JP3715116B2 - 放電加工装置および放電加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、放電加工装置および放電加工方法に関し、さらに詳しくは、ワークの加工底面に段差やうねりが生じにくく、加工時間を短くできる放電加工装置および放電加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、総形工具による転写加工ではなく、円筒状、円柱状、角柱などの単純形状をした工具電極を数値制御により三次元移動させ、被加工物を所望の三次元形状に加工する放電加工装置が知られている。このような放電加工装置では、複雑形状の総形工具電極を作製する必要がないため、金型製作コストおよび製作時間を改善できるという利点がある。また、単純形状の工具電極を用いるため、工具電極の標準化が可能であると共にCAMシステムの構築が容易となり、加工工程の自動化が期待できるという利点もある。
【0003】
ところが、このような放電加工装置では、単純形状の工具電極を用いて幅広い面積を加工するため、総形電極による放電加工に比べ、加工形状の精度が問題になる。
【0004】
図11は、従来の放電加工方法を示す説明図である。ワークWに対して円柱形状の工具電極501を位置Aから位置Bまで下降させると、当該ワークWと工具電極501との間で放電除去現象が生じる。この断続放電による除去作用によりワークWを工具電極501の形状に加工する。続いて、工具電極501は、加工パスに従って位置Bから位置Cまで水平移動する(加工量502)。これにより、単純形状の工具電極501により所定形状の除去加工を行う。また、工具電極501は放電現象により消耗するから、加工工程において工具電極501を垂直下方に送り、工具電極501の消耗を補正する(電極消耗量503)。従って、工具電極501は、加工工程において、水平方向移動と垂直方向移動とを合成した移動を行うことになる(斜め送り量504)。
【0005】
このような工具電極の補正を行う技術として、特開平5−345228号公報に記載のEDM装置が知られている。図12は、このEDM装置における工具電極の補正方法の説明図である。この放電加工では、円柱形状の工具電極601を回転させながらワークWの放電加工面に対して所定角度(電極斜め送り角度)αで斜め送りしつつ加工する。これにより、工具電極601の輪郭形状および加工深さが変化する位置(a)から(d)までの過渡状態を経て、工具電極601の輪郭形状および加工深さが変化しない位置(d)以降で定常状態を作り出すことができる。
【0006】
電極斜め送り角度αは、定常状態での加工量と電極消耗量を考慮して決定する。一層の厚さE、加工電極の半径R、加工電極の断面積S、体積消耗率Uとした場合、円柱形状の工具電極601における電極斜め送り角度αは、
tan(α)=R・E・U/S
により求めることができる。
【0007】
また、円筒形状の工具電極601における電極斜め送り角度αは、工具電極601の外側半径R1、内側半径R2とすると、
により求めることができる。
【0008】
このEDM装置では、上記のような消耗補正の計算式が工具電極601の形状に応じて準備してある。また、このEDM装置は、工具電極601の消耗補正を行うための値を計算するシミュレータを備える。シミュレータは、第1の除去層の厚さE、工具電極の半径R、摩耗容積量Uから電極斜め送り角度αを計算する。この電極斜め送り角度αに基づき、EDM装置の数値制御ユニットが工具電極601に傾斜運動を与え、工具電極601の消耗補正を行う。このようにすれば、工具電極消耗領域を利用して加工できるので、加工速度を稼ぐことができる。
【0009】
つぎに、工具電極による加工領域について説明する。図13は、工具電極の水平移動軌跡を示す説明図である。まず、工具電極701は、図13の(a)に示すように、初期の加工残領域751内を加工パスに従ってAB間の加工パス703上、BC間の加工パス704上を移動する。
【0010】
ここで、ワークWから除去される加工領域について考える。加工領域とは、加工のため工具電極701が通過した部分をいう。同図では、網掛け部分723、724が加工領域となる。また、加工領域723、724の加工幅は、工具電極701の直径と放電ギャップ(両側)とを加算した値になる。同図の(b)に示すように、工具電極がCD間の加工パス705、DE間の加工パス706、EF間の加工パス707を移動して加工開始点Aに戻ると、第1の輪郭パス731が終了する。従って、第1の輪郭パス731における実際の加工幅は、前記工具電極701の直径と放電ギャップ(両側)とを加算したものになる。
【0011】
つぎに、工具電極701は、加工残領域752側にFG間の加工パス708を移動する。この工具電極701のピックフィード量は、通常、工具電極701の半径分となる。工具電極701は、GH間の加工パス709、HI間の加工パス710を移動し、加工領域の除去加工を継続する。このため、第2の輪郭パス732における実際の加工幅は、工具電極701のピックフィードが工具半径になるため、工具電極701の半径と放電ギャップ(片側)を加算したものになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の放電加工では、図13に示すように、加工残領域内において、各輪郭パス731、732毎に実際の加工幅が異なるものとなる。また、加工形状が複雑になるほど、同一輪郭パス731内であっても加工パス703〜707毎に実際の加工幅がばらつき出す。このため、ワークWの加工量が不均一になって、ワークWの加工底面に段差やうねりが生じるという問題点があった。また、加工底面の段差やうねりを取り除くには、仕上げ加工が必要であり、1層の厚さを小さくして加工底面に対し複数回の除去加工を行う必要がある。このため、加工時間が増大するという問題点があった。
【0013】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワークの加工底面に段差やうねりが生じにくく、加工時間を短くできる放電加工装置および放電加工方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による放電加工装置は、工具電極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加すると共に工具電極の長さ方向の消耗を電極消耗補正係数に基づいて補正しつつ放電加工を行う放電加工装置において、加工する度に加工残領域を取得する加工残領域取得手段と、工具電極および加工パスから加工領域を取得する加工領域取得手段と、加工領域と加工残領域との重複領域であって実際に加工することになる実加工領域を取得する実加工領域取得手段と、実加工領域を輪郭パス長または加工パス長で割って平均加工幅を取得する平均加工幅取得手段と、平均加工幅に基づいて最適な電極消耗補正係数を取得する最適電極消耗補正係数取得手段とを備え、当該取得した電極消耗補正係数により消耗補正を行うようにしたものである。
【0015】
従来、輪郭パス毎に加工幅が異なるため加工量が不均一になっていたが、この発明では、実際に加工することになる実加工領域を求め、この実加工領域から加工パス毎または輪郭パス毎に平均加工幅を求め、この平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を取得するようにした。通常、放電加工装置ではZ軸送りにより工具電極を長さ方向に移動するが、この工具電極の移動を最適な電極消耗補正係数に基づいて行うので加工底面における加工量のばらつきを効果的に抑制できる。例えば第1の輪郭パスよりも第2の輪郭パスの方がその平均加工幅が小さい場合、工具電極のZ軸方向送り量を小さくするようにする。このようにすれば、加工底面の段差やうねりを減少させることができる。また、仕上げ加工への依存が少なくなるから、加工時間を短縮できる。
【0016】
つぎの発明による放電加工装置は、上記放電加工装置において、さらに、工具電極の全径を用いて放電加工する場合には、輪郭パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得し、工具電極の径の一部を用いて放電加工する場合には、加工パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにしたものである。
【0017】
発明者らが実験した結果、工具電極の全径を用いて放電加工する場合、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正するよりも、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正する方が、良好な加工状態を得られることを見出した。そこで、工具電極の全径を用いて放電加工する場合は、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得し、それ以外では、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。このようにすれば、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できる。
【0018】
つぎの発明による放電加工装置は、上記放電加工装置において、さらに、第1の輪郭パスについては、当該輪郭パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から第1輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得し、第2の輪郭パスまたは第1の輪郭パス以降の加工パスについては、加工パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにしたものである。
【0019】
第1の輪郭パスに関し、発明者らは、実験の結果、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正するよりも、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正する方が、良好な加工状態を得られることを見出した。そこで、第1の輪郭パスに関しては、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得し、それ以外の第2の輪郭パスや加工パスでは、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。このようにすれば、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できる。
【0020】
つぎの発明による放電加工装置は、上記放電加工装置において、さらに、前記加工領域取得手段において、加工領域を取得する際、工具電極の放電ギャップを考慮するようにしたものである。
【0021】
通常、工具電極の周囲には、放電ギャップが生じる。このため、実際に加工すると、工具電極の直径に放電ギャップを加えた幅だけ加工される。この発明では、この放電ギャップを考慮にいれて、加工領域を取得するようにした。このため、加工領域を正確に取得することができる結果、電極消耗補正係数をより最適に取得することができる。
【0022】
つぎの発明による放電加工装置は、上記放電加工装置において、さらに、前記平均加工幅取得手段において、実加工領域を矩形に見立てたうえで、加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにしたものである。
【0023】
工具電極の外形が円形であり、径が異なる複数の工具電極を用いたりすると、実加工領域が必ずしも矩形にはならない。そこで、加工パス長は計算できるから、実加工領域を矩形に見立てたうえで加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにした。
【0024】
つぎの発明による放電加工方法は、工具電極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加すると共に工具電極の長さ方向の消耗を電極消耗補正係数に基づいて補正しつつ放電加工を行う放電加工方法において、加工する度に加工残領域を取得する加工残領域取得工程と、工具電極および加工パスから加工領域を取得する加工領域取得工程と、加工領域と加工残領域との重複領域であって実際に加工することになる実加工領域を取得する実加工領域取得工程と、実加工領域を輪郭パス長または加工パス長で割って平均加工幅を取得する平均加工幅取得工程と、平均加工幅に基づいて最適な電極消耗補正係数を取得する最適電極消耗補正係数取得工程とを含み、当該取得した電極消耗補正係数により消耗補正を行うようにしたものである。
【0025】
まず、実際に加工することになる実加工領域を求める。実加工領域は、加工領域と加工残領域との重複領域である。つぎに、この実加工領域から加工パス毎または輪郭パス毎に平均加工幅を求める。平均加工幅は、実加工領域を加工パスまたは輪郭パスで割ることで求める。そして、この平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を取得し、当該電極消耗補正係数を用いて放電加工を行う。従来、加工幅が異なることで加工量にばらつきを生じさせていたが、このように、それぞれ加工幅の異なる加工パスまたは輪郭パス毎に電極消耗補正係数を求めるようにすれば、加工量のばらつきを効果的に抑制できる。このため、加工底面の段差やうねりを減少させることができる。また、仕上げ加工への依存が少なくなるから、加工時間を短縮できる。
【0026】
つぎの発明による放電加工方法は、上記放電加工方法において、工具電極の全径を用いて放電加工する場合には、輪郭パス単位で加工領域を取得する輪郭パス加工領域取得工程と、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得する輪郭パス用電極消耗補正係数取得工程と、を含み、工具電極の径の一部を用いて放電加工する場合には、加工パス単位で加工領域を取得する加工パス加工領域取得工程と、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにした通常電極消耗補正係数取得工程とを含むものである。
【0027】
工具電極の全径を用いて放電加工する場合、輪郭パス単位で加工領域を取得し、この加工領域から実加工領域を求め、実加工領域を輪郭パスで割ることにより電極消耗補正係数を取得するようにした。一方、工具電極の径の一部を用いて放電加工する場合、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。すなわち、工具電極の全径を用いて放電加工する場合のみ、加工パス単位ではなく、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を求めるようにしたのである。このようにしたのは、発明者らが実験したところ、工具電極の全径を用いて放電加工する場合は、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正するよりも、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正する方が良好な加工状態を得られることを見出したためである。従って、上記工程により放電加工することで、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できるようになる。
【0028】
つぎの発明による放電加工方法は、上記放電加工方法において、さらに、第1の輪郭パスについては、当該輪郭パス単位で加工領域を取得する輪郭パス加工領域取得工程と、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から第1輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得する第1輪郭パス用電極消耗補正係数取得工程と、を含み、第2の輪郭パスまたは第1の輪郭パス以降の加工パスについては、加工パス単位で加工領域を取得する加工パス加工領域取得工程と、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにした通常電極消耗補正係数取得工程とを含むものである。
【0029】
第1の輪郭パスでは、輪郭パス単位で加工領域を取得し、この加工領域から実加工領域を求め、実加工領域を輪郭パスで割ることにより電極消耗補正係数を取得するようにした。一方、第2の輪郭パスや加工パスは、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。すなわち、第1の輪郭パスでは、加工パス単位ではなく、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を求めるようにしたのである。このようにしたのは、発明者らが実験したところ、第1の輪郭パスに関しては、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正するよりも、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得して消耗補正する方が良好な加工状態を得られることを見出したためである。従って、上記工程により放電加工することで、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できるようになる。
【0030】
つぎの発明による放電加工方法は、上記放電加工方法において、さらに、前記加工領域取得工程において、加工領域を取得する際、工具電極の放電ギャップを考慮するようにしたものである。
【0031】
放電ギャップを考慮に入れれば、実際の加工状態に近くなるので、正確に加工領域を取得することができる。このため、電極消耗補正係数をより最適に取得することができる。
【0032】
つぎの発明による放電加工方法は、上記放電加工方法において、さらに、前記平均加工幅取得工程において、実加工領域を矩形に見立てたうえで、加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにしたものである。
【0033】
工具電極の外形が円形である。また、径が異なる複数の工具電極を頻繁に用いて加工する。このため、実加工領域が必ずしも矩形にはならない。そこで、この発明では、実加工領域を矩形に見立ててから加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにした。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる放電加工装置および放電加工方法につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0035】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかる放電加工装置を示すブロック図である。この放電加工装置100は、中空円筒状の工具電極1と、工具電極1の軸を中心に当該工具電極1を回転させる電極回転装置2と、ワークWを載置するワークテーブル3と、ワークテーブル3上に設けられ、槽内に加工液4を蓄えてワークWを沈没する加工槽5とを備えている。また、工具電極1およびワークWは、両者間に電圧を印加する加工用電源6にそれぞれ接続されている。加工用電源6は、制御装置7により制御される。
【0036】
さらに、制御装置7は、記憶部8と演算部9とを有する。記憶部8は、加工形状パスを記憶する加工パス記憶部801と、工具電極1の消耗補正係数を記憶する電極消耗補正係数記憶部802と、電気条件を記憶する電気条件記憶部803とから構成されている。演算部9は、加工の進捗に伴い変化する加工残領域を計算する加工残領域計算部901と、加工パスにより加工する領域(面積)を計算する加工領域計算部902と、加工パスの平均加工幅を計算する平均加工幅計算部903と、求めた平均加工幅に基づき最適な電極消耗補正係数を計算する最適消耗補正係数計算部904とから構成されている。制御装置7は、加工形状パスや消耗補正係数、電気条件に基づきX軸駆動装置10、Y軸駆動装置11およびZ軸駆動装置12の制御を行い、工具電極1とワークWとの相対的な位置決めをする。
【0037】
つぎに、この放電加工装置100において単純パイプ電極(1)を用いた場合の電極消耗補正係数の最適計算について説明する。図2は、図1の放電加工装置による放電加工工程を示すフローチャートである。図3および図4は、図2に示したフローチャート中の工程における加工領域を示す説明図である。この放電加工装置100による放電加工方法を概説すると、まず、加工パス毎に加工幅が異なるから、この加工パス毎の加工幅に基づいて最適な電極消耗補正係数を計算する。つぎに、この電極消耗補正係数を用いて工具電極1の消耗補正を行いつつ、放電加工を行う。また、第1の輪郭パスでは、加工パス毎ではなく輪郭パスを単位とする平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を計算する。第2の輪郭パス以降は、輪郭パス単位ではなく、加工パス毎の平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を計算する。以下、フローチャートに沿って詳説する。
【0038】
ステップS201では、無垢のワークWの加工残領域を記憶する。加工残領域は、加工パス記憶部801に記憶してある加工パスから算出する。加工残領域は、ワークW上の未加工領域と略同義である。
【0039】
ステップS202では、全加工パスが終了したか否か判断する。全加工パスが終了してれば、加工を終了する。終了していなければ、ステップS203に進み、加工パス記憶部801に記憶した加工パスに従って放電加工を行う。
【0040】
ステップS203では、加工パスが第1の輪郭パスか否かを判断する。輪郭パスとは、従来例の図12に示すように、加工残領域の輪郭形状に沿って一周する、閉じた加工パスの集合をいう。第1の輪郭パスの場合は、ステップS204に進み、第1の輪郭パス専用の条件により加工を行う。すなわち、加工パス毎ではなく、第1の輪郭パスの平均加工幅から電極消耗補正係数を計算する。第1の輪郭パスか否かを基準として、加工条件を選択するようにしたのは、発明者らが実験をしたところ、第1の輪郭パスについては、加工パス毎の平均加工幅ではなく輪郭パスの平均加工幅から電極消耗補正係数を計算して放電加工した方が、加工状態が良好であることを見出したためである。
【0041】
まず、第1の輪郭パスにおける処理について説明する。ステップS204では、輪郭パスによる加工領域を計算する。具体的には、図3に示すように、ワークW上の加工開始点Aから中間点Bの加工パス101、BC間の加工パス102、CD間の加工パス103、DE間の加工パス104および中間点Eから加工開始点Aの加工パス105を集合した輪郭パスの加工領域201〜205を計算する。この第1の輪郭パス51の加工領域61は、各加工パス101〜105の加工領域201〜205を加算し、加工パス101〜105の加工領域どうしの重複部分106〜110を除いたものとなる。
【0042】
ステップS205では、求めた第1の輪郭パス51の加工領域61と加工残領域71(ステップS201参照)とが重複する領域を計算する。この場合、ワークWが無垢の状態であるから、第1の輪郭パス51の加工領域61と加工残領域71との重複領域(便宜上、「実加工領域」という)81は、前記第1の輪郭パス51の加工領域61と一致する。この場合、工具電極1の全径を用いてワークWを加工することになる。
【0043】
ステップS206では、加工残領域72を計算する(図4参照)。加工残領域72は、実加工領域81を求めるのに必要であり、また、加工する度に変化するため常に再計算する必要がある。なお、この加工残領域72の再計算ステップS206は、この位置でなくてもよく、少なくとも実加工領域81を計算するステップS205の直前までに行っていればよい。
【0044】
ステップS207では、平均加工幅計算部903により、平均加工幅を計算する。平均加工幅は、図5に示すように、実加工領域(輪郭パス51の加工領域61)81を加工パス長で割ることにより求めることができる。加工パス長は、加工パス記憶部801に記憶してある加工パスから計算する。
【0045】
ステップS208では、最適消耗補正係数計算部904により、平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を計算する。消耗補正係数は、平均加工幅から基礎実験により求め、加工条件として設定しておく。
【0046】
図6は、平均加工幅と電極補正係数との関係を示す説明図である。同図に示すように、無垢のワークWを直線的な加工パスPにより加工する場合を例に挙げて説明する。工具電極1は断面円形状であるため、時間Taから時間Tbにかけて工具電極1が移動すると、加工領域SEの一端が凸半円形状になり他端が凹半円形状になる(同図(a)参照)。このため、加工領域SEは、長方形に変形することができる。
【0047】
ところで、工具電極1による実際の加工量(加工体積)は、加工幅W×加工長さL×1層の加工厚さtとなる(同図(b)参照)。実際の加工では、加工条件が一定になるように加工するため、前記加工量も一定になり、更に、加工長さが一定であるから、加工幅W×加工長さLが一定になる。ここで、1層の加工厚さtは、消耗補正係数kと比例関係に立つので、両者の間には、t=α×k(αは一定係数)の関係が成り立つ。
【0048】
これより、加工長さLが一定であれば、加工幅W×α×消耗補正係数kの値が一定となる。従って、当該関係式から、加工幅Wと消耗補正係数kとは反比例の関係に立つことが判る。例えば、加工幅Wを2倍にしたなら、消耗補正係数kを1/2にすればよいことになる。
【0049】
つぎに、最適な電極消耗補正係数が得られたので、これに基づいて第1の輪郭パス51の放電加工を行う。ステップS209では、第1の輪郭パス51の処理が終了したか否か判断する。第1の輪郭パス51の処理が終了したなら、ステップS202に戻る。終了していないなら、ステップS210に進み、加工パスが第1の輪郭パス51の先頭パスか否かを判断する。先頭パスでない場合、未だ第1の輪郭パス51を終了していないことになるから、引き続き、1パス単位の加工経路NCコードを出力しつつ放電加工を継続する(ステップS212)。一方、加工パスが先頭パスの場合、第1の輪郭パス51が終了したことになるから、ステップS211に進み、消耗補正係数変更コードを出力する。消耗補正係数変更コードを出力した場合は、加工経路NCコードを出力することなく、ステップS209を経由してステップS202に戻る。
【0050】
つぎに、ステップS202において、第1の輪郭パス51により全加工パスが終了する場合には放電加工を終わるが、全加工パスが終了していない場合、第2の輪郭パス52の加工に移る(ステップS203)。
【0051】
ステップS213では、1単位の加工パスによる加工領域を計算する。具体的には、図4に示すように、FG間の加工パス112による加工領域212を計算する。なお、AF間の加工パス111はピックフィードであり、その量は、工具電極1の半径分となる。
【0052】
ステップS214では、実加工領域82を求める。すなわち、求めた加工パス112の加工領域212と加工残領域72とが重複する領域を計算する。この場合、ワークWは第1の輪郭パス51により既に加工されているから、加工残領域72は、ワークWが無垢の状態より小さくなっている。このため、工具電極1の径の一部を用いてワークWを加工することになる。なお、加工残領域72は、ステップS206にて再計算してあるから、その値を用いる。
【0053】
ステップS215では、加工残領域(図示省略)を再計算する。なお、この加工残領域の再計算ステップS215は、この位置でなくてもよく、少なくとも実加工領域を計算するステップS214の直前までに行っていればよい。
【0054】
ステップS216では、平均加工幅計算部903により、平均加工幅を計算する。平均加工幅は、図7に示すように、実加工領域82を加工パス長で割ることにより求めることができる。加工パス長は、加工パス記憶部801に記憶してある加工パスから計算する。なお、工具電極1が円筒形状であるため実加工領域82の両端が円弧形状になるが、この半円部分(図中82a)をその他の部分と同幅の四角形状(図中82b)とみなし、平均加工幅を求めるようにする。
【0055】
ステップS217では、最適消耗補正係数計算部904により、平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を計算する。消耗補正係数は、平均加工幅から基礎実験により求め、加工条件として設定しておく。平均加工幅と電極補正係数との関係は、上記に示した通りである(図6参照)。
【0056】
つぎに、最適な電極消耗補正係数が得られたので、これに基づいて実際に放電加工を行う。ステップS218では、1加工パス単位で電極消耗補正係数変更コードを出力する。この電極消耗補正係数変更コードにより、電極消耗補正係数記憶部802に記憶されている電極消耗補正係数(例えば第1輪郭パスにかかる電極消耗補正係数)を、上記で求めた電極消耗補正係数に変更する。
【0057】
ステップS219では、この電極消耗補正係数に基づいた1パス単位の加工経路NCコードを出力し、工具電極の消耗補正をしつつ当該工具電極1の移動を行う。工具電極1の消耗補正は、パス指令と電極消耗補正係数を受けた制御装置7が、Z軸駆動装置12を制御して行う。そして、加工パス毎に電極消耗補正係数の最適化を行いながら、全加工パスが終了するまで、放電加工を行う(ステップS202)。
【0058】
以上、この放電加工装置100によれば、平均加工幅を考慮に入れ、加工パスまたは第1の輪郭パス毎に最適な電極消耗補正係数を計算することで工具電極1の消耗補正を行うので、加工量が変化しても加工底面に段差やうねりが生じにくい。また、仕上げ加工の手間が省けるので、加工時間を短縮できる。
【0059】
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2にかかる放電加工装置による電極消耗補正係数の算出方法を示す説明図である。この実施の形態2による電極消耗補正係数の算出方法は、実施の形態1にかかる電極消耗補正係数の算出方法と略同様であるが、加工領域の計算にあたり放電ギャップを考慮している点が異なる。これ以外は、実施の形態1と同様であるから説明を省略する。
【0060】
図8に示すように、工具電極1の周囲には、通常、放電ギャップ1aが生じる。放電ギャップ1aは、ワーク材料、加工液の絶縁耐力や加工くずによる汚れ、電圧などで大きさが左右されるが、平均的な放電ギャップ1aを電気条件およびワーク材料毎に設定しておく。放電ギャップ1aの大きさは、電気条件記憶部803に記憶しておく。
【0061】
図2のステップS204、213にて加工領域61、212を算出する際、放電ギャップ1aの2倍を工具電極1の直径Dに加算する。このようにすれば、ワークWを実際に加工した状態に近くなるから、実加工領域81、82を正確に算出できる。従って、現実的な平均加工幅を得ることができるから、電極消耗補正係数をより正確に算出できる。このため、加工底面に段差やうねりが生じにくい。
【0062】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3にかかる放電加工装置による電極消耗補正係数の算出方法を示す説明図である。この実施の形態3による電極消耗補正係数の算出方法は、実施の形態1にかかる電極消耗補正係数の算出方法を径の異なる工具電極で加工する放電加工装置に用いる場合に関する。
【0063】
図9に示すように、小径の工具電極15と大径の工具電極16とを用いる放電加工装置の場合、実加工領域83が複雑な形状になる。例えば同図に示すような島形状W1を形成する場合、小径の工具電極15により島形状W1の周囲を加工し、この小径の工具電極15により加工した除去部分を重ねて、大径の工具電極16により加工する。このため、図2のステップS205、214にて実加工領域83を算出する際、当該実加工領域83が一部欠けたような歪な形状になる。また、実加工領域83の両側は、半円形状である。そこで、図10に示すように、歪な形状の実加工領域83を矩形83aに見立てて、平均加工幅を算出するようにする。
【0064】
まず、加工残領域と加工領域との重複領域を除去し、実加工領域83を求める。つぎに、実加工領域83の面積を任意の計算方法を用いて計算する。そして、求めた面積を加工パス長さで割ることにより平均加工幅を求める。その他の処理は、図2の通りであるから説明を省略する。
【0065】
このようにすれば、径の異なる工具電極15、16を使用する場合でも、最適な電極消耗補正係数を算出できるから、加工底面に段差やうねりが生じにくい。また、3本以上の異なる径の工具電極を用いる場合でも、上記同様に実加工領域を矩形に見立てることで、平均加工幅を求めることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の放電加工装置および放電加工方法によれば、実際に加工することになる実加工領域を求め、この実加工領域から加工パス毎または輪郭パス毎に平均加工幅を求め、この平均加工幅から最適な電極消耗補正係数を取得するようにしたので、加工底面における加工量のばらつきを効果的に抑制できる。この結果、加工底面の段差やうねりを減少させることができる。また、仕上げ加工への依存が少なくなるから、加工時間を短縮できる。
【0067】
また、この発明の放電加工装置および放電加工方法では、工具電極の全径を用いて放電加工する場合は、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得し、それ以外では、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。このため、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できるようになる。
【0068】
また、この発明の放電加工装置および放電加工方法では、第1の輪郭パスに関しては、輪郭パス単位で電極消耗補正係数を取得し、それ以外の第2の輪郭パスや加工パスでは、加工パス単位で電極消耗補正係数を取得するようにした。このため、加工底面における段差やうねりの発生を効果的に抑制できるようになる。
【0069】
また、この発明の放電加工装置および放電加工方法では、放電ギャップを考慮にいれて、加工領域を取得するようにしたので、加工領域を正確に取得することができる。この結果、電極消耗補正係数をより最適に取得でき、より加工底面の段差やうねりを抑制できるようになる。
【0070】
この発明の放電加工装置および放電加工方法では、実加工領域を矩形に見立てたうえで、加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにした。このため、複雑形状の放電加工であっても、加工底面の段差やうねりを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる放電加工装置を示すブロック図である。
【図2】 図1の放電加工装置による放電加工工程を示すフローチャートである。
【図3】 図2に示したフローチャート中の工程における加工領域を示す説明図である。
【図4】 図2に示したフローチャート中の工程における加工領域を示す説明図である。
【図5】 平均加工幅の算出方法を示す説明図である。
【図6】 平均加工幅と電極補正係数との関係を示す説明図である。
【図7】 平均加工幅の算出方法を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2にかかる放電加工装置による電極消耗補正係数の算出方法を示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態3にかかる放電加工装置による電極消耗補正係数の算出方法を示す説明図である。
【図10】 平均加工幅の算出方法を示す説明図である。
【図11】 従来における放電加工方法を示す説明図である。
【図12】 特開平5−345228号公報に記載のEDM装置における工具電極の補正方法の説明図である。
【図13】 工具電極の水平移動軌跡を示す説明図である。
【符号の説明】
100 放電加工装置、1 工具電極、2 電極回転装置、3 ワークテーブル、4 加工液、5 加工槽、6 加工用電源、7 制御装置、8 記憶部、9演算部、801 加工パス記憶部、802 消耗補正係数記憶部、803 電気条件記憶部、901 加工残領域計算部、902 加工領域計算部、903 平均加工幅計算部、904 最適消耗補正係数計算部、10 X軸駆動装置、11 Y軸駆動装置、12 Z軸駆動装置。
Claims (10)
- 工具電極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加すると共に工具電極の長さ方向の消耗を電極消耗補正係数に基づいて補正しつつ放電加工を行う放電加工装置において、
加工する度に加工残領域を取得する加工残領域取得手段と、
工具電極および加工パスから加工領域を取得する加工領域取得手段と、
加工領域と加工残領域との重複領域であって実際に加工することになる実加工領域を取得する実加工領域取得手段と、
実加工領域を輪郭パス長または加工パス長で割って平均加工幅を取得する平均加工幅取得手段と、
平均加工幅に基づいて最適な電極消耗補正係数を取得する最適電極消耗補正係数取得手段と、
を備え、
当該取得した電極消耗補正係数により消耗補正を行うようにしたことを特徴とする放電加工装置。 - さらに、工具電極の全径を用いて放電加工する場合には、輪郭パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得し、
工具電極の径の一部を用いて放電加工する場合には、加工パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。 - さらに、第1の輪郭パスについては、当該輪郭パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から第1輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得し、
第2の輪郭パスまたは第1の輪郭パス以降の加工パスについては、加工パス単位で加工領域を取得し、実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。 - さらに、前記加工領域取得手段において、加工領域を取得する際、工具電極の放電ギャップを考慮するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の放電加工装置。
- さらに、前記平均加工幅取得手段において、実加工領域を矩形に見立てたうえで、加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の放電加工装置。
- 工具電極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加すると共に工具電極の長さ方向の消耗を電極消耗補正係数に基づいて補正しつつ放電加工を行う放電加工方法において、
加工する度に加工残領域を取得する加工残領域取得工程と、
工具電極および加工パスから加工領域を取得する加工領域取得工程と、
加工領域と加工残領域との重複領域であって実際に加工することになる実加工領域を取得する実加工領域取得工程と、
実加工領域を輪郭パス長または加工パス長で割って平均加工幅を取得する平均加工幅取得工程と、
平均加工幅に基づいて最適な電極消耗補正係数を取得する最適電極消耗補正係数取得工程と、
を含み、
当該取得した電極消耗補正係数により消耗補正を行うようにしたことを特徴とする放電加工方法。 - 工具電極の全径を用いて放電加工する場合には、輪郭パス単位で加工領域を取得する輪郭パス加工領域取得工程と、
実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得する輪郭パス用電極消耗補正係数取得工程と、
を含み、
工具電極の径の一部を用いて放電加工する場合には、加工パス単位で加工領域を取得する加工パス加工領域取得工程と、
実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにした通常電極消耗補正係数取得工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。 - さらに、第1の輪郭パスについては、
当該輪郭パス単位で加工領域を取得する輪郭パス加工領域取得工程と、
実加工領域を輪郭パス長で割った平均加工幅から第1輪郭パス用の電極消耗補正係数を取得する第1輪郭パス用電極消耗補正係数取得工程と、
を含み、
第2の輪郭パスまたは第1の輪郭パス以降の加工パスについては、
加工パス単位で加工領域を取得する加工パス加工領域取得工程と、
実加工領域を加工パス長で割った平均加工幅から通常の電極消耗補正係数を取得するようにした通常電極消耗補正係数取得工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。 - さらに、前記加工領域取得工程において、加工領域を取得する際、工具電極の放電ギャップを考慮するようにしたことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の放電加工方法。
- さらに、前記平均加工幅取得工程において、実加工領域を矩形に見立てたうえで、加工パス長または輪郭パス長で割り、平均加工幅を取得するようにしたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の放電加工方法。
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