JP3286475B2 - 水素吸蔵合金成形体 - Google Patents

水素吸蔵合金成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器への高密度充填を
可能にし、水素の吸蔵・放出サイクル中もその高密度充
填状態を維持できる水素吸蔵合金成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を利用したヒートポンプ、
燃料電池等においては、溶解によって得られた水素吸蔵
合金鋳塊を粉砕し、その粉体を所定容積の容器に充填す
ることが行なわれている。
【0003】容器に水素吸蔵合金粉体を充填する場合、
空隙をできるだけ少なくし、できるだけ多くの水素吸蔵
合金を充填することが望ましい。しかし、水素吸蔵合金
鋳塊を粉砕して得られる粉体は、表面が不規則形状であ
り、粉体と粉体の間に多くの空隙が生じるため、高密度
の充填を行なうことは困難である。
【0004】そこで、出願人は、粒径の異なる2種類の
粉体を混合した場合、混合物全体の空隙率は粉体の混合
比により変化すること、また空隙率を最も低下させる最
適の混合比が存在することに着目して、本発明の出願前
に、水素吸蔵合金粉体の容器への充填方法を提案した
(特願平5−276597)。この方法は、粒度分布が相
互に異なる2種類の粉体のうち、平均粒径の大きい方の
粉体Aの平均粒径をrA、平均粒径の小さい方の平均粒
径をrBとするとき、比率rB/rAの値が0.03以上、0.5
0以下となるように2種類の粉体を準備し、これを混合
して容器に充填するものである。
【0005】粒度分布が相互に異なる2種類の粉体の平
均粒径の比を上記の通り設定することにより、不規則形
状の粉体であっても、容器内に高密度で充填し、容器の
空隙率を0.5よりも小さくすることは理論的に可能であ
る。しかし、実際の充填作業では、平均粒径の異なる2
種類の粉体を混合した後、容器に充填すると、平均粒径
の小さい粉体が先に落下してしまうため、均一な混合は
できない。このため、先に平均粒径の大きい粉体を適量
装填し、次に平均粒径の小さい粉体を適量装填した後、
容器を軽く揺すって小粉体を大粉体の間隙に入り込ませ
て、この作業を何度か繰り返しながら、容器に充填せね
ばならない。
【0006】しかし、実際には、理論通りに充填するこ
とは難しい。このため、水素吸蔵合金を高密度状態で含
有する成形体を予め作製し、これを容器に充填するよう
にすれば充填作業は簡単に行なえる。
【0007】また、容器に充填された水素吸蔵合金は、
水素の吸蔵と放出に伴って、膨張と収縮を繰り返すた
め、粒子内部に大きな応力が発生して粉砕が起こり、微
粉化が進行する。図4は、平均粒径約260μm、80μm、4
2μm、36μmの4種類のLaNi5合金粉体に対して、水
素圧15気圧下で水素を吸蔵させ、その後放出させる操作
を繰り返したとき、各粉体の平均粒径の変化を示してい
る。図4に示されるように、粒径が大きいほど微粉化の
進行は速く、サイクル回数が約30回で粒径は約32μmに
ほぼ揃ってしまう。水素吸蔵合金はこのような特性を有
するから、前記充填方法の場合、水素吸蔵合金を容器に
充填した段階では、粒径の差によって高い充填密度を確
保できても、水素の吸蔵と放出のサイクルを繰り返すう
ちに粉体の粒径が揃ってしまい、充填当初の平均粒径の
比率を維持することができなくなり、比率rB/rAの値
が0.5よりも大きくなることがある。このため、容器内
では高密度の充填状態を維持できなくなり、水素化によ
る合金の膨張応力が容器に加わるとき、容器は破損の虞
れがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水素
吸蔵合金の鋳塊を粉砕して得られる不規則形状の粉体を
容器に充填するに際し、容器への充填を空隙率が0.5よ
りも小さくなるように高密度の充填を可能とすること、
容器への充填作業を簡単に行なえるようにすること、さ
らに、水素の吸蔵放出サイクルの繰返しにより合金の微
粉化が進行しても、高密度の充填状態を可及的に維持で
きるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、第1の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉
体Aと、第2の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉体B
と、結着剤Cとの混合物を加圧してなる成形体を提供す
るもので、粉体A及び粉体Bの平均粒径を夫々、rA
びrBとするとき、粉体Aに対する粉体Bの平均粒径の
比率rB/rAの値が0.03〜0.50であり、平均粒径の小な
る粉体Bは、平均粒径の大なる粉体Aよりも、水素の吸
蔵と放出に伴う合金の微粉化の進行度が速い合金を用い
ることを特徴としている。
【0010】本発明はさらに、第1の粒度分布を有する
水素吸蔵合金粉体Aと、第2の粒度分布を有する水素吸
蔵合金粉体Bと、結着剤Cとの混合物を加圧してなる成
形体を提供するもので、粉体Aの平均粒径は粉体Bの平
均粒径よりも大きく、粉体Aの平均粒径をrA、粉体A
の粒径の正規分布関数の標準偏差をσA、粉体Bの平均
粒径をrB、粉体Bの粒径の正規分布関数の標準偏差を
σBとするとき、比率(rB+2σB)/(rA−2σA
の値が0.03〜0.50であり、平均粒径の小なる粉体Bは、
平均粒径の大なる粉体Aよりも、水素の吸蔵と放出に伴
う合金の微粉化の進行度が速い合金を用いることを特徴
としている。
【0011】得られた成形体は、充填すべき容器内部の
形状に合わせて、必要に応じて適宜切断、研削等の加工
を施すことにより、容器内部の空間のほぼ全体を満たす
ことができる。
【0012】
【作用】平均粒径の大きい水素吸蔵合金粉体Aと平均粒
径の小さい水素吸蔵合金粉体Bを、結着剤Cを混ぜ合わ
せると、大粒子の粉体Aの間に小粒子の粉体Bが入り込
み、これら粉体の間に結着剤が適当に分散介在した混合
物が得られる。なお、結着剤は粉末状で、その平均粒径
は水素吸蔵合金粉体Aよりも大きいものを用いることが
好ましいが、これに限定されるものでない。この混合物
を、金型の中に入れ、圧縮成形機でプレスすると、粉体
は圧縮されて粉体間の空隙はさらに少なくなり、粉体ど
うしは相互に密着する。また、圧縮の際、結着剤は糊状
に変化し、粉体の間に適当に充満して粉体を結着する。
なお、得られた成形体は水素ガスの通過に十分な大きさ
の空隙を残している。
【0013】粉体Aに対する粉体Bの平均粒径の比率r
B/rAの値が0.5よりも大きいと、小粒子は大粒子の間
隙に入り込むことはできなくなるから空隙が多く残る。
一方、rB/rAの値を0.03よりも小さくすることは分級
処理上、困難であるだけでなく、大粒子の間に小粒子が
ぎっしりと入り込むため、空隙はほとんどなくなってし
まう。水素を吸蔵する際に合金は膨張するから、空隙が
あまり少なくなると容器の内壁に圧力を及ぼす虞れがあ
り、好ましくない。このため、rB/rAの値は、0.03〜
0.50の範囲内に設定される。
【0014】ところで、ふるい等によって粒径のばらつ
いた粉体を分級する場合、粒径は正規型の分布をもつと
考えることができる。ここで、2種類の粉体のうち、平
均粒径の大きい方の粉体Aの平均粒径をrA、粉体Aの
粒径の正規分布関数の標準偏差をσA、平均粒径の小さ
い方の粉体Bの平均粒径をrB、粉体Bの粒径の正規分
布関数の標準偏差をσBとするとき、粒径の差が最も小
さくなる場合を想定して、これを比率(rB+2σB)/
(rA−2σA)で表わしたとき、この値が0.03〜0.50の
条件を満たせば、全粒子の98%が粒径比0.03〜0.50の範
囲内となる。この場合、残りの2%の粒子の影響は殆ん
ど無視できるため、上記の如く比率を設定すれば、容器
への高密度充填をより精度良く行なうことができる。
【0015】微粉化の進行に関しては、前述したよう
に、粒径の大きな粉体は微粉化しやすい傾向にあるが、
平均粒径の小なる粉体Bは、平均粒径の大なる粉体Aよ
りも、水素の吸蔵と放出に伴う合金の微粉化の進行が速
い合金を用いるから、大粒子と小粒子の微粉化の進行度
に差はあまり生じず、結果的に充填時における粉体Aと
粉体Bの平均粒径の比率が保たれ、高密度の充填状態を
維持することができる。
【0016】
【実施例】実施例1 高周波誘導溶解により作製したLaNi5合金のインゴ
ットを粉砕治具及び粉砕ミルを用いて粉砕し、その粉体
を26メッシュから440メッシュの間の20種類のJIS標
準ふるいにより分級し、平均粒径が約35μmから約550μ
mまで、約30〜35μmずつ粒径の異なる19種類の粉体を得
た。平均粒径が約550μmである粉体(粉体Aとする)と、
平均粒径が約35μmから約550μmである19種類の各粉体
(粉体Bとする)を、粉体Aに対する粉体Bの重量比が0.
5となるように混合した。各粒径比における粉体の空隙
率は、JIS Z2504の方法により測定した粉体の
見掛け密度を、X線回折により測定した粉体の真密度を
用いて求めた。その結果を図5に示す。
【0017】図5から明らかなように、粒度分布の異な
る2種類の粉体を混合する場合、粉体Aに対する粉体B
の平均粒径の比(rB/rA)が約0.6から小さくなるに
つれて空隙率が減少することがわかる。このため、本発
明では、平均粒径の比を約0.5以下とし、より好ましく
は約0.4以下、さらに好ましくは約0.3以下とする。
【0018】実施例2 実施例1と同じ要領にて粉体を作製し、平均粒径が約55
0μm、標準偏差が16.7μmである粉体(粉体Aとする)
と、平均粒径が約35μmから約550μmである19種類の各
粉体(粉体Bとする)を、粉体Aに対する粉体Bの重量比
が0.5となるように混合した。
【0019】粉体Aの粒径の正規分布関数の標準偏差を
σA、粉体Bの粒径の正規分布関数の標準偏差をσBで表
わし、各粒径の比率(rB+2σB)/(rA−2σA)に
対する粉体の空隙率を実施例1と同じ要領にて求めた。
その結果を図6に示す。図6から明らかなように、粒度
分布の異なる2種類の粉体を混合する場合、比率 (rB
+2σB)/(rA−2σA) が約0.65から小さくなるに
つれて空隙率が減少することがわかる。平均粒径の比を
約0.5以下、より好ましくは約0.4以下、さらに好ましく
は約0.3以下とすることにより、所望の空隙率を得るこ
とができる。
【0020】実施例3 実施例1と同じ要領にて粉体を作製し、分級して、平均
粒径が550μmである粉体Aと、平均粒径が196μmである
粉体Bを用意した。この2種類の平均粒径の比rB/rA
は0.36である。次に、粉体Aに対する粉体Bの重量比を
0から1まで変化させて混合し、混合物の空隙率を調べ
た。空隙率の測定は、上記実施例1と同じ方法を用いて
行なった。測定結果を図7に示す。
【0021】図7から明らかなように、空隙率を低下さ
せるには、平均粒径が大なる粉体Aに対する、平均粒径
が小なる粉体Bの重量比を0.2〜0.8に設定する必要があ
り、より好ましくは0.3〜0.7であり、最も好ましくは0.
4〜0.6である。
【0022】実施例4 平均粒径が大きい粉体AにLaNi5、平均粒径が小さ
い粉体BにMmNi4.6Al0.4、結着剤Cにポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)粉末を用いて成形体を作製し
た。粉体Bの合金は、粉体Aの合金のLaをMmに置換
し、さらにNiの0.4原子%をAlと置換したもので、
水素の吸蔵・放出に伴う合金の膨張・収縮が大きく、粉
体Aよりも微粉化しやすい合金である。
【0023】粉体A及び粉体Bは、上記実施例と同じ要
領にて、高周波誘導溶解により合金のインゴットを作製
し、これを粉砕治具及び粉砕ミルを用いて粉砕し、JI
S標準ふるいにより分級した。粉体Aは平均粒径rA
約40μm、粉体Bは平均粒径rBが約12μmのものを用い
た。平均粒径の比rB/rAは0.30である。粉体Aに対す
る粉体Bの重量比を0.5として、粉体Aと粉体Bの混合
物を作製した。図1にこの混合物の混合状態を模式的に
示している。粒径の大きな粉体Aの間に、粒径の小さな
粉体Bが入り込むため、充填密度は向上している。
【0024】次に、これら粉体の混合物に、粒径約80〜
100μmの結着剤粉末を、粉体混合物の12重量%を加えて
良く混合した後、金型に入れて100kg/cm2の圧力でプレ
スし、直径15mm、厚さ11mmの円板状成形体を得た。図2
に、粉体A、粉体B及び結着剤Cの混合状態を模式的に
示している。また、図3に、得られた成形体中における
粉体の状態を模式的に示している。図2に示される結着
剤Cの粉体は、糊状に変化し、図3で示す如く、粉体の
間に適当に適当に侵入して粉体を結着するが、粉体間に
は水素ガスが通過できる程度の空隙は残されている。
【0025】得られた成形体を容器に装填した後、水素
の吸蔵・放出サイクルを繰り返して行ない、各サイクル
毎に平均粒径を測定した。測定は、各サイクル毎に成形
体を容器から取り出し、該成形体の一部を削り取って行
ない、粒度計で粒度分布を調べて、表われる2つのピー
クを粉体Aと粉体Bの平均粒径として求めた。
【0026】試験結果を図8に示している。図8から明
らかなように、1000サイクル経過後における平均粒径の
比rB/rAは0.31であり、初期状態と殆んど変化なく、
水素の吸蔵・放出サイクル経過後も高密度の充填状態を
維持できることがわかる。これは、平均粒径が小さいゆ
えに微粉化の進行が遅れる粉体Bに、微粉化しやすい特
性を有する合金を用いて微粉化の進行を速めるようにし
たため、この粉体Bと、平均粒径が大きく微粉化の進行
が速い粉体Aとが、結果的にはほぼ同じ速度で微粉化さ
れるようになったことによる。
【0027】なお、粉体Aと粉体Bは、プラトー圧、プ
ラトー温度等の水素化平衡特性が実質的に同じものを用
いる必要がある。容器内に、水素化平衡特性が異なる2
種類の水素吸蔵合金が存在すれば、水素の吸蔵、放出の
際の効率が悪くなるからである。
【0028】結着剤の添加は、合金の充填密度を低下さ
せない範囲内で行なう必要がある。成形体を作製するた
めに、粉体を圧縮すると、粉体間の間隙はさらに少なく
なる。従って、圧縮により間隙を少なくすることができ
る範囲内で、結着剤を添加すれば、2種類の粉体がルー
ズな混合状態にあるときの充填密度よりも低下すること
はない。そこで、結着剤を、合金粉体の5重量%、10重
量%、15重量%添加したときに得られる成形体の夫々に
ついて、合金の充填密度を調べた。その結果を図9に示
す。なお、図9中、充填率とは、成形体の体積に相当す
る合金の重さを計算で求め、成形体中に実際に含まれる
合金の重さを前記計算値に対する比として求めた値であ
る。
【0029】図9から明らかなように、結着剤の添加量
と、成形体中の合金の充填率は直線的な関係にあり、少
なくとも0.5以上の充填率を確保するには、結着剤の添
加量は30重量%以下にする必要があり、好ましくは約20
重量%以下、より好ましくは約15重量%以下である。ま
た、結着剤の添加量があまりに少ないと、所望の結着効
果を得ることができないため、少なくとも5重量%以上
添加する必要がある。
【0030】本発明に用いられる水素吸蔵合金の原料
は、上記実施例のLa−Ni系合金以外に、Mm−Ni
系合金、Fe−Ti系合金、Ti−Mn系合金などの合
金を挙げることができるが、これらの合金に限定される
ものでない。また、合金粉末は、機械粉砕によるものの
他、水素化粉砕した粉末、アトマイズ粉末等を用いるこ
とができる。
【0031】なお、水素吸蔵合金が微粉化しやすいかど
うかは、水素の吸蔵、放出の際における合金の膨張、収
縮の量に依存し、膨張と収縮の程度が大きければ、微粉
化しやすいことになる。例えば、LaNi5合金におい
て、Niの一部をAlと置換すれば母合金よりも膨張、
収縮の程度が大きくなって微粉化しやすくなり、Niの
一部をCoやZrと置換すれば母合金よりも膨張、収縮
の程度が小さくなって微粉化しにくくなる。
【0032】本発明に用いられる結着剤は、ポリテトラ
フルオロエチレンに限定されることなく、ポリエチレン
オキサイド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)その他の
高分子材料を用いることができる。
【0033】成形体の形状は、充填すべき容器内部の形
状に合わせて充填しやすい形状に適宜成形することがで
きる。例えば、円板状、円柱状、直方体、立方体、球状
等、任意形状の成形体を作製することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明の成形体は、水素吸蔵合金を高密
度で含有しているから、そのまま又は容器の内部形状に
合わせて適宜切断等の加工を施すことにより、容器への
高密度充填が可能である。また、水素の吸蔵放出サイク
ルの繰返しにより合金の微粉化が進行しても、高密度充
填状態における粉体の粒径比を可及的に維持できるか
ら、合金の膨張によって容器内に局部応力が加わるとい
った事態を回避できる。このため、水素吸蔵合金を利用
したヒートポンプ、燃料電池等の容器の小型化を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体Aと粉体Bの混合状態を模式的に示す拡大
断面図である。
【図2】粉体A、粉体B及び結着剤Cとの混合状態を模
式的に示す拡大断面図である。
【図3】図2に示す混合物を加圧して得られた成形体の
構造を模式的に示す拡大断面図である。
【図4】水素の吸蔵・放出サイクルを繰り返したとき、
各粉体のサイクル数と平均粒径との関係を示すグラフで
ある。
【図5】平均粒径の比と空隙率の関係を示すグラフであ
る。
【図6】比(rB+2σB)/(rA−2σA)と空隙率の
関係を示すグラフである。
【図7】重量比と空隙率の関係を示すグラフである。
【図8】水素の吸蔵・放出サイクルを繰り返したとき、
2種類の粉体サイクル数と平均粒径との関係を示すグラ
フである。
【図9】結着剤の添加量と、粉体の充填率との関係を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−252577(JP,A) 特開 平7−180926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 3/00 B22F 3/035 B22F 5/00 C22C 1/04 F25B 17/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉
    体Aと、第2の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉体B
    と、結着剤Cとの混合物を加圧してなる成形体であっ
    て、粉体Aの平均粒径は粉体Bの平均粒径よりも大き
    く、粉体A及び粉体Bの平均粒径を夫々、rA及びrB
    するとき、粉体Aに対する粉体Bの平均粒径の比率rB
    /rAの値が0.03〜0.50であり、平均粒径の小なる粉体
    Bは、平均粒径の大なる粉体Aよりも、水素の吸蔵と放
    出に伴う合金の微粉化の進行度が速い合金を用いること
    を特徴とする、水素吸蔵合金成形体。
  2. 【請求項2】 第1の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉
    体Aと、第2の粒度分布を有する水素吸蔵合金粉体B
    と、結着剤Cとの混合物を加圧してなる成形体であっ
    て、粉体Aの平均粒径は粉体Bの平均粒径よりも大き
    く、粉体Aの平均粒径をrA、粉体Aの粒径の正規分布
    関数の標準偏差をσA、粉体Bの平均粒径をrB、粉体B
    の粒径の正規分布関数の標準偏差をσBとするとき、比
    率(rB+2σB)/(rA−2σA)の値が0.03〜0.50で
    あり、平均粒径の小なる粉体Bは、平均粒径の大なる粉
    体Aよりも、水素の吸蔵と放出に伴う合金の微粉化の進
    行度が速い合金を用いることを特徴とする、水素吸蔵合
    金成形体。
JP23993994A 1993-05-11 1994-10-04 水素吸蔵合金成形体 Expired - Lifetime JP3286475B2 (ja)

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