JP3296247B2 - 磁気研磨装置 - Google Patents

磁気研磨装置

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JP3296247B2
JP3296247B2 JP10598897A JP10598897A JP3296247B2 JP 3296247 B2 JP3296247 B2 JP 3296247B2 JP 10598897 A JP10598897 A JP 10598897A JP 10598897 A JP10598897 A JP 10598897A JP 3296247 B2 JP3296247 B2 JP 3296247B2
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺薄物材料の表
面研磨等に使用する磁気研磨装置に関し、より詳しく
は、電気カミソリ刃、リレー部品、マイクロスイッチ部
品、コネクタ部品等の製造に供するテープ状の金属薄板
のバリ取り、表面研磨等に関して好適に用いることがで
きる。
【0002】
【従来の技術】従来、図10に示すような磁気研磨装置
が特開平8−323613号公報に示されている。すな
わち、この磁気研磨装置は、テープ状の被加工材1を送
る送り装置2と、被加工材1との対向面が磁化された鉄
芯3,3と、被加工材1面に対する略直交軸回りに鉄芯
3,3を回転させる鉄芯駆動装置4,4と、磁化された
鉄芯3,3に吸着される粉状の磁性材5を供給する磁性
材供給装置6と、鉄芯3,3と被加工材1との間に研磨
剤7を供給する研磨剤供給装置8,8とから構成されて
いる。鉄芯3,3は、磁気ヨーク23の側面に設けた貫
通孔に回動自在に貫通し、鉄芯端部と鉄芯回転駆動モー
ター26,26の回転軸とをベルト連結して回転できる
ようになっている。磁性材供給装置6としては、着磁機
6aを用いて被加工材1を磁化させて粉状の磁性材5を
吸着させた後、この被加工材1に吸着した磁性材5がよ
り磁力の強い鉄芯端面3aに吸着されることで行われ
る。研磨剤供給装置8,8は鉄芯3,3の被加工材側と
は反対の側に配置され、鉄芯3,3の回転軸に設けたパ
イプ19,19を通して鉄芯3,3の間に研磨剤7を供
給している。
【0003】以上の構成の磁気研磨装置において、被加
工材1の研磨方法としては、鉄芯表面に粉状の磁性材5
を吸着させて研磨ブラシを形成し、この研磨ブラシの隙
間及び表面に研磨剤7を付着させた状態で、鉄芯3,3
を鉄芯駆動装置4,4によって回転させることにより行
っていた。磁性材5が被加工材1の表面の凹凸部に自在
に入り込んで研磨するため、細部まで研磨することがで
きた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の、鉄芯
3,3の回転による被加工材1の研磨方法では、以下の
(1)、(2)に示すような問題があった。
【0005】(1)図11(a)に示すように、被加工
材1が電気カミソリ刃のような孔64を含むメッシュ状
の金属薄板であって、(b)、(c)に示すように、孔
64の縁より立設して孔64内部へ曲折するバリ65の
削除のために磁気研磨装置を使用する場合、図中矢印A
の向きに研磨するのが望ましい。すなわち、孔内部側か
らバリ65の表面と直交する向きに研磨すると、(d)
に示すようにバリ65を削りやすくなる。矢印B又は矢
印Dの向きに研磨すると、鉄芯表面の磁性材5は薄板状
のバリ65の薄い側面に衝突するため、研磨する力が逃
げやすく、また、矢印Cの向きに研磨すると、バリ65
が孔64の中に倒れて逃げやすく、バリ65を削りにく
い。また、(e)に示すように、この孔64が多角形で
孔64の全周にバリ65が立設している場合、孔64の
中心から多角形の各辺と直交する向きC1〜C10に研
磨しなければならない。つまり、研磨する向きは360
度のあらゆる角度に連続的に変化するようにしなけれ
ば、あらゆる形状の孔に対応して、その周囲に立設する
バリ65がくまなく研磨することはできない。
【0006】しかし、図12に示す従来の研磨方法で
は、鉄芯の研磨する向きは狭い範囲に限定されていた。
図中A1〜A5は被加工材1の中央に位置する点Aの移
動位置、B1〜B5は被加工材の側端に位置する点Bの
移動位置、矢印Cは鉄芯3の回転する向き、及び矢印D
は被加工材1の送り方向を示す。図14において、略円
柱上の鉄芯3の中央を被加工材1が移動したとき、点A
はA1〜A5まで移動して研磨され、点Aを研磨する鉄
芯の向きはA1〜A3の間では上向き、A3〜A5の間
では下向きとなり、この上下方向以外には存在しない。
図中各矢印は各点での研磨する向きと大きさ、すなわ
ち、回転する鉄芯の各点における速度ベクトルを示す。
また、点BはB1〜B5の位置まで移動して研磨され、
点Bを研磨する鉄芯の向きは、斜め左上方から斜め左下
方まで連続的に変化する。点Aに比べると点Bのほう
が、広範囲に研磨する向きが変化しているが、それで
も、360度の全角度のうち、半分以下しか研磨する向
きが存在しない。このように、研磨する向きが狭い範囲
に限定されるため、十分なバリ取りができていなかっ
た。
【0007】(2)図12において、鉄芯3,3端面3
aの半径方向の周速差により、研磨ムラが生じていた。
回転速度の大きい外周部A1、A5、B1、B5などで
は研磨量が大きくなり、逆に中央部A3、B3などでは
研磨量が小さくなる。また、この研磨量の大きい外周部
では、被加工材1の移動方向に対して直交する方向の成
分しか存在せず、研磨量が小さい中央部では被加工材1
の移動方向の成分だけが存在する。つまり、常に、被加
工材1の移動方向にその長手方向を持つバリ65は取れ
やすく、移動方向の直角方向にその長手方向を持つバリ
65は取りにくかった。
【0008】上記(1)及び(2)の問題を解決する方
法として、鉄芯3,3を被加工材1の移動方向に対して
直交する方向に、被加工材1の移動速度よりも速い周期
Tで揺動させて研磨することが考えられる。鉄芯3,3
を回転させながら上下に揺動させることにより、被加工
材1上の各点であらゆる方向に略均等の研磨を行い、バ
リ65を残らず削去させることができる。
【0009】しかし、鉄芯3,3や鉄芯3,3と接続さ
れたヨーク23又はコイル22などは重量が大きく、こ
れを揺動させるには、ハイパワーの揺動装置15が要求
される。モーターのリンク機構などで揺動装置15を構
成する場合、モーターの制動トルクが非常に大きいもの
が必要となり、高価であるとともに軽快に揺動させるこ
とは困難であった。
【0010】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、研磨中の鉄
芯を短周期で軽快に揺動させるとともに、ハイパワーを
必要としない構造の簡単な揺動装置を備えた磁気研磨装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の磁気研磨装置は、略平面状の端面3aが磁化
された鉄芯3をこの端面3aと直交する軸回りに回転さ
せる鉄芯駆動装置4と、端面3aにテープ状の被加工材
1を近接して送る送り装置2と、この被加工材1表面と
端面3aとの間のギャップ10に、粉状の磁性材5を供
給する磁性材供給装置6と、ギャップ10に研磨剤7を
供給する研磨剤供給装置8とからなる磁気研磨装置にお
いて、鉄芯3を回転自在に支える鉄芯支持台16を一端
部に設け、他端部に重り11を設けた揺動板12の重心
に、支持台13により回動自在に支持された揺動軸14
を形成し、この揺動軸14を中心に揺動板12を揺動さ
せる揺動装置15を設けてなることを特徴としている。
【0012】この磁気研磨装置では、磁性材供給装置6
により粉状の磁性材5が供給され、磁化された鉄芯3の
被加工材1側表面に適量吸着して磁性材ブラシを形成す
る。この磁性材ブラシの表面及び磁性材5間の隙間に、
研磨剤供給装置8により研磨剤7が供給される。磁性材
ブラシ及び研磨剤7は、回転する鉄芯3につられて回転
し、移動する被加工材1の表面を順に磨いていく。この
磁性材ブラシは被加工材1表面の凹凸に合わせて形を変
え、凹部に入り込むため、研磨剤7が被加工材1の凹部
に自在に入り込んで研磨することができる。
【0013】また、鉄芯3を回転自在に支える鉄芯支持
台16と重り11とが揺動板12の両端に配置され、支
持台13が揺動軸14を回動自在に支持してシーソーの
ように揺動板12がモーメントバランスをとっているた
め、簡単な揺動装置15で揺動板12を楽に揺動させる
ことができる。揺動装置15は、鉄芯3の重量を支えて
いるわけではないので、軽い力でモーメントバランスさ
れた揺動板12を揺動させることができる。
【0014】請求項1記載の磁気研磨装置において、第
二の鉄芯9と、第二の鉄芯9を回転自在に支える鉄芯支
持台16とから、重り11を形成してなることを特徴と
している。
【0015】この磁気研磨装置では、揺動板12の両端
に第一の鉄芯3及び第二の鉄芯9を備えているため、軽
い力で両鉄芯3,9を揺動できるとともに、この両鉄芯
3,9で2段階に被加工材1を研磨することができる。
【0016】請求項2記載の磁気研磨装置は、前記揺動
板12の両端部に設けた鉄芯3,9のうち、一方を被加
工材1の粗研磨用として用い、他方を精密研磨用として
用いることを特徴としている。
【0017】この磁気研磨装置では、第一の鉄芯3及び
第二の鉄芯9を粗研磨用と精密研磨用とに用途を分けた
ため、各用途に応じて、磁性材5又は研磨材7の種類又
は供給特性、ギャップ10、あるいは鉄芯3、9の形状
又は速度などの研磨条件を最適に個別に設定できるの
で、被加工材1の研磨品質を向上できる。
【0018】請求項3記載の磁気研磨装置は、請求項1
又は請求項2記載の磁気研磨装置において、鉄芯3、9
における被加工材1と反対の端部を延設して、鉄芯3,
9と連動して揺動する磁気ヨーク23を形成し、この磁
気ヨーク23が揺動自在に貫通するコイル22を設けて
なることを特徴としている。
【0019】この磁気研磨装置では、揺動する磁気ヨー
ク23の揺動範囲よりも、磁気ヨーク23が貫通してい
るコイル22の貫通空間22aが大きいため、コイル2
2を揺動させずに固定しておくことができる。したがっ
て、揺動させる重量をコイル22の分だけ軽減できるの
で、揺動の際の慣性重量が小さくなって揺動を軽快に行
うことができる。
【0020】請求項4記載の磁気研磨装置は、請求項1
又は請求項2記載の磁気研磨装置において、磁性体から
形成した揺動軸14と、鉄芯3,9における被加工材1
と反対の端部とを磁気ヨーク23を用いて連結し、この
揺動軸14にコイル22を貫通させてなることを特徴と
している。
【0021】この磁気研磨装置では、回動する揺動軸1
4の周囲にコイル22が配置しているため、揺動軸14
が貫通しているコイル22の貫通空間22aの内径は揺
動軸14の外径より少し大きければよく、したがって、
コイル22を小型化できる。
【0022】請求項5記載の磁気研磨装置は、請求項1
ないし請求項5のいずれか1項記載の磁気研磨装置にお
いて、鉄芯3,9を略円柱状に形成し、この鉄芯3,9
の揺動周期の間に送られる被加工材1の移動距離が鉄芯
端面3a、9aの直径以下であるとともに、揺動による
鉄芯3,9の移動距離である揺動ストロークが被加工材
1における所要研磨部分1aの幅方向の距離に鉄芯端面
3aの直径を加えた値以上であることを特徴としてい
る。
【0023】この磁気研磨装置では、揺動ストロークが
被加工材1における所要研磨部分1aの幅方向の距離以
上あるとともに、鉄芯3,9の揺動周期の間に送られる
被加工材1の移動距離が鉄芯端面3aの直径以下である
ため、鉄芯3,9が研磨する向きを変えながら、所要研
磨部分1aを余すところなく研磨することができる。
【0024】請求項6記載の磁気研磨装置は、請求項5
記載の磁気研磨装置において、被加工材1を一定の速度
で送ることを特徴としている。
【0025】この磁気研磨装置では、被加工材1を一定
の速度で送るため、送り装置2の速度制御が簡単であ
る。
【0026】請求項7記載の磁気研磨装置は、請求項5
記載の磁気研磨装置において、鉄芯3,9の揺動におけ
る往路と復路との間及び復路と往路との間に揺動休止期
を設け、往路及び復路では被加工材1を停止させ、この
揺動休止期では鉄芯端面3aの直径以下の所定距離だけ
被加工材1を送ることを特徴としている。
【0027】この磁気研磨装置では、鉄芯3,9の往路
と復路とで研磨する向きを変えながら、所要研磨部分1
aを余すところなく研磨することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気研磨装置の
考となる形態を図1〜図3に示し、実施の形態を図4
図11に基づいて説明する。
【0029】図1及び図2は、図3に示す磁気研磨装置
において、被加工材1を基準に片側のみを示した要部の
断面図である。図3は、一部に断面図を含む磁気研磨装
置の平面図である。図1〜図3において、磁気研磨装置
は、テープ状の金属薄板である被加工材1に対する磁気
研磨によって、被加工材1の両面の研磨又はバリ取りを
行うためのものである。複数の脚20によって支持され
ているベースプレート21上に、支持台13を介して回
動自在に揺動軸14が配設され、この揺動軸14を固定
し、揺動装置15によって揺動自在となっている揺動板
12が配設されている。この揺動板12上の一端に、鉄
芯3,3を回転自在に支持している鉄芯支持台16,1
6、及び他端に重り11,11が揺動軸14,14を中
心として、水平にモーメントバランスのとれた位置に設
けられている。鉄芯支持台16は鉄芯3が回転自在に貫
通しているコイル22で構成されている。鉄芯3は円柱
状に形成され、コイル22の内周壁と鉄芯3外側面との
間に設けたベアリング24を介して、鉄芯駆動装置4に
より軸回りの回転が自在となっており、平面状の端面3
a,3a同士を所定の間隔で対向させている。鉄芯駆動
装置4は、鉄芯回転駆動モーター26と、鉄芯回転駆動
モーター26と鉄芯3とを連結するベルト27とから構
成され、鉄芯回転駆動モーター26の回転で鉄芯3は軸
回りに回転を行う。鉄芯3,3が揺動するため、鉄芯
3,3と連動するように、鉄芯駆動装置4,4は揺動板
12,12上に固定されている。また、重り11は四角
柱状に形成され、鉄芯3と鉄芯支持台16と鉄芯駆動装
置4との合成重量と略同一な重量を持つ、比重の大きい
ものが好適に用いられ、この場合は鉄が用いられてい
る。また、被加工材1は矢印Xの向きに送ら、鉄芯3は
矢印Yの向きに揺動する。
【0030】揺動装置15は、ベースプレート21の下
方に固定され、揺動板12,12の両端と対応する位置
に、各々エアー又は油圧の動力によって鉛直方向に伸縮
自在とされたアーム28,28を上端に備えた一対のエ
アー又は油圧シリンダーなどのアクチュエーター25,
25で構成されている。両アーム28,28は、ベース
プレート21に設けられた貫通孔を非接触に貫通し、そ
の上端を揺動板12下面と当接させている。所定の揺動
周期で揺動板12を揺動させるように、両アーム28,
28の動作は連動制御され、一方のアーム28が押上げ
状態のとき、他方のアーム28は引下がるようになって
いる。
【0031】被加工材1は送り装置2によって、両鉄芯
3,3間の間隙に、鉄芯3,3の端面3a,3aと所定
のギャップ10,10を保持して通される。ここにおけ
る送り装置2は、被加工材1の送り込み側にあって摩擦
クラッチにより送り出しに制動を加える制動装置2a
と、被加工材1の引き出し側にあってゴムローラー31
により被加工材1を引っ張る引き取り装置2bとからな
り、被加工材1における鉄芯3,3の間を通過する部分
にテンションを加えておくものとなっている。ゴムロー
ラー31を用いるのは、滑り防止のためである。また、
制動装置2aにおける摩擦クラッチの制動力を可変とす
ることで、被加工材1に加えるテンションを可変として
いる。
【0032】磁気研磨のための磁性材5は磁性材供給装
置6によって供給される。この磁性材供給装置6として
は、一軸編心ネジ型で断面が円形のローターと断面が長
方形のステーターを持ち、両者の空間に充填した物質を
吸い込み側から吐出側に移送する周知のモーノ型ポンプ
53を使用し、モーノ型ポンプ53の駆動源として、回
転数を任意にかつ高精度に制御可能なステッピングモー
ター51を使用している。また、ステッピングモーター
51の回転軸とモーノ型ポンプ53の回転軸はカップリ
ング継手52で締結している。磁性材5はモーノ型ポン
プ53によって、フレキシブルに変形できる連結チュー
ブ56内を移動し、鉄芯3における被加工材側と反対の
端部に、ベアリング24を介して回転自在に内嵌してい
る連結体38内を非接触に貫通するアルミニウム製の内
パイプ32へ送られ、ギャップ10へ供給される。
【0033】磁気研磨のための研磨剤7は研磨剤供給装
置8によって供給される。この研磨剤供給装置8は、ロ
ータリー定量ポンプを使用し、内パイプ32の外側に同
軸に設けられ、連結体38内を非接触に貫通するアルミ
ニウム製の外パイプ36を通じて、研磨剤7をギャップ
10へ供給している。ロータリー定量ポンプは被加工材
1の送り速度や加工状態に応じて、出力を制御してい
る。
【0034】しかして、この磁気研磨装置は、鉄芯回転
駆動モーター26,26によって、鉄芯3,3は軸回り
の回転を行うとともに、コイル22への直流電流の通電
により、両鉄芯3,3の対向面は互いに異極となるよう
に、つまり互いに引き合うように励磁される。一方、磁
性材供給装置6によって、鉄芯3内部の内パイプ32中
を通ってギャップ10に持ち込まれた磁性材5は、鉄芯
3端面3aに吸着され、送り装置2によって鉄芯3,3
間の間隙を通る被加工材1の表面に回転しながら圧接す
る磁性材ブラシを構成する。そして、研磨剤供給装置8
によって鉄芯3内部の外パイプ36中を通って粉状の磁
性材5の隙間に入った研磨剤7が、被加工材1の表裏両
面を研磨し、被加工材1のバリ等を除去する。粉状の磁
性材5による磁性材ブラシは被加工材1の表面の凹凸に
合わせて形を変えながら動くために、所定のギャップ1
0で被加工材ガイド9端面3aを摺動する被加工材1の
表面研磨やバリ取りを確実にかつ均一に行うことができ
る。
【0035】次に、鉄芯の揺動について以下に説明す
る。まず、一方のアーム28がアクチュエータ25によ
るエアー圧又は油圧を受けて鉛直上方に伸び、アーム2
8の上端が揺動板12の下面を揺動板12の端方向へや
や摺動して揺動板12を押上げるとともに、それと連動
して他方のアーム28が揺動板12の端方向へやや摺動
して引下がることにより、揺動板12が所定角度だけ傾
き、鉄芯が揺動ストロークの上限まで移動する。次に、
揺動ストロークの上限で両アーム28の伸縮が一旦停止
した後、今度は逆に伸び切ったアーム28が引下がると
ともに、下がりきった他方のアーム28が鉛直上方に伸
びることにより、揺動板12が角度を変えながら回動
し、鉄芯3が揺動ストロークの下限まで移動する。この
動きを繰り返すことにより、鉄芯3を揺動させることが
できる。鉄芯3表面の磁性材5及び研磨材7は、被加工
材1の両面を面方向に回転するとともに揺動し、被加工
材1の各研磨箇所を研磨角度を変えながら研磨するた
め、被加工材1表面の各点における研磨角度範囲が増
え、バリを的確に削除している。また、鉄芯3を直接支
持して揺動させるのではなく、揺動板12と重り11と
を用いてシーソーのようにモーメントバランスのとれた
状態で保持された鉄芯を揺動させるため、軽い力で揺動
させることができる。このため、アクチュエーター25
にかかる負荷が軽減され、短周期で鉄芯を揺動できると
ともに、低出力で安価なアクチュエーター25で十分に
対応することができる。
【0036】なお、磁性材供給装置6及び研磨剤供給装
置8はフレキシブルに変形する連結チューブ56で、鉄
芯3と連結されているため、鉄芯3の揺動と連動して揺
動させる必要はなく、ベースプレート21に固定されて
いる。
【0037】研磨量は鉄芯3の回転数、コイル22への
供給電流、被加工材1の送り速度及びテンション、鉄芯
3と被加工材1とのギャップ10、磁性材5及び研磨剤
7の供給量等の制御により、微妙に調整することができ
る。この加工条件は被加工材1又は求める面粗さ等の要
求品質に応じて適当に決定され、以下の条件を目安とす
ることができる。
【0038】磁性材粒子径:0.05〜0.5mm、研磨
剤粒度:♯1000〜♯10000、鉄芯−被加工材間
距離:1〜4mm、鉄芯回転数:500〜2000rpm、
磁束密度:0.5〜1.7T、送り速度:50〜500
mm/min、被加工材1テンション:1〜10kgf/cm、磁
性材供給量:0.5〜5g/min、研磨剤供給量:50〜
500cc/min 研磨された後の被加工材1は、脱磁機39によって脱磁
された後、洗浄液40aを吐出する洗浄ノズル40bと
回転ブラシ40cとを備えた洗浄機40で洗浄されるこ
とで、付着していた磁性材5又は研磨剤7等が落とさ
れ、外部へと送り出される。
【0039】なお、上述の磁気研磨装置では、鉄芯3、
揺動装置15、磁性材供給装置6及び研磨剤供給装置8
等を被加工材1に対して略対称に配設して、被加工材1
の両面を同時に研磨しているが、被加工材1の片面の研
磨だけを行う場合は、これらの装置を被加工材1の研磨
面側だけに配設すればよい。
【0040】図4は、図1と異なる揺動装置15の実施
の形態を示す縦断面図である。図4において、図1と異
なる点は、被加工材1を研磨する第二の鉄芯9を備えた
鉄芯支持台16及び鉄芯駆動装置4を重り11の代わり
に使用していること、及び揺動装置15をアクチュエー
ター25ではなく、カム41を用いた駆動モーター42
で構成していることである。揺動板12、揺動軸14及
び支持台13は図1と同様のものが用いられている。す
なわち、ベースプレート21上に、揺動板12中央に固
定された揺動軸14が支持台13を介して揺動自在に設
けられ、揺動板12上面の両端に略同形状の鉄芯3,
9、鉄芯支持台16及び鉄芯駆動装置4が設けられてい
る。この第一の鉄芯3と第二の鉄芯9とは、その被加工
材側の端面3aを同一平面上に有し、軸回りに各鉄芯駆
動装置4により回転自在となっている。被加工材1は第
一及び第二の鉄芯の端面3a,9aと略等しいギャップ
10,10を形成して送り装置2により長手方向に送ら
れる。また、揺動板12は揺動軸14を中心として水平
にモーメントバランスがとれた状態で保持されている。
揺動板12下面の一端より垂下されたアーム28がベー
スプレート21を非接触に貫通し、アーム28下端に水
平に突設された、軸回りに回転自在な円柱状のカムフォ
ロワ43が設けられている。カムフォロワ43はその側
周面が、駆動モーター42の軸に偏芯嵌合された円柱状
のカム41の側周面と保持バネ44により圧接してい
る。保持バネ44は、ベースプレート21の下面に固定
された保持部材47とアーム28におけるカムフォロワ
43の近傍とを連結し、カムフォロワ43をカム41に
押し付けている。また、被加工材1は矢印Xの向きに送
ら、鉄芯3は矢印Yの向きに揺動する。
【0041】このような磁気研磨装置では、カム41が
駆動モーター42の回転により、偏芯回転するため、こ
のカム41と側周面同士を保持バネ44により圧接され
たカムフォロワ43、及びカムフォロワ43を下端に有
するアーム28を上下に振動させるとともに、アーム2
8の上端に固定された揺動板12が、アーム28の振動
に伴い揺動する。したがって、揺動板12両端に回動自
在に支持された両鉄芯3,9が揺動し、被加工材1の表
面を略鉛直方向の互いに異なる向きに移動する。被加工
材1は第一及び第二の鉄芯3,9により2段階の研磨を
受けて研磨量が倍増する。したがって、図1に示す磁気
研磨装置と同等の研磨量にする場合、送り装置2の速度
を2倍にすればよく、研磨速度が向上し、研磨工程時間
の短縮化を図ることができる。また、シーソー構造の鉄
芯3,9を揺動するため、揺動装置15の駆動モーター
42への負荷が軽減でき、低制動トルクの駆動モーター
42で十分対応できる。
【0042】また、第一及び第二の鉄芯3,9にそれぞ
れ固有の役割を持たせることもできる。例えば、第一の
鉄芯3を被加工材の粗研磨用として用い、第二の鉄芯9
を精密研磨用として用いることもできる。第一及び第二
の鉄芯3,9はそれぞれに磁性材供給装置及び研磨剤供
給装置を備えており、磁性材及び研磨剤の種類又は供給
量などを変えて研磨することができる。この場合、粗研
磨と精密研磨との使い分けは、研磨剤の粒径、磁性材の
粉径、又は鉄芯端面と被加工材とのギャップの大きさな
どにより行う。粗研磨に対しては、研磨剤及び磁性材の
粒径の大きいものを使用し、ギャップを小さくする。精
密研磨に対しては、逆に研磨剤及び磁性材の粒径の小さ
いものを使用し、ギャップを大きいする。
【0043】なお、揺動ストロークはカム41の形状又
は鉄芯と揺動軸14との距離により自在に調整でき、揺
動周期は駆動モーター42の回転数をインバータ等で制
御することにより調整できる。また、揺動装置15は図
1で示したアクチュエータ25を用いてもよい。
【0044】図5は、図1又は図4と異なる揺動装置1
5を有する磁気研磨装置の実施の形態を示す縦断面図で
ある。
【0045】図5における磁気研磨装置は、図1及び図
4と同様なシーソー構造を有する揺動装置15において
鉄芯を3個備えたものである。すなわち、揺動板12の
一端に第一の鉄芯3、他端に第二及び第三の鉄芯9,4
5を併設するとともに、揺動軸14を揺動板12の中心
より、第二及び第三の鉄芯9,45側にずらして配設
し、この揺動軸14を中心として揺動板12を水平にモ
ーメントバランスのとれた状態に保持している。この3
個の鉄芯3,9,45は、その被加工側の端面3a,9
a,45aを同一平面上に形成している。また、揺動装
置15は揺動板12の一端(この場合では第二及び第三
の鉄芯側)の下面に設けた軸に上端を軸着したアーム2
8が、ベースプレート21を非接触に貫通し、ベースプ
レート21下方に設けられた円板上のハンドラー46の
円周部に設けた軸に下端を軸着している。ハンドラー4
6は、ベースプレート21下面より下方に固定された保
持部材47に固定されたモータ48ーの回転軸に、その
中心が固定されている。また、被加工材1は矢印Xの向
きに送られる。
【0046】このような磁気研磨装置では、モーター4
8の回転によりハンドラー46が回転し、アーム28の
下端がハンドラー46円周部を回転し、アーム28の上
端が上下に振動する。このアーム28が揺動軸14を中
心に揺動板12を揺動させることにより、第一の鉄芯3
と第二及び第三の鉄芯9,45とが交互に上下方向に揺
動する。被加工材1は第一、第二、及び第三の鉄芯に順
に略均一のギャップ10を保って研磨されて送られる。
3個の鉄芯を用いて同様の研磨方法で被加工材を研磨す
ることにより、研磨効率が向上し、研磨工程をより短縮
化することができる。また、図4の説明で述べたよう
に、研磨剤の粒径、磁性材の粉径、又は鉄芯端面と被加
工材とのギャップの大きさなどにより、3個の鉄芯をそ
れぞれ粗面研磨、通常研磨、精密研磨に用途を分けて用
いることができ、研磨品質を向上させることができる。
なお、揺動装置15は、図1又は図2に示したアクチュ
エーター25又はカム式でもよい。
【0047】図6は、図1、図4又は図5と異なる揺動
装置15を有する磁気研磨装置の実施の形態を示す。
(a)は一部に断面図を含む磁気研磨装置の概略平面
図、(b)は磁気研磨装置の概略縦断面図である。
【0048】図6において、この磁気研磨装置は、図4
に示すものと同様に、カム式の揺動装置15により揺動
板12の両端に配設された第一及び第二の鉄芯3,9が
揺動して、被加工材1を2段階に両面同時に研磨するも
のである。図4と異なる点は、対向する一対の鉄芯3,
3、9,9における被加工材1と反対側の端部同士を、
ベースプレート21の下方に配設したコの字状の磁気ヨ
ーク23で連結し、この磁気ヨーク23が中央に空間を
有し、ベースプレート21に固定されたコイル22を非
接触に貫通していることである。揺動板12の各端には
鉄芯3,9、鉄芯駆動装置4、及び磁気ヨーク23が設
けられ、揺動装置15により揺動する。磁気ヨーク23
が貫通しているコイル22内の空間22aは、揺動する
磁気ヨーク23に触れない十分な大きさを有している。
また、被加工材1は矢印Xの向きに送られる。
【0049】このような磁気研磨装置では、コイル22
により磁気ヨーク23を通じて鉄芯3,9が磁化され、
揺動装置15により揺動されて被加工材1を磁気研磨す
る。磁気ヨーク23よりも重いコイル22が揺動板12
に載置されていないため、揺動の際の慣性重量が低減す
る。揺動装置15の負荷が軽減されるので短周期の揺動
が可能になり、均一な加工が可能である。
【0050】図7は、図1、図4、図5又は図6と異な
る揺動装置15を有する磁気研磨装置の実施の形態を示
す。(a)は一部に断面図を含む磁気研磨装置の概略平
面図、(b)は磁気研磨装置の概略縦断面図である。
【0051】図7において、この磁気研磨装置は、図6
に示すものと同様に、鉄芯3,9における被加工材1と
反対の端部に磁気ヨーク23を接続するとともに鉄芯
3,9を磁化するコイル22に貫通させ、カム式の揺動
装置15により揺動板12の両端に配設された第一及び
第二の鉄芯3,9が揺動して、被加工材1を2段階に両
面同時に研磨するものである。図6と異なる点は、第一
の鉄芯3の端部と第二の鉄芯9の端部を棒状の磁気ヨー
ク23で連結し、磁気部材から形成され、磁気ヨーク2
3の中央に接続された揺動軸14が鉄芯3を磁化するコ
イル22を嵌入して貫通していることである。コイル2
2は、ベースプレート21形成された開口部に位置し、
揺動板12に固定されている。揺動軸14、磁気ヨーク
23及び鉄芯3,9を磁化する。また、被加工材1は矢
印Xの向きに送られる。
【0052】このような磁気研磨装置では、コイル22
が揺動軸14の回動と連動して回動するが、揺動軸14
回りに配設されているため、揺動に対する慣性モーメン
トへの影響は少ない。また、コイル22内の空間22a
は揺動軸14に外嵌しているため、コイル22を小型化
することができる。
【0053】図8は図1〜図7に示した磁気研磨装置に
おける鉄芯3の揺動の仕方を示す説明図である。
【0054】図8において、被加工材1は送り装置2に
より一定の速度Vで送られ、鉄芯は揺動装置15によ
り、被加工材1の送り方向と直角方向に被加工1材表面
に沿って、揺動ストロークL、周期Tで揺動する。ま
た、被加工材1における所要研磨部分1aの幅方向の距
離をWとし、略円柱状の鉄芯3における略円状の端面3
aの半径をRとすると、次式(1)、(2)の関係を有
している。
【0055】L≧W+2R・・・(1) R≧T・V/2・・・(2) 上記(1)式について図8を参照して以下に説明する。
ここでは円柱状の鉄芯3を用いている。図中Aは鉄芯3
の揺動ストロークにおける下限に位置している鉄芯端面
3aを示し、Bは鉄芯3の揺動ストロークにおける上限
に位置している鉄芯端面3aを示し、Cは、Aの鉄芯端
面3aの1周期後を示し、またDは鉄芯端面3a中心の
移動軌跡を示し、矢印Z向きに移動する。また、被加工
材1は矢印Xの向きに送られる。Aでは、鉄芯端面3a
の上端が被加工材1における所要研磨部分1aの下端よ
りも下位に位置し、Bでは鉄芯端面3aの下端が被加工
材1における所要研磨部分1aの上端よりも上位に位置
している。この揺動ストロークで鉄芯3を揺動させなが
ら被加工材1を送ると、所要研磨部分1aの任意の点に
おいて研磨する向きが変化するため、被加工材1の研磨
品質が向上する。
【0056】次に、上記(2)式について以下に説明す
る。周期Tの間に被加工材1が移動する距離が鉄芯端面
3aの直径よりも小さくなっている。したがって、鉄芯
3は被加工材における所要研磨部分1aをくまなく研磨
することができる。また、等速で被加工材1を送るた
め、送り装置2において、送り用モーターの回転を制御
の簡単な定速にできるので、送り装置2の構成も簡単な
ものとなっっている。
【0057】図9は、図1〜図7に示した磁気研磨装置
における図8と異なる鉄芯の揺動の仕方を示す説明図で
ある。
【0058】図9において、図中Eは鉄芯揺動の往路に
おける揺動ストロークの下限に位置する鉄芯端面3a、
Fは上限に位置する鉄芯端面3aを示し、Gは鉄芯揺動
の復路における揺動ストロークの上限に位置する鉄芯端
面3a、Hは下限に位置する鉄芯端面3aを示す。また
IはEの1周期後の位置での鉄芯端面3aを示す。Jは
鉄芯中心の揺動軌跡を示す。また、被加工材1は矢印X
の向きに送られる。E〜Fの間では、被加工材1は停止
し、鉄芯3が被加工材1の長手方向と直角方向に移動し
て被加工材1を研磨する。次に、F〜Gでは、鉄芯の揺
動が停止し、被加工材1が鉄芯端面3aの半径距離分送
られる。G〜Hでは、被加工材1は停止し、鉄芯が被加
工材1の長手方向と直角方向に移動して被加工材1を研
磨する。H〜Iでは、鉄芯3の揺動が停止し、被加工材
1が鉄芯端面3aの半径距離分送られる。以後、この動
作を繰り返して被加工材1を研磨する。
【0059】この揺動の仕方では、揺動の往路と復路と
で鉄芯3による研磨の重なる部分の研磨する向きが逆に
なるため、研磨角度が広がり研磨品質が向上する。特
に、次式(3)を満足すると、鉄芯3が研磨する向きを
変えながら、被加工材1の所要研磨部分1aをくまなく
研磨することができる。
【0060】R≧K・・・(3) ここにおいて、Kは被加工材1の一回分の送り距離を示
す。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、磁性材供給装
置により粉状の磁性材が供給され、磁化された鉄芯の被
加工材側表面に適量吸着して磁性材ブラシを形成する。
この磁性材ブラシの表面及び磁性材間の隙間に、研磨剤
供給装置により研磨剤が供給される。磁性材ブラシ及び
研磨剤は、回転する鉄芯につられて回転し、移動する被
加工材の表面を順に磨いていく。この磁性材ブラシは被
加工材表面の凹凸に合わせて形を変え、凹部に入り込む
ため、研磨剤が被加工材の凹部に自在に入り込んで研磨
することができる。
【0062】また、鉄芯を回転自在に支える鉄芯支持台
と重りとが揺動板の両端に配置され、支持台が揺動軸回
動自在に支持してシーソーのように揺動板がモーメント
バランスをとっているため、簡単な揺動装置で揺動板を
楽に揺動させることができる。揺動装置は、鉄芯の重量
を支えているわけではないので、軽い力でモーメントバ
ランスされた揺動板を揺動させることができる。
【0063】請求項1記載の発明では、揺動板の両端に
第一の鉄芯及び第二の鉄芯を備えているため、軽い力で
両鉄芯を揺動できるとともに、この両鉄芯で2段階に被
加工材1を研磨することができる。
【0064】請求項2記載の発明では、第一の鉄芯及び
第二の鉄芯を粗研磨用と精密研磨用とに用途を分けたた
め、各用途に応じて、磁性材又は研磨材の供給特性、あ
るいは鉄芯の形状又は速度などの研磨条件を最適に個別
に設定できるので、被加工材1の研磨品質を向上でき
る。
【0065】請求項3記載の発明では、揺動する磁気ヨ
ークの揺動範囲よりも、磁気ヨークが貫通しているコイ
ルの空間が大きいため、コイルを揺動させずに固定して
おくことができる。したがって、揺動させる重量をコイ
ルの分だけ軽減できるので、揺動の際の慣性重量が小さ
くなって揺動を軽快に行うことができる。
【0066】請求項4記載の発明では、回動する揺動軸
の周囲にコイルが配置しているため、揺動軸が貫通して
いるコイルの空間の内径は揺動軸の外径より少し大きけ
ればよく、したがって、コイルを小型化できる。
【0067】請求項5記載の発明では、揺動ストローク
が被加工材における所要研磨部分の幅方向の距離以上あ
るとともに、鉄芯の揺動周期の間に送られる被加工材の
移動距離が鉄芯端面の直径以下であるため、研磨する向
きを変えながら、所要研磨部分を余すところなく研磨す
ることができる。
【0068】請求項6記載の発明では、被加工材を一定
の速度で送るため、送り装置の速度制御が簡単である。
【0069】請求項7記載の発明では、鉄芯の往路と復
路とで研磨する向きを変えながら、所要研磨部分を余す
ところなく研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考となる磁気研磨装置において、被
加工材を基準に片側のみを示した要部の断面図である。
【図2】本発明の参考となる磁気研磨装置において、被
加工材を基準に片側のみを示した要部の断面図である。
【図3】本発明の参考となる磁気研磨装置の平面図であ
る。
【図4】本発明の実施例である磁気研磨装置における揺
動装置の縦断面図である。
【図5】本発明の異なる実施例である磁気研磨装置にお
ける揺動装置を示す縦断面図である。
【図6】本発明のさらに異なる実施例である磁気研磨装
置における揺動装置を示す平面図及び断面図である。
【図7】本発明のさらに異なる実施例である磁気研磨装
置における揺動装置を示す平面図及び断面図である。
【図8】本発明の図1〜図7に示した磁気研磨装置にお
ける鉄芯の揺動の仕方を示す説明図である。
【図9】本発明の磁気研磨装置における図8と異なる鉄
芯の揺動の仕方を示す説明図である。
【図10】従来の磁気研磨装置を示す平面図である。
【図11】従来の磁気研磨装置を用いた研磨方法を示す
説明図である。
【図12】従来の磁気研磨装置を用いた研磨方法を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 被加工材 1a所要研磨部分 2 送り装置 2a 制動装置 2b 引き取り装置 3 鉄芯 3a 鉄芯の端面 4 鉄芯駆動装置 5 磁性材 6 磁性材供給装置 6a 着磁機 6b 磁性材容器 7 研磨剤 8 研磨剤供給装置 9 第二の鉄芯 9a 第二の鉄芯の端面 10 ギャップ 11 重り 12 揺動板 13 支持台 14 揺動軸 15 揺動装置 16 鉄芯支持台 20 脚 21 ベースプレート 22 コイル 22a 貫通空間 23 磁気ヨーク 24 ベアリング 25 アクチュエーター 26 鉄芯回転駆動モーター 27 ベルト 28 アーム 31 ゴムローラー 32 内パイプ 36 外パイプ 38 連結体 39 脱磁機 40 洗浄機 40a 洗浄液 40b 洗浄ノズル 40c 回転ブラシ 41 カム 42 駆動モーター 43 カムフォロワ 44 保持バネ 45 第三の鉄芯 46 ハンドラー 47 保持部材 52 カップリング継手 53 モーノ型ポンプ 56 連結チューブ 57 ロータリー定量ポンプ 64 孔 65 バリ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 31/112 B24B 37/00 B24B 49/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平面状の端面が磁化された鉄芯をこの
    端面と直交する軸回りに回転させる鉄芯駆動装置と、前
    記端面にテープ状の被加工材を近接して送る送り装置
    と、この被加工材表面と前記端面との間のギャップに、
    粉状の磁性材を供給する磁性材供給装置と、前記ギャッ
    プに研磨剤を供給する研磨剤供給装置とからなる磁気研
    磨装置において、前記鉄芯を回転自在に支える鉄芯支持
    台を一端部に設け、他端部に第二の鉄芯と、第二の鉄芯
    を回転自在に支える鉄芯支持台とから形成された重りを
    設けた揺動板の重心に、支持台により回動自在に支持さ
    れた揺動軸を形成し、この揺動軸を中心に揺動板を揺動
    させる揺動装置を設けてなることを特徴とする磁気研磨
    装置。
  2. 【請求項2】 揺動板の両端部に設けた鉄芯のうち、一
    方を被加工材の粗研磨用として用い、他方を精密研磨用
    として用いることを特徴とする請求項1記載の磁気研磨
    装置。
  3. 【請求項3】 鉄芯における被加工材と反対の端部を延
    設して、鉄芯と連動して揺動する磁気ヨークを形成し、
    この磁気ヨークが揺動自在に貫通するコイルを設けてな
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気研
    磨装置。
  4. 【請求項4】 磁性体から形成した前記揺動軸と、鉄芯
    における被加工材と反対の端部とを磁気ヨークを用いて
    連結し、この揺動軸にコイルを貫通させてなることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の磁気研磨装置。
  5. 【請求項5】 鉄芯を略円柱状に形成し、この鉄芯の揺動
    周期の間に送られる被加工材の移動距離が鉄芯端面の直
    径以下であるとともに、揺動による鉄芯の移動距離であ
    る揺動ストロークが被加工材における所要研磨部分の幅
    方向の距離に鉄芯端面の直径を加えた値以上であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    載の磁気研磨装置。
  6. 【請求項6】 被加工材を一定の速度で送ることを特徴と
    する請求項5記載の磁気研磨装置。
  7. 【請求項7】 鉄芯の揺動における往路と復路との間及び
    復路と往路との間に揺動休止期を設け、往路及び復路で
    は被加工材を停止させ、前記揺動休止期では鉄芯端面の
    直径以下の所定距離だけ被加工材を送ることを特徴とす
    請求項5記載の磁気研磨装置。
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