JP3324500B2 - 樹脂複合材料の製造方法 - Google Patents

樹脂複合材料の製造方法

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JP3324500B2 JP11827798A JP11827798A JP3324500B2 JP 3324500 B2 JP3324500 B2 JP 3324500B2 JP 11827798 A JP11827798 A JP 11827798A JP 11827798 A JP11827798 A JP 11827798A JP 3324500 B2 JP3324500 B2 JP 3324500B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,軽量で,高剛性の樹脂複合材料
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】樹脂にクレイを混合して樹脂の特性を改良
することが行われている。しかし,樹脂とクレイとは相
溶性が低いため,両者の混合に当たっては種々の改良策
が従来より講じられている。
【0003】その具体例として,クレイを有機化して有
機化クレイとなし,これを膨潤化剤及び分散媒とともに
ポリアミドに添加混合して複合材料を得る方法がある
(特公7−47644号公報)。この複合材料では,膨
潤化剤としてカプロラクタムなどのモノマーを用い,ポ
リアミドとしてナイロン6を用いている。また,2級ア
ンモニウムで有機化された有機化クレイと樹脂・ゴムと
を混練する方法がある(特許2674720号)。ま
た,有機化クレイと熱可塑性樹脂とを高いせん断下で混
練する方法がある(特開平9−217012号公報)。
【0004】また,有機化クレイの代わりに,有機化さ
れていない非有機化クレイを用いる方法も開示されてい
る。非有機化クレイを用いるとコスト及び簡便性の点か
ら有利である。かかる非有機化クレイを樹脂に分散させ
る方法として,従来,ポリアミド酸を塩基性溶媒に溶解
させた溶液と,非有機化クレイの水分散液とを混合する
方法がある(特開平9−208822号)。この方法
は,ポリイミドの前駆体であるポリアミドが塩基性水溶
液に溶解することを利用したものである。また,非有機
化クレイと樹脂との混合体へ水蒸気を導入して混練する
方法(特願平8−331520号)が提案されている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の方
法においては,水と親和性の高い樹脂,例えばポリビニ
ルアルコール,ポリアミド酸,ポリアクリル酸等にし
か,非有機化クレイを分散させることができない。この
ため,水と親和性の低い熱可塑性樹脂に,非有機化クレ
イを分散させることはできない。
【0006】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,水と親和性の低い熱可塑性樹脂に,非有
機化クレイも分散させることができる,樹脂複合材料の
製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,水又はプロトン供与体を
含む溶媒と,珪酸塩層を有すると共に有機化されていな
いクレイと,熱可塑性樹脂とを,該熱可塑性樹脂の溶融
温度以上の温度で混合し, 上記クレイの珪酸塩層間に上
記溶媒を介入させて,クレイの珪酸塩層間を拡大させる
と共に,上記加熱により流動性を得た上記熱可塑性樹脂
を上記クレイの拡大した珪酸塩層間に導入し, 上記珪酸
塩層間に上記熱可塑性樹脂を導入したクレイを,上記熱
可塑性樹脂中に分散させてなる樹脂複合材料を製造する
方法であって, かつ,上記有機化されていないクレイは
負電荷一価当たりの層表面の占有面積が25〜200Å
2の層状クレイであると共に,該層状クレイの厚みは7
〜12Åの珪酸マグネシウム層又は珪酸アルミニウム層
より形成される層状フィロ珪酸鉱物であり, また上記水
又はプロトン供与体を含む溶媒は,上記クレイ1重量部
に対して0.01〜1000重量部添加することを特徴
とする樹脂複合材料の製造方法である。
【0008】次に,本発明の作用につき説明する。クレ
イの表面は,珪酸塩層中におけるAl3+などの3価の
イオンがFe2+などの2価のイオンに置換することに
より若干負に帯電しているため,クレイは,水やプロト
ン供与体を含む溶媒に分散しやすい。更に,クレイの中
でも有機化されていない非有機化クレイは親水性が高い
ため,溶媒に分散しやすい。このため,水又はプロトン
供与体を含む溶媒の中にクレイを混合すると,クレイの
珪酸塩層間に,水又はプロトン供与体を含む溶媒が介入
し,クレイの層間が拡大され,溶媒の中で均一に分散す
ることになる。また,クレイの珪酸塩層の化学的結合が
弱まる。
【0009】そして,水又はプロトン供与体を含む溶媒
は,加熱されて蒸気となり高圧雰囲気を作り出す。高圧
雰囲気は,珪酸塩層の弱い化学的結合を切断し,水又は
プロトン供与体を含む溶媒の蒸気を珪酸塩層間から抜け
出させ,その代わりに,加熱により溶融して流動性を得
た熱可塑性樹脂を珪酸塩層間に導入させる。また,溶媒
の介入によりクレイの層間が拡大しているため,熱可塑
性樹脂の導入はスムーズに行われる。
【0010】また,クレイと溶融した熱可塑性樹脂との
共存下で水またはプロトン供与体を含む溶媒を圧入した
場合も,該溶媒は,同様に蒸気となって高圧雰囲気を作
り出す。高圧雰囲気は,珪酸塩層の弱い化学結合を切断
し,加熱により溶融して流動性を得た熱可塑性樹脂をク
レイの珪酸塩層間に圧入する。また,溶媒蒸気によって
珪酸塩層が被覆されているため,珪酸塩層間への熱可塑
性樹脂の導入はスムーズに行われる。上記の作用は,ク
レイが有機化されたものであっても非有機化のものであ
っても奏する。
【0011】従って,本発明の製造方法によれば,水と
親和性の低い熱可塑性樹脂に,非有機化クレイも分散さ
せることができる。また,ナノメーターレベルで分散さ
せることもできる。
【0012】また,本発明によれば,クレイを熱可塑性
樹脂の中に微分散させることができるため,微量であっ
てもクレイが他のフィラーでは為し得ない補強効果を示
す。特に,強度,弾性率などの機械的性質,耐熱性,熱
変形温度,低温脆化温度などの熱的性質,ガスバリヤ性
などの性質を向上させることができる。
【0013】従って,得られた樹脂複合材料は,軽量で
高剛性を有し,自動車用,航空機用などとしての利用価
値が高い。また,その用途は,これらに限定されず,上
記の優れた性質を生かすことができるものであれば分野
を問わない。
【0014】また,クレイが非有機化のものでは,以下
の作用を奏する。非有機化クレイの珪酸塩層には,アル
カリ金属イオンが結合して中性状態を保ったまま均一に
分散している。そのため,電気的な絶縁を必要とする材
料に用いた場合,局所的な絶縁破壊が生じ,材料強度が
低下することはない。また,熱可塑性樹脂中では,非有
機化クレイの層間に配位しているアルカリ金属が珪酸塩
層と強く結合し,樹脂複合材料中からは外部に排出され
ない構造になっている。そのため,樹脂複合材料の成形
体を作製した場合,アルカリ金属が水や油に溶け出さ
ず,電気用部品,食品用フィルムなどに用いることがで
きる。
【0015】次に,本発明の詳細について説明する。 (クレイ)本発明において用いるクレイは,有機化され
たクレイであっても,有機化されていない非有機化クレ
イであってもよい。非有機化クレイとは,有機化されて
いないクレイ(粘土鉱物)をいう。非有機化クレイは,
主に珪酸塩層から構成されているとともに層間にはL
i,Na,K等がイオン化して結合しており,水,エチ
レングリコール,セロソルブなどの極性溶媒で膨潤する
性質を有する。
【0016】非有機化クレイは,負に帯電している。非
有機化クレイは,負電荷の密度や分布等により特性は異
なるが,本発明では負電荷一価当たりの層表面の占有面
積が25〜200Åの層状クレイである。
【0017】非有機化クレイとしては,主として,層状
クレイ用いられる。層状クレイとしては,厚みが7〜
12Åの珪酸マグネシウム層又は珪酸アルミニウム層よ
り形成される層状フィロ珪酸鉱物を用いる。層状クレイ
とは,いわゆる層状フィロ珪酸塩をいう。例えば,モン
モリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライ
ト,スティブンサイト,ノントロナイト等のスメクタイ
ト系の層状クレイや,バーミキュライト,ハロイサイ
ト,膨潤マイカ等を例示できる。これらは,天然のもの
でも,合成されたものでも用いることができる。
【0018】上記非有機化クレイは,上記熱可塑性樹脂
100重量部に対して,0.1〜30重量部含まれてい
ることが好ましい。0.1重量部未満の場合には,樹脂
複合材料の剛性及びガス遮断性が低下するおそれがあ
る。また,30重量部を越える場合には,樹脂複合材料
の耐衝撃性が低下するおそれがある。また,有機化クレ
イとしては,有機高分子を結合させたクレイを用いるこ
とができ,その種類は問わない。
【0019】(熱可塑性樹脂)熱可塑性樹脂は,熱可塑
性の高分子であれば特に限定しないが,特にポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリ
デン,ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレ
フタレート,ポリスチレン,ABS樹脂(アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂),AS樹脂
(アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂),ポリメチ
ルメタクリレート,ポリアミド,ポリアセタール,ポリ
カーボネート,ポリフェニレンスルフィド,ポリフェニ
レンエーテル,ポリエーテルエーテルケトン,ポリサル
フォン,ポリエーテルサルフォン,ポリアミドイミド,
ポリエーテルイミド,熱可塑性ポリイミド,天然ゴム,
イソプレンゴム,クロロプレンゴム,スチレンゴム,ニ
トリルゴム,エチレンープロピレンゴム,ブタジエンゴ
ム,スチレンーブタジエンゴム,ブチルゴム,エピクロ
ルヒドリンゴム,アクリルゴム,ウレタンゴム,フッ素
ゴム,シリコーンゴムなどを用いることが好ましい。こ
れにより,クレイを均一に分散させることができる。
【0020】(水又はプロトン供与体を含む溶媒)水又
はプロトン供与体を含む溶媒は,特に限定しないが,例
えば,水,ジエチレングリコール,エチレングリコー
ル,プロピレングリコール,エチレングリコールモノエ
チルエーテル,エチレングリコールジエチルエーテル,
エチレングリコールモノアセチレート,エチレングリコ
ールジアセチレート,ポリエチレングリコール,ポリプ
ロピレングリコールなどがある。なお,水又はプロトン
供与体を含む溶媒は,水またはプロトン供与体以外の溶
媒を含んでいても良い。
【0021】(クレイの溶媒への分散)クレイを,水又
はプロトン供与体を含む溶媒へ分散させるに当たって
は,クレイを溶媒と混合する。これにより,溶媒は,ク
レイの層間に液体又はガスの状態で入り込み,クレイの
層間が膨潤する。このため,クレイが分子レベルで溶媒
に均一に分散する。
【0022】具体的には,溶媒の添加量は,クレイ1重
量部に対して,0.01〜1000重量部である。これ
により,クレイを均一に分散させることができる。ま
た,添加した溶媒は熱可塑性樹脂が冷却する間に蒸発し
てしまうため,得られた樹脂複合材料の中に溶媒は残ら
ない。0.01重量部未満の場合には,クレイの膨潤度
が足りず,クレイが熱可塑性樹脂の中で均一に分散しな
い。一方,1000重量部を越える場合には,クレイの
膨潤状態は1000重量部以下の場合と変わらないが,
得られた樹脂複合材料の中に水が残る。
【0023】溶媒の添加量は,クレイ1重量部に対し
て,0.1〜500重量部であることが更に好ましい。
0.1重量部未満の場合には,溶媒蒸気によって作り出
される圧力が低く,均一に分散させるためには,高い混
練力が必要となる可能性があり,このため,製造工程を
工夫する必要がありコストがかかることがある。500
重量部を超える場合には,溶媒の蒸発による蒸発潜熱の
ため,熱可塑性樹脂の温度が溶融温度より低下して,固
化する可能性がある。これにより,混練できなくなるお
それがある。
【0024】溶媒の添加量は,クレイ1重量部に対し
て,1〜200重量部であることが最も好ましい。1重
量部未満の場合には,溶媒蒸気によって作り出される圧
力が低く,通常の混練力でも分散させることはできる
が,長い混練時間を要することになる場合がある。この
ため,生産性が悪くなる可能性がある。200重量部を
超える場合には,溶媒による蒸発潜熱を補うための熱量
が多く必要となり,コスト高となる可能性がある。
【0025】また,溶媒の添加量は,熱可塑性樹脂10
0重量部に対して1000重量部以下であることが好ま
しい。これにより,クレイを均一に分散させることがで
き,また,得られた樹脂複合材料の中に溶媒は残らな
い。一方,1000重量部を越える量の溶媒を添加して
も,クレイの膨潤状態は1000重量部以下の溶媒添加
の場合と変わらないからである。また,1000重量部
を越える場合には,得られた樹脂複合材料に溶媒が残る
おそれがある。
【0026】溶媒の添加量は,熱可塑性樹脂100重量
部に対して500重量部以下であることが更に好まし
い。500重量部を超える場合には,溶媒の蒸発による
蒸発潜熱のため,熱可塑性樹脂の温度が溶融温度より低
下して,固化する可能性がある。これにより,混練でき
なくなる可能性がある。
【0027】更に,溶媒の添加量は,熱可塑性樹脂10
0重量部に対して200重量部以下が最も好ましい。2
00重量部を超える場合には,溶媒による蒸発潜熱を補
うための熱量が多く必要となり,コストが高くなる可能
性がある。
【0028】(クレイと熱可塑性樹脂との接触)本発明
においては,熱可塑性樹脂の溶融物と,上記溶媒により
膨潤したクレイとが接触すればよい。従って,この場
合,溶媒の添加のタイミングは,溶融状態の熱可塑性樹
脂とクレイとが共存する際,又はそれ以前であることが
必要とされる。
【0029】また,本発明においては,熱可塑性樹脂と
クレイとを混合し,加熱した後に溶媒を添加してもよ
い。この場合,溶媒の添加のタイミングは,熱可塑性樹
脂の溶融物とクレイが充分に混練された後に添加するこ
とが好ましい。
【0030】従って,溶媒は,熱可塑性樹脂が溶融する
以前からクレイと共存していてもよいし,熱可塑性樹脂
が溶融した後にその溶融物に対して添加されてもよい。
また,溶媒の添加は,クレイ及び熱可塑性樹脂を溶融温
度以上に加熱する際,又は加熱後の溶融物の混練の際に
行ってもよい。また,クレイを溶媒で膨潤させたものを
熱可塑性樹脂と混合した後に加熱してもよい。あるい
は,熱可塑性樹脂を溶融させた後に溶媒で膨潤させたク
レイを圧入してもよい。
【0031】具体例により説明する。 1)熱可塑性樹脂のペレットとクレイとを乾燥状態で混
合し,熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱する。熱可塑
性樹脂が溶融して流動させる過程で,溶媒を注入する。
その後の工程で溶媒を揮発させる。
【0032】2)クレイを溶媒で膨潤させたものと,熱
可塑性樹脂のペレットとを混合し,熱可塑性樹脂の溶融
温度以上に加熱する。すると,熱可塑性樹脂が溶融して
流動させる過程で,溶媒が揮発する。 3)熱可塑性樹脂を溶融温度以上に加熱する。熱可塑性
樹脂が溶融して流動している状態で,溶媒に膨潤させた
クレイを圧入する。
【0033】上記熱可塑性樹脂とクレイとの接触をさせ
るに当たっては,両者を混練することにより行う。この
混練は,溶融温度以上に加熱されて溶融状態にある熱可
塑性樹脂とクレイとを攪拌して行う。例えば,2本のス
クリュー(回転軸)を回転させて攪拌を行う二軸混練機
を用いることができる。
【0034】スクリューの直径(D)に対する軸長さ
(L)の比率(L/D)は10〜50であることが好ま
しい。10未満の場合には,攪拌力が小さく,効率良く
攪拌することが困難となるおそれがある。一方,L/D
が大きいほど大きな攪拌力が得られるが,50を越える
場合には,クレイの珪酸塩層自身が細かく破壊され,ガ
スバリア性が,向上しないおそれがある。スクリューの
回転数は,100〜2500rpmであることが好まし
い。この範囲を逸脱する場合には,効率良く攪拌するこ
とが困難となるおそれがある。
【0035】また,溶媒に分散させたクレイを,熱可塑
性樹脂に添加するに当たっては,クレイに積極的に圧力
を加えて熱可塑性樹脂の中に圧入することが好ましい。
その理由は,クレイの層間に介入した溶媒は熱可塑性樹
脂の熱によって蒸発してしまうため,圧力を加えない場
合にはクレイの層間に熱可塑性樹脂が介入する前に層間
の溶媒が蒸発してしまい,溶媒の層間膨潤効果が消失
し,層間に熱可塑性樹脂が導入されない場合があるため
である。上記クレイの圧入方法としては,例えば,送液
ポンプにより熱可塑性樹脂に圧入する方法がある。
【0036】(熱可塑性樹脂の溶融温度以上)溶媒に分
散されたクレイと熱可塑性樹脂との接触は,熱可塑性樹
脂の溶融温度以上の温度の環境下で行われる。これによ
り,熱可塑性樹脂が溶融して流動性を得,クレイを分散
させることになる。一方,熱可塑性樹脂の溶融温度未満
で接触させた場合には,クレイの分散性が低くなる。な
お,「熱可塑性樹脂の溶融温度以上」とは,熱可塑性樹
脂の種類によって異なる。また,「熱可塑性樹脂の溶融
温度以上の温度」の上限は,熱可塑性樹脂の変質しない
温度であることが好ましい。
【0037】(加熱環境)上記クレイと熱可塑性樹脂と
を上記温度環境下で接触させるに当たりこれらを加熱す
ることがある。加熱する場合,密閉状態とするのが,圧
力の高い蒸気が得られるため,望ましい。密閉状態と
は,加熱により溶媒が蒸気となり,高圧雰囲気を作り出
すことができる状態であり,例えば二軸混練機等の内部
状態である。
【0038】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる粘土複合材料の製造方法に
ついて,図1を用いて説明する。本例の製造方法の概要
を説明すると,まず,熱可塑性樹脂に非有機化クレイを
乾燥状態で添加した。次いで,これらを混練しながら溶
融温度以上の温度で加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる
とともに水を添加し,成形した。
【0039】次に,本例の製造方法の詳細について説明
する。まず,熱可塑性樹脂として,ポリフェニレンスル
フィド(以下,ポリプラスチック製フォートロン022
0A−9,PPSという。)を準備した。非有機化クレ
イとしては,粒子状のナトリウム型モンモリロナイト
(クニミネ工業製,商品名クニピアF,以下,Na−M
tという。)を準備した。
【0040】また,図1に示すごとく,円筒9の中に2
本のスクリュー6,7を備えた二軸混練機1を準備し
た。二軸混練機1は,熱可塑性樹脂(PPS)910及
び非有機化クレイ(Na−Mt)920を円筒9内に投
入するホッパー91,92と,熱可塑性樹脂を加熱する
ヒーター93と,水950を貯えておくタンク95と,
円筒9の後部に設けた成形口96とを有している。タン
ク95内の水950は,送液ポンプ951により圧入口
952より圧入した。
【0041】円筒内へのPPS及びNa−Mtの投入量
は,70g/min.,3.5g/min.であり,N
a−Mtの投入量はPPS100重量部に対して5重量
部とした。水950は,送液ポンプ951により70k
g/cm程度の圧力を加えて,7.0g/min.の
液量を円筒9内に圧入した。水の添加量は,PPS10
0重量部に対して10重量部とした。
【0042】スクリュー6,7の直径は3.0cmであ
り,円筒9の直径は9.0cmであって,これらの長さ
は135cmであった。スクリュー6,7の回転速度は
100rpmとした。ヒーター93の温度は300℃と
した。成形口96は,大きさ0.5mm×2mmの四角
状に開口させた。
【0043】次に,上流側のホッパー91には熱可塑性
樹脂(PPS)910を,また下流側のホッパー92に
は非有機化クレイ(Na−Mt)920を入れた。次い
で,ホッパー91,92の出口パイプに設けたバルブ9
11,921を開いて,熱可塑性樹脂910及び非有機
化クレイ920を円筒9の中に投入した。
【0044】すると,PPSは,スクリュー6,7の回
転により,Na−Mtと乾燥状態で混練されながら,円
筒9の下流側に押し出された。これらの混練物はヒータ
ー93により300℃に加熱されて,PPSが溶融し
た。
【0045】溶融したPPSとNa−Mtとからなる溶
融物がスクリューにより更に下流側へ押し出されると,
溶融物は圧入口95より圧入された水950と混練され
た。溶融物の温度は300℃であるため,水は溶融物に
触れるとガス化して,分子レベルで溶融物に均一に分散
した。
【0046】溶融物はやがて円筒9の成形口96から押
し出されて,厚み0.5mmのシート状に成形された。
成形体4は,コンベアー97により巻取りローラー97
1へと運ばれ,巻取りローラー971によりロール状に
巻き取られた。成形体4は,巻取りローラー971に運
ばれる間に,徐々に熱を放散させた。また,成形体の中
に含まれる水のほとんどは,コンベアー97による運搬
の際に蒸発した。以上により,樹脂複合材料からなる成
形体4を得た。
【0047】得られた成形体を透過型電子顕微鏡により
観察したところ,モンモリロナイトのシリケート層(厚
み1nm)が1〜5層ずつ積層したものが,PPSの中
で均一に分散していた。
【0048】実施形態例2 本例の製造方法は,非有機化クレイとして膨潤性フッ素
マイカ(コープケミカル(株)製 ME110)を用い
たほかは,実施形態例1と同様である。膨潤性フッ素マ
イカの添加量は,PPS100重量部に対して5重量部
とした。
【0049】実施形態例3 本例の製造方法は,Na−Mtの添加量を,PPS10
0重量部に対して10重量部としたほかは,実施形態例
1と同様である。
【0050】実施形態例4 本例の製造方法は,Na−Mtの添加量を,PPS10
0重量部に対して30重量部としたほかは,実施形態例
1と同様である。
【0051】比較例1 本例においては,PPSに,非有機化クレイ及び水のい
ずれも添加することなく,成形体を得た。PPSを混
練,加熱溶融して,成形体を得た。その他は,実施形態
例1と同様である。
【0052】比較例2 本例においては,PPS及びNa−Mtに,水を添加す
ることなく,成形体を得た。即ち,PPS100重量部
に,Na−Mt5重量部を添加し,これらを混練,加熱
して溶融させた。その他は,実施形態例1と同様であ
る。得られた成形体を透過型電子顕微鏡により観察した
ところ,モンモリロナイトが,PPSの中で,直径1〜
100μmの凝集体を形成していた。この凝集体は,目
視で粒子として観察された。
【0053】(実験例1)本例においては,粘土複合材
料からなる成形体のガス遮断性を評価した。評価に供し
た成形体は,上記実施形態例1〜4及び比較例1,2で
得た成形体である。評価は,シート状の成形体(厚み
0.1mm)についての窒素ガスの透過係数を測定する
ことにより行った。測定結果を,表1に示した。表1よ
り,実施形態例1〜4のガス透過係数は,比較例1,2
に比べて低かった。このことから,実施形態例1〜4
(本発明品)の樹脂複合材料が,ガス遮断性に優れてい
ることがわかる。
【0054】
【表1】
【0055】実施形態例5 本発明の実施形態例にかかる粘土複合材料の製造方法に
ついて,図2を用いた説明する。本例の製造方法の概要
を説明すると,まず,熱可塑性樹脂を,溶融温度以上の
温度で加熱しながら混練し,溶融させた。これに非有機
化クレイの水分散液を添加した。
【0056】次に,本例の製造方法の詳細について説明
する。まず,図2に示すごとく,円筒9の中に2本のス
クリュー6,7を備えた二軸混練機1を準備した。円筒
9は熱可塑性樹脂913を円筒9内に投入するホッパー
91と,非有機化クレイの水分散液953を貯えておく
タンク954と,熱可塑性樹脂を加熱するヒーター93
と,円筒9内で蒸発した水を放出する開口部92と,円
筒9の後部に設けた成形口96とを有している。タンク
954は,その中の非有機化クレイの水分散液953を
円筒9内に圧入するための送液ポンプ951及び圧入口
952を有している。
【0057】本実施例では,熱可塑性樹脂としてナイロ
ン6(宇部興産製のグレード1015B,以下「PA
6」という。)を用いた。非有機化クレイとしては,実
施形態例1と同様のナトリウム型モンモリロナイト(ク
ニミネ工業製,商品名クニピアF,以下Na−Mtとい
う。)を用いた。
【0058】熱可塑性樹脂(本例ではPA6)913を
ホッパー91に入れた。円筒9内へのPA6の投入量
は,60g/minとした。Na−Mtはイオン交換水
に分散させ,2重量%の分散液とした。Na−Mtの水
分散液953の圧入は,60g/minとした。すなわ
ち,溶融混練によって得られる樹脂複合材料中のNa−
Mtの量は,PA6(100重量部)に対し,Na−M
t2重量部とした。
【0059】スクリュー6,7の直径は,3.0cmで
あり,円筒9の直径は9.0cmであって,これらの長
さは135cmであった。スクリュー6,7の回転速度
は,300rpmとした。ヒーター93の温度は250
℃とした。成形口96は,直径5mmの円形に開口さ
せ,これを2つ設けた。
【0060】次に,本発明の樹脂複合材料を製造する手
順を詳細に示す。熱可塑性樹脂(PA6)913をホッ
パー91に入れた。また,同じくNa−Mtの水分散液
953をタンク95に入れた。円筒9内の温度が250
℃になるのを確認した後,スクリュー6,7を回転させ
た。
【0061】次いで,バルブ911を開き,熱可塑性樹
脂913を円筒9内に投入した。すると,250℃で加
熱されることにより,熱可塑性樹脂913は溶融し,円
筒9の下流に押出された。次に,バルブ952を開くと
ともにポンブ951を動かして,Na−Mtの水分散液
953を,円筒9内に圧入した。
【0062】水分散液953は,スクリュー6,7の回
転によって,溶融した熱可塑性樹脂913と混練され
た。溶融した熱可塑性樹脂は250℃であるので,水分
散液953の水はガス化して開口部92より大気中に放
出されたが,水分散液953のNa−Mtは熱可塑性樹
脂(PA6)中に残り分散した。
【0063】そして,Na−MtとPA6の溶融・混練
物が円筒9の成形口96から押出されて,直径5mmの
紐状に成形された。成形体4は水槽98で冷却され,巻
き取りつきの裁断機99で裁断され,樹脂複合材料のペ
レット40が得られた。
【0064】得られたペレットを透過型電子顕微鏡によ
り観察したところ,モンモリロナイトのシリケート層
(厚み1mm)が1〜5層ずつ積層したものがPA6中
で均一に分散していた。
【0065】実施形態例6 本例においては,Na−Mtを10重量%の割合で分散
させた水分散液を用意した。用意したNa−Mtの水分
散液をPA6(100重量部)に対して20重量部混合
した。すなわち,PA6(100重量部)に対する,N
a−Mtの割合は2重量部となる。この混合物を図2に
示す実施形態例5と同様の二軸混練機1を用いてペレッ
トに成形した。即ち,この混合物をホッパー91に入
れ,バルブ911を開口して円筒9内に投入した。但
し,タンク954からNa−Mtの水分散液の注入は行
わなかった。これら以外は,実施形態例5と同様であ
る。
【0066】得られた成形体を透過型電子顕微鏡により
観察したところ,モンモリロナイトのシリケート層(厚
み1nm)が1〜5層ずつ積層したものが,PA6中で
均一に分散していた。
【0067】比較例3 本例においては,PA6にNa−Mtの水分散液を添加
することなく,成形体を得た。その他は,実施形態例5
と同様である。
【0068】比較例4 本例においては,PA6(100重量部)にNa−Mt
5重量部を混合し,この混合物を図2に示す二軸混練機
1のホッパー91に入れた。次いでバルブ910を開口
して円筒9内に投入した。但し,タンク954からNa
−Mtの水分散液の注入は行わなかった。これら以外
は,実施形態側5と同様である。
【0069】得られた成形体を透過型電子顕徴鏡により
観察したところ,モンモリロナイトはPA6中で,直径
1〜100μmの凝集体を形成していた。この凝集体は
一部目視でも観察できた。
【0070】(実験例2)本例においては,樹脂複合材
料の機械的な特性を評価した。評価に供した材料は,上
記実施形態例5,6と比較例3,4で得た材料である。
これらの材料を日精樹脂工業製射出成形機PS40E2
ASEおよびFS75型を用いて,ダンベル型引張り試
験片を射出成形した。この成形体をASTMD638M
に準じて引張り試験を行い,引張り強度,伸び,弾性率
を評価した。測定結果を表2に示す。
【0071】表2より,実施形態例5,6は,比較例
3,4に比ベ,引張り強度,伸び,弾性率が同等以上で
あり,機械的強度に優れていることがわかる。
【0072】
【表2】
【0073】(実験例3)本例においては,樹脂複合材
料のガス遮断性を評価した。評価に供した材料は,上記
実施形態例5,6と比較例3,4で得た材料である。こ
れらの材料を250℃に加熱することにより溶融させ,
プレス成形機でシート状の成形体(厚み100μm)を
得た。得られたシート状の成形体について窒素ガスの透
過係数をASTM D1434に準じて求めた。測定温
度は60℃とした。その結果を表3に示した。
【0074】表3に示したように実施形態例5,6は,
比較例3,4に比ベ,窒素ガス透過係数が小さかった。
このことから実施形態例5,6の樹脂複合材料がガス遮
断性に優れていることがわかる。
【0075】
【表3】
【0076】実施形態例7 熱可塑性樹脂としてナイロン66(宇部興産製のグレー
ド2020B,以下PA66と略す)を用い,ヒーター
温度を265℃とした以外は,実施形態例5と同様にし
て樹脂複合材料を作製し,樹脂複合材料のペレットを得
た。得られたペレットを透過型電子顕微鏡により観察し
たところ,モンモリロナイトのシリケート層(厚み1n
m)が1〜5層ずつ積層したものが,PA66中で均一
に分散していた。
【0077】比較例5 本例においては,PA66にNa−Mtの水分散液を添
加することなく,成形体を得た。その他は,実施形態例
7と同様である。
【0078】比較例6 本例においては,PA66(100重量部)にNa−M
t2重量部を混合し,この混合物を図2に示す二軸混練
機1のホッパー91に入れた。次いで,バルブ910を
開口して円筒9内に投入した。但し,タンク954から
Na−Mtの水分散液の注入は行わなかった。その他の
点は,実施形態例7と同様である。得られた成形体を透
過型電子顕微鏡により観察したところ,モンモリロナイ
トはPA66中で,直径1〜100μmの凝集体を形成
していた。この凝集体は一部目視でも観察できる大きさ
であった。
【0079】(実験例4)本例においては,樹脂複合材
料の機械的な特性を評価した。評価に供した材料は,上
記実施形態例7及び比較例5,6で得た材料である。こ
れらの材料を実験例2と同様に成形し,ASTMD63
8Mに準じて引張り試験を行い,引張り強度,伸び及び
弾性率を評価した。測定結果を表4に示した。表4よ
り,実施形態例7は,比較例5,6に比べ,引張り強
度,伸び及び弾性率が同等以上であり,機械的強度に優
れていることがわかる。
【0080】
【表4】
【0081】(実験例5)本例においては,樹脂複合材
料のガス遮断性を評価した。評価に供した材料は,上記
実施形態例7及び比較例5,6で得た材料である。これ
らの材料を280℃に加熱することにより溶融させ,プ
レス成形機でシート状の成形体(厚み100μm)を得
た。得られたシート状の成形体について窒素ガスの透過
係数をASTMD1434に準じて求めた。測定温度は
60℃とした。その結果を表5に示した。表5に示した
ように実施形態例7は,比較例5,6に比べ,窒素ガス
透過係数が小さかった。このことから実施形態例7の樹
脂複合材料がガス遮断性に優れていることがわかる。
【0082】
【表5】
【0083】実施形態例8 熱可塑性樹脂樹脂としてナイロン12(宇部興産製のグ
レード3024B,以下PA12と略す)を用い,ヒー
ター温度を210℃とし,Na−Mtの水分散液の濃度
を2.5重量%とした。それ以外は,実施形態例5と同
様にして樹脂複合材料を調製し,そのペレットを得た。
得られたペレットを透過型電子顕微鏡により観察したと
ころ,モンモリロナイトのシリケート層(厚み1nm)
を1〜5層ずつ積層したものが,PA12中で均一に分
散していた。
【0084】比較例7 本例においては,PA12にNa−Mtの水分散液を添
加することなく,成形体を得た。その他は,実施形態例
8と同様である。
【0085】比較例8 本例においては,PA12(100重量部)にNa−M
t2.5重量部を混合し,この混合物を図2に示す二軸
混練機1のホッパー91に入れた。次いで,バルブ91
0を開口して円筒9内に投入した。但し,タンク954
からNa−Mtの水分散液の注入は行わなかった。これ
ら以外は,実施形態例8と同様である。得られた成形体
を透過型電子顕微鏡により観察したところ,モンモリロ
ナイトはPA12中で,直径1〜100μmの凝集体を
形成していた。この凝集体は一部目視でも観察できた。
【0086】(実験例6)本例においては,樹脂複合材
料の機械的な特性を評価した。評価に供した材料は,上
記実施形態例8と比較例7,8で得た材料である。これ
らの材料を実験例2と同様にして曲げ試験片を射出成形
し,ASTMD790に準じて曲げ試験を行い,曲げ強
度,曲げ弾性率を評価した。測定結果を表6に示した。
表6より,実施形態例8は,比較例7,8に比べて,曲
げ強さ,曲げ弾性率が同等以上であり,機械的強度に優
れていることがわかる。
【0087】
【表6】
【0088】実施形態例9 熱可塑性樹脂として共重合ナイロン(宇部興産製のグレ
ード5033B,以下共重合PAと略す)を用い,ヒー
ター温度を220℃とし,Na−Mtの水分散液の濃度
を2.0重量%とした。それ以外は,実施形態例5と同
様にして樹脂複合材料を作製し,そのペレットを得た。
得られた樹脂複合材料を透過型電子顕微鏡により観察し
たところ,モンモリロナイトのシリケート層(厚み1n
m)が1〜5層ずつ積層したものが,共重合PA中で均
一に分散していた。
【0089】比較例9 本例においては,共重合PAにNa−Mtの水分散液を
添加することなく,成形体を得た。その他は,実施形態
例9と同様である。
【0090】(実験例7)本例においては,樹脂複合材
料のガス遮断性を評価した。評価に供した材料は,上記
実施形態例9と比較例9で得た材料である。これら材料
を250℃に加熱することにより溶融させ,プレス成形
機でシート状の成形体(厚み100μm)を得た。得ら
れたシート状の成形体について窒素ガスの透過係数をA
STMD1434に準じて求めた。測定温度は60℃と
した。その結果を表7に示した。表7に示したように実
施形態例9は,比較例9に比べて,窒素ガス透過係数が
小さかった。このことから実施形態例9の樹脂複合材料
がガス遮断性に優れていることがわかる。
【0091】
【表7】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば,水と親和性の低い熱可
塑性樹脂に,非有機化クレイを分散させることができ
る,樹脂複合材料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,樹脂複合材料の製造方
法を示す説明図。
【図2】実施形態例5における,樹脂複合材料の製造方
法を示す説明図。
【符号の説明】 1...二軸混練機, 4...成形体, 40...ペレット, 6,7...スクリュー, 9...円筒, 910,913...熱可塑性樹脂, 920...非有機化クレイ, 950...水, 953...水分散液,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−348148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水又はプロトン供与体を含む溶媒と,
    酸塩層を有すると共に有機化されていないクレイと,熱
    可塑性樹脂とを,該熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度
    混合し, 上記クレイの珪酸塩層間に上記溶媒を介入させて,クレ
    イの珪酸塩層間を拡大させると共に,上記加熱により流
    動性を得た上記熱可塑性樹脂を上記クレイの拡大した珪
    酸塩層間に導入し, 上記珪酸塩層間に上記熱可塑性樹脂を導入したクレイ
    を,上記熱可塑性樹脂中に分散させてなる樹脂複合材料
    を製造する方法であって, かつ, 上記有機化されていないクレイは負電荷一価当た
    りの層表面の占有面積が25〜200Å2の層状クレイ
    であると共に, 該層状クレイの厚みは7〜12Åの珪酸マグネシウム層
    又は珪酸アルミニウム層より形成される層状フィロ珪酸
    鉱物であり, また上記水又はプロトン供与体を含む溶媒は,上記クレ
    イ1重量部に対して0.01〜1000重量部添加する
    ことを特徴とする樹脂複合材料の製造方法。
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