JP3293393B2 - H形鋼の圧延パススケジュール決定方法 - Google Patents

H形鋼の圧延パススケジュール決定方法

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JP3293393B2
JP3293393B2 JP05846395A JP5846395A JP3293393B2 JP 3293393 B2 JP3293393 B2 JP 3293393B2 JP 05846395 A JP05846395 A JP 05846395A JP 5846395 A JP5846395 A JP 5846395A JP 3293393 B2 JP3293393 B2 JP 3293393B2
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    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B2265/00Forming parameters
    • B21B2265/22Pass schedule

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はH形鋼の製造方法、特に
粗ユニバーサル圧延工程及びエジャ圧延工程の圧延パス
スケジュール決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3はユニバーサル圧延によるH形鋼の
圧延工程を示す模式図である。素材であるブルーム、ス
ラブ、ビームブランクなどは加熱炉にて加熱後、カリバ
ー形状を有するロールを組み込んだブレイクダウン圧延
機9で粗圧延が行われ、次に図4(a)に示す粗ユニバ
ーサル圧延機1,1´と、図4(b)に示すエッジャ圧
延機2,2´で構成される粗圧延機群によって複数パス
リバース圧延される。粗ユニバーサル圧延機1,1´は
被圧延材を水平ロールと竪ロールによって圧延し、被圧
延材のフランジ厚、ウェブ厚を減じて規定の製品厚を近
づけていくものであり、またエッジャ圧延機2,2´は
水平ロールにより被圧延材のフランジ先端を圧下し、規
定のフランジ幅に仕上げるものである。被圧延材は最後
に図4(c)の仕上げユニバーサル圧延機3によってそ
れぞれウェブとフランジの圧下が行われるとともに、フ
ランジの角度がほぼ直角に成形される。
【0003】上記の粗ユニバーサル圧延工程において、
ウェブとフランジは別々のロール面で圧延されるが断面
は一体であるため、ウェブとフランジの間で相互作用が
発生し、例えば水平ロールの開度変更がフランジ厚の変
動やフランジの幅拡がりにも影響を及ぼすため、寸法外
れが発生しやすい。また、圧下率の差が大きい場合には
ウェブの素通しや座屈による波打ちなどの形状不良が発
生する場合もある。さらに、ユニバーサル圧延の間にエ
ッジャ圧延が入る場合には、エッジャによるウェブ厚・
フランジ厚の変化により続くユニバーサル圧延での圧下
率が変化し、圧延荷重が変化するという問題もある。こ
のため、ユニバーサル圧延機及びエッジャ圧延機のロー
ル開度をどのように設定するかというパススケジュール
の問題は自動化が困難であり、圧延結果の蓄積から経験
とオペレータの操業ノウハウによって決められていた。
【0004】H形鋼ユニバーサル圧延のパススケジュー
ルを自動的に作成する技術として、特公昭51−105
86号公報に開示されている装置がある。この装置は、
圧延動力を目安として各パスの延伸率を定め、これをウ
ェブとフランジに形状不良を発生させないように割り振
ることにより各パスの目標板厚を決定するというもので
ある。また、特公平4−45244号公報においては、
パススケジュール決定後にユニバーサル圧延機のロール
開度を決定する段階で、前のパスがユニバーサル圧延か
エッジャ圧延かを判別し、エッジャ圧延の場合はその影
響を考慮し続くユニバーサル圧延の圧延荷重を予測し、
ロール開度を適切なものにする技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】粗ユニバーサル圧延工
程において各パスのユニバーサル圧延機水平ロール及び
竪ロールの開度設定は、被圧延材を規定の粗ユニバーサ
ル圧延工程終了後の厚みまで圧延するに必要なパス回数
を決定するため、圧延能率に直接関係する重要な条件で
ある。しかし粗ユニバーサル圧延工程のパススケジュー
ルは従来経験的に決められており、現状では必ずしも圧
延のパス回数を最小化するものとなっていないため、圧
延能率が充分ではないという問題があった。また、近年
外法一定H形鋼の普及などにより新たなサイズのH形鋼
を圧延する必要が生じているが、新サイズの圧延を行う
場合には経験的なパススケジュール設計ではすぐに圧延
能率のよいパススケジュールを設定することができず、
対応が困難であった。
【0006】また、上記の特公昭51−10586号公
報の技術においては、目標板厚決定に際して圧延荷重を
求めていないため、圧延中のロール隙間変化を考慮した
ロール開度の設定ができなかった。さらに、、エッジャ
圧延による変形の影響を考慮していないため、作成した
パススケジュールと実際の圧延とでは圧下率に差が生
じ、圧延荷重の変動や形状不良が発生しやすかった。ま
た、特公平4−45244号公報においては、エッジャ
圧延の影響は荷重変動によるロール開度の修正に着目し
たものであり、パススケジュール作成段階でエッジャ圧
延の影響を考慮していないため、形状不良防止や能率向
上には効果がなかった。
【0007】本発明は、上記のような従来の問題点を解
消し、エッジャ圧延の影響を考慮して被圧延材の寸法外
れや形状不良の発生を防止するとともに、各パスの圧下
率をできる限り大きくし、圧延能率をも最大とするH形
鋼の圧延パススケジュール決定方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため様々な検討を行った結果、数値モデルを
用いた次のような方法により被圧延材の寸法精度を保ち
つつ圧延能率を最大にすることができることを見いだし
た。まず、粗造形圧延後の被圧延材各部寸法及び被圧延
材フランジ・ウェブ温度を与え、これにより粗ユニバー
サル圧延工程の最初の圧延における被圧延材温度を温度
降下モデルにより計算する。続いて、最初の圧延機がユ
ニバーサル圧延機であれば、被圧延材のフランジ・ウェ
ブ圧下量を形状不良が発生しない範囲でかつどちらかの
圧延荷重が最大となるように圧延荷重計算モデルより計
算、設定する。荷重計算結果と予め求めておいてミル剛
性よりユニバーサル圧延機のロール開度を設定するとと
もに、フランジ幅拡がりモデルより圧延後のフランジ幅
を計算し、被圧延材の圧延後の断面形状と伸び長さを計
算する。粗ユニバーサル圧延工程の最初の圧延機がエッ
ジャ圧延機であれば、フランジ座屈限界と負荷制約を超
えない範囲で目標フランジ幅に近づくように圧下量を定
め、荷重計算結果よりロール開度を設定するとともに、
フランジ・ウェブの厚みの変化及び被圧延材長さを計算
する。
【0009】以後の圧延では、計算した被圧延材の伸び
長さを用いて圧延時間を求め、温度計算と変形抵抗計算
を経て圧延荷重最大又は目標フランジ幅となるロール開
度設定を繰り返す。以上の手順により被圧延材寸法が目
標値以下となるまで計算を行い、被圧延材板厚が目標板
厚よりも薄くなった場合には最後の数パスのユニバーサ
ル圧延圧下率を順次軽減することにより被圧延材寸法が
目標通りとなるように修正計算を行う。得られたロール
開度の計算結果より各パスのロール開度を設定し、実際
に被圧延材の圧延を行う。以上のようにして粗ユニバー
サル圧延工程のパススケジュールを決定する方法であ
る。
【0010】
【作用】H形鋼の粗ユニバーサル圧延工程において圧延
能率を高めるためには圧延パス回数をできるだけ少なく
することが重要である。粗ユニバーサル圧延工程のパス
回数は各パスの圧下率が大きいほど少なくすることがで
きるが、圧延機の圧延荷重・トルク・動力制約により、
圧下率の上限が存在する。本発明のパススケジュール決
定方法の流れを図1に示す。まず、ステップS1で粗造
形圧延後の被圧延材寸法、被圧延材重量及び温度を初期
データとして入力する。続いてステッフS2では温度と
寸法のデータを用いた粗造形圧延後のある時点から最初
の圧延までの時間を加減速を考慮して計算する。ステッ
プS3では時間及び予め与えた空冷、水冷条件より圧延
開始時の被圧延材ウェブ・フランジの温度を温度モデル
を用いて計算する。次にステップS4で圧延の圧下量の
計算を行う。
【0011】圧延がユニバーサル圧延の場合にはウェブ
・フランジ圧下量を決定する。圧下量の決定はウェブと
フランジの圧下によりウェブの肉引けや波打ちなどの形
状不良が発生せす、且つトルクや動力が圧延機の性能を
超えない範囲でどちらの圧延荷重があらかじめ定められ
た許容限界となるように設定する。このように圧延荷重
を圧延機能力の最大値とすることにより、各パスの圧下
率を最大とし、圧延回数を最小化する。
【0012】また、圧延がエッジャ圧延の場合には、フ
ランジの座屈が発生せず圧延荷重、圧延トルク、圧延動
力が圧延機性能を超えない範囲で、目標フランジ幅に近
づくように圧下量を決定する。また、ここで求めた圧延
荷重とあらかじめ求められた圧延機のミル剛性を用いて
圧延時のロール開き量を求め、目標とする圧下量から決
定される被圧延材目標厚みよりロール開き量を差し引く
ことによりロール開度を決定する。
【0013】次に、ステッS5では圧下量の設定から圧
延後の断面寸法や圧延長を計算する。ステップS6では
被圧延材のウェブまたはフランジ厚と目標とする粗ユニ
バーサル圧延工程終了時の厚さを比較し、被圧延材の厚
さが目標値よりも大きい場合には次パスの圧延が必要と
判断してステップS2に戻り、上記S2からS6と同様
に計算する。このような計算を被圧延材の厚さが目標以
下になるまで繰り返し、目標以下となったらステップS
7に進み、最終パスを含むあらかじめ定められた連続数
パスの圧下率を軽減し、ロール開度を修正して粗ユニバ
ーサル圧延工程の最終パス後のウェブ厚、フランジ厚が
規定の値になるようにする。以上の方法により、被圧延
材の形状を確保しつつ最小のパス回数で粗ユニバーサル
圧延を行うことが可能となり、圧延能率を向上させるこ
とができる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例を以下に説明する。ステッ
プS1の粗圧延材寸法は粗圧延機の最終孔型とロール開
度より求め、温度はブレイクダウン圧延後の被圧延材の
ウェブとフランジの表面温度を測定した結果から内部温
度を推定した。ステップS2の圧延開始時間は、圧延ラ
インレイアウト、被圧延材搬送速度、各パスの圧延速度
より加減速の影響を考慮して計算した。ステップS3の
圧延開始温度は2次元の差分法による温度モデルを用い
初期温度からの温度降下を計算して求めた。続くステッ
プS4の圧延機圧下量の計算は図2に示す手順で行っ
た。まず、圧延機がユニバーサル圧延機かエッジャ圧延
機かを判定する。ユニバーサル圧延機の場合にはステッ
プS8に進み、最適な圧下ひずみ差( λF −λW)を求め
る。
【0015】ここで、 λF=ln(tf0/tf1) tf0 :圧延前フランジ厚 tf1 :圧延後フランジ厚 λW=ln(tw0/tw1) tw0 :圧延前ウェブ厚 tw1 :圧延後ウェブ厚
【0016】圧下ひずみ差はウェブをフランジに対して
大きすぎる圧下率で圧延した場合に生じるウェブ波打ち
や、フランジをウェブに対して大きすぎる圧下率で圧延
した場合に生じるウェブの素通しなどの形状不良が発生
しないように、次式を満足する範囲とする。 LB≦( λF −λW)≦LU ここで、 LB:ウェブ波打ち限界 LB=a/ f(tf,tw,H,B, μ,C)+b LU:ウェブ素通し限界 LU=c/ g(tf,tw,H,B, μ,C)+d tf:フランジ厚 tw:ウェブ厚 H :ウェブ高さ B :フランジ幅 μ:摩擦係数 C :鋼種によって決まる定数 a,b,c,d :係数
【0017】続いて、この範囲内でフランジとウェブの
厚み比ができる限り製品に近づくような圧下ひずみ差を
決定する。次にこの圧下ひずみ差となる条件で水平ロー
ルまたは竪ロールの圧延荷重が圧延機の強度から定まる
上限値となるようにウェブとフランジの圧下率を決定す
る。水平ロール圧延荷重PHおよび竪ロール圧延荷重PVは
次式により計算した。 PH=QH ・PH0+ψPV PV=QV ・PV0 ここで QH:水平圧延荷重係数 QV:竪圧延荷重係数 PH0 :水平等価板圧延荷重 PV0 :竪等価板圧延荷重 ψ:分力係数
【0018】これらは以下の式を用いて計算した。 QH=1.338-10.66AF(AF+AW) ・( λF −λW) QV=0.764+1.434AW(AF+AW) ・( λF −λW) PH0=1.15・kmW ・LH・ldW ・QpH PV0=1.15・kmF ・B・ldF ・QpV ここで、 AF:フランジ断面積 AW:ウェブ断面積 kmW :ウェブの変形抵抗 kmF :フランジの変形抵抗 LH:ウェブ内法寸法 ldW :ウェブ投影接触弧長 ldF :フランジ投影接触弧長 QpH :ウェブを板圧延として計算した場合の圧下力関数 QpV :フランジを板圧延として計算した場合の圧下力関
【0019】変形抵抗kmは、熱間鋼の変形抵抗式として
広く用いられている「塑性と加工」8(1967)p.414に掲載
されている美坂らの式を用いた。ウェブとフランジの圧
下率が定まれば、美坂らの式よりウェブ,フランジそれ
ぞれについて変形抵抗が計算できる。この変形抵抗を用
いてPH0 ,PV0 が計算でき、圧下ひずみ差( λF −λW)
を用いてQH,QVが計算できることから、ウェブとフラン
ジの圧延荷重が求められる。圧延荷重が許容限度とほぼ
等しくなるまで圧下率を調整して再計算を行い、ウェブ
またはフランジの圧延荷重が最大となるウェブ・フラン
ジの圧下率を決定する。さらに、この圧下率において圧
延トルクが圧延機性能を越えている場合には性能範囲内
に収まるように圧下率を軽減する。
【0020】ユニバーサル圧延における圧延トルクGUは
次式により計算した。 GU=2(PH ・ψH ・ldW+RH/RV ・PV・ψV ・ldF) ここで RH:水平ロール半径 RV:竪ロール半径 ψH :水平トルクアーム係数 ψV :竪トルクアーム係数 であり、トルクアーム係数は投影接触弧長ldと平均板厚
hmを用いて次式で計算した。 ψH=h1(ldW,hmW) ψV=h2(ldF,hmF)
【0021】以上の方法により形状不良が発生せずウェ
ブ又はフランジの圧延荷重が許容範囲の上限となる圧延
条件を決定した後、ステップS10に進む。ステップS
10では、先に求めておいた圧延荷重とあらかじめ調査
した粗ユニバーサル圧延機のミル剛性よりロール開度を
決定する。圧延機のロール開度S と圧延後の板厚t1の関
係は、一般に圧延荷重P とミル剛性K を用いて次式で表
すことができる。 t1=S+P/K 圧延荷重P はステップS9で既に求められており、ミル
剛性K はあらかじめ測定が可能であることから、圧延後
の板厚を目標通りとするロール開度が計算できる。これ
をウェブ・フランジにそれぞれ適用し、ロール開度を決
定した。
【0022】圧延機がエッジャ圧延機の場合には、ステ
ップS3に続いてステップS11に進む。ステップS1
1では、フランジの座屈が発生せず、かつ圧延荷重、圧
延トルクが圧延機性能を超えない範囲で、フランジ幅が
目標に近づくようにフランジ先端の圧下量を決定した。
エッジャ圧延での圧延荷重PEは次式で計算した。 PE=2kmE ・tf・ldE ・QpE ここで、 kmE :変形抵抗 tf:フランジ厚 ldE :エッジャ圧延の投影接触弧長 QpE :エッジャ圧延の圧下力関数
【0023】まず、エッジャ圧延後の目標フランジ幅を
決定する。目標フランジ幅BE0 は本実施例では次式によ
り決定した。 BE0=tw+2・HEp ・κ ここでHEp は製品のウェブ面からフランジ先端までの距
離であり、κは係数である。続いて、エッジャ圧延後の
フランジ幅が目標通りとなるように圧下量を定めて圧延
荷重を計算する。圧延荷重が圧延機の許容範囲よりも大
きい場合には、圧下量を軽減して圧延荷重が許容範囲内
となるようにする。さらに次式で計算する圧延トルクが
許容範囲を超える場合にも、同様に圧下率を軽減して許
容範囲内となるようにした。 GE=2ψE ・ldE ・PE ここで、ψE はエッジャ圧延のトルクアーム係数であ
り、次式で与えられる。 ψE=h3(B0,BE) B0:圧延前フランジ幅 BE:エッジャ圧延後フランジ幅
【0024】続くステップS12では、ユニバーサル圧
延の場合と同様にして圧延荷重とあらかじめ求められた
エッジャ圧延機のミル剛性を用いて圧延時のロール開き
量を求め、目標とする圧下量から決定される被圧延材目
標厚みよりロール開き量を差し引くことによりロール開
度を決定した。以上の計算が終了した後、図1のステッ
プS5に戻り圧延後の断面形状を計算する。
【0025】ステップS5ではユニバーサル圧延の場合
には、ウェブ及びフランジの圧下ひずみ差( λF −λW)
より次のフランジ幅拡がり式を用いて圧延後のフランジ
幅を計算した。 λB =α( λF −λW)−β ここで、λB =ln(B0/B1) B0:圧延前フランジ幅 B1:ユニバーサル圧延後フランジ幅 α,β:係数
【0026】エッジャ圧延ではフランジ先端の圧下によ
りフランジ端部にドッグボーンが生じ、フランジ厚が増
加し、ウェブ厚はフランジの延伸により減少する。そこ
で圧延後の平均フランジ厚tFEとウェブ厚tWEを次式の
関係を利用して求めた。 tFE=tF0×( B0 /BE)(1- γ) tWE=tW0×( B0 /BE)- γ γ:係数 以上により被圧延材断面寸法が既知となるので、これに
より断面積を計算し、被圧延材重量または体積と断面積
より圧延長を求めることができる。以上の計算が終了し
た後に、フランジ厚およびウェブ厚が規定寸法以下にな
っているかどうかを判定する(ステップS6)。規定寸
法よりも板厚が大きい場合には次パスの圧延が必要と判
断し、ステップS2に戻って次バスの計算を行う。また
規定寸法以下であればステップS7に進み、予め定めた
最終パスを含む連続数パスのユニバーサル圧延圧下率を
軽減することにより最終パス終了後のウェブ厚とフラン
ジ厚が目標通りとなるようにする。このとき、再度圧延
荷重を計算し、ロール開度を適切な量に設定し直す。
【0027】なお、上述の演算処理は図3のプロセス制
御部10においてなされ、その演算結果に基いて、駆動
部11,12,13,14,15がそれぞれ制御され、
各駆動部はそれぞれの圧延機のロール開度を調整する。
図3はユニバーサル圧延機Uとエッジャ圧延機E からな
る圧延機群R が2組の場合であるが、圧延機の数や配置
はこれに限定するものではなく、U,E が1基ずつの場合
やU-E-U の配列となっている場合など、あらゆる配置に
おいて適用可能である。
【0028】以上の方法で圧延荷重の最大値を水平ロー
ル800ton、竪ロール500tonとしてH600×200 ×9/22のパ
ススケジュールを設定し、実際に圧延を行ったときの各
パスでの圧下率と圧延荷重を図5(a) に示す。図5(b)
に示す本発明以前に実施していた経験的なパススケジュ
ールと比較してパス回数が2パス減少しており、その分
圧延能率を向上させることができた。また、外法一定H
形鋼のような新しいサイズのH形鋼の圧延を行う場合で
も、本発明の方法を用いれば、最も圧延パス回数が少な
くかつ形状不良のない圧延パススケジュールを試行錯誤
なしに設定できるため、試験圧延などの手間が削減でき
効率的な操業が可能となる。なお、本発明のパススケジ
ュール決定方法は実施例で述べた式のみにより成立する
ものではなく、信頼性のある各種の計算式を用いれば同
様に能率の良い圧延パススケジュールを設定することが
可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、各パスの
圧下率が最大となるようなロール開度を設定することが
できるため、圧延パス回数を最小にすることができ、圧
延能率が大きく向上する。また、経験のない新たなサイ
ズであっても、圧延パス回数が最小となるパススケジュ
ールを形状不良を発生させることなく設定することがで
きるため、試行錯誤が不要となり効率的な工場操業が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール開度設定方法を説明したフロー
チャートである。
【図2】図1のステップS4の詳細を示したフローチャ
ートである。
【図3】H形鋼圧延装置配列の一例を示す概略図であ
る。
【図4】同図(a),(b),(c)は粗ユニバーサル
圧延機、エッジャ圧延機及び仕上げユニバーサル圧延機
における圧延状況をそれぞれ示した模式図である。
【図5】同図(a) は本発明の1実施例による圧延パスス
ケジュールでの圧延荷重及び圧下率、同図(b) は本発明
実施前の圧延パススケジュールでの圧延荷重及び圧下率
の一例を示す図ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 素久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−95967(JP,A) 特開 昭48−73354(JP,A) 特公 昭51−10586(JP,B1) 特公 平4−45244(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78 B21B 1/00 - 1/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユニバーサル圧延機のウェブ・フランジ
    圧下量を、形状不良が発生しない範囲で且つウェブ又は
    フランジのいずれか一方の圧延荷重又は水平ロールの圧
    延トルク若しくは動力が予め定めた許容範囲の上限とな
    るように計算して設定し、前記ウェブ・フランジ圧下率
    と予め求めておいたミル剛性とによってユニバーサル圧
    延機のロール開度を求めるとともに、圧延後の被圧延材
    の断面形状を求め、そして、前記の各処理を被圧延材の
    板厚が目標値以下となるまで繰り返して行い、被圧延材
    が目標板厚よりも薄くなった場合には、最後の数パスの
    ユニバーサル圧延の圧下率を順次軽減することにより被
    圧延材の板厚が目標通りとなるように修正計算を行っ
    て、以上の結果に基づいてユニバーサル圧延機の各パス
    の目標寸法とロール開度を設定することを特徴とするH
    形鋼のユニバーサル圧延パススケジュール決定方法。
  2. 【請求項2】 エッジャ圧延機によるパスにおいて、エ
    ッジャ圧延によるフランジ厚とウェブ厚の変化を計算
    し、計算したエッジャ圧延後のフランジ厚とウェブ厚を
    用いて続くユニバーサル圧延の圧下量を決定することを
    特徴とするH形鋼の圧延パススケジュール決定方法。
  3. 【請求項3】 ユニバーサル圧延機によるパスにおいて
    は、ユニバーサル圧延機のウェブ・フランジ圧下量を、
    形状不良が発生しない範囲で且つウェブ又はフランジの
    いずれか一方の圧延荷重又は水平ロールの圧延トルク若
    しくは動力が予め定めた許容範囲の上限となるように計
    算して設定し、前記ウェブ・フランジ圧下量と予め求め
    ておいたミル剛性とによってユニバーサル圧延機のロー
    ル開度を求めるとともに、圧延後の被圧延材の断面形状
    を求め、 エッジャ圧延機によるパスにおいては、エッジャ圧延機
    の圧下量を、フランジの座屈が発生しない範囲で且つ圧
    延荷重、圧延トルク又は圧延動力が予め定めた許容範囲
    内となるように計算して設定し、 そして、前記の各処理を被圧延材の板厚が目標値以下と
    なるまで繰り返して行い、被圧延材が目標板厚よりも薄
    くなった場合には、最後の数パスのユニバーサル圧延の
    圧下率を順次軽減することにより被圧延材の板厚が目標
    通りとなるように修正計算を行って、以上の結果に基づ
    いてユニバーサル圧延機の各パスの目標寸法とロール開
    度を設定することを特徴とするH形鋼のユニバーサル圧
    延パススケジュール決定方法。
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