JP3293216B2 - 自動車安全装置用織物の製造方法 - Google Patents

自動車安全装置用織物の製造方法

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JP3293216B2
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泰蔵 池澤
薫 伴
建次 中川
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Toyobo Co Ltd
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  • Woven Fabrics (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車乗員保護のための
エアバッグ用織物の製造方法に関し、更に詳しくは、柔
軟性、引裂強力、リサクル性に優れた自動車エアッバグ
用織物の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の安全保護装置としてエア
バッグシステムが実用化されつつあり、そのシステムの
バッグ部分は作動展開の直前まではステアリングホイ−
ルやインストゥルメントパメルなどの狭隘な場所に格納
されおり、バッグの格納容積は小さいことが望まれてい
る。
【0003】従来の自動車用エアバッグには強度、耐熱
性に優れるナイロン66、ポリエステル織物等が用いら
れ、インフレ−タ−から発生する高温ガスの通気性を低
くし、また、耐熱性を大きくするためにクロロプレ−ン
ゴムやシリコ−ンゴムを塗布した織物が使用されてい
る。しかし、これらの織物はゴムが塗布されているた
め、折り畳んだ時の容積が大きくなり収納スペ−スが大
きくなる、また、ゴム塗布のためにバッグ重量も増加す
る、織物の柔軟性が低下し、衝突時の人体への衝撃が大
きくなる、ゴム塗布工程を要するためコストが高くな
る、自動車解体後にバッグ材料をリサイクル使用する場
合、ゴムと繊維を分離することが困難である等の問題点
があった。近年、これらの問題を解消する手段として、
ゴムの塗布を要しない、低通気性のナイロン66、ポリ
エステル繊維からなる高密度織物が提案されている。し
かし、これらの高密度織物は、その織物に残存する紡糸
油剤や製織のための糊剤や油剤、無糊製織用油剤を除去
するために精練をすると、バッグの信頼性を保証する上
で、極めて重要な引裂強度が著しく低下する問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点に鑑み、引裂強度に優れ、かつ熱裂化を防止し、ゴム
引きすることを要しない自動安全装置用織物、即ち、エ
アバッグ用織物を安価に製造する製造方法を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、450
デニ−ル以下の合成繊維マルチフィラメントから構成さ
れ、カバ−ファクタ−が1700以上の織物に水系の油
剤を付与し、前記の織物上の油剤量を織物重量に対し
0.06重量%以上となるようにすることを特徴とする
自動車安全装置用織物の製造である。
【0006】本発明における自動車安全装置用基布と
は、自動車の衝突時にガスでふくらみ乗員に加わる衝撃
を緩和するための袋状繊維構造体(エアバック)のこと
であり、本発明の織物を構成する合成繊維の素材として
は、強度、耐熱性に優れるナイロン6、ナイロン66、
ポリエステル、アラミド、全芳香族ポリエステル等のマ
ルチフィラメント糸があげられるが、これらに限定する
ものではない。
【0007】また、これのフィラメント糸の繊度はエア
バッグとしての強度に耐えるものを選定する必要がある
が、上限は450デニールあれば十分である。これを超
えると柔軟で軽量エアバッグ織物を得ることが困難と
なる。
【0008】エアバッグ用織物に要求される通気度はバ
ッグの種類、縫製部位の機能によっても異なるが、低通
気性エアバッグ織物を得る方法はカナダ特許明細書20
34067号、特開平3−137245号等に開示さた
方法で得られる。
【0009】織物の組織としては平織が一般的である
が、特にそれに限定されるものではなく、低通気性を得
るために、経糸と緯糸の織物密度(本/吋)と各々の糸
デニ−ルの平方根の積の和から求められるカバ−ファク
タ−が1700以上の織物であればよい。好ましくは2
000以上である。
【0010】カバ−ファクタ−の上限は製織性の難易か
ら決まるが、平織では2260近傍、また、平織以外の
組織を用いることは低通気性を得るために好ましくない
が、適度な通気性を安定して得る方法や、使用する糸の
強さが小さく、織物強力を増す方法として、平織物以外
のマット織、綾織、その他の変化組織織物を用いた場合
のカバ−ファクタ−の上限は3400近傍である。
【0011】製織は上記のカバ−ファクタ−を満足する
方法であればいかなる方法でもよいが、ウォ−タ−ジェ
ットル−ム、レピア織機による方法が好ましい。
【0012】本発明で使用する織物は一般にマルチフィ
ラメント糸製造時に付与された紡糸油剤、製織工程で付
与された糊剤を除去等のため、精される。精は熱水
による方法や精剤を用いる方法などがげられる。
【0013】本発明の特徴はこのようにして得た織物に
水系の油剤を付与し、織物上の全油剤量を織物重量に対
し0.06重量%以上にすることにある。
【0014】水系の油剤とは、油剤が水中に分散してい
るもの、エマルジョン化しているもの、水に溶けている
もの、およびその混合物からなる油剤を意味する。本発
明に用いられる油剤は水系で使用できることに特徴があ
る。有機溶剤系の油剤を用いると油剤処理工程として特
別の工程が必要となり、経済性が悪くなる。
【0015】また、自動車が解体処理され、装着バッグ
材料をリサイクル使用する場合、有機溶剤系の油剤で処
理されたものは容易な油剤除去を困難にする。一方、本
発明における水系の油剤は、繊維に付与された後は、簡
単な水系の処理で除去することが可能であり、製造上に
おいてもリサイクル使用上でも優れた経済性を発揮す
る。
【0016】油剤の種類は親水性の成分を保有して水中
に分散可能なものや水性エマルジョンタイプのもので、
かつ基布の引裂強力の改善効果のあるものであれば特に
限定するものではなく、アニオン系、カチオン系、ノニ
オン系のいずれのタイプの油剤でもよい。これらの中で
分子中に親水性の成分を保有し、自己乳化性のある油剤
が好ましく用いられる。また、耐熱性に優れる高級アル
コ−ルイオウ含有エステル、油膜強度に優れるアマイド
高分子、摩擦係数低下に効果的なPO/EOポリエ−テ
ル、ポリエステル系成分等を主成分とする油剤やこれら
の混合物が好ましいものとしてあげられる。油剤特性の
改良剤のために、改良目的に応じてPOE硬化ヒマシ
油、POEアルキルホスフェ−ト塩、グリセリン誘導体
などを混合してもよい。
【0017】また、油剤に車内における長期保存中の耐
熱性を付与するために酸化防止剤を混合する方法や油剤
に防黴剤を混合し、織物の黴の発生を防止する方法や難
燃剤を混合する等の方法も好ましく採用し得る。
【0018】本発明の油剤付与後の織物上の油剤量は織
物重量に対し0.06重量%以上にする必要があり、よ
り好ましくは、0.08重量%以上で5重量%以下とす
ることが望ましい。
【0019】油剤量は精練後の残存油剤および本発明に
従って新たに精練布に付着した上述の油剤との総量を意
味する。油剤量が0.06重量%未満では十分な引裂強
度が得られず、5 重量 %を越えて付着させると燃焼性
が高くなるので好ましくない。
【0020】熱水あるいは精練剤による洗浄後の織物に
油剤を付与す方法として、これら洗浄に続くの湯洗工程
で油剤成分を溶解、分散させた処理液に該織物をパッデ
ィングする方法、湯洗後に処理液中にパッディングある
いは処理液を噴霧する方法等が上げられるが、これらの
方法に限定するものではない。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はもとよりこれらの実施例に限定
されるものではない。尚、実施例中の各測定値の測定は
以下の方法によった。 引裂強度:JIS L−1096の引裂強さA−2法 燃焼性 :JIS D−1201
【0022】実施例1 420デニールのナイロン66フィラメント糸を用い、織
り密度がタテ糸方向が55本/吋 、ヨコ糸方向が55
本/吋の平織り組織の生機をレピア織機で得た。この生
機のカバ−ファクタ−は2254であった。この生機を
120℃前後で熱セットし、次いでノニオン系界面活性
剤含有精練水で80℃、30分間精練し、湯洗、乾燥した。
この布帛をジオレイルチオジプロピオネ−ト60重量
%、POE硬化ヒマシ油ステアレ−ト10重量%、酸化
防止剤2重量%、その他POE硬化ヒマシ油エ−テル、
PO/EOアルキルポリエ−テル等を混合した油剤と水
で調整したエマルジョン処理液にパッディングし、マン
グルで絞った後、100℃で2分乾燥し、160℃で3
0秒熱セットした。得られた織物の油剤量は有機溶剤抽
出法で測定し結果、0.08重量%であった。一方、同
生機を用い、精練後の上記油剤処理・乾燥のない従来に
よる織物も得た。得られた織物の特性を表1に示す。
【0023】
【表1】 本発明の方法によって、ゴム等の塗布を必要とせず、優
れた引裂強力の耐熱老化性と低通気度を有するエアバッ
グ用織物を得ることができる。
【0024】実施例2 油剤量を表2のように変更した他は実施例1と同様の方
法で織物を得た。特性を表2に示す。
【0025】
【表2】 これより、油剤量が0.06重量%以上にすることが必要な
ことがわかる。
【0026】実施例3 油剤の種類を下記のものに変更した以外は実施例1と同
様にして織物を得た。織物の特性を表3に示す。
【0027】
【表3】 (油剤種類欄の油剤は主成分(60重量%以上)の油
剤)表3にあるように、いずれの油剤も良好な引裂強力
を示し、燃焼性にも問題ないことがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、軽量、かつ柔軟性に優
れると同時に引裂強力の耐熱老化性にも優れる自動車エ
アバッグ用織物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−16753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/00 - 15/715

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】450デニ−ル以下の合成繊維マルチフィ
    ラメントから構成され、カバ−ファクタ−が1700以
    上の織物に水系の油剤(シリコン樹脂を水に乳化したも
    のを除く)を付与し、前記織物上の油剤量を織物重量に
    対し0.06重量%以上となるようにすることを特徴と
    する自動車安全装置用織物の製造方法。
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DE60043742D1 (de) * 1999-08-02 2010-03-11 Asahi Chemical Ind Basisgewebe für luftsack
JP5429603B2 (ja) * 2007-12-28 2014-02-26 東洋紡株式会社 エアバッグ用織物及びその製造方法

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