JP3296997B2 - 木質鉄骨梁の断熱構造 - Google Patents
木質鉄骨梁の断熱構造Info
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Description
梁の断熱構造に関するものである。さらに詳しくは、こ
の出願の発明は、バルコニーと室内の境界線上に配置す
る木質鉄骨梁の室内側断熱等を均一、かつ高品質で可能
とする、木質鉄骨梁の断熱構造に関するものである。
来の木軸工法の適用を可能にし、その特長を生かすこと
のできる新しい構造として、断面H型鉄骨材の水平板部
に木質材を配設一体化した木質鉄骨梁を用いる構造がこ
の発明の出願人により提案されている。
強度と木質材の施工性、断熱性、さらには居住性等とを
兼ね備えた建物を提供する点において特徴のあるもので
ある。ただ、この木質鉄骨梁を用いた建物においては、
熱伝導性の高い鉄骨材を梁に用いているため、建物の室
内側から梁が持ち出されるバルコニー等の部位において
は、断熱構造を構成することが必要とされている。
ように、バルコニーにおいては、床下、軒裏、下がり壁
内、さらに、バルコニー部外周の木質鉄骨梁に、ロック
ウール、ロックウールボード等の断熱材を施工するとと
もに、バルコニーと室内との境界線上の木質鉄骨梁
(A)およびその周辺の木質鉄骨梁の室内側にウレタン
(B)を所要厚みとなるように吹き付けて断熱層を形成
している。
は、発生水蒸気が室内側鉄骨材表面に流入しないよう
に、透湿抵抗の大きな防露タイプのウレタンが施工現場
において行われる。
ンの吹き付けについては、本来、鉄骨材の表面に厚みを
均一にして欠損なく吹き付ける必要があるが、現場施工
での吹き付けでは、吹き付け時の周辺温度の条件や作業
者の技量などによって、未付着部分の発生や発泡倍率の
不均一さに起因する品質のバラツキが大きく、所要の性
能を確保することができない場合があった。また、外観
上好ましくない場合もあった。
の従来のウレタン吹き付けにより形成される木質鉄骨梁
の断熱構造の欠点を解消し、断熱材層の厚みを均一と
し、品質、性能が良好で、しかも外観上も好ましい、改
善された新しい断熱構造を提供することを課題としてい
る。
の課題を解決するものとして、断面H型鉄骨材の水平板
部に木質材を配設した木質鉄骨梁の断熱構造であり、前
記鉄骨材の断面コ字形の表面に発泡ポリウレタンフォー
ム層が所定厚みに硬化付着し、この発泡ポリウレタンフ
ォーム層は、鉄骨材表面とその上部に配置された、発泡
ガス抜き穴を有する透明もしくは半透明の型枠との間の
空間に注入充填された発泡ポリウレタンフォーム材によ
り形成されるとともに、前記空間に、断面積がこの空間
に略等しい封鎖部を持つ制御治具が挿入され、発泡ポリ
ウレタンフォーム層の硬化付着が所定長さ位置に制御さ
れることを特徴とする木質鉄骨梁の断熱構造(請求項
1)を提供する。
あること(請求項2)をはじめ、型枠は、木質鉄骨梁の
木質材側端面に取付けられて配置されること(請求項
3)、型枠の表面には、梁の長さ方向に、発泡ポリウレ
タンフォーム層の硬化付着の所定長さが計測される寸法
目盛が設けられていること(請求項4)の態様を提供す
る。
より、必要かつ均一な厚みの発泡ポリウレタンフォーム
層を、周辺温度条件をコントロール可能な工場内におい
て鉄骨材表面に硬化付着させて形成させることができ、
発泡ポリウレタンフォーム層が形成されるべき部分にお
ける発泡ポリウレタンフォーム材の未付着が防止され、
しかも、発泡倍率が安定化し、バラツキの少ない断熱、
結露防止性能を得る。また、現場吹き付けに比べ、外観
性が著しく改良される。
の発明の木質鉄骨梁の断熱構造の実施の形態についてさ
らに詳しく説明する。
構造についてその形成のための工程を例示した要部斜視
図である。たとえばこの図1に示したように、この出願
の発明の木質鉄骨梁の断熱構造は、断面H型鋼からなる
鉄骨材(11)の両側の水平板部(111)(112)
に木質材(12)が配設一体化された木質鉄骨梁(1)
に対して施されており、木質鉄骨梁(1)の断面コ字形
面の表面(113)に所定厚みの発泡ポリウレタンフォ
ーム層(2)が硬化付着して形成されている。発泡ポリ
ウレタンフォーム層(2)は、図1に示したように、鉄
骨材(11)の表面(113)と、その上部に配置され
た、発泡ガス抜き穴(31)を有する透明または半透明
の型枠(3)との間の空間(4)に注入充填された発泡
ポリウレタンフォーム材により形成されている。
(2)は、好ましくは硬質で、良好な断熱性と結露防止
性を実現する。また、発泡ポリウレタンフォーム層
(2)は、型枠(3)の存在により均一な所定の厚みと
なる。発泡ポリウレタンフォーム層(2)は、硬化後、
鉄骨材(11)の表面(113)に密着する。型枠
(3)は、発泡ポリウレタンフォーム層(2)の形成
後、通常は取外すため、発泡ポリウレタンフォーム材に
対して非付着性の表面性質を持つものが好ましく用いら
れる。
ォーム材の注入充填と硬化の状態とが外より観察できる
ように、透明または半透明のものとする。その素材につ
いては、発泡成形時や取扱い上望ましい強度を持つ樹脂
製等とすることができる。この型枠(3)には、発泡ガ
ス抜き穴(31)が適宜な位置と数で設けられている。
タンフォーム材には、所定の性能、品質が得られる適宜
な素材と組成のものが用いられる。たとえば、2液性の
硬質発泡ポリウレタンフォーム・シーラントで、注入充
填してから約10秒から25秒でゲル化がはじまり、タ
ックフリーは25秒から30秒ではじまり、約180秒
程度の後、内部硬化するものが用いられる。このような
ものとして、たとえば、ゲル化とタックフリー化する時
の80℃前後の発熱と、1〜2kg/cm2 程度の発泡
圧力を発生させるもの等が例示される。実際の発泡ウレ
タンフォーム層(2)の形成においては、たとえば、前
記の型枠(3)と鉄骨材(11)の表面(113)との
間の空間(4)へ、所定位置の発泡ガス抜き穴(31)
から発泡ポリウレタンフォーム材を注入充填し、これに
ともない発泡、膨張方向を木質鉄骨梁(1)の長手方向
とし、所定の長さにわたって均一に、また、所定の発泡
倍率、たとえば7〜8倍程度にまで発泡膨張させる。
せ、タックフリー化の段階に移行させる。そして内部硬
化後、型枠(3)を木質鉄骨梁(1)より取外す。発泡
ポリウレタンフォーム層(2)の形成時にはガスが発生
し、このガスは飛散させなくともよいが、正常な発泡が
妨げられ、不要なガスを含んだ不均一なセルの生成と、
接着不良とが避けられないことから、タックフリー終了
までに発生するガスは、型枠(3)に設けた発泡ガス抜
き穴(31)より飛散させる。
鉄骨梁の断熱構造においては、鉄骨材(11)の表面
(113)と型枠(3)との間の空間(4)への注入充
填により、必要かつ均一な厚みの発泡ポリウレタンフォ
ーム層(2)を鉄骨材(11)の表面(113)に硬化
付着させて形成することができる。しかも、周辺温度の
コントロールが可能な工場内での作業とすることができ
るため、発泡ポリウレタンフォーム層が形成されるべき
部分における発泡ポリウレタンフォーム材の未付着が防
止され、しかも、発泡倍率が安定化し、バラツキの少な
い断熱、結露防止性能を得る。そして、型枠(3)を用
いていることから、外観が著しく改良される。
構成する木質材(12)の側端面にビス等により取付け
固定し、発泡ポリウレタンフォーム層(2)の形成後、
取外すことができる。また、型枠(3)には、図2に例
示したように、木質鉄骨梁(1)の長さ方向に寸法目盛
(32)を設けておくことが有効である。この寸法目盛
(32)は、発泡ポリウレタンフォーム層(2)の形成
長さの計測を容易とし、また、改めての位置出しが必要
ない。寸法目盛(32)は、型枠(3)そのものへエッ
チングにより刻印して配設しても、別途用意したスケー
ルフィルム(シート)等を型枠(3)に貼着して配置し
てもよい。
熱構造を形成する際に用いられる制御治具の一例とこの
制御治具の用い方を示した斜視図である。すなわち、こ
の図3に例示したように、発泡ポリウレタンフォーム層
(2)の形成において、断面コ字形の鉄骨材(11)の
表面(113)とその上部に配置された型枠(3)との
間の空間(4)に、断面積がこの空間(4)に略等しい
封鎖部(51)を持つ制御治具(5)が挿入される。具
体的には、把手部(52)を持って封鎖部(51)が空
間(4)内に押し込められる。
空間(4)を遮断し、発泡ポリウレタンフォーム材が発
泡、膨張するのを止める働きをする。もちろん、制御治
具(5)は、図3に例示した把手部(52)を持って押
し込めるのに限られない。封鎖部(51)を所定間隔で
前後に対向配置し、両者を棒材により結合させた置き残
し用のものも、制御治具(5)として考慮される。
(5)の機能を示した斜視図であるが、制御治具(5)
の封鎖部(51)は、図中の矢印(a)方向に発泡、膨
張する発泡ポリウレタンフォーム材を、位置(b)にお
いて止める。この際の位置(b)は、型枠(3)に設け
た寸法目盛(32)によって容易に判別される。
とえば図5に示したように、鉄骨材(11)と木質材
(12)とにより構成される木質鉄骨梁(1)におい
て、鉄骨材(11)の表面(113)に発泡ポリウレタ
ンフォーム層(2)が所定厚みに硬化付着する一方、木
質鉄骨梁(1)の現場施工のための金具接続部(13)
や火打ち部(14)等には、発泡ポリウレタンフォーム
層(2)を形成せずにおくことが容易に可能とされる。
実際、図5に示した火打ち部(14)には、前後に封鎖
部(51)を設けた置き残し用の制御治具(5)を用
い、金具接続部(13)には、封鎖部(51)とともに
把手(52)を有する制御治具(5)を用いること等が
可能である。
部(13)や火打ち部(14)等の微小部分は、現場で
のウレタンフォームの吹き付けで対応できる。これらの
微小部分における従来同様のウレタンフォームの吹き付
けは、断熱装置の性能を大きく損なうことはなく、問題
はほとんど生じない。もちろん、この出願の発明は、以
上の例によって何ら限定されるものではない。その細部
の態様については様々に可能である。
発明により、室内からの持ち出し部としての木質鉄骨梁
の発泡ポリウレタンフォーム層による断熱構造は、次の
とおりの優れた効果を奏する。1)必要かつ均一な厚み
の発泡ウレタンフォーム層が、鉄骨材表面に硬化付着し
て形成する。
場内での作業とすることにより、発泡ポリウレタンフォ
ーム層が形成されるべき部分における発泡ポリウレタン
フォーム材の未付着が防止され、しかも、発泡倍率が安
定化し、バラツキの少ない断熱、結露防止性能を得る。
3)発泡ポリウレタンフォーム層の外観性が良好とな
る。4)また、発泡ポリウレタンフォーム層の形成長さ
が、型枠への寸法目盛の配設、制御治具の使用により、
容易に判別、制御され、金具接続部や火打ち部を残して
の発泡ポリウレタンフォーム層の形成が容易となる。
てその形成工程を例示した要部斜視図である。
する際に用いられる制御治具の一例とこの制御治具の用
い方を示した斜視図である。
質鉄骨梁の断熱構造を示した斜視図である。
タン断熱構造を例示した断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 断面H型鉄骨材の水平板部に木質材を配
設した木質鉄骨梁の断熱構造であり、前記鉄骨材の断面
コ字形の表面に発泡ポリウレタンフォーム層が所定厚み
に硬化付着し、この発泡ポリウレタンフォーム層は、鉄
骨材表面とその上部に配置された、発泡ガス抜き穴を有
する透明もしくは半透明の型枠との間の空間に注入充填
された発泡ポリウレタンフォーム材により形成されると
ともに、前記空間に、断面積がこの空間に略等しい封鎖
部を持つ制御治具が挿入され、発泡ポリウレタンフォー
ム層の硬化付着が所定長さ位置に制御されることを特徴
とする木質鉄骨梁の断熱構造。 - 【請求項2】 型枠は樹脂製である請求項1の木質鉄骨
梁の断熱構造。 - 【請求項3】 型枠は、木質鉄骨梁の木質材側端面に取
付けられて配置される請求項1または2の木質鉄骨梁の
断熱構造。 - 【請求項4】 型枠の表面には、梁の長さ方向に、発泡
ポリウレタンフォーム層の硬化付着の所定長さが計測さ
れる寸法目盛が設けられている請求項1ないし3いずれ
かの木質鉄骨梁の断熱構造。
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JPH1113206A JPH1113206A (ja) | 1999-01-19 |
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JP16632997A Expired - Fee Related JP3296997B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 木質鉄骨梁の断熱構造 |
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- 1997-06-23 JP JP16632997A patent/JP3296997B2/ja not_active Expired - Fee Related
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