JP3290535B2 - 欠陥検出装置 - Google Patents

欠陥検出装置

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JP3290535B2
JP3290535B2 JP05150394A JP5150394A JP3290535B2 JP 3290535 B2 JP3290535 B2 JP 3290535B2 JP 05150394 A JP05150394 A JP 05150394A JP 5150394 A JP5150394 A JP 5150394A JP 3290535 B2 JP3290535 B2 JP 3290535B2
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正洋 伊藤
規之 新井
真治郎 岩間
光司 松田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光が透過する透明ある
いは半透明の板状被検査物の欠陥を検出する欠陥検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】光が透過する透明あるいは半透明の板状
被検査物例えば薄板のような樹脂シートは液晶表示装置
などの画面を保護するために使用されている。このよう
な樹脂シートの内部に異物が混入すると光が透過しにく
くなる。したがって異物が混入した樹脂シートをそのま
ま使用すると、画面の一部が見ずらくなり画質が低下す
る。このため、異物が混入した樹脂シートは事前に見つ
け不良品として排除する必要がある。このような異物の
混入を検出するために、従来、次のような方法が行われ
ている。
【0003】例えば樹脂シートを一定方向に走行させ、
走行する樹脂シートの下方から光を照射する。そして、
樹脂シートの上方にはTVカメラなど光を検出する装置
を配置し、樹脂シートを透過した光を検出する。
【0004】このとき、樹脂シートに異物が混入してい
ると、その部分で光の透過が少なくなり、TVカメラに
入力される光が減少する。この結果、TVカメラの出力
が低下する。このように樹脂シートを透過する光量の変
化をTVカメラなどで検出し、異物の混入を検出してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、樹脂シートな
ど薄板はますます良質なものが求められている。このた
め、異物の混入だけでなく、薄板の表面にできる凹凸や
薄板の内部にできる気泡なども画質を劣化させるものと
して問題になっている。ところで樹脂シートなど薄板に
形成される凹凸や気泡は、それ以外の部分と光の透過率
はあまり差がない。したがって、従来の欠陥検出装置
は、薄板を透過する光量の変化によって欠陥を検出する
方法であるため、凹凸や気泡など光の透過率に差がない
欠陥を検出することは困難であった。
【0006】本発明は、上記した欠点を解決し、薄板の
凹凸や気泡を検出できる欠陥検出装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、光が透過する
板状被検査物の面に光を照射する第1光照射手段と、こ
の第1光照射手段の光が前記被検査物に照射する領域に
重畳して、前記第1光照射手段とは異なる方向から指向
性のある光を照射する第2光照射手段と、前記被検査物
を透過した前記第1光照射手段の光および前記被検査物
で散乱し透過した前記第2光照射手段の光を共通に検出
する受光手段と、この受光手段で検出された出力を判定
する判定手段とを具備し、この判定手段は、前記受光手
段の出力が所定の第1レベル以上であること、および、
前記受光手段の出力が前記第1レベルよりも低い所定の
第2レベル以下であることを判定することを特徴とす
【0008】また、前記第2光照射手段は、前記板状被
検査物に垂直な軸に対し20°〜70°の角度をもっ
て、前記板状被検査物に光を照射することを特徴とす
【0009】
【0010】
【作用】上記の構成によれば、光が透過する板状被検査
物の面に対し、この面に垂直な軸に対してある角度をも
つ方向から光を照射している。したがって、被検査物の
表面に凹凸があると、凹凸は通常球面をしているため、
その凹凸部分によって光はいろいろな方向に分かれる。
そして、その一部が光検出装置に入力される。この結
果、光検出装置の出力が増大する。このような光検出装
置の出力の増大から被検査物の凹凸が検出される。な
お、被検査物内の気泡の場合も光の進行方向がいろいろ
な方向に分かれる。そして、一部が光検出装置に入力さ
れる。したがって、気泡の存在も光検出装置の出力の増
大から検出できる。
【0011】また、光検出装置が配置された方向に光を
照射する光照射装置を設けている場合は、例えば被検査
物内に異物があると、光照射装置から照射される光が異
物で遮られ光検出装置に入力される光量が減少する。こ
れにより光検出装置の出力が低下する。このような光検
出装置の出力の低下から異物が検出される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図1を参
照して説明する。
【0013】被検査物である11は、透明あるいは半透
明の板状物であり、この面または内部で光が拡散しない
薄板、例えば液晶表示装置などの画面を保護する樹脂シ
ートである。樹脂シート11は、液晶表示装置などの画
面を保護するために使用され、光がよく透過するように
例えば透明な材料が使用される。樹脂シートは、上流の
製造工程にて製造されており、回転ローラ(図示せず)
などによって先端部分から順に矢印Y方向に送り出され
てくる。そして、走行する樹脂シート11の下方には第
1の光照射装置12が配置される。
【0014】第1の光照射装置12は、光を通す開口が
上部に形成された容器12Aや、この容器12Aに収納
される例えば高周波蛍光灯12Bなどから構成される。
そして第1の光照射装置12から、樹脂シート11の幅
とほぼ同じ長さに広がった光L1が出力され、樹脂シー
ト11の面にほぼ垂直に照射される。樹脂シート11面
に照射された光は樹脂シート11を透過し上方に進む。
【0015】また、光の進行方向には光検出装置13が
配置される。光検出装置13は例えば3台のTVカメラ
13A〜13Cから構成されている。この場合、樹脂シ
ート11は幅方向に3等分11A〜11Cされ、3等分
された各部分11A〜11Cを透過した光が別々のTV
カメラ13A〜13Cに入力されるようになっている。
このTVカメラ13A〜13Cは例えばラインセンサと
して機能する。したがって、第1の光照射装置12から
樹脂シート11に照射される光L1が樹脂シート11の
移動方向に幅を持っている場合でも、TVカメラ13A
〜13Cは樹脂シート11を線状に透過した部分の光を
検出し出力する。なお、TVカメラ13A〜13Cの出
力は信号処理回路13Dに供給され、後で説明するよう
に例えば出力レベルなどが検出される。
【0016】また、第1の光照射装置12の近くに第2
の光照射装置14が設けられる。第2の光照射装置14
は、多数のガラスファイバー15の一端部15Aを直線
状に配置し、他端部15Bは束ねられて1つの光源16
例えばハロゲンランプの光が入力されるようになってい
る。したがって、光源16から出た光はガラスファイバ
ー15を伝送し、その端部15Aで樹脂シート11の幅
いっぱいに直線状に広がり樹脂シート11に照射され
る。なお、第2の光照射装置14から出力される光L2
は、樹脂シート11に垂直な軸に対し約20°〜70°
の角度、好ましくは45°の角度である。そして、第1
の光照射装置12の光L1が照射される領域に重畳して
照射される。また、第2の光照射装置14から出力され
る光L2は指向性を持ち、進路上に障害物などがない場
合は直進する。
【0017】上記した構成で、樹脂シート11が矢印方
向に順に送り出されてくる。そして、樹脂シート11に
例えば異物があると、その部分で光の透過率が低下す
る。このとき、第1の光照射装置12から出力され、樹
脂シート11を透過し、そしてTVカメラ13A〜13
Cに入力する光が減少する。なお、3台のTVカメラ1
3A〜13Cのうち、どのTVカメラの入力が下がるか
は異物の位置によって決まってくる。異物の存在でTV
カメラへの光の入力が減少すると、TVカメラ13A〜
13Cの出力が低下する。なおTVカメラ出力の低下は
信号処理回路13Dで検出される。そしてTVカメラ出
力の低下から異物の存在が検出される。
【0018】ところで、第2の光照射装置14から出力
される光も、異物によって樹脂シート11を透過する量
が少なくなる。しかし、第2の光照射装置14から照射
される光L2は指向性があるので、光は直進しTVカメ
ラ13A〜13C方向には進まない、したがってTVカ
メラ13A〜13Cの出力に影響はない。
【0019】次に、樹脂シート11の表面に例えば凹凸
がある場合、凹凸によって樹脂シート11の透過率はあ
まり変化しない。したがって、第1の光照射装置12か
ら出力されて樹脂シートを透過し、そしてTVカメラに
入力する光量は変わらない。しかし、第2の光照射装置
14から出力される光L2は、樹脂シート11面に垂直
な軸に対してある角度をもって樹脂シート11に照射さ
れている。この光L2は凹凸の部分に到達すると、その
部分で光はいろいろな方向に分かれる。そして、その一
部がTVカメラ13A〜13C方向に進み、TVカメラ
13A〜13Cに入力される。この結果、TVカメラの
出力が増大する。このことから凹凸の存在が検出され
る。
【0020】上記したように樹脂シート11に異物があ
るとTVカメラの出力が低下し、また、凹凸があるとT
Vカメラの出力が増大する。このような関係から異物や
凹凸の存在が検出される。
【0021】図2の21は、樹脂シートに混入する異物
によってTVカメラの出力が低下した状態を示し、ま
た、図3の31は、凹凸によってTVカメラの出力が増
大した状態を示している。なお、図2や図3で、横軸は
樹脂シートの幅で、また縦軸はTVカメラの出力であ
る。
【0022】なお、図3は、凹凸によってTVカメラの
出力が増大する状態を示している。しかし、樹脂シート
内に気泡がある場合も、気泡によって光の進行方向が変
化するので、凹凸の場合と同様にTVカメラ出力の増大
になって現れる。
【0023】ここで、TVカメラの出力を処理し異物や
凹凸を検出する方法について、図4の回路構成図を参照
して説明する。
【0024】図1の実施例ではTVカメラが3台の場合
で説明している。しかし、図4ではTVカメラが1台で
構成されるものとして説明する。
【0025】41は樹脂シートで、樹脂シート41は例
えば矢印Y方向に送られるものとする。樹脂シート41
の例えばRは、第1および第2の光照射装置42A、4
2Bから樹脂シート41の幅いっぱいに広がる光が重畳
して照射される領域である。そして、第1および第2の
光照射装置42A、42Bから照射され、樹脂シート4
1を透過した光は光検出装置43例えばCCDカメラに
入力される。なお、光検出装置43は例えばラインセン
サとして機能しており、樹脂シート41面の幅が狭い1
本の直線状領域を透過した光を検出するようになってい
る。
【0026】そして、樹脂シート41の移動に伴い光が
透過する領域が順に移動し、樹脂シート41の全面から
透過した光が光検出装置43に入力されてくる。光検出
装置43に入力された光は電気信号に変換される。な
お、光検出装置43で電気信号に変換された信号はA/
D変換器44に加えられデジタル信号に変換される。そ
して、デジタル信号はフレームメモリ45に加えられ
る。
【0027】フレームメモリ45は例えば2個のメモリ
45A、45Bで構成される。なお、樹脂シート41の
1つの直線状領域を透過し、光検出装置43で検出され
る信号を1本として数えた場合、1つのメモリ45A、
45Bには例えば480本分の信号が記憶される。そし
て、最初の480本分の信号はメモリ45Aに、その次
の480本分の信号はメモリ45Bに記憶される。この
ようにして、A/D変換器44から出力されるデジタル
信号は480本分づつが2つのメモリ45A、45Bに
交互に記憶される。
【0028】そして、一方のメモリに信号が記憶されて
いる間に、他方のメモリに記憶されている信号の処理が
行われる。例えば、フレームメモリ45の出力は2分さ
れ、第1および第2の2値化回路46A、46Bに印加
され2値化される。ここでフレームメモリ45から順に
出力される信号を、説明の都合上例えば図5のSのよう
に示すと、第1の2値化回路46Aからは、高い基準値
EH を越えた信号例えばS1が出力される。また、第2
の2値化回路46Bからは、低い基準値EL 以下の信号
例えばS2が出力される。したがって、第1の2値化回
路46Aから出力される信号は凹凸に対応し、また、第
2の2値化回路46Bから出力される信号は異物に相当
する。
【0029】なお、凹凸や異物は通常ある大きさを持っ
ている。したがって2値化回路46A、46Bの出力は
画素数カウンタ回路47A、47Bに加えられ、2値化
回路46A、46Bの出力の画素数が所定の値より多い
か少ないかがカウントされる。そして、画素数が所定の
値より多い場合に、第1の判定回路48Aで凹凸ありと
判定され、第2の判定回路48Bでは異物ありと判定さ
れる。
【0030】なお、2値化回路46A、46Bの出力は
表示メモリ49に加えられ記憶される。また、表示メモ
リ49に記憶された信号は表示器50に出力され、異物
や凹凸の模様が画面上に表示される。
【0031】上記した実施例では、異物を検出する光照
射装置の光や、あるいは凹凸を検出する光照射装置の光
を、共通の光検出装置で検出している。このように光検
出装置を共通にすることによって装置の構成を簡単にで
きる。しかし、各光照射装置に対し別々に光検出装置を
設けることもできる。
【0032】また、樹脂シートなどの凹凸のみを検出す
る場合には、図1の実施例において第1の光照射装置1
2は省略してもよい。
【0033】また、上記した実施例では、光検出装置を
ラインセンサとして利用している。しかし、光検出装置
はエリアセンサとして利用することもできる。この場
合、樹脂シートは例えばある距離づつ間欠的に移動さ
せ、そして、樹脂シートが停止した状態で樹脂シートの
ある面積部分を透過した光を検出することができる。
【0034】また、異物を検出する光を樹脂シートの面
に垂直に照射しているが、必ずしも垂直に照射する必要
はない。しかし、この場合も、光検出装置は光の照射方
向に配置することになる。
【0035】また、上記した実施例では板状検査物を樹
脂シートとしているが、光が透過する透明あるいは半透
明の板状物であればガラス等でも実施可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明によれ
ば、透明あるいは半透明の板状検査物の凹凸や気泡を検
出できる欠陥検出装置を実現できる。
【0037】また、第2の発明によれば、透明あるいは
半透明の板状検査物の異物と、凹凸や気泡の欠陥を一度
に検出できる欠陥検出装置を実現できる。
【0038】また、第3の発明によれば、透明あるいは
半透明の板状検査物の異物と、凹凸や気泡の欠陥を一度
に検出し、欠陥の種別を異物と凹凸や気泡の欠陥として
区別できる欠陥検出装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明を説明する信号の波形図である。
【図3】本発明を説明する信号の波形図である。
【図4】本発明を説明する回路構成図である。
【図5】本発明を説明する信号の波形図である。
【符号の説明】
11…樹脂シート 12…第1の光照射装置 13…光検出装置 14…第2の光照射装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 光司 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝 エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−110356(JP,A) 特開 平4−115148(JP,A) 特開 昭63−293448(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光が透過する板状被検査物の面に光を照
    射する第1光照射手段と、この第1光照射手段の光が前
    記被検査物に照射する領域に重畳して、前記第1光照射
    手段とは異なる方向から指向性のある光を照射する第2
    光照射手段と、前記被検査物を透過した前記第1光照射
    手段の光および前記被検査物で散乱し透過した前記第2
    光照射手段の光を共通に検出する受光手段と、この受光
    手段で検出された出力を判定する判定手段とを具備し、
    この判定手段は、前記受光手段の出力が所定の第1レベ
    ル以上であること、および、前記受光手段の出力が前記
    第1レベルよりも低い所定の第2レベル以下であること
    を判定することを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第2光照射手段は、前記板状被検査
    物に垂直な軸に対し20°〜70°の角度をもって、前
    記板状被検査物に光を照射することを特徴とする請求項
    1記載の欠陥検出装置。
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