JP3296317B2 - 高分子組成物の製造方法 - Google Patents
高分子組成物の製造方法Info
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Description
なる高分子組成物を製造する方法に関する。
良することが行われているが,樹脂とクレイとは相溶性
が低いため,両者の分散,混合などに当たっては種々の
改良策が従来より講じられている。
クレイとなし,これをカプロラクタムなどのモノマーよ
りなる膨潤化剤及び分散剤と共にナイロン6などのポリ
アミドに添加混合して複合材料を得る方法がある(特公
平7−47644号)。また,2級アンモニウムで有機
化された有機化クレイと樹脂,ゴムとを混練する方法が
ある(特表平6−504810号)。また,有機化クレ
イと熱可塑性樹脂とを高い剪断力の下で混練する方法が
ある(特開平9−217012号)。
を樹脂に分散させる方法として,ポリアミド酸を塩基性
溶媒に溶解させた溶液と,非有機化クレイの水分散液と
を混合する方法がある(特開平9−208822号)。
この方法は,ポリイミドの前駆体であるポリアミドが塩
基性水溶液に溶解することを利用したものである。ま
た,非有機化クレイと樹脂との混合物へ水蒸気を導入し
て混練する方法(特願平8−331520号)が提案さ
れている。
含んだ樹脂は,該クレイによって樹脂の機械的強度が高
められるなど,特性が改良され,新しい材料として利用
することができる。
においては,水と親和性の高い樹脂,例えばポリビニル
アルコール,ポリアミド酸,ポリアクリル酸等に対して
非有機化クレイを分散させることはできるが,水と親和
性の低い熱可塑性樹脂に対する分散は困難であり,これ
らの樹脂をベースにした材料の製造が困難であった。ま
た,予め有機化したクレイを用いれば水と親和性の低い
熱可塑性樹脂に対する分散は可能となるが,有機化クレ
イを用いる方法はあらかじめクレイを有機化する工程が
必要であるため,製造コスト及び製造工程簡便性の点か
らあまり好ましくない。
熱した場合,クレイの凝集が発生するという問題があっ
た。つまり,従来材料は熱安定性があまり高くなかっ
た。この問題のために,従来材料は加熱溶融成形が困難
である。
されたもので,各種熱可塑性樹脂に対しクレイが均一か
つ微細に分散すると共にクレイの分散状態の熱安定性の
高い高分子組成物の製造方法を提供しようとするもので
ある。
プロトン供与体を含む溶媒と,クレイと,クレイ分散剤
と,熱可塑性樹脂とを準備し,これらを熱可塑性樹脂の
溶融温度以上の温度で接触させ,かつ上記水又はプロト
ン供与体を含む溶媒は,上記クレイ1重量部に対して
0.01〜1000重量部添加する方法であって, 上記
クレイ分散剤は,クレイ表面に吸着または結合可能な機
能を有する物質よりなることを特徴とする高分子組成物
の製造方法にある。
述するごとく層状構造を有しており,該層状構造中にお
けるAl3+などの3価のイオンがFe2+などの2価のイ
オンに置換されることで若干負に帯電することができ
る。このため,クレイは水やプロトン供与体を含む溶媒
に分散しやすい。
溶媒とクレイとが接触すると,クレイを構成する層状構
造の層間に水または溶媒が介入し,クレイの層間が拡大
され,クレイの層間の化学的結合が弱められる。そのた
め,水や溶媒の中でクレイが均一に分散する。
脂,水またはプロトン供与体を含む溶媒,クレイ,クレ
イ分散剤は熱可塑性樹脂の融点以上の温度で接触され
る。つまり,熱可塑性樹脂は軟化した状態で水やプロト
ン供与体を含む溶媒と接触するため,水またはプロトン
供与体を含む溶媒は熱可塑性樹脂中に分散するか,また
は溶融した熱可塑性樹脂が水や溶媒によってエマルジョ
ンを形成する。
囲気を作り出す。高圧雰囲気が弱くなったクレイの層間
の化学的結合を切断し,水または溶媒の蒸気を層間から
抜け出させ,代わりに溶融して流動性を得た熱可塑性樹
脂を層間に導入させる。この時,クレイの層間は既に拡
大しているため,熱可塑性樹脂の導入はスムーズに行わ
れる。つまり,クレイがその層状構造を失いつつ,熱可
塑性樹脂に対し微細に分散する。
レイとのなじみをよくし,クレイを均一分散させる。更
に,水等がなくなった後,クレイ分散剤がクレイの電荷
を中和するため,電気的な吸引によるクレイの凝集を防
ぐことができる。これにより,熱安定性に優れたクレイ
の分散状態を得る。
可塑性樹脂に対しクレイが均一かつ微細に分散すると共
にクレイの分散状態の熱安定性の高い高分子組成物の製
造方法及び高分子組成物を提供することができる。
る。水またはプロトン供与体を含む溶媒としては,特に
限定しないが,例えば,水,メタノール,エタノール,
プロパノール,ジエチレングリコール,エチレングリコ
ール,プロピレングリコール,エチレングリコールモノ
エチルエーテル,エチレングリコールジエチルエーテ
ル,エチレングリコールモノアセチレート,エチレング
リコールジアセチレート,ポリエチレングリコール,ポ
リプロピレングリコールなどが挙げられる。なお,水ま
たはプロトン供与体を含む溶媒は,水またはプロトン供
与体以外の溶媒を含んでいてもよい。
構造を持つ珪酸塩鉱物等で,多数のシート(あるものは
珪酸で構成された四面体シート,あるものはAlやMg
などを含む八面体シートである。)が積層された層状構
造を有する物質である。
モンモリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデ
ライト,スティブンサイト,ノントロナイト,バーミキ
ュライト,ハロイサイト,マイカ,フッ素化マイカ,カ
オリナイト,パイロフィロライト等が使用できる。ま
た,天然物でも合成物でもよい。
0〜1,000の低分子化合物,あるいは分子量1,0
00〜10,000,000の高分子化合物を用いるこ
とができる。分子量が10以下の化合物では,溶融樹脂
の添加時,揮発するおそれがあり,分子量が10,00
0,000より大である化合物では,溶融時の粘性が高
くなりすぎ,均一な混合ができなくなるおそれがある。
また,上記クレイ分散剤の詳細は後述する。
合物であれば特に限定しないが,特にポリエチレン,ポ
リプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,
ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレ
ート,ポリスチレン,ABS樹脂(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合樹脂),AS樹脂(アクリ
ロニトリル−スチレン共重合樹脂),ポリメチルメタク
リレート,ポリアミド,ポリアセタール,ポリカーボネ
ート,ポリフェニレンスルフィド,ポリフェニレンエー
テル,ポリエーテルエーテルケトン,ポリサルフォン,
ポリエーテルサルフォン,ポリアミドイミド,ポリエー
テルイミド,熱可塑性ポリイミド,天然ゴム,イソプレ
ンゴム,クロロプレンゴム,スチレンゴム,ニトリルゴ
ム,エチレン−プロピレンゴム,ブタジエンゴム,スチ
レン−ブタジエンゴム,ブチルゴム,エピクロルヒドリ
ンゴム,アクリルゴム,ウレタンゴム,フッ素ゴム,シ
リコーンゴムなどを用いることが好ましい。これらの熱
可塑性樹脂を用いることで,よりクレイが均一に分散し
た高分子組成物を得ることができる。
供与体を含む溶媒」「クレイ」「クレイ分散剤」「熱可
塑性樹脂」の混合比等について説明する。本発明の製造
方法における上記クレイの添加量は上記熱可塑性樹脂1
00重量部に対して0.1〜300重量部とすることが
好ましい。これにより,物性的にバランスのとれた高分
子組成物を与えることができる。0.1重量部未満の場
合には,高分子組成物の剛性及びガス遮断性が低下する
おそれがある。また,300重量部を越える場合には,
高分子組成物の耐衝撃性が低下するおそれがある。
溶媒の添加量はクレイ1重量部に対して,0.01〜1
000重量部とする。これにより,クレイを確実に熱可
塑性樹脂に対し均一に分散させることができる。また,
添加した水や溶媒は熱可塑性樹脂が冷却する間に蒸発し
てしまうため,高分子組成物中に水や溶媒が残留しない
ようにすることができる。0.01重量部未満の場合に
は,クレイの膨潤度が足りず,クレイが熱可塑性樹脂に
均一分散しない。一方,1000重量部を越える場合に
は,クレイの膨潤状態は1000重量部以下の場合と変
わらないが,高分子組成物中に水や溶媒が残留する。
溶媒の添加量はクレイ1重量部に対して,0.1〜50
0重量部であることが更に好ましい。0.1重量部未満
の場合には,水や溶媒蒸気によって作り出される圧力が
低く,クレイを熱可塑性樹脂に対し均一に分散させるた
めには高い混練力が必要となる可能性があるため,製造
工程を工夫する必要があり,コスト高となるおそれがあ
る。500重量部を超える場合には,溶媒の蒸発による
蒸発潜熱のため,熱可塑性樹脂の温度が溶融温度より低
下して,固化する可能性がある。これにより,クレイと
熱可塑性樹脂との混練ができなくなるおそれがある。
溶媒の添加量はクレイ1重量部に対して,1〜200重
量部であることが最も好ましい。1重量部未満の場合に
は,溶媒蒸気によって作り出される圧力が低く,クレイ
が熱可塑性樹脂に分散するためには長い混練時間を要す
るおそれがあり,生産性が悪くなる可能性がある。20
0重量部を超える場合には,溶媒による蒸発潜熱を補う
ための熱量が多く必要となり,製造の際に加える熱量を
多くせざるを得ず,コスト高となる可能性がある。
100重量部に対して,1〜5000重量部添加するこ
とが好ましい。これにより,クレイの均一分散,熱安定
性の向上を図ることができる。添加量が1重量部未満で
ある場合には,すべてのクレイに分散剤が行き渡らない
ため,充分な効果が得られないおそれがある。5000
重量部を越えた場合には,クレイ表面に吸着,結合され
ずに高分子組成物表面で析出するおそれがある。
0重量部に対して,5重量部以上とすることがより好ま
しい。5重量部未満である場合には,クレイ表面への吸
着,結合量が充分でなく,樹脂の種類によっては均一な
分散が達成できないおそれがある。また,クレイ分散剤
の添加量はクレイ100重量部に対して,10〜100
0重量部とすることがもっとも好ましい。10重量部未
満の場合には,クレイへの吸着,結合量が充分でなく,
均一分散しても樹脂の種類によっては,充分な熱安定性
が達成できないおそれがある。1000重量部より多い
場合には,クレイに吸着,結合してないものが存在し,
高分子組成物の物性低下を招くおそれがある。
供与体を含む溶媒」「クレイ」「クレイ分散剤」「熱可
塑性樹脂」を接触させる方法について説明する。本発明
において,溶融状態にある熱可塑性樹脂と,上記水また
はプロトン供与体を含む溶媒と,クレイと,クレイ分散
剤とが相互に接触することで,高分子組成物が作製され
る。本発明において,水またはプロトン供与体を含む溶
媒の添加のタイミングは,溶融状態の熱可塑性樹脂,ク
レイ,クレイ分散剤の三者が共存状態となる時,または
それ以前であることが必要である。
む溶媒に対し分散させたクレイ水スラリーを準備し,こ
のスラリーに対しクレイ分散剤を溶解,または分散さ
せ,その後,上記熱可塑性樹脂と接触させることが好ま
しい。または,予めクレイ分散剤を溶融状態にある熱可
塑性樹脂に対し混合し,両者の混合物を上記分散液(水
または溶媒にクレイが分散した液)に添加することが好
ましい。特にクレイ分散剤がアニオン性である場合には
クレイ中のイオンとのイオン交換がおこり,水中での分
散が不充分となるおそれがあるので,後者の方法がより
好ましい。
剤とを混合し,これらを加熱した後に水やプロトン供与
体を含む溶媒を添加してもよい。この場合,熱可塑性樹
脂の溶融物とクレイやクレイ分散剤とが充分に混練され
た後に水や溶媒を添加することが好ましい。
する以前からクレイやクレイ分散剤と共存していてもよ
いし,熱可塑性樹脂が溶融した後にその溶融物に対して
添加されてもよい。また,水や溶媒の添加は,クレイ,
クレイ分散剤及び熱可塑性樹脂を溶融温度以上に加熱す
る際,または加熱後の溶融物の混練の際に行ってもよ
い。また,クレイを溶媒で膨潤させたものを熱可塑性樹
脂と混合した後に加熱してもよい。あるいは,熱可塑性
樹脂を溶融させた後に溶媒で膨潤させたクレイを圧入し
てもよい。
を乾燥状態で混合し,熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加
熱する。熱可塑性樹脂が溶融して流動させる過程で,水
または溶媒を注入する。その後の工程で水または溶媒を
揮発させる。
のと,クレイ分散剤と熱可塑性樹脂のペレットとを混合
し,熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱する。すると,
熱可塑性樹脂が溶融して流動させる過程で,水または溶
媒が揮発する。 3)熱可塑性樹脂を溶融温度以上に加熱する。熱可塑性
樹脂が溶融して流動している状態で,クレイ分散剤と水
または溶媒に膨潤させたクレイを溶融した熱可塑性樹脂
に対し圧入する。
分散剤とを接触をさせるに当たっては両者を混練するこ
とにより行うことができる。この混練は,溶融温度以上
に加熱されて溶融状態にある熱可塑性樹脂とクレイ,ク
レイ分散剤とを攪拌して行うことができる。この撹拌に
は,例えば,後述する図1に示すごとく,2本のスクリ
ュー(回転軸)を回転させて攪拌を行う2軸混練機を用
いることができる。
を使用する場合,スクリューの直径(D)に対する軸長
さ(L)の比率(L/D)は10〜50であることが好
ましい。10未満の場合には,2軸混練機の攪拌力が小
さく,効率良く攪拌することが困難となるおそれがあ
る。一方,L/Dが大きいほど大きな攪拌力が得られる
が,50を越える場合には,クレイを構成する珪酸塩層
自身が細かく破壊され,得られた高分子組成物のガスバ
リア性が向上しないおそれがある。スクリューの回転数
は100〜2500rpmであることが好ましい。この
範囲を逸脱する場合には,効率良く攪拌することが困難
となるおそれがある。
熱可塑性樹脂に添加するに当たっては,クレイに積極的
に圧力を加えて熱可塑性樹脂の中に圧入することが好ま
しい。その理由は,クレイの珪酸塩層間に介入した水や
溶媒は熱可塑性樹脂の熱によって蒸発してしまうため,
圧力を加えない場合にはクレイの層間に熱可塑性樹脂が
介入する前に層間の水や溶媒が蒸発してしまい,これら
の層間膨潤効果が消失し,層間に熱可塑性樹脂が導入さ
れない場合があるためである。上記クレイの圧入方法と
しては,例えば,送液ポンプにより熱可塑性樹脂に圧入
する方法がある。
樹脂との接触は,熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度の
環境下で行われる。これにより,熱可塑性樹脂が溶融し
て流動性を得て,クレイを分散させることになる。な
お,「熱可塑性樹脂の溶融温度以上」は熱可塑性樹脂の
種類によって異なる。また,「熱可塑性樹脂の溶融温度
以上の温度」の上限は熱可塑性樹脂の変質しない温度で
あることが好ましい。
とを上記温度環境下で接触させるに当たりこれらを加熱
することがあるが,この場合,密閉状態とすることで圧
力の高い蒸気が得られるため,望ましい。上記密閉状態
とは,加熱により水や溶媒が蒸気となって高圧雰囲気を
作り出すことができる状態であり,例えば2軸混練機等
の内部状態である。
吸着または結合可能な機能を有する物質よりなる。クレ
イ分散剤がクレイ表面に吸着または結合することで,ク
レイと熱可塑性樹脂とのなじみをよくすることができ
る。よって,熱可塑性樹脂中でクレイの層間が縮小し
て,凝集状態となることが防止できる。上記クレイ表面
に吸着または結合可能な機能を有する物質としては,例
えば後述するごときクレイ表面と親和性のある官能基や
構造を有する物質等が挙げられる。
イ分散剤は,以下に記載する(1)〜(4)物質より選ばれ
る少なくとも一種であることが好ましい。 (1) クレイ表面と親和性のある官能基を有する化合
物。 (2) スルホン酸の金属塩,ホスホン酸の金属塩,カ
ルボン酸の金属塩。 (3) オニウム塩。 (4) 水溶性ポリマ。 これらの物質はクレイ分散剤としての作用(熱可塑性樹
脂中にクレイを均一かつ微細に分散させる)を充分発揮
することができる。
例えば,酸無水物基,カルボン酸基,水酸基,チオール
基,エポキシ基,ハロゲン基,エステル基,アミド基,
ウレア基,ウレタン基,エーテル基,チオエーテル基,
スルホン酸基,ホスホン酸基,ニトロ基,アミノ基,オ
キサゾリン基,イミド基,シアノ基,イソシアネート
基,シアノ基等の官能基が挙げられる。また,ベンゼン
環,ピリジン環,ピロール環,フラン環,チオフェン環
等の芳香環が挙げられる。
デシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸
塩,アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキ
ルアリールスルホン酸塩,ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等のアリールスルホン酸塩,ドデシルホスホン酸ナト
リウム等のアルキルホスホン酸塩,アルキルベンゼンホ
スホン酸ナトリウム等のアルキルアリールホスホン酸
塩,ベンゼンホスホン酸ナトリウム等のアリールホスホ
ン酸塩等が挙げられる。
リウム,ポタシウム,カルシウム,マグネシウム,アル
ミニウム等が好ましい。
としては,オクチルアンモニウムクロライド,オクチル
アンモニウムブロマイド,ドデシルアンモニウムクロラ
イド,ドデシルアンモニウムブロマイド,オタタデシル
アンモニウムクロライド,オクタデシルアンモニウムブ
ロマイド,アミノドデカン酸塩等のアンモニウム塩,ホ
スホニウム塩等が挙げられる。
ることで,上述する効果だけでなく,ポリプロピレン,
ポリカーボネート等の水と親和性の低い熱可塑性樹脂中
にもクレイが均一かつ微細に分散した高分子組成物を得
ることができる。
レングリコール,ポリプロピレングリコール等のポリオ
キシアルキレンエーテル,ポリオキシエチレンフェノー
ルエーテル等のポリオキシアリールエーテル,ポリビニ
ルアルコール,メチルセルロース,エチルセルロース,
ヒドロキシエチルセルロース,ヒロドキシプロピルセル
ロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘
導体,リグニンスルホン酸等のリグニン誘導体,キトサ
ン塩酸塩等のキトサン誘導体等が挙げられる。また,ポ
リビニルスルホン酸,ポリビニルベンジルスルホン酸,
ポリビニルホスホン酸,ポリビニルベンジルホスホン
酸,ポリアクリル酸等が挙げられる。
を満たす物質であれば,本請求項にかかるクレイ分散剤
として用いることができる。
は,水またはプロトン供与体を含む溶媒と,クレイと,
クレイ分散剤と,熱可塑性樹脂とを準備し,これらを熱
可塑性樹脂の溶融温度以上の温度で接触させることで作
製されることを特徴とする。上述同様に,水によりクレ
イの凝集力を弱めた状態で溶融した樹脂と混合されるこ
とから,水と親和性の高低にかかわらず,各種熱可塑性
樹脂に対しクレイが均一かつ微細に分散すると共にクレ
イの分散状態の熱安定性の高い高分子組成物を得ること
ができる。
成物は均一かつ微細に分散したクレイが熱可塑性樹脂の
分子鎖等を束縛するため,クレイの分散量が微量であっ
ても他のフィラー等の補強材では為し得ない大きな補強
効果をクレイが発揮し,高い機械的な強度を発揮するこ
とができる。特に,強度,弾性率などの機械的性質,耐
熱性,熱変形温度,低温脆化温度などの熱的性質,ガス
遮閉性などに優れた高分子組成物を得ることができる。
剛性を有し,自動車用,航空機用などの移動体用の構造
材として利用することができる。また,その用途もこれ
らに限定されず,上記の優れた性質を生かすことができ
るものであれば分野を問わない。
イの分散状態の熱的安定が高いため,高分子組成物を製
造後,溶融,成形した場合であっても,その特徴(機械
的性質に優れる等)を失うことがない。よって,成形性
に優れた材料として,大いに活用できる。
び得られた高分子組成物につき,図1を用いて説明す
る。本例の製造方法の概要を説明すると,水と,クレイ
と,クレイ分散剤と,熱可塑性樹脂とを準備し,これら
を熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度で接触させて高分
子組成物を得る。
する。まず,熱可塑性樹脂としてポリカーボネート(G
Eプラスチック製レキサン131,)を準備した。クレ
イとして粒子状のNa−モンモリロナイトを準備した。
また,クレイ分散剤としてドデカンスルホン酸ナトリウ
ムを準備した(実施形態例2の試料1)。
クリュー6,7を備えた2軸混練機1を準備した。2軸
混練機1は,熱可塑性樹脂910,クレイ920,クレ
イ分散剤930を円筒9内に投入するホッパー91,9
2,93と,熱可塑性樹脂を加熱するヒーター94と,
水950を貯えておくタンク95と,円筒9の後部に設
けた成形口96とを有している。タンク95内の水95
0は,送液ポンプ951により圧入口952より圧入し
た。また,水を吸引除去するためのベント98を設け
た。
イ,クレイ分散剤の投入量はそれぞれ9.7kg/時
間,0.3kg/時間,0.15kg/時間とした。ま
た,水950は,送液ポンプ951により70kg/c
m2程度の圧力を加えて,7.0g/分の液量を円筒9
内に圧入した。
り,円筒9の直径は9.0cmであって,これらの長さ
は135cmであった。スクリュー6,7の回転速度は
100rpmとした。ヒーター94の温度は270℃と
した。成形口96は,大きさ0.5mm×2mmの四角
状に開口させた。
樹脂910を,また下流側のホッパー92にはクレイ9
20を入れた。また,もっとも下流側のホッパー93に
はクレイ分散剤930を入れた。次いで,ホッパー9
1,92,93の出口パイプに設けたバルブ911,9
21,931を開いて,熱可塑性樹脂910,クレイ9
20,クレイ分散剤930を円筒9の中に投入した。
7の回転により,クレイ,クレイ分散剤と乾燥状態で混
練されながら,円筒9の下流側に押し出された。これら
の混練物はヒーター94により300℃に加熱されて,
熱可塑性樹脂が溶融した。
散剤とからなる溶融物がスクリューにより更に下流側へ
押し出されると,溶融物は圧入口95より圧入された水
950と混練された。溶融物の温度は270℃であるた
め,水は溶融物に触れるとガス化して,分子レベルで溶
融物に均一に分散した。
し出されて,厚み0.5mmのシート状に成形された。
成形体4は,コンベアー97により巻取りローラー97
1へと運ばれ,巻取りローラー971によりロール状に
巻き取られた。成形体4は,巻取りローラー971に運
ばれる間に,徐々に熱を放散させた。また,成形体の中
に含まれる水の殆どはベント98から吸引され,またコ
ンベアー97による運搬の際に蒸発した。以上により,
高分子組成物からなる成形体4を得た。
のシリケート層が積層して構成された層状構造を有して
いる。本例の製造方法により得られた成形体4を透過型
電子顕微鏡により観察したところ,モンモリロナイトの
層状構造が崩れ,厚みが1nm程度のシリケート層が1
〜5層ずつ積層したものが,ポリカーボネートの中に均
一に分散していたことが分かった。
3)に示すごとく,本例の高分子組成物は単なるポリカ
ーボネートの成形体やクレイが均一に分散していないポ
リカーボネートよりなる組成物の成形体よりも,引張弾
性率や引張強度,伸びが大きく,熱安定性にも優れてい
ることが分かった。
塑性樹脂とクレイとクレイ分散剤とを乾燥状態で混ぜて
加熱し,熱可塑性樹脂が溶融した状態ある溶融物となし
た後,水を添加し,混練した。
大させ,その後水が蒸発して高圧状態を形成しつつ,水
はクレイの層間から抜けて,かわりに熱可塑性樹脂が層
間に入り込み,クレイは層状構造がばらばらになって,
熱可塑性樹脂に分散する。この時,クレイ分散剤はクレ
イ表面に吸着,結合し,クレイと樹脂とのなじみをよく
する働きをするため,クレイの熱可塑性樹脂に対する分
散の際に,クレイの層間の縮小による,凝縮状態となっ
てクレイが分散することが防止できる。
て熱可塑性樹脂に分散することができる。つまりクレイ
の均一分散が実現される。更に,水等の溶媒がなくなっ
た後も,分散剤はクレイ側にあり,クレイの電荷を中和
する働きをし,電気的な吸引によりクレイの凝集を防ぐ
ため,クレイの分散状態は熱安定性に優れている。
種熱可塑性樹脂に対しクレイが均一かつ微細に分散する
と共にクレイの分散状態の熱安定性の高い高分子組成物
の製造方法を提供することができる。
れた各種高分子組成物の性能を比較試料と共に評価し
た。各試料について説明する。試料1は実施形態例1と
同様の材料と方法で作製されている。試料2はクレイ分
散剤をドデシルアンモニウムクロライド(投入量0.0
75kg/時間)に変えた以外は試料1に同じである。
試料3はクレイ分散剤をポリビニルアルコール(投入量
0.15kg/時間)に変えた以外は試料1に同じであ
る。
ロン6(宇部興産製1015B)を投入量9.85kg
/時間で使用し,クレイとしてNa−モンモリロナイト
を投入量0.15kg/時間で使用し,クレイ分散剤と
してドデカンスルホン酸ナトリウムを投入量0.15k
g/時間で使用した。また,混練温度は240℃であっ
た。その他は実施形態例1に示す製造方法と同様であ
る。試料5は,クレイ分散剤をドデシルアンモニウムク
ロライド(投入量0.035kg/時間)に変えた以外
は試料4に同じである。試料6はクレイ分散剤をポリビ
ニルアルコール(投入量0.075kg/時間)に変え
た以外は試料4に同じである。
プロピレン(三菱化学MA2)を投入量9.5kg/時
間で使用し,クレイとしてNa−モンモリロナイトを投
入量0.5kg/時間で使用し,クレイ分散剤としてド
デカンスルホン酸ナトリウムを投入量0.3kg/時間
で使用した。また,混練温度は200℃であった。その
他は実施形態例1と同様である。試料8はクレイ分散剤
をドデシルアンモニウムクロライド(投入量0.1kg
/時間)に変えた以外は試料7に同じである。試料9は
クレイ分散剤をポリビニルアルコール(投入量0.2k
g/時間)に変えた以外は試料7に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト300gを水
9700gに分散させてクレイ水スラリーを作製した。
そして,熱可塑性樹脂のポリカーボネート(GEプラス
チック製レキサン131)を投入量10.0kg/時間
で図1に示すごとき2軸混練機のホッパーより円筒に投
入し,同様にクレイ分散剤のドデカンスルホン酸ナトリ
ウムを投入量0.15kg/時間で投入し,加熱混練し
溶融した。その後,2軸混練機の注入口より上記クレイ
水スラリーを投入量10kg/時間で注入し,さらに溶
融混練した。以上により試料10にかかる高分子組成物
を得た。
ン酸ナトリウムを投入量0.3kg/時間に変えた以外
は試料10に同じである。試料12はクレイ分散剤をド
デシルアンモニウムクロライド,投入量0.075kg
/時間に変えた以外は試料10に同じである。試料13
はクレイ分散剤をポリビニルアルコール,投入量0.1
5kg/時間に変えた以外は試料10に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト150gを水
9850gに分散させてクレイ水スラリーを作製した。
そして,熱可塑性樹脂のナイロン6(宇部興産製101
5B)を投入量9.85kg/時間で図1に示すごとき
2軸混練機のホッパーより円筒に投入し,同様にクレイ
分散剤のドデカンスルホン酸ナトリウムを投入量0.1
5kg/時間で投入し,加熱混練し溶融した。その後,
2軸混練機の注入口より上記クレイ水スラリーを投入量
10kg/時間で注入し,さらに溶融混練した。以上に
より試料14にかかる高分子組成物を得た。
ン酸ナトリウムの投入量を0.3kg/時間に変えた以
外は試料14に同じである。試料16はクレイ分散剤を
ドデシルアンモニウムクロライド,投入量0.075k
g/時間に変えた以外は試料14に同じである。試料1
7はクレイ分散剤をポリビニルアルコール,投入量0.
15kg/時間に変えた以外は試料14に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト500gを水
9500gに分散させてクレイ水スラリーを作製した。
そして,熱可塑性樹脂のポリプロピレン(三菱化学MA
2)を投入量9.5kg/時間)で図1に示すごとき2
軸混練機のホッパーより円筒に投入し,クレイ分散剤の
ドデカンスルホン酸ナトリウムを投入量0.2kg/時
間で投入し,加熱混練し溶融した。その後,2軸混練機
の注入口より上記クレイ水スラリーを投入量l0kg/
時間で注入し,さらに溶融混練した。以上により試料1
8にかかる高分子組成物を得た。
ン酸ナトリウムの投入量を0.45kg/時間に変えた
以外は試料18に同じである。試料20はクレイ分散剤
をドデシルアンモニウムクロライド,投入量0.25k
g/時間に変えた以外は試料18に同じである。試料2
1はクレイ分散剤をポリビニルアルコール,投入量0.
3kg/時間に変えた以外は試料18に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト300g,ク
レイ分散剤であるドデカンスルホン酸ナトリウム150
gを水9700gに分散させてクレイ水スラリーを作製
した。そして,熱可塑性樹脂のポリカーボネートを注入
量10kg/時間で,図1に示すごとき2軸混練機のホ
ッパーより円筒に投入し,加熱混練し溶融した。その
後,2軸混練機の注入口より上記クレイ分散剤を含んだ
クレイ水スラリーを投入量10kg/時間で投入し,さ
らに溶融混練した。以上により試料22にかかる高分子
組成物を得た。
ン酸ナトリウムの投入量を300gに変えた以外は試料
22に同じである。試料24はクレイ分散剤をポリビニ
ルアルコールの投入量を300gに変えた以外は試料2
2に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト150g,ク
レイ分散剤であるドデカンスルホン酸ナトリウム75g
を水9850gに分散させてクレイ水スラリーを作製し
た。そして,熱可塑性樹脂のナイロン6を投入量10k
g/時間で,図1にかかる2軸混練機のホッパーより投
入し,加熱混練し溶融した。その後,2軸混練機の注入
口より上記クレイ分散剤を含んだクレイ水スラリーを投
入量10kg/時間で注入し,さらに溶融混練した。以
上により試料25にかかる高分子組成物を得た。
ン酸ナトリウムを300gに変えた以外は試料25に同
じである。試料27はクレイ分散剤のポリビニルアルコ
ールを300gに変えた以外は試料25に同じである。
る。クレイであるNa−モンモリロナイト500g,ク
レイ分散剤であるドデカンスルホン酸ナトリウム250
gを水9500gに分散させてクレイ水スラリーを作製
した。そして,熱可塑性樹脂のポリプロピレン(三菱化
学MA2)を投入量10kg/時間で,図1にかかる2
軸混練機のホッパーより投入し,加熱混練し溶融した。
その後,2軸混練機の注入口より上記クレイ分散剤を含
んだクレイ水スラリーを投入量10kg/時間で注入
し,さらに溶融混練した。以上により高分子組成物を得
た。
ン酸ナトリウムの量を500gに変えた以外は試料28
に同じである。試料30はクレイ分散剤をポリビニルア
ルコールの量を225gに変えた以外は試料28に同じ
である。
試料C1は,熱可塑性樹脂のポリカーボネートである。
比較試料C2は,図1に示す2軸混練機において熱可塑
性樹脂のポリカーボネートを投入量9.7kg/時間
で,クレイであるNa−モンモリロナイトを投入量0.
3kg/時間でホッパーより円筒に投入し,溶融混練し
て作製した高分子組成物である。
た。クレイであるNa−モンモリロナイト,300g
を,水9700gに分散させてクレイ水スラリーを得
た。次に,図1に示す2軸混練機において熱可塑性樹脂
のポリカーボネートを投入量10kg/時間でホッパー
より投入し,加熱混練し溶融した。その後,2軸混練機
の注入口より上記クレイ水スラリーを投入量l0kg/
時間で注入し,さらに溶融混練した。これにより比較試
料C3にかかる高分子組成物を得た。
6である。比較試料C5は,図1に示す2軸混練機にお
いて熱可塑性樹脂のナイロン6を投入量9.85kg/
時間で,クレイであるNa−モンモリロナイトを投入量
0.15kg/時間でホッパーより投入し,溶融混練して
作製した。比較試料C6は熱可塑性樹脂のポリプロピレ
ンである。比較試料C7は図1に示す2軸混練機におい
て熱可塑性樹脂のポリプロピレンを投入量95kg/時
間で,クレイであるNa−モンモリロナイトを投入量
0.5kg/時間でホッパーより投入し,溶融混練し
た。
クレイであるNa−モンモリロナイト,500gを,水
9500gに分散させてクレイ水スラリーとした。次
に,図1に示す2軸混練機において熱可塑性樹脂のポリ
プロピレンを投入量10kg/時間でホッパーより投入
し,加熱混練し溶融した。その後,注入口より上記クレ
イ水スラリー(10kg/時間)を注入し,さらに溶融
混練した。これにより比較試料C8にかかる高分子組成
物を得た。
する方法について説明する。まず,各試料,比較試料中
におけるクレイ量を,という方法で測定し,表1〜表3
に記載した。
は光学顕微鏡,透過電子顕微鏡観察により次のように評
価し,表1〜表3に記載した。 ◎:ナノレベルでの分散,クレイを構成するシートの積
層数1〜5層。 ○:ナノレベルでの分散,クレイを構成するシートの積
層数1〜10層。 △:サブミクロンレベルの分散。 ×:ミクロンレベル以上の分散(凝集している)。
た。この引張試験はJIS K 7113で,測定温度
25℃,ヘッド速度5mm/分で行った。この試験によ
り引張弾性率と引張強度,伸びとを測定し,表1〜表3
に記載した。
を行った。各試料,比較試料を10g秤量し,これを直
径2cmの加熱シリンダーに入れ溶融させた後,該溶融
した試料や比較試料の表面に対し軸を接触させた。この
軸を50rpmで5分間,回転させた。その後,シリン
ダーより試料や比較試料を取り出し,光学顕微鏡,透過
電子顕微鏡にてクレイの分散状態を観察した。観察結果
を次のように評価し,表1〜表3に記載した。 O:変化なく,ナノレベルで分散。 △:サブミクロンレベルの凝集あり。 ×:ミクロンレベル以上の凝集あり。
23〜24は本発明にかかる製造方法にて作製された,
ポリカーボネートを含む高分子組成物である。比較試料
C1は単なるポリカーボネート樹脂,比較試料C2,C
3はクレイを含むポリカーボネート樹脂であるが,製造
するに当たりクレイ分散剤を使用していない。
る試料1〜3,試料10〜13,試料23〜24は単な
るポリカーボネート樹脂である比較試料C1と比べて,
引張弾性率が大いに高く,また引張強度や伸びは同等か
それ以上に大きいことが分かった。そして,熱安定性に
優れ,加熱,溶融した後もクレイの分散状態に変化がな
いことから,これらの各試料を作製後,加熱成形等を施
しても,上記特徴が失われないことが分かった。
細分散しておらず,引張弾性率は比較試料C1と同程
度,引張強度や伸びはこれより低くなったことが分かっ
た。また比較試料C3は製造直後は本発明にかかる試料
と同じ程度に優れた引張弾性率等を有するが,加熱,溶
融後はクレイがサブミクロンレベルで凝集してしまうた
め,熱安定性に劣ることが分かった。
25〜27は本発明にかかる製造方法にて作製された,
ナイロン6を含む高分子組成物であり,比較試料C4は
単なるナイロン6,比較試料C5はクレイを含むナイロ
ン6であるが,製造にあたりクレイ分散剤を用いていな
い。同表よりしれるごとく,本発明にかかる試料は引張
弾性率,引張強度,伸びが比較試料C4よりも大きいこ
とが分かった。また,比較試料C5はナイロン6単独の
比較試料C5よりも上記性能に劣ることが分かった。
28〜30は本発明にかかる製造方法にて作製された,
ポリプロピレンを含む高分子組成物であり,比較試料C
6は単なるポリプロピレン,C7,C8は製造にあたり
クレイ分散剤を用いていない。同表より知れるごとく,
本発明にかかる試料は引張弾性率が比較試料C6よりも
大いに優れ,引張強度や伸びも優れており,熱安定性に
も優れていることが分かった。比較試料C7はポリプロ
ピレン単独の比較試料C6よりも上記性能に劣ることが
分かった。また,比較試料C8は上記性能については本
発明と同等の性能を発揮するが,熱安定性に劣ることが
分かった。
した高分子組成物は,各種熱可塑性樹脂に対しクレイが
均一かつ微細に分散しており,この分散状態が熱安定性
に優れていることが分かった。また,本発明にかかる高
分子組成物は引張弾性率,引張強度,伸びについて,熱
可塑性樹脂単独の組成物よりも同等かそれ以上の性能を
発揮することが分かった。
可塑性樹脂に対しクレイが均一かつ微細に分散すると共
にクレイの分散状態の熱安定性の高い高分子組成物の製
造方法を提供することができる。
す説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 水またはプロトン供与体を含む溶媒と,
クレイと,クレイ分散剤と,熱可塑性樹脂とを準備し,
これらを熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度で接触さ
せ, かつ上記水又はプロトン供与体を含む溶媒は,上記クレ
イ1重量部に対して0.01〜1000重量部添加する
方法であって, 上記クレイ分散剤は,クレイ表面に吸着または結合可能
な機能を有する物質よりなる ことを特徴とする高分子組
成物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において,上記クレイ分散剤
は,以下に記載する(1)〜(4)物質より選ばれる少なく
とも一種であることを特徴とする高分子組成物の製造方
法。 (1) クレイ表面と親和性のある官能基を有する化合
物。 (2) スルホン酸の金属塩,ホスホン酸の金属塩,カ
ルボン酸の金属塩。 (3) オニウム塩。 (4) 水溶性ポリマ。
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