JP3297082B2 - 疲労特性の優れた熱延高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
疲労特性の優れた熱延高張力鋼板の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用足回り部品等
の用途に用いて好適な高張力熱延鋼板の製造方法に関
し、特に、疲労特性に優れた熱延高張力鋼板を製造する
方法を提案する。
の用途に用いて好適な高張力熱延鋼板の製造方法に関
し、特に、疲労特性に優れた熱延高張力鋼板を製造する
方法を提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車業界では、乗員の安全確保
および車体軽量化による燃費向上の観点から、高張力鋼
板の需要が増大している。特に、自動車の足回り部品等
は重要な保安部品であり、高張力鋼板の使用に際しては
その加工性と同時に疲労特性が大きな問題となる。
および車体軽量化による燃費向上の観点から、高張力鋼
板の需要が増大している。特に、自動車の足回り部品等
は重要な保安部品であり、高張力鋼板の使用に際しては
その加工性と同時に疲労特性が大きな問題となる。
【0003】従来、疲労特性は、引張強度にほぼ比例す
ると言われ、鋼種による差は不明確であった。しかし、
このことについて、さらに詳細に検討してみると、疲労
特性の一つの指標である疲労限度比=σW /σB 〔ここ
で、σW : 疲労限強度(107サイクル時間強度) 、σB :
引張強度〕は、表面性状やミクロ組織の種類等によって
異なっていることが判った。例えば、両振りの平面曲げ
疲労試験では、疲労限度比は0.40〜0.55程度の範囲にあ
るが、この疲労限度比が 0.5以上の場合に疲労特性に優
れた鋼板と言うことができる。
ると言われ、鋼種による差は不明確であった。しかし、
このことについて、さらに詳細に検討してみると、疲労
特性の一つの指標である疲労限度比=σW /σB 〔ここ
で、σW : 疲労限強度(107サイクル時間強度) 、σB :
引張強度〕は、表面性状やミクロ組織の種類等によって
異なっていることが判った。例えば、両振りの平面曲げ
疲労試験では、疲労限度比は0.40〜0.55程度の範囲にあ
るが、この疲労限度比が 0.5以上の場合に疲労特性に優
れた鋼板と言うことができる。
【0004】このような疲労特性の優れた鋼板を得る方
法として、例えば特開平3−126813号公報には、表面性
状と表面組織の両者を制御する方法が示されている。し
かしながらこの方法は、疲労特性を向上させるのに有効
であるとはいえ、熱延終了温度及びその後の冷却パター
ンの厳密な制御が必要であり、わずかな制御ずれによっ
ても疲労特性が大きく低下してしまう場合があった。
法として、例えば特開平3−126813号公報には、表面性
状と表面組織の両者を制御する方法が示されている。し
かしながらこの方法は、疲労特性を向上させるのに有効
であるとはいえ、熱延終了温度及びその後の冷却パター
ンの厳密な制御が必要であり、わずかな制御ずれによっ
ても疲労特性が大きく低下してしまう場合があった。
【0005】またホイールのような部品は、加工後、焼
付け塗装処理が施されるため、実際の使用に際しては、
原板の疲労特性以上に予歪+焼付け時効処理後の疲労特
性が重要となる。このような処理後の疲労特性につい
て、一般的な傾向は知られていないが、少なくとも原板
より疲労特性が劣化するようでは好ましいとは言えな
い。
付け塗装処理が施されるため、実際の使用に際しては、
原板の疲労特性以上に予歪+焼付け時効処理後の疲労特
性が重要となる。このような処理後の疲労特性につい
て、一般的な傾向は知られていないが、少なくとも原板
より疲労特性が劣化するようでは好ましいとは言えな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な現状に鑑みて開発されたもので、原板の疲労限界比が
0.5 以上でかつ、焼付け時効処理等を施しても良好な疲
労特性を維持できる熱延高張力鋼板の有利な製造方法を
提案することを目的とする。
な現状に鑑みて開発されたもので、原板の疲労限界比が
0.5 以上でかつ、焼付け時効処理等を施しても良好な疲
労特性を維持できる熱延高張力鋼板の有利な製造方法を
提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上掲の課題を克服するに
は、C:0.05〜0.20wt%(以下単に%で示す)、Si:0.
50〜2.00%、Mn:0.50〜2.00%、Al:0.01%以下および
N:0.003 〜0.020 %を含有し、残部はFe及び不可避的
不純物からなる連続鋳造スラブを、1050〜1250℃に再加
熱後、 Ar3〜(Ar3+100)℃で熱間圧延を終了し、ついで
平均冷却速度:30℃/秒以上の速度で 400℃以下の温度
域まで冷却したのち、巻取ることを特徴とする疲労特性
の優れた熱延高張力鋼板の製造方法が有利である。
は、C:0.05〜0.20wt%(以下単に%で示す)、Si:0.
50〜2.00%、Mn:0.50〜2.00%、Al:0.01%以下および
N:0.003 〜0.020 %を含有し、残部はFe及び不可避的
不純物からなる連続鋳造スラブを、1050〜1250℃に再加
熱後、 Ar3〜(Ar3+100)℃で熱間圧延を終了し、ついで
平均冷却速度:30℃/秒以上の速度で 400℃以下の温度
域まで冷却したのち、巻取ることを特徴とする疲労特性
の優れた熱延高張力鋼板の製造方法が有利である。
【0008】以下、本発明に想到するに至った実験結果
について説明する。さて疲労特性を左右する要因として
は、表面性状と組織の2つがある。このうちの組織的な
要因について、疲労特性改善のための実験と検討を繰り
返した。その結果、熱延ままの高張力鋼板においては、
フェライト−マルテンサイト組織のデュアルフェーズ鋼
と、フェライト−ベイナイト−オーステナイト組織の残
留オーステナイト鋼が、他の鋼種に比べて疲労限度比に
優れることが判明した。しかしながら、同じデュアルフ
ェーズ鋼であっても疲労限度比にかなりの差があったた
め、この点について、さらに検討を加えたところ、C:
0.09%、Si:1.0%、Mn:1.0 %、S:0.002 %の成分
系では、AlとNの含有量の変化に応じて、疲労限度比が
大きく変化することが判った。
について説明する。さて疲労特性を左右する要因として
は、表面性状と組織の2つがある。このうちの組織的な
要因について、疲労特性改善のための実験と検討を繰り
返した。その結果、熱延ままの高張力鋼板においては、
フェライト−マルテンサイト組織のデュアルフェーズ鋼
と、フェライト−ベイナイト−オーステナイト組織の残
留オーステナイト鋼が、他の鋼種に比べて疲労限度比に
優れることが判明した。しかしながら、同じデュアルフ
ェーズ鋼であっても疲労限度比にかなりの差があったた
め、この点について、さらに検討を加えたところ、C:
0.09%、Si:1.0%、Mn:1.0 %、S:0.002 %の成分
系では、AlとNの含有量の変化に応じて、疲労限度比が
大きく変化することが判った。
【0009】図1及び図2にそれぞれ、疲労限度比とN
含有量及びAl含有量との関係を示す。なお図1の場合の
Al量は 0.005%であり、図2の場合のN量は50 ppmであ
る。また、圧延終了温度はいずれも 830℃で、コイル巻
取り温度は 300℃とした。図1より、疲労限度比を向上
させるためには、適当量のNの含有が必要であること、
また図2より、Alを含有させると疲労限度比が低下する
ことが判った。
含有量及びAl含有量との関係を示す。なお図1の場合の
Al量は 0.005%であり、図2の場合のN量は50 ppmであ
る。また、圧延終了温度はいずれも 830℃で、コイル巻
取り温度は 300℃とした。図1より、疲労限度比を向上
させるためには、適当量のNの含有が必要であること、
また図2より、Alを含有させると疲労限度比が低下する
ことが判った。
【0010】上述したとおり、疲労限度比を向上させる
ためには、鋼中にある程度のNを固溶させる必要がある
ことが判明したが、このようなNの固溶は、常温での時
効現象として現れ、ストレッチャーストレインを生じさ
せる原因となるため、通常のプレス用鋼板では嫌われて
きた。しかしながら、高張力のデュアルフェーズ鋼で
は、時効性による欠点はないため、疲労特性の向上に寄
与することになるのである。
ためには、鋼中にある程度のNを固溶させる必要がある
ことが判明したが、このようなNの固溶は、常温での時
効現象として現れ、ストレッチャーストレインを生じさ
せる原因となるため、通常のプレス用鋼板では嫌われて
きた。しかしながら、高張力のデュアルフェーズ鋼で
は、時効性による欠点はないため、疲労特性の向上に寄
与することになるのである。
【0011】また、このような成分系で、デュアルフェ
ーズ鋼を製造するには、 400℃以下のコイル巻取りが必
要であるが、かような条件下において、疲労限度比は、
図3に示すように良好な値をとることも併せて究明され
た。なお、この時の成分は、C:0.09%、Si:1.0 %、
Mn:1.0 %、S:0.002 %、Al:0.005 %、N:0.005
%、また圧延終了温度は 830℃である。以上のような実
験結果を踏まえ、さらに研究を進めた結果開発されたの
が、本発明鋼である。
ーズ鋼を製造するには、 400℃以下のコイル巻取りが必
要であるが、かような条件下において、疲労限度比は、
図3に示すように良好な値をとることも併せて究明され
た。なお、この時の成分は、C:0.09%、Si:1.0 %、
Mn:1.0 %、S:0.002 %、Al:0.005 %、N:0.005
%、また圧延終了温度は 830℃である。以上のような実
験結果を踏まえ、さらに研究を進めた結果開発されたの
が、本発明鋼である。
【0012】
【作用】次に、本発明において、素材の成分組成を前記
の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.05〜0.20% Cは、鋼板の強度を上昇させるのに有用な元素であり、
第二相の形成、フェライトへの固溶を通して疲労強度の
向上に有効に寄与する。しかしながら含有量が0.05%未
満ではこれらの効果を充分に達成できず、一方、0.20%
を超えて多量に添加すると溶接性が劣化するので、0.05
〜0.20%の範囲に限定した。
の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.05〜0.20% Cは、鋼板の強度を上昇させるのに有用な元素であり、
第二相の形成、フェライトへの固溶を通して疲労強度の
向上に有効に寄与する。しかしながら含有量が0.05%未
満ではこれらの効果を充分に達成できず、一方、0.20%
を超えて多量に添加すると溶接性が劣化するので、0.05
〜0.20%の範囲に限定した。
【0013】Si:0.50〜2.00% Siは、延性を劣化させることなしに、強度を上昇させる
有用元素であり、フェライト変態を助長し、オーステナ
イト中のCを濃化させることにより、適切な第二相を形
成する。そのためには少なくとも0.50%の添加が必要で
あるが、2.00%を超えて添加すると、表面に赤スケール
と呼ばれる表面疵が生成し易くなり、かえって疲労強度
を低下させるので、0.50〜2.00%の範囲に限定した。
有用元素であり、フェライト変態を助長し、オーステナ
イト中のCを濃化させることにより、適切な第二相を形
成する。そのためには少なくとも0.50%の添加が必要で
あるが、2.00%を超えて添加すると、表面に赤スケール
と呼ばれる表面疵が生成し易くなり、かえって疲労強度
を低下させるので、0.50〜2.00%の範囲に限定した。
【0014】Mn:0.50〜2.00% Mnは、Cと同様、鋼の強化元素として有用な元素であ
り、適切な第二相を形成するためには0.50%以上を必要
とする。しかし2.00%を超える多量添加は、フェライト
変態を抑制し、第二相分率を高め過ぎて、かえって疲労
強度を劣化させるので0.50〜2.00%の範囲に限定した。
り、適切な第二相を形成するためには0.50%以上を必要
とする。しかし2.00%を超える多量添加は、フェライト
変態を抑制し、第二相分率を高め過ぎて、かえって疲労
強度を劣化させるので0.50〜2.00%の範囲に限定した。
【0015】Al:0.01%以下 鋼を連続鋳造法で製造する場合には溶鋼の脱酸は不可欠
であり、かかる脱酸剤として通常はAlが使用される。従
って、本発明鋼においても、Alは不可避的に混入してく
るが、かかるAlがアルミナ(AlO2) として存在している
と亀裂発生の起点となり、一方固溶状態にあると熱間圧
延の過程でアルミナイトライド(AlN)として析出し、
疲労に有効な固溶Nを減少させ、疲労強度を低下させ
る。従って、Alの混入は極力制限することが好ましい
が、0.01%以下で許容される。
であり、かかる脱酸剤として通常はAlが使用される。従
って、本発明鋼においても、Alは不可避的に混入してく
るが、かかるAlがアルミナ(AlO2) として存在している
と亀裂発生の起点となり、一方固溶状態にあると熱間圧
延の過程でアルミナイトライド(AlN)として析出し、
疲労に有効な固溶Nを減少させ、疲労強度を低下させ
る。従って、Alの混入は極力制限することが好ましい
が、0.01%以下で許容される。
【0016】N:0.003 〜0.020 % Nは、フェライト中に固溶することにより疲労強度の上
昇に有効に寄与する。そのためには少なくとも 0.003%
を必要とするが、 0.020%を超えて多量に添加すると著
しい時効劣化を生じると共に、ガス発生による巣欠陥が
生じ易くなるため、その含有量は 0.003〜0.020 %の範
囲に限定した。
昇に有効に寄与する。そのためには少なくとも 0.003%
を必要とするが、 0.020%を超えて多量に添加すると著
しい時効劣化を生じると共に、ガス発生による巣欠陥が
生じ易くなるため、その含有量は 0.003〜0.020 %の範
囲に限定した。
【0017】次に、熱延条件について具体的に説明す
る。 ・スラブ加熱温度 スラブ加熱温度は、仕上げ圧延を所定の温度範囲で終了
させるためには1050℃以上とする必要がある。とはい
え、加熱温度があまりに高くなると、強固なSiスケール
が発生し、表面性状の劣化が避けられないので、上限は
1250℃に設定した。
る。 ・スラブ加熱温度 スラブ加熱温度は、仕上げ圧延を所定の温度範囲で終了
させるためには1050℃以上とする必要がある。とはい
え、加熱温度があまりに高くなると、強固なSiスケール
が発生し、表面性状の劣化が避けられないので、上限は
1250℃に設定した。
【0018】・熱間圧延終了温度 結晶粒微細化により疲労強度を向上させるためには、熱
間圧延終了温度は変態点を下回らない範囲でできるだけ
低温が好ましく、それ故 Ar3〜(Ar3+100)℃の範囲に限
定した。
間圧延終了温度は変態点を下回らない範囲でできるだけ
低温が好ましく、それ故 Ar3〜(Ar3+100)℃の範囲に限
定した。
【0019】・平均冷却速度 冷却速度が遅い場合にはα変態後、α粒が成長、粗大化
し、微細化効果による強度向上が望めなくなるので、平
均冷却速度≧30℃/秒の速度で冷却するものとした。
し、微細化効果による強度向上が望めなくなるので、平
均冷却速度≧30℃/秒の速度で冷却するものとした。
【0020】・巻取り温度 巻取り温度が 400℃を超えると第二相がパーライトとな
り、デュアルフェーズ鋼としての特徴が得られないだけ
でなく、前掲図3にも示したように良好な疲労強度も得
られないので、 400℃以下で巻取るものとした。
り、デュアルフェーズ鋼としての特徴が得られないだけ
でなく、前掲図3にも示したように良好な疲労強度も得
られないので、 400℃以下で巻取るものとした。
【0021】
【実施例】表1に示す種々の化学成分になる鋼を、表2
に示す圧延条件で熱延し、板厚:3.0 mmの熱延板に仕上
げた。得られた各熱延板から、圧延直角方向にJIS 5号
引張試験片及び平面曲げ疲労試験片を採取し、引張試験
及び平面曲げ疲労試験を行った。なお、平面曲げ疲労試
験は、10%の予歪を与えた後、 180℃,30分の焼付け塗
装相当の処理を施したものについても実施した。得られ
た結果を表3に示す。
に示す圧延条件で熱延し、板厚:3.0 mmの熱延板に仕上
げた。得られた各熱延板から、圧延直角方向にJIS 5号
引張試験片及び平面曲げ疲労試験片を採取し、引張試験
及び平面曲げ疲労試験を行った。なお、平面曲げ疲労試
験は、10%の予歪を与えた後、 180℃,30分の焼付け塗
装相当の処理を施したものについても実施した。得られ
た結果を表3に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表3から明らかなように、No.1, 2 はN量
が少なすぎるため、No.12 はN量が多すぎるため、No.1
6, 17, 18 はAl量が多すぎるため、それぞれ引張強度に
対応した疲労強度が得られていない。またNo.20 はMn量
が多すぎるため、所定の複合組織が得られず、延性、疲
労強度ともに低い。No.21 はSi量が多すぎるため、表面
状態が悪く、疲労強度も低い。No.22 はC量が少なすぎ
るため、疲労強度が低い。さらに、No.3, 5, 6, 8 はい
ずれも、圧延条件が本発明の適正範囲外であるため、所
定の複合組織が得られず、延性、疲労強度共に低い。こ
れに対し、この発明に従い得られた適合例はいずれも、
高延性と共に高疲労強度が得られている。しかも歪時効
処理後の疲労特性が原板の疲労強度よりも向上してお
り、優れた特性を維持しているといえる。
が少なすぎるため、No.12 はN量が多すぎるため、No.1
6, 17, 18 はAl量が多すぎるため、それぞれ引張強度に
対応した疲労強度が得られていない。またNo.20 はMn量
が多すぎるため、所定の複合組織が得られず、延性、疲
労強度ともに低い。No.21 はSi量が多すぎるため、表面
状態が悪く、疲労強度も低い。No.22 はC量が少なすぎ
るため、疲労強度が低い。さらに、No.3, 5, 6, 8 はい
ずれも、圧延条件が本発明の適正範囲外であるため、所
定の複合組織が得られず、延性、疲労強度共に低い。こ
れに対し、この発明に従い得られた適合例はいずれも、
高延性と共に高疲労強度が得られている。しかも歪時効
処理後の疲労特性が原板の疲労強度よりも向上してお
り、優れた特性を維持しているといえる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来鋼よりも優れた疲労特性を有する熱延高張力鋼板を得
ることができ、しかも得られる特性は安定し、その鋼板
の生産性は高く、経済性に優れているので、本鋼板の製
造者、使用者共に得られる効果は大きい。
来鋼よりも優れた疲労特性を有する熱延高張力鋼板を得
ることができ、しかも得られる特性は安定し、その鋼板
の生産性は高く、経済性に優れているので、本鋼板の製
造者、使用者共に得られる効果は大きい。
【図1】N含有量と疲労限度比との関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図2】Al含有量と疲労限度比との関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】コイル巻取り温度と疲労限度比との関係を示す
グラフである。
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−195150(JP,A) 特開 平3−126813(JP,A) 特開 平4−235219(JP,A) 特開 平2−267218(JP,A) 特開 昭63−24418(JP,A) 特開 昭58−167750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/02 - 8/04 C21D 9/46 - 9/48 C22C 38/00 - 38/60
Claims (1)
- 【請求項1】C:0.05〜0.20wt%、 Si:0.50〜2.00wt%、 Mn:0.50〜2.00wt%、 Al:0.01wt%以下および N:0.003 〜0.020 wt% を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる連続鋳
造スラブを、1050〜1250℃に再加熱後、 Ar3〜(Ar3+10
0)℃で熱間圧延を終了し、ついで平均冷却速度:30℃/
秒以上の速度で 400℃以下の温度域まで冷却したのち、
巻取ることを特徴とする疲労特性の優れた熱延高張力鋼
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18672192A JP3297082B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 疲労特性の優れた熱延高張力鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18672192A JP3297082B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 疲労特性の優れた熱延高張力鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633140A JPH0633140A (ja) | 1994-02-08 |
JP3297082B2 true JP3297082B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=16193478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18672192A Expired - Fee Related JP3297082B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 疲労特性の優れた熱延高張力鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3297082B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
WO2004059024A1 (ja) | 2002-12-26 | 2004-07-15 | Nippon Steel Corporation | 穴拡げ性、延性及び化成処理性に優れた高強度薄鋼板及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-07-14 JP JP18672192A patent/JP3297082B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0633140A (ja) | 1994-02-08 |
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