JP3299502B2 - 作物積込み装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は作物積込み装置に係
り、たとえば、馬鈴薯、甘藷等の作物を搬送するととも
に、これらの作物を積込む作物積込み装置を備えた収穫
機等に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の作物積込み装置として
は、たとえば、作業機本体に作物を搬送するコンベヤを
設け、前記作業機本体に前記コンベヤの搬出端部から搬
出される作物を積込むコンテナ等の作物収容体を載置す
る荷台板を有する台車を連結し、前記荷台板を作物の積
込み時は略水平状に支持して作物収容体内に作物を積込
み、作物の搬出時は前記荷台板を後下方に向かって下降
傾斜させこの荷台板の傾斜面に沿って作物を積込んだ作
物収容体を搬出する構成のものが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記作物積込み装置の
構成では、作物の搬出時は下降傾斜させた荷台板の傾斜
面に沿って作物を積込んだ作物収容体を滑らせて搬出す
るものであるが、搬出時の作物収容体はこの作物収容体
内に作物が十分に収容されて人手では簡単に持ち運びで
きない状態に重量的に重くなっているため、作物の搬出
時は荷台板の傾斜面とこの傾斜面に接する作物収容体の
底部との摩擦抵抗が大きく、作物収容体をスムーズに搬
出できないことがあるのみならず、この作物収容体が転
倒するおそれがあって作物収容体を人手によって支えな
がら荷台板の傾斜面に沿って搬出する手数を要する、と
いう問題がある。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、作物の搬出時は作物搬出体を作物の搬出方向に
傾けるとともにこの作物搬出体にて作物収容体を吊り上
げて搬出することを可能にし、重量的に重い作物収容体
を荷台板との摩擦抵抗がなく、作物収容体をスムーズに
搬出でき、作物収容体を人手によって支える手数がな
く、作物収容体を容易に搬出することができる作物積込
み装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の作物積込
み装置は、作業機本体と、この作業機本体に設けられ積
込み用の作物を搬送するコンベヤと、このコンベヤの搬
送端部に位置して前記作業機本体に設けられ前記コンベ
ヤの搬送端部から搬出される作物を積込む作物収容体を
載置する載置台と、を具備し、前記載置台は、前記作業
機本体に上下方向に回動自在に設けられた載置台本体
と、この載置台本体に上下動自在に設けられた作物搬出
体と、を有し、前記載置台本体は、前記作業機本体に支
軸にて上下 方向に回動自在に軸支された支持フレーム
と、この支持フレームによって支持され作物の積込み時
は略水平状に移動され作物の搬出時は作物の搬出方向に
向かって下降傾斜される荷台板と、前記支持フレームの
両側部に相対して垂直状に一体に立設され前記作物搬出
体を上下動自在に案内するガイド支柱と、を有し、前記
作物搬出体は、前記荷台板上に載置された前記作物収容
体を支持する支持枠体を有し、作物の搬出時には、前記
作物搬出体が前記載置台本体とともに下方に向かって下
降傾斜すると、前記荷台板上に載置された前記作物収容
体が、前記支持枠体にて支持された状態のまま前記荷台
板の傾斜方向に向かって傾斜し、その後、前記作物搬出
体が傾斜した状態のまま前記ガイド支柱にて案内されつ
つ前記傾斜した載置台本体に対して上動すると、前記作
物収容体が、前記支持枠体にて前記荷台板上から吊上げ
られて搬出方向に向かって移動し、その後、前記作物搬
出体が傾斜した状態のまま前記ガイド支柱にて案内され
つつ前記傾斜した載置台本体に対して下動すると、前記
作物収容体が、前記支持枠体にて前記荷台板から外れた
位置に降ろされて搬出されるものである。

【０００６】そして、作物の積込み時は、載置台本体が
たとえば傾斜した状態にあるときは、この載置台本体を
傾斜した状態から上方に向かって回動することにより、
この載置台本体が略垂直状に移動されるとともに、この
載置台本体の荷台板が略水平状に移動され、この載置台
本体に設けた作物搬出体が載置台本体と同様に上方に向
かって回動される。

【０００７】また、載置台本体の荷台板が略水平状に支
持されるとともに、この荷台板の上方に作物搬出体の支
持枠体が突出した状態となる。また、載置台本体の荷台
板上に作物収容体を載置し、この作物収容体の被支持部
を作物搬出体の支持枠体にて支持することにより、この
作物収容体の収容口がコンベヤの搬送端部に臨ませて開
口される。

【０００８】また、作業機本体に設けたコンベヤ上に作
物が順次搬入されると、これらの作物がコンベヤにてこ
のコンベヤの搬出端部に向かって順次搬送されるととも
に、このコンベヤの搬出端部から搬出され、これらの作
物が作物収容体の収容口からこの作物収容体内に順次積
込まれて収容される。そして、作物収容体内に略満杯に
なる等所定量の作物が積込まれて収容される。

【０００９】つぎに、作物の搬出時は、載置台本体を下
方に向かって回動することにより、この載置台本体が略
垂直状態から作物の搬出方向に向かって下降傾斜される
とともに、この載置台本体の作物を積込み込んだ作物収
容体を有する荷台板が略水平状態から搬出方向に向かっ
て下降傾斜され、この載置台本体に設けた作物搬出体が
作物収容体を支持枠体にて支持した状態のままで載置台
本体と同様に下方に向かって下降傾斜される。

【００１０】また、載置台本体及び荷台板が搬出方向に
向かって作物収容体を搬出する所定の傾斜角度に下降傾
斜されるとともに、この荷台板上の作物収容体が支持枠
体にて支持した状態のままで荷台板の傾斜方向に向かっ
て僅かに傾斜する。

【００１１】また、傾斜した載置台本体に対して作物搬
出体が傾斜した状態のままで上動されるとともに、この
作物搬出体の支持枠体にて作物収容体が荷台板上から吊
り上げられて搬出方向に向かって移動され、この作物収
容体が搬出位置に吊り上げ移動される。

【００１２】そして、傾斜した載置台本体に対して作物
搬出体が傾斜した状態のままで下動されるとともに、こ
の作物搬出体の支持枠体にて作物収容体が荷台板から外
れた位置の搬出位置に降ろされ、作物搬出体の支持枠体
から作物収容体の被支持部の支持を解除する。

【００１３】したがって、作物の搬出時は作物搬出体を
作物の搬出方向に向けて傾けるとともにこの作物搬出体
にて作物収容体を吊り上げて簡単に搬出され、重量的に
重い作物収容体を荷台板との摩擦抵抗がなく、作物収容
体をスムーズに搬出でき、作物収容体を人手によって支
える手数がなく、作物を収容した作物収容体が容易に搬
出位置に搬出される。

【００１４】請求項２記載の作物積込み装置は、請求項
１記載の作物積込み装置において、作業機本体は、載置
台本体を支軸を中心に上下方向に回動させる第１の油圧
シリンダー装置を有するものである。

【００１５】そして、第１の油圧シリンダー装置のロッ
ドを伸縮することにより、この第１の油圧シリンダー装
置にて作業機本体の支軸を中心に載置台本体が上下方向
に簡単に回動され、かつ、この載置台本体に設けた作物
搬出体が載置台本体と同様に上下方向に回動される。

【００１６】請求項３記載の作物積込み装置は、請求項
１または２記載の作物積込み装置において、作物搬出体
は、載置台本体の両側部のガイド支柱にそれぞれ上下動
自在に係合した両側部の被ガイド支柱と、この両側部の
被ガイド支柱の上部に固定され前記載置台本体の荷台板
の上方に向かって突設された支持枠体と、を有し、前記
載置台本体は、前記作物搬出体を上下動させる第２の油
圧シリンダー装置を有するものである。

【００１７】そして、第２の油圧シリンダー装置のロッ
ドを伸縮することにより、この第２の油圧シリンダー装
置にて作物搬出体は両側部の被ガイド支柱が載置台本体
の両側部のガイド支柱に案内されてスムーズに上下動さ
れ、かつ、この作物搬出体の支持枠体が荷台板上の作物
収容体を支持する位置及び作物を収容した作物収容体を
吊り上げて搬出する搬出位置にスムーズに移動される。

【００１８】請求項４記載の作物積込み装置は、請求項
１または３記載の作物積込み装置において、支持枠体
は、両側部の被ガイド支柱に固定された前後方向の側枠
部と、この両側部の側枠部間に一体の左右方向の端枠部
と、前記両側部の側枠部及び前記端枠部にそれぞれ間隔
をおいて突設され作物収容体を支持する複数の支持突起
と、を有し、前記作物収容体は、前記両側部の側枠部及
び前記端枠部の支持突起に引掛けて支持される被支持部
材を有するとともに、上面に開口した収容口を有するも
のである。

【００１９】そして、作物の積込み時は、載置台本体の
荷台板上に作物収容体を載置し、この作物収容体の被支
持部材を、作物搬出体の支持枠体の端枠部の複数の支持
突起及び支持枠体の両側部の側枠部の複数の支持突起に
それぞれ引掛けて支持させることにより、この作物収容
体が収容口をコンベヤの搬送端部に臨ませて開口した状
態に支持される。

【００２０】また、作物の搬出時は、たとえば、作物収
容体の被支持部材を、支持枠体の両側部の側枠部の複数
の支持突起から外し、支持枠体の端枠部の複数の支持突
起のみに引掛けて支持させ、この被支持部材を多少弛ま
せた状態で、傾斜した載置台本体に対して作物搬出体が
傾斜した状態のままで上動されるとともに、この作物搬
出体の支持枠体にて被支持部材を介して作物収容体が荷
台板上から吊り上げられて搬出方向に向かって移動さ
れ、この作物収容体が搬出位置に吊り上げ移動される。

【００２１】そして、傾斜した載置台本体に対して作物
搬出体が傾斜した状態のままで下動されるとともに、こ
の作物搬出体の支持枠体にて被支持部材を介して作物収
容体が荷台板から外れた位置の搬出位置に降ろされ、支
持枠体の端枠部の複数の支持突起から作物収容体の被支
持部材を外して支持を解除する。

【００２２】このとき、作物搬出体が下動されて作物収
容体が搬出位置に降ろされることにより、作物収容体の
被支持部材が弛んだ状態となるので、この被支持部材は
支持枠体の端枠部の複数の支持突起から簡単に外すこと
ができる。

【００２３】請求項５記載の作物積込み装置は、請求項
１または４記載の作物積込み装置において、作物収容体
は、被支持部材を有する柔軟な作物収容袋にて形成され
ているものである。

【００２４】そして、荷台板上に柔軟な作物収容袋を載
置し、この作物収容袋の被支持部材を作物搬出体の支持
枠体に支持させて収容口を開口させた状態とすることに
より、この作物収容袋内に収容口から作物が積込まれて
収容される。また、作物の搬出時は被支持部材にて作物
収容袋が吊り上げられて搬出方向に向かって移動される
とともに、この作物収容袋を降ろすことにより、この作
物収容袋が搬出位置に降ろされる。

【００２５】また、作物収容袋は柔軟に形成されている
ことにより、携行時は折り畳んで携行することにより全
体として嵩さ張らず携行が容易であり、作物の収容時は
作物収容袋の柔軟性により作物収容袋内に作物が十分に
収容される。

【００２６】請求項６記載の作物積込み装置は、請求項
１記載の作物積込み装置において、荷台板は、支持フレ
ームに上下方向に回動自在に軸支されているものであ
る。

【００２７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。

【００２８】１は馬鈴薯、甘藷等の作物を収穫する収穫
機で、この収穫機１は圃場の馬鈴薯、甘藷等の作物を掘
取って搬送する掘取り搬送装置２と、この掘取り搬送装
置２から搬出される作物を積込む作物積込み装置３と、
を備えている。

【００２９】前記掘取り搬送装置２は、前記作物積込み
装置３の後述する作業機本体の前端部に後上方に向かっ
て傾斜して設けられた持上げコンベヤ４と、この持上げ
コンベヤ４の下端部に上下方向に回動自在に軸支され作
物の掘取り作業時は前下方に向かって傾斜して突設され
る傾斜コンベヤ５と、この傾斜コンベヤ５の前端部に設
けられ圃場の作物を掘取る前下方に向かって傾斜した先
金６と、を有している。

【００３０】また、前記掘取り搬送装置２は、前記傾斜
コンベヤ５に上下調節機構７を介して回転自在に軸架さ
れ前記先金６の前方両側に位置して接地される両側の接
地輪８と、前記持上げコンベヤ４に前記先金６を有する
傾斜コンベヤ５を上下方向に回動自在に支持し作物の掘
取り作業時は前記先金６を作物の掘取り作業位置に配置
して支持し非作業時は先金６を有する傾斜コンベヤ５を
地上に持上げて支持する油圧シリンダー装置９と、有し
て構成されている。

【００３１】前記持上げコンベヤ４は、前記後述する作
業機本体の前端部に後上方に向かって傾斜して固定され
た上下方向のコンベヤフレーム10と、このコンベヤフレ
ーム10の下端部に回転自在に軸架された駆動ローラ11と
コンベヤフレーム10の上端部に回転自在に軸架された従
動ローラ12との間に回行自在に懸架され後上方に向かっ
て回行される無端回行体13と、この無端回行体13の周面
にこの無端回行体13の回行方向に向かって所定の間隔を
おいて突設され作物を支持して持上げる多数の持上げ体
14と、を有して構成されている。

【００３２】前記傾斜コンベヤ５は、前記コンベヤフレ
ーム10の下端近傍の前側部に左右方向の駆動軸15を介し
て上下方向に回動自在に軸支された前後方向のコンベヤ
フレーム16と、前記駆動軸15に固定された駆動ローラ17
と前記コンベヤフレーム16の前端近傍部に回転自在に軸
架された従動ローラ18との間に回行自在に懸架され後上
方に向かって回行される無端回行体19と、を有して構成
されている。

【００３３】前記先金６は、前記傾斜コンベヤ５の前記
コンベヤフレーム16の前端部に前下方に向かって傾斜し
て突設され、作物の掘取り作業時は所定の深さで地中を
進行するようになっている。両側の接地輪８は、前記上
下調節機構７の調節操作により上下動されて接地され、
この両側の接地輪８にて畝等に追従して走行するととも
に、前記先金６の掘取り深さを支持するようになってい
る。

【００３４】そして、前記持上げコンベヤ４の無端回行
体13及び前記傾斜コンベヤ５の無端回行体19は後述する
作業機本体に設けられた後述する駆動機構からの出力に
より連動媒体Ａを介してそれぞれ図面矢印方向の後上方
に向かって回行されるようになっている。

【００３５】つぎに、前記作物積込み装置３は、作業機
本体20と、この作業機本体20に設けられ前記持上げコン
ベヤ４の搬出端部から搬出される積込み用の作物を搬送
する前後方向のコンベヤ21と、このコンベヤ21の搬出端
部に位置して前記作業機本体20に設けられ前記コンベヤ
21の搬出端部から搬出される作物を積込む作物収容体22
を載置する載置台23と、を有して構成されている。

【００３６】前記作業機本体20は、架台フレーム24と、
この架台フレーム24に設けられたクローラ25と、前記架
台フレーム24上に固定され駆動機構26を載置するととも
に作業者が搭乗する搭乗部27を両側部に有する架台板28
と、この架台板28上に設けられ前記駆動機構26を被覆し
たカバー体29と、前記架台フレーム24の後端近傍部の左
右方向の略中間部に位置して前記架台フレーム24上に相
対して離間して一体に固定された一対の上下方向のブラ
ケット30と、前記架台フレーム24の後端部の両側にそれ
ぞれ離間して後方に向かって一体に突設された一対の連
結板31と、前記一対のブラケット30間に位置してこの一
対のブラケット30に支軸32にて前後方向に回動自在に軸
支された第１の油圧シリンダー装置33と、を有して構成
されている。

【００３７】また、前記第１の油圧シリンダー装置33
は、前記支軸32にて上端部を回動自在に軸支され油圧に
より進退動されるピストンを内蔵したシリンダー本体34
と、このシリンダー本体34から下方に向かって進退自在
（伸縮自在）に突出され前記ピストンに連結されたロッ
ド35と、を有して構成されている。

【００３８】また、前記駆動機構26は図示しない連動機
構を介して前記連動媒体Ａに連動連結され、前記駆動機
構26からの出力により連動機構を介して前記連動媒体Ａ
が駆動され、前記持上げコンベヤ４の無端回行体13及び
前記傾斜コンベヤ５の無端回行体19がそれぞれ後上方に
向かって回行されるようになっている。また、前記駆動
機構26からの出力により連動機構を介して前記クローラ
25が作動され、収穫機１が前進走行、後退走行及び方向
転換するように旋回走行されるようになっている。

【００３９】前記コンベヤ21は、前後方向のコンベヤフ
レーム36と、このコンベヤフレーム36の前端部に回転自
在に設けられた左右方向の従動ローラ37と前記コンベヤ
フレーム36の後側部に回転自在に設けられた左右方向の
駆動ローラ38との間に回行自在に懸架された第１の無端
回行ベルト39と、前記駆動ローラ38の後方に所定の間隙
をおいて離間して前記コンベヤフレーム36に回転自在に
設けられた左右方向の従動ローラ40と前記コンベヤフレ
ーム36の後端部に回転自在に設けられた左右方向の駆動
ローラ41との間に回行自在に懸架された第２の無端回行
ベルト42と、を有し、前記第１の無端回行ベルト39の後
端折り返し回行部と前記第２の無端回行ベルト42の前端
折り返し回行部との間に所定の間隙の土及び小径の非収
穫作物等を落下させる落下口43を開口形成して構成され
ている。

【００４０】また、前記第１の無端回行ベルト39を懸架
した従動ローラ37は前記コンベヤフレーム36の前端部に
回転自在に軸架された左右方向の支軸44に一体に固定さ
れ、このコンベヤフレーム36から突出された前記支軸44
の両端部が前記作業機本体20の前記カバー体29を着脱可
能に取り付けた支持フレーム45の上端部の両側に固定さ
れた軸受体46に回転自在に軸支されている。そして、前
記支軸44を中心に前記コンベヤフレーム36が上下方向に
回動自在に取り付けられている。

【００４１】また、前記コンベヤフレーム36の後側部の
両側に上下方向の支持杆47の上端部がそれぞれ支軸48に
て前後方向に回動自在に軸支され、この両側の支持杆47
の下端部は後述する作物搬出体に回動自在に軸支される
ようになっている。

【００４２】つぎに、前記作物収容体22は、上面に収容
口49を開口したコンテナまたは柔軟な作物収容袋50にて
形成され、この作物収容袋50は折り畳んで携行可能な繊
維生地または繊維生地に合成繊維等を混紡した柔軟な材
料にて形成されている。

【００４３】また、作物収容袋50は、この作物収容袋50
の周囲を補強する複数の強靭な補強体51と、この複数の
補強体51に一体に形成され前記作物収容袋50の底部及び
前記補強体51と交差してこの作物収容袋50の周側を補強
するとともに前記収容口49より上方に向かって延在する
ループ状の被支持部52を有する作物収容袋50を吊り上げ
用の強靭な被支持部材53と、を有している。前記補強体
51及び前記被支持部材53は強靭な材料により形成された
ベルト体54にて形成されている。

【００４４】つぎに、前記作物収容体22を載置する載置
台23は、前記作業機本体20に上下方向に回動自在に設け
られ作物の積込み時は略水平状に支持され作物の搬出時
は作物の搬出方向に向かって下降傾斜される荷台板55を
有する載置台本体56と、この載置台本体56に上下動自在
に設けられ前記荷台板55上に載置された前記作物収容体
22を支持する支持枠体57を有し作物の搬出時に前記支持
枠体57を上下動して前記作物収容体22を前記荷台板55上
から吊り上げて搬出方向に移動して搬出する作物搬出体
58と、を有して構成されている。

【００４５】前記載置台本体56は、前記荷台板55を支持
した支持フレーム59と、この支持フレーム59の両側部に
相対して垂直状に一体に立設され前記作物搬出体58を上
下動自在に案内するガイド支柱60と、前記作物搬出体58
を上下動させる第２の油圧シリンダー装置61と、を有し
て構成されている。

【００４６】前記支持フレーム59は、前記ガイド支柱60
を両端部に一体に立設した左右方向の断面矩形状の支柱
支持枠62と、この支柱支持枠62の両側部に後方に向かっ
て水平状に一体に突設され前記作業機本体20の両側部の
前記一対の連結板31の間にそれぞれ配置して取り付けら
れる前後方向の板状の取付枠63と、この両側部の取付枠
63の後端部に一体に固定されこの両側部の取付枠63とと
もに前記荷台板55を支持する左右方向の断面矩形状の支
持枠64と、前記両側部のガイド支柱60の上端部、下端部
及び中間部をそれぞれ支持した複数の支持桟65と、前記
支柱支持枠62の両端部に前記両側部のガイド支柱60の下
端部、前記支持枠64の両端部及び前記下端部の支持桟65
の両端部をそれぞれ固定した固定端板66と、前記上下の
各支持桟65間に固定された中桟67と、前記中間部の支持
桟65の下方に位置して前記両側部のガイド支柱60間に固
定された補強兼用の作物収容体22を支持する支持板59a
と、を有して構成されている。

【００４７】また、前記支柱支持枠62は、この支柱支持
枠62の左右方向の略中間部に固定された連結軸68を有す
る連結枠69と、この支柱支持枠62の左右方向の略中間部
に前方に向かって離間して一体に突出固定された一対の
連結板70と、この支柱支持枠62の左右方向の両側後部に
それぞれ後方に向かって離間して一体に突出固定された
一対の支持突片71と、を有して構成されている。

【００４８】そして、前記連結枠69に前記連結軸68にて
前記第２の油圧シリンダー装置61の下端部が軸支され、
また、前記一対の連結板70の先端部間に前記第１の油圧
シリンダー装置33のロッド35の下端部が支軸72にて回動
自在に軸着されている。また、前記支柱支持枠62の両側
後部の一対の支持突片71に支軸73にて前記荷台板55がこ
の荷台板55の前端両側上部に一体に突設された取付片74
を介して上下方向に回動自在にすなわち折り畳み自在に
軸支されている。

【００４９】また、前記支持枠64は、この支持枠64の両
側前部に一体に固定され前記両側部の取付枠63の後端部
をそれぞれ嵌合した一対の嵌合突片75をそれぞれ有し、
この両側部の一対の嵌合突片75及び前記両側部の取付枠
63の後端部が前記架台フレーム24から後方に向かって一
体に突設された両側一対の連結板31間に支軸76にて上下
方向に回動自在に軸支されている。

【００５０】そして、前記第１の油圧シリンダー装置33
のロッド35が進退（伸縮）されることにより、前記両側
一対の連結板31間の支軸76を中心に前記載置台本体56が
上下方向に回動自在に軸支されている。

【００５１】また、前記支軸73にて折り畳み回動自在に
軸支された荷台板55は、前記支持フレーム59の前記両側
部の板状の取付枠63及び前記支持枠64の上面部にて支持
されるもので、前記支持枠64の後端部より後方に向かっ
て大きく突出する長さを有して矩形状に形成されてい
る。しかして、前記荷台板55は前記支持フレーム59の前
後方向の長さに対して略三倍大の長さを有して矩形状に
形成されている。

【００５２】そして、前記荷台板55は、作物の積込み時
は前記支持フレーム59の前記両側部の板状の取付枠63及
び前記支持枠64の上面部にて略水平状に支持され、作物
の搬出時は作物の搬出方向の後下方に向かって下降傾斜
されるようになっている。すなわち、前記第１の油圧シ
リンダー装置33のロッド35の収縮により下降回動される
前記載置台本体56にて前記荷台板55が作物の搬出方向の
後下方に向かって下降傾斜されるようになっている。

【００５３】さらに、前記支柱支持枠62の両端部上に一
体に立設された前記ガイド支柱60は、対向して開口した
平面視略コ字形状に形成された上下方向のガイド凹部77
をそれぞれ有し、このガイド凹部77内の上部に位置して
上下に離間して複数のガイドローラ78がそれぞれ回転自
在に軸架されている。しかして、前記ガイド支柱60は、
上下方向のガイド端板部60a と、このガイド端板部60a
の両縁部に相対して形成された上下方向のガイド縁片部
60b と、を有してそれぞれ形成され、前記ガイド端板部
60a 及び前記相対するガイド縁片部60b にて前記ガイド
凹部77が形成されている。

【００５４】また、前記第２の油圧シリンダー装置61
は、前記連結軸68にて下端部を軸支され油圧により進退
動されるピストンを内蔵したシリンダー本体79と、この
シリンダー本体79から上方に向かって進退自在（伸縮自
在）に突出され前記ピストンに連結されたロッド80と、
このロッド80の先端部（上端部）に回動可能に軸着され
上面に開口した係合凹部81を有するとともに両端部を開
放した左右方向の係合体82と、を有して構成されてい
る。

【００５５】つぎに、前記支持枠体57を有する作物搬出
体58は、前記載置台本体56の両側部のガイド支柱60にそ
れぞれ上下動自在に係合した両側部の上下方向の被ガイ
ド支柱83と、この両側部の被ガイド支柱83の上部に固定
され前記載置台本体56の荷台板55の上方に向かって突設
された前記支持枠体57と、前記両側部の被ガイド支柱83
を平行に連結した連結部材85と、を有して構成されてい
る。

【００５６】前記両側部の被ガイド支柱83は、前記ガイ
ド支柱60のガイド凹部77内の前記各ガイドローラ78に上
下動自在に係合した平面視略コ字形状に形成された上下
方向の被ガイド凹部84をそれぞれ有している。しかし
て、前記被ガイド支柱83は、上下方向のガイド端板部83
a と、このガイド端板部83a の両縁部に相対して形成さ
れた上下方向のガイド縁片部83b と、を有してそれぞれ
形成され、前記ガイド端板部83a 及び前記相対するガイ
ド縁片部83b にて前記被ガイド凹部84が形成されてい
る。

【００５７】そして、前記両側部のガイド支柱60のガイ
ド凹部77内に前記両側部の被ガイド支柱83が上下動自在
に係合し、かつ、ガイド凹部77内の各ガイドローラ78に
被ガイド支柱83の被ガイド凹部84が上下動自在に係合し
た状態で、両側部のガイド支柱60に対して両側部の被ガ
イド支柱83がそれぞれ上下動自在に案内されるようにな
っている。

【００５８】また、前記連結部材85は、前記両側部の被
ガイド支柱83の上端部間を連結した左右方向の上部連結
枠86と、前記両側部の被ガイド支柱83の下端近傍部間を
連結した左右方向の下部連結枠87と、前記両側部の被ガ
イド支柱83の中間部を連結した左右方向の中間連結枠88
と、を有して構成されている。

【００５９】そして、前記上部連結枠86の左右方向の略
中間部に前記第２の油圧シリンダー装置61のロッド80の
先端部の係合体82がこの係合体82の係合凹部81内を嵌合
して一体に固定され、このロッド80の進退（伸縮）によ
り上部連結枠86にて作物搬出体58が全体として上下動さ
れるようになっている。

【００６０】また、前記下部連結枠87は、両側部に一対
の取付片89をそれぞれ有し、この両側部の一対の取付片
89の前記コンベヤ21の両側部に軸支した前記支持杆47の
下端部が連結ピン90にて回動自在に軸着されている。そ
して、前記第２の油圧シリンダー装置61のロッド80にて
前記作物搬出体58が上下動されることにより、前記両側
部の支持杆47を介して前記コンベヤ21が支軸44を中心に
上下方向に回動されるようになっている。

【００６１】前記支持枠体57は、前記両側部の被ガイド
支柱83に固定された前後方向の側枠部91と、この両側部
の側枠部91の後端部間に一体に形成された左右方向の端
枠部92と、前記両側部の側枠部91及び前記端枠部92にそ
れぞれ間隔をおいて突設され前記作物収容体22の被支持
部材53の被支持部52を支持する複数の支持突起93と、前
記両側部の被ガイド支柱83に固定され両側部の側枠部91
を支持する支持枠部94と、を有して構成されている。

【００６２】そして、前記両側部の側枠部91の複数の支
持突起93は側枠部91の外面部にそれぞれ離間して外方に
向かって水平状に一体に突設され、前記端枠部92の複数
の支持突起93は端枠部92の上面部にそれぞれ離間して上
方に向かって垂直状に一体に突設されている。

【００６３】つぎに、前記実施の形態の作用を説明す
る。

【００６４】作物の積込み時は、載置台本体56がたとえ
ば後下方に向かって下降傾斜した状態にあるときは、第
１の油圧シリンダー装置33のロッド35が伸長されると、
このロッド35にて載置台本体56の連結板70が下方に向か
って押動され、この連結板70を有する載置台本体56が架
台フレーム24の両側部の連結板31の支軸76を中心に傾斜
した状態から上方に向かって回動される。

【００６５】そして、載置台本体56の両側部のガイド支
柱60が略垂直状に移動されるとともに、この載置台本体
56の荷台板55が略水平状に移動され、この載置台本体56
に設けた作物搬出体58が載置台本体56と同様に上方に向
かって回動される。また、載置台本体56の荷台板55が略
水平状に支持されるとともに、この荷台板55の上方に作
物搬出体58の支持枠体57が略水平状に突出した状態に支
持される。

【００６６】また、載置台本体56の第２の油圧シリンダ
ー装置61のロッド80が収縮されると、載置台本体56の両
側部のガイド支柱60に沿って作物搬出体58の両側部の被
ガイド支柱83が下降されるとともに、この両側部の被ガ
イド支柱83の下部連結枠87の両端部の支持杆47にてコン
ベヤ21が牽引され、このコンベヤ21が支軸44を中心に下
降回動される。そして、荷台板55の上方に作物搬出体58
の支持枠体57が突出した状態に支持されるとともに、両
支持杆47にてコンベヤ21は第１の無端回行ベルト39及び
第２の無端回行ベルト42をそれぞれ後上方に向かって僅
かに傾斜した状態となって支持される。

【００６７】また、載置台本体56の荷台板55上に作物収
容体22（作物収容袋50）を載置し、この作物収容体22の
被支持部材53の被支持部52を作物搬出体58の支持枠体57
の複数の支持突起93に引掛けて支持することにより、こ
の作物収容体22の収容口49がコンベヤ21の搬送端部に臨
ませて開口した状態に荷台板55上の作物収容体22が支持
枠体57にて支持される。

【００６８】このとき、作物収容体22の被支持部材53の
被支持部52は支持枠体57の両側枠部91の内側から外側に
向かって引き出すとともに、この両側枠部91の前後の支
持突起93に引掛け、かつ、両側枠部91の後端部の支持突
起93から端枠部92の両側部の支持突起93に引掛けること
により、被支持部材53の被支持部52が支持枠体57の複数
の支持突起93にて支持される。したがって、この被支持
部材53の被支持部52にて荷台板55上の作物収容体22が収
容口49を開口して支持枠体57にて吊り下げられた状態に
支持される。

【００６９】つぎに、クローラ25により収穫機１が前進
走行され、駆動機構26からの出力により傾斜コンベヤ５
の無端回行体19及び持上げコンベヤ４の無端回行体13が
後上方に向かってそれぞれ回行され、コンベヤ21の第１
の無端回行ベルト39及び第２の無端回行ベルト42がそれ
ぞれ後方に向かって回行されると、両側部の接地輪８に
て掘取り深度が規制された先金６にて圃場の馬鈴薯、甘
藷等の作物が順次掘取られるとともに、これらの各作物
が先金６から傾斜コンベヤ５の無端回行体19の搬入部に
順次搬入されて搬送され、この無端回行体19の搬出端部
から持上げコンベヤ４の無端回行体13の搬入部に順次搬
入される。

【００７０】また、持上げコンベヤ４の無端回行体13の
搬入部に順次搬入された各作物は、この無端回行体13に
て後上方に向かって順次持上げ搬送されるとともに、こ
の無端回行体13の搬出端部からコンベヤ21の第１の無端
回行ベルト39の搬入部に順次搬入され、この第１の無端
回行ベルト39にて各作物が第２の無端回行ベルト42に向
かって順次搬送される。

【００７１】そして、コンベヤ21の第１の無端回行ベル
ト39の搬出端部から第２の無端回行ベルト42の搬入部に
各作物が順次搬入されるが、このとき、コンベヤ21の両
側部に待機した作業者によって第１の無端回行ベルト39
上の大きい土塊や雑物等の非収穫作物が選別されて第１
の無端回行ベルト39上から排除され、小さい土塊や小径
の非収穫作物は第１の無端回行ベルト39の搬出端部と第
２の無端回行ベルト42の搬入部との間に形成された落下
口43から落下される。

【００７２】したがって、第１の無端回行ベルト39及び
第２の無端回行ベルト42を有するコンベヤ21は積込み収
穫用の作物と非収穫作物とを選別して搬送する選別コン
ベヤとして作物が搬送され、第２の無端回行ベルト42に
は積込み収穫用の作物のみが順次搬入される。

【００７３】また、第２の無端回行ベルト42に搬入され
た積込み収穫用の各作物は、この第２の無端回行ベルト
42にて搬出端部に向かって順次搬送されるとともに、こ
れらの作物は第２の無端回行ベルト42の搬出端部から搬
出される。そして、これらの作物が作物収容体22（作物
収容袋50）の収容口49からこの作物収容体22内に順次積
込まれて収容される。そして、作物収容体22内に略満杯
になる等所定量の作物が積込まれて収容される。

【００７４】つぎに、作物の搬出時は、第１の油圧シリ
ンダー装置33のロッド35が収縮されると、このロッド35
にて載置台本体56の連結板70が上方に向かって牽引さ
れ、この連結板70を有する載置台本体56が架台フレーム
24の両側部の連結板31の支軸76を中心に下方に向かって
回動される。

【００７５】そして、載置台本体56の両側部のガイド支
柱60が略垂直状から後下方に向かって回動されるととも
に、この載置台本体56の荷台板55が略水平状態から搬出
方向の後下方に向かって下降傾斜され、この載置台本体
56に設けた作物搬出体58が作物収容体22を支持枠体57に
て支持した状態のままで載置台本体56と同様に後下方に
向かって下降傾斜される。

【００７６】また、荷台板55の後端部が地面に接した状
態で第１の油圧シリンダー装置33のロッド35の収縮が停
止されることにより、この第１の油圧シリンダー装置33
にて作物搬出体58を設けた載置台本体56及び荷台板55が
作物収容体22を搬出する所定の傾斜角度に下降傾斜した
搬出状態に支持される。

【００７７】また、載置台本体56及び荷台板55が作物収
容体22を搬出する所定の傾斜角度に下降傾斜されるとと
もに、この荷台板55上の作物収容体22が支持枠体57にて
支持した状態のままで荷台板55の傾斜方向に向かって僅
かに傾斜する。

【００７８】さらに、荷台板55上の僅かに傾斜した作物
収容体22の被支持部材53の被支持部52を支持枠体57の両
側部の側枠部91の前部の各支持突起93から外し、この被
支持部材53の被支持部52を両側部の側枠部91の後端部の
各支持突起93及び端枠部92の各支持突起93に引掛けて支
持することにより、被支持部材53が弛緩される。

【００７９】つぎに、載置台本体56の第２の油圧シリン
ダー装置61のロッド80が伸長されると、載置台本体56の
両側部の傾斜したガイド支柱60に沿って作物搬出体58の
両側部の被ガイド支柱83が後上方に向かって上昇移動
（上動）されるとともに、この両側部の被ガイド支柱83
の下部連結枠87の両端部の支持杆47にてコンベヤ21が押
し上げられ、このコンベヤ21が支軸44を中心に上昇回動
される。

【００８０】そして、このコンベヤ21の搬出端部と作物
搬出体58の両側部の被ガイド支柱83の上端部とは互いに
反対方向に向かって離間移動され、この作物搬出体58の
両側部の被ガイド支柱83の上昇時に、このコンベヤ21の
搬出端部と作物搬出体58の両側部の被ガイド支柱83の上
端部とは互いに干渉することを防止され、それぞれの前
記移動方向に向かって移動される。

【００８１】また、作物搬出体58の両側部の被ガイド支
柱83が後上方に向かって上昇移動されるとともに、この
両側部の被ガイド支柱83にて支持枠体57が上昇移動（上
動）され、この支持枠体57にて被支持部52を引掛けた被
支持部材53を介して作物収容体22が荷台板55上から吊り
上げられて搬出方向に向かって移動され、この作物収容
体22が搬出位置の上方に吊り上げ移動される。

【００８２】このとき、作物搬出体58の支持枠体57には
作物収容体22の被支持部材53の被支持部52を掛け直して
被支持部材53を弛緩支持した状態で、この作物搬出体58
の両側部の被ガイド支柱83にて支持枠体57が後上方に向
かって上昇移動されることにより、支持枠体57にて被支
持部材53を介して作物収容体22が地上高く吊り上げられ
ることなく荷台板55上から搬出位置の上方に容易に吊り
上げ移動される。

【００８３】そして、載置台本体56の第２の油圧シリン
ダー装置61のロッド80が収縮されると、載置台本体56の
両側部の傾斜したガイド支柱60に沿って作物搬出体58の
両側部の被ガイド支柱83が下降移動（下動）されるとと
もに、この作物搬出体58の支持枠体57にて被支持部材53
を介して作物収容体22が荷台板55から外れた位置の搬出
位置に降ろされる。また、作物搬出体58の支持枠体57の
各支持突起93から作物収容体22の被支持部材53の被支持
部52を外して被支持部52の支持を解除する。

【００８４】このとき、両側部のガイド支柱60のガイド
凹部77内に両側部の被ガイド支柱83が上下動自在に係合
し、かつ、ガイド凹部77内の各ガイドローラ78に被ガイ
ド支柱83の被ガイド凹部84が上下動自在に係合した状態
で、両側部のガイド支柱60に対して両側部の被ガイド支
柱83がそれぞれ上下動されことにより、両側部のガイド
支柱60に対して両側部の被ガイド支柱83がそれぞれ摩擦
抵抗が少なくスムーズに上下動されるとともに、この両
側部の被ガイド支柱83の支持枠体57にて被支持部材53を
介して作物収容体22の吊り上げ移動及び搬出位置への吊
り降ろし移動がスムーズにかつ容易に行われる。

【００８５】したがって、作物の搬出時は作物搬出体58
を作物の搬出方向に向けて傾けるとともにこの作物搬出
体58にて作物収容体22をスムーズに吊り上げて簡単に搬
出され、多量の作物を収容して重量的に重い作物収容体
22を、荷台板55との摩擦抵抗がなく、スムーズに搬出で
き、作物収容体22を人手によって支える手数がなく、多
量の作物を収容した作物収容体22が容易に搬出位置に搬
出される。

【００８６】このように、架台フレーム24の左右方向の
略中間部の１本の第１の油圧シリンダー装置33のロッド
35の伸縮により両側部の支軸76を中心に作物搬出体58を
上下動自在に設けた荷台板55を有する載置台本体56を簡
単に上下方向に回動でき、作物の積込み時は荷台板55を
略水平状に確実に支持でき、作物の搬出時は荷台板55を
搬出方向に向かって確実に下降傾斜できる。

【００８７】また、荷台板55は支持フレーム59の支柱支
持枠62の両側部の一対の支持突片71に支軸73にて上下方
向に折り畳み回動自在に軸支し、支持フレーム59の支持
枠64の後端部より後方に向かって突出する長さを有して
形成されていることにより、荷台板55を展開して支持フ
レーム59にて略水平状に支持した状態ではこの荷台板55
にて多量の作物を収容する比較的大きい底面を有する作
物収容体22を十分に載置するスペースを確保できる。ま
た、非作業時は支柱支持枠62の両側部の一対の支持突片
71の支軸73を中心に支持フレーム59上に荷台板55を折り
畳むことにより、支持フレーム59の後方に荷台板55が突
出することがなく、収穫機の前後長が短くなり道路走行
等では荷台板55が交通障害の原因になることを防止でき
る。

【００８８】さらに、載置台本体56の左右方向の略中間
部、すなわち、支持フレーム59の支柱支持枠62の左右方
向の略中間部の１本の第２の油圧シリンダー装置61のロ
ッド80の伸縮により作物搬出体58を簡単に上下動でき、
このとき、作物搬出体58は載置台本体56の両側部のガイ
ド支柱60に複数のガイドローラ78及び互いに係合したガ
イド凹部77と被ガイド凹部84とを介して上下動自在に係
合した被ガイド支柱83を有することにより、作物搬出体
58はこれらの係合部材にて載置台本体56に安定してスム
ーズに上下動できる。

【００８９】また、両側部の被ガイド支柱83の支持枠体
57にて作物収容体22を吊り上げても、この支持枠体57は
両側部の被ガイド支柱83から突出した両側部の支持枠部
94にて支持されていることにより、この両側部の支持枠
部94にて支持枠体57が十分に補強され、支持枠体57にて
作物収容体22を吊り上げても、この支持枠体57が変形す
ることを防止され、作物収容体22を搬出位置に確実に搬
出できる。

【００９０】さらに、掘取り搬送装置２は持上げコンベ
ヤ４の両側部に設けた油圧シリンダー装置９にて駆動軸
15を中心に傾斜コンベヤ５を上下方向に回動自在に設け
たことにより、この油圧シリンダー装置９にて作業時は
傾斜コンベヤ５を前下方に向かって傾斜させるととも
に、この傾斜コンベヤ５の先端部の先金６を所定の深度
で土中を進行させる状態に支持できるが、非作業時は油
圧シリンダー装置９にて傾斜コンベヤ５を上方に向かっ
て引上げ回動してこの傾斜コンベヤ５の先端部の先金６
を地上に離間させることにより、クローラ25にて収穫機
１の前行進走行及び旋回走行が容易に行われる。

【００９１】つぎに、前記実施の形態では、作物積込み
装置３は掘取り搬送装置２を有する自走式の収穫機１に
設け、この掘取り搬送装置２にて掘取られた作物を搬送
して積込む場合について説明したが、これに限らず、作
物積込み装置３は、たとえば、地干した作物を拾い上げ
て搬送する自走式の作物拾上げ機に設け、この作物拾上
げ機にて拾い上げられた作物を搬送して積込むようにし
てもよく、さらには、作物を荷役処理する集荷場等に設
けるようにしてもよい。

【００９２】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、作物の搬出時
は荷台板を有する載置台本体及び作物搬出体を作物の搬
出方向に傾けるとともに、この作物搬出体にて作物収容
体を吊り上げて荷台板上から確実に搬出することがで
き、作物を収容して重量的に重い作物収容体を荷台板か
ら引きずり降ろす摩擦抵抗がなく、作物収容体をスムー
ズに搬出でき、作物収容体を人手によって支える手数が
なく、作物収容体を容易に搬出することができる作物積
込み装置を提供できる。

【００９３】請求項２の発明によれば、請求項１の発明
の効果に加え、第１の油圧シリンダー装置にて作業機本
体の支軸を中心に載置台本体及び作物搬出体を上下方向
に簡単に回動できる。

【００９４】請求項３の発明によれば、請求項１または
２の発明の効果に加え、第２の油圧シリンダー装置にて
作物搬出体を両側部の被ガイド支柱が載置台本体の両側
部のガイド支柱に案内されることによりスムーズに上下
動でき、かつ、この作物搬出体の支持枠体を荷台板上の
作物収容体を支持する位置及び作物を収容した作物収容
体を吊り上げて搬出する搬出位置にスムーズに移動でき
る。

【００９５】請求項４の発明によれば、請求項１または
３の発明の効果に加え、作物の積込み時は、載置台本体
の荷台板上に作物収容体を載置し、この作物収容体の被
支持部材を、作物搬出体の支持枠体の端枠部の複数の支
持突起及び両側部の側枠部の複数の支持突起にそれぞれ
引掛けてこの作物収容体の収容口をコンベヤの搬送端部
に臨ませて開口した状態に確実に支持できる。

【００９６】また、作物の搬出時は、作物収容体の被支
持部材を、支持枠体の両側部の側枠部の複数の支持突起
から外して支持枠体の端枠部の複数の支持突起に引掛け
て多少弛ませた状態で作物搬出体を上動することによ
り、作物収容体を特に高く吊り上げることなく搬出位置
に確実に移動して降ろすことができ、また、作物収容体
が搬出位置に降ろされることにより、作物収容体の被支
持部材が弛んだ状態となるので、この被支持部材を支持
枠体の端枠部の複数の支持突起から簡単に外すことがで
きる。

【００９７】請求項５の発明によれば、請求項１または
４の発明の効果に加え、作物収容袋は柔軟に形成されて
いることにより、携行時は折り畳んで携行することによ
り全体として嵩さ張らず携行が容易であり、作物の収容
時は作物収容袋の柔軟性により作物収容袋内に作物を十
分に収容できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す作物積込み装置の
作物を搬出する状態の側面図である。

【図２】同上作物積込み装置を備えた収穫機の側面図で
ある。

【図３】同上作物積込み装置の載置台本体の斜視図であ
る。

【図４】同上作物積込み装置の作物搬出体の斜視図であ
る。

【図５】同上作物積込み装置の組立て状態の斜視図であ
る。

【図６】同上背面図である。

【図７】同上断面図である。

【符号の説明】

20 作業機本体 21 コンベヤ 22 作物収容体 23 載置台 33 第１の油圧シリンダー装置 49 収容口 50 作物収容袋 53 被支持部材 55 荷台板 56 載置台本体 57 支持枠体 58 作物搬出体 59 支持フレーム 60 ガイド支柱 61 第２の油圧シリンダー装置 76 支軸 83 被ガイド支柱 91 側枠部 92 端枠部 93 支持突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−33036（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−289655（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−136933（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−199744（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−157735（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−164847（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01D 13/00 - 33/14 A01D 90/00 B60P 1/54

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業機本体と、この作業機本体に設けら
   れ積込み用の作物を搬送するコンベヤと、このコンベヤ
   の搬送端部に位置して前記作業機本体に設けられ前記コ
   ンベヤの搬送端部から搬出される作物を積込む作物収容
   体を載置する載置台と、を具備し、 前記載置台は、 前記作業機本体に上下方向に回動自在に設けられた載置
   台本体と、 この載置台本体に上下動自在に設けられた作物搬出体
   と、を有し、 前記載置台本体は、前記作業機本体に支軸にて上下方向
   に回動自在に軸支された支持フレームと、この支持フレ
   ームによって支持され作物の積込み時は略水平状に移動
   され作物の搬出時は作物の搬出方向に向かって下降傾斜
   される荷台板と、前記支持フレームの両側部に相対して
   垂直状に一体に立設され前記作物搬出体を上下動自在に
   案内するガイド支柱と、を有し、 前記作物搬出体は、前記荷台板上に載置された前記作物
   収容体を支持する支持枠体を有し、 作物の搬出時には、前記作物搬出体が前記載置台本体と
   ともに下方に向かって下降傾斜すると、前記荷台板上に
   載置された前記作物収容体が、前記支持枠体にて支持さ
   れた状態のまま前記荷台板の傾斜方向に向かって傾斜
   し、その後、前記作物搬出体が傾斜した状態のまま前記
   ガイド支柱にて案内されつつ前記傾斜した載置台本体に
   対して上動すると、前記作物収容体が、前記支持枠体に
   て前記荷台板上から吊上げられて搬出方向に向かって移
   動し、その後、前記作物搬出体が傾斜した状態のまま前
   記ガイド支柱にて案内されつつ前記傾斜した載置台本体
   に対して下動すると、前記作物収容体が、前記支持枠体
   にて前記荷台板から外れた位置に降ろされて搬出される ことを特徴とする作物積込み装置。
2. 【請求項２】 作業機本体は、載置台本体を支軸を中心
   に上下方向に回動させる第１の油圧シリンダー装置を有
   する ことを特徴とする請求項１記載の作物積込み装置。
3. 【請求項３】 作物搬出体は、載置台本体の両側部のガ
   イド支柱にそれぞれ上下動自在に係合した両側部の被ガ
   イド支柱と、この両側部の被ガイド支柱の上部に固定さ
   れ前記載置台本体の荷台板の上方に向かって突設された
   支持枠体と、を有し、前記載置台本体は、前記作物搬出
   体を上下動させる第２の油圧シリンダー装置を有する、 ことを特徴とする請求項１または２記載の作物積込み装
   置。
4. 【請求項４】 支持枠体は、両側部の被ガイド支柱に固
   定された前後方向の側枠部と、この両側部の側枠部間に
   一体の左右方向の端枠部と、前記両側部の側枠部及び前
   記端枠部にそれぞれ間隔をおいて突設され作物収容体を
   支持する複数の支持突起と、を有し、前記作物収容体
   は、前記両側部の側枠部及び前記端枠部の支持突起に引
   掛けて支持される被支持部材を有するとともに、上面に
   開口した収容口を有する、 ことを特徴とする請求項１または３記載の作物積込み装
   置。
5. 【請求項５】 作物収容体は、被支持部材を有する柔軟
   な作物収容袋にて形成されている、ことを特徴とする請
   求項１または４記載の作物積込み装置。
6. 【請求項６】 荷台板は、支持フレームに上下方向に回
   動自在に軸支されている ことを特徴とする請求項１記載の作物積込み装置。