JP3292576B2 - 人工歯根 - Google Patents

人工歯根

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯周病等が原因とな
り、天然の歯牙を抜去しなければならないような症例に
おいて、人工歯冠などの人工物による上部構造を口腔内
に取りつけるために歯槽骨と係合することによって固定
される人工歯根に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工歯根としてサブマージブ
ルタイプというものがあり、これは、フィクスチャーの
みを歯槽骨内に埋入して上部位の嵌合部をキャップで封
鎖した後、歯肉を被覆した状態で骨内に小負荷状態で数
カ月間埋設し、フィクスチャーが安定的に歯槽骨に固定
されてから、歯肉を開いて上記キャップを取り外し、フ
ィクスチャーの上端側に人工歯冠などの上部構造を取り
つけるべく歯肉を貫通して口腔内に突出する支台部材を
螺合するように構成されたものであり、このような人工
歯根においては、図4に示すようにフィクスチャーFの
上端面が歯槽骨Bと歯肉Sとの境界に位置するように埋
入し、さらに骨と係合するよう、フィクスチャーの周囲
に外ネジF1 を形成し、さらに骨との固定力を高めるべ
く少なくとも歯槽骨Bと接する表面を骨癒合性に優れる
バイオアクティブな材質、例えばヒドロキシアパタイト
で構成し、さらにその表面に細孔または凹凸を形成して
いた。
【0003】
【従来技術の課題】しかしながら、上記従来の人工歯根
においては、小負荷状態でフィクスチャーFを保つ目的
で、歯肉Sを介しても極力応力が伝達しないように、粘
膜面との接触面積を調整した床義歯を患者の日常生活に
用いさせるが、キャップCが多少でも歯槽骨Bから突出
していれば、歯肉SがキャップCの上面と床義歯粘膜面
に挟み込まれ、歯肉Sの裂開が生じ、フィクスチャーF
の周囲組織が細菌に感染し、骨固定力を失うという不具
合があった。
【0004】他方、このような問題が起こらない場合で
も、図5に示すように骨Bが前記キャップCの上側にオ
ーバーハングして治癒するため、前記支台部材を取りつ
ける際に、オーバーハングした骨を切除、除去する必要
があり、術者にとって手間であるとともに、骨に必要以
上の損傷を与え、過大な骨吸収を起こしてしまうという
不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明の人工歯根は、フィクスチャーをその上端
面が歯槽骨と歯肉の境界より下方に位置する程度に短め
にして、このフィクスチャーの上側に、該フィクスチャ
ーとともに骨内に一定期間埋入される中間部材とこの中
間部材に替わって歯槽骨から歯肉を貫通して口腔内に突
出する支台部材を選択的に着脱自在に固定できる構造と
した。
【0006】また、前記中間部材は少なくとも骨と接す
る表面を生体為害性も骨癒合性もない材質で構成する
か、又は、骨癒合性のある金属材質で構成し且つ外表面
を鏡面状とした。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。
【0008】図1は、人工歯根を示し、1は歯槽骨内に
埋入固定されるべく好ましくは骨癒合性外表面を有した
フィクスチャーであり、2は該フィクスチャー1の上端
側に着脱自在で、フィクスチャー1とともに歯槽骨内に
一定期間埋入される中間部材であり、3は該中間部材2
に替わってフィクスチャー1の上端側に固定されるとと
もに先端部位が口腔内に突出する支台部材であり、この
支台部材3の先端部位で人工歯冠などの人工物による上
部構造を固定するようになっている。
【0009】上記フィクスチャー1は、全体として円筒
状をなし、骨と機械的に係合するため、下部位に外ネジ
1aを形成するとともに、上端面1cに開口したネジ穴
1dでもって中間部材2および支台部材3を選択的且つ
着脱自在に固定できるようになっている。
【0010】上記中間部材は2は、全体として円筒状を
なし、中心軸方向を貫通するボルト挿入孔2bが形成さ
れ、また、上部位には、このボルト挿入孔2bに貫通し
且つボルトNのヘッド部N1 を収容するべく上側に開口
する深めのザグリ部2cが形成されており、ボルトNに
よってフィクスチャー1の上端側に着脱自在に固定する
ことができるようになっている。
【0011】また、この中間部材2は、少なくとも骨と
接する表面を生体為害性も骨癒合性もない材質で構成す
るか、又は、骨癒合性のある金属材質で構成した場合、
表面を鏡面状に処理し、非骨癒合性外表面としている。
【0012】前記支台部材3は、全体として截頭円錐状
をなし、ボルト固定用にボルト挿入孔3aとザグリ部3
bが形成されており、ボルトLによってフィクスチャー
1の上端側に固定することができるようになっている。
【0013】このように構成される人工歯根1を歯槽骨
Bによって固定するには、図2に示すように、まず、フ
ィクスチャー1を、その上端面1cが歯槽骨Bと歯肉S
の境界より下方に位置させるように埋入し、その上に、
中間部材2をボルトNで固定し、この状態で上側を歯肉
Sで被覆する。
【0014】この時、中間部材2の上端が歯肉S内に突
出しないよう、いくつかのサイズの中間部材2を用意し
ておくか、又は、中間部材2を手術中に整形して中間部
材2の上端が歯肉S内に突出しないよう調整する。これ
によって歯肉Sが中間部材2と床義歯粘膜面に挟み込ま
れて歯肉Sの裂開が生じる事態を回避することができ、
したがってフィクスチャー1の周囲の組織が細菌に感染
し、壊死することによって骨固定を失うというような不
具合は発生しないのである。
【0015】続いて、上記歯肉Sの被覆後、フィクスチ
ャー1と歯槽骨Bが安定的に癒合するよう、一定期間経
過後に上側の歯肉Sを開く。この時、中間部材2は生体
為害性のない非骨癒合性外表面を有しているので、歯槽
骨Bと直接癒合せず、したがって、歯槽骨Bに過大な応
力を加えて部分的に骨吸収を引き起こしたり、あるいは
歯槽骨Bが中間部材2の上端側にオーバーハングするこ
ともない。
【0016】最後に、フィクスチャー1から中間部材2
を取り外し、図3に示すように中間部材2の替わって支
台部材3を螺着し、その先端部位を口腔内に突出させ、
これに人工歯冠など人工物による上部構造を装着する。
この時、前述のように歯槽骨Bが中間部材2の上端側に
オーバーハングすることがないので、余分な骨切りを行
う必要がない。
【0017】このように作用する人工歯根を構成する各
部材の材質について説明するに、前記フィクスチャー1
は、骨と癒合するべく、全体を骨癒合性を有する金属材
料、すなわち、純チタン、チタン合金、コバルト・クロ
ム・モリブデン合金、ステンレス鋼で構成したり、或い
は少なくとも骨と接する表面を、上記の骨癒合性を有す
る金属材料又は、HAP、TCP、OCP、ポリ乳酸、
カルボキシルメチルキチン等の骨癒合性を有する材料で
構成することが好ましく、さらに、骨との固定力を高め
るため表面に凹凸や、細孔を形成することが好ましい。
【0018】また、中間部材2は、骨と癒合しないよう
に、少なくとも骨と接する表面を生体為害性がなく且つ
骨癒合性のない材料、例えば、セラミック材料として
は、単結晶アルミナ、多結晶アルミナ、ジルコニア、炭
化ケイ素、炭素系セラミックスなど、高分子材料として
は、HDPE、シリコン、ポリビニールアルコールなど
を用いることができ、或いは、前記骨癒合性を有する金
属材料でも、その表面を鏡面化して用いることができ
る。
【0019】なお、中間部材2の少なくとも骨と接する
表面を上記骨癒合性のない材料で構成する場合、その表
面の面粗度は1μm 以下であることが好ましい。すなわ
ち、面粗度が1μm より大きいと、歯槽骨Bと上記表面
の凹凸が機械的に係合し、前述の骨吸収や骨のオーバー
ハングの問題が発生する恐れがある。また、前記骨癒合
性を有する金属材料を用いる場合、上記面粗度は0.5
μm 以下であることが好ましい。すなわち、面粗度が
0.5μm 以下であれば、フィクスチャー1が歯槽骨B
内に安定的に固定されても中間部材2と骨との癒合は非
常に弱く、前述の骨吸収や骨のオーバーハングの問題が
発生する恐れはなく、他方0.5μm より大きければ骨
との癒合が大きく前述の骨吸収や骨のオーバーハングの
問題が発生する恐れがある。
【0020】なお、中間部材2に、例えば多結晶アルミ
ナなどのセラミック材料や上記高分子材料を用いた場
合、図3に示す如く、患者の歯肉の厚みや形状に併せて
中間部材2の一部を術前や術中に整形、切除したりする
ことによって、中間部材2が歯肉より突出してしまった
りすることを防止することができ、歯肉Sが中間部材2
と床義歯粘膜面に挟み込まれ、歯肉Sの裂開が生じ、フ
ィクスチャー1の周囲組織が細菌に感染し、骨固定を失
うという不具合が発生しない。
【0021】なお、前記支台部材3は、一般に軟組織と
の接着性、密着性に優れるとされる材質、例えばチタン
合金などを用いることができる。
【0022】
【発明の効果】叙上のように、本願発明の人工歯根は、
フィクスチャーをその上端面が歯槽骨と歯肉の境界より
下方に位置する程度に短めとして、このフィクスチャー
の上側に、該フィクスチャーとともに骨内に一定期間埋
入される中間部材とこの中間部材に替わって歯槽骨から
歯肉を貫通して口腔内に突出する支台部材を選択的かつ
着脱自在に固定できる構造としたので、中間部材の上端
が歯肉内に突出しないよう、いくつかのサイズの中間部
材を用意しておくか、又は、中間部材を手術中に整形す
ることによって中間部材の上端が歯肉内に突出しないよ
う調整することができる。これによって、歯肉が中間部
材と床義歯粘膜面に挟み込まれて歯肉が裂開することも
なく、したがってフィクスチャーの周囲組織が細菌に感
染し、骨固定を失うというような不具合が発生しない。
【0023】また、前記中間部材は少なくとも骨と接す
る表面を生体為害性も骨癒合性もない材質で構成する
か、又は、骨癒合性のある金属材質で構成し且つ鏡面状
として処理したので、非骨癒合性外表面を有している。
したがって、歯槽骨が中間部材の上端側にオーバーハン
グしないので、余分な骨切りを行う必要がなく、安全で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の人工歯根の分解斜視図である。
【図2】図1の人工歯根を構成するフクスチャーに中間
部材を固定して歯槽骨内に埋入した状態を示す断面図で
ある。
【図3】図1の人工歯根を構成するフクスチャーに支台
部材を固定した状態を示す断面図である。
【図4】従来の人工歯根を構成するフィクスチャーを歯
槽骨内に埋入した状態を示す断面図である。
【図5】従来の人工歯根を構成するフィクスチャーを歯
槽骨内に埋入した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フィクスチャー 1a 外ネジ 1c 上端面 1d ネジ穴 2 中間部材 2b ボルト挿入孔 2c ザグリ部 N ボルト N1 ヘッド部 3 支台部分 3a ボルト挿入孔 3b ザグリ部 L ボルト S 歯肉 B 歯槽骨

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯槽骨内に埋入、固定されるフィクスチ
    ャーと、該フィクスチャーに着脱自在でフィクスチャー
    とともに歯槽骨内に一定期間埋入される中間部材と、該
    中間部材に替わって上記フィクスチャーの上部側に固定
    され、人工歯冠などの上部構造を取りつけるべく歯槽骨
    から歯肉を貫通して口腔内に突出する支台部材から構成
    される人工歯根であって、上記中間部材は少なくとも骨
    と接する表面を生体為害性も骨癒合性もない材質で構成
    するか、又は、骨癒合性のある金属材質で構成し且つ上
    記表面を鏡面状としてあることを特徴とする人工歯根。
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