JP3292192B2 - コードレスアイロン - Google Patents

コードレスアイロン

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、載置台にアイロン
本体を載置したときに載置台からアイロン本体のヒータ
に電力を供給してベースを加熱し、その余熱で衣類等の
しわ伸ばしを行うコードレスアイロンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコードレスアイロンは、
図8のような構造になっていた。すなわち、ベース1を
加熱するヒータ2に接続された金属製の棒体で構成され
た給電端子3は、一端がアイロン本体4から突出するよ
うにアイロン本体4の後部に取り付けた蓋体5に、ね
じ、ナット等の締結部材6により機械的に固着するとと
もに、給電端子3とヒータ2との接続はリード線等の導
電部材7を介して行っており、このアイロン本体4を載
置台8に載置したとき、載置台8に設けた電極9に前記
給電端子3を接続してアイロン本体4のヒータ2に通電
するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造のものでは、給電端子3はアイロン本体4の後
部に設けた蓋体5に締結部材6により機械的に固定して
いるため、アイロン本体4を載置台8に載置するたびに
給電端子3の固定部に繰り返し加わる外力等の機械的な
負荷によって締結部材6にゆるみが生じ、給電端子3と
電極9との電気的接続が確実に行えなくなるという問題
があった。
【0004】また、リード線等の導電部材7を介してヒ
ータ2と給電端子3をアイロン本体4内で接続している
ため、給電端子3を固着した蓋体5は、給電端子3に導
電部材7を接続した後にアイロン本体4に取り付ける複
雑な構成になり、組立作業性も悪いという問題があっ
た。
【0005】そこで、本発明はヒータへの通電が的確に
行えるコードレスアイロンを得ることを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、ヒータと電気的に接続された給電体を
い板状部材を折り曲げて構成し、電気絶縁物からなる基
台を介してベースに取り付けるとともに、前記給電体の
一端をアイロン本体の後部に突出させ、その先端部を載
置部に設けた電極と接続するようにしたものである。
【0007】これにより、給電体をアイロン本体の載置
部側へ近づけて低い位置に設定することができ、給電体
の先端部位置のバラツキを少なくして電極と確実に接続
させ、ヒータへの通電を的確に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ベースを加熱するヒータ、および前記ヒータと電気
的に接続された給電体を有するアイロン本体と、前記ア
イロン本体を載置する載置部、および前記載置部に前記
アイロン本体を載置しているとき、前記給電体と接続し
て前記ヒータに商用電源を印加する電極を有した載置台
とを具備し、前記給電体は、薄い板状部材を折り曲げて
構成し、電気絶縁物からなる基台を介して前記ベースに
取り付けられ、かつ、その一端を前記アイロン本体の後
部に突出させるとともに、その先端部を前記電極と接続
するようにしたものであり、給電体をアイロン本体の載
置部側へ近づけて低い位置に設定することができるた
め、給電体の先端部位置のバラツキを少なくして電極と
確実に接続させることができ、アイロン本体を載置台に
載置するたびにヒータへの通電を的確に行うことができ
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明において、アイロン本体の後部に孔部
を有した蓋体を設け、前記孔部に給電体を通してその一
端を前記アイロン本体の後部に突出させるとともに、そ
の先端部を前記電極と接続するようにしたものであり、
給電体を所定の間隔と方向に保つことができる。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、上記請求
項1または2に記載の発明において、ベースの上面側を
覆うように同ベースに取り付けたカバーを有し、前記カ
バーに給電体と対向する位置に支持部を設け、前記支持
部と蓋体に設けた孔部とで前記給電体を支持するように
したものであり、載置台への載置時に給電体に加わる外
力による変形や位置ずれを防止することができる。
【0011】また、請求項4に記載した発明は、上記請
求項1〜3に記載の発明において、アイロン本体の後部
に孔部を有した蓋体を設け、前記孔部に給電体を通して
後方へ突出させるとともに、前記蓋体に孔部から突出さ
せた給電体を収容する凹部を設け、前記凹部をヒータの
端子部間に配置したものであり、給電体がアイロン本体
から後方へ突出する長さを小さくすることができ、アイ
ロン本体の小型化を促進して載置部への載置動作と載置
部からの取り外し動作を容易にし、操作性に優れたコー
トドレスアイロンを得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0013】(実施例1)図1〜図4に示すように、1
0はアイロン本体で、ヒータ11によって加熱されるベ
ース12を有している。前記ヒータ11は略U字状に曲
げられてその両方の端子部11aがベース12の後部に
位置するように取り付けられている。
【0014】13はセラミック等の電気絶縁物からなる
基台で、前記ベース12の後部上面に上方から嵌め込ん
で取り付けている。そして、この基台13には、ヒータ
11の端子部11aに一端を固着した導電部14aを介
してヒータ11と接続された給電体15を固着してあ
り、この給電体15の先端部には接点15aを有してい
る。
【0015】前記給電体15は、導電部14aとともに
例えばステンレス、銅、鉄等の薄板を折り曲げて構成し
てあり、その折り曲げられた内側に実質的に空間が形成
され、その大部分が外気と接するようにしてある。そし
て、この給電体15は図4で示した断面形状に折り曲げ
られている。なお、給電体15は、上記断面形状の他に
図5の(a)(b)でその一例を示したように様々な形
状にすることが可能である。
【0016】16はベース12の後部上面に取り付けた
サーミスタ等からなる温度検知部で、この温度検知部1
6で検知した温度信号はアイロン本体10の制御部17
に入力する。18はベース12の後部上面に取り付けて
ヒータ回路に接続された温度過昇防止器で、ベース12
が所定の温度を超えて過熱されたときに動作してヒータ
回路を遮断するものである。
【0017】19はベース12の上面を覆って同ベース
12に取り付けた耐熱樹脂製のカバーで、前記給電体1
5を折り曲げて形成した係止部15bの前部に、上方か
ら垂下させて給電体15の上部に対向させた支持部20
を有するとともに、このカバー19の上方には後部を開
放した把手21を設置している。
【0018】22はアイロン本体10の後部に取り付け
た蓋体で、開放した把手21の後部とヒータ11の端子
部11aを下方から覆うとともに、この蓋体22には前
記給電体15を通す孔部23が設けてあり、この孔部2
3は、給電体15が延びている方向に沿って所定の長さ
を有して給電体15の表面を包囲している。
【0019】そして、この孔部23は前記給電体15に
形成した係止部15bの後部に対向させてあり、この孔
部23と前記支持部20とで給電体15を前後方向から
支持するとともに、支持部20によって給電体15の上
方への移動も規制してベース12上に取り付けられてい
る。
【0020】24は蓋体22に設けた凹部で、前記孔部
23を貫通してアイロン本体10から後方へ突出した給
電体15を収容するとともに、ヒータ11の端子部11
a間に位置するようにベース12側へ窪ませている。
【0021】25はアイロン本体10を載置する載置台
で、この載置台25の載置部25aにアイロン本体10
のベース12を下向きにして前上がりに傾斜させて載置
したとき、アイロン本体10の凹部24と嵌合する膨出
部26を有するとともに、この膨出部26に給電体15
を通す孔27を形成している。
【0022】28は給電体15と接続するばね性を有し
た電極で、前記膨出部26内に配設してあり、給電体1
5により押圧されて変位することによって所定の付勢力
が得られるようになっている。
【0023】29は給電体15と同様に構成してアイロ
ン本体10より突出させた送信部で、この送信部29か
ら送られてくる温度信号によりアイロン本体10の温度
を制御する制御部30を有している。なお、前記載置台
25には電極28と制御部30に電力を供給する電源コ
ード(図示せず)が導出可能に設けてある。
【0024】次に、この実施例の構成における作用を説
明する。まず、アイロンがけを行うときは、載置台25
上で所定の温度に加熱されたアイロン本体10を載置部
25aから取り外すと、給電体15と電極28の接続が
切り離されて使用することができる。
【0025】また、ベース12を下向きにして前上がり
に傾斜させてアイロン本体10を載置部25aに載置す
ると、アイロン本体10の凹部24が膨出部26に嵌合
するとともに、給電体15と送信部29が孔27を通し
て電極28と接続され、ヒータ11に通電される。
【0026】そして、高温に加熱されたベース12から
の熱は、給電体15の温度を上昇させる。このとき、給
電体15は薄い板状部材を折り曲げて構成しているた
め、外気と接する表面積を増大させているため、効率よ
く放熱して電極28側への熱伝達量を大幅に減少させ、
載置台25の内部温度を低く抑えるとともに、電極28
の近傍に配置された制御部30に対する熱的悪影響をな
くすことができる。
【0027】そして、給電体15は電気絶縁物からなる
基台13を介してベース12に取り付けることによっ
て、載置部25a側へ近づけて低い位置に設けることが
でき、アイロン本体10を載置台25に載置したときに
給電体15の先端に固着した接点15a位置のバラツキ
を少なくして的確に電極28に対向させることができる
ため、ヒータ11への通電を確実に行うことができる。
【0028】また、アイロンがけ作業においては、上記
のようにアイロン本体10の頻繁な載置台25への載置
と、載置台25から取り外す動作が繰り返し行われるこ
とにより、給電体15にもその都度外力が加わり機械的
な負荷が作用する。
【0029】しかしながら、給電体15に形成した係止
部15bの前部にカバー19の支持部20を垂下させて
いるため、電極28との接続時に外力を受けても係止部
15bが支持部20に当接して給電体15の後退変位を
防止することができる。
【0030】また、蓋体22に設けた給電体15を通す
孔部23を係止部15aの後部に対向させてあり、この
孔部23と前記支持部20とで給電体15を前後方向か
ら支持しているため、載置動作の繰り返しによる給電体
15の変形や位置ずれが防止できる。
【0031】また、上記支持部20は給電体15の上方
への移動も規制することができるため、ねじ等の締結部
材を用いることなく、簡単な構成でベース12上に取り
付けることができる。
【0032】また、蓋体22に設けた孔部23に給電体
15を通しているため、複数の給電体15を所定の間隔
と方向に矯正した状態に保つことができ、載置動作の繰
り返しによる給電体15の変形や位置ずれが防止できる
とともに、電極28に対する接触角度が変化することを
防止し、電極28との接続を長期に亘って良好に行うこ
とができる。
【0033】また、給電体15に、一端をヒータ11の
端子部11aに接続した導電部14aを設けているた
め、給電体15とヒータ11を直結することができ、外
力によってゆるみが生じる接続部がなくなる。
【0034】したがって、アイロンがけ作業中の頻繁な
載置台25への載置と離脱の動作が長期に亘って繰り返
し行われた場合でも、導通不良等が生じる恐れがなく、
給電体15を介してヒータ回路と電極28との電気的接
続が確実に行える。なお、前記給電体15に、制御部1
7と接続される第2の導電部14bを設けてもよい。
【0035】また、給電体15をベース12に近づけて
配設することにより、孔部23を通して突出させた給電
体15を収容する凹部24をヒータ11の端子部11a
間に配置することができ、アイロン本体10の後方への
突出長さを小さくして、載置台25への載置動作と載置
台25からの取り外し動作を容易にすることができる。
【0036】(実施例2)図6に示すように、給電体3
1を耐熱樹脂製のカバー32に固着したもので、給電体
31の一端は、蓋体33の孔部34を通して突出してお
り、ねじ35等により蓋体33に固着するとともに、ヒ
ータ11の端子部11aと電気的に接続される。他の構
成は実施例1と同じである。
【0037】上記構成によれば、給電体31の温度上昇
が低く抑えられることに加えて、給電体31を取り付け
たカバー32はベース12に取着されているため、アイ
ロン本体10を載置台25に載置したとき、給電体31
の先端に取り付けた接点位置のバラツキを少なくでき、
的確に電極28に対向させてヒータ11への通電を確実
に行うことができる。
【0038】(実施例3)図7に示すように、蓋体36
に設けた孔部37に給電体38を通してその表面を孔部
37で包囲するように給電体38を蓋体36に取り付け
たものである。他の構成は実施例1と同じである。上記
構成によれば、給電体38の熱を温度の低い蓋体36を
通して放熱することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、ベースを加熱するヒータ、および前記ヒ
ータと電気的に接続された給電体を有するアイロン本体
と、前記アイロン本体を載置する載置部、および前記載
置部に前記アイロン本体を載置しているとき、前記給電
体と接続して前記ヒータに商用電源を印加する電極を有
した載置台とを具備し、前記給電体は、薄い板状部材を
折り曲げて構成し、電気絶縁物からなる基台を介して前
記ベースに取り付けられ、かつ、その一端を前記アイロ
ン本体の後部に突出させるとともに、その先端部を前記
電極と接続するようにしたから、給電体を載置部側へ近
づけて低い位置に設けることができるため、給電体の先
端部位置のバラツキを少なくして的確に電極に接続させ
ることができ、ヒータへの通電を確実に行うことができ
る。
【0040】また、請求項2に記載の発明によれば、ア
イロン本体の後部に孔部を有した蓋体を設け、前記孔部
に給電体を通してその一端を前記アイロン本体の後部に
突出させるとともに、その先端部を前記電極と接続する
ようにしたから、複数の給電体を所定の間隔と方向に保
つことができ、載置動作の繰り返しによる変形や位置ず
れを防止して電極との接続を良好に行うことができる。
【0041】また、請求項3に記載の発明によれば、ベ
ースの上面側を覆うように同ベースに取り付けたカバー
を有し、前記カバーに給電体と対向する位置に支持部を
設け、前記支持部と蓋体に設けた孔部とで前記給電体を
支持するようにしたから、載置台への載置時に給電体に
加わる外力による変形や後退変位を防止することができ
る。
【0042】また、請求項4に記載の発明によれば、ア
イロン本体の後部に孔部を有した蓋体を設け、前記孔部
に給電体を通して後方へ突出させるとともに、前記蓋体
に孔部から突出させた給電体を収容する凹部を設け、前
記凹部をヒータの端子部間に配置したから、給電体がア
イロン本体から後方へ突出する長さを小さくすることが
でき、載置部への載置動作と載置部からの取り外し動作
を容易にして使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコードレスアイロンの一実施例を示し
た一部切欠断面図
【図2】同コードレスアイロンのベースの部分上面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】図3のB−B断面図
【図5】(a)同コードレスアイロンの給電体の他の実
施例を示した断面図 (b)同コードレスアイロンの給電体の他の実施例を示
した断面図
【図6】本発明の他の実施例を示したコードレスアイロ
ンの要部断面図
【図7】本発明の他の実施例を示したコードレスアイロ
ンの要部断面図
【図8】従来のコードレスアイロンの一部切欠断面図
【符号の説明】
10 アイロン本体 11 ヒータ 12 ベース 13 基台 15 給電体 25 載置台 25a 載置部 28 電極
フロントページの続き (72)発明者 赤井 徳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 藤本 洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小林 伸一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−77593(JP,A) 特開 平3−193099(JP,A) 特開 平8−150299(JP,A) 特公 平4−43680(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 79/02 D06F 75/26 D06F 75/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースを加熱するヒータ、および前記ヒ
    ータと電気的に接続された給電体を有するアイロン本体
    と、前記アイロン本体を載置する載置部、および前記載
    置部に前記アイロン本体を載置しているとき、前記給電
    体と接続して前記ヒータに商用電源を印加する電極を有
    した載置台とを具備し、前記給電体は、薄い板状部材を
    折り曲げて構成し、電気絶縁物からなる基台を介して前
    記ベースに取り付けられ、かつ、その一端を前記アイロ
    ン本体の後部に突出させるとともに、その先端部を前記
    電極と接続するようにしたコードレスアイロン。
  2. 【請求項2】 アイロン本体の後部に孔部を有した蓋体
    を設け、前記孔部に給電体を通してその一端を前記アイ
    ロン本体の後部に突出させるとともに、その先端部を前
    記電極と接続するようにした請求項1記載のコードレス
    アイロン。
  3. 【請求項3】 ベースの上面側を覆うように同ベースに
    取り付けたカバーを有し、前記カバーに給電体と対向す
    る位置に支持部を設け、前記支持部と蓋体に設けた孔部
    とで前記給電体を支持するようにした請求項1または2
    記載のコードレスアイロン。
  4. 【請求項4】 アイロン本体の後部に孔部を有した蓋体
    を設け、前記孔部に給電体を通して後方へ突出させると
    ともに、前記蓋体に孔部から突出させた給電体を収容す
    る凹部を設け、前記凹部をヒータの端子部間に配置した
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のコードレスアイロ
    ン。
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