JP3290826B2 - 電圧形自励変換器 - Google Patents

電圧形自励変換器

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JP3290826B2 JP20662894A JP20662894A JP3290826B2 JP 3290826 B2 JP3290826 B2 JP 3290826B2 JP 20662894 A JP20662894 A JP 20662894A JP 20662894 A JP20662894 A JP 20662894A JP 3290826 B2 JP3290826 B2 JP 3290826B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GTO(ゲートターン
オフサイリスタ)等の自己消弧素子を用いた電圧形自励
変換器において、特に自己消弧素子のスイッチング動作
に伴うサージ電圧を抑制するスナバ回路を備えた電圧形
自励変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来のスナバ回路を具備した
電圧形自励変換器(具体的には電圧形自励インバータ)
の第1の例を示す回路図である。これは直流電圧源Vd
、自己消弧素子S1 ,S2 、フリーホイーリングダイ
オードD1 ,D2 、アノードリアクトルLA 、還流用ダ
イオードDA 、抵抗RA 、出力端子U、スナバダイオー
ドDS1,DS2、スナバコンデンサCS1,CS2、スナバ抵
抗RS1,RS2、配線インダクタンスLl から構成されて
いる。この電圧形自励変換器の出力電圧VU は、 素子S1 がオン(S2 はオフ)のとき、VU =+Vd/
2 素子S2 がオン(S1 はオフ)のとき、VU =−Vd/
2 となる。従って、素子S1 のオン期間を長くすれば出力
電圧VU を正側に大きくすることができ、反対に、素子
S2 のオン期間を長くすれば出力電圧VU を負側に大き
くすることができる。
【0003】出力電圧VU を調整する方法として、パル
ス幅変調制御(PWM制御)が一般によく知られてい
る。PWM制御により、負荷に可変電圧可変長周波数の
交流電力を供給することができ、交流電動機を駆動する
電力変換器などに広く用いられている。
【0004】自己消弧素子S1 ,S2 として、ゲートタ
ーンオフサイタリスタ(GTO)等の自己消弧素子が使
われる。アノードリアクトルLA は自己消弧素子S1 ,
S2 の電流変化率(di/dt)を抑制し、素子S1 ,
S2 が壊れるのを防止している。
【0005】すなわち、負荷電流IU が図示の方向に流
れている場合、素子S1 がオフしたとき電流IU はダイ
オードD2 を通って流れる。アノードリアクトルLA は
素子S1 がオンしたときホイーリングダイオードD2 が
オフ状態になるまで、直流電源Vd による短絡電流が増
大するのを抑制する働きをする。
【0006】同様に、負荷電流IU が図示と反対方向に
流れている場合、素子S2 がオフしたとき電流IU はダ
イオードD1 を通って流れる。アノードリアクトルLA
は素子S2 がオンしたときにホイーリングダイオードD
1 がオフ状態になるまで、直流電源Vd による短絡電流
が増大するのを抑制する働きをする。
【0007】素子S1 またはS2 がオフしたとき、アノ
ードリアクトルLA に蓄積されたエネルギーは還流用ダ
イオードDA および抵抗RA を介して消費される。スナ
バ回路は自己消弧素子S1 またはS2 がオフしたとき、
配線のインダクタンスL1 やアノードリアクトルLA に
よって発生するサージ電圧を吸収する役目をする。すな
わち、スナバ回路が無い場合、素子S1 がオフすると、
負荷電流IL は前述のようにホイーリングダイオードD
2 を介して循環するが、配線のインダクタンスLl に流
れていた負荷電流を遮断するとき、Ll ・(di/d
t)の電圧が発生し、素子S1 に過大な電圧が印加さ
れ、素子S1 を破壊してしまう。スナバ回路を接続する
ことにより、素子S1 がオフしたとき、配線のインダク
タンスLl のエネルギーはダイオードDS1を介してスナ
バコンデンサCS1に蓄積され、コンデンサCS1を図示の
極性に充電する。コンデンサCS1に充電された電圧は、
素子S1 が次にオンしたとき抵抗RS1を介して放電し、
その次のターンオフに備える。素子S2 のスナバ回路も
同様に動作する。
【0008】この従来のスナバ回路では、スナバコンデ
ンサCS1,CS2に蓄積されたエネルギーは全て抵抗RS
1,RS2によって消費され、熱損失となってしまう。こ
の熱損失は自己消弧素子のスイッチング周波数に比例
し、チョッパ装置やインバータ装置の変換効率を低下さ
せるだけでなく、装置寸法を増大させる欠点がある。同
時に、大容量機ともなると、その冷却法も難しくなって
くる。
【0009】図11は従来のスナバ回路を具備した電圧
形自励変換器(具体的には電圧形自励インバータ)の第
2の例を示す回路図である。これは、直流電圧源Vd 、
自己消弧素子S1 ,S2 、フリーホイーリングダイオー
ドD1 ,D2 、アノードリアクトルLA 、還流用ダイオ
ードDA 、抵抗RA、出力端子U、スナバダイオードDS
1,DS2、スナバコンデンサCS 、直流コンデンサCT
、放電抵抗RS 、配線のインダクタンスLl からなっ
ている。
【0010】図11の回路において、負荷電流IU が図
示の方向に流れていた場合、素子S1 をターンオフさせ
るとアノードリアクトルLA が蓄積されたエネルギーは
還流用ダイオードDA と抵抗RA を介して消費され、ま
た、配線のインダクタンスLl に蓄えられたエネルギー
はスナバダイオードDS1を介してスナバコンデンサCS
に移り、スナバコンデンサCS 図示の極性に充電する。
スナバコンデンサCSの印加電圧が直流電圧源Vd の電
源電圧より高くなると、負荷電流IU はダイオードD2
を介して流れるようになる。次に、素子S2 をターンオ
ンさせてもスナバコンデンサCS の電圧は放電しない。
【0011】図10のスナバ回路では、素子S2 をター
ンオンさせたときスナバコンデンサCS2を放電させて熱
として消費していたが、図11の回路ではそのモードが
無いため、スイッチングに伴う損失を低減させることが
できる。
【0012】素子S1 がターンオンすると、スナバコン
デンサCS の電圧ダイオードDS2および抵抗R2 を介し
て放電し、熱エネルギーとなって消費される。S2 がオ
ンで、負荷電流IU が図示と反対方向に流れていた場
合、素子S2 をターンオフさせると、負荷電流IU はス
ナバコンデンサCS →ダイオードDS2→直流コンデンサ
CT を介して流れ、スナバコンデンサCS の電圧を放電
させ、直流コンデンサCT の電圧を高める。直流コンデ
ンサCT の電圧が直流電源電圧Vd より高くなると放電
抵抗RS を介して直流電圧源Vd まで放電する。スナバ
コンデンサCS の電圧が零になると、負荷電流IU はダ
イオードD1 →アノードリアクトルLA →直流電圧源V
d の経路に流れる。このとき、LA ・(di/dt)の
電圧が発生するが、還流用ダイオードDA と抵抗RA を
介してそのエネルギーは消費される。
【0013】図11のスナバ回路は一般に非対称スナバ
回路と呼ばれ、スナバコンデンサCS を上下アームで共
用しており、図10で示した通常のスナバ回路に比較す
ると、放電モードが少なくなるため、スナバ回路損失が
半減する利点を持つ。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この非対称ス
ナバ回路を具備した電圧形自励変換器のような問題点が
ある。すなわち、素子S1 のターンオフ時に作用するス
ナバ回路は通常のスナバ回路と同じになるが、素子S2
がターンオフした時に作用するスナバ回路は、スナバコ
ンデンサCS と直流コンデンサCT が直列となり、コン
デンサ容量が、 CS ・CT /(CS +CT ) となって、減ってしまう欠点がある。従って、素子S1
の(dv/dt)に比較し素子S2 の(dv/dt)の
方が多くなってしまう不利がある。
【0015】この欠点をカバーするために、直流コンデ
ンサCT の容量をスナバコンデンサCS の容量より一桁
ぐらい大きく設計しなければならず、装置の重量寸法が
増大するばかりでなく、経済的な面での不利が出てく
る。
【0016】また、通常のスナバ回路を具備した電圧形
自励変換器に比較すると、スナバ回路損失が半減できる
メリットがあるが、それでも、PWM制御等でスイッチ
ング周波数を高めていった場合には損失が大きくなり、
変換効率の低下、放電抵抗RS の容量増加および冷却設
備の増大などの問題が残ってしまう。
【0017】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
ので、非対称スナバ回路における上下アーム素子に印加
される電圧の(dv/dt)の均一化を図り、直流コン
デンサCT の容量を低減し、さらにスナバ回路やアノー
ドリアクトルのエネルギーを電源に回生し、変換効率の
向上を図った電圧形自励変換器を提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1に対応する発明の電圧形自励変換器は、直流
電圧源と、複数の電力変換器ユニットからなり、この各
電力変換器ユニットは、前記直流電圧源の負側(または
正側)の端子に一方の端子が接続されたアノードリアク
トルと、このアノードリアクトルの他方の端子と前記直
流電圧源の正側(または負側)の端子との間に接続され
た第1および第2の自己消弧素子の直列回路と、この第
1および第2の自己消弧素子にそれぞれに逆並列に接続
された第1および第2のフリーホイリングダイオード
と、前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と前記
アノードリアクトルの他方の端子との間に接続され、ス
ナバコンデンサとスナバダイオードが直列接続され、か
つ前記スナバコンデンサが前記第1および第2の自己消
弧素子の接続点側に接続されたスナバ回路と、このスナ
バ回路のスナバコンデンサとスナバダイオードの接続点
と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子との間に
ダイオードと直流コンデンサが直列に接続され、かつこ
の直流コンデンサが前記直流電圧源の正側(または負
側)の端子側に接続された直列回路から構成され、前記
各電力変換器ユニットを構成する前記ダイオードと前記
直流コンデンサの直列回路の接続点同士を共通に結び、
かつ、前記直流電圧源の負側(または正側)の端子と前
記ダイオードと前記直流コンデンサの直列回路の共通の
接続点との間に放電抵抗を接続したものである。
【0019】
【0020】前記目的を達成するために請求項に対応
する発明の電圧形自励変換器は、直流電圧源と、複数の
電力変換器ユニットからなり、この各電力変換器ユニッ
トは、前記直流電圧源の負側(または正側)の端子に一
方の端子が接続されたアノードリアクトルと、このアノ
ードリアクトルの他方の端子と前記直流電圧源の正側
(または負側)の端子との間に接続された第1および第
2の自己消弧素子の直列回路と、この第1および第2の
自己消弧素子のそれぞれに逆並列に接続された第1およ
び第2のフリーホイリングダイオードと、前記第1およ
び第2の自己消弧素子の接続点と前記アノードリアクト
ルの他方の端子との間に接続され、スナバコンデンサと
スナバダイオードが直列接続され、かつ前記スナバコン
デンサが前記第1および第2の自己消弧素子の接続点側
に接続されたスナバ回路と、このスナバ回路のスナバコ
ンデンサとスナバダイオードの接続点と前記直流電圧源
の正側(または負側)の端子との間に接続されたダイオ
ードと直流コンデンサが直列に接続され、かつこの直流
コンデンサが前記直流電圧源の正側(または負側)の端
子側に接続された直列回路から構成され、前記各電力変
換器ユニットを構成する前記ダイオードと直流コンデン
サの直列回路の接続点同士を共通に結び、前記直流電圧
源の正側(または負側)の端子と前記ダイオードと前記
直流コンデンサの直列回路の共通の接続点との間にチョ
ッパ用スイッチング素子と直流リアクトルの直列回路を
接続し、前記直流電圧源の正側(または負側)の端子と
前記チョッパ用スイッチング素子と前記直流リアクトル
の接続点との間にチョッパ用ダイオードを接続したもの
である。
【0021】
【0022】前記目的を達成するために請求項に対応
する発明の電圧形自励変換器は、直流電圧源と、複数の
電力変換器ユニットからなり、この各電力変換器ユニッ
トは、前記直流電圧源の負側(または正側)の端子に一
方の端子が接続されたアノードリアクトルと、このアノ
ードリアクトルの他方の端子と前記直流電圧源正側(ま
たは負側)の端子との間に接続された第1および第2の
自己消弧素子の直列回路と、この第1および第2の自己
消弧素子のそれぞれに逆並列に接続された第1および第
2のフリーホイリングダイオードと、前記第1および第
2の自己消弧素子の接続点と前記アノードリアクトルの
他方の端子との間に接続され、スナバコンデンサとスナ
バダイオードが直列接続され、かつ前記スナバコンデン
サが前記第1および第2の自己消弧素子の接続点側に接
続されたスナバ回路と、このスナバ回路のスナバコンデ
ンサとスナバダイオードの接続点と前記直流電圧源の正
側(または負側)の端子との間に接続されたダイオード
と直流コンデンサが直列に接続され、かつこの直流コン
デンサが前記直流電圧源の正側(または負側)の端子側
に接続された直列回路とからなる構成され、前記各電力
変換器ユニットを構成する前記ダイオードと直流コンデ
ンサの直列回路の接続点同士を共通に結び、前記直流電
圧源の負側(または正側)の端子に一方の端子が接続さ
れた補助直流電圧源と、この補助直流電圧源の他方の端
子と前記ダイオードと前記直流コンデンサの直列回路の
接続点との間に接続された回生用ダイオードと、を具備
したものである。
【0023】前記目的を達成するために請求項に対応
する発明の電圧形自励変換器は、次のように構成したも
のである。すなわち、請求項記載の補助直流電圧源は
直流平滑コンデンサで構成され、この直流平滑コンデン
サに直流リアクトルとチョッパ用スイッチング素子の直
列回路を並列接続し、前記直流リアクトルと前記チョッ
パ用スイッチング素子との接続点と前記直流電圧源の負
側(または正側)の端子との間にチョッパ用ダイオード
を設置したものである。
【0024】前記目的を達成するために請求項に対応
する発明の電圧形自励変換器は、直流電圧源の負側(ま
たは正側)の端子に一方の端子が接続されたアノードリ
アクトルと、このアノードリアクトルの他方の端子と前
記直流電圧源の正側(または負側)の端子との間に接続
された第1および第2の自己消弧素子の直列回路と、こ
の第1および第2の自己消弧素子のそれぞれに逆並列に
接続された第1および第2のフリーホイリングダイオー
ドと、前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と前
記アノードリアクトルの他方の端子との間に接続され、
スナバコンデンサとスナバダイオードが直列接続され、
かつ前記スナバコンデンサが前記第1および第2の自己
消弧素子の接続点側に接続されたスナバ回路と、このス
ナバ回路のスナバコンデンサとスナバダイオードの接続
点と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子との間
に接続されたダイオードと直流コンデンサが直列に接続
され、かつこの直流コンデンサが前記直流電圧源の正側
(または負側)の端子側に接続された直列回路と、前記
直流電圧源の負側(または正側)の端子に一方の端子が
接続された補助直流電圧源と、この補助直流電圧源の他
方の端子と前記ダイオードと前記直流コンデンサの直列
回路の接続点との間に接続された回生用ダイオードと、
前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と前記直流
電圧源の負側(または正側)の端子との間に、補助スナ
バダイオードと補助スナバ抵抗が並列接続され、かつこ
れに直列接続された補助スナバコンデンサからなる補助
スナバ回路と、を具備したものである。
【0025】
【作用】請求項1に対応する発明によれば、複数の電力
変換器ユニットを構成するダイオードDT (DT1,DT
2,…)と直流コンデンサCT (CT1,CT2,…)の直
列回路の接続点同士を共通に結んだことにより、直流コ
ンデンサCT (CT1,CT2,…)を共用することができ
るようになり、各ユニットのスナバコンデンサCS(CS
1,CS2,…)に直列に接続される直流コンデンサに容
量CT0は、 CT0=CT1+CT2+… となる。言い換えると、n台のユニットで共用させた場
合、各直流コンデンサCT1,CT2,…の容量を(1/
n)に低減できるメリットがある。これにより、装置の
小形軽量化およびコストの低減が図れる。
【0026】
【0027】請求項に対応する発明によれば、チョッ
パ装置(チョッパ用スイッチング素子CHO、直流リア
クトルLo およびチョッパ用ダイオードDCH)により、
共用の直流コンデンサCT (CT1,CT2,…)に蓄積さ
れたエネルギーを直流電圧源Vd に回生することができ
る。この時、共用の直流コンデンサCT (CT1,CT2,
…)に印加される電圧VT は、直流電圧源Vd よりある
設定電圧Eo だけ高くなるように制御される。なお、こ
こでEo はVd より一桁ぐらい小さい値に設定する。こ
の結果、スナバコンデンサCS (CS1,CS2,…)に印
加される電圧の最大値はVd +Eo となり、素子印加電
圧の抑制とスナバエネルギーの回生が可能となる。
【0028】請求項3、請求項4のいずれか一つに対応
する発明によれば、補助直流電圧源Eo を用意し、各電
力変換器ユニットの直流コンデンサCT に蓄積されたエ
ネルギーを当該補助直流電圧源Eo に回生するように構
成している。素子S1 およびS2 のターンオフ時にアノ
ードリアクトルLA によって発生するサージ電圧LA・
(dv/dt)は補助直流電圧源の電圧Eo によって抑
制され、スナバコンデンサCS に印加される電圧の最大
値は、Vd +Eo に抑制される。Eo はVd に対し、一
桁程度小さい値に選ばれる。また、スナバ回路を構成す
る直流コンデンサCT のエネルギーは、一旦、補助直流
電圧源Eo に回生され、さらにチョッパ装置を介して直
流電圧源Vd に回生される。これにより、スイッチング
動作に伴うスナバ回路のエネルギーは有効利用され、変
換器の効率を向上させることが可能となる。
【0029】請求項に対応する発明によれば、複数の
電力変換器ユニットを構成する前記ダイオードDT (D
T1,DT2,…)と直流コンデンサCT (CT1,CT2,
…)の直列回路の接続点同士を共通に結び、その直流コ
ンデンサCT (CT1,CT2,…)に蓄積されたエネルギ
ーを一旦、補助直流電圧源Eo に回生するように構成
し、さらにチョッパ装置等で直流電圧源Vd に回生する
ように構成している。この結果、直流コンデンサ直流コ
ンデンサCT (CT1,CT2,…)を共用することができ
るようになり、各ユニットのスナバコンデンサCS (C
S1,CS2,…)に直列に接続される直流コンデンサに容
量CT0は、CT0=CT1+CT2+…となる。言い換える
と、n台のユニットで共用させた場合、各直流コンデン
サCT1,CT2,…の容量を(1/n)に低減でき、装置
の小形軽量化およびコストの低減が図れる。また、スイ
ッチング動作に伴うスナバ回路のエネルギーは有効利用
され、変換器の効率を向上させることが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 [第1実施例(請求項1に対応する実施例)]図1は本
発明の電圧形自励変換器の第1実施例を回路図であり、
図ではインバータ出力3相分のうちの1相分についてし
か示されていないが、他の2相も同様な構成となってい
る。
【0031】直流電圧源Vd と、この直流電圧源Vd の
正側(または負側)端子に一方の端子が接続されたアノ
ードリアクトルLA と、このアノードリアクトルLA の
他方の端子と直流電圧源Vd の負側(または正側)端子
との間に直列に接続された第1および第2の自己消弧素
子S1 ,S2 と、この自己消弧素子S1 ,S2 にそれぞ
れに逆並列に接続された第1および第2のフリーホイリ
ングダイオードD1 ,D2 と、自己消弧素子S1 ,S2
の接続点とアノードリアクトルLA の他方の端子との間
に直列に接続されたスナバコンデンサCS とスナバダイ
オードDS からなるスナバ回路と、このスナバ回路のス
ナバコンデンサCS とスナバダイオードDS の接続点と
直流電圧源の負側(または正側)端子との間に直列に接
続されたダイオードDT と直流コンデンサCT からな
り、直流コンデンサCT が直流電圧源Vd の負側(また
は正側)端子側に接続された直列回路と、直流電圧源V
d の正側(または負側)端子とダイオードDT と直流コ
ンデンサCT の直列回路の接続点との間に接続された放
電抵抗RT と、第1および第2の自己消弧素子(S1,
S2 )の接続点と直流電圧源Vd の負側(または正側)
端子との間に接続された補助スナバ回路(補助スナバコ
ンデンサCSSと補助スナバダイオードDSSおよび補助放
電抵抗RSSで構成された回路)と、直流電圧源Vd の正
側(または負側)端子とアノードリアクトルLA の一方
の端子間に接続された配線インダクタンスLl を具備し
ている。
【0032】以下、このように構成された第1実施例の
作用効果について説明する。いま、出力端子Uに負荷電
流IU が図示の方向に流れていた場合、素子S1 をター
ンオフさせるとアノードリアクトルLA に流れていた電
流はLA →DS →DT →RT→LA の経路に還流子、LA
に蓄積されたエネルギーは抵抗RT によって消費され
る。
【0033】また、配線インダクタンスLl に蓄えられ
たエネルギーはスナバダイオードDS を介してスナバコ
ンデンサCS に移り、スナバコンデンサCS を図示の極
性に充電する。CS の印加電圧が直流電源源Vd の電源
電圧より高くなると、負荷電流IU はダイオードD2 を
介して流れるようになる。次に、素子S2 をターンオン
させてもスナバコンデンサCS の電圧は放電しない。
【0034】素子S1 がターンオンすると、スナバコン
デンサCS の電圧はダイオードDT、抵抗RT およびリ
アクトルLA を介して放電し、熱エネルギーとなって消
費される。
【0035】S2 がオンで、負荷電流IU が図示と反対
方向に流れていた場合、素子S2 をターンオフさせる
と、負荷電流IU はスナバコンデンサCS →ダイオード
DT →直流コンデンサCT を介して流れるとともに、補
助スナバ回路のダイオードDSS→コンデンサCSSを介し
て流れる。すなわち、素子S2 に対して、スナバコンデ
ンサの容量CS0は、 CS0= CSS+CS ・CT /(CS +CT ) となる。ここで、補助スナバ回路のコンデンサCSSの容
量を、 CSS=CS −CS ・CT /(CS +CT ) となるように選ぶと、CS0=CS となり、上下アームの
素子S1 ,S2 に対するスナバ回路コンデンサ容量を等
しくすることが可能となる。
【0036】この結果、従来の非対称スナバ回路の欠点
であった上下アームのターンオフ時の印加電圧の(dv
/dt)のアンバランスを無くすことができる。素子S
2 がターンオフした時、スナバコンデンサCS の電圧は
放電し、直流コンデンサCT の電圧を高める。直流コン
デンサCT の電圧が直流電源電圧Vd より高くなると放
電抵抗RS を介して直流電圧源Vd まで放電する。
【0037】スナバコンデンサCS の電圧が零になる
と、負荷電流IU はダイオードD1 →アノードリアクト
ルLA →直流電圧源Vd の経路に流れる。このとき、L
A ・(di/dt)の電圧が発生するが、ダイオードD
S ,DT と抵抗TA を介して電流が流れ、そのエネルギ
ーは熱となって消費される。
【0038】ここで、例えば、CS =5[μF]、CT
=20[μF]とした場合、CSS=1[μF]となり、
次に素子S2 がターンオンした時にコンデンサCSSに蓄
積されたエネルギーは抵抗RSSを介して放電し、熱エネ
ルギーとなって消費される。しかし、CSSの容量はCS
の(1/5)なので、損失は小さくて済む。 [第2実施例(請求項2に対応する実施例)]図2は本
発明の電圧形自励変換器の第2実施例を示す回路図であ
る。ここでは、単相交流を定電圧の直流に交換するPW
M制御コンバータの構成例を示す。
【0039】これは交流電源VS 、交流リアクトルLS
、直流電圧源(直流平滑コンデンサCd )Vd 、自己
消弧素子S1 〜S4 、フリーホイーリングダイオードD
1 〜D4 、アノードリアクトル[ターンオン時の素子電
流の立ち上がり(di/dt)を制御するためのもの]
LA1,LA2、スナバダイオードDS1,DS2、スナバコン
デンサCS1,CS2、ダイオードDT1,DT2、直流コンデ
ンサCT1,CT2、放電抵抗RT からなっている。
【0040】具体的には、直流電圧源Vd と、以下に述
べる複数の電力変換器ユニットからなるものである。第
1の電力変換器ユニットは、直流電圧源Vd の負側(ま
たは正側)端子に一方の端子が接続されたアノードリア
クトルLA1と、アノードリアクトルLA1の他方の端子と
直流電圧源Vd の正側(または負側)端子との間に直列
に接続された第1および第2の自己消弧素子S1 ,S2
と、自己消弧素子S1,S2 にそれぞれに逆並列に接続
された第1および第2のフリーホイリングダイオードD
1 ,D2 と、自己消弧素子S1 ,S2 の接続点とアノー
ドリアクトルLA1の他方の端子との間に接続されたスナ
バ回路(スナバコンデンサCS1とスナバダイオードDS1
の直列回路で、スナバコンデンサCS1を自己消弧素子S
1 ,S2の接続点側に接続した回路)と、スナバ回路の
スナバコンデンサCS1とスナバダイオードDS1の接続点
と直流電圧源の正側(または負側)端子との間に接続さ
れたダイオードDT1と直流コンデンサCT1の直列回路で
あって、直流コンデンサCT1が直流電圧源Vd の負側
(または正側)端子側に接続された直列回路とから構成
されている。以上述べた構成は第1の電力変換器ユニッ
トについてであるが、第2の電力変換器ユニットも同様
に同様に、自己消弧素子S3 ,S4 、フリーホイーリン
グダイオードD3 ,D4 、アノードリアクトルLA2、ス
ナバコンデンサCS2、スナバダイオードDS2、ダイオー
ドDT2および直流コンデンサCT2により構成され、また
図示しないが、これ以外の第3以下の電力変換器ユニッ
トも同様に構成される。
【0041】そして、各電力変換器ユニットを構成する
前記ダイオードDT と直流コンデンサCT の直列回路の
接続点同士を共通に結び、かつ、直流電圧源Vd の正側
(または負側)端子とダイオードDT1と直流コンデンサ
CT1の直列回路の共通の接続点との間に放電抵抗RT を
接続している。
【0042】以上のよう構成された第2実施例の作用効
果について説明するが、第1の電力変換器ユニットの直
流コンデンサCT1とダイオードDT1の接続点と、第2の
電力変換器ユニットの直流コンデンサCT2とダイオード
DT2の接続点とを結び、その接続点と直流電圧源Vd の
負側端子との間に放電抵抗RT を接続している。これに
より、2つの電力変換器ユニットの直流コンデンサCT
1,CT2は並列接続されたことになる。
【0043】PWMコンバータの交流側出力電圧VCN
は、自己消弧素子S1 〜S4 のスイッチングモードによ
って次のように決定される。すなわち、 素子S1 とS4 がオンのとき、VCN=+Vd 素子S2 とS3 がオンのとき、VCN=−Vd その他のモードのとき、 VCN=0 となる。交流電源VS から供給される入力電流IS は、
電源電圧VSSとコンバータの出力電圧VCNとの差電圧を
調整することにより制御する。すなわち、交流リアクト
ルLS に印加される電圧(VSS−VCN)を増やせば電流
IS が図示の方向に増加し、差電圧(VSS−VCN)を負
の値にすれば電流IS を減少させることができる。一般
には、入力電流IS は電源電圧VSSと同相(または逆
相)の正弦波に制御され、入力力率=1で、高調波の少
ない電力変換を行っている。
【0044】また、直流平滑コンデンサCd に印加され
る電圧Vd は、入力電流IS の大きさ(波高値ISm)を
調整することにより制御している。すなわち、電圧指令
値Vd * に対し直流電圧Vd が小さいときは入力電流の
波高値ISmを増加させ、有効電力を交流電源から直流平
滑コンデンサCd に供給し、直流電圧Vd を増加させ
る。逆に、Vd * <Vd となったときは入力電流の波高
値ISmを減少させ(または、負の値にして)、有効電力
を直流平滑コンデンサCd から交流電源に回生し、直流
電圧Vd を減少させる。このようにして、直流平滑コン
デンサCd に印加される電圧Vd の値をほぼ一定に制御
することができる。
【0045】次に、第1の電力変換器ユニットのスイッ
チング動作を説明する。入力電流IS が図示の矢印の方
向に流れている場合、素子S2 がターンオフすると、電
流IS は、スナバコンデンサCS1とスナバダイオードD
S1を介して流れ、スナバコンデンサCS1を図示の極性に
充電する。これにより、素子S2 に印加される電圧の
(dv/dt)を次式のように抑制する。
【0046】(dv/dt)=IS /CS1 また、アノードリアクトルLA1に流れていた電流は、L
A1→RT →DT1→DS1→LA1の経路で流れ、そのエネル
ギーは抵抗RT によって消費される。スナバコンデンサ
CS1の印加電圧が直流電圧源Vd の電圧より高くなる
と、ダイオードD1が導通し、入力電流IS は、VS →
LS →D1 →Vd の方向に流れる。またスナバコンデン
サCS1の印加電圧が直流コンデンサCT1の印加電圧より
高くなれば、ダイオードDT1が導通し、CS1のエネルギ
ーは直流コンデンサCT1とCT2の並列回路に移る。さら
に、直流コンデンサCT1とCT2の印加電圧が直流電圧源
Vd の電圧より高くなると、放電抵抗RT を介して電圧
Vd になるまで放電する。
【0047】入力電流IS が図の矢印と反対方向に流れ
ている場合に、素子S1 がターンオフすると、入力電流
IS は、直流コンデンサCT1,CT2→ダイオードDT1→
スナバコンデンサCS1→交流リアクトルLS の経路に流
れ、素子S2 の(dv/dt)を抑制する。このときの
スナバ回路の等価容量CS0は、 CSO=(CT1+ CT2)・CS1/(CT1+CT2 +CS1) となる。例えば、CS1=5[μF]、CT1=CT2=20
[μF]とした場合、等価容量は、CS0=4.44[μ
F]となる。各電力変換器ユニット毎に動作させたとき
よりも等価容量が0.44[μF]だけ増えて、その分
素子の(dv/dt)を抑制させることができる。言い
換えると、従来のスナバ回路の等価容量で済むとすれ
ば、直流コンデンサCT1,CT2の容量を半分にすること
が可能なる。この結果、装置の小形軽量化およびコスト
ダウンが図ることができる。
【0048】同様に、第2の電力変換器ユニットのスイ
ッチング動作時も直流コンデンサCT1,CT2の並列回路
が有効に働くことは言うまでもない。図2の実施例で
は、コンバータ1台で説明したが、複数のコンバータで
直流コンデンサCT1,CT2,…を共用させることも可能
であり、また、コンバータとインバータで直流コンデン
サCT1,CT2,…を共用させることもできる。n個の直
流コンデンサCT1,CT2,…CTnを共用させた場合、そ
れぞれのコンデンサ容量を(1/n)に低減させること
ができる。 [第3実施例(請求項3に対応する実施例)]図3は本
発明の電圧形自励変換器の第3実施例を示す回路図であ
る。ここでは、単相交流を定電圧の直流に交換するPW
M制御コンバータの構成例を示す。
【0049】これは図2の実施例にチョッパ用スイッチ
ング素子CHO、チョッパ用ダイオードDCH、直流リア
クトルLo を新たに追加し、図2の実施例の放電抵抗R
T を除去したものである。具体的には、直流電圧源Vd
の正側(または負側)端子とダイオードDT1,DT2と直
流コンデンサCT1,CT2の直列回路の共通の接続点との
間にチョッパ用スイッチング素子CHOと直流リアクト
ルLo の直列回路を接続し、直流電圧源Vd の正側(ま
たは負側)端子とチョッパ用スイッチング素子CHOと
直流リアクトルLo の接続点との間にチョッパ用ダイオ
ードDCHを接続している。これ以外の点は、図2の実施
例と同一である。
【0050】以下、図3のように構成された実施例の作
用効果について説明する。図2の実施例では、直流コン
デンサCT1,CT2の印加電圧が直流電圧源の電圧Vd よ
り高くなった場合、放電抵抗RT を介して放電させ、ス
ナバ回路およびアノードリアクトルLA1,LA2のエネル
ギーは全て熱エネルギーとして消費させていた。
【0051】これに対して図3の実施例では、チョッパ
装置(スイッチング素子CHO、ダイオードDCHおよび
直流リアクトルで構成される)により、直流コンデンサ
CT1,CT2のエネルギーを直流電圧源Vd に回生してい
る。
【0052】図4は、図3の実施例のチョッパ装置の制
御回路を示す。これは、比較器CT、制御補償回路GT
(S)、パルス幅変調制御回路PWMCT、三角波発生
器TRGから構成されている。チョッパ装置は直流コン
デンサCT1,CT2に印加される電圧VT を制御する。
【0053】まず、直流コンデンサCT1の印加電圧VT
を検出し、比較器CT により電圧指令値VT * と比較す
る。その偏差εT =VT * −VT を制御補償制御回路G
T(S)により反転増幅し、PWM制御回路PWMCTの指
令値eT * とするPWM制御回路PWMCTでは、指令
値eT * とPWM制御の搬送波信号(三角波)と比較し
てスイッチング素子CHOのゲート信号gT を作る。
【0054】すなわち、図3の直流コンデンサCT1,C
T2の印加電圧VT が設定値VT * より高くなった場合偏
差εT は負の値となり、指令値eT * が大きくなり、ス
イッチング素子CHOのオン期間を増加させる。
【0055】スイッチング素子CHOがオンのとき、直
流リアクトルLo に(VT −Vd )の電圧が印加され、
電流Io を増加させる。また、スイッチング素子CHO
をオフすると、直流リアクトルLo の電流Io を直流電
圧源Vd に回生する。スイッチング素子CHOのオン期
間を増やせば、より多くのエネルギーが直流リアクトル
Lo を介して直流電圧源Vd に回生され、直流コンデン
サCT1,CT2の印加電圧VT を減らすことができる。
【0056】ここで,直流コンデンサCT1,CT2の印加
電圧VT の設定値VT * は、直流電圧源Vd より電圧E
o だけ高くなるように設定する。電圧Eo の値はVd の
値に対し、一桁程度低い値に選ぶ。
【0057】この差電圧Eo =VT −Vd は、アノード
リアクトルLA1,LA2のエネルギーをリセットするため
に有効に働く。すなわち、第1の電力変換器ユニットに
おいて、入力電流IS が図示の方向に流れていた時、素
子S2 をターンオフさせると、アノードリアクトルLA1
に流れていた電流は、、LA1→Vd →CT1とCT2の並列
回路→DT1→DS1→LA1の経路に流れ、前記差電圧Eo
=VT −Vd がアノードリアクトルLA1に印加されて、
電流が減衰していく。その電流ILAが零になるまでの時
間Δtは、 Δt=ILA・LA1/Eo となる。例えば、ILA=2,000[A]、LA =10
[μH]、Eo =200[V]とした場合、Δt=10
0[μsec]となる。この時間Δtは、自己消弧素子
S1 ,S2 の最小オン・オフ時間を考慮して決定され、
Eo はそれを満足させるように設計される。 [第4実施例(請求項4または請求項5に対応する実施
例)]図5は本発明の電圧形自励変換器の第4実施例を
示す回路図である。ここでは、単相交流を定電圧の直流
に交換するPWM制御コンバータの構成例を示す。
【0058】これは、交流電源VS 、交流リアクトルL
S 、直流電圧源(直流平滑コンデンサCd )Vd 、自己
消弧素子S1 〜S4 、フリーホイーリングダイオードD
1 〜D4 、アノードリアクトルLA1,LA2、スナバダイ
オードDS1,DS2、スナバコンデンサCS1,CS2、ダイ
オードDT1,DT2、直流コンデンサCT1,CT2、回生用
ダイオードDr1,Dr2、補助直流電圧源Eo から構成さ
れている。
【0059】具体的には、直流電圧源Vd と、複数の電
力変換器ユニットからなっている。第1の電力変換器ユ
ニットは、直流電圧源Vd の負側(または正側)端子に
一方の端子が接続され、ターンオン時の素子電流の立ち
上がり(di/dt)を制御するためのアノードリアク
トルLA1と、アノードリアクトルLA1の他方の端子と直
流電圧源Vd の正側(または負側)端子との間に直列接
続された第1および第2の自己消弧素子S1 ,S2 と、
自己消弧素子S1 ,S2 のそれぞれに逆並列に接続され
た第1および第2のフリーホイリングダイオードD1 ,
D2 と、自己消弧素子S1 ,S2 の接続点とアノードリ
アクトルLA1の他方の端子との間に接続されたスナバ回
路(スナバコンデンサCS1とスナバダイオードDS1の直
列回路)から構成されている。
【0060】第2の電力変換器ユニットも同様に、自己
消弧素子S3 ,S4 、フリーホイーリングダイオードD
3 ,D4 、ターンオン時の素子電流の立ち上がり(di
/dt)を制御するためのアノードリアクトルLA2、ス
ナバコンデンサCS2、スナバダイオードDS2、ダイオー
ドDT2、直流コンデンサCT2および回生用ダイオードD
r2により構成されている。
【0061】そして、各電力変換器ユニットを構成する
ダイオードDT1,DT2と直流コンデンサCT1,CT2の直
列回路の接続点同士を共通に結び、直流電圧源Vd の負
側(または正側)端子に一方の端子が接続された補助直
流電圧源Eo と、補助直流電圧源Eo の他方の端子とダ
イオードDT1,DT2と直流コンデンサCT1,CT2の直列
回路の共通の接続点との間にそれぞれ回生用ダイオード
Dr1,Dr2が接続されている。
【0062】次に、図5の実施例の作用効果について説
明する。始めに、第1の電力変換器ユニットについて自
己消弧素子S1 ,S2 のスイッチング動作に伴うスナバ
回路動作を説明する。
【0063】入力電流IS が図示の矢印の方向に流れて
いる場合、自己消弧素子S2 がターンオフさせると、電
流IS は、スナバコンデンサCS1およびスナバダイオー
ドDS1を介して流れ、スナバコンデンサCS1を図示の極
性に充電する。このとき、自己消弧素子S2 に印加され
る電圧の(dv/dt)は、次式のようになる。
【0064】(dv/dt)=IS /CS1 また、このときアノードリアクトルLA1に流れていた電
流は、LA1→Eo →Dr1→DT1→DS1→LA1の経路に流
れ、電圧E0 がアノードリアクトルLA1に印加されて、
電流が減衰していく。その電流ILAが零になるまでの時
間Δtは、 Δt=ILA・LA1/Eo となる。例えば、ILA=2,000[A]、LA =10
[μH]、Eo =200[V]とした場合、Δt=10
0[μsec]となる。この時間Δtは、自己消弧素子
S1 ,S2 の最小オン・オフ時間を考慮して決定され、
Eo はそれを満足させるように設計される。
【0065】スナバコンデンサCS1の印加電圧が直流電
圧源の電圧Vd と補助直流電圧源の電圧Eo の和電圧
(Vd +Eo )より高くなると、ダイオードD1 が導通
し、入力電流IS はD1 を介して流れる。
【0066】また、入力電流IS が図示の矢印と反対方
向に流れていた場合に、自己消弧素子S1 がターンオフ
させると、入力電流IS は直流コンデンサCT1→ダイオ
ードDT1→スナバコンデンサCS1→交流リアクトルLS
の経路に流れ、スナバコンデンサCS1の電圧を放電させ
る。このとき、素子S1 に印加される電圧の(dv/d
t)は、 (dv/dt)=IS /CS0 となる。ここで、CS0=CS1・CT1/(CS1+CT1)は
上側アームに対するスナバ回路の等価コンデンサ容量で
ある。直流コンデンサCT1の印加電圧(Vd +Eo )よ
り高くなると回生用ダイオードDr1が導通し、Cr1の印
加電圧は(Vd +Eo )にクランプされる。
【0067】ただし、配線のインダクタンスがあるた
め、電圧(Vd +Eo )より少し高くなる。また、スナ
バコンデンサCS1の電圧が図示の極性と反対方向に充電
されると、ダイオードDS1とD2 が導通し、入力電力I
S はダイオードD2 を介して流れるようになる。
【0068】すなわち、第2の電力変換器ユニットのダ
イオードD3 が導通しているとすると、入力電流IS は
最初、S1 →LS →VS →D3 →S1 の経路で流れてい
る。次にS1 がオフすると、電流IS は、CT1→DT1→
CS1→LS →VS →D3 →CT1の経路に流れて、CS1の
電圧を放電し、CT1の電圧を高める。CT1の電圧が(V
d +Eo )より高くなるとダイオードDr1が導通し、電
流はIS はDr1→DT1→CS1→LS →VS →D3 →Vd
→Eo →Dr1の経路に流れる。さらに、CS1の電圧が図
示の極性と反対方向に充電されると、ダイオードDS1と
D2 が導通し、電流IS はDr1→DT1→CS1→D2 →L
S →VS →D3 →Vd →Eo →Dr1の経路と、LA1→D
2 →LS →VS →D3 →Vd →LA1の経路に分流して流
れる。最終的に、電流IS はLA1→D2 →LS →VS →
D3 →Vd →LA1の経路に流れるようになる。
【0069】第2電力変換器ユニットの動作も同様にな
る。このようにして、PWMコンバータのスイッチング
動作に伴うスナバ回路やアノードリアクトルに蓄積され
たエネルギーを補助直流電圧源Eo (バッテリー等)に
回生することができ、効率の良い運転が可能となる。 [第5実施例(請求項6に対応する実施例)]図6は本
発明の第5実施例の回路図を示すもので、図5の回路の
補助直流電圧源Eo を直流平滑コンデンサCo とチョッ
パ用スイッチング素子CHO、チョッパ用ダイオードD
CHおよび直流リアクトルLo に置き換えたものである。
これ以外の点は、図5の回路と同一であるので、その説
明を省略する。
【0070】図5の回路で説明したように、PWMコン
バータのスイッチング動作に伴うスナバ回路やアノード
リアクトルに蓄積されたエネルギーは補助直流電圧源E
o に回生される。図6の回路では、この補助直流電圧源
Eo として直流平滑コンデンサCo を用い、チョッパ装
置によりこの電圧Eo がほぼ一定となるように制御して
いる。
【0071】図7に、図6の装置の直流平滑コンデンサ
Co に印加される電圧Eo の制御回路を示すもので、比
較器C0 、制御補償回路G0(S)、PWMC0 はパルス幅
変調制御回路PWMC0 、三角波発生器TRGから構成
されている。
【0072】このように構成されている第5実施例の作
用効果について説明する。まず、図6の直流平滑コンデ
ンサCo の印加電圧Eo を検出し、比較器Co により電
圧指令値Eo * と比較する。その偏差εo =Eo * −E
o を制御補償制御回路Go(S)により反転増幅し、P
WM制御回路PWMCOの指令値eo とする。P
WM制御回路PWMCTでは、指令値eo * とPWM制
御の搬送波信号(三角波)と比較してスイッチング素子
CHOのゲート信号go を作る。
【0073】すなわち、図6の直流平滑コンデンサCo
の印加電圧Eo が設定値Eo * より高くなった場合偏差
εo は負の値となり、指令値eo * が大きくなり、スイ
ッチング素子CHOのオン期間を増加させる。CHOが
オンのとき、直流リアクトルLo にEo の電圧を印加
し、電流Io を増加させる。また、CHOをオフする
と、Lo の電流Io を直流電圧源Vd に回生する。スイ
ッチング素子CHOのオン期間を増やせば、より多くの
エネルギーが直流リアクトルLo を介して直流電圧源V
d に回生され、直流平滑コンデンサCo の印加電圧Eo
を減らすことができる。ここで、直流コンデンサCo の
印加電圧の設定値Eo * は、直流電圧源Vdより一桁程
度低い値に選ぶ。
【0074】この電圧Eo は、アノードアクリトルLA
1,LA2のエネルギーをリセットするために有効に働
く。すなわち、第1の電力変換器ユニットにおいて,入
力電流IS が図示の方向に流れていた時、素子S2 をタ
ーンオフさせると、アノードリアクトルLA1に流れてい
た電流は、LA1→Eo →Dr1→DT1→DS1→LA1の経路
に流れ、電圧Eo がアノードリアクトルLA1に印加され
て、電流が減衰していく。その電流ILAが零になるまで
の時間Δtは、 Δt=ILA・(LA1/Eo ) となる。この時間Δtは、自己消弧素子S1 ,S2 の最
小オン・オフ時間を考慮して決定され、Eo はそれを満
足させるように設計される。 [第6実施例(請求項7に対応する実施例)]図8は本
発明の電圧形自励変換器の第6実施例を示す回路図であ
り、これは単相交流を定電圧の直流に変換するPWM制
御コンバータの例を示している。
【0075】これは交流電源VS 、交流リアクトルLS
、直流電圧源(直流平滑コンデンサCd )Vd 、自己
消弧素子S1 〜S4 、フリーホイーリングダイオードD
1 〜D4 、アノードリアクトル[ターンオン時の素子電
流の立ち上がり(di/dt)を抑制するためのもの]
LA1,LA2、スナバダイオードDS1,DS2、スナバコン
デンサCS1,CS2、ダイオードDT1,DT2、直流コンデ
ンサCT1,CT2、回生用ダイオードDr 、補助直流電圧
源Eo から構成されている。
【0076】補助直流電圧源Eo は直流平滑コンデンサ
Co 、チョッパ用スイッチング素子CHO、チョッパ用
ダイオードDCHおよび直流リアクトルLo で構成されて
いる。
【0077】このうち、自己消弧素子S1 ,S2 、フリ
ーホイーリングダイオードD1 ,D2 、アノードリアク
トルLA1、スナバコンデンサCS1、スナバダイオードD
S1、ダイオードDT1はおよび直流コンデンサCT1は、第
1の電力変換器ユニットを構成している。同様に、自己
消弧素子S3 ,S4 、フリーホイーリングダイオードD
3 ,D4 、アノードリアクトルLA2、スナバコンデンサ
CS2、スナバダイオードDS2、ダイオードDT2および直
流コンデンサCT2は、第2の電力変換器ユニットを構成
している。
【0078】第1の電力変換器ユニットの直流コンデン
サCT1とダイオードDT1の接続点と、第2の電力変換器
ユニットの直流コンデンサCT2とダイオードDT2の接続
点とを結び、その接続点と直流電圧源Vd の負側端子と
の間に補助直流電圧源Eo と回生用ダイオードDr を接
続している。これにより、2つの電力変換器ユニットの
直流コンデンサCT1,CT2は並列接続されたことにな
り、図2に示した装置と同様の効果が得られる。補助直
流電圧源Eo は第1および第2の電力変換器ユニットで
共用している。
【0079】次に、第1の電力変換器ユニットについて
自己消弧素子S1 ,S2 のスイッチング動作に伴うスナ
バ回路動作を説明する。入力電流IS が図示の矢印の方
向に流れていた場合、素子S2 をターンオフさせると、
電流IS はスナバコンデンサCS1およびスナバダイオー
ドDS1を介して流れ、スナバコンデンサCS1を図示の極
性に充電させる。このとき、自己消弧素子S2 に印加さ
れる電圧の(dv/dt)は、次式のようになる。
【0080】(dv/dt)=IS /CS1 また、このときアノードリアクトルLA1に流れていた電
流は、、LA1→Eo →Dr →DT1→DS1→LA1の経路に
流れ、電圧Eo がアノードリアクトルLA1に印加され
て、電流が減衰していく。その電流ILAが零になるまで
の時間Δtは、 Δt=ILA・(LA1/Eo ) となる。例えば、ILA=2,000[A]、LA =10
[μH]、Eo =200[V]とした場合、Δt=10
0[μsec]となる。この時間Δtは、自己消弧素子
S1 ,S2 の最小オン・オフ時間を考慮して決定され、
Eo はそれを満足させるように設計される。
【0081】スナバコンデンサCS1の印加電圧が直流電
圧源の電圧Vd と補助直流電圧源の電圧Eo の和電圧
(Vd +Eo )より高くなると、ダイオードD1 が導通
し、入力電流IS はD1 を介して流れる。
【0082】また、入力電流IS が図示の矢印と反対方
向に流れていた場合に、自己消弧素子S1 がターンオフ
させると、入力電流IS は、直流コンデンサCT1とCT2
の並列回路→ダイオードDT1→スナバコンデンサCS1→
交流リアクトルLS の経路に流れ、スナバコンデンサC
S1の電圧を放電させる。
【0083】このとき、自己消弧素子S1 に印加される
電圧の(dv/dt)は、 (dv/dt)=IS /CS0 となる。ここで、CS0=CS1・(CT1+CT1)/(CS1
+CT1+CT1)は上側アームに対するスナバ回路の等価
コンデンサ容量である。例えば、CS1=5[μF]、C
T1=CT2=20[μF]とした場合、等価容量は、CSo
=4.44[μF]となる。各電力変換器ユニット毎に
動作させたときよりも等価容量が0.44[μF]だけ
増えて、その分素子の(dv/dt)を抑制させること
ができる。言い換えると、従来のスナバ回路の等価容量
で済むとすれば、直流コンデンサCT1,CT2の容量を半
分にすることが可能となる。この結果、装置の小形軽量
化およびコストダウンが図ることができる。
【0084】直流コンデンサCT1およびCT2の印加電圧
(Vd +Eo )より高くなると回生用ダイオードDr1が
導通し、CT1およびCT2の印加電圧は(Vd +Eo )に
クランプされる。
【0085】ただし、配線のインダクタンスがあるた
め、電圧(Vd +Eo )より少し高くなる。また、スナ
バコンデンサCS1の電圧が図示の極性と反対方向に充電
されると、ダイオードDS1とD2 が導通し、入力電流I
S はダイオードD2 を介して流れるようになる。
【0086】すなわち、第2の電力変換器ユニットのダ
イオードD3 が導通しているとすると、入力電流IS は
最初、S1 →LS →VS →D3 →S1 の経路で流れてい
る。次にS1 がオフすると、電流IS はCT1とCT2の並
列回路→DT1→CS1→LS →VS →D3 →CT1とCT2の
並列回路の経路に流れて、CS1の電圧を放電し、CT1と
CT2の電圧を高める。CT1とCT2の電圧が(Vd +Eo
)より高くなるとダイオードDr が導通し、電流はIS
はDr →DT1→CS1→LS →VS →D3 →Vd→Eo →
Dr の経路に流れる。さらに、CS1の電圧が図示の極性
と反対方向に充電されると、ダイオードDS1とD2 が導
通し、電流IS はDr →DT1→CS1→D2 →LS →VS
→D3 →Vd →Eo →Dr の経路と、LA1→D2 →LS
→VS →D3 →Vd →LA1の経路に分流して流れる。最
終的に、電流IS はLA1→D2 →LS →VS →D3 →V
d →LA1の経路に流れるようになる。
【0087】第2の電力変換器ユニットの動作も同様に
なる。このようにして、PWMコンバータのスイッチン
グ動作に伴うスナバ回路やアノードリアクトルに蓄積さ
れたエネルギーを補助直流電圧源Eo に回生することが
でき、効率の良い運転が可能となる。
【0088】補助直流電圧源Eo の電圧を一定に制御す
る動作は図6および図7で説明したので省略する。 [第7実施例]図9は本発明の電圧形自励変換器の第7
実施例を示す回路図であり、ここでは、単相き電線から
電力供給を受ける交流電車システムのPWM制御コンバ
ータの構成例を示す。
【0089】これは単相交流き電線BUS、集電器P
T、遮断器MC、変圧器TR、車輪WL、交流リアクト
ルLs 、直流電圧源(直流平滑コンデンサCd )Vd 、
自己消弧素子S1 〜S4 、フリーホイーリングダイオー
ドD1 〜D4 、アノードリアクトルLA1,LA2、スナバ
ダイオードDS1,DS2、スナバコンデンサCS1,CS2、
ダイオードDT1,DT2、直流コンデンサCT1,CT2、回
生用ダイオードDr 、補助直流電圧源Eo である。補助
直流電圧源Eo は直流平滑コンデンサCo 、電力回生可
能なIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)イ
ンバータVSIおよび交流リアクトルLR で構成されて
いる。
【0090】ターンオン時の素子電流の立ち上がり(d
i/dt)を抑制するためのアノードリアトルLA1,L
A2は直流電圧源Vd の負側端子側に接続した例を示して
いる。
【0091】自己消弧素子S1 ,S2 、フリーホイーリ
ングダイオードD1 ,D2 、アノードリアクトルLA1、
スナバコンデンサCS1、スナバダイオードDS1、ダイオ
ードDT1はおよび直流コンデンサCT1は、第1の電力変
換器ユニットを構成している。同様に、自己消弧素子S
3 ,S4 、フリーホイーリングダイオードD3 ,D4、
アノードリアクトルLA2、スナバコンデンサCS2、スナ
バダイオードDS2、ダイオードDT2および直流コンデン
サCT2は、第2の電力変換器ユニットを構成している。
【0092】当該第1の電力変換器ユニットの直流コン
デンサCT1とダイオードDT1の接続点と、第2の電力変
換器ユニットの直流コンデンサCT2とダイオードDT2の
接続点とを結び、その接続点と直流電圧源Vd の負側端
子との間に補助直流電圧源Eo と回生用ダイオードDr
を接続している。これにより、2つの電力変換器ユニッ
トの直流コンデンサCT1,CT2は並列接続されることに
なり、図2に示した装置と同様の効果が得られる。補助
直流電圧源Eo は第1および第2の電力変換器ユニット
で共用している。
【0093】補助直流電圧源Eo は電力回生可能な電圧
形インバータVSIによって、その電力がほぼ一定にな
るように制御される。電圧形インバータVSIは、例え
ばトランジスタ4個とフリーフォイリングダイオード4
個をフルブリッジ結線されたインバータで、交流側端子
は交流リアクトルLR を介して変圧器の3次巻線w3 に
接続されている。電圧形インバータVSIは、当該直流
電圧Eo がほぼ一定になるように交流電流IR の大きさ
を制御する。
【0094】すなわち、電圧指令値Eo * と電圧検出値
Eo を比較し、その偏差εo =Eo* −Eo が正の場合
は、電流IR を増やして交流電源BUSから電力を受け
取り、電圧Eo を増加させる。逆に、偏差εo が負の場
合は、電流IR の位相を交流電圧の位相と逆にして電源
BUSに電力を回生し、電圧Eo を減少させる。このよ
うにして、常に直流電圧Eo がほぼ一定になるように制
御する。
【0095】アノードリアクトルLA1,LA2やスナバ回
路のエネルギーは、この補助直流電圧源Eo に、一旦蓄
積され、さらに電圧形インバータVSIによって交流電
源BUSに回生される。
【0096】補助直流電圧源Eo の電圧は、前にも述べ
たように、直流電圧源Vd の電圧により一桁ぐらい低く
て済むため、電圧形インバータVSIに使われるスイッ
チング素子の耐圧は低いものでよい。そのため、IGB
T等の高速スイッチング素子を使うことが可能となり、
PWM制御の搬送波周波数も高めて使うことができ、交
流リアクトルLR のインダクタンス値の小さいものが使
用でき、故に、補助直流電圧源Eo の小形軽量化が可能
となる。
【0097】以上、電力変換器として、交流を直流に変
換するPWMコンバータについて説明したが、直流を可
変電圧可変周波数の3相交流に変換するPWMインバー
タでも同様に構成できることは言うまでもない。また、
コンバータとインバータを合わせて、一括して補助直流
電圧源に回生することもできることは言うまでもない。
【0098】また、本発明装置において、アノードリア
クトルを直流電圧源の負側端子側に接続した例を示した
が、当然のことながら正側端子側に接続しても同様に構
成できる。この場合、直流コンデンサCT はアノードリ
アクトルLA と反対側に設置され、補助直流電圧源Eo
はアノードリアクトル側に接続される。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、非対称スナバ回路にお
ける上下アーム素子に印加される電圧の(dv/dt)
の均一化を図り、直流コンデンサCT の容量を低減し、
さらにスナバ回路やアノードリアクトルのエネルギーを
電源に回生し、変換効率の向上を図った電圧形自励変換
器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電圧形自励変換器の第1実施例を示す
回路図。
【図2】本発明の電圧形自励変換器の第2実施例を示す
回路図。
【図3】本発明の電圧形自励変換器の第3実施例を示す
回路図。
【図4】図3のチョッパ装置の制御回路の一例を示す回
路図。
【図5】本発明の電圧形自励変換器の第4実施例を示す
回路図。
【図6】本発明の電圧形自励変換器の第5実施例を示す
回路図。
【図7】図6のチョッパ装置の制御回路の一例を示す回
路図。
【図8】本発明の電圧形自励変換器の第6実施例を示す
回路図。
【図9】本発明の電圧形自励変換器の第7実施例を示す
回路図。
【図10】従来の電圧形自励変換器の回路図。
【図11】従来の電圧形自励変換器の回路図。
【符号の説明】
Vd …直流電源、LA ,LA1,LA2ーアノードリアクト
ル、S1 〜S4 …自己消弧素子、D1 〜D4 …フリーホ
イリングダイオード、CS ,CS1,CS2…スナバコンデ
ンサ、DS ,DS1,DS2…スナバダイオード、DT ,D
T1,DT2…ダイオード、CT ,CT1,CT2…直流コンデ
ンサ、RT …放電抵抗、Dr ,Dr1,Dr2…回生用ダイ
オード、Eo …補助直流電圧源、DSS,CSS,RSS…補
助スナバ回路のダイオード,コンデンサ,抵抗、VS …
交流電圧源、LS …交流リアクトル、CHO,DCH…チ
ョッパ用スイッチング素子、ダイオード、Lo …直流リ
アクトル、BUS…単相交流き電線、PT…集電器、T
R…変圧器、WL…車輪、VSI…電圧インバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−289778(JP,A) 特開 平6−189563(JP,A) 特開 平5−227736(JP,A) 特開 平6−22536(JP,A) 特開 平5−236734(JP,A) 特開 平6−62582(JP,A) 実開 昭62−140890(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02M 1/06 H02M 7/515 H02M 7/5387

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧源と、複数の電力変換器ユニッ
    トからなり、 この各電力変換器ユニットは、前記直流電圧源の負側
    (または正側)の端子に一方の端子が接続されたアノー
    ドリアクトルと、このアノードリアクトルの他方の端子
    と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子との間に
    接続された第1および第2の自己消弧素子の直列回路
    と、この第1および第2の自己消弧素子にそれぞれに逆
    並列に接続された第1および第2のフリーホイリングダ
    イオードと、前記第1および第2の自己消弧素子の接続
    点と前記アノードリアクトルの他方の端子との間に接続
    され、スナバコンデンサとスナバダイオードが直列接続
    され、かつ前記スナバコンデンサが前記第1および第2
    の自己消弧素子の接続点側に接続されたスナバ回路と、
    このスナバ回路のスナバコンデンサとスナバダイオード
    の接続点と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子
    との間にダイオードと直流コンデンサが直列に接続さ
    れ、かつこの直流コンデンサが前記直流電圧源の正側
    (または負側)の端子側に接続された直列回路から構成
    され、 前記各電力変換器ユニットを構成する前記ダイオードと
    前記直流コンデンサの直列回路の接続点同士を共通に結
    び、かつ、前記直流電圧源の負側(または正側)の端子
    と前記ダイオードと前記直流コンデンサの直列回路の共
    通の接続点との間に放電抵抗を接続したことを特徴とす
    る電圧形自励変換器。
  2. 【請求項2】 直流電圧源と、複数の電力変換器ユニッ
    トからなり、 この各電力変換器ユニットは、前記直流電圧源の負側
    (または正側)の端子に一方の端子が接続されたアノー
    ドリアクトルと、このアノードリアクトルの他方の端子
    と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子との間に
    接続された第1および第2の自己消弧素子の直列回路
    と、この第1および第2の自己消弧素子のそれぞれに逆
    並列に接続された第1および第2のフリーホイリングダ
    イオードと、前記第1および第2の自己消弧素子の接続
    点と前記アノードリアクトルの他方の端子との間に接続
    され、スナバコンデンサとスナバダイオードが直列接続
    され、かつ前記スナバコンデンサが前記第1および第2
    の自己消弧素子の接続点側に接続されたスナバ回路と、
    このスナバ回路のスナバコンデンサとスナバダイオード
    の接続点と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子
    との間に接続されたダイオードと直流コンデンサが直列
    に接続され、かつこの直流コンデンサが前記直流電圧源
    の正側(または負側)の端子側に接続された直列回路か
    ら構成され、 前記各電力変換器ユニットを構成する前記ダイオードと
    直流コンデンサの直列回路の接続点同士を共通に結び、
    前記直流電圧源の正側(または負側)の端子と前記ダイ
    オードと前記直流コンデンサの直列回路の共通の接続点
    との間にチョッパ用スイッチング素子と直流リアクトル
    の直列回路を接続し、前記直流電圧源の正側(または負
    側)の端子と前記チョッパ用スイッチング素子と前記直
    流リアクトルの接続点との間にチョッパ用ダイオードを
    接続したことを特徴とする電圧形自励変換器。
  3. 【請求項3】 直流電圧源と、複数の電力変換器ユニッ
    トからなり、 この各電力変換器ユニットは、前記直流電圧源の負側
    (または正側)の端子に一方の端子が接続されたアノー
    ドリアクトルと、このアノードリアクトルの他方の端子
    と前記直流電圧源正側(または負側)の端子との間に接
    続された第1および第2の自己消弧素子の直列回路と、
    この第1および第2の自己消弧素子のそれぞれに逆並列
    に接続された第1および第2のフリーホイリングダイオ
    ードと、前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と
    前記アノードリアクトルの他方の端子との間に接続さ
    れ、スナバコンデンサとスナバダイオードが直列接続さ
    れ、かつ前記スナバコンデンサが前記第1および第2の
    自己消弧素子の接続点側に接続されたスナバ回路と、こ
    のスナバ回路のスナバコンデンサとスナバダイオードの
    接続点と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子と
    の間に接続されたダイオードと直流コンデンサが直列に
    接続され、かつこの直流コンデンサが前記直流電圧源の
    正側(または負側)の端子側に接続された直列回路とか
    らなる構成され、前記各電力変換器ユニットを構成する
    前記ダイオードと直流コンデンサの直列回路の接続点同
    士を共通に結び、 前記直流電圧源の負側(または正側)の端子に一方の端
    子が接続された補助直流電圧源と、 この補助直流電圧源の他方の端子と前記ダイオードと前
    記直流コンデンサの直列回路の接続点との間に接続され
    た回生用ダイオードと、 を具備したことを特徴とする電圧形自励変換器。
  4. 【請求項4】 前記補助直流電圧源は直流平滑コンデン
    サで構成され、この直流平滑コンデンサに直流リアクト
    ルとチョッパ用スイッチング素子の直列回路を並列接続
    し、前記直流リアクトルと前記チョッパ用スイッチング
    素子との接続点と前記直流電圧源の負側(または正側)
    の端子との間にチョッパ用ダイオードを設置したことを
    特徴とする請求項3記載の電圧形自励変換器。
  5. 【請求項5】 直流電圧源の負側(または正側)の端子
    に一方の端子が接続されたアノードリアクトルと、 このアノードリアクトルの他方の端子と前記直流電圧源
    の正側(または負側)の端子との間に接続された第1お
    よび第2の自己消弧素子の直列回路と、 この第1および第2の自己消弧素子のそれぞれに逆並列
    に接続された第1および第2のフリーホイリングダイオ
    ードと、 前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と前記アノ
    ードリアクトルの他方の端子との間に接続され、スナバ
    コンデンサとスナバダイオードが直列接続され、かつ前
    記スナバコンデンサが前記第1および第2の自己消弧素
    子の接続点側に接続されたスナバ回路と、 このスナバ回路のスナバコンデンサとスナバダイオード
    の接続点と前記直流電圧源の正側(または負側)の端子
    との間に接続されたダイオードと直流コンデンサが直列
    に接続され、かつこの直流コンデンサが前記直流電圧源
    の正側(または負側)の端子側に接続された直列回路
    と、 前記直流電圧源の負側(または正側)の端子に一方の端
    子が接続された補助直流電圧源と、 この補助直流電圧源の他方の端子と前記ダイオードと前
    記直流コンデンサの直列回路の接続点との間に接続され
    た回生用ダイオードと、 前記第1および第2の自己消弧素子の接続点と前記直流
    電圧源の負側(または正側)の端子との間に、補助スナ
    バダイオードと補助スナバ抵抗が並列接続され、かつこ
    れに直列接続された補助スナバコンデンサからなる補助
    スナバ回路と、を具備したことを特徴とする電圧形自励
    変換器。
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