JP3296585B2 - 位置および力を制御するハイブリッドシステム - Google Patents

位置および力を制御するハイブリッドシステム

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JP3296585B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25JMANIPULATORS; CHAMBERS PROVIDED WITH MANIPULATION DEVICES
    • B25J9/00Programme-controlled manipulators
    • B25J9/16Programme controls
    • B25J9/1628Programme controls characterised by the control loop
    • B25J9/1633Programme controls characterised by the control loop compliant, force, torque control, e.g. combined with position control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manipulator (AREA)
  • Numerical Control (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にロボット制御シ
ステムに関し、更に詳細には、ロボットマニピュレータ
を制御するのに使用される種類の、位置および力を制御
するハイブリドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットの「手」のようなエンドエフェ
クタを備えているマニピュレータには、多数の用途があ
る。例えば、このようなマニピュレータは、多数のリー
ドを備えた電子部品を、プリント回路基板上に各リード
をはんだ付け用の穴に正しく入れた状態で設置すること
ができる。他のマニピュレータは、加工品を切削したり
または研削したりするような機械加工動作を行うことが
できる。マニピュレータは、人間がたやすく入ることが
できない原子炉の外部空間または放射能区域のような悪
環境で手動操作を行うのに特に良く適している。マニピ
ュレータの行う動作は、エンドエフェクタの位置決めと
エンドエフェクタが発揮する力の量との双方に高い精度
を必要とする状況下にある環境と相互に作用し合うこと
が頻繁にある。したがって、これらマニピュレータの動
作を制御する効率的且つ効果的な手段の必要性が存在し
てきた。
【0003】図1に典型的なマニピュレータの一例を符
号100 で示す。ロボットの手101 のようなエンドエフェ
クタはジョイント105によりリンク103 に回転可能に連
結されている。リンク103 はジョイント107 により別の
リンク109 に回動可能に連結されており、リンク109 は
ジョイント111 により他のリンク113 に回動可能に連結
されている。
【0004】リンク113 は、ジョイント115 を介して上
部垂直リンク117 に連結されている。リンク117 は基体
123により支持されている下部垂直リンク121にジョイン
ト119を介して回転可能且つ入れ子式に連結されてい
る。このマニピュレータは、一般に通信端末127 と計算
および記憶回路(図示せず)とを備えたコントローラ125
により制御される。同図において一部を切り欠いて示す
ように、電気モータ129のような動力手段が、矢131 で
示すように上部垂直リンク117 を下部垂直リンク121 に
対して回転させる。同様に、モータまたは空圧式アクチ
ュエータ等の他の動力手段(図示せず)が、ジョイント
の物理的構造に従って、他の各種のリンクを種々な様式
で動かす。光学式エンコーダ等のセンサがリンク121 に
対するリンク117 の角方位に関するフィードバックを行
う。他のセンサ(図示せず)は、関連するリンクまたは
他の部分に対する他の各種ジョイントの位置に関するフ
ィードバックを行う。歪ゲージ135 等のセンサが、上部
リンク117 により発揮されるトルクに関するフィードバ
ックを行う。他のセンサ(図示せず)は、マニピュレー
タの他の部分により発揮される力およびトルクに関して
同様のフィードバックを行う。
【0005】手101 の位置および方向は、ある便宜上の
座標系について記述されるのが普通である。例えば、マ
ニピュレータ100 については、所望位置に原点137 を有
し、基体123 に平行な水平面を規定するx軸139 および
y軸141 、および垂直リンク117 に平行で垂直なz軸14
3 を有する固定デカルト座標系を使用するのが都合が良
いであろう。他の用途においては、球面または円筒の
系、または原点が固定されていない系等の他の座標系を
使用するのが望ましいことがある。
【0006】ロボットマニピュレータのエンドエフェク
タに必要とされる運動は、至極複雑であることが非常に
多く、この運動を正確且つ自動的に制御するために種々
なシステムが提案されてきた。「ハイブリッド」制御シ
ステムとして知られているこのようなシステムの一つ
は、エンドエフェクタの変位およびそれにより発揮され
る力の双方の統合制御を行う(便宜上、ここでは「変
位」という用語をエンドエフェクタの位置および方向を
指すのに使用する)。
【0007】一般に、ハイブリッド制御システムは、動
作のあらゆる一方向の変位または力を制御する。主要な
概念は、例えば形状寸法が良く規定されていないかまた
は未知でありまたは一定の接触力が必要であるといった
理由のため、変位を制御するのが困難な方向における力
を制御することである。ハイブリッド制御システムは専
門用途では満足に働いてきたが、一般にはこのようなシ
ステムの行う制御は安定しない。このような安定性の保
証が欠けているためハイブリッド制御システムの適用可
能性および受容可能性が制限されてきた。
【0008】図2は、Craig,J.J.および M.H.Raibert
が「A Systematic Method of HybridPosition/Force C
ontrol of a Manipulator」(Computer Software and A
ppli-cations Conference, IEEE Computer Society, No
vember 1979, Chicago, Illi-nois)の446頁〜451頁で
提案しているような従来のハイブリッド制御システムの
機能ブロック図を示すものである。この制御システムの
目的は、マニピュレータ11のエンドエフェクタの変位お
よびそれにより発揮される力の双方を制御することであ
る。マニピュレータ11は、多数の異なる種類のどんなマ
ニピュレータにも代わることができるものであり、図1
に示すマニピュレータ100 はそのうちの単なる一例に過
ぎない、ということが理解されるであろう。同様に、マ
ニピュレータ11は、どんな種類のエンドエフェクタをも
備えることができる。図2のほぼ対称な上半分および下
半分は、ハイブリッド制御システムの変位および力の制
御部分をそれぞれ示している。
【0009】図2の上半分において、加算ノード13は、
マニピュレータ11のエンドエフェクタの所望変位を表す
所望変位ベクトルxd およびその実際の変位を表す実変
位ベクトルxa を受け取る。上述のように、これら各変
位ベクトルは、エンドエフェクタの位置および方向の双
方を表すものであり、したがって一般には6要素ベクト
ルである。ある用途においては、必要な要素が6より少
ないことがある。例えば、専ら平面内で動くエンドエフ
ェクタの場合には、x座標およびy座標および一つの方
向値を与える3要素ベクトルで十分である。
【0010】ある状況では、例えば変位ベクトルに加え
て、速度および加速度のような一つ以上の他のベクトル
によりエンドエフェクタの運動を更に表現してシステム
性能を向上させるのが望ましいことがある。
【0011】どのような所定状況においても、所望変位
ベクトルxd の要素の特定の値は、ユーザから与えられ
るかまたはコンピュータなどにより計算することができ
る。実変位ベクトルxa の要素の値は、マニピュレータ
100 の各種ジョイントの、又はエンドエフェクタ自体の
実際の位置および方向を検出するマニピュレータ100を
参照して説明したもののようなセンサにより与えられる
信号から得られる。
【0012】加算ノード13は、実変位ベクトルxa およ
び所望変位ベクトルxd を代数的に組み合わせて差を表
すエンドエフェクタ変位誤差ベクトルxe を生成する。
すなわち、 xe =xd −xa 制御信号は、xe から得られ、手短かに一層詳細に説明
するように、エンドエフェクタをその所望の位置および
方向に動かすのに使用される。
【0013】同様に、図2の下半分では、加算ノード15
が、マニピュレータ11のエンドエフェクタにより発揮さ
れる所望の力を表す所望力ベクトルfd およびエンドエ
フェクタにより発揮される実際の力を表す実力ベクトル
a を受け取る。これら力ベクトルは、力およびモーメ
ントの双方の情報を実際に表しており、それ故、変位ベ
クトルのように、一般に6要素を備えている。
【0014】ベクトルfd およびfa の要素の特定の値
は、それぞれベクトルxdおよびxaの要素の値を決定す
るのに使用されるのと同様の様式で決定される。
【0015】加算ノード15は、実力ベクトルfa および
所望力ベクトルfd を代数的に組み合わせて、上述のエ
ンドエフェクタ変位誤差ベクトルxe の決定と類似した
様式で、差を示すエンドエフェクタ力誤差ベクトルfe
を生成する。制御信号が、該fe から得られ、エンドエ
フェクタに所望の力を発揮させるために使用される。
【0016】エンドエフェクタの変位および力の誤差ベ
クトルxe およびfe を使用して制御信号を生成する方
法を次に一層詳細に説明する。
【0017】エンドエフェクタにより発揮される力では
なく、エンドエフェクタの変位が沿って制御されるべき
軸に対応するxe の項を選択する必要がある。機能ブロ
ック17で示すように、この選択は対角選択行列(Sと記
す)を用いて行われる。
【0018】選択行列Sの各対角要素は1か0の値を持
っている。1の値は、変位が沿って制御されるべき軸を
示すが、0の値は変位が沿って制御されない軸を示す。
行列Sは一般には6×6対角行列である。
【0019】ベクトルxe に行列Sを乗算して、次のよ
うな選択されたエンドエフェクタ変位誤差ベクトルxes
を得る。
【0020】 xes=Sxe (1) ベクトルxesは、マニピュレータの各種ジョイントの変
位を表す値に変換されなければならない。機能ブロック
19で示すように、この変換はヤコビ行列として知られて
いる所定の行列の逆行列により達成される。
【0021】ヤコビ行列(Jと記す)は、ジョイント変
位誤差ベクトルΘe で表されるマニピュレータのジョイ
ントの差動運動を、関連する座標系についてエンドエフ
ェクタの差動運動へと写像する関数の一次近似である。
エンドエフェクタの差動運動は、勿論、エンドエフェク
タ変位誤差ベクトルxe で表される。この写像は次の線
形化関係で表される。
【0022】 xe =JΘe (2) ベクトルΘe は各ジョイントに関連する要素を持ってい
る。ロボットにn個のジョイントがあれば、ベクトルΘ
e はn要素ベクトルである。ヤコビ行列Jの導出につい
ては、例えば、Paul,R.P.著の「Robot Manipulators:M
athematics, Pro-gramming and Control」(MIT Press,
1981)に示されている。
【0023】ベクトルΘe が既にわかっていれば、方程
式(2) に従ってベクトルxe を計算することができる。
しかし現状では、ベクトルxe が既知であり、ベクトル
Θe を計算することが望まれる。このため、行列Jによ
り与えられる写像の逆が必要となる。Jが最大等級の正
方行列であれば一義的な逆写像が存在し、この場合に
は、ジョイント変位誤差ベクトルΘe をエンドエフェク
タ変位誤差ベクトルxe から次のように計算することが
できる。
【0024】 Θe =J-1e (3) 方程式(3) は、所望の選択されたジョイント変位誤差ベ
クトルΘesを、方程式(1) で求められた選択されたエン
ドエフェクタ変位誤差ベクトルxesから次のように計算
しようとする場合に使用されている。
【0025】 Θes=J-1es (4) しかし、このような方法で選択されたジョイント変位誤
差ベクトルΘesを計算すると不安定を生じる可能性があ
り、そのためハイブリッド制御システムの有用性が制限
される。
【0026】Jが正方でなければ、疑似逆(pseudo-inv
erse)J+ が逆J-1の代わりに方程式(3)および(4)で使
用されることになるということは当業者には明らかであ
ろう。簡単のため、ここではJ-1を、Jが正方であれば
Jの逆を、Jが正方でなければJの疑似逆を表記するの
に使用することにする。
【0027】選択されたジョイント変位誤差ベクトルΘ
esを計算し終わると、これを使用して「位置制御法」機
能ブロック21で示される位置補正トルクベクトルτp
要素を計算する。ベクトルτp は、ジョイントの動力手
段に加えてエンドエフェクタを所望の位置および方向に
移動させる制御信号を表す。
【0028】位置制御法は、一般に線形微分方程式であ
るが、入力ベクトルについて演算して一義的な出力を生
成するどのような関数でもよい。実際上は、制御法はP
−I−D(比例、積分、微分)制御法であることが非常
に多いが、その代わりに適応または他の形式の制御法を
使用することもできる。
【0029】エンドエフェクタの位置が沿って制御され
るべき軸に対応するxe の項を選択するのと同様に、エ
ンドエフェクタにより発揮される力が沿って制御される
べき軸に対応するエンドエフェクタ力誤差ベクトルfe
もまた選択されなければならない。この選択は、機能ブ
ロック23で示すように行列I−S(Iは単位行列であ
る)により行われる。行列I−Sは選択行列Sの直交補
空間である。
【0030】行列I−Sの各対角要素は1か0の値を持
っている。1の値は力が沿って制御されるべき軸を示す
が、0の値は力が沿って制御されない軸を示す。説明し
ている実施例において、この行列は一般に6×6対角行
列である。力の制御は位置制御に直交しており、したが
って数学的定義は、
【0031】
【数1】
【0032】
【外1】
【0033】びその逆も同様であることが理解されるべ
きである。
【0034】
【外2】
【0035】fesを次のように求める。
【0036】
【数2】
【0037】エンドエフェクタの選択された力誤差ベク
トルfesの値を、各種ジョイントにより発揮されるトル
クに変換しなければならない。これは、ヤコブ行列Jの
転置行列であるJT を用いて次の関係に従って行われ
る。
【0038】τe =JTe この方程式は、方程式(3) とは異なり、近似ではなく、
したがってどんなJおよびfに対しても正しい。これか
ら所望ジョイント力誤差ベクトルτesを、機能ブロック
25に示すように、システムに不安定性を導入することな
く、次の関係に従って計算できることになる。
【0039】τes=JTes ジョイント力誤差ベクトルτesを計算し終わったら、そ
れを使用して、「力制御法」機能ブロック27に示すよう
に、力補正トルクベクトルτf の要素を計算する。ベク
トルτf は、ジョイントの動力手段に加えてエンドエフ
ェクタに所望の力を発揮させる制御信号を表している。
【0040】最後に、位置補正トルクベクトルτp およ
び力補正トルクベクトルτf を、加算ノード29で示すよ
うに、代数的に組み合わせて、マニピュレータの各種ジ
ョイントと関連する動力手段に加えてエンドエフェクタ
を所望の位置および方向に移動させ、エンドエフェクタ
に所定の力およびモーメントを発揮させるようにする最
終的な制御信号のセットを生成する。
【0041】図2は、実変位ベクトルxa および実力ベ
クトルfa を計算する一般的な手段を示す。センサで測
定した各種ジョイントの変位はジョイントベクトルΘa
で表される。実変位ベクトルxa は、機能ブロック31で
示すように順方向運動方程式に従ってジョイントベクト
ルΘa から計算される。同様に、機能ブロック33で示す
ように、実力ベクトルfa は、力変換方程式により、各
種ジョイントでセンサにより測定されたもののような力
h の測定値から計算される。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなハイブリ
ッド制御システムは、これまで提案されてきた種々な種
類のハイブリッド制御システムの典型的なものである。
これらシステムはある特殊な用途では満足に働いてきた
が、一般にそれらはSとJ-1との或る組み合わせについ
て不安定になる可能性がある。即ち、無限の(または無
限に近い)または無制限の振動性位置補正トルクベクト
ルτp がxesの有限値に応じて生成されることがある。
この不安定動作の可能性のため、ハイブリッド位置およ
び力制御システムの適用可能性および受容可能性が制限
されてきた。したがって、ロボットマニピュレータ用の
安定なハイブリッド制御システムを実現する方法が必要
である。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロボットマニ
ピュレータのエンドエフェクタの変位および力を制御す
る安定したハイブリッド制御システムを提供する。加え
て、本発明は、制御システムを調整する簡単且つ有効な
手段を提供する。本発明は、現存するロボットシステム
に容易に使用することができる。
【0044】本発明によるハイブリッド制御システムの
好適実施例では、エンドエフェクタ変位誤差信号に選択
行列とヤコビ行列との行列積の疑似逆行列を乗じて、選
択されたジョイント変位誤差信号を作る。このジョイン
ト変位誤差信号およびジョイント力誤差信号を組み合わ
せて、エンドエフェクタを所望変位に従って移動させ、
エンドエフェクタに所望の力を発揮させる制御信号を生
成する。
【0045】エンドエフェクタ変位誤差信号は一般に、
エンドエフェクタの実変位を示す信号と所望変位を示す
信号との間の差を計算することにより得られる。同様
に、エンドエフェクタ力誤差信号は、エンドエフェクタ
により発揮される実際の力と所望の力との間の差を計算
することにより得られ、次いでこのエンドエフェクタ力
誤差信号からジョイント力誤差信号が計算される。
【0046】本発明の他の好適実施例は、例えば入力調
整信号に、単位行列と、ヤコビ行列の疑似逆行列とヤコ
ビ行列との行列積との間の行列の差を乗じることによ
り、ジョイント調整信号を生成する手段を備えている。
このジョイント調整信号は、システムを調整して、例え
ばマニピュレータの或る部分が近辺の障害物に突き当た
らないようにするのに使用される。望ましくは、調整信
号の変位および力の成分を別々に生成して、ジョイント
変位誤差信号およびジョイント力誤差信号の双方を調整
する。
【0047】本発明の他の特徴および長所は、本発明の
原理を例示して図解する図面に関連して行う以下の詳細
な説明から明らかになるであろう。
【0048】
【実施例】図解を目的とする図面に示すように、本発明
は、ロボットマニピュレータ用の新規なハイブリッド制
御システムにより具現される。本発明によるシステム
は、マニピュレータの安定した調整可能な制御を行う。
現存するハイブリッド制御システムは、限られた環境下
以外では安定な制御を行うことができなかった。
【0049】本発明による安定したハイブリッド制御シ
ステムの好適実施例では、エンドエフェクタ変位誤差信
号に選択行列とヤコビ行列との行列積の疑似逆行列を乗
じて選択されたジョイント変位誤差信号を生成してい
る。ここで使用する「選択行列」という用語は、先に規
定した対角選択行列が一例となる射影行列を包含するこ
とを意味する。このジョイント変位誤差信号およびジョ
イント力誤差信号が組み合わされて、所望変位に従って
エンドエフェクタを移動させ、エンドエフェクタに所望
の力を発揮させる、制御信号が生成される。
【0050】本発明の他の好適実施例では、入力調整信
号に、単位行列と、ヤコビ行列の疑似逆行列とヤコビ行
列との行列積との間の行列差を乗じてジョイント調整信
号を生成する。
【0051】本発明によるハイブリッド制御システムの
一つの好適実施例を図3に示す。このシステムの要素の
いくつかは図2に示す従来技術のシステムの要素と同様
であり、便宜上、そのような要素には同一符号を割り当
てた。
【0052】図3に示すシステムは、ロボットマニピュ
レータ11のエンドエフェクタの実変位xa とその所望変
位xd との間の差を示すエンドエフェクタ変位誤差信号
e を生成する加算ノード13のような手段と、エンドエ
フェクタ変位誤差信号に選択行列Sとヤコビ行列Jとの
行列積の疑似逆を乗じることによりジョイント変位誤差
信号Θesを計算する手段35と、エンドエフェクタにより
発揮される実際の力fa とエンドエフェクタにより発揮
されるべき所望の力fd との差を表すエンドエフェクタ
力誤差信号fe を生成する加算ノード15のような手段
と、エンドエフェクタ力誤差信号からジョイント力誤差
信号τesを計算する手段37と、ジョイント変位誤差信号
およびジョイント力誤差信号に応じて制御信号を生成し
て、エンドエフェクタを所望変位に従って移動させ、エ
ンドエフェクタに所望の力を発揮させる加算ノード29の
ような制御信号手段とを備えている。
【0053】システムは、位置制御法に従ってジョイン
ト変位誤差信号から位置補正トルク信号τp を計算する
機能ブロック21で示すような手段と、力制御法に従って
ジョイント力誤差信号から力補正トルク信号τf を計算
する機能ブロック27で示すような手段とを備えているこ
とが望ましい。加算ノード29は、これら二つののトルク
信号を組み合わせて制御信号を生成する。
【0054】システムは望ましくは、マニピュレータの
ジョイントの実際の変位を表す信号Θa に応じてエンド
エフェクタの実変位信号を生成する機能ブロック31に示
すような第1のフィーッドバック手段と、マニピュレー
タのジョイントにおける力等の力を表す信号fh に応じ
てエンドエフェクタ実力信号を生成する機能ブロック33
に示すような第2のフィードバック手段とを備える。
【0055】本発明による調整可能なハイブリッド制御
システムの一つの好適実施例を図4に示す。このシステ
ムは、幾つかの局面において図3に示したシステムと同
様であり、便宜上、同様の要素には同様の参照数字を割
当て、特に説明しないことにする。
【0056】図4に示す調整可能なハイブリッド制御シ
ステムは、ジョイント調整信号を生成するため1対の機
能ブロック41,43 のような手段を備えている。より詳細
には
【0057】
【外3】
【0058】似逆行列J+ とヤコビ行列Jとの行列積と
の行列差を乗じることにより、ジョイ
【0059】
【外4】
【0060】が供給することも、コンピュータにより計
算することも、またその種の他のものにより与えること
もできる。
【0061】
【外5】
【0062】の疑似逆行列とヤコビ行列との行列積との
間の行列差を乗じることにより、ジョイント調整信号の
力成分を計算する手段を備えている。
【0063】加算ノード45は、ジョイント調整信号の変
位成分をジョイント変位誤差信号と組み合わせてマニピ
ュレータの変位を調整する。同様に、加算ノード47は、
ジョイント調整信号の力成分をジョイント力誤差信号と
組み合わせてマニピュレータにより発揮される力を調整
する。
【0064】ある特定のシステムには、変位および力の
双方を調整する必要が無いものがある。例えば、マニピ
ュレータの変位だけを調整したい場合には、機能ブロッ
ク43および加算ノード47を省略してマニピュレータによ
り発揮される力を調整しないようにする。
【0065】本発明の数学的根拠について次に更に詳細
に説明する。
【0066】従来のハイブリッド制御システムの不安定
性は、図2の機能ブロック17,19 で計算が表される方程
式(1)〜(4)に関して先に説明したように、システムの変
位部分に存在する。これらの方程式を便宜上ここに再び
記すことにする。
【0067】 xes=Sxe (1) xe =JΘe (2) Θe =J-1e (3) Θes=J-1es (4) 特に、方程式(4) から導出される解は正しくなく、不安
定を生じることになる。ヤコビ行列Jが最大等級のもの
であるという基本的仮定は、その逆行列J-1を方程式
(3) に使用してエンドエフェクタ変位誤差ベクトルxe
をジョイント変位誤差ベクトルΘe に写像する際に暗黙
のうちになされる。
【0068】ハイブリッド制御機構に関係する変位誤差
ベクトルはxesでありxesからΘesを得る方程式(4) は
方程式(1),(2) が二つの独立した写像であることを仮定
している。実際に方程式(1),(2)を組み合わせるとその
結果は次のようになる。
【0069】 Sxe =(SJ)Θe (5) この結果の意味は、Sが方程式(5) の左辺のスペースを
減らす射影行列であるのに対し、SJが冗長な数のマニ
ピュレータジョイントを右辺の減少したスペースに写像
する、ということである。一般にこれはエンドエフェク
タの変位の制約条件を満たすのに必要なジョイントより
多くのジョイントが存在するということを意味する。し
たがって、方程式(3) のJ-1の使用を伴う(Jが最大等
級のものであるという)暗黙仮定は、一般の場合には妥
当でない。
【0070】方程式(1) を方程式(5) に代入すると、選
択されたエンドエフェクタ変位誤差とジョイント変位誤
差との間の正しい関係が次のように得られる。
【0071】 xes=(SJ)Θe (6) SJが非正則行列であり、逆行列を持たないことに注目
すべきである。
【0072】選択されたジョイント変位誤差ベクトルに
ついての方程式(6) の一般解は、 Θes=(SJ)+ es+〔I−(SJ)+ (SJ)〕z (7) であり、ここで、(SJ)+ は(SJ)の疑似逆行列で
あり、zはマニピュレータのジョイントスペースにおけ
る任意ベクトルである。
【0073】疑似逆行列については、Strang,G.の「Lin
ear Algebra and Its Applications(2nd Ed.)」(Ac
ademic Press, 1980)に述べられている。方程式(4) に
より計算されるΘesについての元の位置の解が、方程式
(7) の解と必ずしも同じ結果を生じるとは限らないとい
うことは明らかである。方程式(7) は、ここではΘes
ついての一般位置解と呼ぶことにする。
【0074】方程式(7) により与えられるΘesについて
の一般位置解と方程式(4) により与えられる解との間の
関係を完全に正しく評価するには、線形系についての射
影行列の性質を利用する。
【0075】これらの性質については Halmos,P.R.の
「Finite-Dimensinaol Vector Spaces」(Springer-Ver
lag,1974)に一層詳細に説明されている。
【0076】ジョイント変位誤差ベクトルΘesは、方程
式(6) からの(SJ)変換行列を使用して次のように二
つの直交ベクトルの和に射影することができる。
【0077】 Θes=(SJ)+ (SJ)Θes+〔I−(SJ)+ (SJ)〕Θes (8) ここで、(SJ)+ (SJ)および〔I−(SJ)
+ (SJ)〕は、システムについてのジョイントスペー
ス射影行列である。
【0078】方程式(4) から得られるΘesについての解
を方程式(8) に代入すると、次式が得られる。
【0079】 J-1es=(SJ)+(SJ)J-1es+〔I−(SJ)+(SJ)〕J-1es (9) 射影ベクトル(SJ)+ (SJ)J-1esは、 JJ-1=I および Sxes=xes の関係を使用して簡素化し、次の式を得ることができ
る。
【0080】 J-1es=(SJ)+ es+〔I−(SJ)+ (SJ)〕J-1es (10) 方程式(10)の最初の射影項が、方程式(7) により与えら
れるΘesの一般形の最小ノルム解部分であることに注目
することが重要である。
【0081】方程式(10)は、方程式(4) を用いてΘes
ついて解くのにヤコビ行列の逆行列を使用するという従
来の方法が、最小ノルム解に直交ベクトル〔I−(S
J)+(SJ)〕J-1esを不注意に付加することにな
ることを明示している。方程式(7)により与えられる一
般位置解に、方程式(4) により与えられる解と同じ挙動
をさせるために、方程式(10)及び方程式(7) の直交射影
項を比較して、任意ベクトルZについての明らかな一つ
の選択が z=J-1es (11) となることを直ちに確認する。
【0082】従来のハイブリッド制御システムの運動学
的な不安定性は、方程式(11)により与えられるzを(S
J)の零スペースへ射影することによって生じる。
【0083】方程式(7) の直交ベクトル〔I−(SJ)
+ (SJ)〕zが、Θesの解に柔軟性を付加し、ある所
望の基準(例えば、ジョイントエネルギーを最小にする
かまたはジョイントを動作範囲の中間に保つことに基づ
いてΘesを最適化するのに使用可能であることを主張す
ることができる。方程式(7) の一般位置解がハイブリッ
ド制御機構の残りを考慮せずに得られたということに留
意するのが重要である。直交ベクトルの寄与は、公式の
力制御部分により使用される可能性のあるスペースであ
る最小ノルム解に利用することのできないジョイントス
ペースからのものである。ハイブリッド制御機構の力部
分との矛盾を回避するには、任意ベクトルzが0である
と仮定して方程式(7) が次の最小ノルム解に至るように
する。
【0084】 Θes=(SJ)+ es (12) この最小ノルム解は、選択されたエンドエフェクタ変位
ベクトルxesからジョイント変位誤差ベクトルΘesへの
線形変換が、S=Iの場合にジョイント誤差ベクトルΘ
e の反対方向とみなされるベクトルを決して生成しない
こと、およびジョイント誤差ベクトルノルムにおける増
大を決して生じさせないことを保証する。したがってシ
ステムは、後述するように、常に運動学的に安定する。
【0085】この方程式(12)により与えられるΘesの最
小ノルム解は、上述し且つ図3に示した本発明の第1の
実施例にて実施されている。方程式(1)により与えられ
るxeからxesへの変換を図3に示してないことが注目
される。Noble,B.著の"Methodsfor Computing the Moor
e-Penrose Generalized Inverse, and Related Matter
s," Generalized Inverses and Applications ((M.Z.
Nashed,ed.), AcademicPress, 1976)の245頁〜302頁に
記載されているように、(SJ)+Sおよび(SJ)+
双方が疑似逆行列の4つの Moore-Penrose 特性を満た
していることがわかる。行列の疑似逆は一義的であるか
ら、 (SJ)+ S=(SJ)+ となる。したがって、方程式(12)から、 Θes=(SJ)+ es=(SJ)+ Sxe =(SJ)+ e となる。
【0086】図2の機能ブロック23,25 が図3の機能ブ
ロック37で置き換えられていることもまた注目される。
ブロック37はブロック23,25 と等価であり、その変更は
図面の対称性を保つためだけに行われたものである。二
つのブロック23,25 は、エンドエフェクタ力をジョイン
トトルクに写像するための行列変換を表すものであり、
標準的な行列の代数演算により図3に示す一つの等価な
ブロックへと組み合わせられている。
【0087】まさに運動学的情報を使用してシステムを
安定させるのに十分な条件について次に説明する。シス
テムの安定性は、運動学、動力学、および制御法との間
の相互作用によって決まる。決定的な問題点は、選択行
列がシステムの安定性にどう影響するかである。システ
ムは、これら通常条件下でxe に対応するΘe がシステ
ムを不安定にしないように純粋な位置制御状態にある
(即ち、S=Iである)場合に安定であると仮定され
る。選択行列の目的は、本質的に不安定なシステムを安
定させることではなく、または本質的に安定なシステム
を不安定にすることでもない。そこで問題は、任意の選
択行列Sについて計算されたジョイント変位誤差ベクト
ルΘesを、S=Iである純粋な位置制御の条件下で計算
した安定なジョイント変位誤差ベクトルと比較すること
のみとなる。これはジョイント誤差ベクトルの内積を用
いてシステムの安定に十分な次のような条件を規定する
ことによりなされる。
【0088】
【数3】
【0089】ここで、∀は「全てについて」を意味す
る。
【0090】Θe およびΘesが共に同一のエンドエフェ
クタ変位誤差ベクトルxe を用いて計算され、これによ
りΘesの解を常にΘe に関係づけるということに注目す
るのが重要である。不等式(13)の下限は、ΘesのΘe
の射影がΘe の反対方向にあり得ず、これにより、シス
テムに正帰還を導入する不安定な状態の可能性を排除す
るということを意味する。不等式(13)の上限は、Θes
Θe への射影がΘe より大きくなり得ず、エンドエフェ
クタがその目標点をオーバシュートして制御不能なシス
テム発振を生じることがないようにすることを意味す
る。Θe TΘesの値が不等式(13)の境界の外にある場合、
システムは依然として安定であり得る。システムが不安
定になる前にこの値が境界の外側にどれだけ離れる可能
性があるかを決めることは簡単ではなく、不等式(13)は
システムの安定性に関して十分条件ではあるが、必要条
件ではないことを記憶しておかなければならない。
【0091】図3に示す実施例について、Θe とΘes
の間の関係を決定するには、方程式(12)と方程式(6) と
を組み合わせて、 Θes=(SJ)+ (SJ)Θe (14) を得る。(SJ)+ (SJ)は射影行列(Halmosの著書
を参照)であり、それ故半正値の行列(Strangの著書を
参照)の定義を満たしており、従って、二次式
【0092】
【数4】
【0093】はすべてのベクトルΘe について真であ
る。方程式(14)のΘesを不等式(13)に代入すると、その
内積はまさしく不等式(15)であり、それ故Θesについて
の最小ノルム解が常に不等式(13)の下限を満たすことに
なる。
【0094】射影行列の他の性質は、射影ベクトルのノ
ルムが元のベクトルのノルムにより束縛されるというこ
とである。このことは、方程式(14)で与えられるΘes
ノルムが、 ‖(SJ)+ (SJ)Θe ‖≦‖Θe ‖ (16) により束縛され、それゆえΘesの最小ノルム解を使用す
る際に不等式(13)の上限がすべてのΘe について満たさ
れるということを意味する。これにより、方程式(12)の
Θesについての最小ノルム解が、不等式(13)で規定した
システム安定性についての十分条件を常に満足すること
が証明される。
【0095】図2に示す従来のハイブリッド制御システ
ムでは、Θe とΘesとの関係は、方程式(1),(2),(4)を
組み合わせて、 Θes=(J-1SJ)Θe (17) を得ることにより容易に決定される。An,C.J. および
J.M.Hollerbach.共著の "Kinematic Stability Issues
in Force Control of Manipulators," Internati-onal
Conference on Robotics and Automation(IEEE Roboti
cs and AutomationSociety, Raleigh, N.C.,April 198
7)の897頁〜903頁には、システムの位置部が不定定に
なり得ること、およびその原因が運動学上のJ-1SJ変
換行列とシステムの慣性行列との間の相互作用に幾らか
関係しているということが例示されている。An等は、シ
ステムの位置部の線形状態スペースモデルを使用して種
々なマニピュレータ構成の根軌跡をプロットすることに
より、不安定性について試験した。実際に、システムの
極を、各種エンドエフェクタの運動についての不安定な
右半面に移動させるのはJ-1SJ項である。
【0096】同じ例を使用して、不等式(13)による十分
条件の試験を適用する場合、J-1SJ項は不安定システ
ムが生じることの原因となる。An等の「事例2」では、
S=diag〔0,1〕で、2関節マニピュレータについての
ヤコビ行列は次式で与えられている。
【0097】
【数5】
【0098】ただし、Si =sin(θi ) Ci =cos(θi ) S12=sin(θ1 +θ2 ) C12=cos(θ1 +θ2 ) リンクの長さは、 l1 = 0.462m l2 = 0.4445m である。
【0099】方程式(17)を用いたΘe とΘesとの内積
は、Θe T(J-1SJ)Θe である。この内積を、不等式
(13)の十分条件によって先に示した境界に対して試験す
るにはθ1 =0°、およびθ2 が Θe =〔0,±1〕T で−180 °から180 °まで変わる状況を考える。その試
験結果のプロットを図5に実線51で示す。
【0100】比較のため、本発明によるΘesの最小ノル
ム解を使用した内積のプロットを図5に破線53で示す。
図5に示すように、従来のΘesの解は、
【0101】
【数6】
【0102】である場合にシステムの安定性に関する十
分条件を犯すが、本発明によるΘesの解は常に安定であ
る。
【0103】図5で「x」印がつけてある点55は、An
等により、システムが安定領域から不安定領域へ実際に
移行するθ2 の値を示す点として確認されており、シス
テムは実際に値Xより小さいθ2 の値についてのみ不安
定となる。内積がxから90°までのθ2 の値について負
であっても、システムはこのようなθ2 の値について依
然として安定である。不等式(13)の十分条件は、記述さ
れた境界の外側にある値についてシステムが不安定にな
るということを意味せず、それはただ不安定な状況が起
こり得ることを示しているだけであるということを想起
されたい。
【0104】An等によれば、
【0105】
【数7】
【0106】と記述される閉ループシステムは、平衡点
における局部的安定性を保証するため行列の固有値につ
いて実数部が負でなければならない。慣性行列は、
【0107】
【数8】
【0108】である。
【0109】ここで、 m11=I1 +I2 +m2 1 2 2 + 1/4(m1 1 2+m2 2 2) +m2 1 212=m21=I2 +1/4 m2 2 2+1/2 m2 1 2 2 22=I2 +1/4 m2 2 2 慣性値は、 I1 =8.095kg ・m22 =0.253kg ・m2 である。質量値は、 m1 =120.1kg m2 =2.104kg である。通常条件下でシステムを安定に保つために利得
行列が次のように選定された。
【0110】Kp =diag〔2500, 400 〕 Kv =diag〔 300, 30〕 θ=0°およびθ2 が−180 °から180 °まで変わる場
合の方程式(19)の根軌跡プロットを図6に示す。特異点
は除いてある。不安定な右半面へのシステムの極の遷移
は、ほぼθ2 =79°で生じる。この根軌跡プロットは、
従来技術によるΘesの計算が、不等式(13)の十分条件が
負である場合にシステムを不安定にすることがあるとい
う主張を確認するものである。
【0111】比較のため、J-1SJの項を方程式(14)か
らの(SJ)+ (SJ)で置き換えた場合の方程式(19)
の同様な根軌跡プロットを図7に示す。θ2 のどんな値
に対しても不安定な右半面に根は存在しない。
【0112】図4に示す調整ハイブリッド制御システム
の数学的根拠を次に説明する。図4の実施例において、
システムの変位および力の両制御部を調整する準備がな
されている。しかし、上述してきたように、ある実施例
では、システムの一方の部分だけを調整したいことがあ
る。したがって、あるシステムでは両部ではなく、変位
部だけまたは力部だけを調整する設備を備えることがあ
る。
【0113】図4に示すシステムでは、ブロック35で具
限され、数学的に Θes=(SJ)+ e (20) と表されるΘesの解は、加算ノード45でJの零スペース
からの別の項と組み合わされて、
【0114】
【数9】
【0115】となる。
【0116】
【外6】
【0117】イントスペースのベクトルである。このジ
ョイント変位誤差ベクトルΘesの一般形により、所望の
各種ジョイントの変位を調整することができ、例えば、
障害を回避することができる。
【0118】同様に、ブロック37で具現され、数学的に
【0119】
【数10】
【0120】と表されるτesの解は、Jの零スペースか
らの別の項と組み合わされて、
【0121】
【数11】
【0122】となる。
【0123】
【外7】
【0124】ントスペースのベクトルである。このジョ
イント力誤差ベクトルτesの一般形によりジョイントの
能力に基づきジョイントのトルクを再配分することがで
きる。図4に示すシステムは、制御機構における冗長ジ
ョイントという別の柔軟性を考慮して、ヤコビ行列の逆
行列を使用しなくてもよいようにしている。(SJ)+
【0125】
【外8】
【0126】的に安定である。勿論これらの変換を利用
しないが安定であることがわかっている特殊なハイブリ
ッド制御システムも、本発明の原理に従って調整し、改
良された調整可能な制御システムとすることができるこ
とは明らかである。
【0127】これまで述べてきたことより、本発明によ
り提供されるハイブリッド制御システムが、当技術にお
いてかなりの進歩を示していることが認められるであろ
う。本発明は、ロボットマニピュレータを安定を確保し
て制御する手段を提供する。更に、このシステムは必要
に応じて、例えば障害物の回避のために調整することが
できる。
【0128】本発明の特定の実施例について説明し且つ
図解してきたが、本発明はそのように説明し図解した部
分の特定の形態または構成に限定されるべきではなく、
本発明の範囲および思想から逸脱することなく種々な修
正および変更が可能である。それ故、特許請求の範囲内
で、特に説明し図解する場合の他に、本発明を実施する
ことができる。
【0129】
【発明の効果】本発明は上述のように、エンドエフェク
タ変位誤差信号に選択行列とヤコビ行列との行列積の疑
似逆行列を乗じて、選択されたジョイント変位誤差信号
を生成するので、現存するロボットシステムに容易に使
用可能な、ロボットマニピュレータのエンドエフェクタ
の変位および力を制御するための、運動学的に安定した
ハイブリッド制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のロボットマニピュレータを示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示すようなマニピュレータを制御するた
めの従来のハイブリッド制御システムの機能を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明によるハイブリッド制御システムの機能
を示すブロック図である。
【図4】本発明による調整可能なハイブリッド制御シス
テムの機能を示すブロック図である。
【図5】図2に示すような従来のハイブリッド制御シス
テムに対して行われた十分安定性試験の結果と、図3に
示すような本発明によるハイブリッド制御システムに対
して行われた十分安定性試験の結果とを示すグラフであ
る。
【図6】図2に示す種類のシステムの安定根軌跡プロッ
トを示すグラフである。
【図7】図3に示すような本発明によるシステムの安定
根軌跡プロットを示すグラフである。
【符号の説明】
11 ロボットマニピュレータ11 13 加算ノード 15 加算ノード 29 加算ノード 35 計算手段 xa エンドエフェクタの実変位 xd エンドエフェクタの所望変位 xe エンドエフェクタ変位誤差信号 Θes ジョイント変位誤差信号 fa エンドエフェクタによる実際の力 fd エンドエフェクタによる所望の力 fe エンドエフェクタ力誤差信号 τes ジョイント力誤差信号
フロントページの続き (73)特許権者 399117121 395 Page Mill Road Palo Alto,Californ ia U.S.A. (72)発明者 エム・シャヒド・ムジタバ アメリカ合衆国カリフォルニア州95035 ミルピタス,ノース・パーク・ヴィクト リア・ドライヴ・2237 (56)参考文献 特開 平2−310609(JP,A) 特開 平2−269586(JP,A) 特開 平1−316187(JP,A) 吉川恒夫 他2名,ロボットアームの 位置と力の動的ハイブリッド,日本,ロ ボット学会誌,日本,Vol.6 N o.5,P.380−387 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 B25J 1/00 - 21/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットマニピュレータのエンドエフェク
    タの実際の変位と前記エンドエフェクタの所望の変位と
    の間の差を示すエンドエフェクタ変位誤差信号を生成す
    る手段と、 そのエンドエフェクタ変位誤差信号に選択行列とヤコビ
    行列との行列積の疑似逆を乗じることにより選択された
    ジョイント変位誤差信号を計算する手段と、 前記エンドエフェクタにより発揮される実際の力と前記
    エンドエフェクタにより発揮されるべき所望の力との間
    の差を表すエンドエフェクタ力誤差信号を生成する手段
    と、 そのエンドエフェクタ力誤差信号から選択されたジョイ
    ント力誤差信号を計算する手段と、 前記ジョイント変位誤差信号および前記ジョイント力誤
    差信号に応じて制御信号を生成して、前記エンドエフェ
    クタを所望の変位に従って移動させ、前記エンドエフェ
    クタに所望の力を発揮させる制御信号手段とからなるこ
    とを特徴とする、ハイブリッド制御システム。
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