JP3297909B2 - 遮水シートの接合状態検査方法 - Google Patents

遮水シートの接合状態検査方法

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泰之 権田
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木曽興業株式会社
八洲興業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の埋立て現
場において、廃棄物から生じる汚水が漏出するために敷
設される遮水シートの接合状態検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物を投棄する埋立
型の廃棄物処分場等では、処分場から漏出する汚水が地
下に浸透することによる環境汚染を防止するために、処
分場の底面に遮水工事を施すことが義務づけられてい
る。かかる遮水工事としては、確実性・安全性・施工性
等の観点から、軟質の合成樹脂系あるいはゴム系の遮水
シートを敷設する工法が採用されている。敷設に際して
は、幅が約2mの帯状の遮水シートを、その周縁部で重
ね合わせて接着しながら敷設する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】遮水シート同士の接合
に不充分な箇所があるとそこから汚水が漏出してしまう
ので、接着作業及びその検査は特に念入りに行わなくて
はならない。しかしこれまで使用されている遮水シート
は非透光性の合成樹脂やゴム等で形成されているため、
外見からは接合状態を把握することができない。そのた
め高価な機械を導入して接合不良箇所がないかを検査し
たり、人手にて引っ張ったりしながら一ヶ所づつチェッ
クするなどしている。このような従来の検査方法では、
不良部分があると判断されてもその箇所をただちに特定
できず、人手を介しての作業は極めて煩雑である。そこ
で本発明は、接合の信頼性を高めるとともに、接合不良
箇所を的確に発見できる検査方法を提供することを目的
とする。
【0004】上記目的を達成するため、本発明は、廃棄
物の埋立現場に敷設する遮水シートの接合状態を検査す
る方法であって、隣り合う遮水シートの周縁部同士を互
いに重ね合わせ、その重ね合わせ部分に少なくとも二本
以上の接着部を並列に設け、前記重ね合わされる少なく
とも一方の遮水シートには重ね合わせ部分が透光性を有
したものを採用し、前記接着部と接着部との間のシート
で挟まれた袋状部に色付きの液体を流入させて接合不良
箇所を外部から目視確認可能としたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遮水シートの接合
方法および接合状態検査方法について、図面に基いて詳
細に説明する。図1は遮水シートを示したものであり、
図2は遮水シートの重ね合わせ部分を示す説明図、図3
はそのA−A線断面図である。遮水シート1は、透光性
を有し遮水性に優れた軟質のオレフィン系合成樹脂製で
あり、幅2.03mに形成されている。このうち周縁部
50mmは重ね合わせ部分2である。
【0006】上記の如く形成された遮水シート1,1・
・を互いに接合することによって一体化し廃棄物処分場
底部に敷設していく。その接合方法について、まず遮水
シート1の重ね合わせ部分2の水分や油分をウェス等で
落としたあと、該部分2,2を重ねて熱鏝溶接機(図示
せず)で熱融着する。熱鏝溶接機は2列のホットウェッ
ジと圧力ローラーとを有し、それらを15mmの間隔を開
けてそれぞれ幅15mm融着できるよう調節する。そし
て、それら2本のホットウェッジで該部分2,2をその
端縁から挟み込み、熱鏝と熱風とでそれらを融着させな
がら進行させる。すると、図3に示すように幅15mmの
接着部3,3と、同じく幅15mmのテストチャンネル4
とが形成される。これを、廃棄物処分場底部が遮水シー
ト1,1・・に完全に覆われるまで順次繰り返す。
【0007】次いで遮水シート1,1・・の接合状態が
正常であるか否かを検査するために、テストチャンネル
4に色付きの液体5を加圧機等で流入させる。すると接
合不良箇所6から色付きの液体5が漏出するが、遮水シ
ート1は透光性樹脂であるために外部からそれを目視確
認することができる(図4参照)。接合不良箇所6を発
見したら液体5を減圧機等で排水し対処すればよい。
【0008】ところで、廃棄物中の鋭利な物質によっ
て、あるいは廃棄物が投棄される際の強い衝撃、また廃
棄物から漏出する化学物質、紫外線等によって遮水シー
トが劣化・破損することがある。これを防止するため、
遮水シート1,1・・がすべて正常に接合できているこ
とが確認された後、遮水シート1,1・・の上部表面に
保護シート7,7・・を積層する工法が知られている。
保護シート7には耐衝撃・耐薬品に優れた保護材が積層
されているので、たとえ遮水シート1に透光性を持たせ
たことによる強度劣化があっても、保護シート7がこれ
を補う役割を果たす。
【0009】上記実施形態を採用することによって、大
がかりな装置や検査方法を用いずとも安価で簡単に接合
不良をチェックすることが可能であるばかりか、目視に
よって接合不良箇所6,6・・を明らかに特定できるの
で、接合不良・不備に迅速に対処することができる。
【0010】なお、本発明の遮水シートは上記実施形態
の態様に何ら限定されるものではなく、遮水シートの材
質・形状・大きさ、接着手段、流入する液体など本発明
の趣旨に逸脱しない範囲で適宜変更できる。例えば、遮
水シートはゴム系の材質のものを採用してもよいし、透
光性を持たせる部分は一部でも全体でもよく、補強のた
め重ね合わせ部分以外の部位にカーボンを混入したもの
を使用しても構わない。また、本実施形態では遮水シー
トの接合について熱鏝溶接機を用いる方法を説明した
が、接合方法は特にこれに限定されず、例えば接着剤を
用いる方法も考えられる。流入する液体についても、遮
水シートを劣化させるものでなければ何を用いても構わ
ないが、揮発性の高いものを用いれば排水後より早く蒸
発するので好ましい。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、複数の接着部を有する
ため仮に一方の接着部に接合不良箇所があってももう一
方でシートの遮水性が保たれ、遮水シートの信頼性をよ
り高めることができる。また、遮水シートの接合状態が
正常であるか否かを簡単な方法でチェックすることがで
き、接合不良箇所を目視によって特定可能であるので大
がかりな装置や煩雑な検査工程を要せず、低コストで迅
速に対処できる。これにより信頼性の高い遮水工事を施
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮水シートを示す説明図である。
【図2】遮水シートの接合部分を示す説明図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】接合状態の検査方法を示す説明図である。
【図5】遮水シートを使用した廃棄物処分場の遮水工事
の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・遮水シート、2・・重ね合わせ部分、3・・接着
部、4・・袋状部(テストチャンネル)、5・・色付き
の液体、6・・接合不良箇所、7・・保護シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−80452(JP,A) 特開 昭61−282(JP,A) 特開 昭63−182134(JP,A) 実開 昭60−107199(JP,U) 特公 平5−68566(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 1/00 B29C 65/00 - 65/82 E02B 3/12 - 3/18 E02D 3/00 102 G01M 3/00 - 3/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物の埋立現場に敷設する遮水シート
    の接合状態を検査する方法であって、 隣り合う遮水シートの周縁部同士を互いに重ね合わせ、
    その重ね合わせ部分に少なくとも二本以上の接着部を並
    列に設け、前記重ね合わされる少なくとも一方の遮水シ
    ートには重ね合わせ部分が透光性を有したものを採用
    し、前記接着部と接着部との間のシートで挟まれた袋状
    部に色付きの液体を流入させて接合不良箇所を外部から
    目視確認可能とした遮水シートの接合状態検査方法。
JP13057599A 1999-05-11 1999-05-11 遮水シートの接合状態検査方法 Expired - Fee Related JP3297909B2 (ja)

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JP4943798B2 (ja) * 2006-10-02 2012-05-30 太陽工業株式会社 遮水シートの融着部分の融着状態を検査する検査方法および熱融着装置

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