JP3298995B2 - 車両用多重通信システム - Google Patents

車両用多重通信システム

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JP3298995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の電装ユニットを
制御する複数の多重通信ノードを具備した車両用多重通
信システムに関し、特にシステム全体のコストの低減化
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の電子部品(電装ユニット)間を
結ぶ配線(ワイヤハーネス)の肥大化,複雑化を解消す
るために、多重通信が注目されている。多重通信は1つ
の配線上に複数のデータを時分割多重で送出するもの
で、基本的にはシリアル伝送が基本となつている。
【0003】自動車の分野においては、この多重通信の
ネツトワーク形態は、完全多重型と部分多重型という分
類、または、集中型と分散型という分類に分けて考えら
れている。部分多重型は、非多重通信部分と多重通信部
分とを混在させたものであり、多重通信部分においては
距離的に分散して配置されたスイツチや負荷等が多重伝
送ユニツトで接続されている。このユニツトとスイツ
チ,負荷間は個別の配線が必要であるために、配線の全
長は減るものの、その数は増えると言われている。ま
た、集中型は、1つのマスタの伝送ユニツトに対して複
数のスレーブの伝送ユニツトが接続されるもので、細径
化効果は得られるものの、マスタがダウンするとシステ
ムダウンになる、また設計変更が困難になるなどの欠点
があると言われている。一方、分散型はコストはかかる
ものの、大きな細径化効果が得られること、一部ダウン
に対する信頼性が高いこと、設計変更に対する柔軟性が
高いこと等の点で脚光を浴びている(例えば、特開昭6
2−4658号)。
【0004】従来の自動車用の多重通信システムに採用
されている通信用フレームのフォーマットを図1に、ノ
ードの構成例を図2に示す。図1において、フレームF
は、SD(Start Delimiter )コード、プライオリテイ
コード、フレームIDコード、データ長、データ1〜デ
ータN、チエツクコードを有するフレーム構成になつて
いる。
【0005】先ず、「SDコード」は、フレームFの開
始を表す特定のコードであり、受信多重ノードはこのS
Dコード符号を受信するとフレームFの開始を認知する
ようなつている。「プライオリテイコード」は同時に複
数の多重ノードがデータを送信 し、信号が衝突した場
合にどの信号を優先して処理するかを指示する優先順位
を示す符号である。この実施例では、プライオリテイは
ビツト値で低いものほど高い優先度が割り当てられてい
る。これは、バス1では、ローレベルがWIRED-ORとなっ
ているためである。もし同時に複数のノードから信号が
送出された場合は優先度の高いノードの「プライオリテ
イコード」がバス1上に残るので、低い方のノードは自
己の送出した「プライオリテイコード」が別のコードに
変っていることから、衝突を検出する。そして、自己の
失敗フレームの再送を遅らせることにより、高い優先度
のノードからの再送を優先するようになっている。
【0006】「フレームIDコード」は当該フレームの
送出先を示すコードであり、所謂ファンクショナルアド
レッシングに相当する。このIDコードは、送出元のノ
ードが付すようになっている。「データ長」にはこのあ
とに続くデータの数が書き込まれ、N個のデータがある
とすればデータ長としてNが送られる。このフレームを
受け取つた多重ノードでは、データをデータ長の内容だ
け読み取る。そしてデータに引き続くフィールドがCR
Cチエツクコード(誤り検出符号)で、これを確認する
ことによりフレームの終わりであることを知ることがで
きる。
【0007】ACKフィールドは、他のノード(システム
全体で、N個のノードを予定している)からのACK信号
が挿入されるところである。図2は、自動車のネットワ
ークに用いられる通信ノードの一般的な構成を示した図
である。各ノードは通信用LSI101を介して伝送路
10に接続されている。100は制御を行なうCPUで
あり、RAM/ROM102に格納されたプログラムに
従って動作する。CSMA/CD方式の物理層レベルの
プロトコール制御はLSI101により行なわれる。こ
の通信ノードは電装ユニット104に接続されている。
このユニットは、例えば、エンジン制御用のEGIコン
トローラであったり、メータ類のノードであったりす
る。
【0008】CPU100は、LSI101を制御し、
また、LSI101からのデータを処理して電装ユニッ
ト104に渡したり、または電装ユニット104からの
データをLSI101に渡すための制御を行なう。即
ち、バス上のフレームデータを電装ユニット104が使
用可能なフォーマツトに変換したり、電装ユニット10
4からのデータをフレームフォーマツトに変換したりす
る。CPU100の他の重要な役目は、ACKデータの管
理である。即ち、前述したように、この通信方式では、
全てのノード(の通信LSI101)はフレームデータ
を他のノードからエラーなく受け取ったときは、その送
り元のノードに対してACKビットを返すようになってい
る。従って、このACKフィールドの内容を調べることに
より、自分が送出したフレームをどのノードが受信でき
なかったかを知ることができる。このチェック作業をC
PU100が任されている。これは、通信LSI101
が通信制御に限定され、高度のデータ処理はCPU10
0が行なうようにしているからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような多重通
信システムは、ノード毎にCPU100を必要とするた
めに、システム全体として高価になる。そこで、提案さ
れているのが、一部のノードに、CPU100を設けな
いようなノードを一部に設けることである。このような
ノードは、CPUを設けないために高度のデータ処理を
行なうことができない。しかしながら、例えば、スイッ
チとそのスイッチが投入されたことを示す表示ランプを
制御するノードのような場合には高度なデータ処理は不
要であるので、通信制御とデータの簡単な入出力を実行
できるLSIで対応することができる。このようなノー
ドを、便宜上「スタンドアロン」型ノードと呼び、CP
Uを有するノードを「インテリジェント」型ノードと呼
ぶ。
【0010】図3に、上述のスタンドアロン型ノードと
インテリジェントノードとを混在させたネットワークシ
ステムの例を示す。図3の例では、インテリジェント型
ノードはノード200であり、スタンドアロン型ノード
はノード201,202,203である。ノード200
は、ドライバ席側ドアに設けられたウインド開閉スイッ
チのためのノードであり、ノード201,202,20
3は各座席のドアに設けられたウインド開閉スイッチの
ためのノードである。周知のように、ドライバ席のスイ
ッチは、集中的に他のドアのウインドの開閉も行なうこ
とができるようになっているために、インテリジェント
型ノードが用いられている。また、助手席や後部座席に
おいては、それらの個々の座席のウインドを開閉するだ
けであるので、スタンドアロン型で十分である。即ち、
助手席や後部座席におけるウインドの開閉は、運転席の
インテリジェントノード200によっても、夫々のスタ
ンドアロン型ノードによっても行なうことができる。
【0011】ところで、分散型の多重通信システムで
は、個々のデータのフレーム内におけるフィールド位置
は決まっているために、あるノードが、1つのフレーム
によってあるデータを受け取ってから、その後に次のフ
レームにおいて同じデータが存在するときに、そのデー
タがセンサの最新状態を反映しているものであるのか否
かが分からない。例えば、フレーム内の例えばあるセン
サの出力値が同じ値を示している場合に、それはセンサ
出力に変化がないのか、たまたま前回のセンサの出力値
がそのまま残されているのか判断できないからである。
従って、何らかの識別手法を導入しない限り、同じデー
タを新たなデータとして何度も取り込んでしまうおそれ
がある。
【0012】このような不都合を解消するためには、各
データに「タグ」ビットを設けることが考えられる。こ
こでは、当該センサデータの送り主のノードは、そのデ
ータを送るときに、そのタグの値を0とし、そのデータ
が宛先のノードによって取り込まれたら、その宛先のノ
ードがそのタグを1に変更するようにするものとする。
【0013】しかしながら、このような「タグ」の処理
は高度なデータ処理能力を要求するので、内部CPUを
有さない上述のスタンドアロン型多重通信ノードでは不
可能である。本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ために提案されたもので、その目的は、データ処理機能
を有さない多重通信ノードの存在を可能とし、それでい
て、多重通信の整合性を確保した車両用の多重通信シス
テムを提案するところにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的の本発明の構
成は、車両の複数の電装ユニットを夫々制御する複数の
多重通信ノードが共通の通信線上に接続された車両用多
重通信システムであって、この多重通信システムは少な
くとも、第1,第2の多重通信ノードを含み、前記第1
の多重通信ノードは、前記第2の多重通信ノードのみと
の間で、この第1の多重通信ノードの電装ユニットのた
めのデータを交換する通信制御を実行する第1の通信制
御デバイスを具備し、前記第2の多重通信ノードは、他
の多重通信ノードとデータを交換するための通信制御を
実行する第2の通信制御デバイスと、上記第2の多重通
信ノードが、前記第1の多重通信ノードのための第1の
データを、前記第1,第2の多重通信ノード以外の多重
通信ノードから受信したことを検出する手段と、この検
出手段の出力を受けて、前記第1のデータを、前記第1
の多重通信ノードの前記第1の通信制御デバイスが受信
処理可能な形に変換処理するデータ処理デバイスとを具
備したことを特徴とする。
【0015】第1の多重通信ノードはデータ処理デバイ
スを有さないので、ネットワーク全体のコスト低減に寄
与する。一方、第2の多重通信ノードの処理デバイスは
第1の多重通信ノードが処理可能な形に通信データを加
工するので、ネットワーク全体の整合性がとれる。
【0016】
【実施例】以下、本願発明の実施例について添付図面を
参照しながら詳細に説明する。 〈ネットワーク構成〉図4は、本発明を適用した実施例
のネットワークが設けられた車両の各電装ユニットを示
す。順に列挙すると、100はインパネに設けられたミ
ラースイッチである。このスイッチ100は、右側ミラ
ー206のためのスイッチと、、左側ミラー405のた
めのスイッチがある。個々のスイッチは、ミラーを閉じ
る位置と開く位置とを有する。右側ミラー206はモー
タ205によって駆動される。左側ミラー405はモー
タ404によって駆動される。この車両は、前側に左右
のドア(FR,FL)、後側に左右のドア(RR,R
L)を有する。各ドアには、窓硝子を開閉するために乗
員が操作するスイッチ(PW SW 202, 402, 301, 501)と、
ドアのロック機構を駆動するためのソレノイド(LKSL20
1, 401, 302, 502)と、窓硝子を開閉するためのモータ
(M204, 403, 303, 503)とが設けられている。
【0017】図5は、図4のスイッチやモータ等の電装
品を制御する多重通信ノードのネットワークに対する接
続構成を示す。図中、インパネノード110,FRドア
ノード111はインテリジェント型ノードであり、後述
するように内部にデータ処理用のCPUを有する。ま
た、FLドアノード112,RRドアノード113,R
Lドアノード114はスタンドアロン型ノードである。
【0018】ここで、各電装品に対する操作及びその動
作について説明する。ドアをロックするときはFRドア
のロックスイッチ203を操作する。このスイッチを操
作すると、全てのドアはロックされる。この場合、図1
3に示したフォーマットのフレームがFRドアノードか
ら各ドアノードに対して送られる。このフレームを受け
た各ドアノードは、夫々のドアロックソレノイドを駆動
してドアをロックする。
【0019】乗員は、個々の座席において、ドアの窓硝
子を開閉することができる。FLドア,RRドア,RL
ドアにおいては、乗員が夫々のPW SWを操作すると、夫
々のノードがそのスイッチ操作を検知して夫々のモータ
を駆動して窓硝子を開閉する。ドライバは、FRドア位
置において、全てのドアの窓硝子の開閉を操作すること
ができる。図5において、PW メインスイッチ202は
4つのスイッチ(図6を参照)を有する。その4つのス
イッチの内のFL,RR,RLドアの窓を開けるために
は夫々のスイッチを操作する。ノード111は、このス
イッチ操作を受けて、対応するドアのノードに対して窓
硝子を開ける旨のフレームを送出する。
【0020】ドライバがリモコン式のドアミラーを回動
させたいときは、ミラースイッチ100のいずれか一方
若しくは両方のスイッチを操作する。このスイッチが操
作されると、インパネノード110は、スイッチ操作が
なされた旨のフレームをFRドアノード111に送る。
このフレームを受けたFRドアノード111は、右側ミ
ラーのモータ205を駆動する。更に、ドライバが左側
ミラーを操作するスイッチを操作したならば、FRcド
アノード111は、FLドアノード112に対してFL
ドアの窓を開ける旨のフレームを送る。即ち、ドライバ
が左側ミラースイッチを操作した場合でも、インパネノ
ード110は、FLドアノード112に対して直接フレ
ームを送ることはなく、一旦FRドアノード111を経
由してFLドアノード112に送る。この理由は、後に
詳述するが、FLドアノード112がスタンドアロン型
ノードであるためにデータ処理ができないからである。 〈インテリジェント型ノード〉図6は、FRドアノード
111の構成とそのノードに接続された電装ユニットと
の関係を示す。同図に示された通信ノード111はイン
テリジェント型ノードであり、バスI/F回路1101
と、9ポート入力と6ポート出力を有するCPU110
4(使用されていないものを含めると実際の入出力ポー
トの数はもっと多い)と、多重通信LSI1102と、
電源回路1103とを有する。多重通信LSI1103
は、CSMA/CDに基づいた通信制御手順を実行し、
また、前述のACKビットの送出制御を行なう。
【0021】電源回路1103は、バッテリからのB電
圧を所定の直流電圧に変換すると共に電圧を監視する。
ウインドスイッチ群202に設けられたスイッチFLは
助手席のウインドを開閉するスイッチ402、スイッチ
RLは後部座席右側のウインドを開閉するスイッチ50
1、スイッチRRは後部座席右側のウインドを開閉する
スイッチ301である。また、ドアロックスイッチは、
全てのドアを一括してロックするスイッチ203であ
る。
【0022】図5のネットワークシステムには、ノード
111以外にインパネノード110にもインテリジェン
ト型ノードが使われている。このインパネノード110
は、図6のI/F回路1101と多重通信LSI110
2と電源回路1003とCPU1104とを有すること
に変わりはない。但し、インパネノード110のCPU
の入力ポートには、インパネ上の各種スイッチ類が接続
され、出力ポートには各種ランプ類が接続されている。
【0023】図7は、スタンドアロン型ノードの一例と
してのFLドア位置のノード112の構成を示す。他の
スタンドアロン型ノードも実質的に同じ構成である。こ
のノード112は、バスI/F回路1210と、電源回
路1211と、多重通信LSI1212とを有する。バ
スI/F回路1210はインテリジェント型ノードのI
/F回路1101と同じであり、電源回路1211は回
路1103と同じである。LSI1212の入力ポート
はウインドスイッチ402に接続され、出力ポートはウ
インドモータ403,ロックソレノイド401に接続さ
れている。 〈スタンドアロン型ノード〉 図8は、図7のスタンドアロン型ノードの内部構成を示
す。送信制御回路1250,受信制御回路1256はC
SMA/CDの制御手順を実行する。ACK制御回路1
255は制御回路1256が受けたフレームに誤りがな
ければACKビットの送出を行なう制御を実行する。図1
8,図19に、スタンドアロン型ノード112の制御機
能を回路図として示す。 〈フレームの構成〉 図9は、図4のネットワークシステムの各ノード間でや
り取りされるフレームの送出元と送り先の関係を示す。
このネットワークシステムにおいて有効なフレームは、
一例として、図9に示すようにFID=01〜06の6種
類が用意されている。図9において、二重丸の印はその
フレームの送出元を示し、一重丸は送り先を、X印は送
出元でも送り先にも該当しないノードを意味する。
【0024】図10は、FID=01又は02又は03の
フレームであり、その意味は、2ビットのPWが“01”
のときは窓を開け、“10”のときは窓を閉めるという
ものである。ここで、 FID=01 → FLドア窓の開閉 FID=02 → RRドア窓の開閉 FID=03 → RLドア窓の開閉 FID=01 → FLドア窓の開閉 FID=01〜03のフレームは、図9の表に示すよう
に、FRノード110が作成する。そして、FID=01の
フレームはFLノード112のみが処理し、FID=02の
フレームはRRノード113のみが処理し、FID=03の
フレームはRLノード114のみが処理する。
【0025】図11はインパネノード110からFRド
アノード111に対して送られるところの、リモコンミ
ラーを開閉するためのフレームのフォーマットを示す。
このフレームのIDはFID=04である。ミラーを開閉するか
否かは、データ領域の3ビット目からの4ビットで表さ
れる。即ち、3ビット目からの2ビットはFR位置のモ
ータ205の開閉を制御するデータである。次の2ビッ
トは、FL位置のモータ404の開閉を制御するデータ
である。これら2組の2ビットデータは、夫々のデータ
が有効であるかいなかの1ビットのタグデータV/IVを有
する。このタグによって、受信側のノードは、そのタグ
で他に対応するデータが有効であるかいなかを知ること
ができる。図9に表に示すように、FID=04のフレーム
は、インパネノード110のみが生成し、FRドアノー
ド111のみが受信する。このフレームを受けたFRノ
ード1111は、そのデータがミラーモータ205を駆
動するビットを有しているのであれば、そのモータを駆
動する。
【0026】また、そのフレームがFLドアのミラーを
駆動するビットを有しているのであれば、図12に示し
た形式のフレーム(FID=04)をFLドアノード112に送
る。図9に示すように、このフレーム(FID=04)はFLド
アノード112のみが受信して処理するようになってい
る。図12に示すように、この形式のフレームは、前述
のV/IVタグがない。これはFRドアノード11が除去し
たものである。FLドアノード112は前述したように
スタンドアロン型ノードであるので、データ処理用のC
PUを有しないので、このV/IVタグを処理できないから
である。換言すれば、この図4のネットワークシステム
では、通常のフレームは、データの有効/非有効を示す
タグV/IVを有しているので、そのようなV/IVタグを処理
できないスタンドアロン型ノードに対してはそのV/IVタ
グを除去することにより、スタンドアロン型ノードのイ
ンテリジェント型ノードとの混在をネットワークシステ
ムに許すのである。スタンドアロン型ノードにしかデー
タを送らない例えばFRドアノード等のインテリジェン
トノードは、そのCPUがV/IVタグを除去した上でスタ
ンドアロン型ノードに回送するようにすればよいが、イ
ンテリジェント型ともスタンドアロン型とも交信する必
要のある例えばインパネノード等はフレーム中にV/IVタ
グを付加せざるを得ないので、スタンドアロン型ノード
と交信するときは、一旦インテリジェント型ノードを経
由して、そこでV/IVタグを除去したうえで当該スタンド
アロン型ノードに送るのである。
【0027】図13は、全てのドアのロックを行なった
り、解除したりするためのフレームのフォーマットを示
す。このフレームは、FRドアノード111のみが生成
し、他の3つのドアノードの全てが受信する(図9を参
照)。 〈制御手順〉図14はインパネノード110における制
御手順を示す。ステップS2では、ノード110自身の
LSIが回線1000からフレームを受信したかを調べ
る。そのようなデータを受信したならば、ステップS1
4でそのフレーム中のデータのための処理を行う。LS
Iがデータ受信をしていなければ、ステップS4で、イ
ンパネノードに接続されているいずれのスイッチからの
入力を調べる。ステップS6では、そのうちのリモコ
ンミラーの操作スイッチにおいて操作がなされていたな
らば、ステップS8でFID=04のフレーム(図11)を作
成する。ステップS10ではそのデータが有効であるこ
とを示すために、V/IV=1とする。そして、インパネノー
ド110のLSIにそのフレーム出力する。LSIは
そのフレームを回線1000上に送出するであろう。
【0028】図15は、FRドアノード111のメイン
ルーチンの制御手順を示す。このFRのどのCPU11
04は、ステップS100で、回線1000上に送出す
べきデータがあるか否かをフラグFを用いて調べる。F
=1ならば、そのデータをステップS400でLSI1
102に送る。LSI1102はフレームの形式で回線
1000上に送出するであろう。送信データがない場合
は、ステップS102でLSI1102が回線1000
からデータを受信していたかを調べる。受信データの入
力がなければステップS300で当該FRノードに接続
されているスイッチ類の制御と状態を入力する。この制
御手順は図16により説明されるであろう。一方、受信
データがある場合は、ステップS200でその受信デー
タの処理を行う。この処理の詳細は図17に関連して説
明されるであろう。
【0029】ドライバがFRドア位置において各種のス
イッチ操作を行なった場合を説明する。ドアロックスイ
ッチ203を操作した場合は、ステップS302…→ス
テップS310→ステップS312と進んで、ステップ
S312でFRドアのロックソレノイドを、その操作に
応じてオン/オフする。また、他の3つのドアのロック
の制御を集中的に行うために、ステップS314でFID=
06のフレーム(図13)を作成する。そして、送信デー
タがあることを示すフラグFを1にする。このフラグF
が1にセットされているときは図15のステップS40
0でLSI1102に当該フレームが出力されるのは前
述したとおりである。
【0030】FRドアの窓を開閉するためにPW (power
window) SW202aが操作された場合は、ステップS3
02→ステップS304→ステップS306→ステップ
S308と進んで、ウインドモータ204を制御する。
FLドアの窓を開閉するためにPW (power window) SW2
02bが操作された場合は、ステップS302→…→ス
テップS318→ステップS320と進んで、ステップ
S320でFID=01のフレーム(図10)を作成し、ステ
ップS322で送信データがあることをしめすフラグF
を1にセットする。
【0031】RRドアの窓を開閉するためにPW (power
window) SW202cが操作された場合は、ステップS3
02→…→ステップS324→ステップS326と進ん
で、ステップS326でFID=02のフレーム(図10)を
作成し、ステップS328で送信データがあることをし
めすフラグFを1にセットする。RLドアの窓を開閉す
るためにPW (power window) SW202dが操作された場
合は、ステップS302→…→ステップS330→ステ
ップS332と進んで、ステップS332でFID=03のフ
レーム(図10)を作成し、ステップS334で送信デ
ータがあることをしめすフラグFを1にセットする。
【0032】ここで、受信側のスタンドアロン型ノード
の制御を説明する。このスタンドアロン型ノードはCP
Uを有しないので、そのための特別な制御手順はない。
スタンドアロン型ノードであるところの、FL,RR,
RLドアにある各ノードは、図8,図19に示すような
回路を有する。図18の回路は、ウインドモータを制御
する回路であり、園のどのLSIがFID=01~03のフレー
ムを受信すると、PW ビットの値に応じてモータが駆動
される。また、ロックソレノイドもロックビットの値に
応じて制御される。図18,図19において、信号イネ
ーブルは、LSIがフレームを受信してそのノードに接
続されている電装ユニットを制御してもよいタイミング
を示す。
【0033】次に、インパネノード110が、その図1
4の制御手順でFID=04のフレームをFRドアノード11
1に送ってきたときの説明を行う。かかる場合は、ノー
ド111のCPUは、ステップS100→ステップS1
02→ステップS200と進んで、図17の制御手順を
実行する。即ち、図17のステップS202からステッ
プS204に進んで、タグビットV/IVの演算を行う。次
に、FR側のミラーモータを駆動する操作であってかつ
そのタグが1である(有効)ならば、ステップS208
に進んで、右側リモコンミラーのモータ205を制御す
る。更に、FL側のミラーモータを駆動する操作であっ
てかつそのタグが1である(有効)ならば、ステップS
210からステップS212に進んで、FID=05のフレー
ムを作成してステップS214で送信データフラグFを
1にする。す。このフレームは、FLドアノード112
に対して送られるであろう。ここで、タグV/IVは除去さ
れているので、スタンドアロン型ノード112はそのフ
レームを処理できることとなる。 〈変形〉尚、本発明は上記実施例に限定されないのは明
らかである。
【0034】例えば、上記実施例では、ネットワークに
接続されているノードは図4に示すものであったが、ノ
ードはこれらのノードに限定されない。即ち、データ処
理機能を有さないスタンドアロン型ノードとデータ処理
切能を有するインテリジェント型ノードとが同じネット
ワークに接続され、そのインテリジェント型ノードがデ
ータを他のノードに所定の情報データを付加して送る必
要があって、その一方で、スタンドアロン型ノードがそ
の情報データが付加されていたのでは対応できないよう
な場合であれば、いかなる型のノードがいかなる数でネ
ットワークに接続されていようとも本発明は適用可能で
ある。
【0035】また、本発明は、ウインドモータの制御や
ドアロックの制御以外にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシステム
によれば、FLドアノードなどの第1の多重通信ノード
はCPUのようなデータ処理デバイスを有さないので、
ネットワーク全体のコスト低減に寄与する。一方、FR
ドアノード等の第2の多重通信ノードの処理デバイスは
第1の多重通信ノードが処理可能な形に通信データを加
工するので、ネットワーク全体の整合性がとれる。即
ち、データ処理機能を有さない多重通信ノードの存在を
可能とし、それでいて、多重通信の整合性を確保した車
両用の多重通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の通信システムに用いられるフレームのフ
ォーマットを説明する図。
【図2】従来の多重通信ノードの構成を説明する図。
【図3】従来の自動車用ネットワークの構成の一例を示
す図。
【図4】本発明を自動車用システムに適用した車両の電
装品の配置を示す図。
【図5】図4の自動車用システムに適用した実施例のネ
ットワーク構成を示す図。
【図6】実施例のインテリジェント型通信ノードの構成
を示す図。
【図7】実施例のスタンドアロン型通信ノードの構成を
示す図。
【図8】実施例のスタンドアロン型通信ノードの更に詳
細な構成を示す図。
【図9】実施例のネットワークでやり取りされるフレー
ムの送出元と送り先の関係を示す図。
【図10】ドアの窓を開閉するフレームのフォーマット
を示す図。
【図11】ドアのリモコンミラーのモータを駆動するフ
レームのフォーマットを示す図。
【図12】左側ドアのリモコンミラーのモータを駆動す
るフレームのフォーマットを示す図。
【図13】ドアのロックを駆動するフレームのフォーマ
ットを示す図。
【図14】インパネノードの制御手順を示すフローチャ
ート。
【図15】FRドアノードの制御手順のメインルーチン
を示すフローチャート。
【図16】図15フローチャートの一部サブルーチンを
説明するフローチャート。
【図17】図15フローチャートの一部サブルーチンを
説明するフローチャート。
【図18】スタンドアロン型ノードないの一部回路構成
を示す図。
【図19】スタンドアロン型ノードないの一部回路構成
を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺山 孝二 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−7386(JP,A) 特開 平4−98925(JP,A) 特開 平4−222193(JP,A) 特開 昭57−1174(JP,A) 特開 昭62−176295(JP,A) 特開 平2−1649(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04Q 9/00 - 9/16 B60R 16/02 H04L 12/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の複数の電装ユニットを夫々制御す
    る複数の多重通信ノードが共通の通信線上に接続された
    車両用多重通信システムであって、この多重通信システ
    ムは少なくとも、第1、第2の多重通信ノードを含み、 前記第1の多重通信ノードは、 前記第2の多重通信ノードのみとの間で、この第1の多
    重通信ノードの電装ユニットのためのデータを交換する
    通信制御を実行する第1の通信制御デバイスを具備し、 前記第2の多重通信ノードは、 他の多重通信ノードとデータを交換するための通信制御
    を実行する第2の通信制御デバイスと、 上記第2の多重通信ノードが、前記第1の多重通信ノー
    ドのための第1のデータを、前記第1,第2の多重通信
    ノード以外の多重通信ノードから受信したことを検出す
    る手段と、 この検出手段の出力を受けて、前記第1のデータを、前
    記第1の多重通信ノードの前記第1の通信制御デバイス
    が受信処理可能な形に変換処理するデータ処理デバイス
    とを具備したことを特徴とする車両用多重通信システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記第1、第2の多重通信ノード以外の
    多重通信ノードは前記第2の多重通信ノードとの間で、
    データの有効/無効を意味する情報を付加された通信デ
    ータをやり取りし、 前記データ処理デバイスはこの付加情報を除去する処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用多重通信
    システム。
  3. 【請求項3】 前記第2の多重通信ノードの電装ユニッ
    トは、前記第1の多重通信ノードの電装ユニットを制御
    するスイッチであることを特徴とする請求項1記載の車
    両用多重通信システム。
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