JP3298914B2 - 窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法 - Google Patents
窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法Info
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Description
【0001】
【技術分野】本発明は、排ガス中に含まれる窒素酸化物
(以下、NOxと記載する)を触媒の存在下にアンモニ
アなどの還元剤を用いて接触還元除去する方法に使用す
る触媒およびその触媒を用いた排ガスの処理方法に関す
る。さらには、低温領域のみならず、高温例えば500
℃以上の温度領域でも、排ガス中のNOxを還元剤の存
在下に効率よく窒素と水に分解することができ、幅広い
温度領域で高い脱硝活性を示し耐久性、耐熱性に優れた
触媒およびその触媒を用いた排ガスの処理方法に関す
る。
(以下、NOxと記載する)を触媒の存在下にアンモニ
アなどの還元剤を用いて接触還元除去する方法に使用す
る触媒およびその触媒を用いた排ガスの処理方法に関す
る。さらには、低温領域のみならず、高温例えば500
℃以上の温度領域でも、排ガス中のNOxを還元剤の存
在下に効率よく窒素と水に分解することができ、幅広い
温度領域で高い脱硝活性を示し耐久性、耐熱性に優れた
触媒およびその触媒を用いた排ガスの処理方法に関す
る。
【0002】
【従来技術および問題点】従来、窒素酸化物還元用触媒
としては、酸化チタンを主成分とし、バナジウム、タン
グステン、モリブデン等の活性成分を含む触媒が主流を
なしており、工業触媒として使用されている。しかし、
従来の窒素酸化物還元用触媒は、ボイラー排ガスなどを
対象とした処理温度が450℃以下の低温領域での使用
が主であり、ガスタービン、製鋼用平炉などから排出さ
れる排ガスは、500〜650℃の高温であるため、こ
のような排ガス中のNOx処理には、500℃以上の高
温領域で使用しても充分な活性を有し、耐熱性に優れた
脱硝触媒が要望されている。アンモニアなどの還元剤を
用いて排ガス中のNOxを450℃以上の温度、特に5
00〜700℃の温度領域で処理する場合、従来の酸化
チタンを主成分とし、バナジウム、タングステン、モリ
ブデン等の活性成分を含む触媒ではアンモニアの分解や
酸化反応が起こるため、脱硝活性が低下するという問題
があった。
としては、酸化チタンを主成分とし、バナジウム、タン
グステン、モリブデン等の活性成分を含む触媒が主流を
なしており、工業触媒として使用されている。しかし、
従来の窒素酸化物還元用触媒は、ボイラー排ガスなどを
対象とした処理温度が450℃以下の低温領域での使用
が主であり、ガスタービン、製鋼用平炉などから排出さ
れる排ガスは、500〜650℃の高温であるため、こ
のような排ガス中のNOx処理には、500℃以上の高
温領域で使用しても充分な活性を有し、耐熱性に優れた
脱硝触媒が要望されている。アンモニアなどの還元剤を
用いて排ガス中のNOxを450℃以上の温度、特に5
00〜700℃の温度領域で処理する場合、従来の酸化
チタンを主成分とし、バナジウム、タングステン、モリ
ブデン等の活性成分を含む触媒ではアンモニアの分解や
酸化反応が起こるため、脱硝活性が低下するという問題
があった。
【0003】そこで、窒素酸化物還元用触媒の酸性質を
コントロールしてアンモニアを吸着保持することにより
NH3のN2への分解あるいはNOxへの酸化反応を抑制
して高温での脱硝活性を高める触媒として、ゼオライト
を用いた触媒が提案されている。例えば、特開平2−8
3039号には、従来の触媒成分にゼオライト成分を添
加した触媒が提案されており、ゼオライトとしては、モ
ルデナイト、フェリエライト、ZSM−5などが挙げら
れている。また、特開昭57−140628号には、N
Ox含有排ガスとアンモニアを500〜700℃におい
て水素型合成ゼオライトと接触させる方法が記載されて
いる。
コントロールしてアンモニアを吸着保持することにより
NH3のN2への分解あるいはNOxへの酸化反応を抑制
して高温での脱硝活性を高める触媒として、ゼオライト
を用いた触媒が提案されている。例えば、特開平2−8
3039号には、従来の触媒成分にゼオライト成分を添
加した触媒が提案されており、ゼオライトとしては、モ
ルデナイト、フェリエライト、ZSM−5などが挙げら
れている。また、特開昭57−140628号には、N
Ox含有排ガスとアンモニアを500〜700℃におい
て水素型合成ゼオライトと接触させる方法が記載されて
いる。
【0004】一方、低温領域で高い脱硝活性を示すこと
を特徴とする窒素酸化物還元用触媒として、銅、希土類
金属などの活性金属成分を担持したホージャサイト型ゼ
オライトを用いた触媒が種々提案されている(例えば、
特開昭61−238328号、特公昭58−9694
号、特公昭61−16509号)。しかし、従来提案さ
れている触媒では低温領域から高温領域での幅広い温度
領域で高い脱硝活性が得られず、満足できる結果は得ら
れなかった。
を特徴とする窒素酸化物還元用触媒として、銅、希土類
金属などの活性金属成分を担持したホージャサイト型ゼ
オライトを用いた触媒が種々提案されている(例えば、
特開昭61−238328号、特公昭58−9694
号、特公昭61−16509号)。しかし、従来提案さ
れている触媒では低温領域から高温領域での幅広い温度
領域で高い脱硝活性が得られず、満足できる結果は得ら
れなかった。
【0005】
【目的】本発明は、従来技術の欠点を改良し、アンモニ
アを還元剤とする反応系において低温領域から高温領域
において高い脱硝活性を示し、耐久性、耐熱性に優れた
窒素酸化物還元用触媒およびその触媒を用いた排ガスの
処理方法の提供を目的とする。
アを還元剤とする反応系において低温領域から高温領域
において高い脱硝活性を示し、耐久性、耐熱性に優れた
窒素酸化物還元用触媒およびその触媒を用いた排ガスの
処理方法の提供を目的とする。
【0006】
【発明の概要】本発明は、ホージャサイト型ゼオライト
に活性金属成分を担持してなる窒素酸化物還元用触媒に
おいて、該ホージャサイト型ゼオライトが、(A)Na
2O含有量が2.0wt%以下、(B)SiO2/Al
2O3モル比が6.0以上、(C)単位格子定数が2
4.55Å以下、(D)アンモニア安定性が80%以上
の特性を有することを特徴とするアンモニアを還元剤と
する窒素酸化物還元用触媒およびそれを用いた窒素酸化
物含有排ガスの処理方法に関する。
に活性金属成分を担持してなる窒素酸化物還元用触媒に
おいて、該ホージャサイト型ゼオライトが、(A)Na
2O含有量が2.0wt%以下、(B)SiO2/Al
2O3モル比が6.0以上、(C)単位格子定数が2
4.55Å以下、(D)アンモニア安定性が80%以上
の特性を有することを特徴とするアンモニアを還元剤と
する窒素酸化物還元用触媒およびそれを用いた窒素酸化
物含有排ガスの処理方法に関する。
【0007】
【発明の具体的説明】以下に本発明について具体的に説
明する。本発明で使用されるホージャサイト型ゼオライ
トは、Na2O含量が2.0wt%以下、好ましくは
1.0wt%以下であり、SiO2/Al2O3モル比
が6.0以上、好ましくは8〜30の範囲にあり、単位
格子定数が24.55Å以下、好ましくは24.50〜
24.30Åの範囲にあり、弱酸点と強酸点の両方を有
するため高温領域においてアンモニアの吸着保持能力を
有する。しかも、アンモニア安定性が高いため、アンモ
ニアの存在下でもゼオライトの結晶破壊が生じないの
で、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触媒に
使用して好適である。本発明でのホージャサイト型ゼオ
ライトのアンモニア安定性は80%、特に85%以上が
好ましい。
明する。本発明で使用されるホージャサイト型ゼオライ
トは、Na2O含量が2.0wt%以下、好ましくは
1.0wt%以下であり、SiO2/Al2O3モル比
が6.0以上、好ましくは8〜30の範囲にあり、単位
格子定数が24.55Å以下、好ましくは24.50〜
24.30Åの範囲にあり、弱酸点と強酸点の両方を有
するため高温領域においてアンモニアの吸着保持能力を
有する。しかも、アンモニア安定性が高いため、アンモ
ニアの存在下でもゼオライトの結晶破壊が生じないの
で、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触媒に
使用して好適である。本発明でのホージャサイト型ゼオ
ライトのアンモニア安定性は80%、特に85%以上が
好ましい。
【0008】すなわち、本発明に使用されるホージャサ
イト型ゼオライトは、(A) Na2O含有量が2.0w
t%以下、(B) SiO2/Al2O3モル比が6.0以
上、(C) 単位格子定数が24.55Å以下であっ
て、しかも、(D) アンモニア安定性が80%以上、
であることを特徴とする。また、本発明のホージャサイ
ト型ゼオライトの結晶度は、ユニオン・カーバイト社製
品SK−40のナトリウムY型ゼオライトの結晶度を基
準にして80%以上、好ましくは90%以上の結晶度を
有することが望ましい。
イト型ゼオライトは、(A) Na2O含有量が2.0w
t%以下、(B) SiO2/Al2O3モル比が6.0以
上、(C) 単位格子定数が24.55Å以下であっ
て、しかも、(D) アンモニア安定性が80%以上、
であることを特徴とする。また、本発明のホージャサイ
ト型ゼオライトの結晶度は、ユニオン・カーバイト社製
品SK−40のナトリウムY型ゼオライトの結晶度を基
準にして80%以上、好ましくは90%以上の結晶度を
有することが望ましい。
【0009】前述の特性を有するホージャサイト型ゼオ
ライトは、例えばNa2Oとして2〜6wt%、好まし
くは4〜6wt%の範囲にある300℃、好ましくは1
50℃以上の温度でカ焼された経歴を有しないアンモニ
ウム−ナトリウム−ホージャサイト型ゼオライトを水蒸
気雰囲気中で焼成し、次いで該ゼオライトをpH3.5
以下で酸処理することにより製造される。該アンモニウ
ム−ナトリウム−ホージャサイト型ゼオライト(NH4
−Na−Y型ゼオライト)の水蒸気処理は、500〜8
50℃の温度で0.5〜10時間、好ましくは1〜6時
間、水蒸気雰囲気中回転焼成することによって行うこと
ができる。Na2Oの量が6wt%よりも多いNH4−N
a−Y型ゼオライトを水蒸気処理すると単位格子定数が
減少しにくく、結晶度が低下する傾向にあるので好まし
くない。Na2Oの量が2wt%より少ない場合は、得
られるUSYのアンモニア安定性が劣るので好ましくな
い。上記NH4−Na−Y型ゼオライトを水蒸気雰囲気
中で焼成することは、ゼオライトの結晶構造からアルミ
ニウムを結晶構造を破壊することなく脱離させるうえで
重要である。空気中で焼成したのでは本発明のゼオライ
トは得られない。該水蒸気処理されたゼオライトをpH
3.5以下で酸処理することによって、ナトリウム含有
量は2%以下に減少し、また結晶構造から脱離したアル
ミニウムが除去される。この酸処理により、得られるゼ
オライトの窒素ガス吸着法(BJH法)で測定した細孔
容積が0.40ml/g以上に大きくなるので、NOx
還元用触媒として使用した場合に、耐久性に優れ、活性
劣化が少ないことが予想される。好ましくは酸処理pH
は2.5〜3.5の範囲であり、pHが2.5よりも低
い範囲では結晶構造がこわれる虞れがあるので望ましく
ない。またpHが3.5よりも高い範囲では、結晶構造
から脱離したアルミニウムを所望量まで除去できないの
で得られるゼオライトの細孔容積が小さくなり好ましく
ない。酸処理に使用される酸としては、硫酸、硝酸、塩
酸などの鉱酸の外、活性金属成分の塩類、例えば硝酸
銅、硫酸銅、塩化希土類などの溶液も使用可能である。
ライトは、例えばNa2Oとして2〜6wt%、好まし
くは4〜6wt%の範囲にある300℃、好ましくは1
50℃以上の温度でカ焼された経歴を有しないアンモニ
ウム−ナトリウム−ホージャサイト型ゼオライトを水蒸
気雰囲気中で焼成し、次いで該ゼオライトをpH3.5
以下で酸処理することにより製造される。該アンモニウ
ム−ナトリウム−ホージャサイト型ゼオライト(NH4
−Na−Y型ゼオライト)の水蒸気処理は、500〜8
50℃の温度で0.5〜10時間、好ましくは1〜6時
間、水蒸気雰囲気中回転焼成することによって行うこと
ができる。Na2Oの量が6wt%よりも多いNH4−N
a−Y型ゼオライトを水蒸気処理すると単位格子定数が
減少しにくく、結晶度が低下する傾向にあるので好まし
くない。Na2Oの量が2wt%より少ない場合は、得
られるUSYのアンモニア安定性が劣るので好ましくな
い。上記NH4−Na−Y型ゼオライトを水蒸気雰囲気
中で焼成することは、ゼオライトの結晶構造からアルミ
ニウムを結晶構造を破壊することなく脱離させるうえで
重要である。空気中で焼成したのでは本発明のゼオライ
トは得られない。該水蒸気処理されたゼオライトをpH
3.5以下で酸処理することによって、ナトリウム含有
量は2%以下に減少し、また結晶構造から脱離したアル
ミニウムが除去される。この酸処理により、得られるゼ
オライトの窒素ガス吸着法(BJH法)で測定した細孔
容積が0.40ml/g以上に大きくなるので、NOx
還元用触媒として使用した場合に、耐久性に優れ、活性
劣化が少ないことが予想される。好ましくは酸処理pH
は2.5〜3.5の範囲であり、pHが2.5よりも低
い範囲では結晶構造がこわれる虞れがあるので望ましく
ない。またpHが3.5よりも高い範囲では、結晶構造
から脱離したアルミニウムを所望量まで除去できないの
で得られるゼオライトの細孔容積が小さくなり好ましく
ない。酸処理に使用される酸としては、硫酸、硝酸、塩
酸などの鉱酸の外、活性金属成分の塩類、例えば硝酸
銅、硫酸銅、塩化希土類などの溶液も使用可能である。
【0010】一般に、モルデナイト、フェリエライト、
ZSM−5などは、強い酸強度を有するが酸量がホージ
ャサイト型ゼオライトに比較して少なく、ホージャサイ
ト型ゼオライトの固体酸については、NH4Yゼオライ
トはUSYゼオライトに比較して強酸点はなく、弱酸点
が多量に存在する。また、USYでは単位格子定数が小
さくなるほど強酸点が増加し、酸量が少なくなる傾向を
示すが、本発明の前記ホージャサイト型ゼオライトは、
高温領域においてアンモニアを吸着保持するために必要
な多量の強酸点を有し、しかも水分を含むアンモニアに
より結晶破壊を生じない強度を有するものである。
ZSM−5などは、強い酸強度を有するが酸量がホージ
ャサイト型ゼオライトに比較して少なく、ホージャサイ
ト型ゼオライトの固体酸については、NH4Yゼオライ
トはUSYゼオライトに比較して強酸点はなく、弱酸点
が多量に存在する。また、USYでは単位格子定数が小
さくなるほど強酸点が増加し、酸量が少なくなる傾向を
示すが、本発明の前記ホージャサイト型ゼオライトは、
高温領域においてアンモニアを吸着保持するために必要
な多量の強酸点を有し、しかも水分を含むアンモニアに
より結晶破壊を生じない強度を有するものである。
【0011】従来、単位格子定数が24.55Å以下の
USYは、特別な製造法で得られるUSY(例.特公昭
57−16925号公報)を除いてアンモニア安定性が
著しく劣る。しかし、本発明に使用されるホージャサイ
ト型ゼオライトは、Na2O含有量、SiO2/Al2O3
モル比、単位格子定数などの点では通常の超安定Y型ゼ
オライト(USY)の範疇に属するが、アンモニア安定
性が高く、この点において特異的である。なお、上記特
公昭57−16925号公報中には、熱水安定性に優
れ、かつアンモニアに対して安定なUSY型ゼオライト
は開示されているが、該ゼオライトは本発明のものとは
相違し、水蒸気処理後に酸処理されたものではない。従
って得られるゼオライトの細孔容積は、酸処理されたゼ
オライトに比較して小さい。しかも該公報には従来技術
として触媒用途について、ホージャサイト型ゼオライト
が炭化水素転化用触媒として広く利用されているという
簡単な一般的な説明はあるものの、それ以外に該発明の
ゼオライトの触媒用途についての具体的な記載はなく、
該触媒が本発明の触媒の目的とする窒素酸化物の還元に
使用すること、さらには低温領域から高温領域において
高い脱硝活性を示すことは示唆すらされていない。
USYは、特別な製造法で得られるUSY(例.特公昭
57−16925号公報)を除いてアンモニア安定性が
著しく劣る。しかし、本発明に使用されるホージャサイ
ト型ゼオライトは、Na2O含有量、SiO2/Al2O3
モル比、単位格子定数などの点では通常の超安定Y型ゼ
オライト(USY)の範疇に属するが、アンモニア安定
性が高く、この点において特異的である。なお、上記特
公昭57−16925号公報中には、熱水安定性に優
れ、かつアンモニアに対して安定なUSY型ゼオライト
は開示されているが、該ゼオライトは本発明のものとは
相違し、水蒸気処理後に酸処理されたものではない。従
って得られるゼオライトの細孔容積は、酸処理されたゼ
オライトに比較して小さい。しかも該公報には従来技術
として触媒用途について、ホージャサイト型ゼオライト
が炭化水素転化用触媒として広く利用されているという
簡単な一般的な説明はあるものの、それ以外に該発明の
ゼオライトの触媒用途についての具体的な記載はなく、
該触媒が本発明の触媒の目的とする窒素酸化物の還元に
使用すること、さらには低温領域から高温領域において
高い脱硝活性を示すことは示唆すらされていない。
【0012】本発明でのアンモニア安定性とは、以下の
試験法により測定される値である。すなわち、 (1)試料のホージャサイト型ゼオライトを十分に乾燥
した後、空気中で500℃で1時間焼成する。 (2)焼成して得られたゼオライトについてX線回折分
析により単位格子定数およびX線回折図の(533)及び
(642)面のピーク面積S0を求める。 (3)次いで(1)工程で得られたゼオライトを再水和
して水分量を約20〜25wt%とし、次いで常温でア
ンモニアガスでアンモニア化処理のため、飽和させた
後、過剰のアンモニアを窒素ガスで置換して除去する。 (4)(3)工程で得られたゼオライトを空気中で50
0℃で1時間焼成する。 (5)(4)工程で焼成されたゼオライトのX線回折分
析によりX線回折図の(533)及び(642)面のピ
ーク面積Sを求め、アンモニア安定性を次式により求め
る。 アンモニア安定性 = S/S0 × 100 (%)
試験法により測定される値である。すなわち、 (1)試料のホージャサイト型ゼオライトを十分に乾燥
した後、空気中で500℃で1時間焼成する。 (2)焼成して得られたゼオライトについてX線回折分
析により単位格子定数およびX線回折図の(533)及び
(642)面のピーク面積S0を求める。 (3)次いで(1)工程で得られたゼオライトを再水和
して水分量を約20〜25wt%とし、次いで常温でア
ンモニアガスでアンモニア化処理のため、飽和させた
後、過剰のアンモニアを窒素ガスで置換して除去する。 (4)(3)工程で得られたゼオライトを空気中で50
0℃で1時間焼成する。 (5)(4)工程で焼成されたゼオライトのX線回折分
析によりX線回折図の(533)及び(642)面のピ
ーク面積Sを求め、アンモニア安定性を次式により求め
る。 アンモニア安定性 = S/S0 × 100 (%)
【0013】本発明で使用される活性金属成分として
は、通常の窒素酸化物還元用触媒に使用される活性金属
成分が使用可能であり、例えば、銅、鉄、希土類、タン
グステン、モリブデン、クロムなどが挙げられる。特に
銅、鉄、クロム、希土類などの金属成分は好適である。
これらの活性金属成分は、単独あるいは組合せで使用す
ることも可能である。前述のホージャサイト型ゼオライ
トに担持する活性金属成分の量は、酸化物として1.0
〜15wt%、好ましくは3〜10wt%担持すること
が望ましい。これらの活性金属成分の前述のホージャサ
イト型ゼオライトへの担持方法としては、活性金属成分
を含む溶液中にゼオライトを浸漬して金属成分を沈着さ
せる方法、あるいは、イオン交換により担持する方法な
ど通常使用される担持方法が採用される。次いで必要に
応じて洗浄した後、乾燥、焼成して、ホージャサイト型
ゼオライトに活性金属成分が担持される。焼成は、通常
の窒素酸化物還元用触媒が焼成される温度、例えば40
0〜800℃で1〜10時間の範囲が採用される。
は、通常の窒素酸化物還元用触媒に使用される活性金属
成分が使用可能であり、例えば、銅、鉄、希土類、タン
グステン、モリブデン、クロムなどが挙げられる。特に
銅、鉄、クロム、希土類などの金属成分は好適である。
これらの活性金属成分は、単独あるいは組合せで使用す
ることも可能である。前述のホージャサイト型ゼオライ
トに担持する活性金属成分の量は、酸化物として1.0
〜15wt%、好ましくは3〜10wt%担持すること
が望ましい。これらの活性金属成分の前述のホージャサ
イト型ゼオライトへの担持方法としては、活性金属成分
を含む溶液中にゼオライトを浸漬して金属成分を沈着さ
せる方法、あるいは、イオン交換により担持する方法な
ど通常使用される担持方法が採用される。次いで必要に
応じて洗浄した後、乾燥、焼成して、ホージャサイト型
ゼオライトに活性金属成分が担持される。焼成は、通常
の窒素酸化物還元用触媒が焼成される温度、例えば40
0〜800℃で1〜10時間の範囲が採用される。
【0014】本発明に係るアンモニアを還元剤とする窒
素酸化物還元用触媒の他の態様としては、チタニヤ、ア
ルミナ、シリカなどの担体、あるいは、これらの担体に
タングステン、銅、鉄、モリブデン、バナジウムなどの
活性金属成分を担持した触媒などの他の第3成分を混合
併用することもできる。すなわち、該ホージャサイト型
ゼオライトに活性金属成分を担持した触媒と、チタニ
ア、アルミナあるいはそれらの前駆体、たとえば含水酸
化チタン、アルミナ水和物などと一緒に混合し、さらに
は、所望により活性金属成分をも混合しハニカム状、板
状、円筒状、円柱状、粒状など所望の形状に成型した
後、乾燥、焼成して、本発明に係るアンモニアを還元剤
とする窒素酸化物還元用触媒を製造することもできる。
また、該ホージャサイト型ゼオライトとチタニア、アル
ミナ、シリカあるいはそれらの前駆体および活性金属成
分を混合し所望の形状に成型、乾燥、焼成して本発明の
触媒を製造することもできるし、さらに本発明の触媒
は、該ホージャサイト型ゼオライト又は該ホージャサイ
ト型ゼオライトに活性金属成分を担持した触媒とチタニ
ア、アルミナ、シリカあるいはそれらの前駆体と混合し
所望の形状に成型、乾燥、焼成した後、更に活性金属成
分を担持することも可能である。なお、該ホージャサイ
ト型ゼオライトに活性金属成分を担持した窒素酸化物還
元用触媒は、少なくとも一度焼成されればよい。すなわ
ち、活性金属成分−ホージャサイト型ゼオライトを焼成
した後に、あるいは焼成することなく、チタニア、アル
ミナなどの第3成分と混合し、所望の形状に成型し、乾
燥、焼成して、本発明に係るアンモニアを還元剤とする
窒素酸化物還元用触媒を得る。
素酸化物還元用触媒の他の態様としては、チタニヤ、ア
ルミナ、シリカなどの担体、あるいは、これらの担体に
タングステン、銅、鉄、モリブデン、バナジウムなどの
活性金属成分を担持した触媒などの他の第3成分を混合
併用することもできる。すなわち、該ホージャサイト型
ゼオライトに活性金属成分を担持した触媒と、チタニ
ア、アルミナあるいはそれらの前駆体、たとえば含水酸
化チタン、アルミナ水和物などと一緒に混合し、さらに
は、所望により活性金属成分をも混合しハニカム状、板
状、円筒状、円柱状、粒状など所望の形状に成型した
後、乾燥、焼成して、本発明に係るアンモニアを還元剤
とする窒素酸化物還元用触媒を製造することもできる。
また、該ホージャサイト型ゼオライトとチタニア、アル
ミナ、シリカあるいはそれらの前駆体および活性金属成
分を混合し所望の形状に成型、乾燥、焼成して本発明の
触媒を製造することもできるし、さらに本発明の触媒
は、該ホージャサイト型ゼオライト又は該ホージャサイ
ト型ゼオライトに活性金属成分を担持した触媒とチタニ
ア、アルミナ、シリカあるいはそれらの前駆体と混合し
所望の形状に成型、乾燥、焼成した後、更に活性金属成
分を担持することも可能である。なお、該ホージャサイ
ト型ゼオライトに活性金属成分を担持した窒素酸化物還
元用触媒は、少なくとも一度焼成されればよい。すなわ
ち、活性金属成分−ホージャサイト型ゼオライトを焼成
した後に、あるいは焼成することなく、チタニア、アル
ミナなどの第3成分と混合し、所望の形状に成型し、乾
燥、焼成して、本発明に係るアンモニアを還元剤とする
窒素酸化物還元用触媒を得る。
【0015】本発明で使用する排ガス中の窒素酸化物を
還元する還元剤としては、アンモニアを使用する。本発
明の触媒が使用される処理の対象となる排ガスの種類は
窒素酸化物を含有するものであれば、特にその種類は限
定されるものではないが、ガスタービン、製鋼用平炉等
から排出されるガスのように500℃以上の高温の排ガ
スに使用すると特に有用である。本発明の触媒を使用し
て排ガスを処理する条件は、従来排ガスのNOxをアン
モニア等の還元剤の存在下に還元除去するに際して通常
使用されている反応条件を採用することができる。
還元する還元剤としては、アンモニアを使用する。本発
明の触媒が使用される処理の対象となる排ガスの種類は
窒素酸化物を含有するものであれば、特にその種類は限
定されるものではないが、ガスタービン、製鋼用平炉等
から排出されるガスのように500℃以上の高温の排ガ
スに使用すると特に有用である。本発明の触媒を使用し
て排ガスを処理する条件は、従来排ガスのNOxをアン
モニア等の還元剤の存在下に還元除去するに際して通常
使用されている反応条件を採用することができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。 参考例1 原料NaYの製造 水硝子、シリカゲル、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム及び水を使用して下記のモル組成を有する反応
混合物を調製した。 2.7Na2O:Al2O3:8SiO2:120H2O この反応混合物を95℃の温度で48時間保持して濾過
し、得られたケーキを110℃で16時間乾燥すること
により、NaY(ナトリウム−Y型フォージャサイト)
を製造した。そして、X線回折法及び化学分析から、こ
のNa−Yは結晶化度が110%で、単位格子の大きさ
が24.70Åで、SiO2/Al2O3モル比は4.8
であることを確認した。なお、結晶化度はX線回折図の
(533)及び(642)面の総ピーク面積Sを求め、
市販のナトリウム−Y型ゼオライト(ユニオン・カーバ
イト製、SK−40)の場合の総ピーク面積S0を結晶
化度100%として次式から求めた。 結晶化度 = 100S/S0
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。 参考例1 原料NaYの製造 水硝子、シリカゲル、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム及び水を使用して下記のモル組成を有する反応
混合物を調製した。 2.7Na2O:Al2O3:8SiO2:120H2O この反応混合物を95℃の温度で48時間保持して濾過
し、得られたケーキを110℃で16時間乾燥すること
により、NaY(ナトリウム−Y型フォージャサイト)
を製造した。そして、X線回折法及び化学分析から、こ
のNa−Yは結晶化度が110%で、単位格子の大きさ
が24.70Åで、SiO2/Al2O3モル比は4.8
であることを確認した。なお、結晶化度はX線回折図の
(533)及び(642)面の総ピーク面積Sを求め、
市販のナトリウム−Y型ゼオライト(ユニオン・カーバ
イト製、SK−40)の場合の総ピーク面積S0を結晶
化度100%として次式から求めた。 結晶化度 = 100S/S0
【0017】参考例2 参考例1で製造したNaY(試料Y)を用いての本発明
に使用するホージャサイト型ゼオライトの調製方法を示
す。焼成していない試料Y 1kgを0.38モル/リ
ットルの硫酸アンモニウム塩水溶液10リットルと温度
90℃で接触させた後、洗浄して、NaYのナトリウム
イオンの一部をアンモニウムイオン交換したNH4−N
a−Y型ゼオライト(Na2O含量5.9wt%)を調
製した。次いでこのNH4−Na−Y型ゼオライトを水
蒸気雰囲気中で600℃−3時間焼成した後、該ゼオラ
イトを温度60℃に保持した1.64モル/リットル硫
酸アンモニウム塩水溶液5リットルに懸濁し、さらに2
5wt%硫酸を添加して該懸濁スラリーのpHを2.7
(60℃)に調整して加温し、温度90℃で1時間酸処
理し、次いで洗浄、乾燥してホージャサイト型ゼオライ
ト(試料a)を調製した。このホージャサイト型ゼオラ
イトの性状を表−1に示す。
に使用するホージャサイト型ゼオライトの調製方法を示
す。焼成していない試料Y 1kgを0.38モル/リ
ットルの硫酸アンモニウム塩水溶液10リットルと温度
90℃で接触させた後、洗浄して、NaYのナトリウム
イオンの一部をアンモニウムイオン交換したNH4−N
a−Y型ゼオライト(Na2O含量5.9wt%)を調
製した。次いでこのNH4−Na−Y型ゼオライトを水
蒸気雰囲気中で600℃−3時間焼成した後、該ゼオラ
イトを温度60℃に保持した1.64モル/リットル硫
酸アンモニウム塩水溶液5リットルに懸濁し、さらに2
5wt%硫酸を添加して該懸濁スラリーのpHを2.7
(60℃)に調整して加温し、温度90℃で1時間酸処
理し、次いで洗浄、乾燥してホージャサイト型ゼオライ
ト(試料a)を調製した。このホージャサイト型ゼオラ
イトの性状を表−1に示す。
【0018】参考例3 参考例2と同様にして調製したNH4−Na−Y型ゼオ
ライト(Na2O含量5.9wt%)を、水蒸気雰囲気
中で650℃−3時間焼成した後、該ゼオライトをpH
2.5で酸処理した外は参考例2と同様にしてホージャ
サイト型ゼオライト(試料b)を調製した。このホージ
ャサイト型ゼオライトの性状を表−1に示す。
ライト(Na2O含量5.9wt%)を、水蒸気雰囲気
中で650℃−3時間焼成した後、該ゼオライトをpH
2.5で酸処理した外は参考例2と同様にしてホージャ
サイト型ゼオライト(試料b)を調製した。このホージ
ャサイト型ゼオライトの性状を表−1に示す。
【0019】参考例4 焼成していない試料Yを硫酸アンモニウム塩水溶液と接
触させて1回目のイオン交換をし、NH4−Na−Y型
ゼオライト(Na2O含量5.9wt%)を調製した。
次にイオン交換率を高めてNa2O含量を減少させるた
めに、このNH4−Na−Y型ゼオライトを空気中で6
30℃−3時間焼成した後、さらに硫酸アンモニウム塩
水溶液を用いて2回目のイオン交換をし、洗浄、乾燥し
て、Na2O量の1.60wt%のNH4−Na−Y型ゼ
オライト(試料c)を調製した。このゼオライトの性状
を表−1に示す。
触させて1回目のイオン交換をし、NH4−Na−Y型
ゼオライト(Na2O含量5.9wt%)を調製した。
次にイオン交換率を高めてNa2O含量を減少させるた
めに、このNH4−Na−Y型ゼオライトを空気中で6
30℃−3時間焼成した後、さらに硫酸アンモニウム塩
水溶液を用いて2回目のイオン交換をし、洗浄、乾燥し
て、Na2O量の1.60wt%のNH4−Na−Y型ゼ
オライト(試料c)を調製した。このゼオライトの性状
を表−1に示す。
【0020】参考例5 参考例4で得られたゼオライト(試料c)の一部を参考
例2と同様に水蒸気雰囲気中で650℃−3時間焼成
後、該ゼオライトをpH2.7で酸処理して、洗浄、乾
燥しホージャサイト型ゼオライト(試料d)を調製し
た。このゼオライトの性状を表−1に示す。
例2と同様に水蒸気雰囲気中で650℃−3時間焼成
後、該ゼオライトをpH2.7で酸処理して、洗浄、乾
燥しホージャサイト型ゼオライト(試料d)を調製し
た。このゼオライトの性状を表−1に示す。
【表1】 *1 ユニオン・カーバイト社製SK−40を100と
しての相対値。 *2 本明細書の記載に基づいての測定値。 *3 500℃−1hr焼成したものの細孔容積
しての相対値。 *2 本明細書の記載に基づいての測定値。 *3 500℃−1hr焼成したものの細孔容積
【0021】実施例1 参考例2〜5で得られたホージャサイト型ゼオライトの
試料a〜dの一部を、それぞれNH4OH水でpH3.
8に調整した硝酸銅水溶液(CuOとして15wt%)
に懸濁し、60℃で3時間撹拌した。次いで固液を分離
し、洗浄した後、105℃で20時間焼成し、650℃
で3時間焼成して得られたゼオライトを打錠成形し、銅
担持ホージャサイト型ゼオライト触媒A〜Dを調製し
た。触媒A〜Dの金属成分の担持量を表−2、3に示
す。
試料a〜dの一部を、それぞれNH4OH水でpH3.
8に調整した硝酸銅水溶液(CuOとして15wt%)
に懸濁し、60℃で3時間撹拌した。次いで固液を分離
し、洗浄した後、105℃で20時間焼成し、650℃
で3時間焼成して得られたゼオライトを打錠成形し、銅
担持ホージャサイト型ゼオライト触媒A〜Dを調製し
た。触媒A〜Dの金属成分の担持量を表−2、3に示
す。
【0022】実施例2 参考例3で得られたホージャサイト型ゼオライトの試料
bの一部をNH4OH水でpH3.8に調整した硝酸銅
水溶液(CuOとして15wt%)に懸濁し、60℃で
5分間撹拌してイオン交換した後、洗浄、乾燥し、60
0℃で3時間焼成した。次いで、この銅担持ゼオライト
をさらにpH3.5の塩化鉄水溶液(Fe2O3として1
5wt%)に懸濁し、60℃で30分間撹拌した後、1
05℃で20時間乾燥し、600℃で3時間焼成して得
られたゼオライトを打錠成形し、銅と鉄を担持したホー
ジャサイト型ゼオライト触媒(B−II)を調製した。
bの一部をNH4OH水でpH3.8に調整した硝酸銅
水溶液(CuOとして15wt%)に懸濁し、60℃で
5分間撹拌してイオン交換した後、洗浄、乾燥し、60
0℃で3時間焼成した。次いで、この銅担持ゼオライト
をさらにpH3.5の塩化鉄水溶液(Fe2O3として1
5wt%)に懸濁し、60℃で30分間撹拌した後、1
05℃で20時間乾燥し、600℃で3時間焼成して得
られたゼオライトを打錠成形し、銅と鉄を担持したホー
ジャサイト型ゼオライト触媒(B−II)を調製した。
【0023】実施例3 参考例3で得られたホージャサイト型ゼオライトの試料
bの一部をNH4OH水でpH4.0に調整したCeC
l3・7H2Oの溶解水溶液に懸濁し、80℃で2時間撹
拌した。次いで固液を分離し、洗浄した後、105℃で
20時間乾燥し、600℃で3時間焼成して得られたゼ
オライトを打錠成形し、Ce2O3担持ホージャサイト型
ゼオライト触媒(B−III)を調製した。
bの一部をNH4OH水でpH4.0に調整したCeC
l3・7H2Oの溶解水溶液に懸濁し、80℃で2時間撹
拌した。次いで固液を分離し、洗浄した後、105℃で
20時間乾燥し、600℃で3時間焼成して得られたゼ
オライトを打錠成形し、Ce2O3担持ホージャサイト型
ゼオライト触媒(B−III)を調製した。
【0024】実施例4 表面積150m2/gのアナターゼ酸化チタンの粉にメ
タタングステン酸アンモニウムの水溶液を含浸し、55
0℃で6時間焼いて、WO3として、8重量%を含むT
iO2−WO3のパウダー(X)を得た。実施例3で得ら
れたCeO2として4.1重量%含むCe−Yゼオライ
ト粉(Y)と(X)粉をY:Xが8:2の重量で混合
し、水と有機可塑剤を加え混練し、成形してペレットを
得た。これを乾燥した後、600℃で3時間焼成し、触
媒(B−IV)を得た。
タタングステン酸アンモニウムの水溶液を含浸し、55
0℃で6時間焼いて、WO3として、8重量%を含むT
iO2−WO3のパウダー(X)を得た。実施例3で得ら
れたCeO2として4.1重量%含むCe−Yゼオライ
ト粉(Y)と(X)粉をY:Xが8:2の重量で混合
し、水と有機可塑剤を加え混練し、成形してペレットを
得た。これを乾燥した後、600℃で3時間焼成し、触
媒(B−IV)を得た。
【0025】実施例5 参考例3で得られたホージャサイト型ゼオライトの試料
bと、アナターゼ型TiO2パウダーとを68:32重
量比で混合し、打錠成形機で成形し、粒状の触媒を得
た。この成形品を500℃で3時間焼成した後、CeC
l3の水溶液に浸し、CeCl3を含浸した。このCe含
浸触媒を600℃で3時間焼成し、Ceを担持したTi
O2とY型ゼオライトを混合し触媒を得た。担持Ceを
化学分析した結果Ce2O3として6.0重量%含まれて
いた。この触媒を(B−V)とする。
bと、アナターゼ型TiO2パウダーとを68:32重
量比で混合し、打錠成形機で成形し、粒状の触媒を得
た。この成形品を500℃で3時間焼成した後、CeC
l3の水溶液に浸し、CeCl3を含浸した。このCe含
浸触媒を600℃で3時間焼成し、Ceを担持したTi
O2とY型ゼオライトを混合し触媒を得た。担持Ceを
化学分析した結果Ce2O3として6.0重量%含まれて
いた。この触媒を(B−V)とする。
【0026】実施例6(対照触媒) 参考例3で得られたNH4−Na−Y型ゼオライト(試
料b)の一部を600℃で3時間焼成し、打錠成形して
活性金属成分を担持していない水素型のホージャサイト
型ゼオライト触媒(B−VI)を調製した。 実施例7(対照触媒) 市販のモルデナイト型ゼオライト(東ソ(株)製;HS
Z−640HOA)をNH4OH水でpH3.8に調整
したCu(NO3)2・3H2Oの溶解水溶液に懸濁し、
80℃で2時間撹拌した。次いで固液を分離し、洗浄し
た後、105℃で20時間乾燥し、600℃で3時間焼
成して得られたゼオライトを打錠成形し、銅を担持した
モルデナイト型ゼオライト触媒(E)を調製した。 実施例8(触媒の評価) 実施例1〜7で調製した触媒A〜D及びB−II〜B−
V、B−VI、Eについて以下の方法で触媒の性能評価を
行った。反応器にそれぞれの触媒を充填し、以下のガス
組成を有するガスを所定の反応温度で10時間流した後
に脱硝率を求めた。ガスの空間速度は15,000hr
-1で、反応温度は300、400、450、500、5
50、600℃の6点とした。脱硝率(%)は、柳本製
作所製ECL−77Aタイプの化学発光式分析計で反応
前と反応後のNOx濃度を測定し下式に基づいて計算し
た。 ガス組成; NOx 100ppm NH3 120ppm O 2% H2O 10% CO2 12% N2 balance 触媒(A〜D及びB−II〜B−V、B−VI、E)の評価
結果を表−2、3、4に示す。
料b)の一部を600℃で3時間焼成し、打錠成形して
活性金属成分を担持していない水素型のホージャサイト
型ゼオライト触媒(B−VI)を調製した。 実施例7(対照触媒) 市販のモルデナイト型ゼオライト(東ソ(株)製;HS
Z−640HOA)をNH4OH水でpH3.8に調整
したCu(NO3)2・3H2Oの溶解水溶液に懸濁し、
80℃で2時間撹拌した。次いで固液を分離し、洗浄し
た後、105℃で20時間乾燥し、600℃で3時間焼
成して得られたゼオライトを打錠成形し、銅を担持した
モルデナイト型ゼオライト触媒(E)を調製した。 実施例8(触媒の評価) 実施例1〜7で調製した触媒A〜D及びB−II〜B−
V、B−VI、Eについて以下の方法で触媒の性能評価を
行った。反応器にそれぞれの触媒を充填し、以下のガス
組成を有するガスを所定の反応温度で10時間流した後
に脱硝率を求めた。ガスの空間速度は15,000hr
-1で、反応温度は300、400、450、500、5
50、600℃の6点とした。脱硝率(%)は、柳本製
作所製ECL−77Aタイプの化学発光式分析計で反応
前と反応後のNOx濃度を測定し下式に基づいて計算し
た。 ガス組成; NOx 100ppm NH3 120ppm O 2% H2O 10% CO2 12% N2 balance 触媒(A〜D及びB−II〜B−V、B−VI、E)の評価
結果を表−2、3、4に示す。
【0027】
【効果】本発明で使用されるホージャサイト型ゼオライ
トは、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触媒
において通常の単位格子定数が24.55Å以下の超安
定Y型ゼオライトに比較して、アンモニア安定性が非常
に高いために、低温領域から高温領域において幅広い反
応温度においてアンモニアなどの還元剤の存在下に排ガ
ス中のNOx除去に高い脱硝効果を発揮する。
トは、アンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触媒
において通常の単位格子定数が24.55Å以下の超安
定Y型ゼオライトに比較して、アンモニア安定性が非常
に高いために、低温領域から高温領域において幅広い反
応温度においてアンモニアなどの還元剤の存在下に排ガ
ス中のNOx除去に高い脱硝効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長野 清 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触 媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 越川 武男 茨城県稲敷郡阿見町中央1丁目11番3号 302 (72)発明者 山内 章弘 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1438−46 (72)発明者 忍田 文次 神奈川県横浜市戸塚区吉田町1006 三菱 油化株式会社戸塚寮107号 (56)参考文献 特開 昭54−155175(JP,A) 特開 平4−228417(JP,A) 特公 昭57−16925(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 B01D 53/86
Claims (7)
- 【請求項1】 ホージャサイト型ゼオライトに活性金属
成分を担持してなる窒素酸化物還元用触媒において、該
ホージャサイト型ゼオライトが下記(A)、(B)、
(C)、(D)の特性を有することを特徴とするアンモ
ニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触媒。 (A) Na2O含有量が2.0wt%以下、 (B) SiO2/Al2O3モル比が6.0以上、 (C) 単位格子定数が24.55Å以下、 (D) アンモニア安定性が80%以上、 - 【請求項2】 ホージャサイト型ゼオライトが、カ焼さ
れた経歴を有しないアンモニウム−ナトリウム−ホージ
ャサイト型ゼオライトを500〜850℃の温度で0.
5〜10時間水蒸気雰囲気中で焼成し、次いで該ゼオラ
イトをpH3.5以下で酸処理することにより製造され
たものである請求項1記載のアンモニアを還元剤とする
窒素酸化物還元用触媒。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の触媒(1)、チ
タニア、アルミナ、シリカあるいはその前駆体(2)、
さらには必要に応じ活性金属成分(3)を混合し、所望
の形状に成形した後、乾燥および焼成して製造されたも
のであるアンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元用触
媒。 - 【請求項4】 請求項1または2記載のホージャサイト
型ゼオライト(1)、チタニア、アルミナ、シリカある
いはその前駆体(2)、活性金属成分(3)を混合し、
所望の形状に成形した後、乾燥および焼成して製造され
たものであるアンモニアを還元剤とする窒素酸化物還元
用触媒。 - 【請求項5】 請求項1または2記載の活性金属成分が
担持されていないホージャサイト型ゼオライト又は活性
金属成分が担持されている触媒(1)、チタニア、アル
ミナ、シリカあるいはその前駆体(2)を混合し、所望
の形状に成形、乾燥および必要に応じ焼成後、活性金属
成分(3)を担持して製造されたものであるアンモニア
を還元剤とする窒素酸化物還元用触媒。 - 【請求項6】 排ガス中の窒素酸化物をアンモニアによ
り接触還元分解する方法において、窒素酸化物を含有す
る排ガスおよびアンモニアを、請求項1〜5いずれか記
載の窒素酸化物還元用触媒と接触させることを特徴とす
る窒素酸化物含有排ガスの処理方法。 - 【請求項7】 処理温度が500℃以上である請求項6
記載の窒素酸化物含有排ガスの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32951391A JP3298914B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32951391A JP3298914B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05138030A JPH05138030A (ja) | 1993-06-01 |
JP3298914B2 true JP3298914B2 (ja) | 2002-07-08 |
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ID=18222218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32951391A Expired - Fee Related JP3298914B2 (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 窒素酸化物の還元用触媒および窒素酸化物の接触還元分解方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3298914B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2008264701A (ja) * | 2007-04-20 | 2008-11-06 | Toyota Motor Corp | NOx吸着材の製造方法及びNOx吸着材 |
US7695703B2 (en) * | 2008-02-01 | 2010-04-13 | Siemens Energy, Inc. | High temperature catalyst and process for selective catalytic reduction of NOx in exhaust gases of fossil fuel combustion |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP32951391A patent/JP3298914B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05138030A (ja) | 1993-06-01 |
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