JP3296431B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP3296431B2
JP3296431B2 JP2001033723A JP2001033723A JP3296431B2 JP 3296431 B2 JP3296431 B2 JP 3296431B2 JP 2001033723 A JP2001033723 A JP 2001033723A JP 2001033723 A JP2001033723 A JP 2001033723A JP 3296431 B2 JP3296431 B2 JP 3296431B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録用紙の幅方向に移
動する記録ヘッドを有し、印刷デ−タに一致してインク
滴を記録用紙に噴射して画像を形成するインクジェット
式記録装置におけるインクの取り扱い技術に関する。
【0002】
【従来の技術】圧力発生室で加圧したインクをノズルか
らインク滴として記録用紙に吐出させて印刷デ−タを記
録するオンデマンド型インクジェット式記録装置は、ノ
ズル開口からのインク溶剤の蒸発による粘度の上昇や、
インクの乾燥、塵埃の付着、さらには気泡の混入などに
より印刷不良を生じるという本質的な問題を抱いてい
る。このため、この種のインクジェット式記録装置は、
非印刷時にノズル開口を封止するためのキャッピング手
段と、必要に応じてノズル開口近傍を清掃するためのク
リ−ニング手段とを備えている。このようなキャッピン
グ手段としては、例えば特開平1−125239号公報
に開示されたようにホ−ムポジションに移動して来たキ
ャリッジに押されて移動するスライダを、フレ−ムに設
けた傾斜案内面に沿わせてヘッドのノズル開口面側に移
動させ、スライダの表面に設けたキャップを記録ヘッド
に圧接させてノズル開口を封止するようにしたものが提
案されている。
【0003】このようなインクジェット式記録装置は、
インク補給の便を考慮してインクタンクをカ−トリッジ
形式に構成して、インクが消費された時点で新しいイン
クカートリッジに交換する方式が採用されている。この
ようなインクカートリッジの一つとして特開平2−18
7364号公報に開示されたものは、インクカートリッ
ジ内にインク吸収体をなす多孔質体を収容するととも
に、インク取り出し口の先端にリング状パッキング材を
設けてシ−ル材により封止して構成されている。これに
よれば、インクカートリッジを交換するという簡単な作
業でインク補給が済むため、インク補給時にインクの漏
洩などによる汚染を防止する上で非常に有用であるが、
反面においてインク供給針を挿入する段階で本体側のイ
ンク補給針とインクカートリッジのインク取出し口との
間でのピストン作用によりインクカートリッジ内に気泡
が侵入し易いという不都合がある。さらには、インク補
給の簡便さにより、インクカートリッジ内にインクが残
存しているにも関らず、インクカートリッジを取り外し
た後、これを再装着され、上記ピストン作用により気泡
が侵入して印字不良を招きやすいという問題がある。こ
のような問題を解消するため、弾性チューブと複数のロ
ーラを備え、給紙ローラを駆動するモータを一方の方向
に回転駆動することによりローラをチューブに当接させ
て吸引動作を行わせるチューブポンプを用い、キャップ
に負圧を供給して記録ヘッドからインクを強制的に排出
させることが行われている。このようなチューブポンプ
は、吸引時と逆方向に回転させてローラによるチューブ
の押圧を解除するため、記録ヘッドに正圧が作用してメ
ニスカスが破壊されるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題に鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、記録ヘッドから強制的にインクを排出させた後
に、記録ヘッドに無用な正圧が作用するのを防止するこ
とができるインクジェット式記録装置を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、インクタンクにインク供給
部材を介して連通するとともに、印字信号によりノズル
開口からインク滴を記録用紙に吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの前面に当接してノズル開口を気密状態
に保持するキャッピング手段と、前記キャッピング手段
に陰圧を供給するとともに前記キャッピング手段内のイ
ンクを廃インクタンクに吸引する吸引手段と、吸引制御
手段とを備え、前記吸引手段は、弾性チューブと複数の
ローラを備えていて、給紙ローラを駆動するモータを一
方の方向に回転駆動することによりチューブに当接して
吸引動作を、また他方の方向に回転駆動することにより
チューブの押圧を解除してポンプ作用を消失するペリス
タポンプとして構成され、前記吸引制御手段は、前記吸
引手段の吸引工程の終了後には前記他方への方向への回
転を、前記一方の方向への回転よりも低速度で実行させ
るように構成されている。
【0006】
【作用】吸引動作終了後、ローラをチューブから退避さ
せるための逆転に際して、無用な正圧が記録ヘッドに作
用するのを防止して、メニスカスの破壊を防止する。
【0007】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図1は、本発明のインク取り扱い
技術が適用されるインクジェット式記録装置の印刷機構
周辺の概要を示すものであって、図中符号1は、キャリ
ッジでガイド部材2に支持されるとともに、タイミング
ベルト3を介して図示しないパルスモータに接続されて
いて、プラテン5に平行に往復動可能に構成されてい
る。
【0008】キャリッジ1には図2に示したように記録
用紙6にノズル開口を向けるようにして記録ヘッド7が
搭載され、記録ヘッド7の上部には図3に示したように
インクカートリッジ8が着脱自在に搭載されている。記
録ヘッド7を構成している基体には、後述するようにイ
ンク供給針9が設けられていて、これを介して記録ヘッ
ドのインク供給路とインクカートリッジ8とが接続され
ている。このような構成によりフレキシブルケーブル1
0を介して図示しないヘッド駆動回路からの駆動信号を
受けると、インクカートリッジからインクが記録ヘッド
に流入して記録用紙に連続的にドットを形成することが
できる。
【0009】再び、図1に戻ってキャリッジ1の印刷領
域外には後述するキャッピングユニット12、及び吸引
ポンプユニット13が設けられている。これらキャッピ
ングユニット12と吸引ポンプユニット13は、図4に
示したように組み立て、保守の便を考えて一体的に構成
されている。
【0010】図5、図6は、前述のキャッピングユニッ
ト近傍の上面と断面を示す図であって、図中符号20
は、給紙ローラで、回転軸21の一端に歯車22が取り
付けられ、接続切り換え機構を兼ねる輪列23を介して
ペーパフィード用のパルスモータ4に接離するようにな
っている。すなわち、輪列23が図5において図中左方
に移動した場合には輪列23と歯車22が噛み合って記
録用紙の供給が可能となり、また輪列23が図中右方に
移動した場合には輪列23と吸引ポンプユニット13の
駆動歯車25(図4)とが噛み合って陰圧を発生するよ
うに構成されている。
【0011】図7は、前述のポンプユニット13の一実
施例を示すものであって、キャップ部材80と廃インク
タンク30とを接続しているポンプチュ−ブ31の外側
をほぼ円形状となるようにカバーケ−ス32により保持
し、これの内周面を回転軸33に駆動される駆動盤34
に回転自在に取付けられた2つのロ−ラ36,36によ
り弾圧する、いわゆるペリスタポンプとして構成されて
いる。これらロ−ラ36,36は、駆動盤34に中心か
らの距離が徐々に変化する図示しない長溝に遊嵌されて
いて、ペ−パフィ−ド用のパルスモ−タ4が正転したと
きに、ロ−ラ36,36がカバーケース32側に移動し
てチュ−ブ31を圧接しながら回動し、またモ−タ4が
ペ−パ−フィ−ドのために逆転したときには中心方向に
移動してチュ−ブ31から離れるように取り付けられて
いる。
【0012】再び図5,図6に戻って、図中符号12
は、キャリッジの移動経路の印刷領域外に配置された前
述のキャッピングユニットで、後述するように記録ヘッ
ド3の移動に連動して記録ヘッドのノズル開口面を覆う
キャッピング位置と、ノズル開口面から離れる非キャッ
ピング位置との2位置を占めるように、弾性材料により
カップ状に形成されたキャップ部材80と,大気開放口
64との連通を開閉する弁機構41とを、キャリッジ1
の移動方向に平行に移動可能で、かつ上下動可能なスラ
イダ49に設けて構成されている。
【0013】図8(A)(B)及び図9(A)(B)
は、それぞれキャッピングユニット12を中心として示
す図であって、同図(A)はキャリッジ1が印刷領域に
存在する場合の状態を、また同図(B)はキャリッジ1
がホ−ムポジションに位置する場合の状態を示すもので
ある。図中符号49は、前述のスライダ49であって、
下面に形成された突部50が基台48を滑動面として移
動するようになっており、印刷領域側には基台48に設
けられたリンク52に取り付けられて、基台48との間
に掛け渡された1本のバネ54により上側と印刷領域側
との2方向に付勢されている。スライダ49の凸部50
が滑動する面は、印刷領域側を下方とする斜面55と、
記録ヘッド7がホ−ムポジションに到達したとき、キャ
ップ部材80を記録ヘッド7に押圧する高さの平面56
とで形成されている。またスライダ49は、その両側に
記録ヘッド7の幅に合わせて、印刷領域方向側に拡開し
たガイド58,58が、また外側端部にはキャリッジ1
のフラッグ片60と係合する係止片61が設けられてい
る。
【0014】キャップ部材80は、上面にパイプ60を
介して大気開放口64に連通する空気取入れ口65と、
ポンプユニット13からの陰圧が作用する吸引口66と
を備えた弾性カップとして形成されている。これら空気
取入れ口65と大気開放口64、及び吸引口66とポン
プチュ−ブ31とを接続する管路63,67は、弾性カ
ップと一体となるように射出成形により形成されてい
る。そして大気開放口64は弁機構41により開閉され
るようになっている。管路67を形成しているチュ−ブ
はスライダ49に穿設された接続通孔72を介してポン
プチュ−ブ31に接続されている。
【0015】キャップ部材80は、図9に示したように
その開口縁部が露出するように高分子など剛性の高い材
料からなる受け材81に収容され、また内部にインクを
吸収する多孔質体からなるインク吸収体82が載置され
ている。受け材81は、上部に記録ヘッド7の移動方向
に対して直交する方向に2本の軸83,83を有し、ま
た底部を半球状の凹部84が形成されていて、上部を2
本の軸83,83(同図B)でもってスライダ49に、
また底部をスライダ49から突出した半球上の凸部85
に遊嵌支持されていて、記録ヘッド7の姿勢に関わりな
く、キャップ部材80を記録ヘッド7のノズル開口面に
気密的に弾接するように構成されている。
【0016】再び図8に戻って前述の弁機構41は、大
気開放口64に対向し、常時バネ90により大気開放口
64側に付勢された案内杆91の一端に取り付けた弁体
92と、印刷領域と反対側が枠体93から常時突出する
ようにバネ90よりも強いバネ94により外側に付勢さ
れている駆動杆95と、これら案内棹91と駆動杆95
とを係合する係止片96,97により構成されている。
これにより記録ヘッド7の移動により駆動棹95が図8
(B)の状態にまで押し込まれたとき、弁体92が駆動
杆95の制止力を失ってバネ90の付勢力で大気開放口
64に当接してキャップ部材80と大気との連通を断つ
ことになる。
【0017】図中符号15は、クリ−ニングユニット
で、キャッピングユニット12の両側に設けられた軸4
6,46に揺動可能に取り付けられた枠体39に、外側
にワイピング動作に適したゴム板42が、また印刷領域
側にラビング動作に適したラビング材43が位置するよ
うに張り合わせてなるクリーニング部材40を固定し
て、キャリッジ1の移動に合わせてクリ−ニング位置と
非クリ−ニング位置の2位置を移動するように構成され
ている。この枠体39は、キャップ部材80を支持する
スライダ49の両側に設けられた軸46,46に、一方
の面では長溝100で、また他方の面では図示しない丸
孔で遊嵌支持されていて、上下方向、及び記録ヘッド7
の移動方向に垂直な方向に丸孔側を中心として揺動でき
るように構成されている。そして枠体39には、その印
刷側先端の中央よりに下方に伸びる凸部102が形成さ
れていて、スライダ49との間に掛け渡された引っ張り
バネ103により常時印刷領域方向で、かつその下側に
付勢され、また上部には記録ヘッド7の移動経路を挟む
両側にはそれぞれ後述する解除片101が、さらには側
部にはカム面104が形成されている。
【0018】この解除片101は、記録ヘッド通路側を
頂点とする三角柱状に形成されていて、頂点を挟む斜面
105,105がキャリッジ1のフラッグ片60に接触
すると、枠体39を軸46,46を中心として水平方向
に角度θだけ揺動させてカム面104と後述するカムフ
ォロア−106との係合を解くようになっている(図1
7)。
【0019】一方、カム面104は、図10に示したよ
うにキャリッジ1が非当接状態にあるとき接触する安定
点P1からキャリッジ1により印刷領域外方向に押込ま
れた時に枠体39を上方に案内する第1の経路を構成す
る第1の斜面111と、この斜面の下端から印刷領域外
方向に水平に延長する第2の経路を構成する第2の斜面
112と、枠体39をクリ−ニング位置まで上昇させる
第3の経路を構成する斜面113と、クリ−ニング位置
に枠体39を保持する斜面114と、カムフォロア−1
06を第1の斜面111に案内する第5の斜面115を
備えるように構成されている。
【0020】第1の斜面111,第2の斜面112は、
矢印116,117で示した向きに移動したとき乗り越
えることが可能となるように断面が直角三角形状に構成
され、また第4の斜面114は、枠体39が揺動された
とき、カムフォロア−106が乗り越えることができる
高さに選択されている。安定点P1は、クリ−ニング部
材40が記録ヘッド7のノズル開口面に当接しない位置
に、また準安定点P2は、クリ−ニング部材40が記録
ヘッド7のノズル開口面に当接する位置となるように両
者間に段差Hが設けられている。
【0021】図11は、上述したインクジェット式記録
システムに最適なインクカ−トリッジの一実施例を示す
ものであって、図中符号120は、インクカ−トリッジ
本体を構成する容器で、上部に開口121を備え、底面
側が若干先細りとなるようにテ−パ形状に形成されてお
り、底面122には、記録ヘッド7に固定されているイ
ンク供給針9(図12)の周囲に弾性的に係合するイン
ク取出し口123を一体的に設けて構成されている。イ
ンク取出し口123は、その一端が底面から突出するパ
イプ状に形成されており、その開口124にはフィルタ
125が溶着固定されている。インク取出し口123の
内面中央部には段差126を設けて、先端開口側にイン
ク供給針9に弾接して液密状態を維持するパッキング
材、この実施例ではゴム製リング、いわゆるOリング1
27を収容し、外側開口部をインク供給針9が容易に貫
通するフィルム128を溶着して封止されている。容器
120の底面近傍には2本の電極130,131が設け
られていて、一方は、容器本体内に、また他方はインク
取り出し口123内に位置している。
【0022】133は、インク吸収体を構成する多孔質
体で、断面が容器120の開口121よりも若干大きめ
で、かつ高さが容器の高さよりも若干大き目に形成され
ており、下端部がインク取出し口123のフィルタ12
5に弾接して、インク取出し口123の形状に応じて圧
縮され、また周辺が容器120の側壁により圧迫された
状態で容器120内に収容されている。このように多孔
質体133を容器120に収容し、大気開放口135と
リブ136,136‥‥を備えた蓋137で多孔質体1
33を底部122に弾接して封止し、さらにインク取り
出し口123をシールした状態で、0.5気圧以上の負
圧の下で、大気開放口135からインクを注入して多孔
質体133の各細孔に吸収させてインクカートリッジに
構成されている。
【0023】図13は、上述したインクジェット式記録
装置におけるインクの取り扱いを統括制御する制御装置
の一実施例を示すものであって、図中符号145は、イ
ンクカートリッジ140に設けられている電極130,
131間の電気抵抗を測定する抵抗値検出回路で、電極
130,131間に一定周期、例えば1秒毎に交番電圧
を印加して抵抗値を測定するように構成されている。
【0024】146は、マイクロコンピュータにより構
成される制御装置本体で、後述する抵抗値記憶手段15
1に格納されている基準抵抗値と、抵抗値検出回路14
5からの抵抗値とを比較する抵抗値比較手段152と、
抵抗値検出回路145からの抵抗値を順次更新しながら
記憶する抵抗値記憶手段153と、印刷装置本体を駆動
する電源回路の電圧が一定値に低下したことを検出して
信号を出力する電源電圧検出手段154と、電源電圧検
出手段154からの信号により抵抗値記憶手段153の
データ、及び後述するインク吐出回復動作監視手段15
7からのデータを不揮発性メモリにより構成された履歴
記憶手段156に転送する書込み手段155と、抵抗値
比較手段152からのデータに基づいてパルスモータ4
を制御するポンプ制御手段158とを実現するようにプ
ログラムされている。インク吐出回復動作監視手段15
7は、クリーニング過程が実行された時点でフラッグを
立てて、クリーニング過程が一連の動作として正常に終
了した場合にはこのフラッグを倒す一方、クリーニング
の途中で電源が落とされたようにクリーニング操作が中
途半端で異常に終了した場合にはこのフラッグをデータ
として出力するように構成されている。
【0025】基準値記憶手段151は、図18に示した
ように記憶ヘッドに最適なインクが十分存在する場合の
抵抗値の下限を示す第1基準L1と、インクが残り少な
くなってインクカートリッジの交換を促すニアエンド時
の抵抗値をデータとする第2基準L2と、インクカート
リッジのインクがほとんど無くなった場合の高い抵抗値
をデータとする第3基準L3と、インクカートリッジが
装着されていない場合の極めて高い抵抗値をデータとす
る第4基準L4と、異種のインクや電極間が短絡した場
合等を検出するための極めて低い抵抗値をデータとする
第5基準L5を格納して構成されている。
【0026】また、ポンプ制御手段156は、インクの
初期充填時のインク引出用の微量吸引や、インクカート
リッジが交換されたときの吸引や、インクの排出流路に
溜まっているインクを排出するための吸引や、メニスカ
ス回復操作のための微量吸引や、吸引動作を終了させる
ために駆動ローラ36をチューブ31から引き離すため
の処理など、あらゆる状況に応じた吸引形態を実現する
ようにパルスモータ4を制御する駆動パターンを備えて
いる。なお、図中符号149は、メーセッジ等を表示す
る表示器を示す。
【0027】次にこのように構成した装置の動作につい
て説明する。印刷装置の使用に先立って先ず初期充填モ
ードを実行させる。初期充填モードは、例えばプリンタ
筐体上のインク吐出回復指令用のボタンを押しつつ電源
スイッチをオンとすることにより起動することができ
る。初期充填モードの開始前、または開始後にインクカ
ートリッジ140を記録ヘッド7に装着する。その際、
インクカートリッジ140をそのインク取出し口123
を記録ヘッド7のインク供給針9に位置合わせして垂直
に押し込むと、インク供給針9がシ−ル材128を貫通
してパッキング材127に到達する。これによりインク
供給針9の先端部がパッキング材127を介してインク
カートリッジ140が記録ヘッドに液密状態で接続され
る。
【0028】その後、キャッピングユニット12が記録
ヘッド7のノズル開口に装着されると(図19 ステッ
プ イ)、ポンプ制御手段158がペ−パフィ−ドモ−
タ4を低速で正転させる(図19 ステップ ロ)。こ
れによりモータ4の回転力が輪列23を介して吸引ポン
プユニット13に伝達されて駆動盤34が回転する。こ
の回転によりロ−ラ36,36が長溝に沿って外側に移
動してチュ−ブ31に当接する。そしてモータ4の回転
によりチューブ31を擦り上げて弱い陰圧を発生させ
る。
【0029】これにより記録ヘッド7のノズル開口にキ
ャップ部材80を介して弱い陰圧が作用するから、イン
クカートリッジ140内のインクが記録ヘッド7に徐々
に低速流で流入する。この低速流での記録ヘッド7への
インクの流れ出しにより、針9から記録ヘッド7のノズ
ル開口までの流路内に形成される凹凸部に淀みを生じる
ことなく、記録ヘッド7にインクが流入することにな
る。このことは、従来、工場出荷時に気泡排除のために
記録ヘッドに充填していた送品液の充填を行わず、しか
も記録ヘッドへのインクの初期充填をユーザに頼っても
記録ヘッドに確実にインクを充填することが可能である
ことを意味する。
【0030】所定時間T2の微量吸引によりインクがノ
ズル開口まで流れ込んだ段階で(図19 ステップ
ハ)、ポンプ制御手段158は、パルスモータ4を高速
回転に切り替える(図19 ステップ ニ)。これによ
りノズル開口に強い陰圧が作用して例えば毎分15cc
程度のインクがノズル開口から吸い出され、したがって
インク初期充填時に記録ヘッド7の圧力発生室やリザー
バに停滞していた気泡がインクの流れに乗ってノズル開
口から排出されることになる。
【0031】所定時間T3が経過して一定量、例えば2
CC程度のインクを吸い出した時点で(図19 ステッ
プ ホ)、ポンプ制御手段158は、パルスモータ4を
停止させる(図19 ステップ ヘ)。これによりキャ
ップ部材80内が徐々に大気圧に上昇する。大気圧まで
回復した段階でポンプ制御手段158は、パルスモータ
4を前述したように再び低速度で正転させる(図19
ステップ ト)。これによりキャップ部材80内にノズ
ル開口から微量なインク吐出を行わせる程度の弱い陰圧
が発生して、高速吸引により乱れていたノズル開口のメ
ニスカスが印刷動作に適した状態に回復されることにな
る。また前述の高速吸引時に発生した微小気泡、及び淀
み部に渦巻状態で残留していた気泡を低速吸引により確
実に排出させることができる。なお、高速吸引後の低速
吸引は、上述の理由により実施することが望ましいが、
高速吸引後にそのまま印刷動作に入ることも可能であ
る。
【0032】低速吸引に十分な時間T4、例えば2秒が
経過した段階で(図19 ステップチ)、再びパルスモ
ータ4を停止させて(図19 ステップ ヌ)キャップ
部材80内を大気圧に戻した後、パルスモータ4を所定
回転数、つまりチューブ31に当接しているロ−ラ3
6,36を中心方向に移動させるに足る量だけ低速度で
逆転させる。この逆転により駆動ローラ36,36が駆
動盤34の長溝をゆっくりと中心方向に移動してチュー
ブ31から離れる。パルスモータ4が正転後に停止した
場合は、駆動ローラ36,36は依然としてチューブ3
1に当接しているため、引き続いて逆転させるとポンプ
ユニット13は、キャップ部材80に対して正圧を発生
することになるが、低速での作動であるため、発生する
圧力は極めて小さく、したがってキャップ部材80内の
圧力が上昇する以前に駆動ローラ36,36が駆動盤3
4の長溝を中心方向に移動してチューブ31から離れ、
以後、モータ4の逆転に関りなくポンプとしての機能を
喪失する(図19 ステップ リ、ヌ)。
【0033】この結果、記録ヘッド7のノズル開口に形
成されているメニスカスを破壊することなくポンプユニ
ット13の吸引動作を終了することができる。キャップ
部材80に無用な陽圧を作用させることなく、印刷に適
したメニスカスを保持させた状態で吸引動作を終了する
ことができる。以上の一連の動作により出荷時空気に満
たされていたインク流路や記録ヘッドにインクが確実に
充填されて良好な印刷が可能な状態となる。
【0034】初期インク充填が終了して印刷を実行する
と、抵抗値検出回路145は、電極130,131間の
電気抵抗値を一定時間T5、例えば1秒間隔、または印
刷中にあっては所定行数例えば1行印刷毎に検出する
(図20 ステップ イ)。この抵抗値は、抵抗値記憶
手段153の内容を順次更新しながら記憶され(図20
ステップ ロ)、また抵抗値比較手段152により基準
値記憶手段151のデータと比較されてインクカートリ
ッジ内のインクの残存量等の監視に供される(図20
ステップ ハ)。
【0035】すなわち、図18に示したように電極13
0,131間抵抗値は、インク取り出し口123のフィ
ルタ125を覆う程度まで多孔質体133にインクが存
在している場合には、インク消費量につれて徐々に増加
するものの、低い値(この実施例では2.5kΩ程度)
を維持する。そしてインクがニアエンドとなってフィル
タ125よりも下側まで減少すると急激に増加するよう
になる。
【0036】このようにして印刷量が増加してインクカ
ートリッジ140のインク量が低下すると、電極間の抵
抗値が第2基準L2を越える。これよりインクカートリ
ッジのインクの残量が少なくなった旨を報知して新しい
インクカートリッジの準備を促す。電極間抵抗値が第2
基準L2を越えたとしてもまだ幾分かはインクが残存し
ているので、当面の印刷に不都合を来すことにはならな
い。
【0037】さらに印刷が行われて電極間抵抗が第3基
準L3を越えると、インクカートリッジの交換を指示す
る(図20 ステップ ニ)。 この報知に基づいてイ
ンクカートリッジの交換が行われると(図20 ステッ
プ ホ)、記録ヘッドにキャッピングユニットのキャッ
プ部材を装着する(図20 ステップ ヘ)。この状態
で電極間の抵抗値を検出し(図20 ステップ ト)、
インクカートリッジ交換直前の電極間抵抗値と比較す
る。比較の結果、インクカートリッジ交換後の電極間抵
抗値が交換前の電極間の抵抗値よりも大きい場合には
(図20ステップ チ)、いったん抜いたインクカート
リッジがそのまま再び装着された可能性があると判断す
る。すなわち、インクカートリッジ140の引き抜き及
び再装着時にインク供給口に気泡が侵入したため、電極
間の抵抗が増大したことが考えられる。
【0038】この場合にはポンプ制御手段158は、パ
ルスモータ4を高速回転で作動させる(図20 ステッ
プ リ)。これによりノズル開口に強い陰圧が作用して
例えば毎分15cc程度のインクがノズル開口から吸い
出す。これによりインクカートリッジ140の再装着に
発生したインク供給口近傍の気泡がインクの流れに乗っ
てノズル開口から排出される。所定時間T7、例えば1
秒が経過した段階で(図20 ステップ ヌ)電極間の
抵抗を再び測定して、前回の値よりも低下したか否かを
判定する(図20 ステップ ル)。
【0039】インクカートリッジ内にインクが十分に残
存している場合には上述したように進入した気泡が吸引
されたインクの流れによって排除されているため電極間
の抵抗値は低下する。これに対してインクカートリッジ
140にインクが残存していない場合にはインクの吸い
出しにより電極間に空気が吸い込まれて抵抗値が増大す
る(図20 ステップ ワ)。このように電極間の抵抗
値が増大するような場合には吸引を続行すると、記録ヘ
ッド7にまで空気を引き込む虞があるので、ポンプ制御
手段158は、パルスモータ4を停止させて吸引動作を
打ち切る(図20 ステップ ネ)。
【0040】またこの吸引によって電極間の抵抗値が低
下したとしても第2基準L2を越えるような場合は(図
20 ステップ タ)、インクカートリッジ内のインク
残量がニアエンド状態にあるのでインクの吸引を中止す
る(図20 ステップ ネ)。
【0041】他方、インクカートリッジ装着直後の電極
抵抗値が交換以前のものよりも低い場合(だだし、交換
後のインクカートリッジの電極抵抗値が第5基準よりも
小さい場合には(図20 ステップ オ)、インクカー
トリッジの電極間が短絡しているなどの異常が存在する
と考えられるので、以後の動作を実行することなくステ
ップ(ム)以降の終了処理に移る)には、新しいインク
カートリッジが装着されたと判定でき、また上記吸引動
作により電極間の抵抗値が低下した場合には、インクカ
ートリッジに十分なインクが存在すると判定できるの
で、ポンプ制御手段158は、パルスモータ4をそのま
ま高速正転させて(図20 ステップ ヨ)インクカー
トリッジ140のインクを十分にインク供給路や記録ヘ
ッド内に流して気泡を確実に排除する。
【0042】所定時間T8、例えば5秒が経過した時点
で(図20 ステップ タ)、ポンプ制御手段158
は、吸引動作を休止させる(図20 ステップ レ)。
これによりキャップ部材80内が徐々に大気圧に上昇す
る。大気圧まで回復した段階でポンプ制御手段158
は、パルスモータ4を前述したように低速度で正転させ
る(図20 ステップ ソ)。これによりキャップ部材
80内にノズル開口からのインク吐出を招かない程度の
弱い陰圧が発生して、高速吸引により乱れていたノズル
開口のメニスカスが印刷動作に適した状態に回復される
ことになる。また前述の高速吸引時に発生した微小気
泡、及び淀み部に渦巻状態で残留していた気泡を低速吸
引により確実に排出させることができる。
【0043】所定時間T4経過した段階で(図20 ス
テップ ツ)、パルスモータ4を停止させて(図20
ステップ ネ)キャップ部材80内を大気圧に戻した
後、パルスモータ4を所定回転数、つまりチューブ31
に当接しているロ−ラ36,36を中心方向に移動させ
るに足る量だけ低速度で逆転させて(図20 ステップ
ナ)から停止させる(図20 ステップ ラ)。これに
より、キャップ部材80に無用な陽圧を作用させること
なく、印刷に適したメニスカスを保持させた状態で吸引
動作を終了する。その後、記録ヘッドのワイピング動作
を実行して(図20 ステップ ム)次の印刷動作に備
える。
【0044】上記ワイピング動作について説明する。記
録ヘッド7を印刷領域側に移動させると、前述したよう
にスライダ49はバネ54の付勢力によりキャリッジ1
の移動に追従して平面56に沿って印刷領域に移動す
る。所定の位置まで移動すると、斜面55に到達するた
めスライダ49が降下し、これによりキャップ部材80
が記録ヘッド7の前面から離れる。キャップ部材80と
記録ヘッド7のと係合が完全に解かれた段階で、キャリ
ッジ1は移動方向を反転して印刷領域外に向けて移動す
る。これによりカムフォロア−106は斜面111,1
12,113を通って上昇する(図15B)。さらに移
動して準安定点P2に到達すると、枠体39が高さHだ
け持ち上げられることになる。枠体39の上昇によりク
リ−ニング部材40も上昇して記録ヘッド7の前面と接
触する位置にセットされる(図16A)。この状態でキ
ャリッジ1を印刷領域に向けてさらに移動させると、ブ
レ−ド材42が上面側となって記録ヘッド7に当接する
ので、記録ヘッド7のノズル開口近傍が吸引により付着
したインク滴が除去される。
【0045】ところで、記録ヘッド7がホ−ムポジショ
ン(図14における位置i)に位置している場合には、
カムフォロア−106がカム面104の準安定位置P2
を占めて枠体39が持ち上げられており、また弁41の
駆動杆95が基台に当接して大気開放口64が閉じられ
ているから、記録ヘッド7はキャップ部材80により密
閉されてインクの乾燥が防止されることになる(図15
(A))。キャリッジ1が印刷領域側に移動すると、記
録ヘッド7をクリ−ナセット位置(図14おける位置I
I)を通過して空吸引位置(図14おける位置III)
にセットされる。この移動の過程でスライダ49は平面
56を移動するから、キャップ部材80は記録ヘッド7
の前面を封止した状態を維持する。この位置では駆動作
動杆95により弁体92は、大気開放口64から退避し
ているから、パルスモータ4を正転させると、ポンプユ
ニット13の陰圧がキャップ部材80に作用するが、大
気開放口64が開放されているので、記録ヘッド7に陰
圧が作用することなく吸収体82やチューブ31内に残
留している廃インクだけが吸い出されて廃インクタンク
30に送り出される。
【0046】このようにして空吸引が終了した段階で、
キャリッジ1をホームポジションに移動させると、キャ
ップ部材80の大気開放口64が弁機構41により封鎖
される(図15 A)(図20 ステップ ロ)。イン
クの充填が終了すると、キャリッジ1を印刷領域に向け
て移動させる。スライダ49はバネ54及び103の付
勢力によりキャリッジ1の移動に追従して平面56に沿
って印刷領域に移動する。所定の位置まで移動すると、
斜面55に到達するためスライダ49が降下し、これに
よりキャップ部材80が記録ヘッド7の前面から離れ
る。キャップ部材80と記録ヘッド7のと係合が完全に
解かれた段階で、キャリッジ1は移動方向を反転して印
刷領域外に向けて移動する。これによりカムフォロア−
106は斜面111,112,113を通って上昇する
(図15B)。さらに移動して準安定点P2に到達する
と、枠体39が高さHだけ持ち上げられることになる。
枠体39の上昇によりクリ−ニング部材40も上昇して
記録ヘッド7の前面と接触する位置にセットされる(図
16A)。この状態でキャリッジ1を印刷領域に向けて
さらに移動させると、ブレ−ド材42が上面側となって
記録ヘッド7に当接するので、記録ヘッド7のノズル開
口近傍がワイピング操作を受け、初期充填のための吸引
によりノズル開口から吐出したインク滴の内、ノズル開
口面に付着したものが除去される。
【0047】記録ヘッド7がクリ−ニング部材40を通
過し、続いてキャリッジ1のフラッグ片60が解除片1
01に到達すると、解除片101がフラッグ片60によ
り外側に角度θだけ図中矢印B方向に押しのけられるか
ら、カム面104がカムフォロア−106から離れる
(図17)。これにより、カムフォロア−106による
斜面114の支持が無くなって、バネ54の付勢力によ
り枠体39が降下し、クリ−ニング部材40が記録ヘッ
ド7の通過面よりも下側に退避する。記録ヘッド7がさ
らに印刷領域側に移動して駆動切り換え位置(図14お
ける位置viii)を通過すると、ペ−パフィ−ド用の
パルスモ−タ4が逆転して記録用紙を印刷領域に送り出
して印刷が可能な状態となる。
【0048】一方、印刷領域における印刷動作が所定時
間継続してフラッシング動作が必要となった時点で、記
録ヘッド7による印刷動作を一時中止させ、記録ヘッド
7をホ−ムポジションに向けて移動させる。ホ−ムポジ
ションへの移動の過程でキャリッジ1のフラッグ片60
が解除片101を通過し、続いて記録ヘッド7がガイド
58,58に到達する。スライダ49はガイド58,5
8に案内されて記録ヘッド7の中心に位置合わせされ
る。さらにキャリッジ1が移動してフラッグ片60が係
止片61に当接して、記録ヘッド7がキャップ部材80
と一定の間隙長で対向してフラッシング位置(図14お
けるvの位置)に位置決めされる。この状態で記録ヘッ
ド7は、少なくとも印刷時に使用されなかったノズル開
口から印字信号に関係無くインクを吐出させてインク吐
出を実行する。これにより印刷過程で使用されなかった
ノズル開口内のインクをキャップ部材80に排出させ
て、ノズル開口内のインクの増粘や、ノズル開口の乾き
を防止する。
【0049】一方、記録ヘッドの圧力発生室に気泡が侵
入してフラッシング動作だけでは解消しないインク吐出
不良に対しては、キャリッジ1をホームポジションに移
動させて、キャップ部材80を記録ヘッド7に当接させ
る。この状態でパルスモータ4を高速度で回転させる。
これにより圧力発生室に存在する気泡などをノズル開口
から吐出する。この結果、インクの消費を可及的に抑え
て記録ヘッド内の気泡を排除することができる。
【0050】印刷工程においては前述したように所定時
間T5、例えば1秒が経過する毎、もしくは1行の印刷
が終了する毎に電極130,131間の抵抗を検出す
る。この抵抗値は順次抵抗値記憶手段153に転送され
て前回のデータを更新することになる。印刷が終了して
電源がオフにされると、電源電圧検出手段154から信
号が出力されるから、書込み手段155は、抵抗値記憶
手段153に格納されている抵抗値を履歴記憶手段15
6に転送してこれに記憶させる。いうまでもなく電源回
路には平滑用の大容量コンデンサが接続されているか
ら、データの転送、記憶に要する時間程度であれば作動
電圧を維持することができる。
【0051】電源が投入されると(図21 ステップ
イ)、抵抗値比較手段152は、履歴記憶手段156に
格納されている前回の電極間抵抗値と電源投入当初の電
極間抵抗値を比較してその差分Δrが所定値、つまり気
温等による抵抗値変化分ΔRよりも大きい場合には(図
21 ステップ ロ)、記録ヘッド7にキャップ部材8
0を当接させた後、(図21 ステップ ハ)、ステッ
プモータ4を高速度で正転させる(図21 ステップ
ニ)。これにより記録ヘッド7からインクが吸い出され
てインクカートリッジ140のインク取出し口123近
傍のインクが記録ヘッドを経由して排出され、これによ
り電源オフ時に行われたインクカートリッジの脱着によ
り侵入した気泡を排除させることになる。所定時間が経
過した時点で(図21 ステップ ホ)モータ4を休止
させ(図21 ステップ ヘ)、モータ4を低速度で正
転させてメニスカスを印刷に適した状態に回復させ、か
つ高速吸引により発生した気泡や淀み部に滞留する気泡
を排出させ(図21 ステップ ト)、所定時間T4が
経過した段階で(図21 ステップ チ)モータ4を停
止させてキャップ部材80内の負圧を大気圧まで回復さ
せる(図21 ステップ リ)。ついでモータ4を低速
度で逆転させて、ローラ36,36をチューブ31から
引き放してペーパフィードに備える(図21 ステップ
ヌ、ル)。この段階で電極間抵抗値と第2基準とを比
較してインクカートリッジ140に十分なインクが残っ
ていることが確認された場合には(図21 ステップ
オ)、印刷可能とし(図21 ステップ カ)、またイ
ンクの残量が少ない場合にはインクカートリッジの交換
を指示する(図21 ステップ ワ)
【0052】なお、長期間の使用により記録ヘッドのノ
ズル面が汚染したような場合には、ワイピング動作だけ
では塵埃の除去が困難であるから、ラビング操作が必要
となる。この場合には、前述のワイピング操作時と同様
の手順でクリ−ニング部材40を上昇させ、記録ヘッド
7を印刷領域側に移動させた後、ワイピング操作とは反
対の方向(図16Bにおける矢印C方向)にキャリッジ
1を移動させる。これによりラビング材43を上面とす
るようにしてクリ−ニング部材40が記録ヘッド7のノ
ズル開口面に接触してノズル開口面を擦することにな
る。
【0053】このようにして一連の操作が終了して印刷
デ−タが存在せず、休止状態に移る場合には、キャリッ
ジ1を待機位置に向けて移動させる。この移動によりス
ライダ49は記録ヘッド7の移動につれて斜面55を上
昇する。さらに印刷領域外に向けて移動すると、この過
程で図示しないホ−ムポジション検出手段により記録ヘ
ッド7の通過が検出される。ホ−ムポジション検出手段
から信号が出力して所定量、つまり少なくともキャリッ
ジ1を所定の速度から停止させるまでに要する減速距離
だけ印刷領域外の方向に移動すると、スライダ49の突
起50が平面56に到達し、キャップ部材80が記録ヘ
ッド7の前面に弾接する。そして空吸引位置(図14に
おける位置iii)、クリ−ナセット位置(図14にお
ける位置ii)を通過してから待機位置(図14におけ
るi)に置かれることになる。この状態においては大気
開放口64が弁体92により封止されるから、記録ヘッ
ド7はノズル開口のインクの乾燥が防止された状態で次
の印字動作に備えることができる。
【0054】なお、この実施例においては、抵抗値検出
回路145からのデータをRAMに格納し、このデータ
を電源電圧の低下により履歴記憶手段に格納するように
しているが、一定周期で不揮発性記憶手段に直接格納す
るようにしても同様の作用を奏することは明らかであ
る。
【0055】またこの実施例においては吸引終了時にペ
ーパフィード用パルスモータを低速度で回転させて記録
ヘッド1に正圧を作用させることなくローラ36,36
をチューブ31から引き放すようにしているが、吸引終
了後、キャップ部材80が正圧に回復した段階で記録ヘ
ッド1からキャップ部材を外すようにすれば、高速度で
逆転させてもメニスカスを破壊するようなことはない。
【0056】さらにこの実施例においては吸引動作を含
む一連のインク吐出回復動作が開始されると、インク吐
出回復動作監視手段157は、インク吐出回復動作が開
始された時点でフラッグを立て、またインク吐出回復動
作が終了した段階でフラッグを倒す。ところがインク吐
出回復動作の工程が実行されている途中で、誤って電源
が切られた場合には、作動電圧が低下するので、電源電
圧検出手段154により電源電圧の低下が検出され、書
込み手段155により履歴記憶手段156にフラッグが
記憶される。そして次に再び電源が投入された時点で
は、履歴記憶手段156のデータが読み出されて、この
中にインク吐出回復動作のフラッグを示すデータが存在
する場合には、印刷動作に先だってインク吐出回復動作
の過程を実行する。これによりインク吐出回復動作の中
途半端な終了で記録ヘッド7のメニスカスが破壊されて
いたとしても、インク吐出回復動作を再実行させること
により正常なメニスカスが形成され、最適な状態での印
刷を行うことができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、吸
引動作終了後、ローラをチューブから退避させるための
逆転に際して、無用な正圧が記録ヘッドに作用するのを
防止して、メニスカスの破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク供給技術が適用されるインクジ
ェット式記録装置の印刷機構周辺の構造を示す斜視図で
ある。
【図2】同上装置におけるキャリッジに搭載されるイン
クジェット式記録ヘッドを拡大して示す図である。
【図3】同上装置におけるキャリッジに搭載されるイン
クタンクを拡大して示す図である。
【図4】同上装置におけるポンプユニットとキャッピン
グユニットを拡大して示す図である。
【図5】同上装置におけるポンプユニットとキャッピン
グユニットとの配置関係を示す上面図である。
【図6】同上装置におけるポンプユニットとこれを駆動
するペーパフード用のパルスモータの関係を示す側面図
である。
【図7】本発明に使用するポンプユニットの一実施例を
示す断面図である。
【図8】キャッピングユニットを中心にして示す図で、
同図(A)は記録ヘッドが印刷領域に存在する場合の状
態を、また同図(B)は記録ヘッドが待機位置に存在す
る場合の状態を示すものである。
【図9】キャッピングユニットを構成しているキャップ
部材の一実施例を示す図で、同図(A)は記録ヘッドの
移動経路に平行な断面を、また同図(B)は記録ヘッド
の経路に直交する断面を示す図である。
【図10】クリ−ニングユニットに付属するカム面の一
実施例を示す図である。
【図11】同上インクジェット式記録装置に使用される
インクカートリッジの一実施例を示す断面図である。
【図12】同上インクカートリッジをキャリッジに搭載
した状態を示す説明図である。
【図13】同上インクジェット式記録装置におけるイン
クの取り扱いを統括制御する制御装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図14】キャリッジの位置と動作の関係を示す説明図
である。
【図15】図(A)(B)は、それぞれ記録ヘッドの位
置によるキャッピングユニット及びクリーニングユニッ
トの運動を示す説明図である。
【図16】図(A)(B)は、それぞれキャッピングユ
ニット及びクリーニングユニットの動作を示す図であ
る。
【図17】キャッピングユニット及びクリーニングユニ
ットの動作を示す図である。
【図18】インクカートリッジのインク残量と電極間抵
抗の関係を示す線図である。
【図19】インクカートリッジの初期装填動作を示すフ
ローチャートである。
【図20】インクカートリッジの交換時の動作を示すフ
ローチャートである。
【図21】インクカートリッジが装着されている状態で
の電源投入当初における処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 キャリッジ 4 ペ−パフィ−ド用のパルスモ−タ 7 記録ヘッド 12 キャッピングユニット 13 ポンプユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 敬一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/165 B41J 2/175 B41J 2/18 B41J 2/185

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクタンクにインク供給部材を介して
    連通するとともに、印字信号によりノズル開口からイン
    ク滴を記録用紙に吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッ
    ドの前面に当接してノズル開口を気密状態に保持するキ
    ャッピング手段と、前記キャッピング手段に陰圧を供給
    するとともに前記キャッピング手段内のインクを廃イン
    クタンクに吸引する吸引手段と、吸引制御手段とを備
    え、 前記吸引手段は、弾性チューブと複数のローラを備えて
    いて、給紙ローラを駆動するモータを一方の方向に回転
    駆動することによりチューブに当接して吸引動作を、ま
    た他方の方向に回転駆動することによりチューブの押圧
    を解除してポンプ作用を消失するペリスタポンプとして
    構成され、 前記吸引制御手段は、前記吸引手段の吸引工程の終了後
    には前記他方への方向への回転を、前記一方の方向への
    回転よりも低速度で実行させるインクジェット式記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記吸引動作を含む一連のインク吐出回
    復動作が終了したか否かを示すインク吐出回復動作終了
    形態を格納する記憶手段を備え、電源投入時点で前記イ
    ンク吐出回復動作終了形態を示すデータを前記記憶手段
    から読み出し、一連の動作が終了していない場合には、
    前記インク吐出回復動作を再度実行させる請求項1に記
    載のインクジェット式記録ヘッド。
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