JP3294866B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

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JP3294866B2
JP3294866B2 JP34201991A JP34201991A JP3294866B2 JP 3294866 B2 JP3294866 B2 JP 3294866B2 JP 34201991 A JP34201991 A JP 34201991A JP 34201991 A JP34201991 A JP 34201991A JP 3294866 B2 JP3294866 B2 JP 3294866B2
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行夫 上中
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動合焦機能(AF
機能)を有する装置、例えばAF(AUTOMATIC FOCUSIN
G)カメラの合焦用レンズを合焦位置まで正確に移動さ
せる装置に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年AF機能を備えたカ
メラが著しく増加しており、レンズ交換可能な一眼レフ
カメラにおいてもAF機能は不可欠のものとなりつつあ
る。一眼レフカメラにおいては、一般に位相差法による
AFが採用されている。位相差法によるAFは、次のよ
うな手順で行われる。まず、2つの受光部を有する検出
素子(CCD等)に被写体像が投射され、その光量が、
時間について積分される。次に、それぞれの受光部上の
2つの被写体像の位相差により、検出素子(フィルム等
価面)と、被写体と対向している撮影レンズによる結像
面との距離差およびその方向(デフォーカス量およびデ
フォーカス方向)が算出される。算出されたデフォーカ
ス量およびその方向からレンズを合焦位置に駆動するの
に必要なモータの駆動量が求められ、結像面がフィルム
等価面に一致するようレンズがその光軸に沿って駆動さ
れる。この時のモータに印加されるパルス数は次式によ
って求められる。 P=Kv ×D
【0003】ここで、Pはモータに印加される駆動パル
ス数であり、Dはデフォーカス量である。Kv はレンズ
移動量変換係数(Kバリュー)と呼ばれ、前記デフォー
カス量及び方向から、レンズを合焦位置に移動させるの
に必要なだけ、モータを駆動させるパルス数を計算する
ための係数で、レンズ固有の値である。
【0004】図30から図32は前記のように構成され
た、従来のAFシステムを説明する図であり、各図にお
ける被写体像位置とは、合焦用レンズの位置を基準とし
た被写体像の結像位置であり、ピント位置とは合焦用レ
ンズの位置を基準としたフィルム等価面の位置を示すも
のである。図30において、時刻t0 で測距を行った結
果、ピント位置と被写体像位置との距離差、即ち、デフ
ォーカス量がD0 であったとする。すると、このデフォ
ーカス量D0 を0にすべく、レンズが駆動される。被写
体が静止しているため、レンズ駆動の結果、ピント位置
と被写体像位置は一致する。この状態で時刻t1 におい
てレリーズONの割り込み処理を行い、レリーズタイム
ラグ、即ち、ミラー上昇や絞りの絞り込みの機械的駆動
に要する時間が経過した後の時刻t2 に実際に露光が開
始されたとすると、図30のように、露光開始時t2 に
おけるピント位置と被写体像位置は常に一致している。
【0005】ところが、被写体が動体(レンズ駆動方向
に動くもの)である場合には、積分および演算が行わ
れ、その結果に基づいて合焦のためにレンズを駆動して
いる間にも被写体は移動し続けるため、さらに積分・演
算・レンズ駆動の処理を繰り返すことが必要となる。
【0006】図31は、被写体が遠方から近方に等速度
で移動している場合を示すものであり、被写体像位置は
被写体が撮影レンズに近づくほど変化量が大きくなって
いる。この場合において、点での被写体像位置とピン
ト位置との距離差、即ちデフォーカス量がD1 だったと
する。このデフォーカス量D1 に対応する分だけレンズ
駆動をし、時間t1 経過後に点でデフォーカス量を求
めると、デフォーカス量D2 が得られたとする。同様に
してフォーカス量D2 に対応する量だけレンズ駆動を行
い、時間t2 経過後の次の点でデフォーカス量D3 が
求められる。ここで、点でデフォーカス量を求めたと
きのピント位置は点の被写体像位置に対応しており、
時間t1 の間にも被写体は移動しているため、被写体が
遠方から近方に等速度で移動している場合にはデフォー
カス量は、 D1 <D2 <D3 のように、測距する度に次第に増加してしまい、レンズ
駆動が被写体像の位置変化に十分に追従できなくなって
しまうという問題が生ずる。
【0007】これを解決するために、積分を開始してか
ら、演算処理後レンズ駆動が完了するまでの時間に被写
体が移動する距離を予測し、その分を加味してレンズを
駆動することにより、前記のような追従遅れの問題を解
決する方法が種々考えられている。このような場合、各
レンズ駆動処理後のピント位置が被写体像の位置と一致
するのが、前記方法の理想的な状態と考えられる。
【0008】しかし、合焦状態となるまでレンズを移動
しても、その時点で露出処理がなされなければ、被写体
は移動を継続しているので、すぐに合焦状態から外れて
しまう。つまり、被写界深度を考慮して合焦範囲に幅が
あるとしても、レンズ駆動が終了した時点で露出処理が
なされなければ、非合焦状態でレリーズ処理がなされる
ことになる。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような問題点を解決する
ためになされたものであり、いかなるタイミングにおい
ても合焦状態でレリーズできるように、合焦用レンズの
位置を補正できる自動焦点調節装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【発明の概要】この問題を解決する本発明の自動焦点調
節装置は、光軸方向に移動可能な合焦用レンズを有する
撮影レンズと、レリーズ割込みが発生したときにレリー
ズタイムラグ後に露光を開始する露光手段と、前記撮影
レンズによって形成される特定被写体の像に対するデフ
ォーカス量測定に必要な測距を略一定の間隔で繰り返す
測距手段と、該測距手段の測距結果に基づいてデフォー
カス量を算出し、複数回のデフォーカス量に基づいて前
記特定被写体の像が移動する光軸方向の相対移動方向と
移動速度を算出し、該相対移動方向および移動速度に基
づいて最新の測距から次の測距までの時間および前記レ
リーズタイムラグ間に前記特定被写体の像が移動するで
あろうデフォーカス量に相当するレンズ駆動量と、最新
のデフォーカス量に相当するレンズ駆動量とに基づいて
レンズ駆動量を算出する算出手段と、該算出手段が算出
したレンズ駆動量に基づいて前記合焦用レンズを駆動
し、前記測距手段が次の測距を開始する前に駆動を終了
させるレンズ駆動制御手段とを備え、前記レンズ駆動中
に前記レリーズ割込みが発生した場合、前記算出手段
は、最新の測距からレリーズ割込み発生時までの時間に
前記特定被写体の像が移動する量に対応するレンズ駆動
量から、既に駆動したレンズ駆動量を減算してレンズ駆
動量を算出し、該レンズ駆動量に基づいて前記レンズ駆
動手段が前記合焦用レンズを駆動することに特徴を有す
る。
【0011】
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例を
説明する。図1は本発明の自動焦点調節装置が実装され
るAFカメラの主要部分を表すブロック図である。AF
スイッチS1がONされて、CPU3のポートP71の
電位がLOWになると、AFシステムの動作が開始され
る。インターフェース2を介して、CCD等の検出素子
から成る測距センサ1で測距を行い、得られた測距デー
タがポート1を介してCPU3に入力され、CPU3で
は演算が行われて、デフォーカス量が算出される。次い
で、レンズ100内に実装されたレンズROM9に記憶
されているKバリューと、上記算出されたデフォーカス
量と、からレンズ駆動量を算出する。なお、デフォーカ
ス量が求まらなかった場合等、測距データが無効かどう
かのチェックを行い、データが無効の場合は、測距が正
しく行われなかった旨を表示する等のNG処理を行うよ
う構成される。このときは、再び測距を行う。次いで、
デフォーカス量が所定の合焦幅内にあるかどうかを判定
し、合焦幅内にあると判定すると、CPU3のポートP
74を介して、LED駆動回路10を制御し、合焦LE
Dを点灯する等の合焦処理を行い、レリーズ割り込みが
許可される。
【0013】なお、合焦幅内にないと判断されると、レ
リーズ割り込みが禁止され、レンズ駆動量をカウンタ6
にセットし、レンズ駆動回路4を制御してレンズ駆動を
開始する。レンズ駆動回路4により回転されるAFモー
タの回転数はエンコーダ5によってモニターされ、カウ
ンタ6をデクリメントしてカウンタ6の内容が0になる
と、AFモータの回転を停止しレンズ駆動を中止する。
【0014】レリーズONの割り込み処理はレリーズス
イッチSWRがONされると、CPU3のポートPort5
を経てレリーズ制御回路8により、ミラー上昇、露光お
よびミラー下降の一連のレリーズ制御処理が行われる。
【0015】自動合焦機能により合焦した時点でレリー
ズをONすると、現実には、レリーズON信号が読み込
まれた瞬間にシャッターが開かれるのではなく、レリー
ズON信号が読み込まれてから実際にシャッターが開い
て露光が開始されるまでには、絞りを、予め手動または
露出制御演算により設定された絞り値まで絞り込む絞込
み動作およびミラー上昇駆動に要する時間分だけ、時間
差がある(以下、この時間差を「レリーズタイムラグ」
と呼ぶ。)。静止状態にある被写体を撮影する場合に
は、このレリーズタイムラグの間に被写体とカメラの距
離は変わらないので、一旦合焦すれば、レリーズタイム
ラグの長短にかかわらず、もはやデフォーカスを生ずる
ことはなく、被写体に合焦した状態で実際の露光が行わ
れる。しかし、被写体が移動する場合には、このレリー
ズタイムラグの間に合焦位置から移動しているので、実
際の露光が行なわれるときにはデフォーカスを生じてい
る。
【0016】そこで本実施例においては、レリーズON
の割り込み後、実際に露光が開始される時点(即ち、レ
リーズタイムラグ経過後)に被写体像位置とピント位置
とを一致させるために次のような方法を取っている。
【0017】図2において実線は被写体像位置の移動を
示すものである。レリーズタイムラグ経過後にピント位
置が実線上に位置するようにレンズ駆動を制御すれば、
いつレリーズをONとしても合焦状態で露出が行われる
ことになる。図の破線で示されている曲線は、実際の被
写体像の移動を示す実線のグラフをレリーズタイムラグ
分だけ左へ平行移動したものである。ピント位置がこの
破線に追従するようにレンズ駆動をすれば、いつレリー
ズONしても常にレリーズタイムラグ分先回りしたピン
ト位置でレリーズ制御処理が開始することになり、レリ
ーズタイムラグ経過後に被写体像がピント位置に到着し
て合焦状態で露光が行われる。
【0018】図3は、本実施例のAFシステムのメイン
処理を表すフローチャートである。本実施例において
は、AF測距何回目であるかによって、その処理手順を
変えているため、まずステップS(以下「S」とする)
1においてAF測距回数を示すフラグA1Sをクリアす
る。S2では、インターフェース2を介して、CCD等
の検出素子から成る測距センサ1で測距を行い、受光光
量を時間について積分して、測距データを得る。その測
距データがポート1を介してCPU3に入力され、CP
U3では所定の演算が行われて、デフォーカス量が算出
される。S3では、撮影レンズ100内に実装されたレ
ンズROM9に記憶されているKバリューと、S2で算
出されたデフォーカス量とから前記式によってレンズ駆
動量(AFパルス数)を算出する。このレンズ駆動量は
カウンタ6にセットされる。そして、S4において動体
予測演算(後述)を行う。
【0019】次にS5では、デフォーカス量が求まらな
かった場合等、測距データが無効かどうかのチェックを
行い、データが無効の場合は、測距が正しく行われなか
った旨を表示、すなわち、合焦LEDを点滅させるNG
処理をS5−1で行った後、S2に戻って、再び測距を
行う。
【0020】S6では、デフォーカス量が所定の合焦幅
内にあるかどうかを判定し、合焦幅内にあると判定する
と、S7でCPU3のポートP74を介して、LED駆
動回路10を制御し合焦LEDを点灯する等の合焦処理
を行う。次のS8でレリーズONの割り込みが許可さ
れ、レリーズ動作が可能になる。
【0021】S9はいわゆるワンショットの場合の処理
で、一度合焦したら合焦処理をストップする場合の処理
である。
【0022】次にS10で補正ONかどうか、即ち追従
モードか否かを判定する。追従モードでない場合にはS
2に戻って、CCDの積分処理を再スタートする。
【0023】追従モードの場合には、S11で被写体が
レンズ100(カメラ)に近付く方向に動いているか、
あるいはレンズ100(カメラ)から遠ざかる方向に動
いているかをフラグFFNの内容で判定し、カメラから
遠ざかる方向に動いているときにはS2に戻る。ここで
は被写体がレンズから遠ざかる方向に動いている場合を
FFN=1で示している。S10で追従モード(補正オ
ン)と判定され、S11で被写体がカメラに近付く方向
に動いていると判定された時には、S12で、今回のレ
ンズ駆動パルス数(AFP)が0か否かを判定する。も
しも、レンズ駆動パルス数が0であればステップ2に戻
るが、0でなければレンズ駆動フラグBFM=1とす
る。これはレンズ駆動されたかどうかを示すフラグであ
る。
【0024】S6で合焦幅内にないとされた場合(即ち
デフォーカス量が所定の合焦幅内に収まっていない場
合)には、S6−1においてレリーズ動作を禁止する処
置をした後、補正ONモードかどうか、即ち追従モード
か否かをS6−2で判定し、追従モード(補正ON)で
あればS12でレンズ駆動パルス数AFPが0かどうか
を判定する。AFP=0であればレンズ駆動は行わない
ので、S2の測距処理に戻る。
【0025】AFP=0でなく、レンズ駆動が行われる
場合、及びS6−2で追従モードでないと判断された場
合には、上述のようにS13でレンズ駆動フラグBFM
=1とセットする。そして、S14以降のレンズ駆動処
理を行う。
【0026】このレンズ駆動処理においては、まずS1
4においてレンズ駆動量をカウンタ6にセットし、レン
ズ駆動回路4を制御してレンズ駆動を開始する。なお、
レンズ駆動回路4により回転されるAFモータの回転数
はエンコーダ5によってモニターされ、カウンタ6をデ
クリメントしてカウンタ6の内容が0になった場合にA
Fモータの回転は停止し、レンズ駆動は中止される。
【0027】このようにS14でレンズ駆動を開始した
後、S15において、レンズ駆動中に合焦用レンズがそ
の駆動範囲の端点まで駆動された場合の割り込み処理を
許可する。この割り込み処理については後述する。
【0028】S16では、カウンタ6の値がちょうど0
の位置、即ち合焦位置でレンズが精度良く停止するよう
に、レンズ駆動終了直前においてレンズ駆動スピードが
段階的に遅くなるようにAFモータを制御する、モータ
のPWM(Pulse Width Modulation )制御が必要にな
ったかどうかが合焦までの残りパルス数から判定され、
未だ必要でないとき、即ち、レンズ駆動途中のときに
は、S17で補正ONであるかどうかが判定される。そ
して補正ONでないときには、S18でオーバーラップ
処理、即ち、レンズ駆動中に更に測距、演算等を行い、
カウンタ6の値を更新する処理を行い、S16の判定、
即ちAFモータのPWM制御が必要になったかどうかの
判定を繰り返す。但し、S17において補正ONの場合
には、オーバーラップ処理することなくS16に戻る。
なお、この補正ONとオーバーラップ処理との関連につ
いては後述する。
【0029】S16でPWM制御が必要になった場合、
即ち、レンズ駆動終了直前には、S16−1でPWM制
御を行い、S16−2で駆動終了か否かが判定される。
【0030】レンズ駆動が完了すると、S16−3で端
点検出時の割り込み処理を禁止し、S2に戻って引続き
測距処理を行う。
【0031】以下に、本実施例における補正ONのとき
の追従モードについて説明する。まず、通常の後追い追
従合焦からレリーズタイムラグ分先回りする先回り追従
モードに入る時点でのアルゴリズムを説明する。
【0032】図4において、点で得られたモータ駆動
パルス数をA1 とする。像面デフォーカス量はそれにK
バリューを掛けることにより、合焦位置まで合焦用レン
ズを駆動するためにモータに印加されるパルス数に変換
できるので、以後の説明ではデフォーカス量を解消する
ためにモータに印加するパルス数を単に「パルス数」あ
るいはレンズ駆動量と呼ぶことにする。この後、モータ
にパルスA1 が印加されレンズ駆動されて、時間t1 経
過後には点でのパルス数A2 が求められたとする。
点から点までの間の被写体像の移動量はパルス数に変
換するとA2 になる。従って、この点と点の二点間
での被写体像移動速度OBJspは、 OBJsp=A2 /t1 となる。ここで、点の被写体像位置を基準にした点
から時間t2 経過後の点での被写体像位置は、被写体
像速度が一定と仮定すれば、 A2 +t2 ×OBJsp で表される。時間t2 間の被写体移動量をP2 とし、 P2 =t2 ×OBJsp と置き換えれば、駆動量は、A2 +P2 と計算される。
即ち、点においてA2+P2 だけモータを駆動した点
が、時間t2 経過後の被写体像位置と一致することにな
る。
【0033】なお、このP2 はレンズ駆動量を計算する
時点で予め算出しておかなければならない。ここで測距
データを得てからの、レンズ駆動量の演算に要する時間
は常に一定であり、駆動時間も含めた時間は毎回大差な
いものと考えてよい。そこで、今回の演算時間と駆動時
間、即ち、時間t2 は前回の演算時間及び駆動時間、即
ち時間t1 と同じであると仮定して、時間t1 を実測す
ることにより時間t2を求め、P2 を計算する。
【0034】以上のように点においてA2 +P2 だけ
モータを駆動してピント位置と被写体像位置とを一致さ
せて、その時点でレリーズONを割り込ませても、実際
に露光が開始されるのはレリーズタイムラグ経過後なの
で、その間の被写体像の移動量だけ更にピント位置を先
回りさせるべく、合焦用レンズを移動させる必要があ
る。
【0035】レリーズタイムラグをRLtとすると、ピン
ト位置を被写体像位置からさらにレリーズタイムラグ分
先回りさせるために必要な先回りパルス数TXP2 は、 TXP2 =RLt×OBJsp で求められ、そのパルス数分モータ駆動すれば良いこと
になる。なお、レリーズタイムラグRLtは図4上では各
期間からにおいて、レンズ駆動終了時点から、露光
開始までのことである。ここで図6に示されるように、
デフォーカス量を測定するため、時間間隔Tint の間積
分を行い、その積分値を基に各データを得ているわけで
あるが、実際のデフォーカス量が得られる位置は積分開
始時の位置ではなく、それよりTint /2だけ経過した
時点(即ち積分時間の中点)Pi での測距値と考えるこ
とが出来る。従って、上記レリーズタイムラグRLtはこ
の分の補正を加えて、 RLt−Tint /2 として演算を行うように構成すれば、より精密な追従が
可能となる。従って、上記TXP2 の算出式は、 TXP2 =(RLt−Tint /2)×OBJsp と、補正を加えておく。以上により、点に於けるレン
ズ駆動量AFP2 を、 AFP2 =A2 +P2 +Txp2 とすることにより、デフォーカス量に被写体像移動量分
の補正を加えるだけのいわゆる後追い追従から、レリー
ズタイムラグを見込んでレンズ駆動する先回り追従に入
ることになる。点から時間t2 経過した点で実際に求
められる駆動パルス数A3 が上記Txp2 と一致していれ
ば、レリーズタイムラグ分先回りしたことになる。な
お、実際には、被写体像の移動速度は一定ではないの
で、常にA3 =Txp2 になるとは限らない。
【0036】次に、図5において、積分・演算の結果
点でパルス数A3が得られたとする。すると、図から、
点に対応する被写体像位置と点に対応する被写体像
位置の差(被写体像の移動量)は、上述のように点か
ら点までの時間はt2 と同一であると考え、被写体像
の移動が直線的であると仮定すると、点から点に対
応する被写体像位置までの移動量と等しくなると考えら
れるので、点に対応する位置から点に対応する位置
までの被写体移動量P3 は、 P3 =P2 +Txp2 −A3 として求められる。従って、点から点に至るレンズ
駆動量AFP3 は、 AFP3 =P3 +Txp3 −A3 となる。
【0037】同様な考え方で、先回り追従中の被写体像
移動量及びレンズ駆動量を求める一般式として次の式が
得られる。 Pn =Pn-1 +(Txpn-1 −An ) Txpn =f(Pn ) AFPn =Txpn +Pn −An ここで、Txpn は被写体像移動量Pn の関数f(Pn )
として求められる。Txpは原理的には、 Txp=( Pn /t)×RLt で求められる。しかしながら、前述のように、図6に示
されるように、デフォーカス量を測定するために時間間
隔Tint の間積分を行い、その積分値を基に各データを
得ているので、実際のデフォーカス量が得られる位置は
積分開始時の位置ではなく、それよりTint /2だけ経
過した時点(即ち積分時間の中点)Pi での測距値と考
えることが出来る。従って、上記レリーズタイムラグR
Ltはこの分の補正を加えて、 RLt−Tint /2 として演算を行うように構成すれば、より精密な追従が
可能となる。従って、上記Txpは、 Txp=(Pn /t )×(RLt−Tint /2) と表すことができる。
【0038】また、Txpは測距データから求められるも
のであり、測距データのばらつきが大きく影響するた
め、本実施例においては直前の4回のデータを次式によ
り平均化して用いている。 Txpn =(Txp+Txpn-1 +Txpn-2 +Txpn-3 )/4 なお、過去にデータが無いものについては0を代入して
計算を行っている。
【0039】図7は図3のS4で行う動体予測演算のサ
ブルーチンのフローチャートである。S201で測距デ
ータのチェックを行っており、測距データがOKでない
場合には、S226で測距回数カウント用のフラグA1
Sを一回目を示す0にセットして、メイン処理に戻る。
このような場合の生じる例としては、例えば非常にコン
トラストの弱い被写体や、デフォーカス量が非常に大き
くて測距データが得られない場合などがある。また、前
述のようなAFワンショットモードに設定した場合、即
ち、一度合焦したら、合焦処理をストップする制御を行
う場合には、一度合焦しても被写体に追従して合焦処理
を続ける追従モードにする必要はないので、S201−
1の判断でAFワンショトモードであるとされた場合に
は、そのままメイン処理に戻る。AFワンショットでな
い場合で、AFモードとなってから初めて処理がこのル
ーチンに来て、S201で測距データがOKと判断され
たときには、S202でA1S=0であると判断され、
S224、S225を経てS218へと処理が移りメイ
ン処理に戻る。この時、S224において、測距回数カ
ウント用のフラグA1Sが1回目を示す0から2回目以
降であることを示す1にセットされて、以降はA1S=
1により処理が2回目以上であることを示すとともに、
測距の時間間隔を測定するためのタイマー7がスタート
され、計算用の各データがS225において初期化され
る。
【0040】測距回数が2回目以上になると、S202
からS203と進み、S203において前回の測距との
時間間隔tをタイマー7により計測する。S204で
は、補正ON、すなわち追従モードに入っているか否か
を判定するが、初期状態では補正OFF、即ち追従モー
ドに入っていないのでS205に進む。S205からS
211のルーチンでは、被写体像を動体として扱うかど
うかを判定する。S205では今回と前回のデフォーカ
ス方向を比較し、もしも、異なっているなら、被写体像
は移動方向を変えたと考えられ、動体として扱うかの判
定は行わず、S225で計算用データをクリアし、S2
18を通ってメイン処理に戻る。デフォーカス方向が同
じであれば、同一方向に移動しているとみなすことがで
きるので、S206へ進む。S206では前回の測距で
レンズ駆動をしたかどうかがフラグBFMにより判断さ
れる。前回の測距でレンズ駆動をした場合、即ちBFM
=1の場合にはS209に進み、今回の被写体像移動量
XX=Anとし、前回レンズ駆動をしなかった場合、即
ちBFM=0の場合には、S207に進んで前回のデフ
ォーカス量Anー1 と今回のデフォーカス量Anとを比較
し、被写体像がピント位置に近づいているのかどうかが
判断される。被写体像がピント位置に近づいている場合
には、追従モードにならなくともいづれ合焦状態になる
のでS218を経てメイン処理に戻る。
【0041】一方、S207において、被写体像がピン
ト位置から離れていくとされた場合及び、等距離にある
とされた場合には、S208において、今回のデフォー
カス量An から前回のデフォーカス量An-1 を引いて、
今回の被写体像移動量XX=An −An-1 として、S2
10において、S203において得られたtから、測距
から測距までの一周期の間での被写体像スピードOBJ
SP、即ち、XX/(Kvalue ×t)を求めると共にこれ
が所定値より大きいかどうかを判定する。ここで所定値
は、例えば、式、合焦幅/(t + RLt)で表される測距
から測距までの周期tに、レリーズタイムラグRLt を加
えた時間内に被写体像が移動する量が合焦幅と一致する
スピードである。即ち、被写体像スピードOBJSPがこ
の値より小さい場合には、今回の測距に基づいてレンズ
駆動をしてからレリーズONの割り込み処理をすれば、
移動する被写体像が、レリーズタイムラグ経過後の露出
開始時にも合焦幅内にあるということであり、特に動体
追従する必要はないのである。但し、確実に動体と判別
するために、上記所定値にマージンを持たせて、より小
さい値に設定してもよい。また、多少判断がラフになる
が、所定値を、レリーズタイムラグ間に被写体が移動す
る量が合焦幅と一致するスピードとしてもよい。
【0042】以上により、被写体スピードOBJSPが所
定値より小さいとされたときには、処理はS225に移
り、計算用データをクリアした後、S218を通過して
メイン処理に戻る。反対に被写体像スピードOBJSPが
所定値より大きい場合には、S211において、上記ス
ピードに関する判定がなされたのが初めてであるのか否
かが判定され、初めての場合にはS218を通ってメイ
ン処理に戻る。そして、2回以上の測距演算において被
写体像スピードOBJSPが所定値より大きいと判定され
ると、初めて補正ONとなり、本件の動体追従のアルゴ
リズムによるレンズ駆動が行われることになる。S21
2、S213において各々補正ON、フラグC10=0
(補正ONになって1回目であることを示す。2回目以
降はC10=1と設定する。S214においては、今回
のデフォーカス方向を判定し、それにより被写体像の移
動方向を判定する。即ち、デフォーカス方向が後ピン
(+)の場合には、被写体がカメラに近づくように移動
していると判定し、S222において先回り追従の処理
に入る。
【0043】一方、デフォーカス方向が前ピン(−)の
場合には、被写体の移動方向はカメラから遠ざかる方向
であると判断され、S223において後追い追従の処理
に入る。また、S215においては、被写体とカメラと
の相対位置関係を示すフラグFFNを0にセットし、被
写体がカメラに近づくように移動していることを示すこ
ととなる。また、S216においてはフラグFFNを1
にセットし、被写体がカメラから離れるように移動して
いることを示すこととなる。その後、S218を経てメ
イン処理に戻る。
【0044】補正ONとなった後に処理がこのルーチン
にきたときには、S204でS219へ処理が移り、被
写体の移動方向に応じて、被写体がカメラに近づく方向
に移動している場合には、S220の処理を行い、S2
17において、合焦用のデフォーカス量を図23のルー
チンにより再計算し、被写体がカメラから遠ざかる方向
に移動している場合には、S221の処理を行い、S2
18を通ってメイン処理に戻る。
【0045】S218においては、次回の計算の為に、
An をAn-1 とし、また、AFPnをAFPn-1 とし
て、各データを格納すると共に、フラグBFMを0に設
定し直す。
【0046】図8は、図7のS222の、追従モードか
ら先回りモードに移る場合のサブルーチンである。XX
は被写体移動量(パルス数)であり、これを今回の計算
で使用するためPn にセットする(S261)。上述の
様に被写体移動量Pn の関数としてレリーズタイムラグ
分の駆動量を算出し(S262)、S263で今回のレ
ンズ駆動量(後追い追従から先回り追従に入るための駆
動量)AFPを計算する。詳しくは、基本計算の説明で
既に述べた通りである。
【0047】補正ONとなってから2回目以降の動体予
測演算においては、図7のS215、S216でセット
されたFFNの値を基に、被写体の移動方向により異な
る処理を行っている。図9はそのうち、被写体が遠方よ
りカメラに近付いて来る場合のS220の処理を示して
いる。
【0048】補正ON後初めてこのルーチンを通るとき
には、S301でフラグC10が0と判定され、被写体
の動きを越えて先回り追従に入ったかどうかがS303
で判断される。今回と前回のデフォーカス方向が異なっ
ていれば先回り追従に入ったと判断され、S304でフ
ラグC10=1とセットされ、処理はS305に移る。
前回と今回のデフォーカス方向が同じであれば、後追い
追従のままであると判断され、処理はS323に移る。
補正ON後先回り追従に入って2回目以降にこのルーチ
ンに入ってきた場合には、S301でフラグC10=0
でないと判断され、S302で前回と今回のデフォーカ
ス方向が同じかどうかが判断される。この場合、前回の
処理では既に先回り追従の状態にあるので、もしも前回
と今回のデフォーカス方向が異なると、先回り追従から
後追い追従に変わったことになり、処理はS323に移
る。今回と前回のデフォーカス方向が同じであれば、そ
のまま先回り追従を続けていることになり、処理はS3
05に移る。
【0049】S305で今回の測距によるデフォーカス
量An と、前回のレリーズタイムラグ分に対応するレン
ズ駆動量Txpn-1 とを比較する。これは、前述のよう
に、被写体像の移動スピードが一定であると仮定してP
n を計算していることによって生じる誤差を補正するた
めの処置である。An >Txpn-1 であれば、実際の被写
体像の移動量がPnより小さかった場合であり、前回の
レンズ駆動量が大きすぎたと判断され、先回り量が大き
すぎる場合の処理に移る(S314以降)。また、S3
05での判断がNOであれば、実際の被写体像の移動量
がPn と同じか大きかった場合であり、前回のレンズ駆
動量が不十分または適量であった場合の処理となる。次
のS306及びS314におけるBOVというフラグ
は、前ステップ(S305)の判定結果が前回はどうで
あったかを示すフラグで、BOV=1の場合が先回りし
過ぎ、BOV=0の場合は先回り不十分または適量であ
ったことを示しており、最初にこのルーチンに来たとき
には、必ずBOV=0として処理される。
【0050】S307は、図5に示される、今回および
前回ともにAn >Txpn-1 ではなかった場合の計算を示
し、同図についてすでに説明した通りの計算を行う。S
310は、図10に示される前回An >Txpn-1 であ
り、かつ今回はそうではなかった場合の計算式を示して
いる。図10において補正量(被写体像移動量)P2
は、P2 =|A2 −A1 |であり、Txp2 =f(P2
)、駆動量AFPは、AFP=Txp2 +(P2 −A2
)である。以上をまとめると次のようになる。 Pn =|An −An-1 | Txpn =f(Pn ) AFP=Txpn +Pn −An
【0051】上記S307、S310の処理を行った何
れの場合もその後のS308またはS311でAFP<
0かどうかを見て、AFP<0の場合にはS312に移
行しPn =0、AFP=0としてレンズ駆動は行わない
(逆方向のレンズ駆動は行わない)。何れの場合もその
後のS309またはS313で今回の演算値に基づい
て、BOVを再セットする。
【0052】今回An >Txpn-1 であった場合にはS3
14以下のループに処理が移る。この場合An がTxpn-
1 より大きいので、レリーズタイムラグ以上先回りした
状態となっておりレンズ駆動は行わないため、何れの処
理においても補正量Pn および駆動量AFPをともに0
にセットし、次回の計算に用いるため、Txpの計算のみ
行う。S314ではS306と同様の場合分けを行う。
【0053】S315は図11、図12に示される、前
回、An >Txpn-1 でなかったが、今回はAn >Txpn-
1 であった場合の計算で、補正量P2 は、 P2 =|P1 −(A2 −Txp1 )| で表される。従って、Txp2 =f(P2 )となり、まと
めると、 Pn =|Pn-1 −(An −Txpn-1 )| Txpn =f(Pn ) Pn =0 AFP=0 となる。
【0054】S317以下は今回前回ともAn >Txpn-
1 だった場合の処理を示している。S317では、An
がTxpn-1 をオーバーした量が、図3のS6における合
焦の判断に用いられる所定の合焦幅内にあるかどうか、
即ち、レリーズタイムラグ経過後の被写体像の位置がピ
ント位置から合焦幅内に入るかどうかを判定するため、
合焦幅分のパルス数をTxpに加えたものとAn を比較す
る。
【0055】次のS318は、An がTxpn-1 をオーバ
ーした量の方が小さくなる場合、すなわちレリーズタイ
ムラグ経過後の被写体像の位置が合焦幅内になる場合
で、図13に示される場合の計算である。同図から、P
2 =|A2 −A1 |となり、従って、Txp2 =f(P2
)となる。まとめると、 Pn =|An −An-1 | Txpn =f(Pn ) Pn =0 AFP=0 となる。
【0056】S317でAn がTxpn-1 をオーバーした
量が合焦幅内にないと判定された場合には、処理はS3
19に移る。S319ではAn がTxpn-1 をオーバーし
た量が所定の合焦幅内に入らない状態が3回以上続いた
と判断された場合には、被写体像位置がピント位置から
大きく外れた場合か、被写体像移動方向または移動速度
が大きく変わった場合と判断し、被写体像が合焦幅内に
入ってくる可能性が低いとして追従モードを中止するた
め、S322で補正OFFとし、計算データは全てクリ
アされる。そして、今回のデータをAF1回目のデータ
として動体予測演算をやりなおすことになる。S320
は、図14に示される場合の計算で、内容はS318と
同様である。
【0057】S302あるいはS303で、今回先回り
追従していないと判断された場合には、S323で前回
An >Txpn-1 であったかどうかが、フラグBOVによ
り判断される。S323で前回An >Txpn-1 であった
と判定された場合には、処理はS324に移る。これ
は、前回先回り追従していて今回ピント位置が被写体像
より後になった図15に示される場合である。この時の
補正量P2 は、P2 =A2 +A1 で表される。従って、
Txp2 =f(P2 )となり、駆動量AFPは、AFP=
Txp2 +P2 +A2 となる。以上をまとめると、 Pn =An +An-1 Txpn =f(Pn ) AFP=Txpn +Pn +An となる。
【0058】S323で前回An >Txpn-1 でないと判
定されたときには処理はS327に移る。図16はこの
うち、後追い追従から先回り追従に入るときの処理を行
ったが、先回り出来なかった場合であり、図17は先回
り追従中に先回りできなくなった場合を示している。何
れの場合にも補正量P2 は、P2 =Txp1 +P1 +A2
となる。従って、Txp2 =f(P2 )となり、駆動量A
FPは、AFP=Txp2 +P2 +A2 となる(S32
7)。以上をまとめると、 Pn =Txpn-1 +Pn-1 +An Txpn =f(Pn ) AFP=Txpn +Pn +An となる。
【0059】S324またはS327の計算を行った後
は、S325において、フラグC10=0とセットし
て、次回の測距では今回の演算を補正後初めての演算と
して取り扱う。また、S326においては、フラグBO
V=0にセットする。
【0060】図7において、S221、S223は何れ
も被写体が近くから遠くへと移動している場合である。
被写体が等速度でカメラから離れる方向に移動する場合
には、被写体像スピードが次第に遅くなっていくため、
レンズ駆動量はそれにつれて少なくなっていく。もし
も、この場合に被写体がカメラに近づいている場合と同
様にレリーズタイムラグ分先回りして補正を行うと、オ
ーバー補正になってしまう可能性が高い。オーバー補正
になった場合、いわゆる後ピンとなってしまうが、写真
の出来上りを考慮した場合、これはあまり好ましくな
い。従って、被写体がカメラから離れる方向に移動する
場合には、レリーズタイムラグ分先回りしない後追い追
従を基本としている。
【0061】図18はカメラから遠ざかる方向に移動し
ている被写体の被写体像位置とレンズ駆動パルスの関係
を表したグラフである。図18において、点で得られ
たモータ駆動パルス数をA1 とする。この後、モータに
パルスA1 が印加されレンズ駆動されて、時間t1 経過
後には点でのパルス数A2 が求められたとする。か
ら点までの間の被写体像の移動量はパルス数に変換す
るとA2 になる。従って、この点と点の二点間での
被写体像移動速度OBJspは、 OBJsp=A2 /t1 となる。ここで、点の被写体像位置を基準にした点
から時間t2 経過後の点での被写体像位置は、被写体
像速度が一定と仮定すれば、 A2 +t2 ×OBJsp で表される。ここで時間t2 は先回り追従のところで説
明したように、t1 と同一であると考えられるので、t
2 間の被写体像移動量はA2 と同一であると考えられ
る。そこで駆動量は、2×A2 であると計算される。即
ち、点において2×A2 だけモータを駆動した点が、
時間t2 経過後の被写体像位置と一致することになる。
この場合、レンズ駆動終了後にレリーズONを割り込ま
せてレリーズタイムラグ経過後に露光を開始しても、そ
の時点でピント位置は被写体像位置の前にあり、後ピン
状態ではないのでTXP計算はしないで、後追い追従を行
う。このように点で得られたデフォーカス量A2 に基
づいて、2×A2 だけレンズ駆動した結果、点でA3
のデフォーカス量が得られたとすると、次の駆動量は、
先回り追従におけるような補正を行わず、前回の駆動と
同様に単にA3 ×2とするにとどめている。即ち、後追
い追従中のレンズ駆動量を求める一般式として、次式が
得られる。 レンズ駆動量AFP=2×An (ただし、t1 =t2 であり、前回レンズ駆動したとす
る。)
【0062】図19、図20はそれぞれ図7のS22
3、S221のサブルーチンを表している。
【0063】図19では、S271において被写体像の
移動量(パルス数)XXとデフォーカス量(パルス数)
を加えたものをレンズ駆動量としている。この被写体像
の移動量XXは図7のS206〜S209で、前回のレ
ンズ駆動の有無により計算されたもので、前回レンズ駆
動されている場合でXX=An 、前回駆動されていない
場合にはXX=An −An-1 となっており、図19のS
271で計算されるレンズ駆動量AFPは2×An を越
えることはない。
【0064】図20では、S272において、今回のデ
フォーカス方向のチェックを行っている。これは、被写
体が遠ざかる場合でありながら、レンズ駆動後のデフォ
ーカス方向が正、即ち、後ピンの場合にはオーバー補正
をしていることになるため、これを避ける為のチェック
を行っているものである。オーバー補正の場合にはS2
77で補正OFFとし、計算データをクリアして今回の
データをAFの1回目のデータとして再計算することに
なる。オーバー補正かどうかのチェックをパスすると次
のS273〜S275において、図7のS206〜20
9の場合と同様に、前回のレンズ駆動の有無により被写
体移動量を計算し、S276においてレンズ駆動量AF
Pをセットする。これは図19の場合と同様である。
【0065】ここで、図3のS6の合焦の判定について
説明する。この判断は、S2により得たデフォーカス量
が前述の所定の合焦幅内にあるか否かにより判定され
る。但し、先回り追従モードの場合は常にレリーズタイ
ムラグ分先回りするよう制御しているので、レリーズタ
イムラグ経過後には合焦可能な状態であっても測距時に
デフォーカス量が合焦範囲にあるとは限らない。また、
測距時に合焦範囲にあったとしても、レリーズタイムラ
グ経過後に合焦範囲内にあるとは限らない。従って、得
られたデフォーカス量そのものからは、合焦可能な状態
であっても合焦検出ができないことになる。そこで、図
7のS217において、合焦チェック用デフォーカス量
を計算しているのである。このS217の再計算につい
て、図23により説明する。まず、S51では前回のA
F処理におけるレリーズタイムラグ分の移動量Txpnー1
をパルス数から像面デフォーカス量DDに変換する。次
に、S52で今回の測距によって求められたデフォーカ
ス量Defocus にその正負にかかわらず、像面デフォーカ
ス量DDを加えることにより、合焦チェック用デフォー
カス量とする。なお、後追い追従の場合には、レリーズ
タイムラグ分余計にレンズを駆動していないので、この
ような合焦チェック用デフォーカス量の計算は行われな
い。
【0066】以上の動作により、被写体がカメラに近づ
く方向に移動している場合にはレリーズタイムラグ分先
回りしてレンズを駆動しているので、いつレリーズON
としても大きく後ピンとなることはなく、いつもピント
の合った状態で撮影が出来る。また、被写体がカメラか
ら遠ざかる方向に移動している場合には、後追い追従す
るアルゴリズムとなっているため、オーバー補正して後
ピンになることなく、ピントの合った写真撮影が可能と
なる。
【0067】なお、測距において、積分時間を短く取れ
ば、測距データのサンプリング間隔も短くすることがで
き、被写体に追従し易くなるので、積分時間に制限を設
けてもよい。図21は、積分時間に制限を設ける場合の
フローチャートである。通常は、積分時間の最大値Tin
tMAX=通常最大積分時間NORMAX、としているが、補正O
N時には図21のように、通常最大積分時間NORMAXより
小さい値の、補正ON時最大積分時間CONMAXを積分時間の
最大値として用いることにより、通常より短い積分時間
で測距を行うことが出来る。
【0068】また、前述のように、追従時にはレンズが
端点まで駆動されてしまう場合も考えられる。レンズ駆
動時には、図3のS15で端点検出回路11(図1)を
リセットし、INT2割り込みを許可する。端点検出回路1
1はある一定時間エンコーダからパルスが入らなかった
場合、CPU3のINT2の割り込みを発生させる。即ち、
レンズ駆動中にレンズが端点まで駆動された場合、エン
コーダ5からのパルスが出なくなるため、端点検出回路
11がONとなり、INT2割り込みが発生する。図22は
この割り込み処理のフローチャートである。割り込みが
発生すると、レンズ駆動は中止され、以後の端点検出割
り込みを禁止した後、補正OFFとなる(S501−5
03)。
【0069】割り込みが発生せず、レンズ駆動が終了し
た場合には、図3のS16−3で、INT2割り込みを禁止
する。
【0070】図24は図3のS7に示される、合焦処理
の一例を表すサブルーチンであり、図1のLED駆動回
路10におより合焦LEDを点灯させることにより、操
作者にカメラが合焦状態にあることを知らせるものであ
る。この合焦LEDはカメラのファインダ内に設けるこ
とが好適である。ここではC10=1以外の場合は、単
に合焦表示を行ってリターンする。
【0071】また、C10=1の時、即ち先回り追従と
なっているときには、 MAX AFPspeed /Kvalue ≧OBJSP(mm/s) MAX AFPspeed :駆動可能最高速度(パルス/s) OBJSP:被写体像速度(mm/s) である場合には常に合焦表示を行う。言い替えれば、先
回り追従中、合焦表示している時は常にピントの合った
写真を撮ることができることを確認できるようになって
いる(フローチャートにおける、MAXS=MAX AFP
speed /Kvalue、OBJ=OBJSP)。
【0072】被写体スピードが追従限界スピードを越え
た場合、即ち、 MAX AFPspeed /Kvalue <OBJSP(mm/s) が成立するときには、レリーズタイムラグ分先回りは出
来ず、レリーズしてもピントの合った写真は撮影できな
いので、この場合には合焦表示をしないようにしてい
る。
【0073】また、先回り追従モードの場合には、レリ
ーズタイムラグ分先回りするので、予めAFスイッチS
1のみONして合焦状態とした後、レンズ駆動が終了し
た時点でレリーズスイッチSWRをONすれば、必ず露
光開始時には被写体像位置とピント位置とが一致する。
しかし、それ以外のタイミングでレリーズスイッチをO
Nした場合や、予め、レリーズスイッチSWRをAFス
イッチSW1と同時にONし、レンズ駆動後所定の処理
時間経過後にレリーズONの割り込みが許可された場合
には、予め想定したレリーズタイムラグの起点と実際の
レリーズONの割り込みタイミングは一致しない。ま
た、後追い追従の場合には、レリーズタイムラグは考慮
していない。従って、これらの場合には、露光開始時に
被写体像位置とピント位置とが一致するとは限らない。
そのため、レリーズタイムラグ間にも更に可能な量だけ
レンズ駆動するように構成すれば、更に精密に合焦させ
ることができる。また、先回り追従モードで続けて何枚
か撮影を行うような場合、露光終了後、ミラー下降・フ
ィルム巻き上げまで完了してからAFを再スタートして
いたのでは追従能力を上げることができない。ミラー下
降後には測距可能になることから、ミラー下降後直ちに
測距を開始し、巻き上げが完了したか否かに拘らず上記
測距データによる駆動パルス数と、レリーズ前に得られ
ていた測距による駆動パルス数とを加算した分をレンズ
駆動することにより、追従能力を高めることができる。
【0074】図25は、これらの場合も考慮したレリー
ズ割り込み処理のフローチャートであり、図26、27
このフローチャートにより制御されるレンズ駆動の状
態を示す図である。図26はレンズ停止時にレリーズO
Nの割り込みが生じた状態を示し、図27はレンズ駆動
時にレリーズONの割り込みが生じた状態を示すもので
ある。図3のS8でレリーズON割り込みが許可され、
レリーズスイッチSWRによるレリーズON信号が割り
込むことにより、この処理が開始される。まず、S60
1において、ミラーアップ、レンズ絞りの制御を行い、
S602において、補正ONか否かが判定される。補正
OFFの時は、S602を経てS603〜S605の通
常のレリーズ制御を行う。即ち、S603でシャッタを
制御し、S604でミラー下降完了するのを待って、S
605で巻き上げを行い、割り込み処理を終了する。一
方、補正ONの時は、S607でレンズ駆動中であるか
否かを判定し、その結果に基づいて、S608または、
S609でレンズ駆動量AFPを再セットする。レンズ
駆動中で無い場合(レンズ駆動終了後の場合)は、S6
08において、図26に示される、前回(直前)のレン
ズ駆動終了時からの経過時間ttにより、直前のレンズ駆
動終了時からの被写体像の移動量を、式、 OBJSP×KVALUE × tt により計算し、その値を新たにAFPにセットする。レ
ンズ駆動中の場合は、S609において、図27に示さ
れる、前回(直前)のレンズ駆動終了時からの経過時間
ttの間に駆動すべき駆動量(上記S608と同様)、 OBJ×Kvalue ×tt から、現在の設定値AFP(設定されたレンズ駆動パル
ス数)のうち既に駆動されたパルス分である、 AFP−Dar (ただし、Dar:残りのレンズ駆動量) を引くことにより算出して、新たなレンズ駆動量AFP
とする。つまり、レンズ駆動中でない場合もレンズ駆動
中の場合も、直前の測距からの 経過時間に移動するであ
ろう特定被写体の像の移動量に相当するレンズ駆動量と
レリーズタイムラグに相当するレンズ駆動量だけレンズ
駆動するようにパルス数AFPを設定するのである。
608あるいはS609で再セットされたAFPがレリ
ーズタイムラグ時間で駆動可能な最大AFパルス数MX
Mを越える場合にはS611で、 AFP=MXM とする。そして、セットされたAFPによってレンズ駆
動を行い、露光を行う(S612、S613)。
【0075】S614でミラーの下降完了と判断される
と、フィルム巻き上げと同時に、次の測距、即ち積分・
入力・演算がS615にて行われ、S616で駆動パル
ス数An が計算される。
【0076】ここで図28を参照して、レリーズ終了
後、測距可能になると同時に次の追従動作を開始するこ
とにより、追従能力を向上させる機能について説明す
る。即ち、追従モード時に、レリーズ終了後フィルムの
巻き上げを完了してから、次回の測距、演算等を開始し
たのでは、追従能力を向上させることが出来ない。ミラ
ー下降時点では測距を行うことが可能なので、前回ミラ
ーが上昇したt0 の時点を経過し、t1 においてレリー
ズ動作が開始され、ミラーの下降が完了したt11の時点
で測距を開始して、駆動パルス数Anを求める。そし
て、前回の測距、即ち、レリーズ動作が開始される前に
求められていた駆動パルス数An-1 を上記駆動パルス数
An に加算し、新たな駆動パルス数とする。このように
構成することにより、ミラーが下降してからフィルムの
巻き上げが完了するt2 まで待ってから次回の測距を開
始してレンズを駆動する(図28の点線で表わされる場
合)よりもt2 −t11の時間だけ早く追従動作を続行す
ることができる(図28の実線で表わされる場合)。そ
して、S617において前回のデフォーカス量An-1 +
今回のデフォーカス量An =AFPとして、S618に
おいて、フラグA1Sをクリアし、補正0FFとしてレ
リーズの割り込み処理を終了する。割り込み終了後は、
図3のLMOVに移り、レンズを上記の駆動量AFPで
駆動する。
【0077】図29は、本件実施例におけるいわゆるオ
ーバーラップの一連の処理を示すフローチャートであ
る。オーバーラップ処理はレンズ駆動中にも更に測距動
作を行って、合焦用レンズの位置をより正確に求めるも
のである。最初の測距開始時点で、ピント位置から大幅
にずれた被写体を測距したときには、その得られたデフ
ォーカス量自体が大幅な誤差を含むため、求められたレ
ンズ駆動量も正確な値にはならず、従って、合焦動作も
満足のゆくものにはならない。そこでレンズ駆動中にも
更に駆動量を求めるように構成することでより、正確な
合焦動作を行うためにオーバーラップ処理が行われる。
【0078】まず、レンズ駆動中にCCD積分を開始す
る。レンズ駆動量はカウンタ6にセットされており、レ
ンズ駆動に伴ってデクリメントされているが、S701
において、積分開始時のレンズ駆動パルス数をC1、積
分終了時のレンズ駆動パレス数をC3とする。S702
においてCCDの積分データを入力し、S703におい
て、デフォーカス量を演算により求める。S704にお
いてこの求められたデフォーカス量に基づいて、図3の
S3の処理と同様にAFパルス数を計算し、計算値をC
xとする。Cx算出時のカウンタ6内のレンズ駆動パル
ス数をC4とする。S705においてはレンズ駆動量を
更新するために必要なレンズ駆動パルス数を次式により
求める。 C2=(C1+C3)/2 A=Cx−(C2−C4) 上記Aが更新されたレンズ駆動パルス数となる。これを
S706においてカウンタ6にセットして、処理を終了
する。
【0079】なお、図3のS17、18から明かなよう
に、補正ON時、即ち追従モード時においてはオーバー
ラップ処理は行われない。これは上述のように、オーバ
ーラップ処理はデフォーカス量が大きい場合に必要な処
理であるが、補正ON時には合焦用レンズは被写体に追
従しており、従って、デフォーカス量がそれほど大きい
とは考えられないからである。また、追従のために求め
たAFPの値が、メインルーチンとは別のルーチンで行
われるオーバーラップ処理のためのAFP算出により更
新されてしまい、追従動作そのものができなくなってし
まうという問題も生じるからである。
【0080】上記実施例において詳述したように構成さ
れたカメラに実装される自動焦点調節装置においては、
レリーズ割込みがレンズ駆動終了後次回のレンズ駆動前
に発生すれば、前回のレンズ駆動終了時から割込み時ま
での時間に対応する量だけレンズ駆動を行ない、レリー
ズ割込みがレンズ駆動中に発生すれば、前回のレンズ駆
動終了時からレリーズ割込み時までの時間に対応する駆
動量から、すでに駆動した量を引いた残りの駆動量だけ
合焦用レンズを駆動するので、いつレリーズ割込みが発
生しても、レリーズタイムラグ後に合焦状態で露出を行
なうことができる。
【0081】また、本実施例では、被写体の結像面が所
定のスピード以上で移動しているときに追従モードに入
ると共に、被写体がカメラに近付いているときにはレリ
ーズタイムラグ分先回りするように追従し、反対に遠ざ
かるときには被写体に対して、後追い追従するように、
合焦用レンズを制御する。従って、動く被写体に対し
て、適切なピントの写真を撮影することができる。
【0082】また、追従モードに入る判定のための被写
体像のスピードの測定回数を所定の複数回数以上とする
ことにより、被写体が動いていることを確実に把握した
うえで追従モードに入るように構成することも可能であ
る。
【0083】更に、既に合焦用レンズが合焦用幅内にあ
り、合焦表示が行われているときであっても、追従モー
ド中であれば更にレンズ駆動して、ピントを完全に合わ
せるように構成することも可能である。
【0084】追従のための演算に使用されるレリーズタ
イムラグはそのまま使用せず、測距のための積分時間を
考慮した値を用いてもよく、これにより、よりスムーズ
な追従を行うことができる。
【0085】また、レリーズオンになったのがレンズ駆
動終了直後ではない場合には、更にレリーズタイムラグ
内で駆動可能な量、合焦用レンズを駆動するように構成
すれば、デフォーカス量をより小さくすることも可能で
ある。
【0086】更に、レリーズ後の次の追従モード移行に
あたっては、レリーズ動作がすべて完了してから次の追
従モードのための測距を開始する必要はなく、レリーズ
動作中のある時点、例えば、ミラー下降完了時に測距を
行い、そのデータを次回の演算に利用するように構成す
ることにより、連写モード時などには連続して適切な追
従が行えるようになる。
【0087】追従モードの場合には、合焦状態にあり、
かつ追従可能なときのみLEDを点灯させる等の合焦表
示を行うように構成することも可能である。この場合、
カメラのファインダ内でLEDの点灯が認識できるよう
にするのが好適である。このように構成することによ
り、操作者に、カメラが合焦状態にあることを知らせる
インディケータの機能を有することになる。
【0088】本実施例では、被写体の結像面の移動スピ
ードが所定スピード以上である、と2回の測距で判定さ
れると追従モードに入るよう構成されているが、これは
2回に限らず所定回数以上判定されたときに追従モード
に入るように構成しても良い。また、追従中のレンズ駆
動量が所定値以上であることが3回以上あると、正しく
追従が行われていないと判断して追従をオフするよう構
成されているが、これも任意の回数を設定することが可
能である。
【0089】また、積分・演算時間が長くなると、被写
体の移動速度にレンズ駆動が追従できなくなる可能性が
有ることから、追従モード時に積分時間に上限を設ける
ことにより、測距時間を短縮して、スムーズに追従させ
ることができる。
【0090】被写体の移動速度が大きく、それに伴って
レンズ駆動量が比較的大きい場合にはオーバーラップ処
理が必要であると考えられるが、追従モード中は通常、
レンズ駆動量は比較的小さく、また、追従モード中であ
るにもかかわらずレンズ駆動量が比較的大きくなる場合
には、被写体の移動速度が追従可能な限界値に近い場合
であると考えられることから、追従モード中はオーバー
ラップ処理を行わないよう構成することにより、適切な
追従駆動が実現できる。
【0091】更に、本実施例については合焦状態になっ
てからレリーズ動作を行う、いわゆるレリーズ優先のと
きのみについて説明しているが、合焦状態に無関係にレ
リーズ動作を行う、いわゆるシャッター優先の場合にも
適用可能である。即ち、シャッター優先とレリーズ優先
のどちらかを、図示しないスイッチ等で選択できるよう
に構成し、シャッター優先の場合には図3のS6−1、
S8をジャンプするようにすれば、合焦状態に無関係に
レリーズ動作が行われることとなる。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通りこの発明に
よれば、測距手段により求められたデフォーカス量に基
づいて前記特定被写体の光軸方向における相対的移動方
向と移動速度とを算出する算出手段と、前記合焦用レン
ズを駆動するレンズ駆動制御手段とを備え、このレンズ
駆動制御手段は、前記算出手段の算出結果に基づいて、
前記測距手段が測距した基準時から前記レンズ駆動時間
を含む所定時間後の前記特定被写体に対して合焦する位
置に前記合焦用レンズを駆動し、レリーズ割込みが発生
したときには、前記レンズ駆動後の基準時からレリーズ
割込み発生時までの時間に前記特定被写体が移動する量
に対応する駆動量に基づいて前記合焦用レンズを駆動す
るので、レリーズ割込みが何時発生してもレリーズタイ
ムラグ後には前記特定被写体が合焦範囲に入るので、レ
リーズ割込み後レリーズタイムラグ後に露出させること
が可能になり、レリーズ操作に対して反応のよい露出処
理およびピントのよい撮影が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動焦点調節装置のAFシステムの主
要部を表すブロック図である。
【図2】本発明の追従方式の基本原理を説明するグラフ
である。
【図3】本発明の追従方式を採用したAFシステムの処
理の実施例を表すフローチャートである。
【図4】本実施例の後追い追従から先回り追従にモード
が移る原理を説明するグラフである。
【図5】本実施例の先回り追従中の演算方法を説明する
グラフである。
【図6】本実施例の積分時間を考慮した場合の動体予測
演算の原理を説明するグラフである。
【図7】本実施例の動体予測演算のメインフローチャー
トである。
【図8】本実施例の、補正ONとなった直後の、被写体
がカメラに近付く場合の演算を説明するフローチャート
である。
【図9】本実施例の、補正ONとなって2回目以降の、
被写体がカメラに近付く場合の演算を説明するフローチ
ャートである。
【図10】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図11】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図12】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図13】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図14】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図15】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図16】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図17】本実施例における、被写体の移動状況および
レンズの駆動結果に基づく動体予測演算を説明するグラ
フである。
【図18】本実施例の、被写体がカメラから遠ざかる場
合のアルゴリズムを説明するグラフである。
【図19】本実施例の、補正ONとなった直後の、被写
体がカメラから遠ざかる場合の演算を説明するフローチ
ャートである。
【図20】本実施例の、補正ONとなって2回目以降
の、被写体がカメラから遠ざかる場合の演算を説明する
フローチャートである。
【図21】積分時間に制限を設ける場合の処理の一例を
表すフローチャートである。
【図22】本実施例の追従中にレンズの端点を検出した
場合の処理を表すフローチャートである。
【図23】動体予測演算に基づいてレンズ駆動された位
置が合焦位置かどうかをチェックするための合焦チェッ
ク用デフォーカス量再計算サブルーチンを表すフローチ
ャートである。
【図24】本実施例における、被写体追従中の合焦表示
を説明するフローチャートである。
【図25】連写の場合の、ミラー下降後直ちに測距を行
う場合の処理の実施例を説明するフローチャートであ
る。
【図26】図25に示したフローチャートの動作を説明
するグラフである。
【図27】図25に示したフローチャートの動作を説明
するグラフである。
【図28】図25に示したフローチャートの動作を説明
するグラフである。
【図29】本実施例の場合のオーバーラップ処理を説明
するフローチャートである。
【図30】従来のAFシステムを説明するグラフであ
る。
【図31】従来のAFシステムを説明するグラフであ
る。
【図32】従来のAFシステムを説明するグラフであ
る。
【符号の説明】
1 測距センサ 3 CPU 4 レンズ駆動回路 8 レリーズ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/28 G03B 13/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向に移動可能な合焦用レンズを有
    する撮影レンズと、 レリーズ割込みが発生したときにレリーズタイムラグ後
    に露光を開始する露光手段と、 前記撮影レンズによって形成される特定被写体の像に対
    するデフォーカス量測定に必要な測距を略一定の間隔で
    繰り返す測距手段と、 該測距手段の測距結果に基づいてデフォーカス量を算出
    し、複数回のデフォーカス量に基づいて前記特定被写体
    の像が移動する光軸方向の相対移動方向と移動速度を算
    出し、該相対移動方向および移動速度に基づいて最新の
    測距から次の測距までの時間および前記レリーズタイム
    ラグ間に前記特定被写体の像が移動するであろうデフォ
    ーカス量に相当するレンズ駆動量と、最新のデフォーカ
    ス量に相当するレンズ駆動量とに基づいてレンズ駆動量
    を算出する算出手段と、 該算出手段が算出したレンズ駆動量に基づいて前記合焦
    用レンズを駆動し、前記測距手段が次の測距を開始する
    前に駆動を終了させるレンズ駆動制御手段とを備え、前記レンズ駆動中に前記レリーズ割込みが発生した場
    合、前記算出手段は、最新の測距からレリーズ割込み発
    生時までの時間に前記特定被写体の像が移動する量に対
    応するレンズ駆動量から、既に駆動したレンズ駆動量を
    減算し、該減算したレンズ駆動量に基づいて前記レンズ
    駆動手段が前記合焦用レンズを駆動することを特徴とす
    自動焦点調節装置。
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