JP3288120B2 - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

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JP3288120B2
JP3288120B2 JP9797993A JP9797993A JP3288120B2 JP 3288120 B2 JP3288120 B2 JP 3288120B2 JP 9797993 A JP9797993 A JP 9797993A JP 9797993 A JP9797993 A JP 9797993A JP 3288120 B2 JP3288120 B2 JP 3288120B2
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孝信 内堀
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Toshiba Medical Systems Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波のドプラ効果
を利用して、血流など、体内の流体の運動状態を診断す
る超音波ドプラ診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波パルスドプラ法と超音波パ
ルス反射法とを併用し、一つの超音波プローブで断層像
(白黒Bモード像)と血流情報とを得るとともに、少な
くともその血流情報をリアルタイムで表示するようにし
た超音波ドプラ診断装置が知られている。
【0003】この超音波ドプラ診断装置の一例を図8に
基づき説明する。この診断装置は血流情報として血流速
度を計測するものである。図8に示す診断装置は、超音
波振動子201に接続された送信用のパルサ202及び
受信用の前置増幅器203を有する。前置増幅器203
の出力側には、ミキサ204、ローパルスフィルタ20
5、サンプルホールド回路206、バンドパスフィルタ
207、及び周波数分析器208を介して表示器209
に接続されている。
【0004】この超音波ドプラ診断装置はまた、送信制
御及び受信制御のためのパルス発生回路210と、レン
ジゲート制御用のレンジゲート回路211とを備えてい
る。パルス発生回路210は分周回路、ゲート回路など
を備えており、所定周波数のクロックパルスa(図9参
照)を発生させ、そのクロックパルスaをレンジゲート
回路211及びミキサ204に供給するとともに、その
クロックパルスaに基づいて超音波繰返し周波数に相当
するレートパルスb(図9参照)を生成し、そのレート
パルスbをパルサ202及びレンジゲート回路211に
供給する。
【0005】上記パルサ202は、供給されたレートパ
ルスbに基づいて高電圧の駆動電圧パルスを生成し、そ
の駆動電圧パルスにより超音波振動子201を励振す
る。この励振に伴って、超音波振動子201は超音波パ
ルス信号を生体P内に送波する。送波された超音波パル
ス信号の一部は、生体P内の血管壁BW及び血管内の血
流B(主に赤血球)で反射して超音波エコー信号とな
る。この超音波エコー信号は再び同一の超音波振動子2
01により受信され、電圧エコー信号d(図9参照)に
変換される。
【0006】この電圧エコー信号dは、超音波のドプラ
効果を反映した受信信号となる。つまり、生体P内を流
れている血流に対して超音波パルスを送波すると、流動
する血球によって散乱され、ドプラ偏移を受ける。この
ため、超音波ビームの中心周波数fcがfdだけ変化
し、受信周波数fはf=fc+fdとなる。このドプラ
偏移周波数fdは、血流速度v、超音波ビームと血管の
成す角度θ、音速cとして、およそ以下のように表され
る。
【0007】
【数1】 fd={(2・v・cosθ・fc)/c}・fc このため、受信電圧信号fdからドプラ偏移周波数fd
を検出することにより血流速度vを知ることができるか
ら、この検知に向けて上述した受信経路が動作する。
【0008】すなわち、前置増幅器203は電圧エコー
信号dを増幅し、その増幅信号をミキサ204に出力す
る。ミキサ204は、増幅されたエコー信号dとクロッ
クパルスaとを混合し、その混合信号を次段のローパス
フィルタ205に出力する。ローパスフィルタ205
は、入力する混合信号の内、超音波搬送周波数などの高
周波成分を除去し、ドプラ偏移周波数fdを中心とする
低周波分のみをサンプルホールド回路206に出力す
る。
【0009】このサンプルホールド回路206は、血流
Bの速度の観測位置、すなわちサンプリング・ラスタ上
の血流Bに対するレンジゲート(サンプリングポイン
ト、サンプリングボリュームともいう)の位置のみのド
プラ偏移信号を抽出するための回路である。この信号抽
出を行うために、サンプルホールド回路206にはレン
ジゲート回路211からサンプリングパルスcが供給さ
れる。レンジゲート回路211は遅延時間を任意に設定
できる回路で、超音波パルスが振動子201とレンジゲ
ート位置Oとの間を往復伝搬するに等しい時間だけレー
トパルスbよりも遅延させ、且つ、設定されたパルス幅
のサンプリングパルスc(図9参照)を形成し、このパ
ルスcをサンプルホールド回路206に供給する。な
お、レンジゲート位置Oは、オペレータにより、Bモー
ド断層上の血流速度を得たい血管の位置に、トラックボ
ールやジョイスティックで任意に設定される。
【0010】サンプルホールド回路206は、体表面か
らレンジゲート位置Oに対応したサンプリングパルスc
でローパルスフィルタ205の出力信号をサンプルホー
ルドし、そのホールド結果をバンドパスフィルタ207
に出力する。バンドパスフィルタ207では、サンプル
ホールド回路206のサンプリングで生じた高調波成分
や血管などの固定反射信号及び比較的遅い生体内の動き
に拠るドプラ偏移周波数が除去され、血流Bのドプラ偏
移周波数のみが抽出される。この抽出信号が次段の周波
数分析器208に送られ、高速フーリエ変換などの周波
数分析によってドプラ偏移周波数の周波数スペクトルパ
ターン(ドプラスペクトラム)が演算される。この周波
数スペクトルパターンは、時間(横軸)の経過に伴うド
プラ偏移周波数(血流速度に対応:縦軸、各周波数成分
の強度は輝度で表される)の変化を示すもので、表示器
209においてリアルタイムに表示される。
【0011】さらに、血流状態を詳細に検討する必要が
ある場合、上述のようにして表示された周波数スペクト
ルパターンをフリーズし、そのパターン上のある位置
(時刻)をカーソルなどで指定することにより、指定時
刻における速度成分の分布を演算器(図示せず)により
演算し、その分布を表示するようにしている。この速度
成分分布は、通常、図10に示すように、横軸に周波数
(血流速度に対応したドプラ偏移周波数)をとり、縦軸
に各周波数成分の強度(パワー)をとったものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た超音波ドプラ診断装置において、超音波振動子201
が受信するエコー信号には、血球の反射成分に伴うスペ
ックル成分が存在するため、このエコー信号を解析して
得られた速度成分分布は、図10に示すように縦軸(パ
ワーを表す軸)方向に大きく且つ小刻みに変動し過ぎる
傾向があり、血流状態を的確に反映させた分布像とは言
い難い。これにより、医師などの操作者が、そのように
変動が大きい速度成分分布像を観察しても、その全体像
がいかなるものかを把握することは難しい。このため、
血流状態を的確に反映させた分布像を表示させようとす
ると、必然的に、ドプラスペクトラム上での速度成分の
演算位置(時間位置)の指定をカーソルなどを使って何
回も繰り返し、その都度表示される速度成分分布画面を
見ながら、観察可能な分布像か否かをその都度判断しな
ければならない。このように、従来の超音波ドプラ診断
装置を使って流速ヒストグラムを表示させる場合、操作
者に過大な操作労力を強いることが多くなると共に、診
断時間も長時間化するという問題があった。
【0013】この発明は、上述した従来技術の問題に鑑
みてなされたもので、速度成分分布像におけるスペック
ルに起因した、強度(パワー)軸方向の変動を抑制し
て、速度成分分布の全体像を容易に認識できるようにす
るとともに、操作者の操作上の負担を軽減し、診断時間
の短縮を図ることのできる超音波ドプラ診断装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、この発明に係る超音波ドプラ診断装置は、被検体と
の間で超音波信号を送受信して当該被検体の断面をスキ
ャンする送受信手段と、この送受信手段により得られた
受信信号から、前記断面上の所望のレンジゲートで指定
した同一位置のドプラ信号を抽出する抽出手段と、この
抽出手段により抽出されたドプラ信号に基づいて時間軸
上の瞬時スペクトラムから成るドプラスペクトラムを演
算するスペクトラム演算手段と、このスペクトラム演算
手段の演算結果に基いて一方の軸を時間とし、かつ他方
の軸を周波数又は流速としたドプラスペクトラムをフリ
ーズして表示するスペクトラム表示手段とを有し、さら
に、前記瞬時スペクトラムを平均化する時間幅を操作者
が指定するための入力手段と、この入力手段により指定
された時間範囲の複数の瞬時スペクトラムに基づいて速
度成分毎の強度分布を表す速度成分分布を演算するヒス
トグラム演算手段と、このヒストグラム演算手段により
演算された速度成分分布を表示するヒストグラム表示手
段とを備えたことを主要な特徴とする。
【0015】好適には、前記ヒストグラム演算手段は、
前記複数の瞬時スペクトラムに対して速度成分の強度を
時間軸方向に平均処理、最大値検出処理、又はフィルタ
リング処理する手段として構成される。また、前記入力
手段は、例えば、前記スペクトラム表示手段により表示
されたドプラスペクトラム上で操作者が前記複数の瞬時
スペクトラムに相当する所望時間幅の情報を任意に指定
する手段である。
【0016】
【作用】この発明では、診断部位との間で超音波信号を
送受信することによる受信信号から、Bモード断層像上
で操作者が指定したレンジゲートの位置の血流に起因し
たドプラ信号が抽出される。このドプラ信号に基づい
て、血流速度に対応した流速(ドプラ偏移周波数)及び
その強度(パワー)の時間変化であるドプラスペクトラ
ムが演算され、モニタ上にフリーズして表示される。さ
らに、このドプラスペクトラム上で、操作者が所望の時
間幅を指定することなどにより、その時間幅に属する複
数の瞬時スペクトルが指定される。この複数の瞬時スペ
クトラムに基づいて、流速成分(ドプラ偏移周波数の成
分)毎の強度を表す速度成分分布が演算され、表示され
る。このときの演算は、例えば、指定された複数の瞬時
スペクトラムについて、各流速成分の強度を時間軸方向
に平均処理することにより行われる。この平均処理によ
り、例えば血流のスペックルに起因した、速度成分分布
における強度(パワー)の変動が小さくなる。ドプラス
ペクトラム上で、操作者が時間幅を任意に指定できるの
で、利便性及び汎用性に優れている。
【0017】
【実施例】以下、この発明の一実施例を、図1〜図4を
参照して説明する。
【0018】この実施例に係る超音波ドプラ診断装置は
図1に示すように、電子走査型の超音波プローブ(以
下、単にプローブという)11と、このプローブ11に
接続された電子走査部12とを備えている。
【0019】電子走査部12は、基準クロックを発生さ
せる基準発振器20と、その基準クロックを受けて遅延
駆動信号を生成するディレーライン21(後述する受信
時の遅延も兼用)と、このディレーライン21からの遅
延駆動信号を受けてプローブ11のアレイ型の圧電振動
子群を励振させるパルサ22とを備えている。また、こ
の電子走査部12には受信系の回路も内蔵されている。
つまり、プローブ11に接続された前置増幅器23と、
この前置増幅器23の出力信号を遅延させるディレーラ
イン21と、このディレーライン21の遅延信号を加算
する加算器24と、この加算器24の出力信号を対数増
幅及び包絡線検波に付す検波器25とを備えている。デ
ィレーライン21と加算器24とにより受信エコー信号
の整相加算が行われ、これにより電子走査に付される。
【0020】検波器25の出力信号はBモード断層像の
画像信号としてDSC(デジタル・スキャン・コンバー
タ)30に供給され、このDSC30において超音波走
査から標準TV走査の信号に変換される。DSC30の
変換信号は、D/A変換器31を介して表示器32(C
RT)に送られる。
【0021】電子走査部12の加算器24の出力端は、
さらに、位相検波用のミキサ40を介してローパスフィ
ルタ42に至る。ミキサ40及びローパスフィルタ42
は共に、図示していないが2チャンネルの構成である。
また電子走査部12の基準発振器20の出力端が、ミキ
サ40の一方のチャンネルに直接接続されるとともに、
90度移相器41を介してミキサ40他方のチャンネル
に接続されている。このため、電子走査部12における
整相加算された受信エコー信号がミキサ40に加えられ
るほか、基準発振器20からの基準信号f及び90度
の位相差をもった基準信号fがミキサ40の2チャン
ネルに各々加えられる。これにより、ミキサ40はドプ
ラ偏移信号fと「2f+f」の信号をローパスフ
ィルタ42に出力する。このローパスフィルタ42で
は、ミキサ40からの混合信号の内の高周波成分が除去
され、ドプラ偏移信号fのみが得られる。このドプラ
偏移信号fは血流情報を演算するための位相検波出力
であり、次段のドプラスペクトラム演算部50に出力さ
れる。
【0022】このドプラスペクトラム演算部50は、サ
ンプリングパルスを出力するレンジゲート回路60と、
そのサンプリングパルスを入力するサンプルホールド回
路61と、このサンプルホールド回路61の出力をフィ
ルタリングするバンドパスフィルタ62と、このフィル
タ62の出力をデジタル化するA/D変換器63と、こ
のA/D変換器63の変換出力を周波数解析する周波数
分析器64とを備えている。サンプルホールド回路6
1、バンドパスフィルタ62、及びA/D変換器63は
図示していないが共に2チャンネルである。周波数分析
器64の出力端はDSC30に接続されている。
【0023】サンプルホールド回路61は、生体内の所
望深さ位置の血流だけのドプラ信号を抽出しようとする
もので、前記ローパルスフィルタ42の位相検波出力信
号がサンプルホールド回路61の入力信号となってい
る。
【0024】レンジゲート回路60は、操作パネル70
から与えられるレンジゲート位置信号に基づいて遅延時
間を任意に設定可能な回路構成になっており、振動子1
1と所望のレンジゲート(サンプリングポイント、サン
プリングボリュームともいう)の位置との間を超音波信
号が往復するに相当する時間だけレートパルスよりも遅
延させ、且つ、設定幅を有するサンプリングパルスをサ
ンプルホールド回路61に供給する。これにより、サン
プルホールド回路61は、ローパスフィルタ42からの
位相検波出力信号をサンプリングパルスでサンプルホー
ルドする。このサンプルホールドされた位相検波信号は
その後、バンドパスフィルタ62を通過し、このフィル
タ62により、サンプルホールド回路61でのサンプリ
ングにより生じた高調波成分、血管壁などからの固定反
射信号、さらには比較的遅い動きに拠るドプラ偏移周波
数に相当した成分が除去され、血流に拠るドプラ信号の
みが抽出される。
【0025】周波数分析器64は高速フーリエ変換回路
を有し、バンドパスフィルタ62から入力したドプラ偏
移周波数の周波数解析を行い、その解析結果、即ちドプ
ラスペクトラム(周波数スペクトルパターン)をDSC
30に出力する。これにより、表示器32には、Bモー
ド断層像と並列にドプラスペクトルが分割表示されるよ
うになっている。
【0026】また、ドプラスペクトラム演算部50の出
力側には、フリーズ用メモリ71及びスペクトラム平均
回路72が設けられている。フリーズ用メモリ71は、
周波数分析器64の分析結果を随時、数フレーム分、更
新・記憶可能になっており、入力手段としての操作パネ
ル70からフリーズ指令信号が与えられたとき、記憶し
ている指定フレームのドプラスペクトラムのデータをD
SC30及びスペクトラム平均回路72に出力するよう
になっている。これにより、オペレータが操作パネル7
0からドプラスペクトラムのフリーズを指定すると、リ
アルタイムに表示されていたドプラスペクトラムの画像
がフリーズされる。
【0027】スペクトラム平均回路72はコンピュータ
を有し、ドプララスペクトラムに対するフリーズ指令信
号に付勢されて、フリーズ用メモリ71からフリーズに
係るドプラスペクトラムデータを読み込む。そして、後
述する図2記載の処理に基づいて、設定時間幅内の複数
の瞬時スペクトラム(この瞬時スペクトラムが時間軸方
向に積み重なってドプラスペクトラムを形成する)の平
均値を演算しながら速度成分分布、即ち流速ヒストグラ
ムを演算し、その演算結果をDSC30に供給する。こ
れにより、表示器32には流速ヒストグラムも合わせて
表示される。
【0028】操作パネル70はオペレータが任意に操作
可能なトラックボールやキーボードを備えており、この
パネル70の操作を介して前述したレンジゲート位置信
号及びフリーズ指令信号を出力するとともに、表示器3
2に表示されたドプラスペクトラム上の演算位置(即
ち、時間位置)信号をスペクトラム平均回路72に出力
する。なお、レンジゲート位置信号及び演算位置信号に
対応して所定のマーカーが図示しないグラフィックメモ
リから読み出され、これらのマーカーが表示器32に表
示される。
【0029】さらに、レンジゲート位置信号は電子走査
部12のディレーライン21にも送られ、指定したレン
ジゲートの位置に対応した走査線上に受信超音波ビーム
を絞ることができるようになっている。
【0030】続いて、スペクトラム平均回路72で実施
される図2の処理を中心に、図3及び図4を参照して全
体の動作を説明する。
【0031】この超音波ドプラ診断装置が起動すると、
電子走査部12は、基準信号発生器20から出力される
レートパルス及び図示しない制御回路から出力される、
サンプルモード及びラスタアドレスを指令する走査指令
信号(例えばセクタ走査の信号)に付勢されて、プロー
ブ11を励振し、超音波信号を被検体内に送波させる。
この超音波信号は被検体の各部で反射し、再びプローブ
11で受信される。プローブ11からは超音波エコー信
号に対応する電気信号に変換され、電子走査部12で受
信フォーカスが掛けられ、指定ラスタアドレスの画像信
号に検波・変換される。このBモード断層像を形成する
画像信号はDSC30に供給される。
【0032】一方、電子走査部12で受信フォーカス
(整相加算)が掛けられた、指定ラスタアドレスの受信
信号はミキサ40、ローパルスフィルタ42で位相検波
された後、ドプラスペクトラム演算部50に出力され
る。この演算部50では、オペレータが指定したレンジ
ゲートの位置のドプラ信号がサンプルされ、リアルタイ
ムに周波数解析される。この解析で得られるドプラスペ
クトラムのデータは、DSC30に出力される。
【0033】DSC30に供給されたBモードの画像デ
ータ及びドプラスペクトラムのデータは、標準TV走査
方式の画像に合成・変換され、D/A変換器31を介し
て表示器32に供給される。この結果、表示器32に
は、診断部位のBモード断層像とドプラスペクトラムと
が例えば分割表示される。この内、ドプラスペクトラム
は例えば図3に示すように、横軸に時間を、縦軸にドプ
ラ偏移周波数(流速)をとってリアルタイムに表示され
る。
【0034】以上の処理及び表示に並行し、スペクトラ
ム平均回路72は図2記載の処理を行っている。
【0035】まず、図2のステップ80において、スペ
クトラム平均回路72は、操作パネル70からのフリー
ズ指令信号をチェックすることにより、ドプラスペクト
ラムのフリーズが指令されたか否かを判断する。この判
断でNO(フリーズは指令されていない)のときは、ス
テップ80の判断を繰り返しながら待機する。しかし、
YES(フリーズ指令)となるときは、ステップ81以
降の処理に移る。
【0036】ステップ81では、フリーズが指令された
ときのドプラスペクトラムデータをフリーズ用メモリ7
1から読み込む。次いでステップ82では、操作者によ
る操作パネル70の操作により所定のマーカー(例えば
図3に示すように矢印のマーカーM)をドプラスペクト
ル上に表示する。次いでステップ83では、操作者によ
るマーカー位置の設定に基づきその位置の信号(演算中
心位置信号)、すなわち表示されているドプラスペクト
ルでの時間軸(横軸)上の1点を示す信号を読み込む。
【0037】さらに、スペクトラム平均回路72は、ス
テップ84において、予め記憶しているヒストグラム演
算用の時間幅TW(図3の仮想線参照)を読み出す。そ
して、ステップ85にて、ステップ83で読み込んだ演
算中心位置を基点に、ステップ84で読み出した時間幅
TWに属する複数の瞬時スペクトラムを特定する。
【0038】そして、ステップ86で、ドプラ偏移周波
数成分(流速成分)毎に、特定した複数の瞬時スペクト
ラムのパワー(強度)を時間軸方向に平均する。この平
均処理は例えば単純平均でもよい。この平均処理によ
り、指定時間幅TW内の周波数成分(流速成分)の各々
とそのパワー(強度)との分布データが指定位置(即
ち、マーカーMと時間幅TWで決まる矩形状の範囲)に
おける流速ヒストグラム(速度成分分布)データとして
形成される。
【0039】次いでステップ87において、ステップ8
6で演算した流速ヒストグラムデータが表示される。こ
の結果、表示器32には、例えば図4に示す流速ヒスト
グラムが断層像及びドプラスペクトラムと合わせて表示
される。
【0040】この図4の流速ヒストグラム(速度成分分
布)から分かるように、時間軸方向の平均処理により、
流速分布範囲を示すf〜fの範囲において、従来の
解析結果である図10の流速ヒストグラムに比べ、パワ
ーの変動が著しく抑制されている。つまり、図10に示
された、スペックル成分に因るパワーの小刻みな変動が
平滑化により解消されて、流速分布範囲全体に滑らかに
なっている。
【0041】したがって、前述したBモード断層像及び
ドプラスペクトラムを表示させている途中で、操作パネ
ル70を操作することにより、血流状態を的確に反映さ
せ且つスペックルに起因した変動の小さい流速ヒストグ
ラムが直ちに自動表示される。この流速ヒストグラムは
縦軸方向の無用な変動が抑制されているので、その全体
像を容易に認識できる。また、ドプラスペクトラム上で
速度成分の演算位置(時間位置)を何回も指定し直した
り、観察可能な流速ヒストグラムか否かをその都度判断
するなどの手間が殆ど不要になるから、操作者の操作上
の負担が著しく軽減され、また流速ヒストグラムの解析
を伴う診断の時間も大幅に短縮される。
【0042】なお、上記実施例においては、ドプラスペ
クトラム上で指定する演算中心位置(時刻)と組み合わ
せて指定する時間幅TWは予め装置に記憶させておき、
その幅を表示しない構成としたが、この発明は必ずしも
そのような構成に限定されることなく、例えば図5、図
6に示す構成にしてもよい。図5では、演算中心位置を
マーカーM1で表示した後、予め記憶している時間幅T
WをマーカーM2で表示し、2つのマーカーで平均処理
する時間軸方向の範囲を明示するようにしてもよい。ま
た、図6記載のものは、時間幅TWの矩形状ROIを所
望の解析位置に合わせることで、演算位置及び範囲を明
示している。
【0043】さらに、上記実施例では時間幅TWを前も
って指定・記憶させておく構成としたが、この発明で
は、例えば、ドプラスペクトラム上で演算中心位置を指
定するときに、操作者の意思による所望値の時間幅TW
を合わせて指定するようにしてもよい。これにより、操
作者が思い通りに時間幅を選択でき、利便性が高まる
し、汎用性の高い装置になる。
【0044】さらにまた、上記実施例では演算中心位置
を指定する構成としたが、時間幅TWの一方の端の位置
又はその幅TW内の一定比率の位置を指定するようにし
てもよい。
【0045】さらにまた、上記演算中心位置を指定する
代わりに、図7に示すように、ドプラスペクトラム上で
2つの点(時刻)をマーカーM3,M4で指示するよう
にしてもよい。これにより、マーカーM3,M4の幅が
上述の時間幅となり、その幅内の周波数スペクトラム
(瞬時スペクトラム)が平均処理される。これによって
も、演算位置(時間幅を含む)を操作者が自在に選択で
きる。
【0046】さらにまた、上記実施例における流速ヒス
トグラムの演算は、各周波数成分の強度について時間軸
方向に平均する処理としたが、必ずしもそのような処理
内容に限定されない。例えば、各周波数成分の強度につ
いて、指定時間幅内で、時間軸方向の最大値を検出する
処理としてもよいし、また一定強度幅内の値を採用する
などのフィルタリング処理としてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る超
音波ドプラ診断装置では、ドプラスペクトラム上で医師
などの操作者が複数の瞬時スペクトラムを時間幅の指示
などにより指定すると、その複数の瞬時スペクトラムに
基づいて流体の速度成分毎の強度分布を表す速度成分分
布が演算(例えば時間軸方向の平均処理)され、その速
度成分分布が表示される。このため、速度成分分布(流
速ヒストグラム)の強度(パワー)の変動が大幅に抑制
され、血流状態を的確に反映した速度成分分布が得られ
る。したがって、医師などが速度成分分布を観察するこ
とにより血流状態を正確且つ容易に認識でき、一方、そ
のような高精度な速度成分分布を表示させる操作上の手
間・負担も軽減され、診断時間の短縮も図られる。とく
に、複数の瞬時スペクトラムの数を規定する時間幅をド
プラスペクトラム上で任意に指定できるようにすること
で、操作者にとって利便性が高まり、高機能の装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る超音波ドプラ診断装
置のブロック図。
【図2】スペクトラム平均回路の処理例を示すフローチ
ャート。
【図3】ドプラスペクトラムの一例に係るスペクトラム
図。
【図4】本発明の流速ヒストグラム(速度成分分布)の
一例に係るヒストグラム図。
【図5】ドプラスペクトラム上での演算位置の別の指定
例を説明する図。
【図6】ドプラスペクトラム上での演算位置の更に別の
指定例を説明する図。
【図7】ドプラスペクトラム上での演算位置の更に別の
指定例を説明する図。
【図8】従来の超音波ドプラ診断装置の一例を示すブロ
ック図。
【図9】図8の超音波ドプラ診断装置の動作を示すタイ
ミングチャート。
【図10】従来の流速ヒストグラム(速度成分分布)を
示すヒストグラム図。
【符号の説明】
11 プローブ 12 電子走査部 30 DSC 31 D/A変換器 32 表示器 40 ミキサ 42 ローパスフィルタ 50 ドプラスペクトラム演算部 70 操作パネル 71 フリーズ用メモリ 72 スペクトラム平均回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安原 一彰 千葉県千葉市若葉区千城台北4−2−5 (56)参考文献 特開 平3−15453(JP,A) 特開 平3−210248(JP,A) 実開 昭63−105089(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体との間で超音波信号を送受信して
    当該被検体の断面をスキャンする送受信手段と、 この送受信手段により得られた受信信号から、前記断面
    上の所望のレンジゲートで指定した同一位置のドプラ信
    号を抽出する抽出手段と、 この抽出手段により抽出されたドプラ信号に基づいて時
    間軸上の瞬時スペクトラムから成るドプラスペクトラム
    を演算するスペクトラム演算手段と、 このスペクトラム演算手段の演算結果に基いて一方の軸
    を時間とし、かつ他方の軸を周波数又は流速としたドプ
    ラスペクトラムをフリーズして表示するスペクトラム表
    示手段とを有する超音波ドプラ診断装置において、 前記瞬時スペクトラムを平均化する時間幅を操作者が指
    定するための入力手段と、 この入力手段により指定された時間範囲の複数の瞬時ス
    ペクトラムに基づいて速度成分毎の強度分布を表す速度
    成分分布を演算するヒストグラム演算手段と、 このヒストグラム演算手段により演算された速度成分分
    布を表示するヒストグラム表示手段とを備えたことを特
    徴とする超音波ドプラ診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波ドプラ診断装置
    において、 前記ヒストグラム演算手段は、前記複数の瞬時スペクト
    ラムに対して速度成分の強度を時間軸方向に平均処理、
    最大値検出処理、又はフィルタリング処理する手段であ
    る超音波ドプラ断層装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の超音波ドプラ診断
    装置において、 前記入力手段は、前記スペクトラム表示手段により表示
    されたドプラスペクトラム上で操作者が前記複数の瞬時
    スペクトラムに相当する所望時間幅の情報を任意に指定
    する手段である超音波ドプラ断層装置。
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