JP3289575B2 - 放電加工装置および方法 - Google Patents

放電加工装置および方法

Info

Publication number
JP3289575B2
JP3289575B2 JP27121295A JP27121295A JP3289575B2 JP 3289575 B2 JP3289575 B2 JP 3289575B2 JP 27121295 A JP27121295 A JP 27121295A JP 27121295 A JP27121295 A JP 27121295A JP 3289575 B2 JP3289575 B2 JP 3289575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
workpiece
processing
disk
moving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27121295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09108945A (ja
Inventor
隆 湯澤
卓司 真柄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP27121295A priority Critical patent/JP3289575B2/ja
Publication of JPH09108945A publication Critical patent/JPH09108945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3289575B2 publication Critical patent/JP3289575B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工物の側面仕
上加工を行う放電加工装置および放電加工方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】放電加工によって被加工物の加工を行う
際に、加工速度の向上を維持しつつ精度の良い加工を行
うためには、加工初期は荒加工用の電気条件により荒加
工を行い(以降、1次加工と記す)、徐々に仕上加工用
の電気条件に切り替えていく方法が考えられる。
【0003】具体的には、例えば図5に示したように電
極底面部によって被加工物の深さ方向に放電加工を行
う。この際、被加工物の深さ方向への加工が進むにつれ
て、電極の電気条件を荒加工用の電気条件から仕上加工
用の電気条件に徐々に切り替えていく。仕上加工用の電
気条件への切り替えは、電流パルス幅を短縮したり、電
流ピーク値を減少させることによって行うことができ
る。
【0004】この場合、被加工物の底面部は高精度に仕
上げられるものの、側面部は図5(b)に示したよう
に、その面が形成されたときの電気条件に準じた荒さが
残存してしまう。そのため被加工物の側面仕上を何らか
の方法で必要がある。
【0005】第1の方法として、「土屋政光ほか、円筒
電極による3次元制御放電加工(第1報)ーみぞ加工に
おける電極形状の変化過程ー、電気加工学会誌、Vo
l.17、No.33(1983)31」に記載されて
いる加工方法によって側面仕上を行う方法が考えられ
る。この方法は、図26(a)に示すように円筒電極1
1の側面部分を用いて、横加工により側面仕上を行う方
法である。
【0006】しかしこの場合、電極側面は図26(a)
のように消耗してしまうため、被加工物の側面部もそれ
に応じて形状が転写されてしまう。したがって、1次加
工によって面あらさは大きいものの形状的には高精度に
加工された垂直面に多大な形状誤差を生じさせてしま
う。
【0007】電極消耗量を極力減少させるため、側面加
工のみ電極低消耗条件で加工するということも考えられ
るが、加工物の輪郭側面外周が長くなり、電極一本当た
りの仕上加工量が大きくなると、それに応じて必然的に
電極の消耗量も大きくなり、その電極消耗形状は前述し
た図26(a)と同じ傾向となる。したがって、電極の
形状精度を維持した加工を行うためには、電極の消耗量
が許容消耗量を越えるたびに電極を頻繁に交換しなくて
はならない。
【0008】第2の方法としては、「千代知子ほか、形
彫放電加工における電極消耗シミュレーション、199
5年度精密加工学会春季大会学術講演論文集、p98
1」「国枝正典ほか、形彫放電加工における工作物形状
シミュレーション、電気加工学会誌、Vol.287、
No.59(1994)21」に記載されている加工方
法によって側面仕上を行う方法が考えられる。
【0009】この方法は、図26(b)に示すように円
筒形状電極11を被加工物の深さ方向に移動させ、電極
の底面部分を用いて側面仕上を行う方法である。この場
合、側面仕上によって削り取る部分(以下、側面仕上部
分と記す)は電極径と比較して非常に薄いため、電極を
側面仕上部分だけスライドさせて加工を行う。
【0010】しかしこの場合、加工に関係する電極の断
面積が電極の底面積に比して非常に小さいため、電極は
急激に消耗し、さらに極間の加工ギャップが加工部分で
異なる関係上、各部分の電気消耗比にばらつきが生じ
る。
【0011】一般的に電極消耗は、角や稜線などの部分
で大きくなる。また、電極送り方向に対する傾きが大き
い部分では、消耗は小さくなる。これは、電極の単位面
積当たりの被加工物の除去体積が異なるからである。電
極消耗比は他の条件が同じ場合、被加工物との加工ギャ
ップの関数となり、加工ギャップが大きくなると電極消
耗率が低下する。そのため円筒形状電極底部の角部分に
比べ、側面部分の方が被加工物との加工ギャップが大き
いため消耗も小さくなる。
【0012】上述のような理由による電極消耗の結果、
上述の第2の方法においても電極側面は図26(b)の
ような斜め形状となる。そのため、同じく高精度な形状
を維持した加工の実現が難しいものとなっている。した
がって形状精度を維持するためには、電極の消耗量が許
容消耗量を越える度に電極を頻繁に交換しなければなら
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のような理由によ
り、上述の第1の方法、第2の方法によって側面仕上加
工を行った場合には、電極消耗が不均一であるため高精
度な側面仕上げを行うことが困難であった。また、上述
の第1の方法または第2の方法によって高精度の側面仕
上を行うためには、電極の消耗量が許容消耗量を越える
度に電極を頻繁に交換しなければならなかった。
【0014】そこで、この発明は電極を頻繁に交換する
ことなく、被加工物の側面仕上を高精度に行うことを第
1の目的としている。また、上記被加工物の側面と上記
側面と接する上記被加工物の底面との間に形成されるコ
ーナ半径を要求精度以下に抑えることを第2の目的とし
ている。さらに、電極を頻繁に交換することなく、被加
工物のテーパ仕上加工を高精度に行うことを第3の目的
とする。さらにまた、側面仕上加工もしくはテーパ仕上
加工を的確に終了させることを第4の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明における放電加
工装置は、被加工物の側面仕上量以下の肉厚を有する円
筒形状をなす加工用電極と、上記加工用電極と上記被加
工物との間に電圧を印加する電源と、上記被加工物に対
して上記加工用電極を上記円筒の軸中心に相対的に回転
させる回転手段と、上記被加工物に対して上記加工用電
極を相対移動させる移動手段と、上記移動手段による上
記加工用電極の相対移動を制御する制御手段とを有し、
上記加工用電極の筒底面部により上記被加工物の側面仕
上量分の側面仕上加工を行うものである。
【0016】また、円板形状をなす加工用電極と、上記
加工用電極と被加工物との間に電圧を印加する電源と、
上記被加工物に対して上記加工用電極を上記円板の軸中
心に相対的に回転させる回転手段と、上記被加工物に対
して上記加工用電極を上記被加工物側面に沿わせるX軸
方向に相対移動、上記X軸に直交し上記被加工物側面に
寄せるY軸方向に相対的に拡大移動、上記円板形状電極
の厚さに応じて上記X、Y軸双方に直交するZ軸方向に
相対移動させる移動手段と、上記移動手段による上記加
工用電極の相対移動を制御する制御手段とを有し、上記
加工用電極の円周側面部により上記被加工物の側面加工
を行うものである。
【0017】さらに、上記被加工物の側面と上記側面と
接する上記被加工物の底面との間に形成されるコーナの
所望のコーナ半径寸法の2倍以下の厚さを有する円板形
状電極を有するものである。
【0018】被加工物のテーパ仕上量以下の肉厚を有す
る円筒形状をなす加工用電極と、上記加工用電極と上記
被加工物との間に電圧を印加する電源と、上記被加工物
に対して上記加工用電極を上記円筒の軸中心に相対的に
回転させる回転手段と、上記被加工物に対して上記加工
用電極を相対移動させる移動手段と、上記被加工物のテ
ーパ側面に対して上記加工用電極の円筒側面が接する方
向に上記加工用電極を傾ける傾斜手段と、上記移動手段
による上記加工用電極の相対移動および上記傾斜手段に
よる上記加工用電極の傾きを制御する制御手段とを有
し、上記加工用電極の筒底面部により上記被加工物のテ
ーパ仕上量分のテーパ仕上加工を行うものである。
【0019】上記加工用電極の移動速度を計測する移動
速度計測手段と、上記移動速度計測手段により計測され
た移動速度と基準値とを比較する移動速度比較手段と、
上記移動速度比較手段による比較結果に基づき、上記加
工用電極による上記被加工物の側面加工を終了するか否
かを判別する判別手段とを有するものである。
【0020】この発明における放電加工方法は、被加工
物の側面仕上量以下の肉厚を有する円筒形状をなす加工
用電極を、上記被加工物に対して相対移動させるととも
に、上記被加工物に対して上記円筒の軸中心に相対的に
回転させ、上記加工用電極の筒底面部により上記被加工
物の側面仕上量分の側面仕上加工を行うものである。
【0021】また、被加工物に対して円板形状電極を、
上記円板の軸中心に相対的に回転させるとともに上記被
加工物側面に沿わせるX軸方向に相対移動、上記X軸に
直交し上記被加工物側面に寄せるY軸方向に相対的に拡
大移動、上記円板形状電極の厚さに応じて上記X、Y軸
双方に直交するZ軸の第1の方向に相対移動させ、上記
円板形状電極の円周側面によって上記被加工物の側面加
工を行う第1の加工ステップと、上記第1の加工ステッ
プの後、上記被加工物に対して上記円板形状電極を、上
記円板の軸中心に相対的に回転させるとともに上記X軸
方向に相対移動、上記第1の加工ステップでの拡大量よ
りも小さい拡大量で上記Y軸方向に相対的に拡大移動、
上記円板形状電極の厚さに応じて上記Z軸の第2の方向
に相対移動させ、上記円板形状電極の円周側面によって
上記被加工物の側面加工を行う第2の加工ステップとを
有するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施形態1.この実施態様は、特定の肉厚を有する薄肉
パイプ電極によって側面加工を行う放電加工装置に関す
るものであり、以下図1〜10に基づき説明する。図1
は、本実施態様における放電加工装置の全体図である。
【0023】図1において、1は側面仕上加工用の薄肉
パイプ電極、2は放電加工を行うべき被加工物である。
3は薄肉パイプ電極1を薄肉パイプ電極1の軸中心に回
転させるとともに、加工形状データにしたがって薄肉パ
イプ電極1を移動させる電極移動手段、4は後述の加工
槽5にためられた加工液である。5は加工槽であり、加
工槽5の中には、加工液4がためられており、この加工
液4に被加工物2が浸されている。
【0024】6は、加工槽5にためられた加工液4を循
環させるための加工液供給手段、7は薄肉パイプ電極1
と被加工物2の間に電流パルスを印加するための加工用
電源である。8は、加工形状データに基づいて、薄肉パ
イプ電極1を移動させるよう電極移動手段3を制御する
NC制御部である。
【0025】図2は、NC制御部8内での情報の流れを
示す図である。図2において、81は加工すべき輪郭形
状を示す加工輪郭形状パス81a、側面仕上量81b、
電極進行方向に対する側面の向き81cなどのデータを
記憶する記憶手段である。
【0026】加工輪郭形状パスとは、図9の15のよう
に目的の加工形状を2次元の電極径経路で表したもので
ある。進行方向に対する側面の向きとは、例えば図9
(b)における右方向、つまり被加工物の側面に寄せる
方向のことである。
【0027】82は、記憶手段81のデータに基づき輪
郭形状パス81aを側面方向に仕上量分だけ拡大もしく
は縮小するための変換手段である。変換手段82は、加
工輪郭形状パスを示す座標データ81aを側面仕上加工
用のパスを示すデータに変換する。80は、変換手段8
2によって変換されたデータに基づいて電極移動手段3
を制御するNC制御手段であり、電極移動手段3に対し
てXYZ方向の移動指示を通知する。
【0028】次に、この実施態様における放電加工装置
による加工手順を図4を用いて説明する。まず薄肉パイ
プ電極1を用いた側面加工の前段階として、1次加工で
ある底面加工を行った。底面加工は、荒加工と底面仕上
加工とに分けられ、後述のように加工条件を変えること
により加工荒さを調節することができる。
【0029】荒加工は、図3に示すように電極の底面部
分のみの放電によって層状に加工することで行われる。
図3(a)において11は円柱もしくはパイプ形状の電
極、12は1次加工用の内部加工用電極移動パス、13
は荒加工後に形成された輪郭側面である。電極移動軌跡
は、加工底部の全面をカバーする動きをする。また荒加
工は、以下に示すような条件で行った(S1)。 ・電極径:φ5.0mm ・加工電流ピーク:55A ・パルス幅:64μs ・休止時間:4μs
【0030】また、荒加工の後には図5(b)に示すよ
うに徐々に電気加工条件を下げていき、最終的には下記
の条件により電極の底面部分のみの放電により底面仕上
加工を行った(S2)。S2における被加工物2の底面
部の仕上加工を行うことにより底面加工が完了する(S
3)。 ・加工電流ピーク:2.5A ・パルス幅:2μs ・休止時間:2μs
【0031】次に、この実施態様における薄肉パイプ電
極1を用いた側面加工手順(S4〜S8)を説明する。
図6は、薄肉パイプ電極1を用いた側面加工の様子を示
す図である。図6(a)は上面図であり、図6(b)は
側面図である。図6(b)に示したように、この実施態
様における放電加工装置は、薄肉パイプ電極1の底面部
によって放電加工が行われる。
【0032】図6において、1は肉厚tの側面仕上用の
薄肉パイプ電極である。2は被加工物の側面部分であ
る。また13は、被加工物2の側面部の未仕上部分であ
り、14は薄肉パイプ電極1により側面加工された後の
仕上面である。
【0033】電極移動手段3は、薄肉パイプ電極1を、
被加工物2の側面の未仕上部分13から仕上方向に肉厚
t以上外側にずらし、被加工物2の側面外周に沿って移
動させる(S4)。このように移動させながら、薄肉パ
イプ電極1の底面部によって未仕上部分13の一定幅w
を一定深さ分除去するように加工を行う(S6)。薄肉
パイプ電極1による加工中は、薄肉パイプ電極1を円筒
軸中心に回転させている。
【0034】この実施例においてX軸方向とは、被加工
物の側面に沿う方向であり図6(a)上面図における下
方向である。Y軸方向とは、被加工物の側面に寄せる方
向であり、図6(b)側面図における右方向である。Z
軸方向とは、XY軸双方に直交する被加工物の深さ方向
であり、図6(b)側面図における下方向である。
【0035】底面加工によって被加工物に開けられた穴
の外周に沿って、薄肉パイプ電極1を移動(XY移動)
させて加工を行う際、電極底面部の消耗が進むことによ
り電極と被加工物間のギャップが広がって加工が進まな
くなる。そのため、一定のXY移動距離に応じてZ軸方
向に送り補正を行う必要がある(S5)。
【0036】ただしこの場合、Z軸方向の送り量の大小
により側面精度が左右される恐れがないため、シミュレ
ータ等を用いてZ軸方向の送り量を計算する必要がな
く、あらかじめ設定した所定の量だけをXY移動距離に
応じて一定に送っていけばよい。
【0037】Z軸方向の送り量は、次のように設定され
る。Z軸方向の送り量が大きいと、加工輪郭電極パス1
層あたりの加工深さは大きくなる。しかし、薄肉パイプ
電極1底面部の消耗形状の傾きが大きくなるため、被加
工物の加工底面に電極パスの後が残存する。そのため、
加工終了に従いZ軸方向の送り量を段階的に小さくして
いき、最終的には0に近づけるように設定する。
【0038】上述のようにXY移動に加えてZ軸方向送
りを行いながら(S5)、底面加工によって被加工物に
開けられた穴の内周に沿って1周分の加工を行う(S
6)ことにより、一定深さの側面仕上加工が行われる。
このようなプロセスを繰り返すことによって、被加工物
の側面部分が上から徐々に層状に加工されていき、薄肉
パイプ電極1が被加工物底面部に到達すると(S7)、
薄肉パイプ電極1による側面仕上加工が完了する(S
8)。
【0039】側面加工の際、薄肉パイプ電極1の肉厚t
と被加工物側面部の加工除去すべき厚さwとの関係は、
次のような関係にする必要がある。 w≧t ・・・・・(1)
【0040】図7に、薄肉パイプ電極1の肉厚tと側面
形状精度の関係を示す。図7に示した側面形状精度は、
被加工物2側面部をすることにより除去する量(以下、
側面仕上量と記す)wを一定として、薄肉パイプ電極1
の肉厚tを変化させたときの値を示している。この図か
らも明らかなように、w≧tの場合には、tの大小にか
かわらず高精度な加工を行うことができるが、w<tに
なると加工形状精度が急激に悪化する。w≧tの範囲で
は、生じる加工精度の誤差は、薄肉パイプ電極1の垂直
精度に依存しており、ほぼ一定値である。そのためw≧
tの範囲においては、薄肉パイプ電極1の垂直度を高精
度に保つことで、加工誤差を限りなく0に近似させるこ
とができる。
【0041】図7に示したような精度特性となる理由を
図8に基づいて説明する。w<tの場合は、円筒形状電
極と被加工物との位置関係は図8(a)のようになる。
円筒形状電極をZ軸方向に下げながら放電加工を行った
場合には、円筒形状電極の角E1と、被加工物2の角E
2とが最も消耗し、円筒形状電極の角E1と、被加工物
2の角E2とが丸くなる。さらに円筒形状電極をZ軸方
向に下げていくと、円筒形状電極の底面部と被加工物2
間のギャップ距離が、円筒形状電極の底面部の各部分で
異なることになり、電極消耗量に差が生じる。
【0042】さらに円筒形状電極をZ軸方向下げていく
と、電極消耗によって変形した円筒形状電極および被加
工物2の形状が互いに対向する被加工物2および円筒形
状電極とに転写され、最終的に円筒形状電極の形状は図
26に示すように右上りの斜め形状となる。したがっ
て、被加工物2の加工形状精度が悪化する。
【0043】一方、w≧tの場合は、薄肉パイプ電極1
と被加工物との位置関係は図8(b)のようになる。薄
肉パイプ電極1をZ軸方向に下げて加工した場合には、
薄肉パイプ電極1の角E1および角E3が丸くなるが、
被加工物2の角E2はほとんど消耗しない。さらに、薄
肉パイプ電極1をZ軸方向に下げていっても被加工物2
の角E2はほとんど消耗しないため、薄肉パイプ電極1
の形状はほぼ左右対称に消耗していく。
【0044】したがって、w<tの場合と異なり、左右
対称な消耗であり、薄肉パイプ電極1は回転させている
ため、薄肉パイプ電極1底面のほぼ全面が同時に消耗し
ていくことになる。このような理由から、図26に示す
ような被加工物の加工残しが生ずることがなくなり、加
工形状精度が良好となる。
【0045】理論的には、薄肉パイプ電極1の肉厚tと
被加工物側面部の加工除去すべき厚さwとの関係がw=
tの関係を満たしていれば精度良く加工できる。但し、
電極移動手段3による電極の移動精度に応じて肉厚tを
wよりも小さくする必要がでてくる。その理由は、電極
移動手段3による電極の移動の際に電極がぶれる場合等
があり、このようなぶれが発生した場合であっても薄肉
パイプ電極1が被加工物2に対して図8(b)に示すよ
うなw≧tという位置関係を保つ必要があるからであ
る。また、薄肉パイプ電極1内面の形状精度、例えば心
ずれ等に応じても薄肉パイプ電極1の肉厚tを側面仕上
量wよりも小さくする必要がある。その理由は、一般的
に薄肉パイプ電極1の内径の形状精度を出すことは、外
径の形状精度を出すのと比較して難しいからである。
【0046】上述の側面加工手順での薄肉パイプ電極1
の移動は、図2で示しように、輪郭形状パスを側面仕上
量だけ側面方向に拡大もしくは縮小する変換手段82か
らの情報をNC制御手段80が受信し、そしてこのNC
制御手段80が電極移動手段3を制御することにより行
われる。
【0047】図9は、図3に示した底面加工の後、薄肉
パイプ電極1を用いて側面仕上加工を行っている様子を
示したものである。1は薄肉パイプ電極、14は側面仕
上加工によって形成された輪郭側面、15は側面加工用
の電極移動パスである。なお、電極移動パス15は側面
形状に沿った経路となる。その結果、底面加工と同じく
極めて高精度な側面形状精度を保ち、さらに側面の面あ
らさをより細かくすることが可能となる。
【0048】なお今回行った側面仕上での電極および電
気の条件は以下の通りである。 ・電極径:φ5.0mm,肉厚0.2mm ・加工電流ピーク:2.5A ・パルス幅:2μs ・休止時間:2μs 電極の材料としては銅、黄銅などが適当であり、電極の
肉厚に応じて適切な材料を選択することになる。この条
件によって行った側面仕上量は0.3mmであった。
【0049】この実施態様における薄肉パイプ電極1を
用いた放電加工方法および装置の効果について述べる。
この実施態様における薄肉パイプ電極1を用いた放電加
工方法および装置は、薄肉パイプ電極1底面部による加
工であるため、図26のような電極側面の消耗はほとん
ど起こらず、電極底面全面がほぼ平坦に消耗していく。
【0050】したがって、電極消耗によって電極の形状
精度が悪くなるために行う電極の交換を行う必要がなく
なるため、従来に比べて電極の交換頻度を少なくするこ
とができる。そのため、電極を頻繁に交換することな
く、被加工物側面の垂直精度を極めて高精度に保った側
面仕上加工を行うことが可能となる。
【0051】また、薄肉パイプ電極1の電極底面がほぼ
平坦に消耗していくため、電極消耗にともなうZ方向の
補正をシミュレート等の複雑な計算処理を行うことな
く、実行することができる。
【0052】なお、NC制御のための情報の流れを図2
に示したが、図10のように輪郭形状パスをオフセット
情報を有するプログラムとして記憶して、オフセットを
変更することで加工を行うという方法を行うことも可能
である。
【0053】オフセットの変更とは、図22のように初
期の形状パスからオフセット量H1だけパスの直角方向
にずらすことである。例えば円上の時計回りの形状パス
の場合には、オフセット方向を右とし、オフセット量を
10とすると、半径が10増大した円の経路に変更され
る。一方オフセット方向を左とすると、半径が10減少
した円の経路に変更される。
【0054】図10において、81は目的の加工輪郭形
状パス81a、側面仕上量81b、電極進行方向に対す
る側面の向き81cなどを記憶するための記憶手段、8
0はNC制御手段である。NC制御手段80の構成要素
としては次の80a〜80cが必要となる。80aはオ
フセットプログラム記憶手段、80bはオフセット値記
憶手段、80cは相対位置制御手段である。
【0055】オフセット値記憶手段80bに記憶された
オフセット値がオフセットプログラム記憶手段80aに
入力され、オフセットプログラム記憶手段80aに記憶
されたオフセットプログラムにより輪郭形状パスデータ
がオフセット値分変換される。オフセットプログラムに
より変換されたデータが相対位置制御手段80cに入力
され、この相対位置制御手段80cによってX、Y、Z
軸の移動信号が電極移動手段3に対して入力される。
【0056】このようなオフセットプログラムを用いた
NC制御手段80では、輪郭形状パス80aの変換をオ
フセット値を設定するだけで実行できるため有効であ
る。
【0057】またなお、本実施態様では垂直側面の仕上
加工を示したが、テーパ側面の仕上加工も同様な方法に
より可能である。テーパ側面の仕上げを行っている様子
を図23に示す。具体的に説明すると、基本的には垂直
側面の仕上の場合と同様に薄肉パイプ電極1をXYZ方
向に移動させることになるが、被加工物のテーパに合わ
せてY方向の移動量を調整しながら薄肉パイプ電極1を
移動させることになる。この場合には、薄肉パイプ電極
1の肉厚tはテーパ仕上により除去する量(以下、テー
パ仕上量と記す)w以下にする必要がある。
【0058】なお、本実施態様では電極移動手段3によ
って薄肉パイプ電極1側をXYZ方向に移動させる場合
について説明したが、被加工物2側をXYZ方向に移動
させるようにしてもよい。またなお、薄肉パイプ電極1
を薄肉パイプ電極1の軸中心に回転させているが、被加
工物2側を回転させるようにしてもよい。すなわち、被
加工物2に対して、相対的に移動、回転できればよい。
この点については、以下の実施態様においても同様であ
る。
【0059】さらに、本実施態様では被加工物の底面加
工(図4におけるS1〜S3)を行った後に行う側面仕
上加工(図4におけるS4〜S8)について説明した
が、被加工物の外周側面の仕上等どのような側面仕上に
ついても本実施態様に示した方法を適用することができ
る。
【0060】実施形態2.この実施態様は、実施態様1
において示した側面加工の加工終了を自動的に判定して
加工停止する放電加工装置に関するものであり、以下図
11、12に基づいて説明する。本実施態様における全
体図は図1、またNC制御のための情報の流れを示す詳
細図は図2または図10と同様であるので説明は省略す
る。
【0061】実施態様1において側面仕上加工を行う場
合に薄肉パイプ電極1が被加工物2の底面にまで達した
か否かを判別し、薄肉パイプ電極1の移動を終了させる
必要がある。この判別は、薄肉パイプ電極1が被加工物
2の底面に達することによって変化する電極移動速度を
認識することによって行うことができる。この実施態様
における被加工物2の底面とは、上述の実施態様におい
て説明した底面加工によって被加工物2に形成させる底
面のことである。
【0062】実施態様2においては、側面仕上加工の加
工終了を判定し、自動的に薄肉パイプ電極1の移動を停
止させる放電加工装置について説明する。
【0063】まず、側面加工終了を判定する回路の構成
を図11に基づいて説明する。側面加工終了を判定する
ための回路は、図1におけるNC制御部8内に設けられ
ているものとして説明する。図11において、80は図
1に示した電極移動手段3の制御を行うNC制御手段で
あり、83は薄肉パイプ電極1の移動時間を測定する時
間計測手段である。時間計測手段83は、NC制御手段
80の出力側に接続されており、時間計測の開始および
終了はNC制御手段80からの信号を受信することによ
って行われる。
【0064】84は、電極移動手段3による薄肉パイプ
電極1の移動距離を計測する移動距離計測手段である。
移動距離計測手段84は、NC制御手段80の出力側に
接続されており、NC制御手段80によるXYZ移動指
令の際のフィードバック信号を受信し、移動位置を確認
することによって移動距離を計測する。薄肉パイプ電極
1はXYZ方向にそれぞれ移動するため、移動距離計測
手段84によって計測する薄肉パイプ電極1の移動距離
はX、Y、Z方向の内いずれの方向の移動距離に注目し
てもよい。
【0065】85は、移動距離計測手段84の出力側に
接続され、移動距離計測手段84によって計測された移
動距離を記憶する電極移動距離記憶手段である。86
は、電極移動距離記憶手段85と時間計測手段83との
出力側に接続された平均移動速度演算手段である。87
は、定常時の平均速度を記憶する定常時の平均速度記憶
手段であり、平均移動速度演算手段86の出力側に接続
されている。
【0066】定常時とは、薄肉パイプ電極1が被加工物
の加工底面まで到達しておらず、被加工物の側面を加工
している時のことであり、定常時の平均電極移動速度
は、薄肉パイプ電極1による側面加工開始後、電極移動
パス1周以降の加工安定時期での平均電極移動速度を計
測することにより求められる。この値は、複数回計測し
てその平均をとることによって精度が増す。
【0067】88は、平均移動速度演算手段86の出力
側に接続された平均速度記憶手段である。平均速度記憶
手段88に記憶された平均速度は、平均移動速度演算手
段86による速度演算ごとにリセットされる。平均移動
速度演算手段86による速度演算の回数は、要求形状精
度に依存する。基本的には、薄肉パイプ電極1が被加工
物2に開けられた穴の外周を一周するまでに少なくとも
一度演算をすれば良い。
【0068】89は、定常時の平均速度記憶手段87と
平均速度記憶手段88の出力側に接続され、両記憶手段
87、88から出力される速度を比較する速度比較手段
である。速度比較手段89は、比較結果をNC制御手段
80に通知する。
【0069】次に側面加工終了を判定するための動作手
順について図12に基づいて説明する。時間計測手段8
3は、側面加工中に薄肉パイプ電極1がX、Y、Zの内
いずれかの方向に一定距離移動する(S11)ごとに時
間計測を行っている(S12)。移動距離計測手段84
は、NC制御手段80によるXYZ移動指令の際のフィ
ードバック信号によって移動位置を確認することによっ
てことによって認識した薄肉パイプ電極1の移動距離を
計測する(S13)。計測した移動距離は、移動距離記
憶手段85によって記憶される。
【0070】そして、平均移動速度演算手段86は、移
動距離記憶手段85からの移動距離と、時間計測手段8
3からの移動時間とから、薄肉パイプ電極1の平均移動
速度を算出する(S14)。また、定常時の平均電極移
動速度は、参照可能な記憶手段である定常時の平均速度
記憶手段87に記憶されている。
【0071】速度比較手段89は、平均速度記憶手段8
8に記憶されている平均移動速度が定常時の平均速度記
憶手段87に記憶されている平均移動速度に比べて急激
に遅くなっているか否かを判別する(S16)。
【0072】速度比較手段89は比較結果をNC制御手
段80に対して送信し、NC制御手段80は速度比較手
段89の比較結果に基づいて、薄肉パイプ電極1の移動
停止または移動継続を行う。
【0073】具体的には、平均速度記憶手段88に記憶
されている平均移動速度が定常時に比べて急激に遅くな
っている場合には、薄肉パイプ電極1が被加工物2の底
面部分にまで到達したと認識して(S17)、薄肉パイ
プ電極1の移動を停止する(S18)。逆に、平均速度
記憶手段88に記憶されている平均速度が定常時に比べ
て変化していない場合には、薄肉パイプ電極1はまだ被
加工物2の底面部分にまで到達していないと認識して薄
肉パイプ電極1の移動を継続する(S11)。そしてS
11〜S16を再度実行する。
【0074】上述のように、電極の移動速度によって側
面加工の完了を認識することができるのは次のような理
由からである。側面加工時には、薄肉パイプ電極1は図
6(a)に示すように被加工物2の側面部分と重なるわ
ずかな面積のみによって加工を行っている。それに対
し、薄肉パイプ電極1が被加工物2の底面部分まで到達
した時には、薄肉パイプ電極1の底面全面が被加工物2
の底面と対向するため、放電は電極底面の全面で行われ
ることになる。その結果、側面加工時と比べて被加工物
2の底面部分到達時には、薄肉パイプ電極1の加工面積
が大きくなるため、必然的に薄肉パイプ電極1の移動速
度が遅くなるのである。
【0075】したがって、電極の平均移動速度を比較す
ることで電極が加工底面部まで達したことを認識し、適
切な時間に加工を終了させることが可能となるのであ
る。
【0076】実施態様2における放電加工装置の効果に
ついて述べる。この実施態様における放電加工装置にお
いては、側面仕上加工の加工終了を自動的に判別し、薄
肉パイプ電極1の移動を停止させることができる。した
がって、薄肉パイプ電極1による被加工物の側面仕上加
工を的確に完了することができる。
【0077】なお、この実施態様においては、被加工物
2の底面に達したか否かを電極移動速度の変化に注目し
て認識する場合について説明したが、例えば被加工物2
の周囲側面の仕上げを行う場合には、次のようにして側
面仕上げの完了を認識することができる。
【0078】被加工物2の周囲側面の仕上げの場合に
は、側面仕上げが完了すると、薄肉パイプ電極1の底面
部が被加工物2側面と対向しなくなる。そのため上述の
場合とは逆に、必然的に薄肉パイプ電極1の移動速度が
速くなる。したがってこの場合においては、上述の速度
比較手段89による比較によって移動速度が速くなった
と判断した場合に、側面仕上加工を修了することにな
る。
【0079】実施形態3.この実施態様は、特定の厚さ
を有する円板形状電極31を用いて側面加工する放電加
工装置に関するものであり、以下図13〜図21に基づ
き説明する。図13は、この実施態様における放電加工
装置の全体図である。図13において、31は被加工物
2の側面仕上加工を行うために用いられる円板形状電極
である。2〜8は実施態様1において示したものと同様
であるので説明は省略する。
【0080】図14は、図13に示したNC制御部8内
での情報の流れを示す詳細図である。図14において、
81は加工輪郭形状パス81a、電極進行方向に対する
側面の向き81c、各プロセスでの一定進行距離(XY
平面)あたりの側面拡大量81bなどを記憶するための
記憶手段である。
【0081】また、NC制御手段80は次のような手段
から構成される。80aはオフセットプログラム記憶手
段、80dはオフセット値記憶手段、80eはXY平面
の電極移動距離の演算手段、80cは相対位置制御手段
である。
【0082】NC制御手段80においては、XY平面の
電極移動距離の演算手段80eによって算出された電極
移動距離に応じて、オフセット変更手段80dによって
オフセット値を変更する。そして変更されたオフセット
値分だけ、オフセットプログラムによって輪郭形状パス
のデータ81aが変換される。
【0083】この実施態様においては輪郭形状パス81
aを円板形状電極31の中心の経路としているため、こ
の実施形態におけるオフセット値は被加工物の側面仕上
量に相当する。
【0084】次に、円板形状電極31を用いた側面加工
の手順について図16〜21に基づいて説明する。円板
形状電極31を用いた側面加工の前段階として、1次加
工である底面加工を行った。底面加工については実施態
様1で述べたのと同様であるため詳細は省略する。
【0085】底面加工が完了した後、円板形状電極31
を用いて側面仕上加工を行った。図16は、円板形状電
極31を用いて側面仕上加工を行っている様子を示した
図である。図16(a)において、31は被加工物2の
側面仕上のために用いられる円板形状電極である。13
は被加工物2側面の未仕上部分であり、32は円板形状
電極31によって加工される予想仕上面である。33は
円板形状電極31によって加工された暫定仕上面であ
り、34はZ軸方向の電極移動軌跡である。
【0086】円板形状電極31を用いた側面仕上加工で
は、基本的には円板形状電極31の側面端部によって、
被加工物2の側面をなぞるようにして加工し、さらに円
板形状電極31を軌跡34のように何度も上下させるこ
とによって側面仕上を行う。
【0087】以下、実際の加工例を示す。加工に際して
の電極および電気条件は下記の通りである。 ・電極径φ5.0mm,厚さ2mmの円板 ・加工電流ピーク:1)55A,2)10A,3)2.
5A ・パルス幅:2μs ・休止時間:2μs
【0088】電極材料としては、銅または黄銅などが適
当であるが、電極の厚さに応じて適切な材料を選択する
ことになる。電極材料として銅を用いた場合には、電極
の厚さを0.3mm程度にまですることができる。上記
加工電流ピークにおける1)〜3)は、加工電流ピーク
条件を3段階に調節可能であることを示している。この
加工電流ピーク条件は、加工の進行状況に応じて徐々に
低く設定する。
【0089】電極移動手段3は、円板形状電極31を図
16(a)の上面図に示されたX方向の矢印のように円
板上電極31の側面部を被加工物2の側面部に沿わせる
とともに、X軸に直交するY方向の矢印のように被加工
物2の側面に寄せるようにして移動させる。円板形状電
極31を被加工物側面に寄せるY方向に移動することを
一般的に拡大と呼び、被加工物から遠ざかる方向に移動
することを一般的に縮小と呼ぶ。
【0090】図16(a)に示したY方向は、被加工物
2側面の法線方向を示している。そのため、円板形状電
極31をY方向へ移動しながら加工するということは、
円板形状電極31のX方向の電極進行量に応じて一定割
合で側面方向へ電極を拡大させていくことになる。さら
にその際に、図16(a)の側面図bのようにXY平面
の一定移動距離ごとに、XY軸双方に直交するZ軸方向
に電極を降下させていく。
【0091】Z軸方向の降下量は、円板形状電極31の
厚さに応じて設定する必要がある。具体的には、例えば
円板形状電極31の厚さが2mmの場合には、円板形状
電極31が加工すべき被加工物側面を1周するまでに円
板形状電極31をZ方向に降下させる量が2mmよりも
少なくなるように設定する。
【0092】このような設定をするのは、もし被加工物
側面を1周するまでに円板形状電極31の厚さ分以上降
下するとした場合には、この実施態様における加工の場
合には被加工物側面にらせん状の溝を掘るように加工さ
れることになり、被加工物の側面全面を仕上げることが
できなくなるからである。
【0093】図5に示されるような底面加工によって形
成された側面に沿って、円板形状電極31を移動させる
ことにより円板形状電極31は設定された深さまで降下
することになる。このようにして円板形状電極31の底
面が被加工物2の底面部に到達するまで、円板形状電極
31を被加工物2側面に沿って周回させていく。このよ
うな移動の際、円板形状電極31の円周側面部によって
放電加工が行われる。
【0094】なお、円板形状電極31の被加工物2底面
部への正確な到達は、あらかじめ加工深さは計測可能な
ため、それに応じて周回数やZ軸方向への電極送り量を
設定することにより、容易に実現できる。
【0095】図17は、上述した円板形状電極31の移
動経路を上面から示したものである。なお、NC制御手
段8は、円板形状電極31の進行方向と、その方向に対
する加工側面の向きは当然あらかじめ記憶している。
【0096】図17に示すように円板形状電極31を徐
々に側面を拡大するように移動させ、さらにZ軸方向へ
も円板形状電極31を一定送りで降下させていく(図1
5におけるS21)ことで、円板形状電極31が被加工
物2の底面部に到達する(図15におけるS22)。
【0097】なお、電極のY方向の拡大量の割合は被加
工物2の底面部に達するまでは常に一定とする。また、
電極のY方向の拡大量はある程度強制的に広げていって
いるため、底面加工後の図17の側面形状は、必然的に
図18(b)のような傾向となる。つまり被加工物2の
底面部に近づくにつれて、被加工物2の側面方向の加工
量が大きくなる。この傾向はY方向の拡大量に関係な
く、Y方向の拡大量よりも大きい場合でも、小さい場合
でもこの傾向となる。
【0098】次に円板形状電極31が被加工物2の底面
部に到達した後、Y方向の拡大量を図15におけるS2
1での拡大量よりも小さく設定する(図15におけるS
23)。そして、電極移動手段3により円板形状電極3
1を、図15におけるS21の移動経路を辿るかのよう
に移動させて側面加工を行う(図15におけるS2
4)。そして最終的には、円板形状電極31をZ軸方向
上方の加工開始点にまで移動させる(図15におけるS
25)。図15におけるS21の移動を行きのプロセス
と記し、図15におけるS24の移動を帰りのプロセス
と記す。
【0099】ただし、帰りのプロセスにおいても、X方
向移動量に応じて側面方向に円板形状電極31を拡大さ
せながら移動させて行く。その拡大量は、行きのプロセ
スにおける拡大量に比べて減少させている(図15にお
けるS24)。帰りのプロセスを終え、円板形状電極3
1が初期位置に戻ることにより、被加工物2の側面形状
は図19(b)のような傾向となる。
【0100】円板形状電極31は薄い円板であるため、
側面部分の電極消耗量は非常に大きいが、以上のような
行き帰りのプロセスを行った場合には、円板形状電極の
側面部における消耗形状は図20のようになる。図20
(a)は行きのプロセスにおける円板形状電極31の電
極消耗形状であり、図20(b)は帰りのプロセスにお
ける円板形状電極31の電極消耗形状である。図20
(c)は行き帰りのプロセス終了後の円板形状電極31
の電極消耗形状である。図20において、13は被加工
物の未仕上面、32は円板形状電極により加工される予
想仕上面、33は円板状電極により加工された暫定仕上
面である。
【0101】電極をZ軸方向に徐々に下げていく行きの
プロセスでは、円板形状電極31は図20(a)のよう
に円板側面下部が電極消耗する。また暫定仕上面33
は、正確な電極消耗補正を行わずに、単純に拡大させて
いるため、垂直度はあまり良好でない(図18の被加工
物側面を参照)。
【0102】次に電極をZ軸方向に徐々に上げていく帰
りのプロセスでは、円板形状電極31は図20(b)の
ように円板側面上部が電極消耗する。行き帰りのプロセ
スを複数回繰り返すことにより円板形状電極31は、円
板形状電極31の最終形状は図20(c)のように収束
していく。故に、被加工物2の側面加工は最終的には、
側面形状の安定した円板形状電極31によって加工され
ることになる。
【0103】行き帰りのプロセスを繰り返し行うにあた
って、加工初期に設定した側面方向への電極の拡大量を
保ったまま加工を行っていたのでは、図18、19から
わかるように、被加工物2の側面加工精度を良好に保っ
た加工ができない。そのため、円板形状電極31をZ軸
方向に上から下もしくは下から上へ移動させるプロセス
ごとに、被加工物2の側面方向Yへの電極拡大量を徐々
に減少させる必要がある(図16のZ軸方向の電極移動
軌跡34を参照)。
【0104】行き帰りのプロセスを繰り返し行うに際し
て電極拡大量を徐々に減少させることにより、図20
(c)に示すように被加工物2の側面部は円板形状電極
31により平坦に馴らされる結果となり、最終的な被加
工物2側面の垂直精度を非常に高めることが可能とな
る。
【0105】また、行き帰りのプロセスに応じて電気条
件のうち電流ピーク値を段階的に1)から3)に切り替
えていく。これによって、側面加工の多段階条件加工が
可能となり、最終加工面の面あらさを細かくできるとと
もに、加工速度の向上にも効果がある。
【0106】なお、上述のような行き帰りのプロセスを
繰り返して行うことにより側面仕上加工が完了した後に
被加工物2側面と底面間に形成されるコーナ形状と、円
板形状電極の厚さとの関係は、図21のように示され
る。図21からわかるように被加工物2底面と側面間の
エッジに形成されるコーナー半径をrとし、円板電極の
厚さをtとした場合には2r≧tの関係となる。したが
って、要求精度である許容コーナ半径rの値に応じて2
r≧tの関係となるような厚さの円板形状電極31を用
いる必要がある。
【0107】いいかえれば、要求精度である許容コーナ
半径rの値に応じて2r≧tの関係となるような厚さの
円板形状電極31を用いることにより、被加工物2底面
と側面間に形成されるエッジを要求精度以下に抑えるこ
とができる。
【0108】この実施態様における円板形状電極を用い
た放電加工装置の効果について述べる。この実施態様に
おける円板形状電極を用いた放電加工装置は、円板形状
電極31を回転させることにより電極側面全面を用いて
側面加工を行うため、電極消耗による電極形状精度の悪
化による電極交換を少なくすることができる。したがっ
て、電極の交換を頻繁に行うことなく、高精度な側面加
工を行うことができる。
【0109】また、電気条件を多段階に調節することが
できるため、仕上がり精度を高精度にしつつ側面加工に
要する時間を少なくすることができる。さらに、円板電
極の厚さtを2r≧tの関係になるようにしたので、被
加工物2底面と側面間のコーナーを許容値以下に抑える
ことができる。
【0110】なお、本実施態様では垂直側面の仕上加工
を示したが、テーパ側面の仕上加工も同様な方法により
加工可能である。またなお、実施態様2において側面加
工の加工終了を自動的に判定して加工停止する放電加工
装置について示したが、円板形状電極31を用いる実施
態様3にも対しても適用可能である。
【0111】側面加工時には、円板形状電極31は円板
側面部分のわずかな面積のみによって加工を行ってい
る。円板形状電極31が被加工物2の底面部分まで到達
した場合には、円板形状電極31底面の全面が被加工物
2の底面部分に接触することとなり、電極の加工面積が
大きくなるため、必然的に電極の移動速度も変化する。
したがって実施態様2に示したように電極の移動速度を
比較することによって、円板形状電極31が被加工物2
の底面部分まで達したことを認識し、適切な時期に加工
を終了させることが可能となる。
【0112】実施態様4.この実施態様は、薄肉パイプ
電極により被加工物のテーパ仕上加工を行う放電加工装
置に関するものであり図24〜25に基づいて説明す
る。本実施態様における放電加工装置の全体図は、図1
に示したものと同様であるので説明は省略する。ただ
し、本実施態様における放電加工装置においては、電極
移動手段3が薄肉パイプ電極1をXYZ方向へ移動可能
および回転可能であるのに加え、薄肉パイプ電極1を傾
けることもできる点で異なる。
【0113】また、NC制御部8では、薄肉パイプ電極
1を傾ける角度に関する情報をも設定可能となってお
り、このNC制御部8からの指令に応じて電極移動手段
3により薄肉パイプ電極1が傾けられることになる。本
実施態様においては薄肉パイプ電極1を傾ける角度θ
を、薄肉パイプ電極1の中心軸と鉛直方向とのなす角と
して説明する。
【0114】図24は、本実施態様におけるNC制御部
8内での情報の流れを示す図である。図24において、
記憶手段81は、輪郭形状パス81a、側面仕上量81
b、電極移動方向に対する側面の向き81c、電極を傾
ける角度81eの情報を記憶している。NC制御手段8
0は、記憶手段81に記憶された情報を基に、XYZ方
向への移動指示を電極移動手段3に対して通知するとと
もに、電極を傾ける角度θの指示も電極移動手段3に対
して通知する。
【0115】次に、薄肉パイプ電極1を用いたテーパ仕
上加工方法を図25に基づいて説明する。図25におい
て、薄肉パイプ電極1の肉厚tとテーパ仕上によって除
去すべき幅wとの関係は、t≦wである。また、図25
(a)からわかるように、薄肉パイプ電極1は、電極の
側面が被加工物2のテーパ側面に接するように角度θだ
け傾けられている。
【0116】テーパ仕上加工に際しての薄肉パイプ電極
1の移動のさせ方について説明する。まず、薄肉パイプ
電極1は、被加工物2のテーパ側面沿いながら図25
(b)におけるX方向に移動する。この実施態様におい
て、X方向とは図25(b)に示したように被加工物2
のテーパ側面に沿う方向をいう。そして、薄肉パイプ電
極1は被加工物2のテーパ側面を周回するように移動し
ながら加工を行う。
【0117】薄肉パイプ電極1の送りは、薄肉パイプ電
極1のX方向の移動に伴い、薄肉パイプ電極1の中心軸
方向に送られる。したがって、Z方向への送りではな
く、鉛直方向から角度θだけ傾いたYZ方向への送りと
なる。つまり薄肉パイプ電極1はYZ平面上で角度θだ
け傾いている。この実施態様においてはY方向とは、被
加工物2に寄せる方向をいう。
【0118】薄肉パイプ電極1が被加工物2のテーパ側
面を周回するように移動する際には、薄肉パイプ電極1
の傾き方向を切り替える必要がある。ただし、この場合
でも傾き角度θに保ったままとなる。
【0119】放電加工に際しては、薄肉パイプ電極1は
軸中心に回転しており、かつ薄肉パイプ電極1の底面に
よって放電加工を行う。このように薄肉パイプ電極1を
移動させることにより、テーパ仕上加工を行うことがで
きる。
【0120】この実施態様における薄肉パイプ1を用い
たテーパ仕上加工の効果について述べる。この実施態様
で示したように薄肉パイプ電極1を移動させながらテー
パ仕上加工を行うことにより、実施態様1で示したテー
パ仕上加工よりも精度の良い仕上げ加工をすることがで
きる。その理由としては、薄肉パイプ電極1の側面をテ
ーパ面に沿わせるように傾けながら加工を行うため、薄
肉パイプ電極1の底面がほぼ平坦に消耗するからであ
る。また、薄肉パイプ電極1の側面と加工済のテーパ面
との間でおこる2次放電によって表面荒さを除去するこ
とができ、きれいな仕上がり面となる。
【0121】
【発明の効果】被加工物の側面仕上量以下の肉厚を有す
る円筒形状をなす加工用電極を、上記被加工物に対して
相対移動させるとともに、上記被加工物に対して上記円
筒の軸中心に相対的に回転させ、上記加工用電極の筒底
面部により上記被加工物の側面仕上量分の側面仕上加工
を行うため、上記加工用電極を頻繁に交換することな
く、被加工物の側面仕上を高精度に行うことができる。
【0122】被加工物に対して円板形状電極を、上記円
板の軸中心に相対的に回転させるとともに上記被加工物
側面に沿わせるX軸方向に相対移動、上記X軸に直交し
上記被加工物側面に寄せるY軸方向に相対的に拡大移
動、上記円板形状電極の厚さに応じて上記X、Y軸双方
に直交するZ軸方向に相対移動させ、上記円板形状電極
の円周側面によって上記被加工物の側面加工を行うた
め、上記加工用電極を頻繁に交換することなく、被加工
物の側面仕上を高精度に行うことができる。
【0123】上記円板形状電極の厚さを、上記被加工物
の側面と上記側面と接する上記被加工物の底面との間に
形成されるコーナの所望のコーナ半径寸法の2倍以下と
したため、上記被加工物の側面と上記側面と接する上記
被加工物の底面との間に形成されるコーナ半径を要求精
度以下に抑えることができる。
【0124】被加工物のテーパ仕上量以下の肉厚を有す
る円筒形状をなす加工用電極を、上記被加工物に対して
相対移動させるとともに、上記被加工物に対して上記円
筒の軸中心に相対的に回転させ、上記被加工物のテーパ
側面に対して上記加工用電極の円筒側面が接する方向に
上記加工用電極を傾けながら上記加工用電極の筒底面部
により上記被加工物のテーパ仕上量分のテーパ仕上加工
を行うことため、上記加工用電極を頻繁に交換すること
なく、被加工物のテーパ仕上を高精度に行うことができ
る。
【0125】上記加工用電極の移動速度を計測する移動
速度計測手段と、上記移動速度計測手段により計測され
た移動速度と基準値とを比較する移動速度比較手段と、
上記移動速度比較手段による比較結果に基づき、上記加
工用電極による上記被加工物の側面加工を終了するか否
かを判別する判別手段とを有するため、上記加工用電極
による側面加工を的確に終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施態様1における放電加工装置の全体図で
ある。
【図2】 NC制御手段8までの情報の流れを示した図
である。
【図3】 底面加工での電極経路を示した図である。
【図4】 実施態様1における薄肉パイプ電極1を用い
た側面仕上加工の手順を示す図である。
【図5】 底面加工の様子を示した図である。
【図6】 薄肉パイプ電極1による側面加工の様子を示
した図である。
【図7】 薄肉パイプ電極1の肉厚tと側面形状精度の
関係を示すグラフである。
【図8】 薄肉パイプ電極1の肉厚tを側面仕上量より
も大きくした場合と、小さくした場合の被加工物に対す
る位置関係を示した図である。
【図9】 薄肉パイプ電極1による側面加工での電極経
路を示した図である。
【図10】 NC制御手段8までの情報の流れの他の例
を示した図である。
【図11】 側面加工の終了を自動的に判定する回路を
示すブロック図である。
【図12】 側面加工の終了を自動的に判定する手順を
示した図である。
【図13】 実施態様3における放電加工装置の全体図
である。
【図14】 実施態様3におけるNC制御手段までの情
報の流れを示す図である。
【図15】 円板形状電極31による側面仕上加工の手
順を示した図である。
【図16】 円板形状電極31による側面仕上加工の様
子を示す図である。
【図17】 円板形状電極31の移動経路を示す上面図
である。
【図18】 行きのプロセス後の被加工物2の形状を示
す図である。
【図19】 帰りのプロセス後の被加工物2の形状を示
す図である。
【図20】 円板形状電極31の電極消耗形状を示す図
である。
【図21】 円板形状電極31の薄さと許容コーナ半径
との関係を示す図である。
【図22】 輪郭形状パスをオフセット変換した後の経
路を示す図である。
【図23】 薄肉パイプ電極1によるテーパ仕上加工の
様子を示す図である。
【図24】 実施態様4におけるNC制御までの情報の
流れを示す図である。
【図25】 実施態様4における薄肉パイプ電極1によ
るテーパ仕上加工の様子を示す図である。
【図26】 従来の放電加工装置による加工の様子を示
す図である。
【符号の説明】
1 薄肉パイプ電極、2 被加工物、3 電極移動手
段、4 加工液、5 加工槽、6 加工液供給手段、7
加工用電源、8 NC制御部、31 円板形状電極、
80 NC制御手段、83 時間計測手段、84 電極
移動距離計測手段、85 電極移動距離記憶手段、86
平均移動速度演算手段、87 側面加工時の平均速度
記憶手段、88 平均速度記憶手段、89 速度比較手
段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/04 B23H 1/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の側面仕上量以下の肉厚を有す
    る円筒形状をなす加工用電極と、 上記加工用電極と上記被加工物との間に電圧を印加する
    電源と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を上記円筒の軸中
    心に相対的に回転させる回転手段と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を相対移動させる
    移動手段と、 上記移動手段による上記加工用電極の相対移動を制御す
    る制御手段とを有し、 上記加工用電極の筒底面部により上記被加工物の側面仕
    上量分の側面仕上加工を行うことを特徴とする放電加工
    装置。
  2. 【請求項2】 円板形状をなす加工用電極と、 上記加工用電極と被加工物との間に電圧を印加する電源
    と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を上記円板の軸中
    心に相対的に回転させる回転手段と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を上記被加工物側
    面に沿わせるX軸方向に相対移動、上記X軸に直交し上
    記被加工物側面に寄せるY軸方向に相対的に拡大移動、
    上記円板形状電極の厚さに応じて上記X、Y軸双方に直
    交するZ軸方向に相対移動させる移動手段と、 上記移動手段による上記加工用電極の相対移動を制御す
    る制御手段とを有し、 上記加工用電極の円周側面部により上記被加工物の側面
    加工を行うことを特徴とする放電加工装置。
  3. 【請求項3】 上記円板形状電極の厚さは、上記被加工
    物の側面と上記側面と接する上記被加工物の底面との間
    に形成されるコーナの所望のコーナ半径寸法の2倍以下
    としたことを特徴とする請求項2記載の放電加工装置。
  4. 【請求項4】 被加工物のテーパ仕上量以下の肉厚を有
    する円筒形状をなす加工用電極と、 上記加工用電極と上記被加工物との間に電圧を印加する
    電源と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を上記円筒の軸中
    心に相対的に回転させる回転手段と、 上記被加工物に対して上記加工用電極を相対移動させる
    移動手段と、 上記被加工物のテーパ側面に対して上記加工用電極の円
    筒側面が接する方向に上記加工用電極を傾ける傾斜手段
    と、 上記移動手段による上記加工用電極の相対移動および上
    記傾斜手段による上記加工用電極の傾きを制御する制御
    手段とを有し、 上記加工用電極の筒底面部により上記被加工物のテーパ
    仕上量分のテーパ仕上加工を行うことを特徴とする放電
    加工装置。
  5. 【請求項5】 上記加工用電極の移動速度を計測する移
    動速度計測手段と、 上記移動速度計測手段により計測された移動速度と基準
    値とを比較する移動速度比較手段と、 上記移動速度比較手段による比較結果に基づき、上記加
    工用電極による上記被加工物の側面加工を終了するか否
    かを判別する判別手段とを有することを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 被加工物の側面仕上量以下の肉厚を有す
    る円筒形状をなす加工用電極を、上記被加工物に対して
    相対移動させるとともに、上記被加工物に対して上記円
    筒の軸中心に相対的に回転させ、上記加工用電極の筒底
    面部により上記被加工物の側面仕上量分の側面仕上加工
    を行うことを特徴とする放電加工方法。
  7. 【請求項7】 被加工物に対して円板形状電極を、上記
    円板の軸中心に相対的に回転させるとともに上記被加工
    物側面に沿わせるX軸方向に相対移動、上記X軸に直交
    し上記被加工物側面に寄せるY軸方向に相対的に拡大移
    動、上記円板形状電極の厚さに応じて上記X、Y軸双方
    に直交するZ軸の第1の方向に相対移動させ、上記円板
    形状電極の円周側面部によって上記被加工物の側面加工
    を行う第1の加工ステップと、 上記第1の加工ステップの後、上記被加工物に対して上
    記円板形状電極を、上記円板の軸中心に相対的に回転さ
    せるとともに上記X軸方向に相対移動、上記第1の加工
    ステップでの拡大量よりも小さい拡大量で上記Y軸方向
    に相対的に拡大移動、上記円板形状電極の厚さに応じて
    上記Z軸の第2の方向に相対移動させ、上記円板形状電
    極の円周側面部によって上記被加工物の側面加工を行う
    第2の加工ステップとを有することを特徴とする放電加
    工方法。
JP27121295A 1995-10-19 1995-10-19 放電加工装置および方法 Expired - Fee Related JP3289575B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27121295A JP3289575B2 (ja) 1995-10-19 1995-10-19 放電加工装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27121295A JP3289575B2 (ja) 1995-10-19 1995-10-19 放電加工装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09108945A JPH09108945A (ja) 1997-04-28
JP3289575B2 true JP3289575B2 (ja) 2002-06-10

Family

ID=17496917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27121295A Expired - Fee Related JP3289575B2 (ja) 1995-10-19 1995-10-19 放電加工装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3289575B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000029156A1 (fr) 1998-11-13 2000-05-25 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Procede de traitement de surface par decharges et electrode de decharge destinee au traitement de surface par decharges
JP2006346752A (ja) * 2003-08-25 2006-12-28 Mitsubishi Electric Corp 放電加工方法
CN103341671B (zh) * 2013-07-03 2015-10-28 南京航空航天大学 一种复杂形状薄板件局部减薄电火花加工装置及加工工艺
CN103878456B (zh) * 2014-04-08 2015-12-16 山东大学 一种用于电火花加工的无损电极
CN106238837B (zh) * 2016-09-05 2018-01-05 常州大学 游离电极的电火花放电加工方法及其设备
CN106799527B (zh) * 2017-01-23 2018-11-23 四川中物红宇科技有限公司 一种电极及制造该电极的加工方法
CN111774677A (zh) * 2020-07-24 2020-10-16 四川航天烽火伺服控制技术有限公司 一种薄壁零件的加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09108945A (ja) 1997-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2802006B2 (ja) Edm装置
US7301116B2 (en) Programmed electrode wear compensation device and method for 3D EDM scanning apparatus
EP2213400A1 (en) WEDM method and apparatus
CN110227867B (zh) 用于使用电加工来加工形状的方法及装置
KR960031041A (ko) 방전가공방법 및 그의 장치
US9193020B2 (en) Wire cutting method
JP3289575B2 (ja) 放電加工装置および方法
JP3567619B2 (ja) 放電加工装置及び方法
CN111687503B (zh) 线放电加工机以及线放电加工方法
JPH08243846A (ja) ワイヤ放電加工装置及び方法
EP1316380B1 (en) Method of and apparatus for wire electric-discharge machining
KR920006654B1 (ko) 와이어 커트 방전 가공기
US6454930B1 (en) Procedure and device for the three-dimensional processing of a work piece by means of electroerosive or electrochemical machining
JP2011123777A (ja) 数値制御データの作成方法
US4948934A (en) Processing method for planetary erosion
JP3512577B2 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
JP5183226B2 (ja) 放射揺動加工方法
JP4526325B2 (ja) 電解液ジェット加工方法
JPH0215916A (ja) 型彫電極の制御された引戻し方法
JP3732290B2 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
JP2002307238A (ja) 等深度細孔放電加工自動電極消耗補償の方法
JP3455400B2 (ja) 放電加工装置用制御装置および放電加工方法
JP3715090B2 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
JP3715116B2 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
Plakhotnyi et al. Computer modeling of forming surface by sequential wire electrodischarge-electrochemical machining

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080322

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090322

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100322

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110322

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120322

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130322

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140322

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees