JP3291838B2 - バイオセンサ及びその製造方法 - Google Patents

バイオセンサ及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定溶液中の被測定
物質と生体物質との生物化学反応による電気変化量を測
定することにより被測定物質を測定するバイオセンサ及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のバイオセンサとして、例
えば、特開昭61−50262号公報に示す平板型のバ
イオセンサが知られている。すなわち、図7に示すよう
に、平板型のバイオセンサ100は、セラミックス基板
101と、このセラミックス基板101上に形成された
作用極103及び対極105と、上記作用極103と対
極105との間を絶縁する絶縁層108と、上記作用極
103上に、酵素などの生体物質を担持した識別層10
7と、上記作用極103及び対極105の端子部10
9,111にそれぞれ接続され、その間の電流値を測定
する電気測定部(図示省略)とを備えており、上記識別
層107側が感応部113となっている。
【0003】ここで、上記識別層107に生体物質を担
持させる方法として、吸着法、化学的修飾法や包括法等
が知られている。包括法は、生体物質を高分子マトリッ
クス中に包括する方法であり、例えば、高分子としてポ
リアクリルアミドゲル等の担体を作用極107上に形成
し、上記担体に生体物質をグルタミンアルデヒドの化学
的処理により担持させる方法である。また、吸着法は、
不溶性の担体膜に生体物質を吸着固定させる方法であ
り、例えば、電極上にアルブミンやセルロース等の吸着
膜を形成し、生体物質を溶解した溶液に上記吸着膜を浸
漬させ、さらに、洗浄処理を施して作用極103に確実
に付着している生体物質を選択することにより、上記生
体物質を吸着物質に担持させる方法である。
【0004】このバイオセンサ100を用いて被測定溶
液を測定するには、感応部113を被測定溶液に浸漬さ
せる。これにより、識別層107に担持した生体物質が
被測定溶液に含まれている被測定物質と生物化学反応
し、酸素または過酸化水素を発生する。この酸素等の発
生による酸化還元に伴う電流を電気測定部で測定するこ
とにより、被測定物質が測定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
包括法や吸着法で生体物質を担体に担持したバイオセン
サでは、以下の問題がある。すなわち、上記包括法で
は、生体物質の固定化の際の化学的影響により生体物質
が失活したり、また生体物質が担体に目詰まりして被測
定液と接触しないものが多く生じて、その使用効率が低
下するという問題がある。
【0006】また、吸着法では、固定化の後に洗浄処理
を行っており、この洗浄処理により生体物質が多く脱落
してしまい、このため、小型のバイオセンサでは一定量
以上の生体物質を作用極上に固定することが難しいとい
う問題があった。
【0007】さらに、上記生体物質の異なる感応部11
3を同一の絶縁性基板上に複数個形成して、絶縁被測定
溶液中の多くの被測定物質を同時に測定することが検討
されている。ところが、同一の絶縁性基板上に、生体物
質の異なる感応部を多数設けると、1箇所の感応部から
生成した物質が隣接する他の感応部に干渉して、正確な
測定結果が得られないという問題もあった。
【0008】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、活性のある生体物質を所定量以上安定し
て備えると共に、被測定溶液中の複数の被測定物質を同
時に正確に測定することができるバイオセンサ及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1の発明は、被測定溶液中の被測定物
質と生体物質との生物化学反応に伴う電気変化量を測定
することにより被測定物質を測定するバイオセンサにお
いて、絶縁性基板と、この絶縁性基板に形成され、被測
定溶液を貯留するための測定用凹所と、測定用凹所内に
設けられ、上記生体物質を有する識別層と、上記測定用
凹所の開口付近に臨み、かつ該測定用凹所に貯留された
被測定溶液に浸されるよう設けられた1対の電極と、測
定用凹所の開口周縁部に少なくとも設けられた撥水層
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、請求項1のバイオセン
サにおいて、上記測定用凹所、識別層及び1対の電極を
含んでなる測定部を絶縁性基板に複数形成したものであ
る。
【0011】さらに、請求項3は、被測定溶液中の被測
定物質と生体物質との生物化学反応に伴う電気変化量を
測定することにより被測定物質を測定するバイオセンサ
の製造方法において、絶縁性基板上に、1対の電極を形
成する工程と、絶縁基板上に、上記1対の電極の向かい
合う領域を開口とするように積層した撥水層を形成する
工程と、上記開口を通じて、絶縁性基板の一部を除去形
成することにより、上記被測定溶液を貯留する測定用凹
所を形成する工程と、生体物質を含有した溶液を上記開
口を通じて測定用凹所に入れ、該溶液を乾燥して上記測
定用凹所内に上記生体物質を有する識別層を形成する工
程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1の発明のバイオセンサでは、被測定溶
液を撥水層の開口付近に摘下すると、被測定溶液は、開
口から測定用凹所へ導入され、識別層と接触する。被測
定溶液中の被測定物質は、識別層に担持された生体物質
と反応して、酸素または過酸化水素等を発生する。酸素
等の発生により電極上で酸化還元反応が生じて、1対の
電極間に電流が流れる。この電流に基づいて被測定溶液
中の被測定物質が測定される。このとき、被測定溶液
は、撥水層によりその開口から測定用凹所に導かれて、
他の部分に漏れず、しかも、測定用凹所内に貯留して測
定されるので、少ない被測定溶液の量で正確に測定され
る。
【0013】また、請求項1の発明では、識別層は、測
定用凹所の区画されたスペースに形成されるので、ほぼ
一定範囲内に収まり正確に形成することができる。
【0014】また、請求項2のバイオセンサでは、同一
の絶縁性基板に、上記測定用凹所、識別層及び1対の電
極を含んでなる測定部を複数形成している。これらの複
数の測定部では、撥水層が測定の際に、被測定溶液を、
それぞれの開口を通じて各測定用凹所に導き入れて識別
層の生体物質と反応する。このとき、各測定部の測定用
凹所は、相互に独立して形成されているから、各測定部
の反応生成物は、他の測定部に影響を与えない。よっ
て、複数の被測定物質の測定を1度に正確に行なうこと
ができる。
【0015】さらに、請求項3のバイオセンサの製造方
法では、生体物質を測定用凹所内に保持させるのに、ま
ず、生体物質を含有した溶液を調製して、その溶液を撥
水層の開口付近に摘下する。このとき、撥水層の撥水性
から、被測定溶液がその開口を通じて測定用凹所に導か
れて満たされる。その後、測定用凹所内の溶液を乾燥さ
せることにより、測定用凹所内に生体物質を担持した識
別層を形成する。このとき、生体物質の量は、測定用凹
所の容量に依存する所定量に調節される。また、撥水層
は、被測定溶液の測定の際に、その開口を通じて、測定
用凹所内に被測定溶液を導いて満たす。被測定溶液の量
は、識別層の生体物質の量と同様に、測定用凹所の容量
に依存し、生体物質の量との間に相関関係をもつ。すな
わち、測定用凹所の容量は、生体物質と被測定溶液量と
を所定の相関関係としてもたらすから、被測定溶液は、
生体物質の量に左右されることなく、正確に測定でき
る。また、生体物質は、測定用凹所内で乾燥して固定す
るだけであり、化学的処理を施したりしないから、生体
物質はほとんど失活しない。
【0016】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0017】図1はバイオセンサの感応部の平面図を示
し、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。
バイオセンサの感応部10は、測定用凹所12を有する
絶縁性基板14と、上記絶縁性基板14上に形成されか
つ互いに対向する作用極16及び対極18と、上記絶縁
性基板14、作用極16及び対極18上に積層形成され
た撥水層20と、上記測定用凹所12の底面に形成され
た識別層22とを備えている。
【0018】上記撥水層20は、電気絶縁性かつ疎水性
の材料から形成された層であり、作用極16と対極18
の先端を含んだ領域に、導入用開口20aを、その他端
に端子用開口20c,20dを有している。上記導入用
開口20aは、上記測定用凹所12に被測定溶液を導入
可能な位置に形成されている。
【0019】上記識別層22は、被測定溶液中の被測定
物質と生物化学反応する酵素等の生体物質を有する層で
ある。また、上記作用極16及び対極18は、測定用凹
所12の上部に位置する検出部16a,18aと、結線
用の端子部16b,18bと、検出部16a,18aと
端子部16b,18bとをそれぞれ接続する配線部16
c,18cとから形成されている。上記作用極16及び
上記対極18の端子部16b,18bは、撥水層20の
端子用開口20c,20dに露出しており、電気測定部
(図示省略)の接続線がぞれぞれ接続されている。
【0020】次に上記バイオセンサを用いた測定法を説
明する。バイオセンサの感応部10を被測定溶液中に浸
漬すると、被測定溶液は、撥水層20が疎水性であるか
ら、この部分には濡れ難く、その表面張力により導入用
開口20aに集まり、作用極16と対極18との間隙を
通って、測定用凹所12へ導かれ、これを満たす。この
状態で作用極16と対極18との間に一定電圧を印加す
る。被測定溶液中の被測定物質は、識別層22の生体物
質の作用により生物化学反応を行なう。この反応に伴っ
て電流が流れ、この電流を電気的に処理して被測定物質
を測定する。電気的処理として、電流値を積分した総電
気量に基づいて被測定溶液中の被測定物質の総量を測定
する方法や一定時間後における安定したときの電気量か
ら測定する方法を採用する。なお、測定用凹所12内に
被測定溶液を貯留させるには、上述のように感応部10
を被測定溶液に浸漬するほか、撥水層20の導入用開口
20aの付近に小量の被測定溶液を摘下してもよい。
【0021】次に上記バイオセンサの製造工程について
図3を中心に説明する。 (1) 絶縁性基板14の製造工程 まず、絶縁性基板14を形成する。この絶縁性基板14
の形成工程として、親水性のある材料、例えば、ガラス
やその複合材料から板材を作成し、これを所定形状に切
り出す方法を採用することができる。また、他の方法と
して、セラミックスのグリーンシートを焼成する方法を
採用することができる。
【0022】(2) 作用極16及び対極18の形成工
程(図3(A)) 絶縁性基板14上に作用極16及び対極18を形成す
る。作用極16及び対極18の形成工程として、周知の
厚膜印刷法、蒸着法、スパッタリング法等を採用するこ
とができる。作用極16は、過酸化水素を分解するよう
な触媒作用のある金属を使用することが望ましく、例え
ば、金、白金、パラジウム、チタン等及びそれらの合金
を用いることもできる。また、対極18は、被測定溶液
の電位をとれる材料であればよく、例えば、金、白金、
パラジウム、銅、鉄、銀、チタン等及びそれらの合金を
用いることができる。
【0023】(3) 撥水層20の形成工程(図3
(B)) 絶縁性基板14、作用極16及び対極18上に撥水層2
0を積層する。撥水層20の形成工程として、撥水性材
料を所定厚さだけ塗布して層を形成する方法、撥水性材
料を蒸着法にて所定厚さ堆積させて形成する方法、撥水
性材料からフィルムを形成し、これを接着することによ
り形成する方法、等を採用することができる。なお、工
程を簡略化する方法として、後述するように、測定用凹
所12をエッチング形成するためのマスクを兼用すべ
く、フォトレジスト法を採用することが望ましい。な
お、フィルムを接着する方法の場合には、疎水性のフィ
ルムに導入用開口20aを形成し、そのフィルム上に1
対の電極を形成し、これを絶縁性基板に積層接着する。
上記撥水性材料としては、例えば、ノボラック樹脂また
はイソプレンゴム,ポリイミド・ポリエチレン、ポリエ
ステル等を用いることができる。撥水層20の導入用開
口20aは、被測定溶液の導入を容易に行なえる形状及
び大きさであれば、図1のように正方形のほかに、円
形、多角形等の各種の形状及び大きさであればよく、例
えば、正方形の場合には、1辺が10μm〜1mmに形
成する。
【0024】(4) 測定用凹所12の形成工程(図3
(C)) 撥水層20の導入用開口20aを通じて、絶縁性基板1
4の上部をエッチング除去することにより測定用凹所1
2を形成する。すなわち、エッチング液を撥水層20上
からかけると、エッチング液は、撥水層20の部分では
濡れ性がよくないので、導入用開口20aに集まる。よ
って、導入用開口20aの部分の下側の絶縁性基板14
がエッチングされてこの部分に測定用凹所12が形成さ
れる。
【0025】(5) 識別層22の形成工程 酵素や免疫等の生体物質を含有した溶液を調製し、この
溶液を導入用開口22aに向けて摘下し測定用凹所12
内に満たす。その後、乾燥処理を施すことにより、測定
用凹所12の底部に識別層22が形成される。なお、酵
素や免疫等を溶解するための溶液は、リン酸ナトリウム
等を含有させてpHを4〜5に調製することが望まし
い。これにより、溶液中のリン酸ナトリウムは、識別層
22が固化した際に塩となって取り込まれるが、被測定
溶液が測定用凹所12に入ったときに溶解する。溶解し
たリン酸ナトリウムは、被測定溶液自体のpHが比較的
高くても、被測定溶液に溶解して酵素等の生体物質が活
性化するpHに調整する作用がある。よって、従来、被
測定溶液は、生体物質が活性を失わないように緩衝液で
pH調製を行なってから測定に用いていたが、この作業
を省略できる。なお、生体物質としては、各種の酵素の
ほかに、微生物等を用いることができ、これに対応した
被測定物質を測定することができる。生体物質は、水溶
液に溶解させるほか、ゲル状物質に担持させてもよい。
【0026】上記バイオセンサの製造方法において、測
定用凹所12の上部には、撥水層20で囲まれた導入用
開口20aが形成されており、この導入用開口20aを
通じて生体物質を含有した溶液が導入される。このと
き、撥水層20は、その疎水性から該溶液を導入用開口
20aへ導いて、これを満たすよう作用する。よって、
識別層は、測定用凹所12内だけに形成される。よっ
て、識別層22の生体物質の量は、測定用凹所12に貯
留した溶液の量に依存し、所望した正確な量になる。
【0027】また、こうした方法により製造したバイオ
センサを用いて被測定溶液の測定を行なうと、撥水層2
0は、被測定溶液をその導入用開口20aを通じて、測
定用凹所12内に導き、その測定用凹所12に貯留され
た被測定溶液だけが識別層22に担持された生体物質と
生物化学的反応を行なう。被測定用液の量は、生体物質
の量と同様に、測定用凹所12の容量に依存して、互い
に相関関係をもつことになる。その結果、被測定溶液の
測定値は、生体物質の量に左右されることなく、正確な
値が得られる。
【0028】さらに、生体物質を有する識別層22を形
成するのに、生体物質を含んだ溶液を測定用凹所内で乾
燥させているだけであり、従来の技術の包括法のよう
に、化学的処理が不要であるので、生体物質が失活せ
ず、また、吸着法のように洗浄等の処理が不要であるの
で、脱落する生体物質もない。
【0029】<実験例>次に、上記実施例にかかるバイ
オセンサとして、グルコースを測定するセンサに適用
し、その評価試験を行なった。バイオセンサの感応部1
0は、以下の工程により作成した。まず、絶縁性基板1
4としてガラス板(コーニング社製:商品名7059)
を、縦10mm×横10mm×厚さ0.5mmの大きさ
に加工した。次に、フォトレジストによりマスクを形成
し、マスクがされていない絶縁性基板14上に蒸着法を
用いてPtを厚さ0.3μmに蒸着させて作用極16及
び対極18を形成した。
【0030】次に、フォトレジスト(東京応化社製:商
品名OMR83)を絶縁性基板14上に厚さ20μmに
塗布し、さらにフォトリソグラフィー法により導入用開
口20a及び端子用開口20c,20dを有する撥水層
20を形成した。その後、マスクされていない導入用開
口20aを通じて絶縁性基板14の一部をエッチングし
て測定用凹所12を形成した。エッチング液として、弗
酸・弗酸アンモニウム・酢酸及び水の混酸に硝酸を添加
した溶液を40℃に調節して用いた。次に、グルコース
オキシターゼを水に溶かした溶液を導入用開口20aに
向けて摘下して乾燥させることにより、識別層22を形
成した。
【0031】この一連の工程により作成したバイオセン
サの感応部10を電気測定部に接続してグルコースを測
定した。すなわち、27℃の水でグルコースを100m
g/dlの試料溶液に調製し、バイオセンサの感応部1
0の作用極16と対極18との間に一定電圧0.8Vを
印加した。この状態にて感応部10の導入用開口20a
に向けて試料溶液を摘下した。
【0032】次に、第2の実施例について図4ないし図
6を用いて説明する。図4はバイオセンサの感応部の平
面図を示し、図5は図4のV−V線に沿った断面図であ
る。
【0033】バイオセンサの感応部50は、絶縁性基板
14A上に、ほぼ同じ構成の第1測定部50Cと第2測
定部50Dとを備えている。上記第1測定部50Cは、
測定用凹所12Cと、識別層22C,作用極16C及び
対極18Aの一部から構成されており、一方、第2測定
部50Dは、測定用凹所12Dと、識別層22D,作用
極16D及び対極18Aの一部から構成されている。な
お、対極18Aは、第1測定部50C及び第2測定部5
0Dの作用極16C,16Dに対して共通電極となって
いる。また、上記識別層22Cと識別層22Dとは、異
なった生体物質、例えば、グルコースオキシターゼとコ
レステロールオキシダーゼそれぞれ担持している。
【0034】第2の実施例に係るバイオセンサでは、同
一の絶縁性基板14A上に、第1測定部50C,第2測
定部50Dが形成されており、これらの複数の測定部5
0C,50Dでは、測定の際に、被測定溶液を、導入用
開口20e,20fを通じて測定用凹所12C,12D
にそれぞれ満たして、識別層20C,20Dの生体物質
とそれぞれ反応する。このとき、各測定用凹所12C,
12Dは、独立区画して形成されているから、被測定物
質と生体物質との反応生成物は、互いに他の測定用凹所
12C,12Dの反応生成物に影響を与えない。よっ
て、1度の測定で、被測定溶液から、複数の種類の測定
信号を正確に得ることができる。
【0035】しかも、第1及び第2測定部50C,50
Dは、図6(A)〜図6(C)に示すように、上述した
ような一連の工程により同時に形成できるから製造も簡
単である。なお、図6(A)〜図6(C)は、図3
(A)〜図3(C)に対応している。
【0036】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0037】上記実施例では、絶縁性基板14として親
水性のガラスから形成したが、これに限らず、疎水性の
材料、例えば、樹脂,Siから形成してもよい。この場
合には、シロキサン等のアルコールに溶かした溶液を作
成し、該溶液に疎水性の絶縁性基板を浸漬して、測定用
凹所に親水性を具備させることが好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係るバイオセンサによれば、撥水層の開口から測定用凹
所に被測定溶液を導き、その被測定溶液の被測定物質を
識別層に担持された生体物質と反応させ、この反応に基
づいて被測定物質を測定している。よって、被測定溶液
は、撥水層によりその開口から測定用凹所に導かれて、
他の部分に漏れず、しかも、測定用凹所内に貯留して被
測定物質が測定されるので、少ない被測定溶液の量で正
確に測定できる。
【0039】また、請求項2のバイオセンサでは、同一
の絶縁性基板に、上記測定用凹所、識別層及び1対の電
極を含んでなる測定部を複数形成している。これらの複
数の測定部では、測定の際に、撥水層が被測定溶液を各
開口から各測定用凹所に導いて、被測定溶液中の複数の
被測定物質が識別層の生体物質とぞれぞれ反応する。こ
のとき、各測定部の測定用凹所は、相互に独立して形成
されているから、各測定部の反応生成物は、他の測定部
に影響を与えない。よって、複数の被測定物質の測定を
1度に正確に行なうことができる。
【0040】さらに、請求項3のバイオセンサの製造方
法では、生体物質を識別層中に固定するのに、生体物質
を含有した溶液を調製して、その溶液を撥水層の開口を
通じて測定用凹所に入れ、測定用凹所内の溶液を乾燥さ
せることにより行なっている。したがって、撥水層は、
その撥水作用から生体物質を含有した溶液を測定用凹所
内に導いて、該測定用凹所内に識別層を形成する。よっ
て、生体物質の量は、測定用凹所の容量に依存する所定
量に調節される。また、撥水層は、被測定溶液の測定の
際に、その開口を通じて、測定用凹所内に被測定溶液を
導いて満たす。被測定溶液の量は、識別層の生体物質の
量と同様に、測定用凹所の容量に依存し、生体物質の量
との間に相関関係をもつ。すなわち、測定用凹所の容量
が生体物質と被測定溶液量とを所定の相関関係をもたら
すから、被測定溶液は、生体物質の量に左右されること
なく、正確に測定できる。また、生体物質は、測定用凹
所内で乾燥して識別層中に担持させるだけであり、化学
的処理を施したりしないから、生体物質はほとんど失活
しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかるバイオセンサの
感応部を示す平面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図。
【図3】同実施例にかかるバイオセンサの感応部の製造
工程を説明する説明図。
【図4】本発明の第2の実施例にかかるバイオセンサの
感応部を示す平面図。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図。
【図6】第2の実施例にかかるバイオセンサの感応部の
製造工程を説明する説明図。
【図7】従来のバイオセンサの感応部を示す斜視図。
【符号の説明】
10…感応部 12…測定用凹所 14,14A…絶縁性基板 16,16C,16D…作用極 16a…検出部 16b…端子部 16c…配線部 18,18C,18D…対極 18a…検出部 18b…端子部 18c…配線部 20,20A…撥水層 20a…導入用開口 20c,20d…端子用開口 22,22C,22D…識別層 50…感応部 50C…第1測定部 50D…第2測定部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定溶液中の被測定物質と生体物質と
    の生物化学反応に伴う電気変化量を測定することにより
    被測定物質を測定するバイオセンサにおいて、 絶縁性基板と、 この絶縁性基板に形成され、被測定溶液を貯留するため
    の測定用凹所と、 測定用凹所内に設けられ、上記生体物質を有する識別層
    と、 上記測定用凹所の開口付近に臨み、かつ該測定用凹所に
    貯留された被測定溶液に浸されるよう設けられた1対の
    電極と、 測定用凹所の開口周縁部に少なくとも設けられた撥水層
    と、 を備えたことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 上記測定用凹所、識別層及び1対の電極
    を含んでなる測定部を絶縁性基板に複数形成した請求項
    1に記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 被測定溶液中の被測定物質と生体物質と
    の生物化学反応に伴う電気変化量を測定することにより
    被測定物質を測定するバイオセンサの製造方法におい
    て、 絶縁性基板上に、1対の電極を形成する工程と、 絶縁基板上に、上記1対の電極の向かい合う領域を開口
    とするように積層した撥水層を形成する工程と、 上記開口を通じて、絶縁性基板の一部を除去形成するこ
    とにより、上記被測定溶液を貯留する測定用凹所を形成
    する工程と、 生体物質を含有した溶液を上記開口を通じて測定用凹所
    に入れ、該溶液を乾燥して上記測定用凹所内に上記生体
    物質を有する識別層を形成する工程と、 を備えることを特徴とするバイオセンサの製造方法。
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