JP3294953B2 - スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子 - Google Patents
スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子Info
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Description
スタータモ−タの回転電機子に係わり、特に、樹脂を用
いて巻線コイルを被固定物に固着させるスタータモ−タ
の回転電機子の製造方法、及びこの方法により製造され
たスタータモータの回転電機子に関する。
する公知技術として、例えば、以下のものがある。 特開昭58−39253号公報 この公知技術は、整流子外周の導体部に電気的に接続さ
れる巻線コイルを、予熱した回転電機子に樹脂粉末を含
浸することによって固定するときに、ガラス転移温度が
100℃以上で回転子予熱温度での溶融粘度が0.1〜
10ポイズである樹脂粉末を含浸させる第1の工程と、
ガラス転移温度が100℃以上で回転子予熱温度での溶
融粘度が50〜2000ポイズである樹脂粉末を含浸さ
せる第2の工程とに分けて行う。すなわち溶融粘度の異
なる2種の樹脂粉末を段階的に含浸させて2層の樹脂層
を形成することにより、含浸樹脂の流出を防ぎつつ高速
回転可能な回転子を製造するものである。
剤を混合した樹脂(無溶剤ワニス)を含浸して巻線コイ
ルを回転電機子に固定するとき、含浸時すなわち滴下塗
布時の粘度が20〜20000センチポイズ、好ましく
は50〜1000センチポイズであるものを用いること
により、粘度が大きすぎて作業性が悪くなることを防止
するとともに、粘度が小さすぎてコイル中に樹脂がたれ
ることを抑制するものである。
63−95837号公報、特開昭63−114540号
公報 これらの公知技術は、巻線コイルのうち磁気鉄心の両端
面から突き出ているエンドコイル部の外周にバインド部
材を設け、このバインド部材と巻線コイル、巻線コイル
と巻線コイル同士、及び整流子と巻線コイルのすき間に
樹脂を含浸させることにより、巻線コイル自体の機械的
強度を強化するとともに、巻線コイルと磁気鉄心との機
械的結合強度を強化するものである。
知技術には以下の課題が存在する。すなわち、公知技術
においては、2種類の樹脂を用意しこれらを2つの工
程に分けて含浸させなければならないので、製造工程が
増加し生産性が悪化するとともにコスト高となる。ま
た、一般に、硬化剤としての樹脂は、予熱された回転子
に滴下塗布された後、回転子表面に滞留して回転子によ
り加熱され、あるいはさらに高温雰囲気に投入されるこ
とによって硬化温度に達し、硬化する。このとき、樹脂
の粘度は温度依存性がきわめて強く、高温ほど粘度は低
下する傾向を示す。回転子に滴下し回転子表面に滴下す
るとき(以下適宜、滴下塗布時という)には、作業性を
向上させ巻線コイル中へ十分浸透させる観点から粘度は
ある程度小さいほうが望ましく、逆に回転子表面に滞留
して硬化するとき(以下適宜、滞留硬化時という)には
樹脂が流出してしまわないように粘度はある程度大きい
ほうが望ましい。ここにおいて、公知技術では、この
ような樹脂粉末粘度の温度依存性を考慮して回転子予熱
温度を基準とした粘度の制限範囲を設けている。ここ
で、この回転子予熱温度は、樹脂粉末を滴下した後の滞
留硬化時の温度と一定の関係にある(例えば両者がほぼ
等しくなる等)と思われるので、滞留硬化時の樹脂粉末
の流出を抑制するための基準温度としては妥当であると
思われる。しかし一方で、滴下塗布時の作業性を考える
場合には、回転子に付着する前の粘度が問題となること
から、回転子予熱温度は基準温度としては不適当であ
り、このような粘度設定では実効に乏しく、作業性向上
が不十分となる。
脂(ワニス)粘度の温度依存性を考慮し含浸時(滴下塗
布時)における温度を基準とした粘度の制限範囲を設
け、これによって、滴下塗布時における作業性を向上す
るとともに滴下塗布時に樹脂がたれるのを抑制してい
る。しかし、滴下塗布時よりはるかに高温で樹脂がたれ
て流出しやすくなる滞留硬化時の粘度については配慮さ
れず、滞留硬化時において樹脂がたれるか否かについて
検討されていない。したがって、滴下塗布時温度のみを
基準とする粘度設定では実効に乏しく、滞留硬化時の樹
脂流出抑制が不十分となる。また、上記のような含浸時
粘度20〜20000センチポイズ(好ましくは50〜
1000センチポイズ)が望ましいことは開示されてい
るものの、この粘度制限範囲を実現する成分及びその混
合比等が明確に示されておらず、実現性に乏しい。
ような樹脂粘度の温度依存性への配慮がなく、回転子の
雰囲気温度の変化に対応していない。したがって、滴下
塗布時の作業性の向上を図ることを目的として低粘度の
熱硬化性樹脂を使用した場合には、滞留硬化時に熱硬化
性樹脂がさらに低粘度となって流出し、固着強度を確保
するのが困難となるという課題がある。またこのとき、
磁気鉄心の外周部に熱硬化性樹脂が流れ出すこととなる
が、磁気鉄心はスタ−タモ−タの性能確保の点から高精
度が要求されるので硬化後に樹脂の切削加工が必要にな
り、工程が増加して生産性向上が困難となる等の課題も
ある。また逆に、滞留硬化時における樹脂流出を抑制し
巻線コイル中のすき間への樹脂滞留を多くすべく、高粘
度の熱硬化性樹脂をあらかじめ使った場合には、はじめ
の滴下塗布作業が困難となるいう課題があった。さら
に、エンドコイル部の外周にバインド部材を設けること
から回転電機子の加工性を向上させることが困難であっ
た。
時の両方に対応する粘度制限がされた1種類の熱硬化性
樹脂を用いることにより、滴下塗布時の作業性を十分向
上するとともに滞留硬化時における流出を十分に抑制
し、高い生産性かつ低コストで巻線コイルの固着強度を
確保することができるスタータモータの回転電機子の製
造方法及びスタータモータの回転電機子を提供すること
である。
ば、複数のスロットが形成されこの複数のスロット内に
複数の巻線コイルを収納した磁気鉄心と、前記複数の巻
線コイルと電気的に接続された複数の導体部を備えた整
流子と、前記磁気鉄心及び前記整流子が固定された回転
シャフトとを有し、回転数が8000r/min以上で
も使用可能でかつ約−40℃〜150℃の雰囲気温度で
使用可能であるよう構成されたスタータモータの回転電
機子の製造方法であって、前記磁気鉄心、前記整流子、
及び前記回転シャフトを予め加熱して回転させながら、
10℃〜35℃の雰囲気温度中で、液体温度25℃にお
ける粘度が5Pa ・ sec以上20Pa ・ sec以下であり、か
つ液体温度100℃における粘度が0.08Pa ・ sec以
上0.3Pa ・ sec以下であり、かつガラス転移温度が1
50℃以上である熱硬化性液体樹脂を滴下塗布し、少な
くとも前記巻線コイルと前記スロットとのすき間に液体
状態の前記熱硬化性液体樹脂を充填する第1の手順と、
前記磁気鉄心、整流子及び回転シャフトを回転させつつ
前記充填された熱硬化性液体樹脂を該熱硬化性液体樹脂
の前記150℃以上のガラス転移温度以上に加熱して硬
化させ、少なくとも前記巻線コイルと前記磁気鉄心とを
前記硬化した熱硬化性液体樹脂で固定する第2の手順と
を備えることを特徴とするスタータモータの回転電機子
の製造方法が提供される。
機子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂と
を重量比で1:2〜1:4の割合で混合したエポキシ樹
脂成分を含むことを特徴とするスタータモータの回転電
機子の製造方法が提供される。
転電機子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ
樹脂とを重量比で1:3の割合で混合したエポキシ樹脂
成分を含むことを特徴とするスタータモータの回転電機
子の製造方法が提供される。
回転電機子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂
にはシリカ系揺変剤が添加されていることを特徴とする
スタータモータの回転電機子の製造方法が提供される。
転電機子の製造方法において、前記第1の手順は、前記
巻線コイルと前記スロットとのすき間、前記複数の巻線
コイル相互間のすき間、及び前記巻線コイルと前記整流
子とのすき間にそれぞれ前記熱硬化性液体樹脂を充填す
る手順であり、前記第2の手順は、前記巻線コイルと前
記磁気鉄心、前記複数の巻線コイル相互、及び前記巻線
コイルと前記整流子とをそれぞれ固定する手順であるこ
とを特徴とするスタータモータの製造方法が提供され
る。
転電機子の製造方法において、前記第1の手順で充填さ
れた熱硬化性液体樹脂のうち漏洩して前記磁気鉄心の外
周面へと付着した微量の樹脂を、前記第2の手順の前に
拭き取って取り去る第3の手順をさらに有することを特
徴とするスタータモータの回転電機子の製造方法が提供
される。
よれば、複数のスロットが形成されこの複数のスロット
内に複数の巻線コイルを収納した磁気鉄心と、前記複数
の巻線コイルと電気的に接続された複数の導体部を備え
た整流子と、前記磁気鉄心及び前記整流子が固定された
回転シャフトとを有し、回転数が8000r/min以
上でも使用可能でかつ約−40℃〜150℃の雰囲気温
度で使用可能であるよう構成されたスタータモータの回
転電機子において、前記磁気鉄心、前記整流子、及び前
記回転シャフトを予め加熱して回転させながら、10℃
〜35℃の雰囲気温度中で、液体温度25℃における粘
度が5Pa ・ sec以上20Pa ・ sec以下であり、かつ液体
温度100℃における粘度が0.08Pa ・ sec以上0.
3Pa ・ sec以下であり、かつガラス転移温度が150℃
以上である熱硬化性液体樹脂を滴下塗布し、少なくとも
前記巻線コイルと前記スロットとのすき間に液体状態の
前記熱硬化性液体樹脂を充填した後、前記磁気鉄心、整
流子及び回転シャフトを回転させつつ前記充填された熱
硬化性液体樹脂を該熱硬化性液体樹脂の前記150℃以
上のガラス転移温度以上に加熱して硬化させ、少なくと
も前記巻線コイルと前記磁気鉄心とを前記硬化した熱硬
化性液体樹脂で固定したことを特徴とするスタータモー
タの回転電機子が提供される。
機子において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量比で
1:2〜1:4の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含
むことを特徴とするスタータモータの回転電機子が提供
される。
転電機子において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量
比で1:3の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含むこ
とを特徴とするスタータモータの回転電機子が提供され
る。
回転電機子において、前記熱硬化性液体樹脂にはシリカ
系揺変剤が添加されていることを特徴とするスタータモ
ータの回転電機子が提供される。
化性樹脂の液体温度25℃における粘度が5Pa・sec以
上20Pa・sec以下であることにより、例えば10〜3
5℃といった常温に対応する粘度すなわちほぼ滴下塗布
時温度に対応する粘度は、従来の熱硬化性樹脂の約1/
5以下となりきわめて小さくなる。よって、第1の手順
で、磁気鉄心、整流子、及び回転シャフトに熱硬化性樹
脂を滴下塗布し少なくとも巻線コイルとスロットとのす
き間に充填する際に、作業性を向上させ、すき間の奥深
くまであるいは滴下位置から広範囲に十分浸透させるこ
とができる。また、液体温度100℃における粘度が
0.08Pa・sec以上20Pa・sec以下であることによ
り、例えば80〜120℃付近における粘度すなわちほ
ぼ滞留硬化時の温度に対応する粘度は、従来の約5倍以
上となりきわめて大きくなる。よって、第2の手順で、
充填された熱硬化性樹脂を硬化温度以上に加熱して硬化
させ、少なくとも巻線コイルと磁気鉄心とを硬化した熱
硬化性樹脂で固定する際に、樹脂がたれて流出するのを
十分抑制することができ、滞留したまま硬化させること
ができる。よってすき間の熱硬化性樹脂の充填接着が十
分である(滞留率が高い)ので、巻線コイルと被固定物
(例えば磁気鉄心)との固着強度を十分確保することが
できる。そしてこのとき1種類の樹脂を1つの行程で滴
下塗布するので、従来技術のように製造行程が増加し生
産性が悪化することはなく、かつコストダウンを図れ
る。また充填された樹脂をたれることなく滞留したまま
硬化させることができるので、硬化後における磁気鉄心
外周部の切削加工行程が少なくて済むかあるいは省略で
きる。よってこの意味でも生産性を向上することができ
る。
ける粘度を5Pa・sec以上20Pa・sec以下とし、かつ
液体温度100℃における粘度を0.08Pa・sec以上
0.3Pa・sec以下とすることにより、滴下塗布時に作
業性を向上させ、滞留硬化時に樹脂の流出を十分抑制で
きる粘度特性を実現することができる。さらに、熱硬化
性樹脂は熱硬化性液体樹脂であり、第1の手順で液体状
態の熱硬化性液体樹脂を充填することにより、滴下塗布
時に作業性を向上させ、滞留硬化時に樹脂の流出を十分
抑制できる熱硬化性樹脂を実現することができる。ま
た、熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
と脂環式エポキシ樹脂とを重量比で1:2〜1:4の割
合で混合したエポキシ樹脂成分を含むことにより、滴下
塗布時に作業性を向上させ、滞留硬化時に樹脂の流出を
十分抑制できる熱硬化性樹脂の成分配合を確実に実現す
ることができる。さらに、熱硬化性樹脂が、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量比
で1:3の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含むこと
により、滴下塗布時における作業性向上と、滞留硬化時
における樹脂流出抑制を最も効果的に達成できる熱硬化
性樹脂の成分配合を確実に実現することができる。ま
た、熱硬化性樹脂にはシリカ系揺変剤が添加されている
ことにより、液体温度100℃における粘度をさらに増
加させ、滞留硬化時における樹脂流出をさらに確実に抑
制することができる。さらに、第1の手順は、10℃〜
35℃の雰囲気温度で熱硬化性樹脂を滴下塗布する手順
であることにより、常温雰囲気中で熱硬化樹脂を滴下塗
布する手順を実現できる。また、第1の手順は、巻線コ
イルとスロットとのすき間、複数の巻線コイル相互間の
すき間、及び巻線コイルと整流子とのすき間にそれぞれ
熱硬化性樹脂を充填する手順であり、第2の手順は、巻
線コイルと磁気鉄心、複数の巻線コイル相互、及び巻線
コイルと整流子とをそれぞれ固定する手順であることに
より、巻線コイル自体の機械的強度を強くするととも
に、巻線コイルと、磁気鉄心及び整流子との機械的固定
強度を強くすることができる。さらに、スタータモータ
は、回転数が8000r/min以上でも使用可能であ
るよう構成されていることにより、通常の普通乗用車の
エンジンのスタータモータに適用でき、そしてこのとき
熱硬化性樹脂はガラス転移温度が150℃以上である樹
脂であって、この普通乗用車に適用した時の雰囲気温度
の上限である150℃と同じかこれより高いことによ
り、使用時においても常に弾性的なゴム状態を維持でき
高荷重に耐えることができる。また、スタータモータは
約−40℃〜150℃の雰囲気温度で使用可能であるよ
う構成されていることにより、通常の普通乗用車のエン
ジンのスタータモータに適用することができ、そしてこ
のとき熱硬化性樹脂はガラス転移温度が150℃以上で
ある樹脂であって、この雰囲気温度の上限である150
℃と同じかこれより高いことにより、使用時においても
常に弾性的なゴム状態を維持でき高荷重に耐えることが
できる。さらに、熱硬化性樹脂は、ガラス転移温度が1
50℃以上である樹脂であり、第1の手順は、磁気鉄
心、整流子、及び回転シャフトを予め150℃以上に加
熱して熱硬化性樹脂を滴下塗布する手順であるか、第2
の手順が磁気鉄心、整流子及び回転シャフトを回転させ
つつ150℃以上の高温雰囲気に投入する手順であるこ
とにより、その後樹脂が熱硬化するときガラス状にもろ
くならず弾性的なゴム状態に確実に変化させることがで
きる。また、第1の手順で充填された熱硬化性樹脂のう
ち漏洩して磁気鉄心の外周面へと付着した微量の樹脂
を、第2の手順の前に拭き取って取り去る第3の手順を
さらに有することにより、第2の手順で充填された熱硬
化性樹脂を硬化させる際に、樹脂がたれ流出した状態で
硬化するのを完全に防止することができる。よって磁気
鉄心の外周面を無切削加工とすることができる。よって
この分行程が減少し生産性向上が図れる。
明する。本発明の第1の実施例を図1〜図4により説明
する。本実施例は、スタータモータの回転電機子の製造
方法の実施例である。本実施例の製造方法により製造す
る回転電機子は、後述する図5〜図7に示されるよう
に、普通乗用車用のスタータモータ、すなわち、回転数
が8000r/min以上、約−40℃〜150℃の雰囲
気温度で使用可能であるスタータモータに取り付けられ
るものであり、複数のスロット溝3a内に複数の巻線コ
イル4が巻装された磁気鉄心3と、導体部5aを外周に
備えた整流子5と、これら磁気鉄心3及び整流子5が固
定された回転シャフト2とを備え、巻線コイル4と導体
部5aとのすき間(図5参照)、巻線コイル4どうし間
のすき間(図6参照)、及び巻線コイル4とスロット溝
3aとのすき間(図7参照)にそれぞれ樹脂7が充填さ
れ硬化されることによって、それぞれ巻線コイル4と整
流子5、巻線コイル4どうし、巻線コイル4と固定鉄心
3とが固定されている。
の成分及びその充填・硬化処理方法にある。以下、この
方法の手順を詳細に説明する。
ノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量
比で1:3の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含む、
ガラス転移温度が150℃以上の熱硬化性液体樹脂を用
意する。この樹脂7の粘度の温度依存特性は、図2に示
されるようになっており、例えば液体温度25℃におけ
る粘度は約9Pa・sec、液体温度100℃における粘度
は約0.13Pa・secである。そして、既に回転シャフ
ト2に固定され導体部5aと巻線コイル4とが電気的に
接続された、整流子5及び磁気鉄心3をあらかじめ(例
えば150℃に)加熱し回転させながら、10℃〜35
℃の常温雰囲気中で樹脂7を滴下塗布し、前述した巻線
コイル4と導体部5aとのすき間、巻線コイル4どうし
間のすき間、及び巻線コイル4とスロット溝3aとのす
き間にそれぞれ樹脂7を充填する。このとき、これら巻
線コイル4と導体部5aとのすき間、巻線コイル4どう
し間のすき間、及び巻線コイル4とスロット溝3aとの
すき間に適当な順序で滴下を行っても良いし、またこれ
ら3つのすき間のうち少なくとも1箇所に滴下を行い、
のこりの箇所にはこの滴下箇所から順次浸透させて充填
する方法でも良い。
樹脂7を滴下塗布する場合を例に取って、この滴下塗布
手順を図3及び図4に示す。図3に示されるように、固
定鉄心3が例えば図示B方向に回転されながら、樹脂7
が滴下塗布ノズル9から巻線コイル4どうし間のすき間
に滴下される。このように回転させながら滴下塗布する
ことにより、熱硬化性の樹脂7を全周均一に塗布するこ
とができる。そして、すべてのすき間に順次樹脂7が充
填され浸透し、図4に示す状態となる。なお、巻線コイ
ル4と導体部5aとのすき間に樹脂7を滴下する場合
や、巻線コイル4aとスロット溝3aとのすき間に樹脂
7を滴下する場合も同様である。
定鉄心3の回転を維持したまま、先の手順で充填された
樹脂7のうち、漏洩して磁気鉄心3の外周面へと付着し
た微量の樹脂を拭き取って取り去る。
シャフト2に固定された整流子5及び磁気鉄心3を15
0℃以上の高温雰囲気中を通過させ樹脂7を硬化させ
る。樹脂7は高温雰囲気中に投入後すぐには硬化せず液
体温度が150℃以上の硬化温度に達した時から硬化す
ることとなるが、このとき樹脂7がガラス転移温度の1
50℃以上に加熱されることにより、その後樹脂が熱硬
化するときガラス状にもろくならず弾性的なゴム状態に
確実に変化させることができる。またこのとき樹脂塗布
後に回転させながら高温雰囲気中を通過させて硬化させ
ることにより、熱硬化性の樹脂7を全周均一に充填する
ことができる。
し、巻線コイル4と整流子5、巻線コイル4どうし、巻
線コイル4と固定鉄心3とが固定されることとなる。
造方法は、熱硬化性樹脂の成分を最適化することによ
り、樹脂の粘度特性を変化させるものである。以下、こ
のことを図1により詳細に説明する。本願発明者等は、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂
とを混合したエポキシ樹脂成分を含む熱硬化性樹脂にお
いて、この熱硬化性樹脂の粘度の温度依存性を検討した
結果、図1に示す結果を得た。図1において、横軸は樹
脂の温度[℃]、縦軸は樹脂の粘度[Pa・sec]を示
しているものであり、熱硬化性樹脂に含まれているエポ
キシ樹脂成分におけるビスフェノールA型エポキシ樹脂
と脂環式エポキシ樹脂との混合比(重量比)を変えた場
合の粘度の温度依存性の変化を求めたものである。図
中、直線が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂:脂環
式エポキシ樹脂=4:1で混合したエポキシ樹脂成分を
含むものであり、従来の熱硬化性樹脂に相当する。ま
た、直線、直線、直線はそれぞれ、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂:脂環式エポキシ樹脂=1:2、
1:3、及び1:4で混合したエポキシ樹脂成分を含む
ものに相当する。
直線では液体温度25℃における粘度が約100Pa
・sec、液体温度100℃における粘度が約0.035P
a・secであったのが、直線ではそれぞれ約20Pa・s
ecと約0.08Pa・sec、直線ではそれぞれ約9Pa
・secと約0.13Pa・sec、直線では約5Pa・secと
約0.3Pa・secとなっている。すなわち、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂に対する脂環式エポキシ樹脂の混
合割合を増していくほど、低温側(例えば10℃〜35
℃)の粘度が下がり、高温側(例えば80℃〜120
℃)の粘度が上昇することが分かる。すなわち、従来の
熱硬化樹脂の直線に比べると、直線〜の熱硬化樹
脂は、ほぼ滴下塗布時温度に対応する10〜35℃にお
ける粘度が約1/5以下となり、またほぼ滞留硬化時温
度に対応する80〜120℃における粘度が約2倍以上
となっている。
脂に対する脂環式エポキシ樹脂の混合割合を増していく
ほど、滴下塗布時の粘度が小さくなって作業性が向上す
るとともに、滞留硬化時温度の粘度が大きくなってたれ
による流出が抑制されることがわかる。しかしながら、
直線で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂:脂
環式エポキシ樹脂=1:4よりさらに脂環式エポキシ樹
脂の混合比を大きくすると、滴下塗布時の粘度が小さく
なりすぎ、塗布と同時にたれ落ちてしまうおそれがあ
る。また、直線で表されるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂:脂環式エポキシ樹脂=1:2より脂環式エポキ
シ樹脂の混合比が小さいと、上記作業性向上と流出抑制
の効果が不十分である。したがって、本願発明者等は、
滴下塗布時の作業性向上と、滞留硬化時のたれによる流
出の抑制には、エポキシ樹脂成分に含まれるビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂:脂環式エポキシ樹脂=1:2〜
1:4の範囲、言い換えれば、液体温度25℃における
粘度が約5Pa・sec〜20Pa・sec、液体温度100℃
における粘度が約0.08Pa・sec〜0.3Pa・secで
ある樹脂を用いれば有効であると判断した。
造方法で用いる熱硬化性の樹脂7は、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂:脂環式エポキシ樹脂=1:3であるエ
ポキシ樹脂成分を含んでいる(直線に相当)。したが
って、従来の熱硬化性樹脂の直線に比べると、滴下塗
布時温度に対応する粘度が小さくなるので、樹脂7を滴
下塗布して巻線コイル4と導体部5aとのすき間、巻線
コイル4どうしのすき間、及び巻線コイル4とスロット
溝3aとのすき間に充填する際に、作業性を向上させ、
すき間の奥深くまであるいは滴下位置から広範囲に十分
浸透させることができる。また、同様に滞留硬化時の温
度に対応する粘度が、従来の熱硬化性樹脂の直線に比
し大きくなるので、充填された樹脂7を硬化温度以上に
加熱して硬化させて、巻線コイル4と整流子5、巻線コ
イル4どうし、巻線コイル4と磁気鉄心3とを固定する
際に、樹脂がたれて流出するのを十分抑制することがで
き、滞留したまま硬化させることができる。よってすき
間の樹脂7の充填接着が十分となる(滞留率が高い)の
で、巻線コイル4と整流子5、巻線コイル4どうし、巻
線コイルと磁気鉄心3との固着強度を十分確保すること
ができる。したがって、磁気鉄心3の両端面から突きで
ている巻線コイル4のエンドコイル部4a,4b(図5
参照)を補強するために従来技術で用いられていたバイ
ンド部材が必要なくなり、エンドコイル部4a,4b外
周は樹脂7のみが存在することとなる。すなわち、バイ
ンド部材を取り付ける行程が不要となるので生産性が向
上する。
滴下塗布するので、2種類の樹脂を2行程に分けて滴下
塗布する従来技術のように製造行程が増加し生産性が悪
化することはなく、かつコストダウンを図れる。また、
磁気鉄心3の外周部は、スタ−タモ−タの性能確保の点
から精度が要求されるので、この外周部に付着した熱硬
化性樹脂7は極力取り去る必要があるが、本実施例にお
いては充填された樹脂7のうち漏洩して磁気鉄心3の外
周面へと付着した微量の樹脂を拭き取って取り去ること
により、のちに充填された樹脂7を硬化させる際に、樹
脂7がたれて流出した状態で硬化するのを完全に防止す
ることができる。よって磁気鉄心3の外周面を無切削加
工とすることができるので、この分行程が減少し生産性
向上が図れる。さらに、樹脂7はガラス転移温度が15
0℃以上である樹脂であって、普通乗用車に適用した時
の雰囲気温度の上限である150℃と同じかこれより高
いことにより、使用時においても常に弾性的なゴム状態
を維持でき高荷重に耐えることができる。
分における有効な混合比は、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量比で1:2〜1.
4であり、このとき液体温度25℃における粘度が約5
〜20Pa・sec、液体温度100℃における粘度が約
0.08〜0.3Pa・secであった。ここで、熱硬化性
の樹脂7にさらにシリカ系揺変剤を添加することによ
り、液体温度100℃における粘度を向上させることが
できることが分かった。よって上記混合比、すなわちビ
スフェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂と
を重量比で1:2〜1.4に混合したエポキシ樹脂成分
を備えた樹脂7に、このシリカ系揺変剤を適量添加する
ことにより、液体温度100℃における粘度を例えば約
20Pa・secまで向上させれば、粘度特性上さらに好ま
しい熱硬化性樹脂を実現できる。この場合、液体温度1
00℃における粘度がさらに増加するので、滞留硬化時
における樹脂流出をさらに確実に抑制することができ
る。
ト2、整流子5、磁気鉄心3をあらかじめ150℃に加
熱した後に樹脂7を滴下塗布したが、必ずしもこのとき
に加熱する必要はなく、最終的に硬化する前に一度樹脂
7を150℃以上にすれば足りる。したがって、例えば
後に150℃以上の高温雰囲気中を通過させるのであれ
ば、あらかじめ加熱するときの温度は150℃未満であ
ってもよい。さらに、上記実施例においては、樹脂7を
充填させた後に回転シャフト2に固定された整流子5及
び磁気鉄心3を150℃以上の高温雰囲気中に通過させ
たが、これに限られず、何らかの手段で樹脂7を150
℃以上にすれば足り、この場合も同様の効果を得る。
説明する。本実施例は、第1の実施例の製造方法により
製造されたスタータモータの回転電機子の実施例であ
る。第1の実施例と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施例による回転電機子の構成を図5〜図7に示す。
図5は、回転電機子の一部を縦断面で示す側面図であ
り、図6は図5中VI−VI横断面図であり、図7は図5中
VII−VII横断面図である。図5〜図7において、本実施
例の回転電機子1は普通乗用車用のスタータモータ、す
なわち、回転数が8000r/min以上、約−40℃〜
150℃の雰囲気温度で使用可能であるスタータモータ
に取り付けられるものであり、複数のスロット溝3aが
外周に形成されこのスロット溝3a内に複数の巻線コイ
ル4が巻装された積層構造の磁気鉄心3と、巻線コイル
4と電気的に接続された導体部5aを外周に備えた整流
子5と、磁気鉄心3及び整流子5が固定され両端を回転
自在に支持された回転シャフト2と、巻線コイル4を機
械的に固定するため等に用いられた熱硬化性の樹脂7
と、磁気鉄心3の外周面と対向する位置に適正なエアギ
ャップを持って配置された界磁極8とを有する。
部5aとのすき間に充填され硬化されてこれら巻線コイ
ル4と整流子5とを固定した樹脂7(図5参照)と、巻
線コイル4どうし間のすき間に充填され硬化されてこれ
ら巻線コイル4どうしを固定した樹脂7(図6参照)
と、巻線コイル4とスロット溝3aとのすき間に充填さ
れ硬化されて巻線コイル4と固定鉄心3とを固定した樹
脂7(図7参照)とを備えている。
造の際に、第1の実施例と同様の効果、すなわち滴下塗
布時における作業性向上と、滞留効果時における流出抑
制の効果を得ることができる。
する粘度がきわめて小さくなるので、第1の手順で、磁
気鉄心、整流子、及び回転シャフトに熱硬化性液体樹脂
を滴下塗布する際の作業性を向上させることができる。
また滞留硬化時温度に対応する粘度がきわめて大きくな
るので、第2の手順で、充填された熱硬化性液体樹脂を
硬化温度以上に加熱して硬化させる際に、樹脂がたれて
流出するのを十分抑制することができる。よって巻線コ
イルと被固定物(例えば磁気鉄心)との固着強度を十分
確保することができるので、磁気鉄心の両端面から突き
でているエンドコイル部に従来技術のようなバインド部
材を用いる必要がなくなり、エンドコイル部外周は熱硬
化性液体樹脂のみが存在することとなる。すなわち、バ
インド部材を取り付ける行程が不要となるので生産性が
向上する。またこのとき1種類の樹脂を1つの行程で滴
下塗布するので生産性が悪化することはなくコストダウ
ンを図れ、さらに充填された樹脂をたれることなく滞留
したまま硬化させることができるので、硬化後における
磁気鉄心外周部の切削加工行程が少なくて済むかあるい
は省略でき、この意味で生産性を向上することもでき
る。
剤が添加されているので、液体温度100℃における粘
度をさらに増加させ、滞留硬化時における樹脂流出をさ
らに確実に抑制することができる。さらに、第1の手順
で充填された熱硬化性液体樹脂のうち漏洩して磁気鉄心
の外周面へと付着した微量の樹脂を、第2の手順の前に
拭き取って取り去る第3の手順をさらに有するので、第
2の手順で樹脂がたれ流出した状態で硬化するのを完全
に防止することができる。よって磁気鉄心の外周面を無
切削加工とすることができる。
方法で用いる熱硬化性樹脂の作用効果を説明するための
図である。
である。
する手順を示す図である。
直後の状態を示す図である。
を縦断面で示す側面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】複数のスロットが形成されこの複数のスロ
ット内に複数の巻線コイルを収納した磁気鉄心と、前記
複数の巻線コイルと電気的に接続された複数の導体部を
備えた整流子と、前記磁気鉄心及び前記整流子が固定さ
れた回転シャフトとを有し、回転数が8000r/mi
n以上でも使用可能でかつ約−40℃〜150℃の雰囲
気温度で使用可能であるよう構成されたスタータモータ
の回転電機子の製造方法であって、 前記磁気鉄心、前記整流子、及び前記 回転シャフトを予
め加熱して回転させながら、10℃〜35℃の雰囲気温
度中で、液体温度25℃における粘度が5Pa ・ sec以上
20Pa ・ sec以下であり、かつ液体温度100℃におけ
る粘度が0.08Pa ・ sec以上0.3Pa ・ sec以下であ
り、かつガラス転移温度が150℃以上である熱硬化性
液体樹脂を滴下塗布し、少なくとも前記巻線コイルと前
記スロットとのすき間に液体状態の前記熱硬化性液体樹
脂を充填する第1の手順と、 前記磁気鉄心、整流子及び回転シャフトを回転させつつ
前記充填された熱硬化性液体樹脂を該熱硬化性液体樹脂
の前記150℃以上のガラス転移温度以上に加熱して硬
化させ、少なくとも前記巻線コイルと前記磁気鉄心とを
前記硬化した熱硬化性液体樹脂で固定する第2の手順と
を備えることを特徴とするスタータモータの回転電機子
の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載のスタータモータの回転電機
子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを
重量比で1:2〜1:4の割合で混合したエポキシ樹脂
成分を含むことを特徴とするスタータモータの回転電機
子の製造方法。 - 【請求項3】請求項1記載のスタータモータの回転電機
子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを
重量比で1:3の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含
むことを特徴とするスタータモータの回転電機子の製造
方法。 - 【請求項4】請求項2又は3記載のスタータモータの回
転電機子の製造方法において、前記熱硬化性液体樹脂に
はシリカ系揺変剤が添加されていることを特徴とするス
タータモータの回転電機子の製造方法。 - 【請求項5】請求項1記載のスタータモータの回転電機
子の製造方法において、前記第1の手順は、前記巻線コ
イルと前記スロットとのすき間、前記複数の巻線コイル
相互間のすき間、及び前記巻線コイルと前記整流子との
すき間にそれぞれ前記熱硬化性液体樹脂を充填する手順
であり、前記第2の手順は、前記巻線コイルと前記磁気
鉄心、前記複数の巻線コイル相互、及び前記巻線コイル
と前記整流子とをそれぞれ固定する手順であることを特
徴とするスタータモータの製造方法。 - 【請求項6】請求項1記載のスタータモータの回転電機
子の製造方法において、前記第1の手順で充填された熱
硬化性液体樹脂のうち漏洩して前記磁気鉄心の外周面へ
と付着した微量の樹脂を、前記第2の手順の前に拭き取
って取り去る第3の手順をさらに有することを特徴とす
るスタータモータの回転電機子の製造方法。 - 【請求項7】複数のスロットが形成されこの複数のスロ
ット内に複数の巻線コイルを収納した磁気鉄心と、前記
複数の巻線コイルと電気的に接続された複数の導体部を
備えた整流子と、前記磁気鉄心及び前記整流子が固定さ
れた回転シャフトとを有し、回転数が8000r/mi
n以上でも使用可能でかつ約−40℃〜150℃の雰囲
気温度で使用可能であるよう構成されたスタータモータ
の回転電機子において、前記磁気鉄心、前記整流子、及び前記回転シャフトを予
め加熱して回転させながら、10℃〜35℃の雰囲気温
度中で、液体温度25℃における粘度が5Pa ・ sec以上
20Pa ・ sec以下であり、かつ液体温度100℃におけ
る粘度が0.08Pa ・ sec以上0.3Pa ・ sec以下であ
り、かつガラス転移温度が150℃以上である熱硬化性
液体樹脂を滴下塗布し、少なくとも前記巻線コイルと前
記スロットとのすき間に液体状態の前記熱硬化性液体樹
脂を充填した後、 前記磁気鉄心、整流子及び回転シャフトを回転させつつ
前記充填された熱硬化性液体樹脂を該熱硬化性液体樹脂
の前記150℃以上のガラス転移温度以上に加熱して硬
化させ、少なくとも前記巻線コイルと前記磁気鉄心とを
前記硬化した熱硬化性液体樹脂で固定した ことを特徴と
するスタータモータの回転電機子。 - 【請求項8】請求項7記載のスタータモータの回転電機
子において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量比で
1:2〜1:4の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含
むことを特徴とするスタータモータの回転電機子。 - 【請求項9】請求項7記載のスタータモータの回転電機
子において、前記熱硬化性液体樹脂は、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを重量比で
1:3の割合で混合したエポキシ樹脂成分を含むことを
特徴とするスタータモータの回転電機子。 - 【請求項10】請求項8又は9記載のスタータモータの
回転電機子において、前記熱硬化性液体樹脂にはシリカ
系揺変剤が添加されていることを特徴とするスタータモ
ータの回転電機子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26387094A JP3294953B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26387094A JP3294953B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08126268A JPH08126268A (ja) | 1996-05-17 |
JP3294953B2 true JP3294953B2 (ja) | 2002-06-24 |
Family
ID=17395392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26387094A Expired - Lifetime JP3294953B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | スタータモータの回転電機子の製造方法及びスタータモータの回転電機子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3294953B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6384152B2 (en) * | 1999-07-19 | 2002-05-07 | Siemens Westinghouse Power Corporation | Insulating resin of epoxy resin, epoxy diluent, phenolic accelerator and organotin catalyst |
CN1312830C (zh) * | 2003-04-28 | 2007-04-25 | 三菱电机株式会社 | 旋转电机的定子的制造方法 |
JP5734110B2 (ja) * | 2011-06-22 | 2015-06-10 | 三菱電機株式会社 | 回転電機用巻線体のワニス含浸処理方法およびその方法によって製作された回転電機用巻線体 |
-
1994
- 1994-10-27 JP JP26387094A patent/JP3294953B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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