JP3295463B2 - アンテナ部材及びそれを用いたアンテナ - Google Patents

アンテナ部材及びそれを用いたアンテナ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信機器用アンテナ、
特に移動体通信機器のアンテナに用いるアンテナ部材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金(TiNi合金、CuZn
Al合金・・・)は、マルテンサイト変態の逆変態に付
随して顕著な形状記憶効果を示すことがよく知られてい
る。又、逆変態の母相状態では、良好な超弾性を示すこ
ともよく知られている。形状記憶合金の超弾性ばねは伸
び歪で7%程度の可動性があるため、ステンレス線、ピ
アノ線等と異なり、コイル状とせずにばねとして使用で
きる利点を持っている。この直線ばねは、カテーテルガ
イドワイヤー等に実用化されている。又、ブラジャーの
芯金、コルセットの芯金等にも変形防止、保型性を改善
することを利点として実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、通信機器用アン
テナの部材に形状記憶合金を使用することは、既に実用
化されており、使用時の変形を加熱するなどして元に戻
す形状記憶や、変形が生じ難い超弾性を使った物が実用
化されている。使用部材はチタン(Ti)−ニッケル
(Ni)合金の約φ1mm程度の線材、又は0.7mm
厚程度の潰し材が主として使われている。しかし、Ti
−Niの合金は、繰り返し曲げに比較的弱い難点があ
る。特に、超弾性で使用した場合には、曲げ歪み3%〜
4%で1000回程の耐久性しかなく、それ以上では切
損してしまうことが多かった。又、使用部材の線径を小
さくすれば、同一曲率の曲げに対しては前記線径よりも
耐久性は向上するが、部材に求められる基本的ばね性に
欠けるという問題がある。又、最近よく使われている移
動体通信機器(携帯電話)の使用周波数は、ギガヘル
ツ、もしくはそれ以上の高い周波数域となっているが、
Ti−Ni合金等の伝導性が比較的悪い物質でも用いら
れるようになっている。しかし、アンテナは本来的には
電気に対する伝導性が高いことが望ましく、周波数が低
い領域の機器には伝導性は不可欠のものである。しか
し、Ti−Ni合金に電気良導体である銅(Cu)等の
メッキをすることは、合金の脆化及び繰り返しの使用時
に剥離を生ずるという難点があった。そこで、本発明は
前記の技術的課題を解決するため、形状記憶合金の基本
特性を維持し、かつ耐久性に富むアンテナ部材を提供す
ることにある。更に、本発明の技術的課題は形状記憶合
金の基本特性を維持し、かつ耐久性及び伝導性に富むア
ンテナ部材及びアンテナを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるアンテナ部
材は、少なくとも一部に形状記憶合金製線材を用いた部
材で構成されたアンテナであって、その一部あるいは全
部が形状記憶合金製の編み線、織り線、及び不織線から
なる複合線であることを特徴とするアンテナ部材であ
る。又、本発明は、形状記憶合金製複合線の一部を電気
の伝導材料としたことを特徴とするアンテナ部材であ
る。更に、本発明によるアンテナ部材に用いる形状記憶
合金製複合線は、使用環境温度で超弾性を示すTi−N
i系合金であることを特徴とするアンテナ部材とするこ
とによりえられる。
【0005】即ち本発明は、1.少なくとも一部が形状
記憶合金製部材で構成されたアンテナ素子に用いられる
アンテナ部材であって、その一部あるいは全部が形状記
憶合金製の編み線、織り線、又は不織線からなる複合線
であり、直径20mmの繰り返し曲げ試験で少なくとも
2000回以上の寿命を有することを特徴とするアンテ
ナ部材である。2.少なくとも一部が形状記憶合金製部
材で構成されたアンテナ素子に用いられるアンテナ部材
であって、その一部を他の電気良伝導線、及び、又はフ
ッ素樹脂とを組込んだより線、編み線、織り線、又は不
織線からなる複合線であり、直径20mmの繰り返し曲
げ試験で少なくとも2000回以上の寿命を有すること
を特徴とするアンテナ部材である。3.上記のアンテナ
部材において、前記形状記憶合金は使用環境温度で超弾
性を示すチタン(Ti)−ニッケル(Ni)系合金であ
ることを特徴とするアンテナ部材である。又本発明は、
上記1〜3のいずれかのアンテナ部材よりなるアンテナ
である。
【0006】
【作用】線径が細い超弾性特性を有する形状記憶合金線
と、電磁波に対して反射特性の良好な銅線を組合わせた
より線、編み線、及び一部にフッ素樹脂等を組合わせ所
望の太さのアンテナ部材としたもので、形状記憶合金線
は線径が細くしてあるので同じ径の曲げに対しひずみが
小さく、従って、曲げに対して繰り返し曲げ回数の特性
が向上し、又フッ素樹脂は板状に形状記憶合金線を束ね
るのに効果的であり、一方、形状記憶合金線に所望の形
状記憶特性を得るために必要な400℃における熱処理
時においても、フッ素樹脂は変形することはない等の特
徴を持つ。銅線はアンテナとしての電波の反射効率を向
上する。
【0007】
【実施例1】高周波真空溶解法によって得たチタン(T
i)−50at%残ニッケル(Ni)からなる合金を熱
間加工及び冷間加工によって径が0.5mmの冷間加工
上がり線材とした。次に、得られた線材を基にして次の
ないしに示す種々の複合線とした。 線材7本を編み機によって図1に示す構造の1.5m
mφの編み複合線とした。 の条件で作られた編み複合線をプレスして0.7m
m厚の板状線材とした。 縦糸に線材7本、横糸にフッ素樹脂(テフロン(登録
商標))を配し、織機によって図2に示す0.7mm厚
の織り複合板状線材とした。 縦に線材7本を配してテフロンシートを挟み、0.7
mm厚の図3に示す不織複合板状線材とした。 比較例としてφ1.5mm冷間加工上がり線材、及び
0.7mm厚潰し線材を準備した。 これらないしに示す線材を所望の特性を得るため4
00℃×10分の熱処理を行い、−20℃、20℃及び
60℃で直径が20mmφの曲げテストによる形状回復
性、更に20℃において直径が20mmφの繰り返し曲
げ試験を行った。得られた結果を表1に示した。
【0008】
【表1】
【0009】表中の形状記憶特性に示した○及び△は、
それぞれ以下の意味である。 ○=曲げ解除後、自発的な形状回復、即ち良好な超弾性
を示した。 △=曲げ解除後、歪が残留した。即ち良好な超弾性を示
さなかった。 比較例が良好な超弾性を示さないのは、比較例の線材が
本発明法で用い線材よりも径が太いため熱処理が充分で
ないことに依っている。及びで用いたテフロンは4
00℃で熱分解はほとんどせず、合金の機能を阻害する
こともない。
【0010】
【実施例2】実施例1の形状記憶合線を基に以下の複合
線をそれぞれ作製した。 φ0.5mm銅(Cu)線を芯材、周囲を形状記憶合
金線として図4に示す7本のより線とした。 φ0.5mm銅(Cu)線を芯材、周囲を形状記憶合
金線として図5に示す7本の編み線とした。 縦糸に線材7本(中心にφ0.5mmCu線、他を形
状記憶合金線)、横糸にフッ素樹脂(テフロン)を配
し、織機によって図6に示す0.7mm厚の織り複合板
状線材とした。 縦に線材7本(中心にφ0.5mmCu線、他を形状
記憶合金線)を配し、テフロンシートを挟み、図7に示
す0.7mm厚の不織複合板状線材とした。 これらの線材を実施例1同様の熱処理及び評価を行っ
た。又、伝導性を単一Cu線と比較した。これらの結果
を表2に示した。更に、伝導性を上げるためにのCu
線を2本及び3本(合金線5本及び4本)の織り複合線
材を作製し、合わせて評価を行った。
【0011】
【表2】
【0012】形状記憶性の評価基準は実施例1同様であ
るが、No7ないしNo10は実施例1と同様の良好な
結果を示した。これは銅(Cu)線が合金の特性を阻害
しない程度の変形力を示していることに依っているため
である。しかし、No11及びNo12は銅(Cu)線
の変形力が大きくなるために若干の永久変形を残すよう
になった。このことは、複合線はその用途、目的に応じ
て合金の寸法形状、電気良伝導材の種類(導伝性、機械
的性質)及び寸法形状を選べば良いことを示している。
繰り返し寿命はいずれも2千回程度であるが、これは合
金線の破断ではなく、銅(Cu)線の破断であった。こ
れも前記同様に組合せの選択で変えることができる。伝
導性の評価は当然のことながら銅(Cu)単線と同等の
結果を示した。
【0013】
【実施例3】実施例1及び実施例2に示した線材を用い
て、アンテナを作製した。試料No1〜4及び試料No
7〜10を用いて作製したアンテナは、曲げに強く、か
つ良好な電波の反射性能を示した。
【0014】本実施例では、チタン(Ti)50.5a
t%ニッケル(Ni)合金のみの例を示したが、本発明
はチタン・ニッケル(TiNi)合金の実用組成ニッケ
ル(Ni):48−52at%{残チタン(Ti)}が
全て適用され、更に、鉄(Fe)・クロム(Cr)・バ
ナジウム(V)等、第3元素を添加したTiNiX合金
(Xは第3元素を示す)、銅基合金、及び鉄基合金等全
ての形状記憶合金に適用可能である。このように本発明
によれば、形状記憶合金の基本特性を維持し、形状のバ
リエーションに富むアンテナ部材及びアンテナを提供す
ることができる。本実施例のより線、編み線、織り線及
び不織線は、それぞれ用途に応じて線径、組合わせ本数
を変えることができる。又、組合せの一部を他の合金と
することもできる。本実施例の織り線、不織線は、フッ
素樹脂の例のみを示したが、合金線を加工上がりで使用
する場合、あるいは熱処理上がりを複合する場合には、
必ずしも樹脂に高温の耐熱性は必要とせず、フッ素樹脂
の他、ウレタン、塩ビ系等の樹脂を使用することができ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明による形状記憶合金の線材を主材
として銅(Cu)線、及びフッ素樹脂を組合わせて、よ
り線、編み線、織り線、不織線としたアンテナ部材は、
主材の形状記憶合金線にフッ素樹脂や導線を組合わせて
いるので、曲げに対して歪が小さく曲げに対する折損が
発生する繰り返し回数とばね性が向上する効果と、中心
に銅線を用いたものでは電波の反射性能を向上する効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による線材7本を編み機により編複合線
としたアンテナ部材を示す図で、図1の(a)は正面
図、図1の(b)は断面図。
【図2】本発明による縦糸に線材7本、横糸にフッ素樹
脂を配し、織機によって織り、複合板状線材としたアン
テナ部材を示す図で、図2の(a)は平面図、図2の
(b)は断面図。
【図3】本発明による縦に線材7本を配してフッ素樹脂
のテフロンシートを挟み、不織複合板状線材としたアン
テナ部材を示す図で、図3の(a)は平面図、図3の
(b)は断面図。
【図4】本発明による中心に銅(Cu)線を芯材に、周
囲に形状記憶合金線をより線としたアンテナ部材を示す
図で、図4の(a)は正面図、図4の(b)は断面図。
【図5】本発明による中心に銅(Cu)線を芯材に、周
囲に形状記憶合金線を配置して編み線としたアンテナ部
材を示す図で、図5の(a)は正面図、図5の(b)は
断面図。
【図6】本発明による中心に銅(Cu)線を配し、他を
形状記憶合金線として縦糸に7本、横糸にフッ素樹脂の
テフロンを配し、織機によって複合板状線材としたアン
テナ部材を示す図で、図6の(a)は平面図、図6の
(b)は断面図。
【図7】本発明による中心に銅(Cu)線を配し、他を
形状記憶合金線としてテフロンシートを挟み、不織複合
板状線材としたアンテナ部材を示す図で、図7の(a)
は平面図、図7の(b)は断面図。
【符号の説明】
1 形状記憶合金線 2 フッ素樹脂 3 銅(Cu)線
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 1/00 - 1/10 H01Q 1/27 - 1/52 H01Q 5/00 - 11/20 C22C 14/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が形状記憶合金製部材で
    構成されたアンテナ素子に用いられるアンテナ部材であ
    って、その一部あるいは全部が形状記憶合金製の編み
    線、織り線、又は不織線からなる複合線であり、直径2
    0mmの繰り返し曲げ試験で少なくとも2000回以上
    の寿命を有することを特徴とするアンテナ部材。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部が形状記憶合金製部材で
    構成されたアンテナ素子に用いられるアンテナ部材であ
    って、その一部を他の電気良伝導線、及び、又はフッ素
    樹脂とを組込んだより線、編み線、織り線、又は不織線
    からなる複合線であり、直径20mmの繰り返し曲げ試
    験で少なくとも2000回以上の寿命を有することを特
    徴とするアンテナ部材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアンテナ部材にお
    いて、前記形状記憶合金は使用環境温度で超弾性を示す
    チタン(Ti)−ニッケル(Ni)系合金であることを
    特徴とするアンテナ部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のアンテ
    ナ部材からなることを特徴とするアンテナ。
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