JP3284858B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP3284858B2 JP29938195A JP29938195A JP3284858B2 JP 3284858 B2 JP3284858 B2 JP 3284858B2 JP 29938195 A JP29938195 A JP 29938195A JP 29938195 A JP29938195 A JP 29938195A JP 3284858 B2 JP3284858 B2 JP 3284858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非集合性、非結晶
性、流動性等に優れ、鮮明な色調と高い光沢を有し、な
おかつ十分な塗膜硬度を有する塗料組成物に関する。さ
らに詳しくは、自動車用塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料中に酸性触媒を含み加熱により硬化
する酸硬化型塗料は、耐候性等に優れた塗膜を形成し、
近年社会問題となっている酸性雨にも侵され難く、自動
車用塗料等として注目されている。しかしながら、酸硬
化型塗料は有機溶剤を含むため、大気汚染等の原因とな
る。この対策として、塗料中に含まれる有機溶剤を低減
するハイソリッド型塗料の開発が進められている。
【0003】ハイソリッド型酸硬化型塗料においては、
有機溶剤含有量の低減による塗料粘度の増大に伴って、
塗装性が悪くなるという問題がある。そのため、塗料を
構成する樹脂の分子量を低下させたり、アミノ樹脂を完
全エーテル化したりすることによって、粘度増加を防
ぎ、塗装性の改良が試みられている。
【0004】しかし、比較的低分子量の樹脂を用いると
後述するように顔料を十分に分散することが困難であっ
た。
【0005】一方、アミノ樹脂を完全エーテル化する
と、それに伴い塗料としての反応性が悪くなり、従来の
酸硬化型塗料に比較して硬化が遅いという問題点が生じ
る。このため、酸触媒を多量に添加したり、あるいは強
力な酸触媒を用いたりして塗料の硬化を促進させる必要
がある。しかし、酸触媒を多量に添加したり、あるいは
強力な酸触媒を用いたりした酸硬化型塗料は、顔料の分
散安定性が悪くなるという新たな問題が生じた。そこ
で、効果的な顔料分散剤や顔料組成物の開発が望まれ
た。
【0006】従来、顔料を分散する種々の分野において
は、顔料誘導体等の種々の顔料分散剤が使用されてお
り、塩基性置換基を有する顔料誘導体(以下、塩基性顔
料誘導体と略す。)や、塩基性物質とポリエステル、ア
クリルポリマ−等を結合してなる塩基性基含有樹脂型顔
料分散剤は、一般的な塗料においては極めて効果的であ
る。しかし、酸硬化型塗料では、酸触媒とこれらの塩基
性顔料誘導体や塩基性基含有樹脂型顔料分散剤が相互作
用し、顔料を効果的に分散することができなくなり、さ
らに触媒活性が低下し、硬化阻害等の問題が生じること
が判った。
【0007】また、酸性の官能基を有する有機色素誘導
体(以下、酸性有機色素誘導体と略す。)としては、特
公昭64−5070号公報に開示されているカルボキシ
ル基を有する顔料誘導体のアルミニウム塩が挙げられ
る。しかし、酸性有機色素誘導体を用いても酸硬化型塗
料中の顔料分散性の改良に関してほとんど効果は認めら
れなかった。
【0008】さらに、酸性有機色素誘導体として、スル
ホン基を有する顔料誘導体が特開平5−98200号公
報に開示されている。しかし、該スルホン基を有する顔
料誘導体は、比較的高分子量の基体樹脂に対しては優れ
た分散効果を発揮したが、ハイソリッド型にしてもあま
りチクソ性が大きくならず、塗装性を損なわないような
重量平均分子量が10000程度以下の低分子量樹脂に
対しては効果は不十分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記課題に鑑み鋭意研
究の結果、本発明者は、酸硬化型塗料組成物において、
酸硬化型塗料中に含有している顔料組成物中に酸性官能
基を有する特定の有機色素誘導体と塩基性基含有樹脂型
顔料分散剤を併用して特定量添加することで、重量平均
分子量が10000程度以下の低分子量樹脂に対して
も、顔料分散性、非集合性、非結晶性、流動性に優れ、
塗膜として鮮明な色調と高い光沢とを有し、さらに十分
な塗膜硬度を有する塗料組成物が得られることを発見
し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1または第
2の発明は、顔料100重量部に対して、下記一般式
(1)で示される有機色素誘導体又はこの有機色素誘導
体のアルミニウム塩を0.5〜30重量部、重量平均分
子量1000〜100000、アミン価10〜200mg
KOH/gの塩基性基含有樹脂型顔料分散剤を0.5〜10
0重量部を添加した顔料組成物と酸硬化型塗料ワニスと
からなる塗料組成物である。
【0011】一般式(1) Q−(A−SO3 H) n 式中Q:有機色素残基を表す。 A:−CONH−Y1 −、−SO2 NH−Y1 −、−C
2 NH−Y1 − Y1 :炭素数1〜20で構成された、置換基を有してい
てもよいアルキレン基、あるいは置換基を有していても
よいアルケニレン基、あるいは置換基を有していてもよ
いアリーレン基。 n:1〜4の整数を表す。
【0012】または、第3の発明は、酸硬化型塗料ワニ
スが、水酸基含有樹脂(a)、高アルキルエーテル化メ
ラミン樹脂(b)、酸触媒(c)、溶剤(d)からなる
第1の発明または第2の発明記載の塗料組成物であり、
さらに第4の発明は、水酸基含有樹脂(a)の重量平均
分子量が10000以下である第3の発明記載の塗料組
成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において顔料としては、塗料に用いられたときの
種々の耐性、例えば耐光性、耐候性、耐溶剤性などが良
好なものが望ましく、フタロシアニン系顔料、キナクリ
ドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン・ペリ
ノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロー
ル系顔料、アントラキノン系顔料、ベンズイミダゾロン
系顔料から選ばれる少なくとも一種の有機顔料又はカー
ボンブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムイエロ
ー、カドミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群
青等から選ばれる少なくとも一種の無機顔料を用いるこ
とができる。
【0014】本発明には、下記一般式(1)で表される
有機色素誘導体又はこの有機色素誘導体のアルミニウム
塩が含まれる。 一般式(1) Q−(A−SO3H) n 式中Q:有機色素残基もしくはアントラキノン残基を表
す。 A:−CONH−Y1−、−SO2NH−Y1−、−CH2
NH−Y1− Y1:炭素数1〜20で構成された、置換基を有してい
てもよいアルキレン基、あるいは置換基を有していても
よいアルケニレン基、あるいは置換基を有していてもよ
いアリーレン基。 n:1〜4の整数を表す。
【0015】一般式(1)におけるQで表される有機色
素残基としては、アントラキノン系色素、アゾ系色素、
フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサ
ジン系色素、アンスラピリミジン系色素、アンサンスロ
ン系色素、インダンスロン系色素、フラバンスロン系色
素、ピランスロン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系
色素、チオインジゴ系色素が挙げられる。
【0016】一般式(1)で表される有機色素誘導体
は、常法により有機色素に−SO2 Cl、−COCl、
−CH2 Cl、−CH2 NHCOCH2 Cl等の置換基
を導入し、水、アルコ−ル、アセトンまたは、N,N−
ジメチルホルムアミド等の反応溶媒中で場合によっては
アルカリ触媒存在下で、これらの置換基と反応し得る基
とスルホン基を有した化合物を反応させることによって
得ることができる。
【0017】本発明の有機色素誘導体は、顔料と同一ま
たは類似の骨格を有する化学構造のものを選定する方が
実用上有利である。すなわち、非集合性、非結晶性、流
動性等に効果が大きいばかりでなく、顔料単独の場合と
比較して色相の変化が少なく好ましい。また、アントラ
キノン系等、無色あるいは僅かに着色した誘導体は、各
種顔料に添加しても色相の変化は少なく、汎用性に優れ
るという点で有利である。
【0018】一般式(1)におけるY1 としては、フェ
ニレン基、エチレン基等が望ましい。
【0019】本発明の有機色素誘導体は、アルミニウム
塩とすることによって、製造上有利となる。すなわち、
スルホン基を有する有機色素誘導体は、通常スルホン基
を導入した後に、多量の水に投入して濾過することによ
り製造するが、水に対する親和性が高いために濾過に長
時間を要するという欠点を生じる。スルホン基をアルミ
ニウム塩とすることによって、水に対する親和性が低く
なるため、濾過が容易になり、濾過時間が短縮できると
いう利点がある。
【0020】本発明における塩基性基含有樹脂型顔料分
散剤は、特開昭60−166318号公報、特開昭61
−174939号公報及び特開昭46−7294号公報
等に開示されている塩基性物質とポリエステル化合物あ
るいはアクリルポリマーを結合させた高分子共重合物で
あり、重量平均分子量1000〜100000、アミン
価10〜200mgKOH/g のものである。
【0021】塩基性基含有樹脂型顔料分散剤の重量平均
分子量が1000未満では十分な立体障害が得られず、
分散効果は低下し、重量平均分子量が100000より
大きくても逆に凝集作用が生じる場合があり好ましくな
い。また、顔料分散剤のアミン価が10mgKOH/g 未満で
は上記の有機色素誘導体又はこの有機色素誘導体のアル
ミニウム塩との相互作用が十分ではなく、有機色素誘導
体が顔料表面に吸着していても分散効果は得られない。
一方、顔料分散剤のアミン価が200mgKOH/g を越える
と顔料成分への親和部に比べ、立体障害層が少なくな
り、十分な分散効果が得られず好ましくない。
【0022】このような塩基性基含有樹脂型顔料分散剤
は市販のものでよく、例えば、Solsperse 24000 (ゼネ
カ株式会社製)、Disperbyk-160 、Disperbyk-161 、Di
sperbyk-162 、Disperbyk-163 (ビックケミー社製)等
が挙げられる。
【0023】本発明の顔料組成物および塗料組成物は、
上記した有機色素誘導体又はこの有機色素誘導体のアル
ミニウム塩と塩基性基含有樹脂型顔料分散剤を併用する
ものである。有機色素誘導体又はこの有機色素誘導体の
アルミニウム塩添加量は、顔料100重量部に対して
0.5〜30重量部であり、塩基性基含有樹脂型顔料分
散剤の添加量は、顔料100重量部に対して0.5〜1
00重量部である。有機色素誘導体又はこの有機色素誘
導体のアルミニウム塩の添加量、及び塩基性基含有樹脂
型顔料分散剤の添加量が、それぞれ0.5重量部より少
ないと顔料分散効果が小さく好ましくない。また、有機
色素誘導体又はこの有機色素誘導体のアルミニウム塩の
添加量が30重量部より多く用いても用いた分の効果が
得られなく、塩基性基含有樹脂型顔料分散剤を100重
量部より多く用いると、効果が得られないばかりか、硬
化性も低下する。
【0024】本発明の塗料組成物を製造する方法は、酸
硬化型塗料用ワニスに顔料と有機色素誘導体又はこの有
機色素誘導体のアルミニウム塩と塩基性基含有樹脂型顔
料分散剤を加えてボールミルやサンドミル等の分散機で
分散し、必要に応じてたれ防止剤などの添加剤を加えて
製造することができる。顔料と有機色素誘導体又はこの
有機色素誘導体のアルミニウム塩はペーストまたはスラ
リーとして予め混合しておくことが好ましい。
【0025】また、銅フタロシアニン、キナクリドン又
はジオキサジンなどのようにソルベントソルトミリング
等の顔料化工程を必要とする顔料においては顔料化工程
中に有機色素誘導体を混合することもできる。
【0026】本発明において用いられる水酸基含有樹脂
(a)は、基体樹脂となるものであり、高アルキルエー
テル化メラミン樹脂(b)との反応部位となる水酸基を
1分子中に少なくとも2個含有する樹脂であり、例え
ば、ポリエステルポリオール樹脂、アルキドポリオール
樹脂、アクリルポリオール樹脂、エポキシポリオール樹
脂、エポキシエステルポリオール樹脂等が挙げられ、ア
クリルポリオール樹脂、アルキドポリオール樹脂が好ま
しい。
【0027】本発明は、有機色素誘導体又はこの有機色
素誘導体のアルミニウム塩と塩基性基含有樹脂型顔料分
散剤を特定量併用することによって、低分子量〜高分子
量の広い範囲にわたって、顔料の分散性が優れているの
で、使用される水酸基含有樹脂(a)の分子量は特に制
限されない。従来の分散剤では、重量平均分子量が10
000程度以下の系では殆ど顔料の分散性を向上できな
かったが、本発明では重量平均分子量が10000以下
の水酸基含有樹脂(a)の系でも、顔料の分散性等を向
上することができる。
【0028】ポリエステルポリオールは、エチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタンジオール、
ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の1分子中2〜6個の水酸
基を有する多価アルコールと、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、マレイン酸、テレフタル酸メチル、
テトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸及びこれらの無水物等の1分子中に2〜4個のカルボ
キシル基を有する多塩基酸、および必要に応じて一塩基
酸または一価アルコールを使用してエステル化反応させ
ることによって得られるものである。
【0029】アルキドポリオール樹脂は、前記多価アル
コール、前記多塩基酸及びヒマシ油、アマニ油、サフラ
ワー油、大豆油、トウモロコシ油、綿実油、麻実油、米
ヌカ油、ヤシ油、オリーブ油、パーム油等の油脂又はヘ
プタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、イソステ
アリン酸等の脂肪酸とをエステル化することによって得
られる。
【0030】アクリルポリオール樹脂は、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシル
エステル又は上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエス
テルのε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラ
クトン類付加物等の水酸基含有ビニル単量体の単独重合
して得られたもの又は上記水酸基含有ビニル単量体と、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル等のアルキル(メタ)
アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
等のカルボン酸含有単量体、スチレン、α−メチルスチ
レン等のスチレン系単量体、アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル系単量体とを共
重合して得られたものである。
【0031】エポキシポリオール樹脂としては、水酸基
含有エポキシ樹脂、例えば、油化シェルエポキシ株式会
社製、商品名エピコート828、1001、1004、
1007等がある。
【0032】エポキシエステルポリオール樹脂として
は、上記エポキシポリオール樹脂と前記一塩基酸又は多
塩基酸を反応させて得られたものがある。
【0033】本発明の水酸基含有樹脂(a)としては、
上記ポリオール樹脂をトリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート等のイソシアネート化合物、あるいはシリコーン樹
脂で変性した変性ポリオール樹脂を使用することができ
る。
【0034】本発明において用いられる高アルキルエー
テル化メラミン樹脂(b)は、酸触媒の存在によってカ
ルボニウムイオンを生成し架橋剤となるものであり、ア
ミノ基が完全にあるいは50%以上アルキルエーテル化
されたメラミン樹脂である。ここでアルキルエーテル基
の量は、メラミン樹脂中のアミノ基の全ての水素原子が
アルカノールで置換された後、末端OH基が全てアルコ
キシ基で置換された場合を100%とし、実際に付加し
たアルキルエーテル基の平均の割合を%で表したもので
ある。メラミン樹脂のアルキルエーテル化度は50%以
上であることが必要であり、アルキルエーテル化度が5
0%未満であると塗膜の耐酸性が低下する。高アルキル
エーテル化メラミン樹脂としては、例えば、アミノ基に
付加されたメチロール基のHがアルキル基で置換された
もので、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
【0035】このようなメラミン樹脂は、通常メラミン
樹脂にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のア
ルデヒドを付加反応または付加縮合反応させて得られた
ものを、炭素数1〜4の一価アルコールでエーテル化し
て得られる。これらのアルキルエーテル化メラミン樹脂
は、通常の方法により合成されたものであって、数平均
分子量が2000以下のものを用いるのが良い。数平均
分子量が2000を越えると、塗料のハイソリッド化が
難しくなる。
【0036】本発明の高アルキルエーテル化メラミン樹
脂(b)は、自己縮合性が小さいため、活性化してカル
ボニウムイオンを生成させるために、酸触媒(c)を加
える必要がある。酸触媒(c)としては、例えば、パラ
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ア
ルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホ
ン酸等のスルホン酸化合物、メタリン酸、オルソリン
酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、リン酸、トリメタリ
ン酸、トリリン酸、テトラメタリン酸、亜リン酸、モノ
ブチルリン酸、モノエチルヘキシルリン酸、モノラウリ
ルリン酸等のリン酸化合物、ギ酸、しゅう酸、酢酸、乳
酸等のカルボン酸化合物、硫酸、塩酸等の鉱酸および塩
酸アンモニウム等の鉱酸塩等がある。なかでも、パラト
ルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、アル
キルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸等のスルホン酸化合物が特に好ましい。また、これら
の酸触媒はアミンによりブロックされていてもよい。
【0037】前記水酸基含有樹脂(a)と高アルキルエ
ーテル化メラミン樹脂(b)の配合量は、水酸基含有樹
脂/高アルキルエーテル化メラミン樹脂として、重量比
で90/10〜30/70である。
【0038】また、酸触媒(c)の配合量は、全樹脂の
固形分の0.3〜5重量%である。酸触媒(c)の量が
0.3重量%未満であると、前記した活性水素置換反応
が良好に進行せず、塗膜の硬化が不十分となる。一方、
5重量%を越すと硬く脆い塗膜となる。
【0039】樹脂を溶解させる溶剤(d)としては、ソ
ルベッソ100(エクソン化学株式会社)、トルエン、
キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、
酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレン
グリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ブタ
ノール、プロパノール等のアルコール系溶剤等が例示で
きる。これらの溶剤は単独または適宜混合して使用でき
る。
【0040】顔料組成物と酸硬化型塗料ワニスの配合量
は、重量比(固形分)で3/97〜50/50が好まし
く、より好ましくは5/95〜30/70である。顔料
組成物の配合比が3未満だと、塗料の着色力が低下し、
また50を越えると顔料の分散が困難となり、塗料品質
が低下する傾向にある。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表わす。
【0042】製造例1 10%酢酸水溶液(200部)、p−アミノベンゼンス
ルホン酸(36部)、アントラキノン−2−カルボニル
クロリド(20部)の混合物を60℃で2時間反応させ
た。次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して有機色素誘導体
(1)(14部)を得た。
【0043】
【化1】
【0044】製造例2 水(200部)、アミノエタンスルホン酸(16部)、
アントラキノン−2−スルホニルクロリド(20部)、
炭酸ナトリウム(7部)の混合物を60℃で2時間反応
させた。次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して有機色素誘
導体(2)(13部)を得た。
【0045】
【化2】
【0046】製造例3 水(200部)、p−アミノベンゼンスルホン酸(38
部)、2−クロロメチルアントラキノン(20部)、炭
酸ナトリウム(7部)の混合物を60℃で2時間反応さ
せた。次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して有機色素誘導
体(3)(13部)を得た。
【0047】
【化3】
【0048】製造例4 10%酢酸水溶液(200部)、p−アミノベンゼンス
ルホン酸(16部)、銅フタロシアニンカルボニルクロ
リド(20部)の混合物を60℃で2時間反応させた。
次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して有機色素誘導体
(4)(12部)を得た。
【0049】
【化4】
【0050】製造例5 10%酢酸水溶液(200部)、p−アミノベンゼンス
ルホン酸(28部)、キナクリドン−2−カルボニルク
ロリド(20部)の混合物を60℃で2時間反応させ
た。次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して有機色素誘導体
(5)(13部)を得た。
【0051】
【化5】
【0052】製造例6 製造例1の有機色素誘導体(1)(5部)を水(200
0部)を用いてスラリーとし、水酸化ナトリウムを加え
て弱アルカリ性にした。次いで、60℃に加熱した後に
硫酸アルミニウム(2部)の水溶液を加えて、スルホン
化合物をアルミニウム塩とし、濾過、水洗、乾燥、粉砕
して有機色素誘導体(9)(5部)得た。
【0053】実施例1〜7、比較例1〜6 表1のように、顔料(C.I.Pigment Red 177 )、有機色
素誘導体、塩基性基含有樹脂型顔料分散剤(ゼネカ
(株)製「 Solsperse 24000」)、アクリル樹脂(スチ
レン/n−ブチルアクリレート/2エチルヘキシルアク
リレート/2ヒドロキシエチルメタクリレート/メタク
リル酸共重合体、重量平均分子量8000)及びソルベ
ッソ100(エクソン化学(株)製)を配合し、分散し
た後に、完全アルコキシ型メチル化メラミン樹脂(三井
サイテック(株)製)「サイメル303」)及び酸触媒
(ドデシルベンゼンスルホン酸(キング社製「ネイキュ
ア5225」)を配合して酸硬化型塗料を得た。尚、表
1記載の有機色素誘導体(6)はアントラキノンに直接
スルホン基を置換したものである。
【0054】
【化6】
【0055】各塗料の粘度を測定したところ、表1に示
したように本発明の塗料組成物の方が比較例の塗料組成
物よりもチクソ性(TI値)が小さく、優れた流動性を
示した。
【0056】また、上記塗料組成物をフォードカップ#
4で20秒となるように粘度調整し、中塗りした塗板
(予めプライマー塗料を塗装した鋼板)に乾燥塗膜の厚
さが約30μmとなるようにエアースプレーで塗装し、
10分間静置した後、140℃で30分間焼き付けた。
表1に示すように、本発明の塗料組成物は塩基性基含有
樹脂型顔料分散剤を使用しても硬化阻害を起こさず、良
好な塗膜硬度を示し、また、塗膜光沢においても本発明
の塗料組成物の方が比較例よりも優れていた。
【0057】また、非集合性、非結晶性については、実
用上特に問題となる色別れ安定性によって評価した。前
記の塗料組成物を酸化チタンのベース塗料(酸化チタン
の分散ペースト、酸化チタン50phrをアクリル/メ
ラミン系樹脂で分散したもの。)で顔料と酸化チタンの
比率が1/10になるように希釈し、淡色塗料を調整す
る。ついでソルベッソ100で希釈し、フォードカップ
#4で20秒となるように粘度調整した後に、試験管に
注入してガラス壁面の変化を観察したところ、本発明に
よる塗料組成物を用いた方が、比較例の塗料組成物を用
いたものよりも経時による色分かれが少なかった。
【0058】
【表1】
【0059】実施例8〜11、比較例8、10、12、
14、16 実施例1と同様にして、表2に示す各種顔料11.4
部、各種有機色素誘導体0.6部、及び塩基性基含有樹
脂型顔料分散剤(ゼネカ(株)製「 Solsperse 2400
0」)1.2部、前記アクリル樹脂22.8部、前記完
全アルコキシ型メチル化メラミン樹脂24部、酸触媒1
部を及びソルベッソ100を39重量部、配合・分散し
て酸硬化型塗料を得た。
【0060】比較例7、9、11、13、15 比較例1と同様にして、表2に示す各種顔料11.4
部、各種有機色素誘導体0.6部、前記アクリル樹脂2
4部、前記完全アルコキシ型メチル化メラミン樹脂24
部、酸触媒1部を及びソルベッソ100を39重量部、
配合・分散して酸硬化型塗料を得た。
【0061】なお、表2においては、上記有機色素誘導
体の含有量を(顔料+有機色素誘導体)の量を基準とし
て5%と表し、また塩基性基含有樹脂型顔料分散剤の含
有量は(顔料+有機色素誘導体)の量に対して10%と
表した。
【0062】また、表2記載の有機色素誘導体(6)、
(7)、(8)は、有機色素残基に直接スルホン基を置
換したものであり、(6)は前述したようにアントラキ
ノン系、(7)はフタロシアニン系、(8)はキナクリ
ドン系である。
【0063】
【化7】
【0064】
【化8】
【0065】塗料の流動性、塗膜光沢、塗膜硬度につい
て実施例1〜6および比較例1〜6と同様に評価して、
結果を表2に記載した。
【0066】
【表2】
【0067】表2の通り、塗料流動性、塗膜光沢とも
に、本発明の塗料組成物の方が比較例の塗料組成物より
優れており、また本発明の塗料組成物は塩基性基含有樹
脂型顔料分散剤を使用していても硬化阻害を起こさず、
良好な塗膜硬度を示した。
【0068】
【発明の効果】本発明の酸硬化型塗料組成物は、非集合
性、非結晶性、流動性に優れるだけでなく、塗膜の光
沢、硬度に優れ、耐候性、耐溶剤性においても顔料単独
を用いた場合よりも良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−98200(JP,A) 特開 平6−212088(JP,A) 特開 昭56−161827(JP,A) 特開 昭56−81371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/00 - 201/10 C09C 3/00 - 3/12 C09B 67/20 C09B 67/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料100重量部に対して、下記一般式
    (1)で示される有機色素誘導体を0.5〜30重量
    部、重量平均分子量1000〜100000、アミン価
    10〜200mg KOH/gの塩基性基含有樹脂型顔料分散剤
    を0.5〜100重量部添加した顔料組成物と酸硬化型
    塗料ワニスとからなる塗料組成物。 一般式(1) Q−(A−SO3H) n 式中Q:有機色素残基もしくはアントラキノン残基を表
    す。 A:−CONH−Y1−、−SO2NH−Y1−、−CH2
    NH−Y1− Y1:炭素数1〜20で構成された、置換基を有してい
    てもよいアルキレン基、あるいは置換基を有していても
    よいアルケニレン基、あるいは置換基を有していてもよ
    いアリーレン基。 n:1〜4の整数を表す。
  2. 【請求項2】顔料100重量部に対して、下記一般式
    (1)で示される有機色素誘導体のアルミニウム塩を
    0.5〜30重量部、重量平均分子量1000〜100
    000、アミン価10〜200mg KOH/gの塩基性基含有
    樹脂型顔料分散剤を0.5〜100重量部添加した顔料
    組成物と酸硬化型塗料ワニスとからなる塗料組成物。 一般式(1) Q−(A−SO3H) n 式中Q:有機色素残基もしくはアントラキノン残基を表
    す。 A:−CONH−Y1−、−SO2NH−Y1−、−CH2
    NH−Y1− Y1:炭素数1〜20で構成された、置換基を有してい
    てもよいアルキレン基、あるいは置換基を有していても
    よいアルケニレン基、あるいは置換基を有していてもよ
    いアリーレン基。 n:1〜4の整数を表す。
  3. 【請求項3】 酸硬化型塗料ワニスが、水酸基含有樹脂
    (a)、高アルキルエーテル化メラミン樹脂(b)、酸
    触媒(c)、および溶剤(d)からなることを特徴とす
    る請求項1または2記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 水酸基含有樹脂(a)の重量平均分子量
    が10000以下であることを特徴とする請求項3記載
    の塗料組成物。
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