JP3284565B2 - 赤血球増殖誘導剤 - Google Patents
赤血球増殖誘導剤Info
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Description
成分とする赤血球増殖誘導剤に関する。
IgE低親和性レセプターFcεRII型である。免疫応
答においてリンパ球の移動や活性化細胞の相互作用を調
節することが知られている細胞表面分子は、免疫におい
て重要な特徴となっている自己−非自己認識に関与する
分子とともに3つのファミリーに分けられている(Spri
nger, T., Nature 346, 425 (1990))。
I(α鎖はimmunoglobulin superfamily)と異なり、3
つのファミリーのうちintegrin family に属する分子の
リガンドの特徴であるRGD配列とselectin family の
特徴であるレクチン構造を有している。このことからC
D23は、進化論的にはIgEのレセプターとしてより
何らかの細胞表面接着分子としての機能を有する可能性
を秘めていると考えられている。
化抗原でもあり、活性化B細胞や活性化マクロファージ
(IL4による)あるいは活性化好酸球(IL5によ
る)に発現(誘導)され、即時型アレルギーに深く係わ
っている。また、2次リンパ組織胚中心のfollicular d
endritic cellにおいて発現されているCD23は記憶
B細胞の維持に関与していることが示唆されている。さ
らに、酵素により切断された可溶性CD23が生体内に
存在しているが、この可溶性CD23もまたIgE結合
因子以外の活性、即ち、活性化B細胞に対するB細胞増
殖分化活性、NK細胞によるIgE抗体産生の調節活
性、IL1活性(胸腺細胞に対する増殖活性)及びマク
ロファージに対するMigration Inhibitory Factor 活性
等が報告されている。
キン1との相乗作用として、CD7陽性未分化胸腺細
胞、CD4陽性骨髄由来T細胞およびCD34陽性骨髄
前駆細胞に対して分化・増殖を誘導すること、また、リ
ンパ節胚中心のB細胞の生存および分化を誘導すること
が報告された。 参考文献 J. Exp. Med., 171, 959 (1990) Blood,75, 1924 (1990) Immunol. Today, 12, 206 (1991) Eur. J. Immunol., 21, 1073 (1991)
23の新規な用途を提供することである。
を解決すべく鋭意研究を行った結果、可溶性CD23が
造血系幹細胞のうち赤血球前駆細胞に対してその増殖・
分化を誘導することを見出した。さらに、従来より赤血
球増殖を誘導することが知られているエリスロポエチン
と可溶性CD23とを併用することによりエリスロポエ
チンの赤血球増殖誘導作用が増強されることを見出し
た。本発明は、かかる新知見に基づき完成されたもので
ある。
増殖誘導剤。
性領域からなる断片であって、IgEの低親和性レセプ
ターとしての活性を有するものであれば特に限定されな
い。ここでCD23とは膜結合型CD23のことであ
り、321個のアミノ酸からなり、N末端を細胞質内
に、C末端を細胞外に持つオリエンテーションで発現す
る膜糖蛋白質の一種である。この膜結合型CD23は、
(1)親水性のN末端細胞内部分(N末側1番目から2
1番目までのアミノ酸配列)、(2)疎水性の膜領域
(N末側22番目から47番目までのアミノ酸配列)お
よび(3)親水性のC末端細胞外部分(N末側48番目
からC末端までのアミノ酸配列)の3つの領域に分ける
ことができる。上記水溶性領域とは(3)CD23の細
胞外部分、すなわち、C末端親水性領域のことである。
従って、本発明で使用される可溶性CD23は、このC
末端親水性領域の一部のアミノ酸配列を含んでいればよ
い。例えば、膜結合型CD23のN末側50番目〜16
0番目のアミノ酸から始まり、282番目〜321番目
のアミノ酸で終わるアミノ酸配列などが例示される。こ
のような可溶性CD23として具体的には配列表に示す
アミノ酸配列のものが例示される。
く、細胞培養法、遺伝子工学的手法などにより調製され
たものが例示される。細胞培養法は、特開昭61−28
9100号、特開昭63−99099号などに開示され
ている。遺伝子工学的手法としては、大腸菌、酵母、動
物細胞を用いる方法(特開昭64−27496号、特開
昭63−198988号)、dhfr欠損型動物細胞を用い
る方法(特開昭63−68097号、特開平2−443
号)等が報告されている。本発明においては、上記手法
により調製された可溶性CD23を使用することができ
る。また可溶性CD23の調製には、ウロキナーゼプロ
モーターとDHFR遺伝子からなる発現系を用いること
もできる(特願平2−123573号など)。その他の
公知の一般的な発現方法を用いてもよい。
糖蛋白質であり、赤血球の前駆細胞に働き赤芽球の分化
を促進させることにより生体内において赤血球の産生を
調節する役割を果たしていることが知られている。赤血
球の産生過程においてEPOは、赤血球前駆細胞である
赤芽球コロニー形成細胞(colonyforming unit-erythro
id, CFU-E)の分化段階を促進する。
球増殖誘導の活性を有するものであれば特に制限されな
い。EPOの由来には特に制限はなく、尿由来、血清由
来、遺伝子工学的手法により得られるもの、細胞培養に
よるものなどいずれも使用できる。分子量約35,00
0〜40,000、糖鎖の末端にシアル酸残基を有する
EPOが例示される。EPOは貧血治療用の医薬品とし
て、既に遺伝子組換えにより調製された製剤が販売され
ており〔商品名:エスポー(キリンビール−三共)、商
品名:エポジン(中外製薬)など〕、本発明の赤血球増
殖誘導剤とEPOとを併用する場合にはこれらを利用す
ることができる。
に存在する状態で投与される限り、これらの製剤、投与
経路に特に制限はない。例えば、両者が混合された製剤
として投与してもよいし、別々の製剤として同時にまた
は別々に、同一経路または別個の経路で投与してもよ
い。
で、または担体(例えば、注射用蒸留水、生理食塩水、
ブドウ糖注射液など)、安定化剤(例えば、アルブミ
ン、クエン酸ナトリウム、アルギニン、デキストランな
ど)、pH調整剤(例えば、リン酸水素ナトリウム、リ
ン酸二水素ナトリウムなど)、その他の添加剤ととも
に、通常、経口剤あるいは非経口剤、例えば注射剤、点
滴剤、経皮剤、経鼻剤、外用剤、坐剤などとして調製さ
れる。当該製剤には、さらにEPOを配合させてもよ
い。
体重、性別、症状などより異なるが、一般に成人1回当
たり可溶性CD23が1 〜1000μg/kg体重程度であ
る。また、EPOと併用する場合の投与量は、患者の体
重、性別、症状などより異なるが、一般に成人1回当た
りEPOが100 〜3000Uに対して、可溶性CD23が1
〜1000μg/kg体重程度である。
は、経口あるいは非経口、例えば静注、点滴静注、冠動
脈内投与、経皮、経鼻、直腸内投与などが挙げられる。
可溶性CD23とEPOは、別々または同時に、同一経
路または別個の経路により投与される。別々に投与する
場合、どちらを先に投与してもよい。別々に投与する場
合のEPOの投与経路としては、例えば静注、点滴静
注、冠動脈内投与などが挙げられる。
生不良性貧血、人工透析患者の貧血、重症慢性腎不全患
者の貧血などの治療に有用である。特に、エリスロポエ
チンとの併用療法が好ましい。
ーダー配列−ヒト可溶性CD23遺伝子を組み込んだプ
ラスミドを構築した。尚、配列表に当該ヒト可溶性CD
23遺伝子をコードするDNA配列およびそれに演繹さ
れるアミノ酸配列を示す。
せたジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR) をコードするD
NAを組み込んでなるプラスミドの構築〕
(UK)プロモーターをコードするDNAの調製
K4(特開昭61-177987 号公報) をPstIで消化して、1
%アガロースゲルで電気泳動後、約400 bpの断片をエレ
クトロエリューションにより回収した。このDNA断片
0.4 μgをマルチプライムにより〔α- 32P]dCTP(アマ
ーシャム, PB10205)でラベルした。 目的分画を集めてCerenkov countを調べた結果、9.69×
107cpmであった。ラベルの収率は41%ラベルの比放射活
性は2.4 ×108 cpm/μgと計算された。
イゼーション Riccio et al.[(Nucl.Acids Res., 13, 2759-2771 (198
5)] の報告によれば、ヒトウロキナーゼプロモーター領
域はヒト染色体DNAの5.8 kb EcoRI断片及び12 kb の
BamHI 断片として得られる。HKG細胞高分子DNAを
EcoRI 及びBamHI で消化し各10μg を0.8%アガロー
スゲルで電気泳動後、で調製したプローブを用いてサ
ザンハイブリダイゼーションによりこれを確認した。そ
の結果、それぞれのサイズに相当する位置にシグナルが
検出された。
I で37℃、一夜消化した。0.8%アガロースゲル(宝
酒造、HE-12 泳動装置)で電気泳動後、エチジウムブロ
マイド染色し、マーカーとして泳動した。λ−DNA H
indIII消化物から求めた5.8 kbの位置を中心に2mm幅
でゲルを切り出し(ゲル2)、更にその上(ゲル1)下
(ゲル3)各3mm幅についてもゲルを切り出し、エレ
クトロエリューションによりDNA断片を抽出した。抽
出したDNAの一部を0.8%アガロースゲルで電気泳
動し、サザンハイブリダイゼーションにより目的のDN
A断片が含まれているかどうか確認した。ゲル2から抽
出したDNA断片中に目的のウロキナーゼプロモーター
領域が存在すると推定された。
ニング 前項で抽出したDNAについてファージベクターλgt10
を用いてDNAライブラリーを作製した。合計6.5×
105 個の組み換えファージをプラークハイブリダイゼ
ーションにより一次スクリーニングした。一次スクリー
ニングで28個のポジティブクローンが得られた。これを
更にプラークハイブリダイゼーションによる二次スクリ
ーニングしたところ、5個のポジティブクローンに絞ら
れた。ポジティブクローンの組み換えファージより簡易
抽出法でDNAを抽出し、EcoRI消化後、1%アガロー
スゲルで電気泳動し、サザンハイブリダイゼーションを
行った。その結果、2種類の組み換えファージがポジテ
ィブと判定された。クローン1,4,5は同じクローン
由来であり1種類とみなした。クローン15はこれらと
は別のクローン由来である。
たクローンよりファージDNAを簡易抽出法にて調製
し、 EcoRI消化した。これをフェノールクロロホルム抽
出し、水相を更にクロロホルム抽出後エタノール沈澱し
た。プラスミドpUC9(Pharmacia 社)を EcoRI消化
後アルカリフォスファターゼ処理し、その一部(1μ
g)と上記ファージDNAの EcoRI消化物をライゲーシ
ョンし、 E.Coli HB101 を形質転換させた。形質転換菌
のいくつかについて簡易抽出法にてプラスミドDNAを
抽出し、 EcoRI消化後1%アガロースゲルで電気泳動し
た。その結果、いくつかのサブクローンが5.8 kbに相当
するDNA断片を有していた。これらのクローン1と4
を更に各種制限酵素で消化後1%アガロースゲルで電気
泳動した。クローン1と4は切断様式は異なったもの
の、いくつかの共通する断片も見られたので5.8 kb断片
が逆方向に挿入されたものと推定された。それぞれのプ
ラスミドとpUKP1(図2参照)及びpUKP2と命
名した。
塩基配列から推定した制限酵素切断部位地図を基に、こ
の図から推定される酵素断片が得られるかどうかを確認
した。pUKP1を有するE.coli HB101を40μg/ml ア
ンピシリン含有スパーブロス100 mlで37℃、一夜培養
後、アルカリ−SDS法にてプラスミドDNAを調製し
た。このDNAについて各種制限酵素処理を行った。ま
た、表1にはプラスミドについて推定される制限酵素断
片のサイズとその有無について示した。表1に示したよ
うに推定される断片はすべて検出され、目的のヒトウロ
キナーゼプロモーター部位をコードするDNA断片がク
ローニングされたことが確認された。
法にて塩基配列の一部を調べた結果、Riccio等の報告
(前述)と一致した。
含むプラスミドの構築〕 図3にプラスミド構築の概要を示した。pSV2-dhfr (特
開昭63-105675 号公報)をPvuII, PstI で処理して得た
SV40エンハンサー・プロモーター、dhfr cDNA,
SV40 late ポリA付加シグナルを含む2.5 KbのDN
A断片をさらにHindIII で切断しSV40エンハンサー
・プロモーターを除いた2.1 KbのDNA断片を得た。こ
のHindIII- PstIDNA断片をT4DNAポリメラーゼ
で平滑末端した後、pUC19(宝酒造)のSmaI切断部
位にクローニングした。その結果、dhfr cDNAの5’
側(タンパクのN末側)がpUC19のポリリンカーの
HindIII の方を向いたpTT04が得られた。プラスミ
ドの確認はBamHI消化によりpUC19のポリリンカー
中のBamHI とSV40ポリA付加シグナルの後ろにある
BamHI で切り出されるDNA断片の大きさにより行っ
た。pTT04からは1.6 kbのDNA 断片が得られた。次
に、pUKP−1をHpaIとSmaIで切断し、ウロキナーゼ
遺伝子転写開始点より下流約30 bp のSmaI認識部位と転
写開始点より上流約800 bpのHpaI認識部位より切り出さ
れる約800 bpのDNA 断片を回収した。このUKプロモー
ター部位を含むDNA断片をpTT04のdhfr cD
NAの上流に挿入した。すなわちpTT04をXbaIで消
化後、BAP処理、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端
化し、UKプロモーターのHpaI−SmaI断片とライゲーシ
ョンを行った。トランスフォーメーション後、得られた
コロニーよりdhfr遺伝子とUKプロモーターが同じ
転写方向を向いたクローンを選択した。pTT04から
はUKプロモーターDNA断片の5’近傍のEcoRV とp
UC19のSalIでの切断で 280 bp のDNA断片を与え
るプラスミドを選び、pTT06とした。プラスミドは
さらに、 EcoRV+SacI, EcoRV +BamHI の切断によりそ
の構造を確認した。pTT06の EcoRV, SacI消化で
は、0.9, 1.8, 2,9 kbの断片が、EcoRV,BamHI消化では
0.6, 1.6, 3.5 kbの断片が得られた。これらの断片のサ
イズは、目的とするプラスミドの制限酵素地図と一致し
た。
D32のリーダー配列−ヒトsCD23遺伝子を組み込
んだプラスミド。 pTT06:UKプロモーター(ウロキナーゼ遺伝子転
写開始点を含む上流約8000bpの5’調節領域)に
支配されるDHFR遺伝子発現ユニットからなるプラス
ミド。
法で調製、増殖させた。
HEPES (ナカライテスク)に溶解し、2mMストック液を
調製した。これを培地に、目的の濃度になるように添加
し使用した。
入り)(Gibco) MEM-α(リボヌクレオシドとデオキシリボヌクレオシド
無し)(Gibco) それぞれ、MEM-α(w)、MEM-α(w/o)と略す。血清は牛
胎児血清(FCS)を非働化し使用した。
選択 MEM-α(w),10%FCS で継代しているDHFR欠損CHO 細胞
をトリプシン(0.125%)処理により、ディッシュよりはが
し107 cell/ml となるよう Hanks液に懸濁した。この懸
濁液0.5 ml,5×106 個の細胞にプラスミドDNA(1
μgのpTT06と40μgのpCDsCD23)を同
時にエレクトロポレーション法により導入した。この細
胞を106cells/dish となるように5枚の10cm dish に播
いた。2日間、MEM-α(w),10%FCS で培養後、選択培
地であるMEM-α(w/o),10%FCSに交換した。2〜3日
毎に培地交換を行い、10日間程培養するとコロニーの
形成が見られたので、各コロニーを96 wells Plateに移
し、さらに培養を続けた。96 wells Plate中で細胞がほ
ぼFull Sheetを形成したところで各種培養上清中の可溶
性CD23活性を測定した。高い活性を与えた細胞をス
ケールアップし、MTXによるDNA増幅に供した。
s/dishとなるように10nM MTX含有選択培地8〜10ml入り
10cmディッシュに植え込んだ。約3日毎に培地交換を行
い、2〜4週間培養を続けていると充分な細胞数の10nM
MTX耐性細胞が得られるので、次の段階のMTX濃度の
培地に継代した。このように10nM MTX濃度からスタート
して2μMまで順次MTX濃度を上げていった。各濃度
のMTX耐性細胞を10cm dish (Falcon, 3003)で培養
し、得られたヒトsCD23高産生細胞を限界希釈法に
よりクローニングしてヒトsCD23高産生細胞株を樹
立した。106 個の細胞を10mlの選択培地入りディッシ
ュ、Falcon 3003 に蒔き3日間培養して得られる上清の
ヒトsCD23濃度をそのMTX濃度におけるsCD2
3産生量とした。
るモノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA
法(Enzyme Linked Immunoabsorbent Assay, ELISA)によ
り測定した。培養液当たりの産生量は0.3 〜30μg/mlで
あった。
培養上清は融解遠心(10000 ×g, 10 分間) 後の上清に
0.02%sodium azide、1mM PMSF(phenylmethylsulfonyl
fluride)を添加したものを用いた。培養上清10mlに対
し、Sephadex G-100 100μl を用いて前処理した。即
ち、予め膨潤した後洗浄液A(ダルベッコのリン酸緩衝
生理食塩水)で平衡化したSephadex G-100 100μl を添
加し、0.5 〜2時間反応させた(rocking) 。遠心(3000
×g, 50 秒間) した後、上清は免疫沈降反応を続けた。
即ち、抗ヒトCD23モノクローナル抗体H107結合
Sepharose 4B 40 μl を予め溶出液(0.1M 酢酸、1M NaC
l)1500μl で処理した後、洗浄液A(同上) で平衡化
し、これを先の上清に添加し数時間放置した(rocking)
。遠心(3000 ×g, 50 秒間または10000 ×g, 15 秒間)
して得られた沈澱物は3mlの洗浄液A(同上)、次い
で洗浄液B(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水, 0.4M
NaCl )でそれぞれ洗浄(10000×g, 15 秒間の遠心操
作) した後、溶出液(同上)30μlを用いて溶出し
た。得られた溶出画分(10000×g, 15 秒間の遠心操作後
の上清)に1.8 μl の中和液(2M Tris )を速やかに
添加した。得られた可溶性CD23の分子量は、SDS
−電気泳動法によれば約25000 であった。
ン酸緩衝液にて透析した後に滅菌濾過して凍結乾燥し
た。用時、注射用水に溶解して注射剤とした。
POのin vitroバイオアッセイで用いられるフェニルヒ
ドラジン投与マウスの脾細胞を使用した(Exp.Hemato
l.,11, 649 (1983))。該脾細胞は、主にCFU−Eと
考えられ、エリスロポエチンにより前赤芽球(proeryth
roblast)に増殖・分化し、網状赤血球(reticulocyte)
を経て赤血球(erythrocyte)に至る。通常は骨髄中で行
われている赤血球増生(erythropoiesis)を脾臓で再現
できる点でこの方法は優れている。
ス)の腹腔内にフェニルヒドラジン60mg/kgを連続2
日間注射し、最初の注射の日より数えて5日目に脾臓を
摘出した。摘出した脾臓を培地中で細切し、得られた細
胞浮遊液をシャーレに移し、1〜3時間培養した。次い
で、細胞を回収、洗浄した後、新しい培地を用いて調製
した細胞浮遊液を最終濃度2×106 cell/ mlとなるよ
うに96穴マイクロプレートに入れた。これに所定の濃
度の可溶性CD23および/またはEPO加え、20時
間培養し、さらに[3H]チミジンで4時間パルスした後、
細胞を回収し、その放射活性を液体シンチレーションカ
ウンターで測定した。なお、本実験において可溶性CD
23は製造例1で得たものを、EPOは市販品(ベーリ
ンガーマンハイム社)を使用した。可溶性CD23単独
使用時の結果を表2に、可溶性CD23とEPOの併用
時の結果を表3に示す。
内投与マウスの脾細胞に対して単独でチミジンの取込み
を増加させた。さらに、フェニルヒドラジン腹腔内投与
マウスの脾細胞は用量依存的にEPOに反応し、チミジ
ン取込みが増加したが、このEPOの作用を可溶性CD
23は増強した。この結果、可溶性CD23は赤血球前
駆細胞が大部分であるフェニルヒドラジン腹腔内投与マ
ウスの脾細胞の増殖を単独またはヒトEPOと相乗的に
誘導することが確認された。
す。
Claims (3)
- 【請求項1】 可溶性CD23を有効成分とする赤血球
増殖誘導剤。 - 【請求項2】 エリスロポエチンと併用するための請求
項1記載の赤血球増殖誘導剤。 - 【請求項3】 赤血球増殖誘導が赤芽球コロニー形成細
胞を介したものである、請求項1記載の赤血球増殖誘導
剤。
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---|---|---|---|
JP21583791A JP3284565B2 (ja) | 1991-07-31 | 1991-07-31 | 赤血球増殖誘導剤 |
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JPH0532558A JPH0532558A (ja) | 1993-02-09 |
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1991
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カナダ国特許発明第2034737号明細書(1991年7月25日発行) |
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