)に示すように、鋳型の高さ
方向に上、中、下の3段に設けた。このときのそれぞれ
のガス噴射ノズルのガス噴射方向は鋳型の外周部の同一
の接線方向とした。図5(b)の斜線部(1/8領域の
周期境界条件)について、汎用流体解析プログラムST
REAMを用いて、鋳型冷却時のガス流れの状況を乱流
モデルを考慮して3次元計算した。このときの、鋳造条
件は前述の表2および表3の条件を用い、噴射ノズルの
空気流量を850Nm3 /hr、冷却空気の温度を20
℃として計算した。
【0027】図6に示されるように、ガス噴射ノズルか
ら噴射されたガスの流れは、鋳造用チャンバー内周面と
鋳型の外周部との間で旋回する旋回流となることが明ら
かとなった。さらに、解析実験を行った結果、この旋回
流を生じさせるためには、図7に示すように、鋳型の外
周部の接線方向に対して、θ=0〜30°とすることが
必要であることが判明した。
【0028】このとき得られる鋳型表面の表面流速と2
30T鋼塊用鋳型における650℃以上の温度で保持さ
れる時間を数値計算により求めた。この結果を図8に示
す。図8において、左端の○、□は自然対流(従来例)
におけるそれぞれ650℃、700℃以上に保持される
時間を示す。例えば、650℃以上の温度で保持される
時間(●)は、冷却ガスの流速が5m/秒の場合には2
5時間から20時間と短縮される。そして、図9に示す
ように、鋳型寿命が35chから42〜50ch程度に
なることが期待される。なお、図9は、前述の図4を基
に、230T鋼塊用鋳型におけるチャージ当たりの65
0℃以上の保持される時間と鋳型寿命の関係を求めたも
のである。また、鋳型の寿命低下に大きな影響をあたえ
る温度領域として、650℃以上の温度の代わりに、7
00℃以上の温度を用いてもよい。
【0029】
【実施例】さらに、本発明の実施例を図示例により説明
する。本実施例は、新たに、130T、230T、42
0T鋼塊用の鋳型を製作して、図1に示す本発明の鋳造
装置を用いて、これら鋳型を冷却するものである。すな
わち、鋳型に、タービンロータ、大型反応容器(シェ
ル)等の溶湯を真空鋳造後、下記の冷却条件でこれら鋳
型を冷却して、繰り返し使用して実機試験を行ったもの
である。この実機試験の結果を表4に示す。 冷却条件 ・旋回流の流速 :5m/秒 ・噴射ノズルの噴射角度:鋳型の外周部の接線方向に対して、θ=0〜30° ・噴射ノズルの種類 :省エネ、低騒音型エアーノズル ・噴射ガス流量 :874Nm3 /hr ・噴射ガス温度 :20℃ なお、噴射ガスには、空気を使用した。
【0030】
【表4】
【0031】表4に示すように、大型鋼塊用鋳型寿命は
約20%向上し、大型鋼塊用鋳型の省資源化および大型
鋼塊の製造コストの低減が達成できることが判明した。
【0032】本発明は、真空チャンバー(鋳造用チャン
バー)内に複数のガス噴射ノズルを設けたが、実施例に
限定されることなく、大気中鋳造の際は使用される鋳造
用ピット内に複数のガス噴射ノズルを設けてもよい。さ
らに、鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に設けられ
るガス噴射ノズルの数および位置についても、鋳造用チ
ャンバー又は鋳造用ピットの大きさと鋳造する鋼塊の寸
法に応じて、適宜、ガス噴射ノズルの数および位置を変
えることできる。このとき、鋳型の外周部でガス噴射ノ
ズルからの噴射ガスを旋回させればよい。さらに、鋳型
の寸法に限定されることなく、小型の鋼塊の冷却に、本
発明の鋳型の冷却方法および鋳造装置を用いることがで
きる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、鋳造
用チャンバー又は鋳造用ピット内に複数のガス噴射ノズ
ルを設け、この複数のガス噴射ノズルからの噴射ガスを
前記鋳型の外周部で旋回させることによって、鋳型を効
率よく冷却できる。その結果、鋳型を効率よく冷却する
ことによって、鋼塊と接する鋳型内周面が650℃以上
に保持される時間を短縮することができ鋳型寿命を改善
できる。さらに、本発明の鋳造装置に用いる冷却設備
は、真空チャンバー内の有効容積を減じることなく、簡
単な冷却設備となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の鋳造装置の概略を示す図であ
って、(a)は鋳型を配設した状態を示す平面図であ
り、(b)は鋳型を配設し、真空タンク用蓋を設置した
状態を示すA−A断面図である。
【図2】鋳型の外周部の測温結果と鋳型の内面の伝熱計
算結果を示す図であり、(a)は130t鋳型の外周部
の測温結果と内面の伝熱計算結果を示す図であり、
(b)は230t鋳型の測温結果と伝熱計算結果を示す
図である。
【図3】鋳型寸法と高温保持時間との関係を示す図であ
る。
【図4】鋳型寸法と累積高温保持時間との関係を示す図
である。
【図5】ガスの流れの数値計算による検討方法を示す説
明図であり、(a)は鋳型とガス噴射ノズルを配設した
状態を示す鋳造用チャンバーの平面図であり、(b)は
鋳型とガス噴射ノズルを配設した状態を示す鋳造用チャ
ンバーの断面図である。
【図6】ガスの流れの数値計算による結果の一例を示す
説明図である。
【図7】ガスノズルの向きを説明する図である。
【図8】230t鋳型における、冷却ガスの流速と高温
保持時間との関係を示す図である。
【図9】230t鋳型における、高温保持時間と鋳型寿
命の関係を示す図である。
【図10】真空鋳造装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋼塊 3 押湯枠 4 台盤 5 ガス噴射ノズル 5a、5b、5c ガス噴射ノズル群 6 真空チャンバー 7 真空チャンバー用蓋 8 リング状ガス配管 9 ガス配管 10 溶湯 11 流滴 12 出鋼取鍋 13 中間取鍋 14 真空排気口 15 ストッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 恒明 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭60−148661(JP,A) 特開 昭62−72465(JP,A) 特開 昭58−157570(JP,A) 実公 昭13−2178(JP,Y1) 特許164846(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 27/04 B22D 7/00 B22D 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に
    配設された鋳型内へ溶湯を注入した後の鋼塊の冷却に際
    して、 前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に複数のガス
    噴射ノズルを設け、 この複数のガス噴射ノズルからの噴射ガスを前記鋳型の
    外周部で旋回させて、鋳型内面が650℃以上の温度に
    保持される時間を短縮することを特徴とする鋳型寿命を
    向上させる鋳型の冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記鋳型の外周部で旋回する噴射ガスの
    流速が5m/秒以上である請求項1記載の鋳型寿命を向
    上させる鋳型の冷却方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型が110トン以上の鋼塊の鋳造
    用に用いられる請求項1又は2記載の鋳型寿命を向上さ
    せる鋳型の冷却方法。
  4. 【請求項4】 鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に
    配設された鋳型内へ溶湯を注入する鋳造装置において、 前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピットの内面側に複数
    のガス噴射ノズルを設け、この複数のガス噴射ノズルが
    前記鋳造用チャンバー又は鋳造用ピット内に設置された
    前記鋳型の外周部の同一接線方向にガス噴射できる構造
    であることを特徴とする鋳造装置。
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