JP3292641B2 - Xyテーブル付き加工機 - Google Patents

Xyテーブル付き加工機

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JP3292641B2
JP3292641B2 JP28986395A JP28986395A JP3292641B2 JP 3292641 B2 JP3292641 B2 JP 3292641B2 JP 28986395 A JP28986395 A JP 28986395A JP 28986395 A JP28986395 A JP 28986395A JP 3292641 B2 JP3292641 B2 JP 3292641B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに直交する2方向
へ往復直線移動が可能な上テーブルと下テーブルを、そ
れぞれリニアエンコーダが検出する位置データに基づい
て制御することにより、搭載した被加工物に対して所望
の加工形状が設定できるようにしたXYテーブル付き加
工機に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ加工機等に装備されるXYテーブ
ルは、通常、吸着テーブル等を介して被加工物が搭載さ
れるXテーブル(上テーブル)と、このXテーブルを摺
動自在に支持する一対のX軸レール(上レール)と、こ
れらのX軸レールに沿ってXテーブルを往復直線移動さ
せるリニアモータ等の第1の駆動手段と、Xテーブルの
位置データを検出する第1のリニアエンコーダと、X軸
レール群を載置したYテーブル(下テーブル)と、X軸
レール群と直交する方向に延びてYテーブルを摺動自在
に支持する一対のY軸レール(下レール)と、これらの
Y軸レールに沿ってYテーブルを往復直線移動させるリ
ニアモータ等の第2の駆動手段と、Yテーブルの位置デ
ータを検出する第2のリニアエンコーダとを備えてい
る。ここで、第1のリニアエンコーダは、発光素子およ
び受光素子をXテーブルに設けて検出部を構成し、一方
のX軸レールに固定した目盛部(リニアスケール)に発
光素子の光を照射して反射光を受光素子にて捕捉すると
いうものなので、移動中のXテーブルの位置がリアルタ
イムに検出できるようになっており、一対のX軸レール
どうしの間隔が比較的狭くいことから、他方のX軸レー
ルとの相対位置を考慮しなくともXテーブルの位置はほ
ぼ正確に把握できる。
【0003】ただし、一対のY軸レールどうしの間隔は
広いので、一方のY軸レールとの相対位置のみによって
Yテーブルの位置を判定すると、他方のY軸レール側に
おけるYテーブルの位置制御に大きな誤差が生じてしま
う虞がある。そこで従来は、前記第2のリニアエンコー
ダとして、各Y軸レールとの相対位置からYテーブルの
位置データを検出する2台のリニアエンコーダを設置
し、各リニアエンコーダの検出結果がそれぞれ、各Y軸
レールに沿ってYテーブルを駆動する相異なるリニアモ
ータ(前記第2の駆動手段)に出力されるようにしてい
る。すなわち、これら2台のリニアエンコーダはいずれ
も、発光素子および受光素子をYテーブルに設けて検出
部を構成し、一対のY軸レールにそれぞれ固定した目盛
部に各発光素子の光を照射して、その反射光を対応する
各受光素子にて捕捉するように設定してあるので、Yテ
ーブルはいずれのY軸レール側においても正確に位置制
御することが可能となっている。
【0004】なお、この種のXYテーブルでは一般に、
Xテーブルと各X軸レール間、およびYテーブルと各Y
軸レール間にそれぞれ、テーブル側に設けたエアーノズ
ルから圧縮空気が供給されるように設計してあり、こう
して送り込んだ圧縮空気にてエアーギャップを形成する
ことにより、各テーブルをレールに沿って移動させる際
の摩擦力を大幅に低減し、もって被加工物をX軸方向お
よびY軸方向へ円滑に移送できるようになっている。
【0005】また、かかるXYテーブルを用いて被加工
物にミクロン単位の精密な加工を行うためには、温度変
化に伴う膨張や収縮の影響を極力排除しなければならな
いので、XテーブルやYテーブル、X軸レール、Y軸レ
ール等の材料としては、機械的強度に優れて熱膨張係数
の小さいグラナイトなどの石材が好適とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
種のXYテーブルでは、上述したように、一対のY軸レ
ール(下レール)にそれぞれ目盛部を固定してなる2台
のリニアエンコーダを用いることによって、Yテーブル
(下テーブル)の正確な位置を把握するようにしている
が、実際には、Xテーブル(上テーブル)がYテーブル
上のどちら側の端に位置しているかに応じて各Y軸レー
ルに加わる荷重に大きな差が生じるため、Yテーブルの
移動時の位置制御は荷重の大きい側が長く駆動されるこ
ととなり、それゆえ、一方のY軸レール側の位置制御が
完了したYテーブルが他方のY軸レール側の位置制御に
よって姿勢を変化させてしまうという現象が発生する。
その結果、Y軸レール群に沿って所定量移送した被加工
物に僅かな位置ずれが生じてしまい、これが加工精度を
劣化させる要因となっていた。
【0007】本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてな
されたもので、その目的は、搭載した被加工物を下レー
ル群に沿って正確に移送することができて加工精度の向
上が図れるXYテーブル付き加工機を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的
は、被加工物が搭載される上テーブルと、該上テーブル
を往復直線移動可能に支持する上レール群と、該上レー
ル群を載置した下テーブルと、前記上レール群と直交す
る方向に延びて前記下テーブルを前記上テーブルの移動
方向とは直交する方向に往復直線移動可能に支持する下
レール群とを備えたXYテーブルを設け、前記下レール
群を、前記下テーブルを支持する少なくとも2本の主レ
ールと、これら主レール間に位置するセンターレールと
により構成し、前記下テーブルを前記下レール群に沿っ
て往復直線移動可能に駆動するリニアモータを少なくと
も2台それぞれ間隔をあけて設けるとともに、前記下テ
ーブルの位置データを検出するリニアエンコーダを、前
記少なくとも2台のリニアモータ群を分ける大略中間位
置に前記下レールの沿びる方向に設け、該リニアエンコ
ーダが、発光素子および受光素子を有する検出部と、前
記下レール群と平行に延びる目盛部とを備え、前記検出
部を前記下テーブルの略中央部に配置するとともに、前
記目盛部を前記センターレールに固定し、前記リニアエ
ンコーダの検出結果に基づいて前記リニアモータ群が前
記下テーブルの位置制御を行うように構成することによ
って達成される。
【0009】
【作用】上述したように、下テーブルを上テーブルの移
動方向とは直交する方向に往復直線移動可能に支持する
下レール群を、少なくとも2本の主レールとこれら主レ
ール間に位置するセンターレールとにより構成し、下テ
ーブルの位置データを検出するリニアエンコーダの検出
(発光素子および受光素子)を下テーブルの略中央部
に配置するとともに、センターレールに固定した目盛部
に発光素子の光を照射して反射光を受光素子にて捕捉す
るようにしてあれば、このリニアエンコーダの検出部に
て検出される下テーブルの位置データは、その移動方向
に向かって右端にある下レールとの相対位置と左端にあ
る下レールとの相対位置とを平均したものになるので、
搭載されている被加工物の実際の位置変化を正確に把握
することができる。そして、このように1台のリニアエ
ンコーダの検出結果に基づく位置制御を、下テーブルを
駆動する複数台のリニアモータ(前記第2の駆動手段)
が同期して行うようにしてあれば、一方のリニアモータ
に位置制御された下テーブルが他方のリニアモータの位
置制御で姿勢を変化させるという現象が発生しなくなる
ので、移送した被加工物の位置ずれが回避できて加工精
度が向上する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図9に基
づいて説明する。ここで、図1は本実施例に係るXYテ
ーブルの正面図、図2は一部を図示省略した該XYテー
ブルの側面図、図3は該XYテーブルを含むレーザ加工
機の全体側面図、図4は該レーザ加工機を覆う安全カバ
ーの図3に対応する個所の側面図、図5は図1,2に示
すXYテーブルに組み込まれているY軸リニアモータの
側面図、図6は該XYテーブルのうちのXテーブルの脚
部を示す断面図、図7は図6に示すXテーブルの脚部の
エアー吹き出し面を示す平面図、図8は該XYテーブル
のうちの吸着テーブルを示す平面図、図9は図8に示す
吸着テーブルの支持構造を示す説明図である。
【0011】本実施例に係るXYテーブルは、図3に示
すレーザ加工機に採用したものである。すなわち、この
レーザ加工機は、レーザ発振器5から供給されたレーザ
ビーム(YAGレーザ)をレンズ群やビームスプリッタ
等からなる光学系で導いて被加工物に照射させる加工機
本体1と、搭載した被加工物(ガラス基板)をリニアモ
ータにより互いに直交する2方向へ移送可能なXYテー
ブル2と、これら加工機本体1およびXYテーブル2を
載置した定盤(ベース盤)3と、この定盤3を載置した
除振台4とによって概略構成されており、図3に鎖線で
示すカバーフレーム6を支持枠とする安全カバー7(図
4参照)が、このレーザ加工機や真空ポンプ8等を覆っ
ている。なお、図1中の符号21は加工機本体1を載置
する光学定盤を示しており、この光学定盤21は支柱2
2を介して定盤3に支持されている。
【0012】そして、XYテーブル2は、底面中央部に
設けた軸穴9aや真空ポンプ8に連通された多数の吸着
孔9bを有し、搭載した被加工物を吸着孔9b群を介し
ての空気の吸引により吸着固定することができる吸着テ
ーブル9と、この吸着テーブル9の前記軸穴9aに円柱
状の支軸10aを挿入して該吸着テーブル9を回動可能
に支持するXテーブル10と、このXテーブル10を摺
動自在に支持する一対の平行なX軸レール部11aを両
側縁に設けてなる断面形状が凹状の支持台11と、この
支持台11の内側に設置され前記X軸レール部11aに
沿ってXテーブル10を往復直線移動させるX軸リニア
モータ12と、Xテーブル10の位置データを検出する
X軸リニアエンコーダ13と、支持台11を載置したY
テーブル14と、前記X軸レール部11aと直交する方
向に延びてYテーブル14を摺動自在に支持する3本の
Y軸レール15,16と、これらY軸レール群15,1
6に沿ってYテーブル14を往復直線移動させるY軸リ
ニアモータ17と、Yテーブル14の位置データを検出
するY軸リニアエンコーダ18とによって主に構成され
ている。ただし、Xテーブル10と各X軸レール部11
a間、およびYテーブル14と各Y軸レール15,16
間にはそれぞれ、テーブル側に設けたエアーノズルから
圧縮空気を吹き出すことによりエアーギャップが形成さ
れ、これらのエアーギャップで摩擦力を低減することに
より、被加工物がX軸方向およびY軸方向へ円滑に移送
できるようになっている。
【0013】なお、温度変化に伴う膨張や収縮の影響を
極力排除するため、本実施例では、吸着テーブル9、X
テーブル10、支持台11、Yテーブル14、およびY
軸レール群15,16等の材料となる石材して、インデ
ィアンブラックと称されるグラナイトを用い、且つ、定
盤3の材料となる石材として、ラステンバーグと称され
るグラナイトを用いている。
【0014】さて、このようなXYテーブル2を備えた
前記レーザ加工機は、XYテーブル2を駆動制御するこ
とによって、吸着テーブル9上に搭載した被加工物を水
平面内において高い位置精度で移動させることができる
ので、加工機本体1の光学系の先端部(対物レンズ)か
ら照射されるスポット状のレーザビーム(ビームスポッ
ト)に対して、この被加工物を所定の軌跡で移動させる
ことにより、ビーム照射による所望の加工パターンが被
加工物に描画できるようになっている。具体的には、フ
ルカラー表示の液晶表示素子の製造工程で、ガラス基板
上に一方向に延びるストライプ状の透明電極と該電極上
に積層させたカラーフィルタとを形成したものを、被加
工物として吸着テーブル9上に搭載し、この被加工物を
XYテーブル2で適宜移送しながら加工機本体1にてビ
ームスポットを照射することにより、カラーフィルタを
その長手方向と直交する方向に一定のピッチ間隔で除去
することができる。
【0015】なお、XYテーブル2に組み込まれている
リニアモータ12,17は、重量物を駆動するため強い
磁力を発生するので、本実施例では、周辺に配置されて
いるモニター用のCRTや測定機に対してリニアモータ
12,17の磁力が悪影響を及ぼさないようにするた
め、主に強磁性体からなる安全カバー7でレーザ加工機
をすっぽり覆っている。すなわち、この安全カバー7は
図3,4に示すように、支持枠であるカバーフレーム6
に鉄板や消磁板等を取り付けてなるもので、具体的に
は、図4のア部はSUS304のステンレス板を取着し
た個所で、イ部とウ部はSUS304のステンレス板の
内側にSUS430の消磁板を付設して消磁効果を高め
た2層構造の個所で、このうちウ部は開閉可能な両開き
カバーとなっていて、さらにエ部は、着色アクリル板の
外側をウ部と同じ構成にした3層構造の個所となってい
る。このように、消磁効果を有する安全カバー7でレー
ザ加工機を覆い、しかもリニアモータ12,17の近傍
で強い磁力が予想される個所は2層構造にして消磁効果
を高めておけば、リニアモータ12,17の磁力が周辺
機器に悪影響を及ぼす虞がなくなり、ウ部の両開きカバ
ーを開けることにより加工機本体1の光学系の調整も容
易に行える。また、レーザビームが被加工物に正しく照
射されているかどうかを直接確認する際には、エ部の両
開きカバーを開ければ、着色アクリル板を介して安全に
目視確認が行える。
【0016】次に、本実施例に係るXYテーブルの詳細
な構成について説明する。
【0017】図8に示すように、吸着テーブル9の上面
には、真空ポンプ8に連通された多数の吸着孔9bが設
けてあり、これらの吸着孔9b群を介して真空ポンプ8
で空気を吸引することにより、吸着テーブル9は搭載し
た被加工物を吸着固定することができる。
【0018】また、図9に示すように、この吸着テーブ
ル9の底面中央部には、Xテーブル10の支軸10aを
挿入するための軸穴9aが設けてあり、支軸10aの周
囲の軸回りギャップ、つまり支軸10aの外壁面と軸穴
9aの内壁面との間には、この軸回りギャップの間隙よ
りも若干大きい樹脂球(樹脂スペーサ)19aをグリー
スに多数混合させてなる間隙維持剤19が充填させてあ
る。ただし、支軸10aはステンレス製の凸状体であ
り、軸穴9aの内壁部もステンレス製の軸受構造に形成
してある。この支軸10aは、間隙維持剤17を介して
吸着テーブル9を回動可能に支持しており、吸着テーブ
ル9上に吸着固定した被加工物をXテーブル10に対し
て高精度に位置決めする際には、図2に示すモータ20
を駆動させることにより、吸着テーブル9は支軸10a
を回動中心として適宜回動させることができる。そし
て、この軸回りギャップの間隙が15〜16μmである
のに対し、間隙維持剤19は充填前の直径が20μmの
樹脂球19aを分散させているので、充填後は各樹脂球
19aが押し潰された状態で軸回りギャップに分散され
ることになり、よって厳しい寸法管理を行わなくとも該
軸回りギャップの間隙は常に均一に保たれ、吸着テーブ
ル9の回動中心近傍にはガタが発生しないようになって
いる。なお、吸着テーブル9を回動させる位置決めが完
了したなら、Xテーブル10が上面側のエアーノズルか
ら空気を吸引して該吸着テーブル9を吸着固定できるよ
うになっている。
【0019】このXテーブル10は、図2に示すよう
に、一対の平行なX軸レール部11aを有する支持台1
1に摺動自在に支持されており、この支持台11の内側
には、Xテーブル10をX軸レール部11aに沿って往
復移動させるためのX軸リニアモータ12が設置されて
いる。かかるリニアモータ12は、Xテーブル10に一
体化させたコイル12aや、X軸レール部11aと平行
に延びる磁石12bおよびヨーク12c等によって構成
されるもので、X軸リニアエンコーダ13から出力され
るXテーブル10の位置データに基づき、可動部である
コイル12aを介して該Xテーブル10の位置制御を行
う。また、このX軸リニアエンコーダ13は、発光素子
および受光素子をXテーブル10に一体化させて検出部
13aを構成し、一方のX軸レール11aに固定した目
盛部(リニアスケール)13bに発光素子の光を照射し
て反射光を受光素子にて捕捉するというものであり、移
動中のXテーブル10の位置がリアルタイムに検出でき
るようになっている。
【0020】そして本実施例では、支持台11の両側縁
に設けた一対の平行なX軸レール部11aによってXテ
ーブル10を摺動自在に支持する構成にしてあるので、
これら一対のX軸レール部11aに対して高い平行度を
付与することが容易であるとともに、この支持台11を
Yテーブル14上に設置する際に該レール部11a群の
位置精度を容易に高めることができる。しかも本実施例
では、X軸リニアモータ12が生起する磁気駆動力の作
用点Pが、該リニアモータ12により駆動されるXテー
ブル10の重心と略合致させてあるので、このXテーブ
ル10が起動時や停止時にガタを起こす虞がなくなっ
て、加工精度の向上が図れるようになっている。
【0021】次に、支持台11を載置しているYテーブ
ル14の支持構造や駆動方法等について述べると、この
Yテーブル14は、その両側縁部が一対のY軸主レール
15によって摺動自在に支持され、且つ中央部がセンタ
ーレール(Y軸補助レール)16によって摺動自在に支
持されており、一対のY軸リニアモータ17がこれらY
軸レール群15,16に沿ってYテーブル14を往復移
動させるようになっている。かかる一対のリニアモータ
17はいずれも、図5に示すように、Yテーブル14に
一体化させたコイル17aや、Y軸レール群15,16
と平行に延びる磁石17bおよびヨーク17c等によっ
て構成されるもので、これら一対のリニアモータ17が
共に、Y軸リニアエンコーダ18から出力されるYテー
ブル14の位置データに基づき、可動部であるコイル1
7aを介して該Yテーブル14の位置制御を行う。ま
た、このY軸リニアエンコーダ18は、発光素子および
受光素子をYテーブル14の略中央部に一体化させて検
出部18aを構成し、センターレール16に固定した目
盛部(リニアスケール)18bに発光素子の光を照射し
て反射光を受光素子にて捕捉するというものであり、移
動中のYテーブル14の位置がリアルタイムに検出でき
るようになっている。
【0022】すなわち、本実施例では、Yテーブル14
の両側縁部を支持する一対のY軸主レール15だけでな
く、両主レール15間に位置するセンターレール16に
よって該Yテーブル14の中央部を支持する構成にして
あるので、Xテーブル10がYテーブル14上の中央部
付近に位置しても、センターレール16がXテーブル1
0の荷重を受け止めるのでYテーブル14に撓みが生じ
る虞はなく、また、Xテーブル10がYテーブル14上
の側縁部に位置しても、Xテーブル10の荷重を一方の
Y軸主レール15とセンターレール16とが分散して受
け止めるので、残りのY軸主レール15の上面とYテー
ブル14との間のエアーギャップが不所望に広がること
はない。なお、図1中の矢印はYテーブル14が吹き出
す圧縮空気を示したもので、この矢印からもわかるよう
に、各Y軸主レール15の上面および両側面とYテーブ
ル10との間にエアーギャップが形成され、且つセンタ
ーレール16の上面とYテーブル10との間にエアーギ
ャップが形成される。
【0023】また、本実施例では、Yテーブル14の位
置データを検出するY軸リニアエンコーダ18の検出部
18aが、このYテーブル14と一体にセンターレール
16の近傍を往復直線移動する個所に設置してあるの
で、この検出部18aにて検出されるYテーブル14の
位置データは、該Yテーブル14の両側縁部を支持して
いる一対のY軸主レール15との相対位置を平均したも
のとなって、搭載されている被加工物の実際の位置変化
を正確に把握することができる。そして、このように、
1台のY軸リニアエンコーダ18の検出結果に基づく位
置制御を、2台のY軸リニアモータ17が同期して行う
ようにしてあると、一方のリニアモータ17に位置制御
されたYテーブル14が他方のリニアモータ17の位置
制御で姿勢を変化させるという現象が発生しなくなるの
で、移送した被加工物の位置ずれが回避できて加工精度
が向上する。
【0024】ここで、Xテーブル10やYテーブル14
がX軸レール部11a群やY軸レール群15,16に向
けて圧縮空気を吹き出すエアー吹き出し面の形状につい
て、図6,7を参照しつつ説明する。なお、これらの図
ではXテーブル10の脚部のエアー吹き出し面(レール
対向面)10bを示しているが、Xテーブル10のうち
X軸レール部11a群の上面と対向する面や、Yテーブ
ル14のうちY軸主レール15群の上面や両側面と対向
する面、あるいはセンターレール16の上面と対向する
面も、ほぼ同形状のエアー吹き出し面となっている。さ
て、図示したXテーブル10のエアー吹き出し面10b
には、多数のエアーノズル10cが露出させてあるだけ
でなく、隣り合うエアーノズル10cどうしの間を横切
って延びる排気溝10dが設けてあるので、エアーノズ
ル10cを介してエアーギャップ内へ供給された圧縮空
気は、比較的ギャップの間隙が広いこれらの排気溝10
dを通って流れようとし、その結果、圧縮空気の排出流
路が安定したものとなる。特に、Yテーブル14のエア
ー吹き出し面に同様の排気溝を設けて圧縮空気の排出流
路の安定化を図っていることから、Yテーブル14上で
のXテーブル10の移動によっていずれか一方のY軸主
レール15の上面側のエアーギャップが若干広くなった
ときにも、そこへ他所から多量の圧縮空気が流入して不
規則な空気流が生成されてしまう虞はなく、それゆえエ
アーギャップ内での不規則な空気流に起因する振動の発
生を回避することが可能となっている。
【0025】なお、本実施例ではエアー吹き出し面に、
隣り合うエアーノズルどうしの間を横切って延びる排気
溝を設けた場合について例示しているが、各エアーノズ
ルの周囲に設ける排気溝の平面形状を、該エアーノズル
を略中心とする方形、あるいは田字形に設定することに
より、圧縮空気の排出流路を一層安定させることもでき
る。
【0026】次いで、本実施例におけるY軸レール群1
5,16の取り付け構造について述べる。Yテーブル1
4を摺動自在に支持する一対のY軸主レール15とセン
ターレール16は、いずれも、定盤3の上面に設けた取
付溝3a内にレール底部を挿入することにより、この取
付溝3aの内壁面にて幅方向に位置決めされるように設
計してあるので、Yテーブル14上に支持されたXテー
ブル10の移動に伴って各レール15,16に対し幅方
向に外力が加わったとしても、定盤3に位置規制される
ため、これらのレール15,16が位置ずれを起こす心
配はない。
【0027】また、本実施例では前述したように、XY
テーブル2の構成要素である吸着テーブル9、Xテーブ
ル10、支持台11、Yテーブル14、Y軸レール群1
5,16等の材料に、熱膨張係数が小さくて機械的強度
が特に高い石材として知られるインディアンブラック
(グラナイトの一種)を選択しているので、使用時に大
きな引っ張り力や圧縮力、曲げ応力などが加わるXYテ
ーブル2の各構成要素の耐久性が向上し、長期間使用し
ても各テーブル10,14や支持台11や各レール群1
5,16に亀裂等の損傷が生じにくくなっている。しか
も、装置の土台で面積が大きい定盤3の材料には、熱膨
張係数が特に小さい石材として知られるラステンバーグ
(グラナイトの一種)を選択しているので、大面積の定
盤3であっても温度変化に伴う膨張量や収縮量は極めて
少ない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるXY
テーブル付き加工機は、下テーブルを上テーブルの移動
方向とは直交する方向に往復直線移動可能に支持する下
レール群を、少なくとも2本の主レールとこれら主レー
ル間に位置するセンターレールとにより構成し、下テー
ブルの位置データを検出するリニアエンコーダの検出部
(発光素子および受光素子)を下テーブルの略中央部に
配置するとともに、センターレールに固定した目盛部に
発光素子の光を照射して反射光を受光素子にて捕捉する
ようにしてあるので、このリニアエンコーダの検出部に
て検出される下テーブルの位置データにより、搭載され
ている被加工物の実際の位置変化を正確に把握できると
ともに、下テーブルを駆動する複数の駆動手段が互いに
相手方の位置制御に悪影響を及ぼさなくなり、そのため
下テーブルにて移送した被加工物の位置ずれが回避でき
て、加工精度の向上が図れるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るXYテーブルの正面図である。
【図2】一部を図示省略した該XYテーブルの側面図で
ある。
【図3】該XYテーブルを含むレーザ加工機の全体側面
図である。
【図4】該レーザ加工機を覆う安全カバーの図3に対応
する個所の側面図である。
【図5】図1,2に示すXYテーブルに組み込まれてい
るY軸リニアモータの側面図である。
【図6】該XYテーブルのうちのXテーブルの脚部を示
す断面図である。
【図7】図6に示すXテーブルの脚部のエアー吹き出し
面を示す平面図である。
【図8】該XYテーブルのうちの吸着テーブルを示す平
面図である。
【図9】図8に示す吸着テーブルの支持構造を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 加工機本体 2 XYテーブル 3 定盤(ベース盤) 9 吸着テーブル 10 Xテーブル(上テーブル) 11 支持台 11a X軸レール部 12 X軸リニアモータ(第1の駆動手段) 13 X軸リニアエンコーダ(第1のリニアエンコー
ダ) 14 Yテーブル(下テーブル) 15 Y軸主レール 16 センターレール(Y軸補助レール) 17 Y軸リニアモータ(第2の駆動手段) 17a コイル 17b 磁石 18 Y軸リニアエンコーダ(第2のリニアエンコー
ダ) 18a 検出部 18b 目盛部(リニアスケール)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−109637(JP,A) 特開 平4−145219(JP,A) 特開 平7−40163(JP,A) 実開 昭61−199339(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 1/00 - 1/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物が搭載される上テーブルと、該
    上テーブルを往復直線移動可能に支持する上レール群
    と、該上レール群を載置した下テーブルと、前記上レー
    ル群と直交する方向に延びて前記下テーブルを前記上テ
    ーブルの移動方向とは直交する方向に往復直線移動可能
    に支持する下レール群とを備えたXYテーブルを設け、
    前記下レール群を、前記下テーブルを支持する少なくと
    も2本の主レールと、これら主レール間に位置するセン
    ターレールとにより構成し、前記下テーブルを前記下レ
    ール群に沿って往復直線移動可能に駆動するリニアモー
    タを少なくとも2台それぞれ間隔をあけて設けるととも
    に、前記下テーブルの位置データを検出するリニアエン
    コーダを、前記少なくとも2台のリニアモータ群を分け
    る大略中間位置に前記下レールの沿びる方向に設け、
    リニアエンコーダが、発光素子および受光素子を有する
    検出部と、前記下レール群と平行に延びる目盛部とを備
    え、前記検出部を前記下テーブルの略中央部に配置する
    とともに、前記目盛部を前記センターレールに固定し、
    前記リニアエンコーダの検出結果に基づいて前記リニア
    モータ群が前記下テーブルの位置制御を行うように構成
    したことを特徴とするXYテーブル付き加工機。
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