JP3292699B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜構造の強誘
電体キャパシタを含む半導体装置とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、強誘電体キャパシタを用いた
不揮発性半導体記憶装置(以下、強誘電体メモリとい
う)が知られている。強誘電体キャパシタは、基板上に
下部電極、強誘電体膜、及び上部電極を積層して構成さ
れる。強誘電体膜としては、代表的には、ペロブスカイ
ト型結晶構造を持つジルコン酸チタン酸鉛(PZT;P
bZrxTi1-x3)(0<x<1)等のペロブスカイ
ト化合物が用いられる。PZT膜を用いた場合、下部電
極及び上部電極にはPt膜が用いられる。強誘電体メモ
リは、強誘電体の自発分極(残留分極)によりデータを
不揮発に記憶することが可能となる。
【0003】この様な強誘電体メモリは、バッテリーレ
スでデータを保持でき、高速動作が可能であるため、非
接触カード(RF-ID, Radio Frequency-Identificatio
n)等への応用が始まりつつある。また既存のSRA
M、EEPROMフラッシュメモリ、DRAM等との置
き換えや、ロジック混載メモリへの適用等と期待が大き
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のPZT
を用いた強誘電体キャパシタは、電界印加によりヒステ
リシスがシフトするという特性劣化を生じる。この特性
劣化の原因は、電界印加により層間絶縁膜中の水素が移
動し、キャパシタ領域に空間電荷を形成するためであ
る。このヒステリシスのシフトは、自発分極量の低下を
もたらし、メモリのビット不良、ひいてはメモリ全体の
信頼性や歩留まり低下につながる。
【0005】Pt/PZT/Pt構造の強誘電体キャパ
シタがH2雰囲気中のアニールにより分極特性が劣化す
ることは、既に報告されている(例えば、J.Appl.Phys.
Vol.82,No.1,July 1997,pp341-344;文献1)。これに
対し、強誘電体キャパシタ中の水素濃度を低くすること
により特性改善を図る手法は、例えば特開平8−840
4号公報(文献2)に開示されているが、この手法はプ
ロセス上の制約が大きく現実的ではない。
【0006】この発明は、上記事情を考慮してなされた
もので、特性劣化の少ない強誘電体キャパシタを持つ半
導体装置とその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、絶縁膜で覆
われた半導体基板上に強誘電体キャパシタが形成された
半導体装置において、前記強誘電体キャパシタは、前記
絶縁膜上に形成された下部電極と、この下部電極上に形
成された強誘電体膜と、この強誘電体膜上に形成された
上部電極とから構成され、且つ前記強誘電体膜は、前記
下部電極に接する多結晶体からなる第1の強誘電体膜
と、この第1の強誘電体膜上に積層された前記第1の強
誘電体膜と平均粒径の異なる結晶粒の多結晶体からなる
第2の強誘電体膜とから構成されていることを特徴とす
る。
【0008】この発明はまた、絶縁膜で覆われた半導体
基板上に強誘電体キャパシタが形成された半導体装置に
おいて、前記強誘電体キャパシタは、前記絶縁膜上に形
成された下部電極と、この下部電極上に形成された強誘
電体膜と、この強誘電体膜上に形成された上部電極とか
ら構成され、且つ前記強誘電体膜は、前記下部電極に接
する第1の強誘電体膜と、この第1の強誘電体膜上に積
層された第2の強誘電体膜とから構成され、前記第1の
強誘電体膜及び第2の強誘電体膜は同一のペロブスカイ
ト化合物からなり、それらの界面全体に結晶粒界が形成
されていることを特徴とする。
【0009】この発明において、前記第1の強誘電体膜
は例えば、前記下部電極の面に略直交する粒界をもって
結晶粒が区画された多結晶体膜であり、第2の強誘電体
膜は第1の強誘電体膜の各結晶粒と略整合された結晶粒
を持つ多結晶体膜である。この発明において好ましく
は、前記第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜は鉛又
はビスマスを含有するペロブスカイト化合物からなり、
前記第1の強誘電体膜の前記下部電極との界面部におけ
る鉛又はビスマスの濃度が、前記第2の強誘電体膜の前
記上部電極との界面部における鉛又はビスマスの濃度と
略等しいものとする。更にこの発明において、好ましく
は、前記第1の強誘電体膜と前記下部電極との間、及び
前記第2の強誘電体膜と前記上部電極の間に相互拡散に
よる拡散反応層が形成されているものとする。この発明
において、前記第2の強誘電体膜は例えば、1〜150
nmの膜厚をもって形成される。
【0010】この発明は更に、絶縁膜で覆われた半導体
基板上に強誘電体キャパシタが形成された半導体装置に
おいて、前記強誘電体キャパシタは、前記絶縁膜上に形
成された下部電極と、この下部電極上に形成された強誘
電体膜と、この強誘電体膜上に形成された上部電極とか
ら構成され、且つ前記強誘電体膜と前記下部電極との間
及び前記上部電極との間に拡散層が形成されていること
を特徴とする。前記強誘電体膜は例えば、鉛又はビスマ
スを含有するペロブスカイト化合物からなり前記強誘電
体膜の前記下部電極との界面部における鉛又はビスマス
の濃度が、前記上部電極との界面部における鉛又はビス
マスの濃度と略等しいものとする。
【0011】この発明に係る半導体装置の製造方法は、
絶縁膜で覆われた半導体基板上に下部電極膜を形成する
工程と、前記下部電極膜上に第1の強誘電体膜を形成す
る工程と、熱処理を行って前記第1の強誘電体膜を結晶
化させる工程と、結晶化された前記第1の強誘電体膜上
に第2の強誘電体膜を形成する工程と、前記第2の強誘
電体膜上に上部電極膜を形成する工程と、前記上部電極
膜の形成後、熱処理を行って前記第2の強誘電体膜を結
晶化させる工程とを有することを特徴とする。
【0012】この発明の方法において例えば、前記下部
電極膜及び上部電極膜はPt膜を主体とする。この発明
の方法において好ましくは、前記下部電極膜と前記第1
の強誘電体膜の間、及び前記第2の強誘電体膜と前記上
部電極膜の間の少なくとも一方にTi膜を形成する工程
を有するものとする。
【0013】本発明者等の研究によると、Pt/PZT
/Pt構造の強誘電体キャパシタでのヒステリシスのシ
フトは、次のようなメカニズムによるものであることが
明らかになった。まず、PZT膜を良質の結晶膜として
形成するためには、通常拡散係数の大きい鉛(Pb)を
多くしたPbリッチの条件でPZT膜を堆積することが
一般的である。この様な条件でPZT膜を堆積し、熱処
理により結晶化して、上部Pt電極を形成したとする。
このとき、PZT膜では下部Pt電極との界面より上部
Pt電極との界面の方がPb−Oの多いPbリッチの状
態になる。形成された強誘電体キャパシタを覆う層間絶
縁膜やその上のモールド材から水素がPt/PZT界面
にまで拡散すると、Pt電極の強い触媒作用により、P
b−0が還元されて、Pt/PZT界面には酸素欠陥に
よる空間電荷が形成される。この空間電荷は、酸素欠陥
によるものであるから、正の固定電荷であり、これがヒ
ステリシスの正方向へのシフトをもたらし、その結果自
発分極の減少をもたらすのである。
【0014】この様な特性劣化を防止するための一つの
方法は、前掲文献2のように、キャパシタ領域の水素濃
度を低減することである。もう一つの方法は、Pt/P
ZT界面でのPt触媒作用を抑制することである。下部
Pt電極とPZT膜の界面では、PZT膜の結晶化の熱
処理工程でPt−Oの反応層が形成され、これがPt触
媒作用を抑えることは、前掲文献1にて報告されてい
る。しかし、上部Pt電極とPZT膜との界面について
は、従来の製法では上述のような反応層が形成されな
い。即ち従来の製法では、上部Pt電極の堆積前にPZ
T膜が結晶化されるため、下部電極界面におけるような
拡散反応層が形成されず、高濃度のPb−Oが残ってし
まう。
【0015】そこでこの発明においては、Pt/PZT
/Pt構造の強誘電体キャパシタを形成する際に、PZ
T膜を二層構造とする。第1のPZT膜は、第2のPZ
T膜堆積の前に結晶化する。そして、薄い第2のPZT
膜を堆積し、それがアモルファスの状態のまま上部Pt
電極を形成し、その後熱処理して第2のPZT膜を結晶
化させる。この様な手法を用いると、上部Pt電極とP
ZT膜の界面にも、Pt−Pb−O反応層が形成され、
これが水素が拡散したときのPt触媒作用を効果的に抑
制することになる。
【0016】また、第1のPZT膜を結晶化したときそ
の表面部は前述のようにPbリッチの状態である。しか
し、この上に第2のPZT膜を堆積し、更に上部Pt電
極を形成した後、熱処理すると、結果的に二層PZT膜
の上部電極及び下部電極界面のPb組成が略等しい状
態、言い換えれば、一層のみのPZT膜を用いた従来構
造に比べて、上部Pt電極界面のPb組成が低い状態が
得られる。この結果、強誘電体キャパシタの上部層間絶
縁膜から水素が強誘電体キャパシタ領域に拡散したとし
ても、上部Pt電極界面でPb−Oの水素還元による酸
素欠陥の発生量が抑えられる。
【0017】なお、第2のPZT膜を厚くすると、第1
のPZT膜の場合と同様に、結晶化したときその表面部
がPbリッチの状態となり、従来のものと同様の特性劣
化を生じる結果になり易い。従って第2のPZT膜につ
いては少なくとも第1のPZT膜よりは薄く、好ましく
は150nm以下、更に好ましくは100nm以下とす
る。第2のPZT膜の膜厚の下限については、1nmあ
れば十分効果が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1〜図5は、この発明の一実施
例による、シリコン基板上に強誘電体キャパシタを作る
工程を示している。図1において、シリコン基板1に
は、例えばMOSトランジスタ等の素子が形成され、M
OSトランジスタを覆うシリコン酸化膜(SiO2)2
が形成されている。このシリコン酸化膜2上に、Ti膜
3aをスパッタ法により20nm堆積し、引き続きPt
膜3bをスパッタ法により250nm堆積して、Pt/
Ti積層膜による下部電極3を形成する。
【0019】続いて、図2に示すように、下部電極3上
に、強誘電体膜として、第1のPZT膜4aをゾルゲル
法又はスパッタ法により、250nm堆積する。そして
この段階で、酸素雰囲気中、750℃の条件で熱処理
(RTA)を行い、PZT膜4aを結晶化させる。この
結晶化の熱処理工程で、下部電極3とPZT膜4aとの
間で拡散反応が生じ、図3に示すように拡散反応層5が
形成される。発明者等の解析によれば、拡散反応層5
は、Pb−Pt−(Ti−)O層であること、またこの
拡散反応層5が形成されるのは、熱処理前のPZT膜4
aがアモルファス状態であるためであること、が明らか
になっている。
【0020】この後、図4に示すように、結晶化された
第1のPZT膜4a上に、ゾルゲル法又は低温でのスパ
ッタ法により、第2のPZT膜4bを10nm程度堆積
する。この段階でPZT膜4bはアモルファス状態であ
る。次に、図5に示すように、PZT膜4b上に、スパ
ッタ法によりPt膜6aを100nm堆積し、その後必
要に応じてスパッタ法によりTi膜6bを10nm引き
続き堆積して、Pt単層膜又はTi/Pt積層膜による
上部電極6を形成する。その後、酸素雰囲気中、750
℃の条件で熱処理(RTA)を行い、PZT膜4bを結
晶化させる。この結晶化の熱処理工程で、上部電極6と
PZT膜4bとの間で拡散反応が生じ、図6に示すよう
に拡散反応層7が形成される。この拡散反応層7も、P
b−Pt−(Ti−)O層である。
【0021】ここまでは、強誘電体キャパシタのみに着
目して説明した。実際にこの工程を例えば、MOSトラ
ンジスタと強誘電体キャパシタによりDRAMと同様の
1トランジスタ/1キャパシタ構造のメモリセルを持つ
強誘電体メモリに適用した場合について説明すると、次
のようになる。
【0022】図7に示すように、シリコン基板1には予
め、素子分離絶縁膜11を例えば埋め込み法により形成
する。そして素子領域にゲート電極12、ソース,ドレ
イン拡散層13,14を持つMOSトランジスタ10を
形成する。MOSトランジスタ10が形成された基板上
は層間絶縁膜であるCVDシリコン酸化膜2aにより覆
う。このシリコン酸化膜2aには、一方の拡散層13に
接続されるコンタクト導体15を埋め込み形成する。そ
してこのコンタクト導体15に接続されるビット線16
をシリコン酸化膜2a上に形成する。コンタクト導体1
5及びビット線16を破線で示しているのは、MOSト
ランジスタ10の他方の拡散層14に接続されるコンタ
クト導体17とは、図面に直交する方向の異なる位置に
形成されることを示している。
【0023】ビット線16が形成された基板上には更に
層間絶縁膜であるシリコン酸化膜2bを堆積する。そし
てシリコン酸化膜2a,2bを貫通して、MOSトラン
ジスタ10の他方の拡散層14に接続されるコンタクト
導体17を埋め込む。このシリコン酸化膜2b上に、図
1〜図6により説明した工程により、下部電極3、PZ
T膜4及び上部電極6を積層形成する。この積層膜を、
その後図8に示すように、各メモりセル毎にパターニン
グし、強誘電体キャパシタ20を形成する。
【0024】その後、図9に示すように、更に層間絶縁
膜としてCVDシリコン酸化膜21を堆積し、キャパシ
タ20に対するコンタクト孔を開口して、プレート電極
22を形成する。更にこの上に層間絶縁膜としてCVD
シリコン酸化膜23を堆積し、配線層24を形成する。
配線層24は、図示しないがパシベーション膜により保
護される。
【0025】次に、この実施例により得られる強誘電体
キャパシタの内部組成、特性等を具体的に説明する。図
10は、この実施例による強誘電体キャパシタの透過型
電子顕微鏡(TEM)観察による結晶構造を、模式的に
示している。第1のPZT膜4aは、<111>軸方向
に結晶成長した結晶粒41の集合からなる多結晶体であ
る。各結晶粒は、下部電極面に垂直の粒界43により区
画されている。PZT膜4aと下部Pt電極3bとの界
面44はほぼ平坦になり、この界面44には、二次イオ
ン質量分析計(SIMS)による解析により、Pt−P
b−(Ti−)O反応層が形成されることが確認されて
いる。この点は、後述する。
【0026】第2のPZT膜4bは、結晶化された第1
のPZT膜4a上に、第1のPZT膜4aの結晶粒41
にほぼ整合された状態で成長した、結晶粒41より平均
粒経の小さい結晶粒42となる。第1のPZT膜4aの
結晶化の熱処理工程で余分なPbは第1のPZT膜4a
の表面部に多く集まる。従ってもし、第1のPZT膜4
a上に直接上部Pt電極6aを形成すると、上部Pt電
極6aの界面に多くのPbが残される。しかしこの実施
例では、第1のPZT膜4a上にごく薄く第2のPZT
膜4bを積層し、これがアモルファスの状態で上部Pt
電極6aを堆積した後、第2のPZT膜4bを結晶化さ
せている。この結果、上部Pt電極6aとの界面45に
過剰のPbが残ることがない。
【0027】図11及び図12は、この実施例による強
誘電体キャパシタと従来構造の強誘電体キャパシタのS
IMS分析結果を示す。ここで、従来構造の強誘電体キ
ャパシタは、図13に示すように、強誘電体膜として一
層のPZT膜33を有するものである。即ちこの強誘電
体キャパシタは、シリコン酸化膜31で覆われたシリコ
ン基板30上に、Ti膜32aとPt膜32bからなる
下部電極32を形成し、この上にPZT膜33を形成し
た後、これを結晶化し、上部Pt電極34を形成して作
られる。
【0028】図12から明らかなように、従来構造の強
誘電体キャパシタでは、PZT膜内で厚み方向にPb分
布が傾斜し、下部電極界面に比べて上部電極界面でPb
濃度が高くなっている。これは前述のように、Pbリッ
チの条件でPZT膜形成が行われ、結晶化の熱処理工程
で過剰のPbがPb−Oの形でPZT膜表面部に集まる
結果である。
【0029】これに対してこの実施例の構造では、図1
1に示すように、PZT膜内の上部Pt電極寄り(第1
のPZT膜と第2のPZT膜の界面付近)に小さいPb
濃度のピークが認められるものの、全体としてPZT膜
内でPb濃度はほぼ均一であり、少なくとも上下電極と
の界面部でPb濃度がほぼ等しい状態となる。これは、
第1のPZT膜と第2のPZT膜とで結晶粒の平均粒径
が異なり、換言すれば第1のPZT膜と第2のPZT膜
の界面全体に下部電極の面と略平行な結晶粒界が形成さ
れており、こうした結晶粒界中に過剰のPbが凝集し得
る。この結果として、図11に示すように、トータルの
PZT膜内のPb分布がほぼ均一になる。なおここで、
第1のPZT膜と第2のPZT膜との界面でPbが多少
高濃度になっても、ここにはPtの触媒作用がおよび難
いため、Pb−Oの還元反応に基づく大きな特性劣化が
生じるおそれはない。
【0030】この実施例による強誘電体キャパシタと、
図13に示す従来構造の強誘電体キャパシタの特性をそ
れぞれ、図14及び図15に示す。いずれも、±5V印
加によるヒステリシス特性を、初期状態(実線)とH2
雰囲気で熱処理(水素処理)後の状態(破線)で示して
いる。従来構造では、水素処理後のヒステリシスの自発
分極の大きさは、2Pr=9μC/cm2であった。こ
れに対し、この実施例の構造では、ヒステリシスの自発
分極の大きさは、2Pr=30μC/cm2であった。
【0031】この実施例によるキャパシタの水素劣化が
少ない理由として考えられるのは、次の点である。一つ
は、上部Pt電極界面に過剰のPbがないことである。
即ち、水素がこの界面に侵入したとしても、Pt電極の
触媒作用によるPb−Oの還元反応に基づく酸素欠陥が
それ程生じない。もう一つの理由は、上部Pt電極との
界面にPb−Pt−Ti−Oの拡散反応層が形成され、
これがPt触媒作用を抑制していることである。
【0032】この実施例により上述した効果が得られる
ためには、第2のPZT膜4bがアモルファス状態で上
部Pt電極6aが形成されることが必要であり、この条
件下でPb−Pt−Ti−O反応層7が形成される。ま
た第2のPZT膜4bを150nm以下、特に好ましく
は100nm以下程度に薄くすることも有効である。第
2のPZT膜5bの最低膜厚としては、1nmあれば十
分である。
【0033】図16は、この発明の別の実施例による強
誘電体キャパシタの要部構造を示す。先の実施例と異な
りこの実施例では、上下部電極のPt膜3b,6aとP
ZT膜4a,4bのそれぞれの界面部にごく薄いTi膜
8,9を形成している。これらのTi膜8,9は、PZ
T膜4a,4bの結晶成長の核となって、且つPb−P
t−(Ti−)Oの拡散反応層の形成を促進するもので
あり、その膜厚は、0.5〜10nm程度でよい。その
他、先の実施例と同様の条件とする。この実施例によれ
ば、より結晶性の良好なPZT膜が得られるとともに、
PZT膜と上下電極のPt膜との界面に十分に拡散反応
層が形成されて、Pb−Oの凝集が抑えられる。
【0034】この発明においては上述のように、キャパ
シタ構造と製法を工夫して、上部Pt電極とPZT界面
に水素の侵入があっても酸素欠陥による固定電荷が生じ
ないようにしている。一方、本発明者等が図13に示す
従来構造の強誘電体キャパシタの良品サンプル及び不良
品サンプルを解析した結果によると、上部Pt電極とP
ZT膜の界面で1×1020/cm3以下程度の水素濃度
であれば、ヒステリシスの大きなシフトおよび自発分極
の低下は生じないことが明らかになっている。
【0035】図17は、上述の解析結果から得られた、
上部Pt電極界面の水素濃度と、キャパシタの自発分極
Prの相関関係である。このデータから、水素濃度があ
るレベルを超えると、ヒステリシスのシフトの結果とし
て急激に自発分極が小さくなることが分かる。
【0036】図7〜図9で説明したようなLSI工程を
経る強誘電体メモリの場合、強誘電体キャパシタの水素
濃度を1×1019/cm3以下にすることは、困難であ
る。何故なら、図9に示したキャパシタ20上の層間絶
縁膜21,23や、更にこれらの上に形成されるモール
ド材(図示せず)からの水素の侵入が避けられないから
である。従って、従来の構造の強誘電体キャパシタであ
っても、キャパシタの水素濃度を、1×1019/cm3
〜1×1020/cm3、好ましくは2×1019/cm3
1×1020/cm3の範囲でできる限り小さくすること
により、ヒステリシスのシフトおよび自発分極の低下の
ない良好な特性が得られる。
【0037】キャパシタの水素濃度を上述した範囲に抑
えるためには、図9に示すキャパシタ20上の層間絶縁
膜21,23の水素濃度を1×1020/cm3以下にす
ればよい。更にこれらの層間絶縁膜21,23での水素
拡散係数を1×10-7cm2以下にすることが好まし
い。層間絶縁膜の水素拡散係数を小さくするには、シリ
コン酸化膜中にN(窒素)を添加する方法が考えられ
る。また、モールド材から層間絶縁膜中への水素の侵入
を抑えるには、モールド材として蒸発水素量が50pp
b以下の材料を選択することが好ましい。以上のような
水素濃度範囲を設定することは、上記実施例で説明した
キャパシタ構造の場合にも勿論有効である。
【0038】この発明は上記実施例に限られない。例え
ば実施例では、PZT膜を用いたが、強誘電体膜とし
て、他のペロブスカイト化合物、例えばSr,Bi,T
a,Oを主成分とする層状強誘電体SBT(SrBi2
Ta29等)を用いた場合にもこの発明は有効である。
SBT膜を用いた場合、PZT膜のPbに相当する作用
をする金属元素はビスマス(Bi)である。この場合
も、強誘電体膜として実施例と同様の結晶化プロセスを
用いた二層構造とし、上下部電極界面でのBi濃度がほ
ぼ等しくなるようにし、更にこれらの界面にBi−Pt
−(Ti−)O拡散反応層を形成することにより、実施
例と同様の効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、強
誘電体膜の形成工程及び構造を改良することにより、層
間絶縁膜からの水素侵入によるキャパシタ特性劣化が防
止され、高信頼性の強誘電体キャパシタを持つ半導体装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による強誘電体キャパシタ
の下部電極形成工程を示す。
【図2】同実施例による強誘電体キャパシタの第1のP
ZT膜堆積工程を示す。
【図3】同実施例による強誘電体キャパシタの第1のP
ZT膜の結晶化工程を示す。
【図4】同実施例による強誘電体キャパシタの第2のP
ZT膜堆積工程を示す。
【図5】同実施例による強誘電体キャパシタの上部電極
形成工程を示す。
【図6】同実施例による強誘電体キャパシタの第2のP
ZT膜の結晶化工程を示す。
【図7】同実施例の強誘電体キャパシタの強誘電体メモ
リへの適用例を示す。
【図8】同適用例におけるキャパシタのパターン形成工
程を示す。
【図9】同適用例におけるキャパシタ集積後の構造を示
す。
【図10】同実施例における強誘電体キャパシタのTE
M観察による結晶構造を模式的に示す。
【図11】同実施例の強誘電体キャパシタのSIMS分
析結果を示す。
【図12】従来構造の強誘電体キャパシタのSIMS分
析結果を示す。
【図13】従来構造の強誘電体キャパシタの構造を示
す。
【図14】同実施例の強誘電体キャパシタのQ−V特性
を示す。
【図15】従来構造の強誘電体キャパシタのQ−V特性
を示す。
【図16】この発明の他の実施例による強誘電体キャパ
シタの構造を示す。
【図17】従来構造の強誘電体キャパシタの水素濃度と
自発分極の相関関係を示す。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…シリコン酸化膜、3…下部電
極、3a…Ti膜、3b…Pt膜、4a…第1のPZT
膜、4b…第2のPZT膜、5,7…拡散反応層、10
…MOSトランジスタ、20…キャパシタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−321234(JP,A) 特開 平8−55967(JP,A) 特開 平9−282943(JP,A) 特開 平8−335676(JP,A) 特開 平10−50960(JP,A) 特開 平8−50960(JP,A) 国際公開96/29727(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/105 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/04 H01L 27/108

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁膜で覆われた半導体基板上に強誘電
    体キャパシタが形成された半導体装置において、 前記強誘電体キャパシタは、前記絶縁膜上に形成された
    下部電極と、この下部電極上に形成された強誘電体膜
    と、この強誘電体膜上に形成された上部電極とから構成
    され、前記強誘電体膜は、前記下部電極側に形成された多結晶
    体からなる第1の強誘電体膜と、この第1の強誘電体膜
    上に積層された前記第1の強誘電体膜より薄い多結晶体
    からなる第2の強誘電体膜とから構成され、且つ、 前記強誘電体膜と前記下部電極及び前記上部電極との間
    それぞれ電極の触媒作用を抑制する拡散反応層が形成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の強誘電体膜及び第2の強誘電
    体膜は同一のペロブスカイト化合物からなることを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の強誘電体膜は、前記下部電極
    の面に略直交する粒界をもって結晶粒が区画された多結
    晶体膜であり、前記第2の強誘電体膜は前記第1の強誘
    電体膜の各結晶粒と略整合された結晶粒を持つ多結晶体
    膜であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の強誘電体膜及び第2の強誘電
    体膜は鉛又はビスマスを含有するペロブスカイト化合物
    からなり、前記第1の強誘電体膜の前記下部電極との界
    面部における鉛又はビスマスの濃度が、前記第2の強誘
    電体膜の前記上部電極との界面部における鉛又はビスマ
    スの濃度と略等しいことを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 前記強誘電体キャパシタの水素濃度が1
    ×1020/cm3以下であることを特徴とする請求項1
    記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 絶縁膜で覆われた半導体基板上に下部電
    極膜を形成する工程と、 前記下部電極膜上に第1の強誘電体膜を形成する工程
    と、 熱処理を行って前記第1の強誘電体膜を結晶化させる工
    程と、 結晶化された前記第1の強誘電体膜上に第1の強誘電体
    膜より薄い第2の強誘電体膜を形成する工程と、 前記第2の強誘電体膜上に上部電極膜を形成する工程
    と、 前記上部電極膜の形成後、前記第2の強誘電体膜を結晶
    化させる工程とを有することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記下部電極膜と前記第1の強誘電体膜
    の間、及び前記第2の強誘電体膜と前記上部電極膜の間
    の少なくとも一方にTi膜を形成する工程を有すること
    を特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の強誘電体膜は、1〜150n
    mの膜厚をもって形成することを特徴とする請求項6記
    載の半導体装置の製造方法。
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