JP3290832B2 - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP3290832B2
JP3290832B2 JP30957094A JP30957094A JP3290832B2 JP 3290832 B2 JP3290832 B2 JP 3290832B2 JP 30957094 A JP30957094 A JP 30957094A JP 30957094 A JP30957094 A JP 30957094A JP 3290832 B2 JP3290832 B2 JP 3290832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザプリンタ等に用
いられる、レーザ光を用いて走査・集光を行う光走査装
置に係り、詳しくは、レーザ光を偏向させる手段として
光の回折格子であるホログラムを用いた光走査装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光源からの射出レーザ光を
ホログラムを用いて偏向させ、偏向されたレーザ光を被
走査面上にスポット状に集光させて主走査を行う光走査
装置が知られている。図9は、このような光走査装置の
一例を示している。以下、図9を用いて光走査装置の概
要を説明する。光走査装置101は、半導体レーザ10
2からの射出レーザ光を、照射光学手段103を用い
て、モータ104により回転駆動されるホログラム10
5が形成されたホログラムディスク106に照射させ、
このホログラムディスク106で回折されたレーザ光を
さらに後置ホログラム107を用いて回折し、この回折
光を被走査面である感光体ドラム108上に微小スポッ
トとして集光、照射させるようになっている。そして、
照射光学手段103としては、半導体レーザ102から
出射されたレーザ光L1を平行光L2にするコリメート
レンズ111と、スリット112と、スリット112を
透過した光を走査方向に垂直な副走査方向に集光しホロ
グラムディスク106への入射レーザ光L3とする円筒
レンズ113とから構成されている。また、ホログラム
105は、ホログラムディスク106の片面の表面に凹
凸形状で形成されている。後置ホログラム107につい
ても同様にその片面に表面に凹凸形状でホログラムが形
成されている。
【0003】このような構成において、モータ104の
回転駆動に伴ってホログラムディスク106が回転する
ことにより、ホログラムディスク106で回折されたレ
ーザ光の方向が変化して、レーザ光の偏向が行われ、こ
れにより、レーザ光は感光体ドラム108上をその長手
方向に直線走査する。さらに、後置ホログラム107を
組み合わせることにより、感光体ドラム108上の光ス
ポットを走査範囲内で所定の大きさに保持し、また、レ
ーザ光の波長変動に伴う走査位置の変位補正を行うよう
にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような光走査装置101において、入射レーザ光L3の
偏光方向がホログラムディスク106の接線方向である
主走査方向に平行となるときに、ホログラム105の回
折効率は最大となる。このため、半導体レーザ102
は、図10(a)のように、その偏光方向(矢印で示
す)が主走査方向と平行となるように配置される。この
ため、射出レーザ光L1の断面形状は、長軸が副走査方
向に平行な楕円となっている。このような射出レーザ光
L1は、図10(b)のように、コリメートレンズ11
1で平行光L2とされた後、スリット112を透過す
る。一般に、スリット112の形状は、円筒レンズ11
3の焦点距離及び感光体ドラム108上に所定の微小ス
ポットを形成するために必要な入射レーザ光L3の広が
り角すなわち開口数で定められる。このため、スリット
112は、図10(b)のような主走査方向に細長い矩
形形状であり、副走査方向については斜線で示したよう
に一部の光しかスリット112を透過しない。このた
め、光の利用効率が低く、感光体ドラム108上におい
て露光に必要な光強度を実現するためには、回折効率が
高い高価なホログラムディスク106及び後置ホログラ
ム107を用いなければならないという問題があった。
一方、スリット112の副走査方向の開口を大きくして
光の利用効率を高めようとすると、円筒レンズ113の
焦点距離を長くする必要があり、光走査装置101が大
型になるという問題があった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、光の利用効率を高め、回折効率
の高い高価なホログラムを使用しなくとも被走査面での
露光強度を保持することができ、安価かつ小型にできる
光走査装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1の発明の光走査装置は、レーザ光源からの射
出レーザ光を回転駆動されるホログラムディスクにより
回折させ、回折されたレーザ光を被走査面上にスポット
状に集光させて主走査を行う光走査装置であって、レー
ザ光源からの射出レーザ光は、その射出レーザ光断面の
長軸がほぼ走査方向と平行な主走査方向に平行とされ、
レーザ光源からの射出レーザ光をホログラムディスクに
照射するための照射光学手段として、該射出レーザ光の
偏光面を回転させる偏光面回転手段を有し、ホログラム
ディスクとして、その表面にホログラムの凹凸が形成さ
れたものを用いたものである。また、請求項2の発明の
光走査装置は、請求項1記載の構成において、レーザ光
源が半導体レーザであり、偏光面回転手段が1/2波長
板であるものである。また、請求項3の発明の光走査装
置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、ホ
ログラムディスクの表面に形成されたホログラムの凹凸
の深さが凹凸のピッチよりも小さいものである。また、
請求項4の発明の光走査装置は、請求項1乃至請求項3
のいずれかに記載の構成において、偏光面回転手段が磁
気光学効果を有するものである。また、請求項5の発明
の光走査装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記
載の構成において、照射光学手段として、ホログラムデ
ィスクへの入射レーザ光を、走査方向に平行な主走査方
向にはほぼ平行光とし、走査方向に垂直な副走査方向に
は集光するものを用い、さらに、ホログラムディスクか
らの回折光を被走査面上に集光するためのホログラムレ
ンズを備え、このホログラムレンズとして、主走査方向
と副走査方向とでパワーが異なるものを用いたものであ
る。また、請求項6の発明の光走査装置は、請求項5記
載の構成において、ホログラムレンズの表面に形成され
たホログラムの凹凸の深さが凹凸のピッチよりも小さい
ものである。また、請求項7の発明の光走査装置は、請
求項1乃至請求項6のいずれかに記載の構成において、
照射光学手段が、さらに、コリメートレンズと、射出レ
ーザ光のビーム形状を制限する手段と、円筒レンズとを
含むものである。
【0007】
【作用】上記の構成を有する請求項1の光走査装置にお
いては、レーザ光源からの射出レーザ光は、その断面の
長軸がほぼ主走査方向に平行とされ、そのとき、偏光方
向は副走査方向に平行となっている。この射出レーザ光
は、照射光学手段に備えられた偏光面回転手段によって
偏光面を回転させられる。これにより、レーザ光は長軸
が主走査方向に平行かつ偏光方向も主走査方向に平行と
なる。この偏光面が回転されたレーザ光は、ホログラム
ディスクに照射される。ホログラムディスクの回転に伴
い、ホログラムディスクからの回折光は被走査面上にス
ポット状に集光して主走査する。このようにしてレーザ
光をホログラムディスクに照射することにより、レーザ
光の利用効率が上がり、また、射出レーザ光の偏光方向
を、ホログラムディスクにおいて回折効率が最大となる
偏光方向と平行としているため、回折効率が良くなる。
また、請求項2の光走査装置においては、半導体レーザ
からのレーザ光が、1/2波長板により偏光面を90゜
回転され、上記と同様の作用が得られる。また、請求項
3の光走査装置においては、ホログラムディスクの表面
に形成されたホログラムの凹凸の深さが凹凸のピッチよ
りも小さくなっているため、安価なホログラムディスク
を用いることができる。また、請求項4の光走査装置に
おいては、磁気光学効果を有する偏光面回転手段を用い
ているので、磁界によりその偏光面を、ホログラムディ
スクの回転に合わせて回転させることにより、回折効率
を上げることができる。また、請求項5の光走査装置に
おいては、照射光学手段によりレーザ光は走査方向に平
行な方向にはほぼ平行光とされてホログラムに照射さ
れ、このとき、走査方向に垂直な方向にはホログラム上
に集光される。ホログラムディスクからの回折光は主走
査方向にはほぼ平行光であり、副走査方向には発散光と
なっているが、これを主走査方向と副走査方向とでパワ
ーが異なるホログラムレンズにより被走査面上の一点に
集光させることができる。また、請求項6の光走査装置
においては、ホログラムレンズに形成されたホログラム
の凹凸の深さが凹凸のピッチよりも小さいため、安価な
ホログラムレンズを用いることができる。また、請求項
7の光走査装置においては、コリメートレンズにより半
導体レーザからの出射光を平行光とし、ビーム形状制限
手段により断面形状及び大きさを制限し、さらに、円筒
レンズにより副走査方向のみホログラムディスク上に集
光させる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図1は本実施例による光走査装置の
側面図である。光走査装置1は、半導体レーザ2と、そ
の出射口に配置され、半導体レーザ2より出射されるレ
ーザ光L1を集光する照射光学手段3と、この照射光学
手段3からのレーザ光が入射レーザ光L3として照射さ
れる、モータ4により回転駆動されるホログラム5を有
したホログラムディスク6等を備えている。半導体レー
ザ2は、その出射レーザ光L1の長軸が主走査方向と平
行となるように配置している。また、照射光学手段3
は、半導体レーザ2より出射されるレーザ光L1を平行
光L2とするためのコリメートレンズ11と、このコリ
メートレンズ11からの平行光L2の偏光方向を90゜
回転させる偏光面回転手段である1/2波長板(以下、
λ/2板という)15と、主走査方向に細長い矩形の開
口部を有し、平行光L2の一部を透過させてビーム形状
を制限するビーム形状制限手段であるスリット12と、
このスリット12を透過したレーザ光を、ホログラム5
が片面に形成されたホログラムディスク6の接線方向に
垂直な方向すなわち副走査方向に収束してホログラムデ
ィスク6への入射レーザ光L3とする円筒レンズ13と
から構成されている。
【0009】ホログラムディスク6は、透明の円盤状の
基板からなるものであり、その中心はモータ4の回転軸
に固着されてモータ4の回転駆動に伴って回転可能とさ
れている。なお、ホログラムディスク6の材料として
は、樹脂、例えば、ポリカーボネート、PMMA、ポリ
イミド、アモルファスポリオレフィン等を用いた基板を
使用することができる。また、樹脂以外にガラスやセラ
ミック等を用いた基板を使用することもできる。この場
合、ガラスやセラミックを用いた基板に直接、凹凸を形
成してホログラムとしてもよい。また、これらの基板の
上に紫外線硬化樹脂や熱可塑性樹脂あるいはフォトレジ
スト等の樹脂等でホログラム5を形成してもよい。
【0010】さらに、上記ホログラムディスク6により
回折されたレーザ光は、後置ホログラムであるホログラ
ムレンズ7により感光体ドラム8の表面に集光されるよ
うになっている。このとき、ホログラムディスク6がモ
ータ4の回転駆動によって回転することにより、上記回
折レーザ光は、その方向が偏向され、感光体ドラム8上
をその長手方向すなわち主走査方向に直線走査する。こ
こに、ホログラムレンズ7には、主走査方向及びこれに
垂直な副走査方向にそれぞれ異なったパワーを有するも
のを用いている。このため、ホログラムディスク6のホ
ログラム5により回折され副走査方向に発散光となった
回折レーザ光は、ホログラムレンズ7の副走査方向のパ
ワーにより感光体ドラム8上に微小スポットとして集光
される。また、感光体ドラム8の長手方向に平行な方向
である主走査方向に関し、ホログラムディスク6に入射
するレーザ光L3は平行光とされているが、その回折レ
ーザ光は、ホログラムレンズ7の主走査方向のパワーに
より収束され、感光体ドラム8上に微小スポットとして
集光される。
【0011】上記のように構成された光走査装置の作用
効果について図2を参照して以下に説明する。半導体レ
ーザ2からの出射レーザ光L1は、一般に、図2(a)
のような楕円形状をしている。本実施例では、出射レー
ザ光L1の長軸が主走査方向と平行となるように半導体
レーザ2を配置しているため、レーザ光の偏光方向は副
走査方向に平行となる。この射出レーザ光L1の偏光方
向をλ/2板15で90゜回転させると、図2(b)の
ように、平行光L2のビーム形状は長軸が主走査方向に
平行な楕円形状で、偏光方向も主走査方向に平行な光と
なる。図2(b)ではコリメート後のビームを示してい
るため、主走査方向の長さはコリメートレンズ11の直
径で制限されている。ホログラム5の干渉縞はおおむね
主走査方向に平行な成分が大きいため、入射レーザ光L
3の偏光方向が主走査方向に平行なときにホログラム5
における回折効率が高くなる。しかるに、本実施例で
は、ホログラム5への入射レーザ光L3の偏光方向が主
走査方向に平行な光となっているので、ホログラム5に
おける回折効率が高いものとなる。
【0012】さらには、主走査方向に細長い矩形の開口
部を有したスリット12を用いているため、図2(c)
に斜線で示したように、主走査方向及び副走査方向とも
にレーザ光の大部分がスリット12を透過し、従って、
スリット12における光量損失は小さく、光の利用効率
が高くなる。すなわち、ホログラムディスク6に達する
入射レーザ光L3の光強度の低下は小さいため、回折効
率の低いホログラムディスク6及びホログラムレンズ7
を用いても、感光体ドラム8を露光するのに十分な光強
度を有する微小光スポットを形成することができる。こ
れにより、実験結果によれば、ホログラムディスク6及
びホログラムレンズ7の回折効率を30%以下、さらに
は20%以下としても実用に支障を来さず、各ホログラ
ム5の凹凸の深さをピッチあるいはピッチの半分よりも
小さくすることができることが判明した。そして、この
ような凹凸の深さが浅いホログラム5は、射出成形等に
よる量産が可能となり、ホログラム5を安価に製造する
ことができ、ひいては、安価な光走査装置1を提供する
ことができる。また、上述したようなホログラムレンズ
7の集光作用が得られることから、照射光学系の偏心、
ホログラムディスク6の面振れや半導体レーザ2の波長
変動に伴う回折角の変動をも補償することが可能とな
る。
【0013】上記では本発明の一実施例について図1及
び図2を参照して説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種
々の変更を加えることができる。例えば、照射光学手段
3において、偏光面回転手段としてのλ/2板15の挿
入位置は、図3(a)に示すように、スリット12と円
筒レンズ13との間に配置してもよい。また、上記実施
例では、偏光面回転手段としてλ/2板15を用いたも
のを示したが、これに代えて、例えば、液晶、磁気光学
効果を用いたファラデー回転子、電気光学結晶、水晶等
の旋光性結晶等を用いてもよい。また、図3(b)に示
すように、2枚の1/4波長板21,22を用いてもよ
い。
【0014】また、偏光面回転手段における偏光方向の
回転角は90゜に限定されるものではなく、また、半導
体レーザ2の配置も射出ビームの長軸が主走査方向に平
行な場合に限定されるものではない。すなわち、偏光面
回転手段における回転角及び半導体レーザ2の配置方向
は、感光体ドラム8上において十分な光強度が得られる
範囲において、上記実施例の値からずらしても構わな
い。
【0015】また、照射光学手段3の配置や構成につい
ても種々の変更を加えることができる。例えば、図4に
示すように、半導体レーザ2、コリメートレンズ11、
スリット12、λ/2板15、及び円筒レンズ13の光
軸をホログラムディスク6の面と平行とし、立ち下げミ
ラー31で所定の入射角としてホログラムディスク6に
入射させてもよい。また、回折光の光路をミラー32,
33,34により折り曲げるようにしてもよく、この構
成により、光走査装置1を薄型化することができる。ま
た、この構成において、ホログラムレンズ7の挿入箇所
はミラー34の後方に限定されることなく、ホログラム
ディスク6による回折光の光路中であれば、ホログラム
ディスク6に形成されたホログラム5に合わせて適宜の
位置に配置可能である。
【0016】また、ホログラムディスク6への入射レー
ザ光L3は主走査方向に平行光となる光束に限定される
わけではなく、ホログラム5のパターンに応じて、主走
査方向にも発散あるいは収束する光束であってもよい。
また、ビーム形状制限手段は、矩形開口を有するスリッ
ト12に限定されるわけではなく、例えば、開口は楕円
状であってもよく、また、コリメートレンズ11又は円
筒レンズ13の入射領域を直接に制限するような構成で
あってもよい。
【0017】また、照射光学手段3において、スリット
12を用いなくてもよい。すなわち、図2に示したよう
に、スリット12への入射光とスリット12の開口部の
形状はほぼ等しくなっているため、スリット12を用い
ず、主走査方向の長さをコリメートレンズ11の直径
で、副走査方向の長さを半導体レーザ2のビーム拡がり
角自体で制限してもよい。また、必要に応じて、光学系
にプリズム等の光学素子を用いることもできる。例え
ば、図4の反射ミラー31の代わりに、図5に示すよう
に、プリズム37等を用いてもよい。また、プリズム3
7とλ/2板15を一体として形成してもよい。
【0018】また、ホログラムディスク6及びホログラ
ムレンズ7に形成されているホログラムは、表面の凹凸
として形成されているものに限定されるわけではない。
例えば、表面の凹凸の代わりに遮光部と透過部を配した
吸収型ホログラムも用いることができ、また、ホログラ
ムを媒質の位相変化で記録した体積型ホログラムを用い
ることもできる。また、レーザ光源2としては半導体レ
ーザに限定されず、例えば、ガスレーザ、固体レーザ等
を用いても、あるいは、これらレーザの第2高調波等を
用いてもよい。
【0019】さらには、偏光面回転手段として、磁気光
学効果を有するものを用いることができる。こうするこ
とにより、磁界により偏光面の回転角を制御することが
できるため、ホログラムディスクの回転に合わせて偏光
面を回転させ常に回折効率が最大となるようにすること
ができる。磁気光学効果を有する偏光面回転手段の例を
図6に示す。偏光面回転手段は、ファラデー回転ガラ
ス、ZnSe、CdMnTe、希土類鉄ガーネット、テ
ルビウムアルミニウムガーネット(Tb3 Al512
等の磁気光学効果を有するファラデー回転子A1とコイ
ル等の磁界印加手段A2とからなる。ファラデー回転子
A1に磁界を印加すると、印加磁界の大きさにほぼ比例
して透過光の偏光面が回転する。磁界の大きさは偏光面
の回転角が90゜となるように設定する。
【0020】図7(a)(b)(c)は、それぞれ磁気
光学効果を有する偏光面回転手段を用いた場合のホログ
ラム5の回転位置に対する入射レーザ光の照射位置、及
びそれに応じたレーザ光の偏光制御状態(90゜,80
゜,110゜)を示す図である。入射レーザ光L3がホ
ログラム5の中央に照射されるときは、ホログラム5の
干渉縞とレーザ光L3の偏光方向が平行となり、回折効
率が最大となる。しかし、ホログラムディスクが回転
し、入射レーザ光L3がホログラム5の端の方に照射さ
れると、ホログラム5の干渉縞と入射レーザ光L3の偏
光方向が平行とはずれるために、回折効率が低下する。
そこで、磁界印加手段A2によりファラデー回転子A1
に印加する磁界の大きさを、図示のように、レーザ光の
偏光方向が常にホログラム5の干渉縞と平行となるよう
に制御することにより、ホログラム5の回転状態に拘ら
ず、常に回折効率を最大とすることができる。なお、磁
界印加手段A2は、コイルに代えて永久磁石でもよい
が、その場合は、偏光面の回転角は固定される。また、
永久磁石とコイルの組合せでもよい。この場合、レーザ
光の偏光方向が常にホログラム5の干渉縞と平行となる
ように制御する磁界のみコイルにより印加すればよい。
λ/2板15によって偏光面を90゜回転させる場合、
λ/2板15の結晶の光学軸と偏光面とのなす角を45
゜に調整する必要があるが、ファラデー回転子A1ある
いは水晶等の旋光性結晶を用いる場合はそのような調整
は不要となる。
【0021】図8(a)は、ホログラムの凹凸状態に対
するホログラムへの入射光の偏光状態による回折効率の
関係を示し、(b)はホログラムの凹凸状態を示す図で
ある。図8(b)において、hはホログラムの凹凸の溝
の深さ、dは溝のピッチである。図8(a)の横軸はh
/dの値、縦軸は回折効率であり、実線の特性は、偏光
方向と干渉縞が平行な場合であって、本実施例によるλ
/2板15によって偏光面を90゜回転させた場合に相
当する。破線の特性は、偏光方向と干渉縞が垂直な場合
であって、偏光面の回転なしの場合に相当する。ホログ
ラムは、h<dの方が量産性が高い(望ましくは、h/
d<0.5であり、h>dでは量産が困難である)。そ
して、回折効率は20%程度(望ましくは30%)が必
要である。これら2条件を満足する組み合わせとして、
h/d<1.0、かつ、偏光方向を90゜回転させた場
合を挙げることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
請求項1の発明に係る光走査装置によれば、出射レーザ
光の長軸がほぼ主走査方向と平行となるようにレーザ光
源を配置し、かつ、レーザ光源からの射出レーザ光の偏
光方向を偏光面回転手段で回転させ、ホログラムの凹凸
が表面に形成されたホログラムディスクにおいて回折効
率が最大となる偏光方向に平行としているため、光の利
用効率が良く、また、回折効率の低い安価なホログラム
を用いても被走査面上で所望の光量を得ることが可能と
なり、従って、装置を安価とすることができる。また、
請求項2の発明に係る光走査装置によれば、副走査方向
にほぼ平行となっている射出レーザ光の偏光方向を、偏
光面回転手段でほぼ90゜回転させ、ホログラムディス
クにおいて回折効率が最大となる偏光方向である主走査
方向と平行としているため、上記と同等の効果が得ら
れ、さらには、偏光面回転手段が1/2波長板であるた
め、小型の光学素子で所望の回転角を得ることができ
る。また、請求項3の発明に係る光走査装置によれば、
ホログラムの凹凸が浅いため、ホログラムディスクを射
出成形等で安価に量産することができる。また、請求項
4の発明に係る光走査装置によれば、磁気光学効果を有
する偏光面回転手段を用いることにより、偏光面の回転
角をホログラムディスクの回転に合わせて制御すること
ができ、ホログラムでの回折効率が常に最大となるよう
にすることができる。また、請求項5の発明に係る光走
査装置によれば、出射レーザ光は照射光学手段により主
走査方向にはほぼ平行光とされ、副走査方向にはホログ
ラム上に集光され、また、ホログラムディスクからの回
折光は主走査方向と副走査方向とでパワーが異なるホロ
グラムレンズにより走査線上の一点に集光される。この
ようなホログラムレンズの集光作用により、照射光学系
の偏心、ホログラムディスクの面振れや半導体レーザの
波長変動に伴う回折角の変動を補償することができ、湾
曲や変位の小さな走査線を得ることができる。また、請
求項6の発明に係る光走査装置によれば、ホログラムレ
ンズを安価に量産することができる。また、請求項7の
発明に係る光走査装置によれば、楕円状の出射レーザ光
の長軸がほぼ主走査方向と平行となるようにレーザ光源
を配置しているため、被走査面上での微小光スポットの
大きさを規定するために設けられたビーム形状を制限す
る手段における光量損失が小さくなるため、照射光学手
段における光の利用効率を高くすることができる。ま
た、コリメートレンズと円筒レンズの組合せにより、レ
ーザ光源からの出射光を主走査方向にはほぼ平行光と
し、その形状を所望の形状に制限した後、副走査方向に
はホログラム上に集光させ、ホログラムディスクに照射
させるので、照射光学系の偏心、ホログラムディスクの
面振れや半導体レーザの波長変動に伴う回折角の変動も
補償することができ、湾曲や変位の小さな走査線を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による光走査装置の側面図で
ある。
【図2】本実施例におけるレーザ光形状とスリットの関
係を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施例による光走査装置の照射光
学手段を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例による光走査装置の側面図
である。
【図5】本発明の他の実施例による光走査装置の側面図
である。
【図6】本発明の他の実施例による光走査装置に用いら
れる磁気光学効果を有する偏光面回転手段の断面図であ
る。
【図7】磁気光学効果を有する偏光面回転手段を用いた
場合の作用を説明するための図である。
【図8】(a)はホログラムの凹凸状態に対するホログ
ラムへの入射光の偏光状態による回折効率の関係を示す
図、(b)はホログラムの凹凸状態を示す図である。
【図9】従来の光走査装置の側面図である。
【図10】従来の光走査装置におけるレーザ光形状とス
リットの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光走査装置 2 半導体レーザ(レーザ光源) 3 照射光学手段 4 モータ 5 ホログラム 6 ホログラムディスク 7 ホログラムレンズ 8 感光体ドラム 11 コリメートレンズ 12 スリット(ビーム形状制限手段) 13 円筒レンズ 15 1/2波長板(偏光面回転手段) L1 射出レーザ光 L3 入射レーザ光

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源からの射出レーザ光を回転駆
    動されるホログラムディスクにより回折させ、回折され
    たレーザ光を被走査面上にスポット状に集光させて主走
    査を行う光走査装置において、 前記レーザ光源からの射出レーザ光は、その射出レーザ
    光断面の長軸がほぼ走査方向と平行な主走査方向に平行
    とされ、 前記レーザ光源からの射出レーザ光を前記ホログラムデ
    ィスクに照射するための照射光学手段として、該射出レ
    ーザ光の偏光面を回転させる偏光面回転手段を有し、 前記ホログラムディスクとして、その表面にホログラム
    の凹凸が形成されたものを用いたことを特徴とする光走
    査装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光源が半導体レーザであり、
    前記偏光面回転手段が1/2波長板であることを特徴と
    する請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記ホログラムディスクの表面に形成さ
    れたホログラムの凹凸の深さが凹凸のピッチよりも小さ
    いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走
    査装置。
  4. 【請求項4】 前記偏光面回転手段が、磁気光学効果を
    有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の光走査装置。
  5. 【請求項5】 前記照射光学手段として、前記ホログラ
    ムディスクへの入射レーザ光を、走査方向に平行な主走
    査方向にはほぼ平行光とし、走査方向に垂直な副走査方
    向には集光するものを用い、さらに、 前記ホログラムディスクからの回折光を被走査面上に集
    光するためのホログラムレンズを備え、このホログラム
    レンズとして、主走査方向と副走査方向とでパワーが異
    なるものを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載の光走査装置。
  6. 【請求項6】 前記ホログラムレンズの表面に形成され
    たホログラムの凹凸の深さが凹凸のピッチよりも小さい
    ことを特徴とする請求項5記載の光走査装置。
  7. 【請求項7】 前記照射光学手段が、さらに、コリメー
    トレンズと、射出レーザ光のビーム形状を制限する手段
    と、円筒レンズとを含むことを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の光走査装置。
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