JP3289098B2 - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JP3289098B2 JP17608895A JP17608895A JP3289098B2 JP 3289098 B2 JP3289098 B2 JP 3289098B2 JP 17608895 A JP17608895 A JP 17608895A JP 17608895 A JP17608895 A JP 17608895A JP 3289098 B2 JP3289098 B2 JP 3289098B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯用端末機器用電源
としての非水二次電池の小型化高容量化及び長寿命化に
係わり、詳しくはカーボン負極の改良により高容量化と
長寿命化した非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】Li二次電池の負極として、従来はLi
金属及びLi−Pb等の合金が用いられてきたが、樹枝
状リチウムの析出による正・負極の短絡が起こる事、又
エネルギー密度が低くなるという欠点があった。最近で
は負極としてカーボン材を用いる研究が活発であり、例
えば特公昭62−23433号、特開昭62−2680
56号及び特開平5−283061号公報等の公知例が
ある。特に特開平5−283061号には炭素粒子と炭
素繊維を複合化した負極構造が開示されている。そし
て、この複合化によって、(1)導電性が大幅に向上
し、充放電反応の速度が向上する、(2)バルキーな構
造となり、負極への電解液の拡散が容易となる気孔が形
成される結果、出力密度が向上する、(3)適度なバル
キーさを持つため電極の膨潤・収縮を吸収でき長寿命化
ができる、(4)炭素粉末・炭素繊維いずれもリチウム
イオンを吸蔵可能なため両者の長所を相補的に生かす事
が出来るとともに、負極当りの放電容量を高める事が出
来るとしている。
【0003】しかしながら前述の効果は、導電性を除き
いずれも推定の域を出ない。又負極体作成において、炭
素粉末径:0.1〜100μmのものと炭素繊維(径:
13μm、長さ:0.15〜40mm)のものを複合化し
た場合、特に実施例で述べられている形状の炭素(中心
粒径20μmの炭素粒子:繊維径13μmで長さ150
μmの炭素繊維=80重量%:20重量%)の複合化に
よって適度な気孔を形成させるのは困難な事と推察され
る。
【0004】又、いずれの公知例においてもカーボンへ
のLi+ の不可逆容量(第1回目の充放電での充電容量
と放電容量の差の充電容量に対する比)に対しては、何
ら開示されていない。更には負極合剤層構造(細孔径、
細孔容積、気孔率、厚み及び合剤充填密度等)と放電容
量、サイクル特性の関係が明確でなく、小型・高容量・
長寿命非水二次電池の実用化に対してその特性の実証が
十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したごとく、炭素
材をLi二次電池用負極剤として用いたとき単独の炭素
材で負極合剤層を形成した場合、Li+ の不可逆容量が
大きい事、又充放電容量の大きい炭素材は、サイクル毎
の容量低下が大きい事、更には合剤層厚みや合剤の充填
密度によって充放電容量が変化するという問題がある。
Li二次電池の容量は最初の充電によってLiを正極か
ら負極へ移動させ充電状態の正極及び負極とすることに
よって蓄えられる。従って負極の不可逆容量が大きいと
電池の容量密度の低下を引き起こすことになる。これら
の課題を解決することが電池の実用化に望まれている。
【0006】以下には、上述の課題を実験的に確かめた
結果について述べる。図4には、平均粒径20μmの高
純度黒鉛粒子1と平均繊維径0.2μm平均繊維長20
μmの気相成長炭素繊維2を用いて作成した負極の充放
電におけるサイクル特性を示す。高純度黒鉛粒子1の場
合、初期充電容量は、例えば430mAh/g・カーボ
ン(以下Cと略記する)であったのに対し、第1回放電
容量は280mAh/g・Cであり、Li+ の不可逆容
量は35%であった。又サイクル毎の放電容量も低下
し、10サイクル目で190mAh/g・Cまで低下し
た。一方気相成長炭素繊維2の場合、Li+ の不可逆容
量は25%であり、第1回目の放電容量は200mAh
/g・Cと低いものの10サイクル目まで容量低下はほ
とんど見られなかった。
【0007】次に、前述したカーボン種によって不可逆
容量やサイクル毎の容量変化が何故生ずるかについて調
べてみた結果について述べる。カーボン負極を用いたと
きのLi+ の不可逆容量を引き起こす要因としては、一
般に(1)溶媒の分解反応、(2)カーボン表面官能基
との反応、(3)カーボン層間からのLi+ の脱離反応
の遅れ等が挙げられる。この不可逆容量とサイクル毎の
容量変化の一要因として負極構造(充填密度、合剤層厚
み、気孔率等)の影響を受けていると考えられる。
【0008】図5には、高純度黒鉛粒子3と炭素繊維4
にバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(以下PVD
Fと略記する)を10wt%添加した合剤層に対し、成
型(プレス)圧を変化させたときのかさ密度(合剤層の
重さ/合剤層体積 g/cm3)の変化の測定結果を示し
た。高純度黒鉛3の場合、1ton/cm2〜3ton/cm2のプ
レス圧で1.85〜2.0g/cm3のかさ密度値に対し、
繊維状炭素4の場合、その特徴的形状から約1g/cm3
と低い値となる。
【0009】次に合剤層厚みと放電容量の関係を図6に
示した。図中曲線5は、平均粒径20μmの人造黒鉛を
用いて作製した負極の合剤層厚みを約120〜25μm
に変化させたときの第3回目の放電容量を示している。
図6より明らかなごとく合剤層の密度が一定の場合、厚
みが薄くなると集電効率が向上する結果、放電容量は増
大する傾向にある。
【0010】又、図7には平均粒径3μmの高純度黒鉛
を用いて合剤層のかさ密度を変化させた負極の放電容量
を示した。図の曲線6にみられるごとく、かさ密度が
1.2g/cm3付近で放電容量は極大値をもち、その前後
において容量は低下する。
【0011】以上述べたごとく、放電容量の増大、サイ
クル特性の向上及びLi+ の不可逆容量の低減のために
は、負極合剤層の改善が不可欠となる。特にこの種負極
の製造は図8に示した如く、炭素繊維と炭素粒子を混合
し、バインダーを加えて混練し、それを集電体であるC
u箔(約20μmの厚さ)に塗布し、乾燥させた後、
0.25〜1.0ton/cm2でプレスするという工程を経
るため、炭素繊維の集電体に対する配向が平行になって
しまい、導電性やエネルギー密度を向上させる上で好ま
しくなく、上記負極構造の改善が必要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】Li+ 二次電池用炭素材
負極について詳細に検討した結果、一種類の炭素を用い
た場合、Li+ の不可逆容量が大きいことや放電容量が
大きいもののサイクル毎の容量低下が大きい。Li+ の
不可逆容量が小さくサイクル毎の容量低下の小さい炭素
は、放電容量が小さい或いは合剤層厚みや充填密度によ
って放電容量が変化するという課題を明らかにした。こ
れらの事は、炭素材と有機バインダーとから成る負極構
造に基づく電子電導性、Li+ のイオン移動度(炭素繊
維の集電体に対する配向に関係する:間接的には、Li
+ がドープ、脱ドープするサイトの有効利用)、電解液
の拡散性(粒子間のすき間に関係する)及び負極強度
(グラファイト層間にLi+ が入り、膨潤することによ
りバインダー結合部が弱くなることに対する強度)等の
因子により、その特性が左右されるためと考えた。
【0013】本発明者らは、前記課題を解決するために
は前述した負極構造の最適化が必須であると考え、前述
の実験データを基に異種形状カーボンを特定の比で組合
せることにより、負極合剤層の充填密度、細孔容積、気
孔率及び平均細孔径をコントロールすることを可能と
し、これにより前記諸特性を改善できることを見い出し
た。
【0014】まず最初に、これまでに至った経緯につい
て述べる。図9は長さの異なる炭素繊維を用いた負極の
放電容量の測定結果を示したものである。以下に本発明
で用いた負極の作成法、単極の評価法の一例について記
述する。図9の曲線7に示した通り、放電容量が極大値
をもつ平均繊維径0.2μm、平均繊維長約20μm炭
素材に対して有機バインダーとしてジエチルベンゼン
(以下DEBと略記)に溶解したエチレンプロピレンタ
ーポリマー(以下EPDMと略記する)溶液を炭素材9
4重量%、EPDMが6重量%になるように配合したペ
ーストを厚さ25μmの銅箔に塗布し、風乾し、空気中
80℃で3h乾燥後、0.5ton/cm2の圧力で成型す
る。その後、真空中150℃で2h熱処理して負極とす
る。この負極とポリプロピレン製のセパレーターとLi
金属対極を組合せ、電解液として1MLiPF6/エチレ
ンカーボネート−ジメトキシエタン(以下EC−DME
と略記する)、参照極としてLi金属を用い、充放電は
カーボン1g当り30〜120mA/gの電流値、電位
幅:10mV〜1.0Vでサイクル試験を行い単極評価
を行った。図9において繊維長の異なる炭素材を用いた
負極の特性は約20μmの時、最大の放電容量を発現
し、それより短くても長くても容量は低下する傾向にあ
る。これは充填密度の違いによって集電性が大きく影響
していると考えられる。
【0015】そこで図5に示した形状の異なる炭素材を
混合したときのかさ密度の変化について測定した。その
結果を図10に示す。図10で用いた炭素材は、かさ密
度の小さい炭素繊維(平均径:0.2μm、平均繊維
長:20μm)とかさ密度の大きい高純度黒鉛粒子(平
均粒径:3μm)で、成型圧力は1ton/cm2である。図
10の直線8より明らかなごとく炭素材単独のかさ密度
に対し、繊維と粒子の双方の炭素を混合することにより
かさ密度を任意に変化させることが可能となる。
【0016】また、ここで得られた混合負極についてポ
ロシメータで測定した細孔容積、気孔率及び平均細孔径
を図11と図1に示した。図11の曲線9,10には、
細孔容積及び気孔率の関係を示している。図11より繊
維状炭素及び炭素粉末のみで構成した負極の細孔容積、
気孔率が0.34cc/g,57%及び0.12cc/
g,40.8%であるのに対し、任意の割合で混合した
負極の細孔容積及び気孔率は、繊維状炭素と炭素粉末単
独の値を混合比に割り振ったときの値に近くなることが
確認できた。更に図1の曲線11は、繊維状炭素と炭素
粉末の混合比を変えたときの平均細孔径との関係を示し
ている。図より繊維状炭素及び炭素粉末のみで構成した
負極の平均細孔系がそれぞれ0.12,0.07μmであ
るのに対し、繊維状炭素の含有率が50〜85重量%の
範囲においては約0.3μmと大きな値をとることが注
目に値する。以上述べたごとく異種形状炭素を組合せる
ことにより負極合剤層構造の物性値を任意に制御できる
ので前述の目的が達成されるものである。
【0017】ここで異種形状炭素とは、アスペクト比が
10以上と10以下のものに大別できる。最初にアスペ
クト比が10以上の炭素材としては、アルカリ金属等を
ドープ、脱ドープ出来るものであればよく、例えば気相
成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等があり、平均繊維径
0.05〜0.5μm、平均繊維長さは5〜100μm程
度のものが用いられる。又ずばり繊維状とは言えないが
隣片状或いは薄片状のものも使用でき平均粒径は10μ
m程度のものが好ましい。
【0018】一方アスペクト比が10以下の炭素材とし
ては、アルカリ金属等をドープ、脱ドープ出来るもので
あればよく、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素等
が使用でき、粉末の平均粒子径は1〜20μm程度のも
のが使用される。
【0019】次にアスペクト比の異なる炭素材を用いて
負極を形成する方法について説明する。アスペクト比の
大きい炭素材50〜85重量%に対しアスペクト比の小
さい炭素材を50〜15重量%になるようにした混合粉
に溶媒に溶解した。EPDM、PVDF等をバインダー
として加え、シート状(フィルム9より厚い)、フィル
ム状(金属箔なし)、金属箔上にフィルム状或いは発泡
金属に充填する等して電池形状に適応させる事が可能で
ある。ここでバインダーの添加量は炭素材に対し5〜1
5重量%、炭素材とバインダーとから成る合剤層厚みは
10〜200μmの範囲が望しい。
【0020】このようにして得られた負極は、通常用い
られる正極活物質、セパレータ及び電解液と組合せる事
により、角形、偏平形及び円筒形等の最適なリチウム二
次電池とすることができる。正極活物質としては、コバ
ルト、ニッケル、マンガンとリチウムの複合酸化物及び
コバルト、ニッケル、マンガンの一部を遷移金属で置換
した複合酸化物が用いられる。セパレータとしては、多
孔質ポリプロピレン、ポリエステルやポリオレフィン系
の多孔質膜が用いられる。又電解液としては、プロピレ
ンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(E
C)、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルカーボネ
ート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メ
チルエチルカーボネート(MEC)等の2種類以上の混
合溶媒が用いられる。又電解質としては、LiPF6
LiBF4,LiClO4等を用いる事ができ、上記溶媒
に溶解したものが用いられる。
【0021】すなわち、本発明は、正極、セパレータ、
負極及び電解液を備え、前記負極は集電体と、該集電体
上に設けられた合剤層とから成り、該合剤層は炭素繊維
と炭素粒子とから成ると共に繊維状炭素の含有率が50
〜85重量%であることを特徴とする非水二次電池であ
る。また他の発明は、前記発明において繊維状炭素はア
スペクト比が10以上のものである。また他の発明は、
前記発明において、正極の活物質は、コバルト、ニッケ
ル、マンガンとリチウムの複合酸化物及びコバルト、ニ
ッケル、マンガンの一部を遷移金属で置換した複合酸化
物であり、負極は炭素繊維と炭素粒子の各炭素材へのリ
チウムのドープ、脱ドープに伴う不可逆容量に対し、両
炭素材の組合せに基づく不可逆容量を小さくした負極よ
りなるものである。
【0022】また他の発明は、正極、セパレータ負極及
び電解液から成り320wh/l〜385wh/lのエ
ネルギー密度を有する非水二次電池である。
【0023】
【作用】Li二次電池用炭素負極の高容量化、長寿命化
及びLi+ の不可逆容量の低減を達成するため、微細な
繊維状炭素と炭素粉末を特定の比(繊維状炭素の含有率
が50〜85重量%の範囲)で混合した炭素材を用いて
負極合剤層の炭素繊維の配向、細孔径、細孔容積、気孔
率及び厚み等を制御することにより、電子電導或いはイ
オン移動性の向上、電解液の拡散が容易、更には合剤層
強度の向上を図ることが出来た。その結果、前述の課題
を解決することが可能となった。このことは、正極と組
合せた電池においてエネルギー密度を飛躍的に向上させ
る効果をもつ。
【0024】
【実施例】
(実施例1)気相成長炭素繊維(平均繊維径:0.2μ
m、平均繊維長:20μm)と高純度黒鉛粉末(平均粒
径:3μm)の双方を50重量%になるように混合し、
これにDEBに溶解したEPDMを用い炭素材に対しE
PDMが6重量%になるように添加し十分に混練した。
このペーストを厚さ25μmの銅箔に塗布し風乾後、空
気中80℃で3h乾燥した。その後、0.5ton/cm2
圧力で成型し更に真空中150℃で2h熱処理を行って
負極を作成した。この負極と対極としてLi金属及びポ
リプロピレン製セパレーターを組合せ、電解液として1
MLiPF6/EC−DME、参照極としてLi金属を
用い、カーボン1g当りの充放電電流値80mA/g・
C、電位幅10mV〜1.0Vで単極試験を行った。
【0025】(実施例2)実施例1と同じ気相長成炭素
と高純度黒鉛粉末を70:30重量%で混合した炭素材
を用いて実施例1と同様負極を作成し単極評価を行っ
た。
【0026】(実施例3)実施例1と同じ気相成長炭素
と高純度黒鉛粉末を85:15重量%で混合した炭素材
を用いて実施例1と同様負極を作成し単極評価を行っ
た。
【0027】(比較例1)実施例1で用いた気相成長炭
素繊維のみを用いて実施例1と同様負極を作成し単極評
価を行った。
【0028】(比較例2)実施例1で用いた高純度黒鉛
粉末のみを用いて実施例1と同様、負極を作成し単極評
価を行った。
【0029】実施例1〜3と比較例1〜2での負極の単
極試験で得られた結果から、それぞれの不可逆容量率を
求め図2に示した。図の曲線12にみられるごとく気相
成長炭素繊維、高純度黒鉛粉末のみの場合の不可逆容量
率はそれぞれ25%と38%であるのに対し、本発明
(実施例1〜3)より成る負極の不可逆容量は約18%
と本発明の効果が認められた。
【0030】(実施例4)気相成長炭素繊維(実施例1
と同じ)と炭素粉末(人造黒鉛、平均粒径:20μm)
を50:50重量%で混合した炭素材を用いた作成した
負極で実施例1と同様の単極評価を行った。
【0031】(比較例3)実施例4で用いた炭素粉末の
みで負極を作成し、実施例1と同様の単極評価を行っ
た。
【0032】実施例4と比較例3での負極の単極試験結
果からそれぞれの不可逆容量率は、前者で19%、後者
で32%であった。
【0033】(実施例5)隣片状天然黒鉛(平均粒径:
2.5μm)と高純度黒鉛粉末(実施例1)を85:1
5重量%になるように混合した炭素材を用いて実施例1
と同様負極を作成し単極評価を行った。
【0034】(比較例4)実施例5で用いた隣片状天然
黒鉛のみで負極を作成し実施例1と同様の単極評価を行
った。
【0035】実施例5と比較例4での負極の単極試験結
果におけるそれぞれの不可逆容量率は、前者で18%、
後者で26%であった。
【0036】(実施例6)実施例1のEPDMバインダ
ーの代りにPVDF/N−メチルピロリドン溶液を用い
てPVDFが炭素材に対して6重量%になるように添加
した事、最終熱処理条件を真空中120℃で2hとした
点以外は、実施例1と同様の負極を作成し単極評価を行
った。その結果、不可逆容量の値は、EPDMバインダ
ーを用いたとほぼ同じであった。
【0037】(実施例7)実施例2及び実施例5の負極
を用いて実施例1と同じ評価法で寿命試験を行った。そ
の結果を図3の直線13に示す。図3において300サ
イクルの寿命試験においても、初期放電容量から約10
%の容量低下にとどまる良好な特性を示していることを
確認している。ちなみに実施例1,3,4,5及び6の
負極もほぼ同等のサイクル特性を示した。
【0038】(比較例5)比較例2の負極を用いて実施
例7と同様の寿命試験を行った。その結果を図3に示
す。図3の曲線14にみられるように初期放電容量から
10サイクル目まで急激な容量低下があり、その後はゆ
るやかな容量低下曲線となる。10サイクルから300
サイクルにおける容量低下は、およそ34%であった。
【0039】(実施例8)実施例2と同じ負極及び電解
液として1MLiPF6/EC−DECを用い、実施例
1と同様の単極試験を行った。このときの不可逆容量率
は約20%であった。
【0040】(実施例9)実施例2と同じ負極、電解液
として1MLiPF6/EC−DMC及びポリエステル
製セパレータを用い実施例1と同様の単極試験を行っ
た。このときの不可逆容量率は約13%であった。
【0041】(実施例10)実施例2と同じ負極、電解
液として1MLiPF6/EC−MEC及びポリエステ
ル製セパレータを用い、実施例1と同様の単極試験を行
った。このときの不可逆容量率は、約13%であった。
【0042】(実施例11)厚さ20μmのアルミ箔に
LiCoO2活物質を人造黒鉛とPVDFを重量比で8
7:9:4とした合剤を片面90μmとなるように両面
塗布し、乾燥・圧延した正極、厚さ33μmの銅箔に実
施例2と同じ組成物を片面58μmとなるように両面塗
布し、乾燥・圧延した負極及び厚さ25μmのポリエス
テル製多孔質膜セパレータを図12にモデル的に示した
ように巻回して外寸法直径14mm×長さ47mmの電
池缶に収納し、電解液として1MLiPF6/EC−M
ECを用いて、その特性を評価した。図12で、15は
正極、16は正極端子、17は負極、18は負極端子、
19はセパレータを示す。
【0043】試験条件として、充放電電流75mA(8
時間率)、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5V
として行った。その結果、320wh/lのエネルギー
密度が得られ、100サイクルまで安定した性能を示し
た。
【0044】(実施例12)厚さ20μmのアルミ箔に
LiNiO2活物質と人造黒鉛とPVDFを重量比で8
7:9:4とした合剤を片面90μmとなるように両面
塗布し、乾燥・圧延した正極、厚さ33μmの銅箔に実
施例2と同じ組成物を片面77μmになるように両面塗
布し、乾燥・圧延した負極を用いて実施例11と同様に
電池を構成し、充放電電流90mA(8時間中)で試験
を行った。その結果385wh/lのエネルギー密度が
得られ、80サイクルまで安定した性能を示した。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、負極構造の細孔径、気
孔率及び細孔容積等を自由に制御することが可能とな
り、電子電導性、イオンの移動度、電解液の拡散性及び
合剤層の機械的強度が向上する結果、Li+ の不可逆容
量の低下、負極容量の向上及び長寿命化が達成できる結
果、電池のエネルギー密度を飛躍的に向上させる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素繊維と炭素粉末の混合比をかえた合剤量の
平均細孔径を示す図である。
【図2】炭素繊維と炭素粉末の混合比を変化させた負極
の不可逆容量を示す図である。
【図3】本発明と従来負極のサイクル特性を示す図であ
る。
【図4】高純度黒鉛及び気相成長炭素繊維負極のサイル
特性を示す図である。
【図5】負極成型圧力とかさ密度の関係を示す図であ
る。
【図6】負極合剤層厚みと放電容量の関係を示す図であ
る。
【図7】負極合剤層かさ密度と放電容量の関係を示す図
である。
【図8】Li二次電池用負極の製造工程を示す図であ
る。
【図9】炭素繊維長の異なる負極の放電容量を示す図で
ある。
【図10】炭素繊維と炭素粉末の混合比を変えたときの
かさ密度を示す図である。
【図11】炭素繊維と炭素粉末の混合比かえた合剤層の
細孔容積と気孔率を示す図である。
【図12】円筒形電池の構成図である。
【符号の説明】
1 高純度黒鉛粒子 2 気相成長炭素繊維 8 気相成長炭素繊維と高純度黒鉛混合粉のかさ密度 9 各種炭素負極合剤層の細孔容積 10 気孔率 11 各種炭素負極合剤層の平均細孔径 12 炭素繊維と高純度黒鉛混合比の異なる負極の不可
逆容量 15 正極 16 正極端子 17 負極 18 負極端子 19 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 武夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 堀場 達雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 村中 廉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 平8−83608(JP,A) 特開 平8−31405(JP,A) 特開 平6−150931(JP,A) 特開 平6−333559(JP,A) 特開 平7−22065(JP,A) 特開 平6−111818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 H01M 4/58 H01M 4/62 H01M 10/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、セパレータ、負極及び電解液を備
    え、前記負極は集電体と、該集電体上に設けられた合剤
    層とから成り、該合剤層は炭素繊維と炭素粒子とから成
    ると共に繊維状炭素の含有率が50〜85重量%である
    ことと、気孔率が40.8%を超え57%未満であるこ
    とを特徴とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、繊維状炭素はアスペ
    クト比が10以上であることを特徴とする非水二次電
    池。
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