JP3298848B2 - トンネル防水構造およびその施工方法 - Google Patents

トンネル防水構造およびその施工方法

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JP3298848B2 JP18781699A JP18781699A JP3298848B2 JP 3298848 B2 JP3298848 B2 JP 3298848B2 JP 18781699 A JP18781699 A JP 18781699A JP 18781699 A JP18781699 A JP 18781699A JP 3298848 B2 JP3298848 B2 JP 3298848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はトンネル防水構造お
よびその施工方法に関する。更に詳しくは、ウォーター
タイト(水密)型シート防水工を適用したサイロット工
法によるトンネルや、2連もしくは3連トンネル等の多
連トンネルにおけるトンネル防水構造およびその施工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般にウォータータイト型シート防
水工を適用したトンネルでは、掘削したトンネルの地山
内面もしくは地山内面に施工した一次覆工コンクリート
(以下、単に一次覆工という)の内面全周に防水シート
を敷設して地中の水がトンネル内に入るのを防止するも
ので、その防水シートとしては一般に不透水性の合成樹
脂シートが用いられ、その防水シートと上記地山内面も
しくは一次覆工内面との間には必要に応じて不織布等の
緩衝材が介在される。
【0003】上記のようなシート防水工を、サイロット
工法によるトンネルや、2連もしくは3連トンネル等の
多連トンネルに適用したものは知られている。図11は
サイロット工法によるトンネルに適用した従来例、図1
2は3連トンネルに適用した従来例である。
【0004】上記図11に示すようなサイロット工法に
よるトンネルでは、サイロットトンネルと称する左右の
トンネル部分T1,T1を掘削してから、その両トンネ
ル部分T1,T1間にメインとなるトンネル部分T2を
掘削するもので、それらのトンネル部分T1,T2の地
山1の内面もしくはその内面に施工した一次覆工2(不
図示)の内面全周に不織布等の緩衝材3を介して防水シ
ート4が敷設され、その防水シート4の内面側に二次覆
工コンクリート(以下、単に二次覆工という)5が設け
られている。
【0005】また図12に示すような3連トンネルで
は、一般に中央のトンネル部分T1を先に掘削した後、
その両側のトンネル部分T2・T2を掘削するもので、
それらのトンネル部分T1,T2の地山内面もしくはそ
の内面に施工した一次覆工の内面全周には上記図11と
同様に緩衝材3を介して防水シート4が敷設され、その
防水シート4の内面側に二次覆工5が設けられている。
【0006】上記図11および図12に示すような多連
トンネルでは、隣り合うトンネル部分T1,T2の境界
部Ka,Kb、特に上側の境界部Ka付近の防水シート
4の強度が不足し勝ちであり、しかも上記の境界部は最
も湧水が溜まりやすく、漏水が発生し易い場所でもあ
る。またトンネル掘削時に上記境界部Ka,Kb付近の
防水シート4が損傷する等の問題がある。
【0007】即ち、上記のような多連トンネル、例えば
上記図12に示すような3連トンネル等を施工する場合
には、先に掘削したトンネル部分T1の地山内面等に緩
衝材3や防水シート4を敷設し、その内面側に二次覆工
5を打設してから隣のトンネル部分T2を掘削するもの
で、その際、先に掘削したトンネル部分T1と、後に掘
削するトンネル部分T2との境界部Ka,Kb、例えば
図12における鎖線部Cの境界部Kaにおいては、図1
3(a)に拡大して示すように防水シート4の端部4a
を、境界部Kaよりもトンネル部分T2側に延長させて
設けると共に、その延長端部4aがトンネル空間内に露
出するようにして二次覆工5を打設する。
【0008】次いで、図13(b)のように隣のトンネ
ル部分T2を掘削して、そのトンネル部分T2内に緩衝
材3および防水シート4を敷設し、その防水シート4
と、先に敷設された防水シート4の前記延長端部4aと
を溶着等で接合するもので、上記のトンネル部分T2を
掘削する際に、先に敷設された防水シート4の前記延長
部4aに掘削機が接触して破損する等のおそれがある。
その破損した防水シートは補修する必要があるが、既に
打設された二次覆工の近傍で破損した場合には、手の施
しようがないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みて提案されたもので、多連トンネルにおいて掘削
拡幅時に先に敷設した防水シートが破損するのを極力防
止できるようにすると共に、万一、破損した場合にも容
易に補修することのできるトンネル防水構造およびその
施工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明によるトンネル防水構造およびその施工方法
は以下の構成としたものである。
【0011】即ち、本発明によるトンネルの防水構造
は、複数回に分けて掘削される複数個のトンネル部分か
らなる多連トンネル内に防水シートを連続して敷設する
トンネル防水構造において、上記複数個の隣り合うトン
ネル部分の境界部に対応する防水シート内面にウォータ
ーバリアを設けると共に、上記境界部に対応する防水シ
ートの外面側に保護板を設けたことを特徴とする。
【0012】上記のウォーターバリアによって、万一防
水シートが破損等して水漏れが生じた場合に、漏水が広
範囲に広がるのを防ぐことができると共に、その漏水個
所の発見や補修が容易となる。しかもウォーターバリア
によって防水シートが補強され、防水シートが破損等す
るのを可及的に低減させることが可能となる。また前記
境界部に対応する防水シートの外面側(地山側)に保護
板を設けたことによって、上記ウォーターバリアによる
補強効果と相まって防水シートの破損等を更に低減させ
ることが可能となる。
【0013】また本発明によるトンネルの防水構造は、
複数回に分けて掘削される複数個のトンネル部分からな
る多連トンネル内に防水シートを連続して敷設するトン
ネル防水構造において、上記複数個の隣り合うトンネル
部分の境界部に対応する防水シート内面に、シート状の
基材と、その基材に一体的に設けた複数個のリブとより
なるウォーターバリアを設け、そのウォーターバリアの
隣り合うリブ間に、周面に多数の孔を有する排気注入ホ
ースを設けたもので、その排気注入ホースによって、上
記防水シート内面側に二次覆工コンクリートを打設する
際に隣り合うリブ間に溜まった空気を排出したり、打設
後に注入材等を充填して空隙を埋めることが可能とな
る。
【0014】また本発明によるトンネル防水構造の施工
方法は、複数回に分けて掘削される複数個のトンネル部
分からなる多連トンネル内に防水シートを連続して敷設
するトンネル防水構造の施工方法であって、先に掘削し
たトンネル部分の地山内面もしくはその地山内面に打設
した一次覆工コンクリート内面に防水シートを敷設する
と共に、上記複数個の隣り合うトンネル部分の境界部に
対応する防水シート内面にウォーターバリアを固着し、
上記防水シートの端部およびウォータバリアの一部を露
出させた状態で上記防水シートの内面側に二次覆工コン
クリートを打設してから隣接するトンネル部分を掘削す
ることを特徴とする。
【0015】上記のように防水シートの端部およびウォ
ータバリアの一部を露出させた状態で防水シートの内面
側に二次覆工コンクリートを打設することによって、隣
接するトンネル部分を掘削する際に上記露出部分を掘削
位置から退避移動させて掘削作業を行うことができると
共に、隣接するトンネル内に敷設される防水シートを容
易に接合させることができる。また防水シート内面にウ
ォーターバリアを設けたことによって前述のように防水
シートが補強され、隣接するトンネル部分を掘削する際
に掘削機が接触したり、掘削した岩盤の破片等が防水シ
ートに当たっても破損等するのを可及的に低減すること
が可能となる。
【0016】なお前記複数個の隣り合うトンネル部分の
境界部に対応する防水シート外面側に必要に応じて保護
板を配置し、その保護板により前記防水シートの端部お
よびウォータバリアの一部を覆った状態で隣接するトン
ネル部分を掘削すると、防水シートが破損等するのを更
に確実に防止することができる。
【0017】前記ウォーターバリアはシート状の基材
と、その基材に一体的に設けた複数個のリブとで構成
し、その隣り合うリブ間に、必要に応じて周面に多数の
孔を有する排気注入ホースを設け、前記二次覆工コンク
リートを打設する際に上記の隣り合うリブ間の空気を上
記排気注入ホースを介して排気すると、上記リブ間に空
気だまりが生じるのを防止することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるトンネル防水
構造およびその施工方法を、図に示す実施形態に基づい
て具体的に説明する。
【0019】図1は本発明によるトンネル防水構造の一
実施形態を示すもので、同図(a)はトンネルの横断面
図、同図(b)はそのトンネル内周面に敷設した防水シ
ートの上部アーチ部の展開内面図、同図(c)は底部の
展開内面図である。また図2(a)および(b)は図1
(a)における鎖線部AおよびBの拡大図である。
【0020】本実施形態は3連トンネルに適用したもの
で、その3つのトンネル部分T1,T2,T2の地山1
の内面には、図1には省略したが一次覆工2が施工さ
れ、その一次覆工2の内面に不織布等よりなる緩衝材3
を介して防水シート4が敷設されている。その防水シー
ト4は、本実施形態においては所定のシート幅Wを有す
るシート厚さ2乃至3mmのポリエチレン等の熱可塑性
樹脂からなる不透水性シートが用いられ、そのシートを
所定の長さに裁断してトンネル長手方向Sおよびトンネ
ル周方向Rに順次溶着等で一体的につなぎ合せた構成で
ある。
【0021】上記防水シート4の内面には、図1〜図3
に示すように上記各トンネル部分T1,T2毎に、かつ
トンネル長手方向に所定の長さ(スパン)L毎に順次二
次覆工5が打設され、そのトンネル長手方向に隣り合う
二次覆工5の打継目J1に対応する防水シート4の内面
にトンネル周方向に延びるウォーターバリア61が設け
られている。
【0022】また隣り合うトンネル部分T1,T2の境
界部Ka,Kbに対応する防水シート4の内面にトンネ
ル長手方向に延びるウォーターバリア62が設けられ、
そのウォーターバリア62は本実施形態においては隣り
合うトンネル部分T1,T2の二次覆工5の境目、すな
わち二次覆工5のトンネル周方向の打継目J2にも対応
している。また上記ウォーターバリア61と同62との
交差部には、十字形のウォーターバリア63が設けられ
ている。
【0023】上記各ウォーターバリア61〜63は、図
2および図3に示すようにシート状の熱可塑性樹脂等よ
りなる基材6aの片面に複数本のリブ(突条)6bを一
体的に設けた構成であり、本実施形態においては、防水
シート4と同材質の厚さ4mmの基材6aの片面に、高
さ30mmのリブ6bが基材6aの幅方向両側に3本ず
つ、合せて6本設けられている。
【0024】上記各ウォーターバリア61,62のリブ
6bと、十字形のウォーターバリア63のリブ6bとは
互いに連続するように配置されており、また上記基材6
aを防水シート4の内面に溶着等することによって上記
各ウォーターバリア61〜63は防水シート4に一体的
に固着されている。
【0025】上記のトンネル周方向に延びるウォーター
バリア61によって防水シート4と二次覆工5との接触
面dが、トンネル長手方向に二次覆工5の打設スパン長
L毎に仕切られた状態となっており、またトンネル長手
方向に延びるウォーターバリア62によって防水シート
4と二次覆工5との接触面dが、前記の各トンネル部分
T1,T2毎に仕切られた状態となっている。従って上
記防水シート4と二次覆工5との接触面dは、ウォータ
ーバリア61〜63によってトンネル長手方向には二次
覆工5の打設長さL毎に仕切られ、トンネル周方向には
4つに仕切られた状態になっている。
【0026】そのため、万一防水シート4が破損して防
水シート4と二次覆工5との接触面dに水が浸入した場
合にも、その浸入した漏水が広範囲に広がるのを防ぐこ
とができると共に、その漏水個所の発見や補修は上記ウ
ォーターバリア61〜63で仕切られた範囲内で行えば
よいので容易に補修作業を行うことができる。
【0027】また隣り合うトンネル部分T1,T2の境
界部Ka,Kbに対応してウォーターバリア62を防水
シート4に一体的に設けたので、トンネル構造上、湧水
が溜まりやすく、水圧が掛かりやすい上記境界部の防水
シート4を良好に補強することができる。
【0028】なお、必要に応じて例えば図2(a)およ
び(b)に示すように上記の境界部Ka,Kbに対応し
て防水シート4の地山側に鉄板その他の金属板等よりな
る保護板7を設けるとよく、本実施形態においては厚さ
3mmの鉄板が設けられている。その保護板7によって
後述するトンネル掘削時やトンネル施工後に掘削機や地
山が防水シート4に接触して損傷したり、破損するのを
更に確実に防止することが可能となる。この場合、図示
例のように緩衝材3を設けるものにあっては、上記保護
板7を図2(a)および(b)に示すように緩衝材3の
地山側に設けるのが望ましいが、緩衝材3と防水シート
4との間に介在させてもよい。
【0029】また前記ウォーターバリア61,62、特
にトンネル上部に配設されるウォーターバリア61,6
2のリブ6b・6b間には、排気注入ホース(排気グラ
ウトホース)8を設けるとよく、図の実施形態において
は図2〜図4に示すようにトンネル長手方向に延びるウ
ォーターバリア61には左右3本ずつ合せて6本の排気
注入ホース8が設けられ、トンネル周方向に延びるウォ
ーターバリア62にはで左右2本ずつ合せて4本の排気
注入ホース8が設けられている。
【0030】上記各排気注入ホース8の両端部は、二次
覆工5の中を通ってトンネル空間側に開口している。ま
た上記各排気注入ホース8は図5に示すように、周面に
多数の貫通小孔81aを有する有孔管81の外周面にメ
ッシュや布等よりなる編組管を被覆したもので、図の場
合は編み方や編組密度等の異なる2種類の編組管82・
83が被覆され、二次覆工5を打設する際に空気の流通
は許容するがコンクリートが上記有孔管81内に浸入す
るのを阻止する構造となっている。
【0031】さらに、前記3つのトンネル部分T1,T
2の各二次覆工5の天端部(最上位置)には、図6に示
すように注入材充填孔9を必要に応じて設けるとよく、
本実施形態においては上記各トンネル部分T1,T2の
天端部にそれぞれトンネル長手方向に所定の間隔をおい
て複数個の注入材充填孔9が設けられいる。その注入材
充填孔9の上端は防水シート4と二次覆工5との間に開
口し、下端はトンネル空間内に開口している。
【0032】その注入材充填孔9の形成手段等は適宜で
あるが、本実施形態においては各トンネル部分の二次覆
工5を施工する際に、コンタクトグラウト管91と、そ
の管91に嵌まる棒状の心材92とを二次覆工施工用コ
ンクリート内に配置し、そのコンクリートがほぼ固まっ
たところで上記心材92のみを引き抜くことによって注
入材充填孔9を形成したものである。
【0033】上記のようなトンネル防水構造を施工する
に当たっては、例えば以下の要領で施工すればよい。図
7〜図10はその施工プロセスを示すもので、それら各
図の(a)および(b)は、それぞれ前記図1(a)に
おける鎖線部Aおよび鎖線部Bに対応する部分の拡大図
である。
【0034】本実施形態のような3連トンネルにおいて
は、図7(a)および(b)に示すように前記従来例と
同様に先に真中のトンネル部分T1を掘削し、その地山
1の内面に必要に応じて一次覆工や支保工建込およびロ
ックボルト施工等を行い、また必要に応じて上記地山内
面もしくは一次覆工内面に緩衝材3を敷設する。その緩
衝材3の取付け手段は適宜であるが、本実施形態におい
てはディスクワッシャ11と、アンカー釘やボルト12
等よりなる固定具10で取付けられている。
【0035】次いで、防水シート4を敷設するもので、
その防水シート4は貫通孔を開けることなく固定するの
が望ましい。本実施形態においては緩衝材3を取付けた
上記ディスクワッシャ11を防水シート4と同材質の合
成樹脂製とし、そのディスクワッシャ11に防水シート
4を溶着することによって固定している。図7におい
て、15は防水シート4の仮止め用アンカー釘である。
【0036】その防水シート4の内面には、前述のよう
にウォーターバリア61〜63を溶着等により取付ける
もので、防水シート4の内面側に打設される二次覆工5
のトンネル長手方向の打継目J1に対応する位置にウォ
ーターバリア61を、上記トンネル部分T1と後から掘
削するトンネル部分T2との境界部Ka,Kbに対応す
る位置にウォーターバリア62をそれぞれ取付け、その
ウォーターバリア61と同62との交差部に十字形のウ
ォーターバリア63を取付ける。
【0037】次いで、図8(a)および(b)に示すよ
うに防水シート4の内側に二次覆工5を打設するもの
で、その際、防水シート4の上記両トンネル部分T1,
T2の境界部Ka,Kb側の端部4aは、その境界部K
a,Kbよりもトンネル部分T2側に延長突出させ、そ
の延長端部4aと上記境界部Ka,Kbに対応させて設
けたウォーターバリア62の略半部もしくはそれ以上が
外部に露出するように二次覆工5を打設する。
【0038】なお、その際、上記ウォーターバリア62
の隣り合うリブ6b・6b間に予め図のように排気注入
ホース8を配置しておけば、二次覆工5を打設する際に
上記リブ6b・6b間に残留する空気を上記排気注入ホ
ース8を介して外部に排出させることができる。
【0039】また上記境界部Ka,Kbに対応する防水
シート4の地山側には必要に応じて前記の保護板7を設
けるもので、図示例のように緩衝材3を設けるものにあ
っては、図8(a)および(b)に示すように緩衝材3
の地山側もしくは緩衝材3と防水シート4との間に保護
板7を設ける。そして、その保護板7と緩衝材3および
防水シート4とウォーターバリア62の露出部を、屈曲
させて後に掘削するトンネル部分T2から退避させてお
く。
【0040】次いで、図9(a)および(b)に示すよ
うに上記トンネル部分T1の両側にトンネル部分T2,
T2を掘削機等で掘削するもので、そのとき上記のよう
に露出部を屈曲させて上記トンネル部分T2から退避さ
せておくと、掘削機や掘削した岩盤の破片等が防水シー
ト4に直接あるいは緩衝材3を介して当たるのを防ぐこ
とができると共に、万一当たっても、その防水シート4
に設けたウォーターバリア62によって該防水シート4
が補強されているので破損等するのが可及的に低減され
る。
【0041】さらに図示例のように保護板7を設ければ
掘削機や上記の破片等が防水シート4や緩衝材3に当た
るのを防ぐことができ、防水シート4が破損するのを更
に確実に防止することが可能となる。なお上記の保護板
7は場合によってはトンネル部分T2の掘削後は除去し
てもよい。
【0042】次に、上記の後から掘削したトンネル部分
T2の地山内面もしくはその内面に一次覆工を施工して
その内面に、図10(a)および(b)に示すように上
記防水シート4の端部および保護板7や緩衝材3および
ウォータバリア62の露出部分を添わせ、必要に応じて
アンカー釘15等で固定する。
【0043】次いで上記の地山内面もしくは一次覆工内
面に必要に応じて緩衝材3を被覆した後、その内面全面
に防水シート4を敷設し、その内側に二次覆工5を打設
して前記図1〜図2に示すような3連トンネルを形成す
るものである。
【0044】なお上記のトンネル施工時もしくは施工後
に、前記各ウォーターバリア61〜63の隣り合うリブ
6b・6b間に空隙等が生じた場合には、前記のような
排気注入ホース8を配置しておくことによって該ホース
8を介して上記空隙内に樹脂等の注入材を充填すること
ができる。
【0045】また前記各トンネル部分T1,T2の天端
部の防水シート4と二次覆工5との間に空隙等が生じた
場合には、前記のような注入材充填孔9を形成しておく
ことによって、該充填孔9を介して上記空隙内にセメン
トミルクや低流動性のモルタル等の注入材を充填できる
と共に、防水シート4を地山側に密着させることができ
る。
【0046】上記の実施形態においては、3連トンネル
に適用した例を示したが、前記のサイロット工法による
トンネルや2連トンネル、その他の多連トンネルにも適
用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるトンネ
ル防水構造およびその施工方法は、前記のように隣り合
うトンネル部分T1,T2の境界部Ka,Kbに対応す
る防水シート4の内面にウォーターバリア62を設けた
ことによって、防水領域が区画化され万一水漏れが生じ
たときに漏水が広範囲に広がるのを防止できることと相
まって防水シート4を補強することができる。
【0048】特に、湧水が溜まりやすい多連トンネルの
上部アーチ部における隣り合うトンネル部分T1,T2
の境界部Ka,Kbに対応する位置にウォーターバリア
を設けたので、上記アーチ間の窪み部分を含まない各領
域に区画できるので、万一水漏れが生じたときにも、漏
水が隣の領域に広がることがなく、漏水発生位置を早期
に確実に発見して補修することが可能となる。
【0049】また上記のように多連トンネルの湧水が溜
まりやすく、水圧が掛かりやすい上記境界部に対応する
防水シート内面にウォーターバリアを設けたことによ
り、通常シート厚さが2〜3mm程度である防水シート
4が、ウォーターバリアの基材6a(通常厚さ4mm程
度)によって、補強されることになり、シートの破損
(すなわち漏水の発生)を防止することができる。
【0050】さらに、トンネル掘削時もしくは掘削後
に、上記境界部に対応する防水シート外面(地山側)に
保護板7を設けておくことによって、掘削機あるいは掘
削された岩盤破片等が防水シートに当たるのを防ぐこと
ができ、これにより上記の最も湧水が溜まりやすく、漏
水が発生しやすい前記境界部およびその近傍の防水シー
トの破損を一層確実に防止することが可能となる。
【0051】またウォーターバリア61〜63のリブ6
b・6b間に排気注入ホース8を併設すれば、二次覆工
5の打設時にウォーターバリアのリブ間の空気が排出さ
れて、コンクリートを良好に充填することができる。そ
のため、上記リブ間に空気だまりが生じて水みち、すな
わち漏水の通路となるおそれが回避され、ウォーターバ
リアとしての機能を確実に発揮できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるトンネルの防水構造の一
実施形態を示す横断面図。(b)はそのトンネル内周面
に敷設した防水シートの略上半部の展開内面図。(c)
は上記防水シートの略下半部の展開内面図。
【図2】(a)は図1(a)における鎖線部Aの拡大
図。(b)は図1(a)における鎖線部Bの拡大図。
【図3】ウォーターバリアおよび排気注入ホースの配置
構成を示す説明図。
【図4】上記バリアおよびホースの配置構成を示すトン
ネルの一部の縦断面図。
【図5】排気注入ホースの構成の一例を示す説明図。
【図6】トンネル天端部に設けた注入材充填孔の構成を
示す縦断面図。
【図7】(a)はトンネル上部における防水シートの敷
設施工手順を示す説明図。(b)はトンネル下部におけ
る防水シートの敷設施工手順を示す説明図。
【図8】(a)はトンネル上部における防水シートの敷
設施工手順を示す説明図。(b)はトンネル下部におけ
る防水シートの敷設施工手順を示す説明図。
【図9】(a)はトンネル上部における防水シートの敷
設施工手順を示す説明図。(b)はトンネル下部におけ
る防水シートの敷設施工手順を示す説明図。
【図10】(a)はトンネル上部における防水シートの
敷設施工手順を示す説明図。(b)はトンネル下部にお
ける防水シートの敷設施工手順を示す説明図。
【図11】サイロット工法によるトンネルへの従来の防
水シート施工例を示す説明図。
【図12】3連式トンネルにおける従来の防水シート施
工例を示す説明図。
【図13】(a)および(b)は従来の防水シート施工
手順を示す説明図。
【符号の説明】
1 地山 2 一次覆工コンクリート 3 緩衝材 4 防水シート 5 二次覆工コンクリート 61〜63 ウォーターバリア 6a 基材 6b リブ 7 保護板 8 排気注入ホース 9 注入材充填孔 91 コンタクトグラウト管 92 心材 10 固定具 11 ディスクワッシャ 12 ボルト T1、T2 トンネル部分 Ka、Kb 境界部 J1、J2 打継目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−16694(JP,A) 特開 平7−119392(JP,A) 特開 平2−91399(JP,A) 特開 昭61−237799(JP,A) 特開 平4−128497(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数回に分けて掘削される複数個のトン
    ネル部分からなる多連トンネル内に防水シートを連続し
    て敷設するトンネル防水構造において、上記複数個の隣
    り合うトンネル部分の境界部に対応する防水シート内面
    にウォーターバリアを設けると共に、上記境界部に対応
    する防水シートの外面側に保護板を設けたことを特徴と
    するトンネル防水構造。
  2. 【請求項2】 複数回に分けて掘削される複数個のトン
    ネル部分からなる多連トンネル内に防水シートを連続し
    て敷設するトンネル防水構造において、上記複数個の隣
    り合うトンネル部分の境界部に対応する防水シート内面
    に、シート状の基材と、その基材に一体的に設けた複数
    個のリブとよりなるウォーターバリアを設け、そのウォ
    ーターバリアの隣り合うリブ間に、周面に多数の孔を有
    する排気注入ホースを設けたことを特徴とするトンネル
    防水構造。
  3. 【請求項3】 前記複数個の隣り合うトンネル部分の境
    界部に対応する防水シート外面側に保護板を設けてなる
    請求項2記載のトンネル防水構造。
  4. 【請求項4】 複数回に分けて掘削される複数個のトン
    ネル部分からなる多連トンネル内に防水シートを連続し
    て敷設するトンネル防水構造の施工方法であって、先に
    掘削したトンネル部分の地山内面もしくはその地山内面
    に打設した一次覆工コンクリート内面に防水シートを敷
    設すると共に、上記複数個の隣り合うトンネル部分の境
    界部に対応する防水シート内面にウォーターバリアを固
    着し、上記防水シートの端部およびウォータバリアの一
    部を露出させた状態で上記防水シートの内面側に二次覆
    工コンクリートを打設してから隣接するトンネル部分を
    掘削することを特徴とするトンネル防水構造の施工方
    法。
  5. 【請求項5】 前記複数個の隣り合うトンネル部分の境
    界部に対応する防水シート外面側に保護板を配置し、そ
    の保護板により前記防水シートの端部およびウォータバ
    リアの一部を覆った状態で前記の隣接するトンネル部分
    を掘削するようにした請求項4記載のトンネル防水構造
    の施工方法。
  6. 【請求項6】 前記ウォーターバリアはシート状の基材
    と、その基材に一体的に設けた複数個のリブとからな
    り、その隣り合うリブ間に、周面に多数の孔を有する排
    気注入ホースを設け、前記二次覆工コンクリートを打設
    する際に上記の隣り合うリブ間の空気を上記排気注入ホ
    ースを介して排気するようにした請求項4または5記載
    のトンネル防水構造の施工方法。
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