以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
以下に、本発明にかかる電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す概略平面図である。
図1に示す電子部品実装装置1は、基板Bの上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置1は、筐体2に、基板搬送部3と、電子部品供給装置4と、搭載ヘッド5と、移動部6と、ノズル交換部7と、電子部品認識部8と、電子部品貯留部9とが配置されている。
筐体2は、矩形状の本体2aの四面に、前カバー2b、後カバー2c、および両側部カバー2d,2dを有し、電子部品実装装置1を構成する各部を収納する箱として構成されている。この筐体2は、本体2aに、基板搬送部3と、電子部品供給装置4と、搭載ヘッド5と、移動部6とを有する電子部品供給搭載部1Aが配置されている。また、図には明示しないが、筐体2は、前カバー2bに操作部および表示部が配置されている。さらに、筐体2は、一方(例えば、図1中左側)の側部カバー2dにおいて、電子部品供給搭載部1Aの基板搬送部3に搬送される基板Bを筐体2内に搬入する搬入口2daが設けられている。また、筐体2は、他方(例えば、図1中右側)の側部カバー2dにおいて、電子部品供給搭載部1Aの基板搬送部3から搬送される基板Bを筐体2外に排出する排出口2dbが設けられている。
電子部品供給搭載部1Aについて説明する。基板搬送部3は、筐体2の前後をY方向とした場合に、当該Y方向に対して水平方向で直交するX方向に基板Bを搬送するものである。基板搬送部3は、X方向に延在する一対のレール3aに基づき、搭載対象面を上面とした基板Bを支持しつつレール3aに沿ってX方向に移動させる搬送機構を有する。この基板搬送部3は、筐体2内に基板Bを供給する機器から搬入口2daを介して供給された基板Bを、レール3aの延在方向の所定位置まで搬送する。基板Bは、この所定位置にて搭載対象面に電子部品が搭載される。また、基板搬送部3は、搭載対象面に電子部品が搭載された基板Bを、所定位置からレール3aの延在方向に搬送し、排出口2dbを介して筐体2外に排出して次工程(例えば、リフロー工程)の機器へ受け渡す。なお、基板搬送部3の搬送機構としては、種々の構成を用いることができ、例えば、基板Bの搬送方向に沿って配置されたレール3aと、レール3aに沿って循環するエンドレスベルト(図示せず)とを組合せ、エンドレスベルトに基板Bを載置した状態で搬送するベルト方式の搬送機構がある。
ここで、基板Bは、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板Bは、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。また、基板Bは、配線パターンの表面に、リフローによって配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。
電子部品供給装置4は、基板搬送部3の前側および後側にそれぞれ配置されており、基板Bに搭載する電子部品を多数保持し、搭載ヘッド5に供給可能、つまり、搭載ヘッド5で吸着保持可能な状態で保持位置に供給するものである。電子部品供給装置4は、凹部に電子部品を保持し、封止材によって凹部を封止されたテープを送ると同時にテープの封止材を取り除いて、凹部内の電子部品を露出させ、搭載ヘッド5で吸着保持可能な状態とするテープフィーダ方式のレーン4aが、Y方向に延在し、かつX方向に複数並設されている。なお、電子部品供給装置4は、テープフィーダ方式に限定されるものではない。
搭載ヘッド5は、電子部品供給装置4の電子部品を保持し、当該電子部品を、基板搬送部3において所定位置に搬送された基板Bに搭載するものである。搭載ヘッド5は、電子部品を電子部品供給装置4から基板Bに移動させるため、移動部6により移動可能に設けられている。
図には明示しないが、搭載ヘッド5は、複数(例えば、6本)のノズルと、ノズル駆動部とを有する。ノズルは、X方向に一列に配置されている。各ノズルは、電子部品を吸着する吸着機構であり、電子部品を吸着保持する吸着ノズルが装着される。また、各ノズルは、吸着ノズルを着脱する着脱機構を有する。ノズル駆動部は、ノズルを上下方向(X方向およびY方向に直交する方向)に移動させる移動機構と、ノズルから空気を吸引する吸引機構とを有する。また、図には明示しないが、搭載ヘッド5は、撮影装置と、高さセンサとを有する。撮影装置は、搭載ヘッド5の下方領域であって、例えば、基板Bや、電子部品が搭載された基板Bなどを撮影するため、カメラと、照明装置とを有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。高さセンサは、搭載ヘッド5の下方領域であって、例えば、基板Bや、電子部品が搭載された基板Bとの距離を計測するもので、レーザ光を照射する発光素子と、反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサは、測定時の自身の位置および基板Bの位置を用いて、電子部品の高さを検出する。
移動部6は、搭載ヘッド5をX方向およびY方向に直線状に移動させるものである。このため、移動部6は、X直動機構部61と、Y直動機構部62とを含む。X直動機構部61は、X方向に延在するX軸レール61aを有し、このX軸レール61aに搭載ヘッド5を支持し、かつX軸レール61aの延在方向に沿って搭載ヘッド5をX方向に移動させる。搭載ヘッド5をX方向に移動させる機構としては、リニアモータを用いた搬送機構が用いられる。
Y直動機構部62は、本実施形態における直動機構10を有するもので、X直動機構部61のX軸レール61aの両端部を支持しつつ、被駆動体であるX直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5をY方向に移動させるものである。このY直動機構部62の詳細は後述する。
ノズル交換部7は、本実施形態では、基板搬送部3と後側の電子部品供給装置4との間であって搭載ヘッド5の可動領域と重なる位置に設けられている。ノズル交換部7は、交換用の吸着ノズルが載置されるものである。ノズル交換部7は、複数の吸着ノズルを挿入保持するための複数のノズル保持穴7aを有する。このノズル交換部7に載置される吸着ノズルは、大きさや形状など種類の異なる電子部品に対応して吸着保持し得る複数種のもので、この複数種の個々の吸着ノズルが各ノズル保持穴7aに挿入保持される。
なお、電子部品実装装置1は、ノズル交換部7に保持された吸着ノズルの種類を検出する機能を有する。この機能として、例えば、ノズル交換部7は、ノズル保持穴7aの下方から光を照射する照射装置7bを含み構成されている。ノズル交換部7において、各ノズル保持穴7aは、それぞれ同じ形状とされている。一方、種類の異なる吸着ノズルは、各ノズル保持穴7aに挿入保持されるものの、それぞれ形状が異なる。このため、照射装置7bから照射された光は、形状が同じノズル保持穴7aと、形状が異なる吸着ノズルとの隙間を透過するため、種類の異なる吸着ノズルそれぞれに対応して透過面積や透過量が異なる。そして、吸着ノズルが装着される搭載ヘッド5は、照射装置7bから照射される光の透過面積や透過量を撮影するカメラ5aを含み構成されている。すなわち、照射装置7bから照射される光の透過面積や透過量を搭載ヘッド5のカメラ5aにより撮影する。そして、撮影した光の透過面積や透過量を解析することでノズル交換部7に保持された吸着ノズルの種類を検出することができる。
電子部品認識部8は、本実施形態では、ノズル交換部7とともに、基板搬送部3と後側の電子部品供給装置4との間であって搭載ヘッド5の可動領域と重なる位置に設けられている。電子部品認識部8は、搭載ヘッド5に保持される電子部品を認識するものである。電子部品認識部8としては、例えば、画像認識装置があり、搭載ヘッド5の下方から撮影するカメラや、撮影領域を照明する照明ユニットを有する。画像認識装置は、搭載ヘッド5に装着された吸着ノズルで吸着保持された電子部品の状態、すなわち、電子部品の形状や、吸着ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。具体的に、電子部品認識部8は、その上方位置に搭載ヘッド5が移動されると、搭載ヘッド5の吸着ノズルを鉛直方向下側から撮影する。そして、撮影した画像を解析することで、吸着ノズルで吸着された電子部品の形状や、吸着ノズルによる電子部品の保持状態を認識することができる。
また、電子部品認識部8は、例えば、電子部品が有する端子の下端部の高さを測定してコプラナリティ検査を実施するコプラナリティ検査装置がある。また、電子部品認識部8は、例えば、電子部品の容量や抵抗の測定をする測定装置がある。また、電子部品認識部8は、例えば、吸着ノズルによる電子部品の吸着時での電子部品に対する衝撃力を測定する測定装置がある。これらは、基板Bに電子部品を搭載する基板Bの生産中では使用頻度の低いものである。
なお、電子部品を認識する機能は、搭載ヘッド5に設けられていてもよい。この電子部品を認識する機能は、図には明示しないが、例えば、レーザ認識装置がある。レーザ認識装置は、光源と受光素子とを有する。このレーザ認識装置は、搭載ヘッド5の吸着ノズルで吸着保持した電子部品に対して、光源により上方からレーザ光を照射し受光素子で受光する。そして、受光素子で検出したレーザ光を解析することで、電子部品の状態、すなわち、電子部品の形状や、吸着ノズルによる電子部品の保持状態を認識することができる。このレーザ認識装置と、上記電子部品認識部8とをともに備えると、吸着ノズルにより吸着保持された電子部品の状態をより正確に認識することが可能になる。
電子部品貯留部9は、本実施形態では、ノズル交換部7および電子部品認識部8とともに、基板搬送部3と後側の電子部品供給装置4との間であって搭載ヘッド5の可動領域と重なる位置に設けられている。電子部品貯留部9は、搭載ヘッド5が吸着ノズルで保持しているが、基板Bに実装しない電子部品を貯留する箱である。つまり、電子部品実装装置1では、基板Bに実装しない電子部品を廃棄する廃棄ボックスとなる。電子部品実装装置1は、搭載ヘッド5が保持している電子部品の中に基板Bに実装しない電子部品がある場合、搭載ヘッド5を電子部品貯留部9と対面する位置に移動させ、保持している電子部品を解放することで、電子部品を電子部品貯留部9に投入する。
[実施形態1]
以下に、本実施形態に係る直動機構10を有するY直動機構部62について説明する。図2は、本実施形態に係る直動機構の概略平面図であり、図3は、本実施形態に係る直動機構の概略正面図である。
上述したように、Y直動機構部62は、本実施形態における直動機構10を有している。直動機構10は、被駆動体であるX直動機構部61のX軸レール61aの両端側にそれぞれ配置されている。そして、直動機構10は、フレーム11と、ベース12と、リニアモータ13と、直動ガイド14と、補助ガイド15とを含み構成されている。
フレーム11は、電子部品実装装置1における筐体2の本体2aに固定されている。フレーム11は、本体2aの上面に立設され、被駆動体を移動させるY方向に沿って延在する板状に形成されている。フレーム11は、X方向であって被駆動体側に向く垂直面11aと、上向きの水平面11bとを有している。
ベース12は、垂直方向に延在する垂直部12Aと、水平方向に延在する水平部12Bとを有し、正面視でL字状の断面形状に形成されている。垂直部12Aは、フレーム11と被駆動体との間に配置されるもので、被駆動体側に向く垂直面12Aaと、フレーム11の垂直面11aに対向する垂直面12Abとを有している。水平部12Bは、フレーム11の上方に配置されるもので、下向きの水平面12Baを有している。このベース12は、垂直部12Aの垂直面12Aaに、被駆動体であるX直動機構部61のX軸レール61aの端部が固定される。
リニアモータ13は、移動子13aと、固定子13bとを有している。移動子13aは、ベース12における垂直部12Aの垂直面12Abに取り付けられている。移動子13aは、例えば、磁界を起こす電磁石がY方向に少なくとも1対並べて設けられている。固定子13bは、フレーム11における垂直面11aに取り付けられている。固定子13bは、フレーム11に対し、被駆動体を移動させるY方向に沿って設けられる。固定子13bは、例えば、永久磁石がY方向に沿って磁極を交互に並べて配置されている。なお、移動子13aが永久磁石で、固定子13bが電磁石であってもよい。このリニアモータ13は、移動子13aと固定子13bとが、被駆動体を移動させる水平方向に対して直交する水平方向に対向配置される。
直動ガイド14は、摺動レール14aと、スライダ14bとを有している。摺動レール14aは、リニアモータ13の上方であって、フレーム11における上向きの水平面11bに取り付けられている。摺動レール14aは、被駆動体を移動させるY方向に沿って延在して設けられている。スライダ14bは、ベース12における水平部12Bの下向きの水平面12Baに取り付けられている。スライダ14bは、摺動レール14aの延在方向であるY方向に沿って移動自在に摺動レール14aに嵌合する。また、スライダ14bは、ベース12に対して複数箇所(本実施形態では2箇所)に設けられている。
補助ガイド15は、案内レール15aと、ローラ(移動部)15bとを有している。案内レール15aは、リニアモータ13の下方であって、フレーム11における垂直面11aに取り付けられている。案内レール15aは、被駆動体を移動させるY方向に沿って延在して設けられている。ローラ15bは、ベース12における垂直部12Aの垂直面12Abに取り付けられている。ローラ15bは、ベース12の垂直面12Abに対して回転支持部15cにより取り付けられ、案内レール15aの延在方向であるY方向に沿って転動可能に設けられている。このローラ15bは、案内レール15aに対してリニアモータ13の移動子13aと固定子13bとの対向方向で接触する。また、ローラ15bは、ベース12に対して複数箇所(本実施形態では2箇所)に設けられている。
このようなY直動機構部62の各直動機構10は、ベース12に固定した被駆動体であるX直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5を、直動ガイド14を介してフレーム11に支持し、被駆動体を移動させるY方向に沿って移動可能とする。また、Y直動機構部62の各直動機構10は、補助ガイド15の案内レール15aとローラ15bとの接触によりフレーム11に対するベース12の水平方向の間隔を確保する。すなわち、リニアモータ13の移動子13aと固定子13bとの対向間隔を確保する。そして、Y直動機構部62の各直動機構10は、リニアモータ13を駆動することで、直動ガイド14および補助ガイド15により、フレーム11に対してベース12とともに被駆動体を支持しつつY方向に沿って移動させる。
また、本実施形態における補助ガイド15の構成は、可動部をなす。可動部は、直動ガイド14における摺動レール14aへのスライダ14bの嵌合、および補助ガイド15における案内レール15aへのローラ15bの係合を維持しつつ、ベース12の垂直方向の変位を許容するものである。すなわち、補助ガイド15は、案内レール15に対してローラ15bが接触して転動する構成であるため、ベース12が垂直方向に変位しても案内レール15aへのローラ15bの係合状態は維持される。そして、ベース12の垂直方向への変位をローラ15bが移動部となって吸収することから、直動ガイド14における摺動レール14aへのスライダ14bの嵌合状態が維持される。
このように、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、基板Bに電子部品を搭載する電子部品実装装置1に用いられて被駆動体(X直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5)を水平方向で直線状に移動させる電子部品実装装置用直動機構において、直動機構10は、被駆動体の両側にそれぞれ配置されており、電子部品実装装置1の筐体2に固定されたフレーム11と、被駆動体に固定されたベース12と、ベース12における垂直面12Abに取り付けられた移動子13a、およびフレーム11における垂直面11aに取り付けられた固定子13bが被駆動体を移動させる水平方向(Y方向)に対して直交する水平方向に対向配置されたリニアモータ13と、リニアモータ13の上方であってフレーム11における上向きの水平面11bに取り付けられて被駆動体を移動させる方向(Y方向)に延在する摺動レール14a、およびベース12における下向きの水平面12Baに取り付けられて摺動レール14aの延在方向に沿って移動自在に摺動レール14aに嵌合するスライダ14bからなる直動ガイド14と、リニアモータ13の下方でフレーム11に取り付けられて被駆動体を移動させる方向に延在する案内レール15a、およびベース12側に取り付けられて案内レール15aの延在方向に沿って移動自在に案内レール15aに係合するローラ(移動部)15bからなる補助ガイド15と、直動ガイド14における摺動レール14aへのスライダ14bの嵌合、および補助ガイド15における案内レール15aへのローラ15bの係合を維持しつつ、ベース12の垂直方向の変位を許容する可動部と、を含む。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、被駆動体の両側において、移動子13aおよび固定子13bが被駆動体を移動させる水平方向(Y方向)に対して直交する水平方向に対向配置されたリニアモータ13を備えることで、リニアモータ13の水平方向の寸法を減少させることができ、これにより電子部品実装装置1の大型化を抑えることが可能になる。
一方、摺動レール14aにスライダ14bが嵌合する直動ガイド14を、リニアモータ13の上方に配置するとともに、フレーム11における上向きの水平面11bに摺動レール14aを取り付け、ベース12における下向きの水平面12Baにスライダ14bを取り付けたことから、当該直動ガイド14によって、被駆動体を支持するための垂直方向の荷重を受けることが可能になる。しかも、リニアモータ13の移動子13aと固定子13bとの対向方向で案内レール15aにローラ15bが接触する補助ガイド15を、リニアモータ13の下方に配置することで、リニアモータ13が作用する水平方向の吸引力を受けることが可能になる。しかも、補助ガイド15は、案内レール15aにローラ(移動部)15bが接触する可動部として構成され、ベース12の垂直方向の変位を許容することから、直動ガイド14の取り付けに高い精度が要求されない。この結果、直動ガイド14は1つの構成でよく、複数の直動ガイドを用いることと比較して直動ガイド14の取り付けに高い精度が要求されず、容易に真直度を確保することが可能になる。
従って、この電子部品実装装置用直動機構によれば、電子部品実装装置1の大型化を抑えつつ被駆動体の両側にリニアモータ13を配置し、被駆動体(X直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5)を移動させるための駆動を高速化して電子部品の搭載時間の短縮化を図ることができ、かつ直動ガイド14の真直度を確保して駆動が高速化されても直動ガイド14の寿命の減少を抑えることができる。
また、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、可動部が、補助ガイド15において、リニアモータ13の下方であってフレーム11における垂直面11aに取り付けられて被駆動体を移動させる方向(Y方向)に延在する案内レール15a、およびベース12における垂直面12Abに取り付けられて案内レール15aに対してリニアモータ13の移動子13aと固定子13bとの対向方向で接触しつつ案内レール15aの延在方向に沿って転動可能に設けられた移動部としてのローラ15bからなることが好ましい。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、案内レール15aと、当該案内レール15aに接触するローラ15bとからなる簡素な構成により可動部を得ることが可能になる。
また、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、図4の直動機構の調整機構を示す概略正面図に示すように、フレーム11における垂直面11aと案内レール15aとの間に案内レール15aとローラ15bとの接触を調整するシム16aを含むことが好ましい。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、シム16aがスペーサとなって案内レール15aにおけるローラ15bと接触する滑走面の垂直に対する角度が調整される。このため、案内レール15aの滑走面の位置精度が向上するので、案内レール15aの滑走面とローラ15bとの接触を円滑にし、駆動が高速化されても補助ガイド15および直動ガイド14の寿命の減少を抑えることができる。
また、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、図4に示すように、ベース12における垂直面12Abとローラ15bの回転支持部15cとの間に案内レール15aとローラ15bとの接触を調整するシム16bを含むことが好ましい。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、シム16bがスペーサとなってローラ15bと当該ローラ15bが接触する案内レール15aの滑走面との間隔が調整される。このため、ローラ15bと案内レール15aの滑走面との隙間がなくなるので、案内レール15aの滑走面とローラ15bとの接触を確保し、駆動が高速化されても補助ガイド15および直動ガイド14の寿命の減少を抑えることができる。
また、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、図5の直動機構の補助ガイドを示す概略正面図に示すように、ローラ15bを回転可能に支持するベアリング17を含むことが好ましい。
ベアリング17は、ローラ15bの内輪として配置され、回転支持部15cに軸15dを介して取り付けられる。この電子部品実装装置用直動機構によれば、ベアリング17によりローラ15bの回転を円滑にし、駆動が高速化されても補助ガイド15および直動ガイド14の寿命の減少を抑えることができる。
[実施形態2]
以下に、本実施形態に係る直動機構10を有するY直動機構部62について説明する。図6は、本実施形態に係る直動機構の概略平面図であり、図7は、本実施形態に係る直動機構の概略正面図である。
なお、本実施形態の直動機構は、上述した実施形態1の直動機構に対し、補助ガイドおよび可動部の構成が異なり、他の構成は同様である。従って、以下では、実施形態1と同等部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
補助ガイド15は、案内レール15dと、スライダ(移動部)15eとを有している。案内レール15dは、リニアモータ13の下方であって、フレーム11における垂直面11aに固定された固定部材18に取り付けられている。固定部材18は、断面L字形状に形成され、被駆動体を移動させるY方向に沿って延在して設けられている。この固定部材18は、断面L字形状の一片がフレーム11の垂直面11aに固定され、断面L字形状の他片が、フレーム11の垂直面11aからベース12の垂直部12Aに向けて水平方向(X方向)に延在する。案内レール15dは、この固定部材18の他片における下向きの水平面18aに取り付けられ、被駆動体を移動させるY方向に沿って延在して設けられている。
スライダ15eは、ベース12における垂直部12Aの垂直面12Aaに取り付けられた支持部材19に取り付けられている。支持部材19は、断面L字形状に形成されている。この支持部材19は、断面L字形状の一片がベース12における垂直部12Aの垂直面12Aaに対して垂直方向に調整移動可能に取り付けられ、断面L字形状の他片が、ベース12の垂直部12Aの下端をくぐりフレーム11に向けて水平方向(X方向)に延在し、その上向きの水平面19aが固定部材18の下向きの水平面18aに垂直方向で対向する。スライダ15eは、この支持部材19の他片における水平面19aに取り付けられている。スライダ15eは、案内レール15dの延在方向であるY方向に沿って移動自在に案内レール15dに嵌合する。また、スライダ15eは、支持部材19に対して複数箇所(本実施形態では2箇所)に設けられている。
また、支持部材19の垂直方向の調整移動は、例えば、ベース12の垂直部12Aまたは支持部材19の一片に垂直方向に長い長穴が設けられ、支持部材19の一片またはベース12の垂直部12Aが、この長穴に対してネジで固定される。他に、ベース12の垂直部12Aと支持部材19の一片とが凹凸の嵌合により相対的に垂直方向に移動可能に設けられ、互いにネジで固定されてもよい。
各直動機構10を組み付ける場合、まず、X方向の一方(例えば、図7左側)の直動ガイド14の真直度を直定規にて出しフレーム11に取り付ける。次に、X方向の他方(例えば、図7右側)の直動ガイド14、X方向の両側の補助ガイド15の平行度を、先に真直度を出した一方の直動ガイド14を基準として出しフレーム11に取り付ける。X直動機構部61のX軸レール61aと各直動ガイド14とは、ベース12を介して取り付けられる。また、補助ガイド15は、支持部材19に取り付けられる。このとき、支持部材19は、ベース12に対して垂直方向に移動可能な状態であり、上側の直動ガイド14とその下側の補助ガイド15との高さ交差は、支持部材19の移動調整により吸収される。補助ガイド15は、その上側の直動ガイド14と上下が反転して配置され、スライダ15eが案内レール15dの下側に配置されている。このため、補助ガイド15を支持部材19に取り付ける場合、支持部材19の下側からネジを挿入するので、リニアモータ13と支持部材19との間に距離を大きく取る必要がなく、電子部品実装装置1の大型化を抑えることが可能である。上方のリニアモータ13側からネジを挿入すると、その分の距離をリニアモータ13と支持部材19との間に取らなければならず、上下方向に電子部品実装装置1が大型化してしまう。
このようなY直動機構部62の各直動機構10は、ベース12に固定した被駆動体であるX直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5を、直動ガイド14を介してフレーム11に支持し、被駆動体を移動させるY方向に沿って移動可能とする。また、Y直動機構部62の各直動機構10は、補助ガイド15により、フレーム11に対するベース12の水平方向の間隔を確保する。すなわち、リニアモータ13の移動子13aと固定子13bとの対向間隔を確保する。そして、Y直動機構部62の各直動機構10は、リニアモータ13を駆動することで、直動ガイド14および補助ガイド15により、フレーム11に対してベース12とともに被駆動体を支持しつつY方向に沿って移動させる。
また、本実施形態における補助ガイド15のスライダ(移動部)15eが取り付けられる支持部材19は、可動部をなす。可動部としての支持部材19は、ベース12に対して垂直方向に移動調整可能に取り付けられている。すなわち、支持部材19は、ベース12が垂直方向に変位しても案内レール15dへのスライダ15eの嵌合状態は維持される。そして、ベース12の垂直方向への変位をその移動調整により吸収することから、直動ガイド14における摺動レール14aへのスライダ14bの嵌合状態が維持される。
このように、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、基板Bに電子部品を搭載する電子部品実装装置1に用いられて被駆動体(X直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5)を水平方向で直線状に移動させる電子部品実装装置用直動機構において、直動機構10は、被駆動体の両側にそれぞれ配置されており、電子部品実装装置1の筐体2に固定されたフレーム11と、被駆動体に固定されたベース12と、ベース12における垂直面12Abに取り付けられた移動子13a、およびフレーム11における垂直面11aに取り付けられた固定子13bが被駆動体を移動させる水平方向(Y方向)に対して直交する水平方向に対向配置されたリニアモータ13と、リニアモータ13の上方であってフレーム11における上向きの水平面11bに取り付けられて被駆動体を移動させる方向(Y方向)に延在する摺動レール14a、およびベース12における下向きの水平面12Baに取り付けられて摺動レール14aの延在方向に沿って移動自在に摺動レール14aに嵌合するスライダ14bからなる直動ガイド14と、リニアモータ13の下方でフレーム11に取り付けられて被駆動体を移動させる方向に延在する案内レール15d、およびベース12側に取り付けられて案内レール15dの延在方向に沿って移動自在に案内レール15dに嵌合するスライダ(移動部)15eからなる補助ガイド15と、直動ガイド14における摺動レール14aへのスライダ14bの嵌合、および補助ガイド15における案内レール15dへのスライダ15eの係合を維持しつつ、ベース12の垂直方向の変位を許容する可動部と、を含む。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、被駆動体の両側において、移動子13aおよび固定子13bが被駆動体を移動させる水平方向(Y方向)に対して直交する水平方向に対向配置されたリニアモータ13を備えることで、リニアモータ13の水平方向の寸法を減少させることができ、これにより電子部品実装装置1の大型化を抑えることが可能になる。
一方、摺動レール14aにスライダ14bが嵌合する直動ガイド14を、リニアモータ13の上方に配置するとともに、フレーム11における上向きの水平面11bに摺動レール14aを取り付け、ベース12における下向きの水平面12Baにスライダ14bを取り付けたことから、当該直動ガイド14によって、被駆動体を支持するための垂直方向の荷重を受けることが可能になる。しかも、補助ガイド15を、リニアモータ13の下方に配置することで、リニアモータ13が作用する水平方向の吸引力を受けることが可能になる。しかも、補助ガイド15は、スライダ(移動部)15eが垂直方向に移動調整可能な可動部としての支持部材19を介してベース12に取り付けられ、ベース12の垂直方向の変位を許容することから、直動ガイド14の取り付けに高い精度が要求されない。この結果、直動ガイド14は1つの構成でよく、複数の直動ガイドを用いることと比較して直動ガイド14の取り付けに高い精度が要求されず、容易に真直度を確保することが可能になる。
従って、この電子部品実装装置用直動機構によれば、電子部品実装装置1の大型化を抑えつつ被駆動体の両側にリニアモータ13を配置し、被駆動体(X直動機構部61のX軸レール61aおよび搭載ヘッド5)を移動させるための駆動を高速化して電子部品の搭載時間の短縮化を図ることができ、かつ直動ガイド14の真直度を確保して駆動が高速化されても直動ガイド14の寿命の減少を抑えることができる。
また、本実施形態の電子部品実装装置用直動機構は、可動部が、補助ガイド15のスライダ(移動部)15eを支持する支持部材19を、ベース12に対して垂直方向に調整移動可能に設け、案内レール15dがフレーム11側における下向きの水平面18aに取り付けられ、スライダ(移動部)15eが支持部材19における上向きの水平面19aに取り付けられていることが好ましい。
この電子部品実装装置用直動機構によれば、上述したように、補助ガイド15のスライダ15eを支持部材19に取り付ける場合、リニアモータ13を避けて下側から取り付け作業を行えるため、リニアモータ13側に取り付け作業の領域を用意しなくてもよく、電子部品実装装置1の大型化を抑えつつ可動部を得ることが可能になる。しかも、直動ガイドと補助ガイドとが、上下で互いに平行な面に取り付けられているため、組み付け時には水平方向の平行度のみ出すことで、精度を確保することが可能である。