JP3287952B2 - 人工歯根 - Google Patents

人工歯根

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下部のフィクスチャーを
顎骨内に埋入し、上側に義歯を冠着する人工歯根に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】人工歯根の歴史は比較的古く、1930
年代より素材の開発、形状、術式の改良がなされてお
り、従来より利用されている人工歯根は、長期的安定
に、動揺なく植立維持させる為には組織学的に毒性がな
く且つ軟組織、硬組織の両方に為害性のない純チタン、
チタン合金、コバルト/クロム合金等の金属材料や、ア
ルミナ、ジルコニア、HAP等のセラミック材料が用い
られ、形状としてはネジ型、中空型、ブレード型など、
さらに術式としては一回植立法、二回植立法があり、一
回植立法には例えば特公昭56ー50975号に示され
る1ピース型と例えば特公平3ー31288、特開平4
ー96745号や特開平5ー293123号に示される
2ピース型がある。
【0003】上記の術式のうち、一回植立法の1ピース
型では歯冠部のポストを口腔内に露出させた状態で骨接
合を図る方法であるが、この方法ではフィクスチャーと
顎骨が充分に接合しないうちに対合歯と咬合させるた
め、動揺、脱落する危険があった。そこで、最近では一
回法2ピース、二回法インプラントのようにフィクスチ
ャーと骨との接合が充分達成された後にポストを装着す
る術式が一般的である。
【0004】
【従来技術の課題】しかしながら上記従来技術には、以
下のような課題があった。すなわち、前記一回法2ピー
ス、二回法インプラントでは、ポストの回転防止とフィ
クスチャーとの安定的固定を行うために、形状、機構が
複雑になっており、強度的な観点から純チタン、チタン
合金、コバルト/クロム合金等の金属材料が使用されて
いる。しかし、これら金属材料は軟組織との親和性にお
いてセラミック材料にかなり劣り、感染などにより人工
歯根が脱落したり、抜去してしまわなければならない事
態に至ことがあった。
【0005】また、金属の表面にアパタイトなどのセラ
ミック材をコートする方法があったが、金属とセラミッ
クの弾性率及び熱膨張率の差によるコート層の破壊を原
因とする感染などにより人工歯根が脱落したり、抜去せ
ざろう得ないという問題があった。
【0006】さらに、これらの人工歯根ではいずれも、
ポストを固定するためフィクスチャーの上面から軸線方
向に沿って内方に内ねじを形成したポスト固定用穴が形
成され、フィクチャーとポストを着脱自在に固定してい
たが、ねじ部分に緩みがある場合、ねじ部分に緩みがな
いようポストを作り直さなければならない等の不具合が
あった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するため本願発明は、フィクスチャーを主としてアル
ミナ、サファイア、ジルコニア等の高強度セラミックで
構成するととともに、埋入時に器具で保持され且つ前記
ポストと係合する上端部の外表面が平均面粗さ0.03
μm 以下の鏡面とされ、さらにポスト取付穴の内壁面を
平均面粗さが0.5〜2.0μm の粗面の盲穴とした。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。図1は、本実施例による人工歯根1を示し、この人
工歯根1はフィクスチャー10が主にアルミナ、サファ
イア、ジルコニア等の高強度セラミックで構成されてい
る。
【0009】上記フィクスチャー10は、下側にセルフ
タッピングの外ねじ11が形成され、その上方には緻密
骨との接合力を補強するテーパー部12、さらに上面1
3には平面視正六角形状でフィクスチャー10埋入時に
埋入器具によって保持され且つ埋入後には義歯を冠着す
るポストPと係合する上端部14が形成され、またその
中心部位には軸線方向に沿って内方に盲穴のポスト固定
用穴15が形成された構造となっているなお、高強度セ
ラミックとは曲げ強度で5000kgf/cm2 以上の
強度を有する材料であって、例えば上記以外にもSi
C,Si3 4 ,TiN,TiC,TiO2, NoC,
NoO2 ,WCなどが挙げられる。ただし、生体との親
和性の観点からは上記アルミナ、サファイア、ジルコニ
アを用いることが最も好ましい。また、フィクスチャー
10は必ずしも一体のものである必要はなく、例えば図
2に示すように、骨と接する部分をフィクスチャー10
の芯材10aを挿入すべく筒状をなした中空筒体20と
して別体として構成し、公知の方法でガラス付けしたも
のであっても良い。いずれにしても、骨と接する表面を
生体為害性のない材料で構成することが肝要である。
【0010】また、上記上端部14の外表面は研削加工
後に研磨処理した平均面粗さ0.03μm 以下で好まし
くは0.01μm 以下の鏡面であり、さらにポスト取付
穴15の内壁面はブラスト等により処理した平均面粗さ
0.5〜1.5μm で好ましくは1.0〜1.5μm の
粗面である。
【0011】図3は別実施例による人工歯根1を示し、
この人工歯根1は前述図1に示す人工歯根1の構成のう
ち、フィクスチャー10の下側外面を盲面とし、かつ該
外面を含む外側部位16に公知の方法でもって、フィク
スチャー10の芯材10aを挿入すべく筒状をなし且つ
平均孔径100〜200μm で平均気孔率30〜50%
のポーラス17を形成したもので、この部位には早期且
つ強力に骨と癒合すべく骨との親和性に優れたリン酸カ
ルシウム系材料を用いると良い。
【0012】図4は前記図1における部位Aを拡大した
断面図であるが、フィクスチャー10の上端部14の上
縁角部及び下縁角部に各曲率半径r、R≦1mmの丸み
を加えることによって、この部位におけるクラックの発
生を確実に抑えることができる。
【0013】なお、骨親和性に優れたリン酸カルシウム
としては、アパタイト、トリカルシウムフォスフェー
ト、オクタカルシウムフォスフェート、テトラカルシウ
ムフォスフェートなどを挙げることができる。
【0014】このように構成される人工歯根1は、骨内
に埋入されるフィクスチャー10の骨と接する表面を生
体為害性のないセラミックで構成しているので感染など
により人工歯根1が脱落、抜去してしまうという問題が
なく、またフィクチャー10を主として高強度セラミッ
クで構成し、かつ骨と接する表面を含む部位を別体で構
成しこれを結合したものであっても、セラミック同士で
あるので弾性率及び熱膨張率が近似し上記骨と接する表
面を含む部位が破断したり、それ以外の部位を含めて破
損することがない。
【0015】さらに、フィクスチャー10の上面13に
形成され、埋入時に器具で保持され且つ前記ポストと係
合する上端部14の外表面を平均面粗さ0.03μm 以
下の鏡面としてこの部位のトルク強度を大きくしたの
で、特に埋入時の器具との係合によるトルクによっても
微小クラックなどが発生することがなく、また、前記ポ
スト取付穴15を盲穴としポストPとの固定をセメント
で行うようにしたことから、構造が簡単となった上に固
定部分の緩み等の問題から開放され、さらにポスト取付
穴15の内壁面を平均面粗さ0.5〜2.0μm の粗面
としたことでセメントによる固定力を大きくするととも
にポスト取付穴15の内壁面にかかる応力によってクラ
ックが発生することがないようにした。
【0016】なお前記上端部14は、表面の平均面粗さ
が0.03μm より大きい時には、トルク強度が過小と
なり、埋入時のトルクによってこの部分にクラックが発
生し、固定後の応力によりフィクスチャーが破損してし
まう恐れがある。
【0017】また、前記ポスト取付穴15の内壁面の平
均面粗さが0.5μm より小さいと、セメントによるポ
ストのセメントによる接着固定力が過小となり、他方
2.0μm より大きいと応力によりクラックが発生しや
すくなる。
【0018】さらに、フィクスチャー10の上端部14
の上縁角部及び下縁角部の各曲率半径r、R>1mmで
ある場合、この部位の機械的強度が低下して骨内埋入時
にクラックや欠けが発生した事例があった。他方、上記
各曲率半径r、R≦0.4さらに好ましくはr、R≦
0.2の時に特にトルク強度を含めた上端部14の機械
的強度が大きかった。
【0019】実験例1 前述図1に示す人工歯根1をサファイアで構成し、その
上端面14の外表面における表面粗さを表1に示すよう
に研磨した。
【0020】
【表1】
【0021】これらの人工歯根について、公知の測定機
器を用いて上端面14のトルク(ねじれ)強度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0022】一般にインプラント埋入時のトルクは約
5.0kgf/・cmであるが、表1に示すように表面粗さが
0.01μm より大きい時には、トルク強度が過小であ
り、フィクスチャー自体にクラックが発生する恐れがあ
ることが判った。
【0023】実験例2 人工歯根1のポスト固定穴15の内壁面の表面粗さと接
合強度との関係を確かめるため、バルク状のサファイア
を作製し、その表面粗さを表2に示すように変え、剪断
法により接合強度を測定した。
【0024】
【表2】
【0025】セメントはレジン系のバナビア、被接着体
はPtーPd合金を使用した。その結果を表2に示す。
【0026】表2に示すようにバルク状のサファイアの
表面粗さが0.01より小さい時に、接合強度が過小で
あった。しかしながら、バルク状のサファイアの表面粗
さが2.0より大きい時にクラック発生の事例が認めら
れた。
【0027】実験例3 前述図1に示す人工歯根1をジルコニアにて作製し、実
験例1と同様の実験を行った。その結果を表3に示す。
表3に示すように本実験の結果は、前記実験例1とほぼ
同等のものであった。
【0028】
【表3】
【0029】実験例4 バルク状のジルコニアを作製し、実験例2と同様の実験
を行った。その結果を表4に示す。表4に示すように本
実験の結果は、前記実験例2とほぼ同等のものであっ
た。
【0030】
【表4】
【0031】実験例5 前述図1に示す人工歯根1をジルコニアにて作製し、実
験例1と同様の実験を行った。その結果を表5に示す。
表5に示すように本実験の結果は、前記実験例1とほぼ
同等のものであった。
【0032】
【表5】
【0033】実験例4 バルク状のジルコニアを作製し、実験例2と同様の実験
を行った。その結果を表6に示す。表6に示すように本
実験の結果は、前記実験例2とほぼ同等のものであっ
た。
【0034】
【表6】
【0035】
【発明の効果】叙上のように、本願発明は、骨内に埋入
されるフィクスチャーの骨と接する表面を生体為害性の
ないセラミックで構成しているので感染などにより人工
歯根が脱落、抜去してしまうという問題がなく、またフ
ィクチャーを主として高強度セラミックで構成し、かつ
骨と接する表面を含む部位を別体で構成しこれを結合し
たものであっても、セラミック同士であるので弾性率が
近似し上記骨と接する表面を含む部位が破断したり、そ
れ以外の部位を含めて破折することがない。
【0036】さらに、フィクスチャーの上面に形成さ
れ、埋入時に器具で保持され且つ前記ポストと係合する
上端部の外表面を平均面粗さ0.03μm 以下の鏡面と
しこの部位のトルク強度を大きくしたので、特に埋入時
の器具との係合によるトルクによっても微小クラックな
どが発生することがなく、また、前記ポスト取付穴を盲
穴としポストとの固定をセメントで行うようにしたこと
から、構造が簡単となった上に固定部分の緩み等の問題
から開放され、さらにポスト取付穴の内壁面を平均面粗
さ0.5〜2.0μm の粗面としたことでセメントによ
る固定力を大きくするとともにポスト取付穴の内壁面に
かかる応力によってクラックが発生することがないよう
にした。
【0037】以上のように、本願発明は生体内で非常に
安定的かつ安全な人工歯根を提供すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明実施例による人工歯根の斜視図であ
る。
【図2】本願発明他実施例による人工歯根の斜視図であ
る。
【図3】本願発明他実施例による人工歯根の斜視図であ
る。
【図4】図1における部位Aを拡大した断面図である。
【符号の説明】
P ポスト 1 人工歯根 10 フィクスチャー 11 外ねじ 12 テーパー部 13 上面 14 上端部 15 ポスト固定用穴 16 外側部位 17 ポーラス 20 中空筒体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顎骨内に埋入する下部のフィクスチャー
    の上側に義歯を冠着するポストを植立する人工歯根であ
    って、該人工歯根は、上記フィクスチャーを主としてア
    ルミナ、サファイア、ジルコニア等の高強度セラミック
    で構成するとともに、埋入時に器具で保持され且つ前記
    ポストと係合する上端部の外表面が平均面粗さ0.03
    μm 以下の鏡面とされ、さらに上面より軸線方向に沿っ
    て内方には内壁面の平均面粗さが0.5〜2.0μm の
    粗面とされた盲穴のポスト取付穴が形成されていること
    を特徴とする人工歯根。
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