JP3290370B2 - 自動原稿供給装置 - Google Patents

自動原稿供給装置

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JP3290370B2
JP3290370B2 JP00703697A JP703697A JP3290370B2 JP 3290370 B2 JP3290370 B2 JP 3290370B2 JP 00703697 A JP00703697 A JP 00703697A JP 703697 A JP703697 A JP 703697A JP 3290370 B2 JP3290370 B2 JP 3290370B2
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亨 丹生
裕行 原田
一寿 近藤
盾 日下部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、ファク
シミリ装置、画像読取装置などの画像処理装置に適用さ
れる自動原稿供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機などに適用され、原稿
載置板上にセットされている原稿を1枚ずつ分離し、こ
の分離された原稿を原稿搬送路を介して複写位置に供給
するようにした自動原稿供給装置が知られている。原稿
の分離は、通常、分離ローラおよび分離ベルトにより行
われるようになっている。
【0003】ところで、重送を防止して最下位の原稿の
みを確実に分離するためには、分離ローラと分離ベルト
との位置関係が重要である。したがって、本来なら、分
離ローラと分離ベルトとを固定配置し、分離ローラと分
離ベルトとが常に一定の位置関係となるようにされてい
る方が好ましい。しかし、用紙搬送系においてジャムの
発生は避けることのできない問題であるから、分離ロー
ラと分離ベルトとを固定してしまうと、ジャム処理が面
倒になるという問題が生じる。
【0004】そのため、従来の装置においては、分離ロ
ーラと分離ベルトとの位置関係を保ちつつジャム処理を
簡単に行うために、本体に対して開閉自在なカバーを本
体に取り付けるようにし、カバーの開放に伴って、分離
ベルトが分離ローラから若干離脱するような構成が採用
されている。さらに具体的には、分離ベルトは、一方軸
側が本体に固定され、他方軸側が一方軸側を起点にして
上下方向に揺動自在にされており、カバー閉成時には、
分離ベルトの他方軸側に圧力が加えられる状態となって
いる。したがって、カバー開成時には、分離ベルトに加
えられている圧力が解かれるから、分離ベルトの他方軸
側を分離ローラから離脱させることができる。一方、分
離ベルトの一方軸側は固定されているから、カバーが閉
成されるときには、分離ベルトを分離ローラに対してあ
る程度位置決めできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、分離ベルトと
分離ローラとが完全に離れるわけではなく、分離ベルト
の一方軸側を分離ローラから離すことができるという程
度なので、ジャム処理をするときには分離ベルトが邪魔
になり、ジャム処理を簡単に行うことができるとは言え
なかった。
【0006】そこで、この発明の目的は、上述の技術的
課題を解決し、原稿のジャム処理を簡単に行うことがで
きる自動原稿供給装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、本体と、この本体の上部の一
部を開放可能に覆う回動自在なカバーと、本体に設けら
れた第1分離部材、およびカバー閉じたときに上記第
1分離部材に対向するようにカバーに設けられた第2分
離部材とを有し、この第1分離部材および第2分離部材
により原稿を1枚ずつ分離して原稿搬送路に送り出すた
めの分離機構と、カバー閉じ状態で、上記第1分離
部材に対して第2分離部材を位置決めするための位置決
め機構とを含み、上記位置決め機構は、上記第2分離部
材に取り付けられた位置決め用部材と、本体に設けら
れ、カバーを閉じた状態で上記位置決め用部材を受ける
ための受け部とを有することを特徴とする自動原稿供給
装置である。
【0008】なお、第2分離部材を第1分離部材に対し
て位置決めするとは、第2分離部材を第1分離部材に対
して所定の部材間距離(オーバーラップ量)で重なるよ
うに位置決めすることである。この発明によれば、カバ
ーの開放に連動して第2分離部材が第1分離部材から離
れるから、ジャム処理を簡単に行うことができる。しか
も、カバーを閉じる際には、位置決め機構により第1分
離部材に対して第2分離部材が位置決めされるから、カ
バーの開閉によって分離性能が変化することはない。
【0009】また、第2分離部材の第1分離部材に対す
る位置決めが、第2分離部材に取り付けられた位置決め
用部材を本体に設けられた受け部で受けることにより達
成される。したがって、カバーの本体に対する位置決め
状況によらずに、第2分離部材を第1分離部材に位置決
めできる。
【0010】請求項記載の発明は、上記第2分離部材
の少なくとも一部は、カバーに遊動自在に設けられてい
ることを特徴とする請求項1記載の自動原稿供給装置で
ある。この発明によれば、第2分離部材の少なくとも一
部がカバーに遊動自在に設けられているから、経年変化
等によりカバーが変形しても、その影響を吸収できるか
ら、第2分離部材の第1分離部材に対する位置決め精度
が劣化することはない。
【0011】なお、上記第2分離部材は、一対のプーリ
間に巻き回された無端状のベルトと、両プーリの軸の対
応する端部同士を軸間距離を規定しつつ連結する一対の
連結アームとを含み、少なくとも一方のプーリの軸はカ
バーに遊動自在に設けられているものであってもよく、
この場合、上記位置決め部材は、一方のプーリの軸の端
部に設けられた第1の位置決め部材と、上記連結アーム
に設けられた第2の位置決め部材とを含むものであり、
また、上記受け部は、カバーの閉じ状態で上記第1の位
置決め用部材の高さを規定して受ける第1の受け部と、
カバーの閉じ状態で第2の位置決め用部材の高さを規定
して受ける第2の受けるとを含むものであってよい。
【0012】この構成では、連結アームの長手方向に関
して2箇所において第1および第2の位置決め部材が備
えられており、これら第1および第2の位置決め部材
は、本体に設けられた第1および第2の受け部において
高さが規定されつつ受けられる。すなわち、連結アーム
は、カバーの閉じ状態において長手方向に関して2箇所
において高さが規定される。したがって、当該高さを、
第2分離部材が第1分離部材に対して所定の部材間距離
で位置決めされる値に設定しておけば、第2分離部材を
第1分離部材に対して確実に位置決めできる。
【0013】また、両プーリの軸は搬送方向に遊びを持
ってカバーに設けられており、上記第1および第2の受
け部のいずれか一方は、対応する位置決め用部材を搬送
方向に位置決めするものからなるものであってもよい。
両プーリの軸が搬送方向に遊びを持ってカバーに設けら
れている場合、連結アームの長手方向に沿う2箇所にお
いて高さを規定するだけでは、第2分離部材を第1分離
部材に対して確実に位置決めすることは困難である。
【0014】しかし、上記構成では、第1および第2の
位置決め部材のうちいずれか一方は、対応する受け部に
おいて搬送方向に位置決めされるから、第2分離部材を
第1分離部材に対して確実に位置決めできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態が適用される循環型原稿搬送装置の内
部構成を簡略化して示す正面側から見た断面図である。
また、図2は、図1に示す循環型原稿搬送装置を一部切
り欠いて示す斜視図である。
【0016】この循環型原稿搬送装置1は、複写機本体
2の上面に装着され、複写機本体2の上面に配置された
コンタクトガラス3上に原稿を自動的に供給するととも
に、画像が読み取られた後の原稿を元の位置に戻すこと
で、原稿をコンタクトガラス3上に再供給できるもので
ある。循環型原稿搬送装置1は、本体300と、ジャム
処理のために給紙機構301を外部に露出させるための
給紙カバー302とを備えている。給紙カバー302
は、給紙機構301を開放可能に覆うように、本体30
0の下端部に設けられた支点303を中心にして開閉方
向OCに沿って回動自在に本体300に取り付けられて
いる。
【0017】本体300の上面中央には、コンタクトガ
ラス3に供給する原稿を載置するための原稿載置板8が
備えられている。原稿載置板8には、載置された原稿を
所定の供給位置に導くとともに、供給位置にセットされ
た原稿の搬送を補助するための送り出し機構304が備
えられている。送り出し機構304には、前送りローラ
11および主送りローラ12が備えられている。図2に
示すように、前送りローラ11は、原稿搬送方向に直交
する方向に所定間隔だけ離れて配置された2つの単位ロ
ーラ11a,11bを含む構成である。主送りローラ1
2も同様に、原稿搬送方向に直交する方向に所定間隔だ
け離れて配置された2つの単位ローラ12a,12bを
含む構成である。
【0018】前送りローラ11の原稿搬送方向下流側の
近傍位置には、原稿載置板8上に原稿が載置されたこと
を検知するためのプリセットスイッチ13が配置されて
いる。使用者によって原稿が原稿載置板8上に載置され
ると、プリセットスイッチ13がオンになり、前送りロ
ーラ11および主送りローラ12の駆動が開始される。
その結果、原稿載置板8上に載置された原稿は、矢印1
00方向(図1における左側)に移送される。
【0019】原稿搬送方向に関してプリセットスイッチ
13の下流側には、セットスイッチ14が配置されてい
る。前送りローラ11および主送りローラ12は、移送
される原稿によってセットスイッチ14がオンされてか
ら、所定時間が経過した後に停止されるようになってい
る。これにより、原稿は供給位置にセットされる。この
ようにして原稿のセットが完了した状態で、複写機本体
2の上面手前側に備えられているプリントキー4が押さ
れると、これに応答して、前送りローラ11および主送
りローラ12の上方のホームポジション(図1に実線で
示す位置)に待機している仕切ユニット17が、セット
された原稿のサイズに応じた距離だけ原稿搬送方向と逆
方向に移動される(図1に二点鎖線で示す位置)。
【0020】仕切ユニット17には、仕切ユニット17
内に退避した非作用状態と、原稿載置板8上に戻されて
くる原稿の前端を規制する作用状態とに変位可能な仕切
バー18が備えられている。原稿搬送時には、仕切バー
18が作用状態に下ろされて、原稿排出部30から原稿
載置板8上へ戻されてくる原稿の前端が揃えられるとと
もに、未搬送原稿と搬送済原稿とが仕切られる。
【0021】また、プリントキー4の押圧に応答して、
原稿排出部30の内部のホームポジション(図1に実線
で示す位置)に待機している2枚の作用板19,20
が、セットされた原稿のサイズに応じた距離だけ原稿搬
送方向に移動される(図1に二点鎖線で示す位置)。作
用板19,20は、原稿載置板8の下方において連結板
71によって連結されており、原稿載置板8に原稿搬送
方向と直交する方向に間隔をおいて形成されたガイドレ
ール72,73に沿って、一体に移動するようになって
いる。
【0022】作用板19,20は、その移動方向と直交
する方向から見たときの形状が、原稿搬送方向に登り傾
斜辺を有する略直角三角形状の板状体である。ゆえに、
原稿載置板8上に最初に戻されてきた原稿は、この作用
板19,20の傾斜辺に案内されて、その先端が供給位
置にセットされている未搬送原稿の後端にぶつかったり
せず、その上に戻される。
【0023】さらに、プリントキー4の押圧に応答し
て、主送りローラ12の上方に設けられた加圧部材16
が、図1に実線で示す上昇位置から二点鎖線で示す降下
位置に変位されて、供給位置にセットされている原稿の
先端が主送りローラ12に押し付けられる。これによ
り、原稿搬送路23に送り出すべき原稿に十分な搬送力
を付与できる。
【0024】原稿搬送方向に関して主送りローラ12の
下流側には、給紙機構301が備えられている。給紙機
構301には、供給位置にセットされている原稿を1枚
ずつ分離して原稿搬送路23に送り出すための分離ロー
ラ21および分離ローラ21に対向するように配置され
た分離ベルト22が備えられている。原稿搬送路23
は、原稿を反転してコンタクトガラス3上の複写位置に
供給するために、所定の曲率半径でR状に湾曲してい
る。
【0025】また、給紙機構301には、原稿搬送路2
3に送り出された原稿に補助的な搬送力を付与するため
の搬送補助ローラ310、当該原稿をレジストローラ2
5とレジスト/反転ローラ26との圧接位置に案内する
ための原稿案内部材311が備えられている。搬送補助
ローラ310は、原稿搬送路23の入口付近において、
分離ローラ21に圧接された状態で配置されている。原
稿案内部材311は、原稿搬送路23の壁の一部をなし
ており、その先端部はレジストローラ25とレジスト/
反転ローラ26との圧接位置の直前まで延びている。
【0026】プリントキー4が押されると、仕切りユニ
ット17および作用板19,20の移動、ならびに加圧
部材16の変位に加えて、前送りローラ11および主送
りローラ12の駆動が開始される。その結果、原稿搬送
路23に送り出された原稿(原稿束)は、分離ローラ2
1および分離ベルト22によって1枚ずつ分離され、最
下位の原稿のみが原稿搬送路23に送り出される。
【0027】原稿搬送路23に送り出された原稿は、分
離ローラ21と搬送補助ローラ310との圧接位置に導
かれる。その結果、原稿搬送路23に送り出された原稿
に補助的な搬送力が付与される。これにより、腰の強い
厚手の原稿であっても、当該原稿を原稿搬送路23の内
壁面に衝突させることなく、レジストローラ25とレジ
スト/反転ローラ26との圧接位置に導くことができ
る。さらに原稿は、原稿案内部材311によってレジス
トローラ25とレジスト/反転ローラ26との圧接位置
に案内される。
【0028】レジストローラ25とレジスト/反転ロー
ラ26との圧接位置に導かれてきた原稿は、所定のタイ
ミングで回転駆動されるローラ25,26によって二次
給紙され、搬送ベルト27によって複写機本体2のコン
タクトガラス3上の複写位置に配置される。配置された
原稿の一方面に形成されている画像のみを読み取る場合
には、そのまま複写機によって原稿画像が読み取られ
る。一方、配置された原稿の両面に形成されている画像
を読み取る場合には、画像の読取動作が行われる前に、
原稿が反転させられる。
【0029】具体的には、コンタクトガラス3上に配置
された原稿は、搬送ベルト27によって反転経路28に
引き戻される。引き戻された原稿は、搬送ベルト27、
レジスト/反転ローラ26および反転ローラ29、なら
びにレジストローラ25およびレジスト/反転ローラ2
6によって反転経路28に沿って搬送され、搬送ベルト
27によってコンタクトガラス3上に再び配置される。
そして、複写機による画像読取動作が行われて、原稿の
裏面に形成された画像が読み取られる。その後、原稿が
再度反転させられて、原稿の表面に形成された画像が読
み取られる。
【0030】画像が読み取られた後の原稿は、搬送ベル
ト27によって原稿排出部30に送られる。原稿排出部
30に送られた原稿は、排出ローラ対31によって排出
経路32に沿って搬送されて、排出ローラ対33によっ
て原稿載置板8上に排出される。すなわち、画像が読み
取られた原稿は、原稿載置板8上に戻されることにな
る。
【0031】図3は、給紙カバー302を開けた状態の
循環型原稿供給装置の一部を示す斜視図である。上述の
とおり、給紙カバー302は、主として、ジャム処理時
に給紙機構301を外部に露出するために、支点303
を中心にして回動自在に本体300に取り付けられてい
る。給紙機構301に含まれる部材は、本体300と給
紙カバー302とに分けて設けられている。より具体的
には、本体300には、第1分離部材である分離ローラ
21およびレジスト/反転ローラ26が設けられてい
る。一方、給紙カバー302には、第2分離部材である
分離ベルト22、搬送補助ローラ310および原稿案内
部材311が設けられている。
【0032】このように、分離ローラ21を本体300
に設けるとともに分離ベルト22を給紙カバー302に
設けているから、給紙カバー302を開けると、これに
伴って分離ベルト22が分離ローラ21から離れる。そ
のため、ジャム処理を簡単に行うことができる。次に、
給紙機構301の各部の構成についてさらに詳しく説明
する。
【0033】分離ローラ21は、原稿載置板8の先端部
の中央付近に原稿搬送方向Hに直交する方向(以下「原
稿幅方向」という)Vに沿って長く形成された切欠き穴
500に設けられ、原稿幅方向Vに所定間隔ごとに複数
個(図では5個)配置されている。各分離ローラ21
は、原稿幅方向Vに沿って長い1本のローラ軸501に
取り付けられている。ローラ軸501は、その端部にお
いて、原稿幅方向Vに関する本体300の両端側に配置
された側板502に軸受503を介して取り付けられて
いる。
【0034】分離ベルト22は、給紙カバー302の中
央付近に設けられている。すなわち、分離ベルト22
は、給紙カバー302の閉じ状態で分離ローラ21に対
向するような位置に設けられている。分離ベルト22
は、給紙カバー302の幅方向(以下「カバー幅方向」
という。)Wに沿って所定間隔ごとに複数個(図では6
個)配置されている。各分離ベルト22は、それぞれ、
カバー幅方向Wに直交する方向(以下「カバー長さ方
向」という。)Yに所定間隔だけ隔てて設けられた一対
のプーリ510に巻き回された無端状のものである。分
離ベルト22の一部は、それぞれ、給紙カバー302の
内壁面517にカバー長さ方向Yに沿って長く形成され
た複数個(図では6個)のベルト露出口512から露出
するようになっている。
【0035】給紙カバー302の閉じ状態においては、
分離ベルト22と分離ローラ21とは、図4に示すよう
に、互いに隣接する分離ローラ21の間に分離ベルト2
2が入り込むような位置関係にある。原稿は、この分離
ベルト22と分離ローラ21との間に挟み込まれながら
原稿搬送路23(図1参照)に送り出される。図3に戻
って、分離ベルト22は、給紙カバー302に対して遊
動自在に設けられている。以下、この分離ベルト22に
関連する構成について、図3および給紙カバー302の
一部を斜めから見た図である図5を参照して説明する。
【0036】図3に示すように、分離ベルト22が巻き
回されている一対のプーリ510のうち給紙カバー30
2の先端に近い側のプーリは、カバー幅方向Wに沿って
延びた第1ベルト軸513に取り付けられている。ま
た、一対のプーリ510のうち給紙カバー302の支点
303に近い側のプーリは、カバー幅方向Wに沿って延
びた第2ベルト軸514に取り付けられている。
【0037】第1ベルト軸513および第2ベルト軸5
14は、図5に示すように、給紙カバー302内にカバ
ー幅方向Wに沿って長く形成された第1軸用スペース5
15および第2軸用スペース516内に遊びを持って挿
通されている。さらに具体的には、第1軸用スペース5
15および第2軸用スペース516は、第1ベルト軸5
13および第2ベルト軸514が主として給紙カバー3
02の内壁面517にほぼ直交する方向Zに沿って動け
るような形状となっている。第1ベルト軸513および
第2ベルト軸514の両端部は、給紙カバー302の側
壁518に形成された挿通穴519,520を介して、
カバー長さ方向Yに沿って長く形成された板状の連結ア
ーム521に軸間距離が規定されつつ連結されている。
【0038】図3に戻って、給紙機構301には、給紙
カバー302の閉じる際に、遊動自在に給紙カバー30
2に設けられた分離ベルト22を分離ローラ21に対し
て位置決めするための位置決め機構525が備えられて
いる。分離ベルト22を分離ローラ21に対して位置決
めするとは、分離ベルト22を分離ローラ21に対して
所定のオーバーラップ量rd だけ重なるように位置決め
することである。
【0039】ここに、オーバーラップ量rd とは、分離
性能を決定するうえで重要なパラメータであり、図6に
示すように、給紙カバー302の閉じ状態において分離
ベルト22の露出面22aと分離ローラ21の上端21
aとの重複量に相当するものである。すなわち、オーバ
ーラップ量rd が原稿の厚みに対して小さ過ぎれば、複
数枚の原稿が分離ベルト22と分離ローラ21との間に
挟み込まれる、いわゆる重送が生じる。また、オーバー
ラップ量rd が原稿の厚みに対して大き過ぎれば、原稿
が大きく変形してしまうから、原稿の搬送がスムーズに
行えなくなる。
【0040】図3に戻って、位置決め機構525は、分
離ベルト22が固定されている連結アーム521に取り
付けられた第1の位置決め部材である位置決め用ピン5
26および第2の位置決め部材である当たり板527、
ならびに本体300の側板502の内側に設けられ、給
紙カバー302の閉じ状態において位置決め用ピン52
6が係合される第1の受け部であるピン係合部528、
および本体300に設けられ、給紙カバー302の閉じ
状態において当たり板527が当接する第2の受け部で
ある分離ローラ21の軸受503を備えている。
【0041】位置決め用ピン526および当たり板52
7が取り付けられる連結アーム521は、図5に示すよ
うに、給紙カバー302のカバー長さ方向Yに沿って細
長く形成された板状のものである。さらに具体的には、
連結アーム526は、給紙カバー302の先端に近い側
の端部(以下「支点部」という。)530、給紙カバー
302の支点303(図3参照)に近い側の端部(以下
「先端部」という)531を有し、さらに、給紙カバー
302の内壁面517側の長辺である第1長辺532、
および給紙カバー302の外壁面533側の長辺である
第2長辺534を有する。
【0042】位置決め用ピン526は、連結アーム52
1を挟んで第1ベルト軸513に対向する位置に取り付
けられており、カバー幅方向Wに沿って突出する円柱状
のものである。当たり板527は、位置決め用ピン52
6よりも連結アーム521の先端部531側に取り付け
られており、連結アーム516の長手方向に沿って長く
形成されたベース部535を有する。ベース部535
は、連結アーム521の支点部530に近い側の端部で
ある支点部537、および連結アーム521の先端部5
31に近い側の端部である先端部538を有する。ベー
ス部535の支点部537側には、連結アーム521の
第1長辺532側に向けて連結アーム521からはみ出
るように突出する当接部536が一体形成されている。
【0043】給紙カバー302の閉じ状態においては、
図7に示すように、位置決め用ピン526がピン係合部
528に係合し、かつ当たり板527の当接部536の
先端539が分離ローラ21の軸受503に当接する状
態となる。すなわち、遊動自在な連結アーム521は、
位置決め用ピン526がピン係合部528に係合するこ
とで原稿搬送方向Hに対して位置決めされ、かつこの状
態において当該連結アーム521の長手方向(原稿搬送
方向Hにほぼ沿う方向)に関して2ヶ所において支持さ
れる。その結果、連結アーム521は、分離ローラ21
に対して所定の高さの位置で位置決めされる。すなわ
ち、連結アーム521に対して固定されている分離ベル
ト22が分離ローラ21に対して所定の高さの位置で位
置決めされることになる。
【0044】一方、分離ベルト22の分離ローラ21に
対する高さは、当接部536の先端と、給紙カバー30
2の閉じ状態において分離ローラ21に対向する側の面
である分離ベルト22の露出面22aとの間の長さ(以
下「第1高さ規定長」という。)R1 、およびピン係合
部528の分離ローラ21の軸受503に対する高さ
(以下「第2高さ規定長」という。)R2 とによって規
定される。
【0045】この実施形態では、第1高さ規定長R1
よび第2高さ規定長R2 は、給紙カバー302の閉じ状
態において分離ベルト22が分離ローラ21に所定のオ
ーバーラップ量rd で重なるような値に設定されてい
る。したがって、給紙カバー302の閉じ状態において
は、分離ベルト22は、分離ローラ21に対して所定の
オーバーラップ量rd で重なるように位置決めされるこ
とになる。
【0046】以上のようにこの実施形態によれば、分離
ベルト22を給紙カバー302に設けるようにしている
から、ジャム処理時に分離ベルト22を分離ローラ21
から大きく引き離すことができる。したがって、ジャム
処理が簡単になる。そのため、ユーザ・インタフェース
の向上を図ることができる。また、分離ベルト22が給
紙カバー302に対して遊動自在に設けられ、かつ分離
ベルト22に直接位置決め機構525が備えられている
から、給紙カバー302の本体300に対する位置決め
精度によらずに、分離ベルト22を分離ローラ21に対
して高精度に位置決めできる。たとえば、たとえば給紙
カバー302の経年変化等により変形し、給紙カバー3
02が本体300に対してずれた状態で位置決めされて
も、分離ベルト22を分離ローラ21に対して正確に位
置決めすることができる。そのため、分離ベルト22を
本体300に固定する場合と比較しても、分離性能が劣
化することはない。
【0047】この発明の実施の形態の説明は以上のとお
りであるが、この発明は上述の実施形態に限定されるも
のではない。たとえば上記実施形態では、第1ベルト軸
513を遊動自在に給紙カバー302に設けるようにし
ているが、これは給紙カバー302の経年変化等による
変形の影響を吸収できるようにするためであるから、た
とえば変形しにくい材料で給紙カバー302を形成する
場合には、第1ベルト軸513を給紙カバー302に対
して固定するようにしてもよい。
【0048】また、たとえば上記実施形態では、この発
明を複写機に装着される循環型原稿搬送装置に適用する
場合を例にとっているが、この発明は、たとえばファク
シミリ装置に適用される循環型原稿搬送装置やコンピュ
ータなどに接続される画像読取装置用の循環型原稿搬送
装置にも適用可能である。さらに、循環型原稿搬送装置
だけでなく、画像処理後の原稿を専用のトレイに排出す
る自動原稿搬送装置にも適用できるのは言うまでもな
い。
【0049】さらに、上記実施形態では、第2分離部材
として分離ベルト22を用いる場合について説明してい
るが、たとえば第2分離部材として分離ローラを用いる
ようにしてもよい。その他、特許請求の範囲に記載され
た技術範囲において種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【0050】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、カバー
の開放に連動して第2分離部材が第1分離部材から離れ
るから、ジャム処理を簡単に行うことができる。そのた
め、操作性の向上を図ることができるから、ユーザ・イ
ンタフェースの向上を図れる。しかも、カバーを閉じる
際には、位置決め機構により第1分離部材と第2分離部
材とが一定の位置関係にされるから、カバーの開閉によ
って分離性能が変化することはない。そのため、重送を
防止し、ジャムの発生を抑制できる。
【0051】特に、位置決め機構は第2分離部材に直接
取り付けられているから、カバーが本体に対してずれた
状態で位置決めされても、第2分離部材を第1分離部材
に対して高精度に位置決めすることができる。また、請
求項記載の発明によれば、第2分離部材の少なくとも
一部がカバーに遊動自在に設けられているから、経年変
化等によりカバーが変形しても、その影響を吸収できる
から、第2分離部材の第1分離部材に対する位置決め精
度が劣化することはない。そのため、第2分離部材の第
1分離部材に対する位置決め精度を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態が適用される循環型原稿
搬送装置の内部構成を簡略化して示す正面側から見た断
面図である。
【図2】循環型原稿搬送装置を一部切り欠いて示す斜視
図である。
【図3】給紙カバーを開けた状態の循環型原稿搬送装置
の一部を示す斜視図である。
【図4】給紙カバーの閉じ状態における分離ベルトと分
離ローラとの位置関係を示す斜視図である。
【図5】給紙カバーの一部を示す斜視図である。
【図6】オーバーラップ量を説明するための図である。
【図7】給紙カバーの閉じ状態において、位置決め機構
により分離ベルトが分離ローラに対して位置決めされた
状態を概念的に示す図である。
【符号の説明】
300 本体 302 給紙カバー 21 分離ローラ 22 分離ベルト 23 原稿搬送路 503 軸受 513 第1ベルト軸 514 第2ベルト軸 515 第1軸用スペース 516 第2軸用スペース 521 連結アーム 525 位置決め機構 526 位置決め用ピン 527 当たり板 528 ピン係合部
フロントページの続き (72)発明者 近藤 一寿 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 日下部 盾 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 迫 雅浩 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭59−100750(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 3/52 G03G 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体と、 この本体の上部の一部を開放可能に覆う回動自在なカバ
    ーと、 本体に設けられた第1分離部材、およびカバー閉じた
    ときに上記第1分離部材に対向するようにカバーに設け
    られた第2分離部材とを有し、この第1分離部材および
    第2分離部材により原稿を1枚ずつ分離して原稿搬送路
    に送り出すための分離機構と、 カバー閉じ状態で、上記第1分離部材に対して第2
    分離部材を位置決めするための位置決め機構とを含み、 上記位置決め機構は、上記第2分離部材に取り付けられ
    た位置決め用部材と、本体に設けられ、カバーを閉じた
    状態で上記位置決め用部材を受けるための受け部とを有
    する ことを特徴とする自動原稿供給装置。
  2. 【請求項2】上記第2分離部材の少なくとも一部は、カ
    バーに遊動自在に設けられていることを特徴とする請求
    1記載の自動原稿供給装置。
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