JP3286950B2 - 光ファイバ接続栓並びにその製造方法、及びそれを用いた光コネクタ - Google Patents

光ファイバ接続栓並びにその製造方法、及びそれを用いた光コネクタ

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JP3286950B2
JP3286950B2 JP15415893A JP15415893A JP3286950B2 JP 3286950 B2 JP3286950 B2 JP 3286950B2 JP 15415893 A JP15415893 A JP 15415893A JP 15415893 A JP15415893 A JP 15415893A JP 3286950 B2 JP3286950 B2 JP 3286950B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバの接続に形状
記憶特性と超弾性特性を有する形状記憶合金管を用いた
光ファイバ接続栓並びにその製造方法、及びそれを用い
た光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来光ファイバを接続する場合、永久的
に接続する場合は接続部分を熔融接続するか機械的な機
構により接続するように形成されており、着脱自在な構
造とする場合は光ファイバをコネクタに仕込んだ光コネ
クタにして使用されている。
【0003】現在実用されている光ファイバは外径が1
50μm程で、中心部の径が10μm程の部分で光を伝
送しており、光軸を合わせる精度は±0.5μm程の機
械的な精度が要求されており、このため図5に示すよう
な外径2.0mmないし2.5mm程の円柱状のジルコ
ニア等のセラミックス又は樹脂の中心に光ファイバを通
す孔をあけ、光ファイバを機械的に保護している表面の
樹脂被覆層を除去した光ファイバの芯線を、前記円柱状
セラミックスの中心にあけた孔に通し、セラミックスと
光ファイバの芯線に樹脂を充填し固化し固定した後、円
柱状セラミックスの先端を平面状、又は凸球面状に研磨
して図5に示す所謂フェルール(Ferrule)11
を形成し、光ファイバを埋め込んだフェルールを左右方
向からつき合わせ光ファイバを接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4は着脱型の光コネ
クタの構成を示し、図4の(a)に示すアダプタ20の
中心の図5に示すフェルール11を挿入するフェルール
案内孔13にアダプタ20の両方向から図4(b)に示
すプラグ21のフェルール11をさし込み、アダプタ2
0の雄ねじ14、プラグの雌ねじ16でアダプタとプラ
グを嵌合ねじ締めし、プラグ中央のフェルール11はア
ダプタ21側からスプリング17により押し、アダプタ
20内で両方向からフェルール案内孔13に挿入したフ
ェルールの先端を密接し光ファイバを接続する構造とし
ている。
【0005】2つのプラグ21を接合するアダプタ20
において、フェルールを接合する内径が円形で真直なフ
ェルール案内孔の内壁には、従来の光コネクタではばね
性を有する割り入りスリーブが取りつけられており、光
コネクタとしての光軸の精度は光ファイバが収められる
フェルール中心の孔の機械的な精度と、アダプタ20の
フェルール案内孔と割り入りスリーブの機械的な精度に
よって決められていた。
【0006】一方4芯又は、8芯等の多芯光コネクタは
図6の(a)に示すような構造でフェルール5は樹脂製
で2本のガイドピンの間に高い位置精度で位置決めされ
た微細孔が設けられ、この微細孔内に表面の被覆を除去
した光ファイバ6の芯線を挿入し接着剤で固定し研磨し
て接合面を形成していた。フェルール5同志はガイドピ
ン7で位置決めされ、従来は板ばねのクランパによりガ
イドピンで連続した2つのフェルールの一面のみで軸方
向の固定を行った構造であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来の光コネクタではフ
ェルールを把持する部分には割入りスリーブを用いてお
り、光ファイバの外周全周にわたり一様に把持する構造
ではないので、組み合わせる機構の機械的な精度が問題
となり、又長時間にわたり使用する時は機構上の径時変
化を受けるおそれがあった。このため光軸の機械的な位
置ずれになる特性の劣化を生ずるおそれがあり、本発明
は接続部分の着脱が可能で長期にわたり使用しても光軸
のずれの生ずるおそれのない光ファイバを収めたフェル
ールの外周を均等に一様に包んだ筒状の形状記憶合金管
を用いて、光ファイバの全周にわたり均一に密着させて
光ファイバを把持し、光ファイバの接合面は常に一定圧
力で押圧するように構成した光ファイバ接続栓並びにそ
の製造方法の提供と、及びそれを用いた光コネクタを提
供するにある。
【0008】本発明による光ファイバ接続栓には単芯の
光ファイバでは形状記憶合金で作られた円筒状の細管を
使用するもので、光ファィバを機械的に逆変態後の超弾
性特性により持続して等圧に接続する接触面とする接続
栓とするものであり、又従来の光コネクタを構成する光
ケーブルを包むアダプタの割りスリーブに替えて形状記
憶合金細管に置き換えるもので、一方多芯光コネクタの
軸方向へ圧力を加える板ばねの代わりに、形状記憶合金
の角筒状の管を用いフェルールの外周面を均等な弾性圧
で把持し、かつフェルールの両端面を光ファイバ接続面
方向に常に均一に押圧するように構成するものである。
【0009】一方本発明の光ファイバ接続栓では、光コ
ネクタに要求されている使用温度範囲は−20℃〜+8
0℃である。本発明の光ファイバ接続栓に用いる形状記
憶合金細管の光ファイバに組み込む前の使用温度範囲で
ある−20℃以下の時にはマルテンサイト相の状態にあ
り、円筒状または角筒状に変形された光ファイバ接続栓
の降伏応力の値は低くフェルールの挿入を容易にし、使
用温度である−20℃〜+80℃の温度範囲では少なく
とも回復した形状がフェルールを保持できる形状記憶合
金の細管を用いることにより、使用温度範囲の時には光
ファイバ接続栓は管の長軸方向に収縮し、又同時に内径
方向にも収縮するように予め形状を記憶させた光ファイ
バ接続栓とするものであり、光ファイバの接続面は常に
形状記憶合金が持つ逆変態後の超弾性特性により押圧さ
れた状態に形成された光コネクタとなる。
【0010】又逆変態のオーステナイト相の範囲では超
弾性特性を示すため、材料の伸びに対しフェルールに加
わる応力は一定であり、形状記憶合金で作る光ファイバ
接続栓の細管の寸法を適宜選択することにより、本発明
の光ファイバ接続栓は光ファイバ接合面の接触圧を適当
な値に選択でき、又接合面は常に一定に互いに押圧した
状態を保持する。
【0011】本発明による光ファイバ接続栓は本発明と
同一出願人により出願された発明の平成4年特許願第1
33382号により製造された形状記憶合金管により構
成されるもので、前記発明により肉厚、内径寸法、形状
に対し何如様な要求に対する形状記憶合金管でも製造可
能となったことにより達成されたものであり、光コネク
タ等の小さな部品に組み込まれる形状記憶合金の厚さが
均一なかつ肉厚の薄い細管が容易に安価に入手できるよ
うになったことにより、本発明の実現を可能とした。
【0012】光コネクタの使用温度範囲は−20℃〜+
80℃であり、中心に光ファイバを挿入固定したフェル
ールを挿入する時は、形状記憶合金は−20℃未満の温
度でマルテンサイト相である様にNi−Ti合金の組成
を選択する。
【0013】従って−20℃以下のマルテンサイト相に
於ける降伏応力は10Kg/mm2程度と降伏応力の値
は小さく、一方形状変形も8%程度の変形内であれば昇
温してオーステナイト相となり、記憶させた形状に回復
させた時にはほぼ予め記憶させた形状に戻る特性を有し
ており、マルテンサイト相では形状記憶合金で作られた
光ファイバ接続栓は円筒状又は角筒状に、フェルールが
挿入しやすい様に真直な形状に変形させ、又内径方向が
外径方向に径を拡大する方向に変形させておき、−20
℃以上の温度では、予め記憶していた形状に復帰し、相
接するフェルールに対し軸方向に互いに押圧する力と共
に、フェルール外周を外周から一様に内径中心方向に等
圧で押圧把持する様に作られているので、光ファイバ接
続栓内に把持されたフェルール内の光ファイバの光軸の
位置ずれを生ずることなく光軸は精度よく自動的に位置
合せされる。
【0014】又逆変態後のオーステナイト相では降伏力
が30Kg/mm2ないし50Kg/mm2と作動する力
がマルテンサイト相の時の3倍ないし5倍と高い値とな
り、かつ超弾性特性を有し、フェルールの中心にある光
ファイバの接合面は常に一定に互いに押圧し合うと云
う、優れた特徴を有する光ファイバ接続栓及び該光ファ
イバ接続栓を組み込んだ光コネクタを構成できるもので
ある。
【0015】即ち本発明は、 1.所定の長さの円筒状形状記憶合金管の中央部の外周
に外側方向にふくらんだ突起部を形成した形状に形状記
憶されてなり、マルテンサイト相で円筒状を呈し、オー
ステナイト相で前記中央部の外周に突起部を形成した形
状を呈することを特徴とする光ファイバ接続栓である。 2.前記突起部に、前記形状記憶合金管の外周面の長軸
方向に平行に複数本の裂け目を設けてなることを特徴と
する前述の光ファイバ接続栓である。
【0016】3.多芯フェルールに用いられ、断面多角
形状の形状記憶合金管の両端面に押圧片を設け、マルテ
ンサイト相で前記押圧片が伸張した形状を呈し、オース
テナイト相で前記押圧片が折れ曲がる形状を呈すること
を特徴とする光ファイバ接続栓である。
【0017】4.所定の長さに切断した円筒状形状記憶
合金管を低温のマルテンサイト相の温度に保持しながら
管の内径に中芯を挿入した後、前記円筒状形状記憶合金
管の両端面をねじにより長軸方向に沿い管の中央方向に
押圧して、中央部の外周方向にふくらんだ突起部を形成
するよう形状を変形した後、形状記憶処理温度に保持し
形成してなることを特徴とする前述の光ファイバ接続栓
の製造方法である。
【0018】5.光コネクタのプラグを挿入し固定する
アダプタのスリーブホルダの中央を貫通するフェルール
案内孔の内周中央に割り入りスリーブを保持するスリー
ブホルダ溝を設け、前記スリーブホルダ溝内に通常のば
ね材からなるばね性を有する割り入りスリーブをフェル
ール案内孔の内壁に設け、フェルール案内孔及び前記割
り入りスリーブの内径に、中央部の外側方向に突起部を
形成するよう形状記憶された前述の光ファイバ接続栓を
設けてなることを特徴とする光コネクタである。
【0019】6.前述の光ファイバ接続栓を用い、前記
形状記憶合金管の内部に挿入組み合せた前記多芯フェル
ールの外周面に密接し、かつ前記形状記憶合金管の押圧
片が折れ曲がり、前記多芯フェルールの両外側端面を押
圧してなることを特徴とする光コネクタである。
【0020】
【作用】光ファイバの接合に、光ファイバの接合面の外
周部分を形状記憶合金の細管により包み保持する本発明
の光ファイバ接合栓は、光ファイバの外周から2つの光
ファイバ接合栓を一様に同心円筒状に支持するので、光
ファイバ接続栓で把持されたフェルール中心の光ファイ
バの光軸となる中心がずれることなく精度よく位置決め
できること、又本発明の光ファイバ接続栓は、マルテン
サイト相からオーステナイト相に変態する時、長軸方向
即ち光ファイバの光が伝送される光軸の接合面方向に収
縮し、又フェルールの内径方向に収縮する様に形状記憶
されて作られた光ファイバ接続栓であるので、光ファイ
バを挿入したフェルールの外周を把持し、又光ファイバ
の接合面に、常に形状記憶合金の細管の断面積と変形の
際の降伏応力に相当する力を加えることができ、又形状
記憶合金の形状の変化はマルテンサイト相からオーステ
ナイト相への変態という結晶構造の変化を伴うものであ
り、又形状が変形したオーステナイト相では変形により
降伏応力の値が変化することのない超弾性特性であるの
で、加工硬化や焼入れ等の金属組織の過渡的な変態を利
用するのではないので長時間使用しても経時変化を生ず
ることがなく、信頼性の高い光ファイバ接続栓とするこ
とができる。
【0021】又光ファイバ接続栓の中央の突起部に光フ
ァイバ接続栓の長軸方向に複数の長い裂け目を設けるこ
とにより、マルテンサイト相に於いて、治具により長軸
中心方向に変形する時の突起部の形成を容易にする。一
方光ファイバ接続栓を分離したい時は、再び低温のマル
テンサイト相になる温度に冷却すると降伏応力の値が低
くなり、容易に形状を変えることができる。従って接続
栓の形状も如何様にも変形できるので一度互いに接合し
た光ファイバの分離も容易である。
【0022】又、形状変形し光ファイバを把持した状態
における光ファイバ接続栓は超弾性を有するので、形状
記憶合金管の断面積を適宜選択することにより、接続す
る光ファイバの接続面の押圧する力も変形量にかわりな
く一定にできるという作用を有する光ファイバ接続栓を
有するものであります。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面を用い説明する。本発
明による光ファイバ接続栓は形状記憶合金の細管を用い
るもので、形状記憶合金管及びその製造方法について
は、本発明と同一出願人により平成4年特許願第133
382号によりすでに出願されており、継ぎ目がなく長
さ方向に連続した形状記憶合金管及びその製造方法の技
術は本発明の出願人によりすでに確立されている。
【0024】一本の光ファイバは前述したように外径が
150μm程で特殊な内部構造を持つ石英の細線で、光
コネクタとする時はその外周を外径2mmないし2.5
mm程のジルコニア又は樹脂等の円柱の中央に貫通孔を
形成し、光ファイバの芯線をセラミック柱の中心貫通孔
に通し樹脂接着した後、接合する光ファイバ面を光が伝
送されるファイバの中心を球面状、又は平に研磨する。
形状記憶合金管は本実施例ではニッケル(Ni)が49
原子%ないし51.0原子%で残りがチタン(Ti)か
らなるニツケルーチタン(Ni−Ti)系の形状記憶合
金管を用いるもので、一方光ファイバの使用温度範囲が
−20℃ないし+80℃の範囲であることから、Niの
組成が50.8原子%残Tiの合金を用いた。細管の製
造方法は前記平成4年特許願第133382号に記載の
方法によりフェルールの外径が2.0mmのものでは内
径1.9mm外径3.0mmの細管を作り、長さ10m
mに切断し、2つの光ファイバを接続する−20℃以上
のオーステナイト相にある時は図1における本発明の光
ファイバ接続栓とするもので、図1の(a)に示す光フ
ァイバ接続栓において図1の(a)は突起部1Cに長い
裂け目を設けない光ファイバ接続栓であり、図1の
(b)は突起部に光ファイバ接続栓の長さ方向に複数の
長い裂け目を設けた光ファイバ接続栓である。
【0025】図1に示す中央に突起部1cの形状に形状
記憶処理を施す方法を図3に縦断面図で示す。形状記憶
合金細管(以下細管と称す)からなる光ファイバ接続栓
1の内径に中芯18を挿通し、細管の両端面を熱処理治
具の雌ねじ4、雄ねじ3で降伏応力の低いマルテンサイ
ト相となる−20℃以下の温度で形状記憶合金管の細管
は無水アルコールをドライアイスで冷却した寒剤を使用
し、容易に零下−40℃〜−60℃程に冷却したアルコ
ールを作ることができ、熱処理治具に組み込んだ細管を
低温にしたアルコールに浸漬してマルテンサイト状態に
して降伏応力を下げ、熱処理治具により、ねじを移動し
て細管の両端及び両端面を押して変形し、後400℃に
60分程保持し、図1に示す形状記憶処理を施して光フ
ァイバ接続栓1(以下接続栓と称す)とする。
【0026】図1に示す接続栓はマルテンサイト相で両
側のフェルール挿入孔1aに挿入されたフェルールを直
線部1bで把持し、中央部の外側方向を向く突起部1c
に記憶された形状に変形する時直線部1bで支持された
光ファイバは中央部方向へ両方向より引きつけられる。
フェルールを把持する時は、図1に示す形状に形状記憶
された光ファイバ接続栓1をマルテンサイト相にし、図
2に示すように長さ方向に伸ばし、又内径を外径方向に
拡張し光ファイバを接続栓のフェルール挿入穴1a内に
両方向からフェルールを挿入し先端をつき合せ、室温に
戻す時光ファイバ接続栓は図1に示す記憶された形状に
なり、両側より挿入された中心に光ファイバを支持する
フェルールを円筒状に形成された接続栓となり、フェル
ールの外周面を一様に均一に把持するので、フェルール
の外周は一様に押圧されると同時に光ファイバ接続栓の
長軸方向に一様に収縮するので、互いに対向接合するフ
ェルールの中心の光ファイバの位置精度は一義的に自動
的に極めて精度よく位置決めされることになる。なお、
フェルールの外周にフェルール溝11aを設けておくこ
とにより、光ファイバ接続栓とフェルールの密着性は、
より向上できる。
【0027】又接続栓内で対向して挿入された2つのフ
ェルールは図1に示す形状に変形するので、フェルール
は常に外周が把持され、かつ接合するフェルール面は軸
方向に伸びされる。なお、図1に於て、図1の(b)は
光ファイバ接続栓中央の突起部に、光ファイバ接続栓の
長軸方向に複数の長い裂け目を設けたものであり、突起
部を形成する際の変形を容易にするもので、本発明の光
コネクタの接続栓には図1に示す図1の(a)、図1の
(b)の何れの光ファイバ接続栓を用いてもよい。図
1、及び図2に示す光ファイバ接続栓は、光ファイバ同
志を接続する時、又、コネクタとして実装する時は、図
4の(a)に示すアダプタ20の光コネクタ接続栓12
とする。
【0028】光コネクタにおいて従来の割り入りスリー
ブに替え形状記憶合金の細管によりつくられた光ケーブ
ル接続栓を用いる時は、図4に示すスリーブホルダ15
の中央部のフェルール案内孔13の内径側にスリーブホ
ルダ溝15aを設け、又スリーブホルダ溝15a内に通
常のばね材からなるばね性を有する割り入りスリーブ1
9が取りつけられており、割り入りスリーブ19はフェ
ルール案内孔13に挿入された形状記憶合金細管の光フ
ァイバ接続栓12が−20℃以下の時には光ファイバ接
続栓12の突起部1cを押して光ファイバ接続栓を円筒
状にして長軸方向に伸ばし、又−20℃以上のオーステ
ナイト相では突起部1cを形成するようにばね圧力が調
整されつくられている。又図6に示すフェルール11を
挿入するアダプタ20のフェルール案内孔13のフェル
ールを挿入する外周部分にフェルール溝11aを設ける
ことにより、より強固に光ファイバ接続栓によりフェル
ールを把持する把持力を向上できる。
【0029】図6は多芯の光ファイバを実装した多芯フ
ェルールの接続栓を示す図で、図6の(a)は光ファイ
バ6を4本ないし8本実装した多芯フェルール5をガイ
ドピン7で案内し結合する。図6の(b)は本発明によ
る形状記憶合金を用いた光ケーブル接続栓9で、筒の長
さ方向の両端に多芯フェルールを軸方向に押す押圧片9
aを有する形状記憶合金からなる接続栓で、図6の
(b)に示す形状はマルテンサイト相における形状で、
図6の(c)は光ケーブル接続栓9に多芯フェルール5
を組み込み、形状記憶合金管で作られた光ケーブル接続
栓をオーステナイト相とすることで、予め記憶された形
状に復帰し、多芯光フェルールを把持した状態を示す。
光ケーブル接続栓は内径方向及び両端面の押圧片9aは
多芯フェルール5の外周面に接し両端外側面に折れ曲が
り、2つの多芯フェルールの接合面に圧力を加え保持す
る。なお、本発明の実施例においてはNi−Ti系形状
記憶合金よりなる形状記憶合金管を用いた光ファイバ接
続栓、及びそれを用いた光コネクタについて述べたが、
他の形状記憶合金であるCu−Zn−Al系合金の形状
記憶合金管、Cu−Ni−Al系合金の形状記憶合金
管、Fe−Mn−Si系合金の形状記憶合金管等を用い
て本発明と同様な光ファイバ接続栓及びそれを用いた光
コネクタを構成し得ることは当然である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、以下に記載する効果を奏する。本発明による光フ
ァイバ接続栓は光ファイバを中央に通し、光ファイバを
接続し支持するフェルールの外周を形状記憶合金管に、
中央に外周方向に突起部を形成する様予め形状記憶して
あるので、実用温度では光ファイバを挿通したフェルー
ルの外周を均一に把持し、フェルール中心の光が通る光
ファイバケーブルの部分の位置ずれの生ずるおそれはな
く、又マルテンサイト相からオーステナイト相に形状を
回復する時は対向する2つのフェルールを常に軸中心方
向に押圧し維持できる。
【0031】マルテンサイト相からオーステナイト相に
逆変態するのに伴い生ずる記憶された形状に戻る作用と
共に、逆変態後の温度では超弾性特性を有するので、光
ファイバ先端は、常に一定圧で押圧することができ、又
他の材料のばねと異なり、相変態を伴って形状を変形す
るので、長時間にわたり材料に応力が加わる状態が続い
ても時間の経過に伴う押圧力の変化のない信頼性の高い
光ファイバ接続栓となる。一方一度装着した後も、低温
にしマルテンサイト相とすることにより、2つのフェル
ールを容易に抜き離すことができ、着脱可能である。
【0032】円筒状又は角筒状の形状が中心軸方向に対
し対称性を有する形状記憶合金管でフェルールを把持し
ているので、光ファイバを支持フェルールの外周を一様
な力で把持でき、又フェルールの外周面、又は両端面よ
りフェルールの光の通る軸方向にフェルールの両側より
接合面を常に位置精度よく押圧するよう形状記憶合金管
の特性を用いて構成されており、又記憶された形状にあ
る時は超弾性特性を有するので、2つのフェルール接合
面の接合圧は常に一定となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形状記憶合金管による記憶された形状
を示すオーステナイト相の状態の光ファイバ接続栓の外
観斜視図で、図1の(a)は室温において突起部が形成
されている外観斜視図、図1の(b)は中央部に形成さ
れた突起部に複数の長い裂け目を設けた外観斜視図。
【図2】図1に示す光ファイバ接続栓をマルテンサイト
相で形状変形を与え、ふくらみをなくし円筒状にした時
の外観斜視図。
【図3】図1、図2に示す形状記憶合金管を用いた光フ
ァイバ接続栓に室温(オーステナイト相)で突起部を形
成する方法を示す縦断面図。
【図4】光コネクタを示す図で、図4の(a)は2つの
プラグを接続するアダプタの部分側面断面図、図4の
(b)はフェルールを組み込んだ光コネクタのプラグを
示す部分側面図。
【図5】図4の(b)に示す光コネクタプラグを構成す
る光ケーブルを挿通したフェルールの縦断図。
【図6】本発明による多芯光ファイバを有する多芯フェ
ルールの光ファイバ接続栓を用いた光コネクタで、図6
の(a)は2つの多芯フェルールの外観斜視図、図6の
(b)は角筒状の形状記憶合金管からなる光ファイバ接
続栓の外観斜視図、図6の(c)は光ファイバ接続栓で
多芯フェルールを接続した光コネクタの外観斜視図。
【符号の説明】
1 光ファイバ接続栓 1a フェルール挿入孔 1b 直線部 1c 突起部 1d 長い裂け目 2 マルテンサイト相の光ファイバ 3 熱処理治具の雄ねじ 4 熱処理治具の雌ねじ 5 多芯フェルール 5a 溝 6 光ファイバ 7 ガイドピン 8 光ファイバテープ 9 光ファイバ接続栓 9a 押圧片 10 光ファイバ 11 フェルール 11a フェルール溝 12 光ファイバ接続栓 13 フェルール案内孔 14 アダプタの雄ねじ 15 スリーブホルダ 15a スリーブホルダ溝 16 プラグの雌ねじ 17 スプリング 18 中芯 19 割り入りスリーブ 20 アダプタ 21 プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の長さの円筒状形状記憶合金管の中
    央部の外周に外側方向にふくらんだ突起部を形成した形
    状に形状記憶されてなり、マルテンサイト相で円筒状を
    呈し、オーステナイト相で前記中央部の外周に突起部を
    形成した形状を呈することを特徴とする光ファイバ接続
    栓。
  2. 【請求項2】 前記突起部に、前記形状記憶合金管の外
    周面の長軸方向に平行に複数本の裂け目を設けてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続栓。
  3. 【請求項3】 多芯フェルールに用いられ、断面多角形
    状の形状記憶合金管の両端面に押圧片を設け、マルテン
    サイト相で前記押圧片が伸張した形状を呈し、オーステ
    ナイト相で前記押圧片が折れ曲がる形状を呈することを
    特徴とする光ファイバ接続栓。
  4. 【請求項4】 所定の長さに切断した円筒状形状記憶合
    金管を低温のマルテンサイト相の温度に保持しながら管
    の内径に中芯を挿入した後、前記円筒状形状記憶合金管
    の両端面をねじにより長軸方向に沿い管の中央方向に押
    圧して、中央部の外周方向にふくらんだ突起部を形成す
    るよう形状を変形した後、形状記憶処理温度に保持し形
    成してなることを特徴とする請求項1、又は請求項2記
    載の光ファイバ接続栓の製造方法。
  5. 【請求項5】 光コネクタのプラグを挿入し固定するア
    ダプタのスリーブホルダの中央を貫通するフェルール案
    内孔の内周中央に割り入りスリーブを保持するスリーブ
    ホルダ溝を設け、前記スリーブホルダ溝内に通常のばね
    材からなるばね性を有する割り入りスリーブをフェルー
    ル案内孔の内壁に設け、フェルール案内孔及び前記割り
    入りスリーブの内径に、中央部の外側方向に突起部を形
    成するよう形状記憶された請求項1、又は請求項2記載
    の光ファイバ接続栓を設けてなることを特徴とする光コ
    ネクタ。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の光ファイバ接続栓を用
    い、前記形状記憶合金管の内部に挿入組み合せた前記多
    芯フェルールの外周面に密接し、かつ前記形状記憶合金
    管の押圧片が折れ曲がり、前記多芯フェルールの両外側
    端面を押圧してなることを特徴とする光コネクタ。
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