JP3284397B2 - 移動壁吊り下げ機構における耐震システム - Google Patents

移動壁吊り下げ機構における耐震システム

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JP3284397B2
JP3284397B2 JP21687296A JP21687296A JP3284397B2 JP 3284397 B2 JP3284397 B2 JP 3284397B2 JP 21687296 A JP21687296 A JP 21687296A JP 21687296 A JP21687296 A JP 21687296A JP 3284397 B2 JP3284397 B2 JP 3284397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に地震時に生じる
移動壁本体(本件発明において絵画等の展示用パネルも
含む。)の縦揺れ及び横揺れによる衝撃を吸収すること
ができるようにした移動壁吊り下げ機構における耐震シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、美術品等の展示会場、会議室、
結婚式場等においては、その種類、形態又は雰囲気等に
よって会場である部屋の間仕切りを変えることができる
ようにすれば好ましいのであるが、このような要請から
生じたのが移動壁である。この移動壁は天井に敷設した
ハンガーレールを走行する複数の走行車輪を配設したラ
ンナーに連結した吊りボルトによって吊下げられてい
る。
【0003】また1枚の移動壁本体には、通常2本の吊
りボルトが配設されており、これら2本の吊りボルトの
上端は、前記各1個のランナーに固着されているととも
に、2本の吊りボルトのうち1本の下端は移動壁内に配
設されているコントローラーに、また他の1本の下端は
移動壁自体にそれぞれ固着されていた。
【0004】これをさらに正確に表現すると、ランナー
に固着されている吊りボルトを直接コントローラー又は
移動壁に固着するのではなく、コントローラー及び移動
壁には前記吊りボルトに螺合する螺溝を有するカプラー
の下端を固着し、このカプラーの前記螺溝に前記吊りボ
ルトを螺着せしめて一体化されていたのである。このよ
うに吊りボルトとカプラーを螺着せしめるのは、前記一
体化された吊りボルトとカプラーとの見掛け長を調整
し、移動壁の水平化又は隣り合う各移動壁の傾き及び上
下端の整然化を図るためであった。
【0005】一方、移動壁の下端にはこの移動壁の揺れ
及び不慮の移動を防止するために、出没自在のジャッキ
式ストッパー脚が配設されており、安定した状態に固定
することができる構造を有していたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記のように
ランナー、吊りボルト、カプラー及びコントローラー又
は移動壁が一体化されることにより、地震にともなう揺
れが生じると、前記のうち最も軸径が細くかつ弱い吊り
ボルトに大きな負担が掛かり、その結果、吊りボルトが
折損することになっていた。また積雪によりハンガーレ
ールに弓なり状の変形が生じることもあり、この結果上
下方法に圧縮されることになり、この場合も吊りボルト
が折損することがあった。このように吊りボルトが折損
すると、移動壁は当然のことながら転倒することになる
ので危険である。特に地震に際しては、その発生時期が
全く予測できない現実を考慮すると、その危険性を常に
はらんでいることになる。
【0007】もっとも地震時の横揺れに対応することが
できるようにした移動壁も確かに存在した。すなわち図
5に示すように、ランナーに回転自在に連結されている
吊りボルトaに球面空間部を有する第一杆体bを連結
し、この第一杆体bの前記球面空間部に係合する球状ブ
ロックcを有する第二杆体dを、この球状ブロックcが
第一杆体bの前記球面空間部に係合せしめることにより
連結し、さらに前記第二杆体dを移動壁に連結し、かつ
第一杆体bの外部から前記球状ブロックcに刺入するよ
うにスリーブピンeで固定した構造になっていた。
【0008】そしてこれによって地震によって移動壁に
横揺れ生じた場合に、この移動壁に連結されている第二
杆体dも横揺れすることになるが、この場合、前記第二
杆体dの球状ブロックcが回転することにより前記スリ
ーブピンeを折損することによって吊りボルトaに横揺
れが伝達されないようになされていた。
【0009】しかしこのスリーブピンeは、平時におい
ては移動壁の垂直性を維持せしめ、地震時に生じる横揺
れを吊りボルトaに伝達せしめないため、すなわち敢え
て折損せしめるために用いられるものであるから、スリ
ーブピンeの折損後は新たなスリーブピンと交替する必
要が生じる。しかしこの交替作業のためには、吊りボル
トaから第一杆体b以下を取り外し、かつ第一杆体bを
分解する等の作業がともなうことになる。この作業もは
なはだ大変であるのみならず、縦揺れ、すなわち垂直方
向への圧縮には全く対応することができないものとなっ
ているのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明に係る移
動壁吊り下げ機構における耐震システム(請求項1)は
前記の課題を解決するために、移動壁本体をハンガーレ
ールに沿って移動せしめるためのランナーに連結した吊
りボルトに杆体を連結するとともに、この杆体を、移動
壁本体内に配設したコントローラー又は移動壁本体自体
に挿通せしめ、前記コントローラー又は移動壁本体がテ
ーパー面を有する鼓型断面に形成した挿通用孔を介して
上下方向に移動可能に連結し、かつコントローラー及び
移動壁本体内部における杆体挿通用孔周辺下面に、下面
に球面を有するワッシャー状部材を固着するとともに、
杆体の下端に、前記球面に対応する湾曲面を形成した受
材を固着したものである。
【0011】またこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システム(請求項2)は前記の課題を解決す
るために、移動壁本体をハンガーレールに沿って移動せ
しめるためのランナーに連結した吊りボルトに、下部を
門型に形成した第一杆体を連結するとともに、その下方
に上部を逆門型に形成した第二杆体を配し、これら第一
及び第二杆体のそれぞれの門型形成部の側壁部に係合孔
を形成し、この係合孔に係合する係合突部を四方に有す
る芯金ブロックの係合突部を前記係合孔との係合により
第一杆体及び第二杆体を互いに回動自在に連結し、かつ
前記第一杆体の門型形成部の中央下面及び第二杆体の門
型形成部の中央上面に球体を弾性的に配設するととも
に、この球体を前記芯金ブロックの上下面中央に形成し
た椀型凹部に係合せしめ、前記第二杆体を移動壁本体内
に配設したコントローラー又は移動壁本体自体に挿通せ
しめ、前記コントローラー又は移動壁本体が上下方向に
移動可能に連結したものである。
【0012】さらにこの発明に係る移動壁吊り下げ機構
における耐震システム(請求項3)は前記の課題を解決
するために、コントローラー及び移動壁本体に形成した
杆体又は第二杆体挿通用孔をテーパー面を有する鼓型断
面に形成したものである。
【0013】またこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システム(請求項4)は前記の課題を解決す
るために、杆体又は第二杆体の下面に、杆体又は第二杆
体挿通用孔からの抜け出し防止用ストッパーを形成した
ものである。
【0014】さらにこの発明に係る移動壁吊り下げ機構
における耐震システム(請求項5)は前記の課題を解決
するために、コントローラー及び移動壁本体内部におけ
る杆体又は第二杆体挿通用孔周辺下面に、下面に球面を
有するワッシャー状部材を固着するとともに、杆体又は
第二杆体の下端に、前記球面に対応する湾曲面を形成し
た受材を固着したものである。
【0015】
【作用】すなわち請求項1に記載したこの発明に係る移
動壁吊り下げ機構における耐震システムにあっては、コ
ントローラー又は移動壁本体が杆体に沿って上下動自在
に連結してあることにより、地震による移動壁本体の縦
揺れ及び積雪等による上下方向への圧縮に吸収すること
ができる。
【0016】請求項2に記載したこの発明に係る移動壁
吊り下げ機構における耐震システムにあっては、地震が
発生した場合は、芯金ブロックに形成した椀型凹部に弾
性的に係合している球体を、その弾性に抗して押し出
し、球体と芯金ブロックとの係合を解くことになり、そ
の結果、前記第二杆体は自在に揺動することになる。し
たがって移動壁本体の揺れの吸収、すなわち吊りボルト
に伝達することがない。また地震が止むことにより、移
動壁本体の自重により全体的に垂直姿勢に復帰すること
になるので、再び球体は芯金ブロックの椀型凹部に自動
的に係合することになるのである。
【0017】請求項3に記載したこの発明に係る移動壁
吊り下げ機構における耐震システムにあっては、前記ま
での作用に加え、前記挿通用孔の断面形状をして地震に
際してコントローラー又は移動壁が杆体又は第二杆体に
対して角度変化が生じてもそれを許容することになり、
したがって地震の横揺れを杆体又は第二杆体の上方へ伝
達しないことになるのである。
【0018】請求項4に記載したこの発明に係る移動壁
吊り下げ機構における耐震システムにあっては、前記ま
での作用に加え、平時において移動壁本体を移動せしめ
る際に、この移動壁本体の下端が床面に接することを防
止し、また展示用パネルのごとくが上下方向に短く、か
つその下端が床面間に接しない場合においても、杆体又
は第二杆体から移動壁本体が離脱することを防止するこ
とができる。
【0019】請求項5に記載したこの発明に係る移動壁
吊り下げ機構における耐震システムにあっては、前記ま
での作用に加え、地震による横揺れが生じ、杆体又は第
二杆体に対するコントローラー及び移動壁本体の角度が
変わった場合にも、ワッシャー状部材及び受材に形成し
た球面及び湾曲面の自在な滑動によって常に全体が垂直
姿勢となる傾向を維持し、いわゆる自動調心を可能にす
るのである。
【0020】
【発明の実施の形態】次にこの発明に係る移動壁吊り下
げ機構における耐震システムの実施の形態(第一実施
例)を図1乃至図4に基づいて述べると、1は移動壁本
体Wをハンガーレール(図示せず)に沿って移動せしめ
るためのランナー(特に図示しないが、いかなる構造の
ものでもよい。)に連結した吊りボルトであり、この吊
りボルト1は前記ランナーに対して回転自在に連結され
ている。
【0021】2は吊りボルト1に連結した杆体であり、
吊りボルト1と杆体2の連結方法は以下の通りである。
すなわち、吊りボルト1の下端が挿入可能な凹部3を上
端に形成した杆体2に螺着することによって連結してあ
る。これによって連結は可能になるが、図示する本実施
例においてはナット4をいわゆるダブルナット的に螺着
せしめることにより、不慮の離脱を防止してある。尚、
杆体2に形成した前記凹部3の深さは、後述するように
吊下する移動壁本体Wの高さ調整又は姿勢矯正を行うこ
とを考慮し、吊りボルト1のかなりの長さを挿入するこ
とができる程度としてある。
【0022】5は移動壁本体Wの内部に配設したコント
ローラーであり、このコントローラー5の構造自体は前
記した従来例と大略同様であるが、この発明にあって
は、前記コントローラー5の中央に形成した杆体挿入用
孔6に杆体2を挿入した後、コントローラー5(したが
って移動壁本体Wを含む。)を杆体2の上下位置を変え
ずに移動壁本体Wを上下動せめることができるように構
成されている。すなわち杆体2とコントローラー5は一
体的に固着されていない。したがって前記杆体挿入用孔
6は、地震の際における移動壁本体Wの横揺れに対応す
るように、テーパー面を有する鼓型断面に形成してあ
る。このテーパー面の存在によって杆体2が垂直の姿勢
をとり移動壁本体Wのみが斜めの姿勢となっても、杆体
2にこれに基づく押圧力(負担)が掛からないことにな
る。
【0023】7は杆体2の下端(又は下面)に形成した
ストッパーであり、このストッパー7は移動壁本体Wを
ハンガーレールに沿って移動せしめる場合に移動壁本体
Wの下端が床面に接しないようにするために必要とな
る。
【0024】また移動壁本体Wを絵画等の展示用パネル
として使用する例もあるところ、展示用パネル状に形成
すると、このパネルの下端が会場の床面よりかなり高い
位置になる場合もある。この場合は、まさに展示用パネ
ルは浮上した状態で吊下していいるのであるから、この
ストッパー7が存在しない場合は、展示用パネルは落下
することになるので、これを防止する意味もある。
【0025】さらに前記ストッパー7部分の処理として
は図3に示すように、前記コントローラー5の杆体挿入
用孔6下面に、下面を球面を有するワッシャー状部材8
を固着するとともに、杆体2の下端に、前記球面に対応
する湾曲面を形成した受材9を固着することもある。地
震によって移動壁本体Wが横揺れした場合、杆体2に対
するコントローラー5の角度が変化するが、この変化に
よって前記ワッシャー状部材8と受材9との接触面に位
置ずれが生じるところ、これらの球面をして滑動を促
し、移動壁本体Wの自重も加わり、地震の終了時には自
動的に調心されることになるのである。
【0026】以上までの説明は、コントローラー5に対
する杆体2等の関係について述べたが、前記のように1
枚の移動壁本体Wには適当間隔を保持して2本の吊りボ
ルト1,1’が連結されている。そのうち1本がコント
ローラー5側に連結されているが、他の1本の吊りボル
ト1’は移動壁本体Wに連結されている。
【0027】以下の説明は、移動壁本体Wに吊りボルト
1’を直接連結する手段について図2を参照して述べる
が、特に説明しない点においては前記コントローラー5
に対する連結方法と同様である。
【0028】10は移動壁本体Wの骨格を形成するH鋼
であり、このH鋼10には杆体2’よりも径大な孔11
を穿設してある。そしてこの孔11の下面に前記コント
ローラー5に形成した杆体挿入用孔6と等しい断面形状
を有するカップリング12を溶接により取り付ける。そ
してH鋼10に形成した孔11とカップリング12の孔
中に杆体2’を挿通せしめるのである。
【0029】このものにおいても杆体2’は前記各孔に
は挿入してはいるものの固着されていないため、移動壁
本体Wは前記杆体2’に沿って上下動することができ
る。
【0030】尚、前記したいずれのものにおいても吊り
ボルト1,1’の杆体2,2’への深入度を調整するこ
とによって仮に地震の結果として又は積雪等によりハン
ガーレールに傾き又は弓なり等の変形が生じ、その結果
吊下されている移動壁本体Wに傾きが生じても、移動壁
本体Wの上下端の水平化を図ることができる。
【0031】次にこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システム実施の形態(第二実施例)を図4に
基づいて述べるが、本実施例において前記第一実施例と
共通する点の説明は省略する。
【0032】同図において13は吊りボルト1に螺着し
た第一杆体であり、吊りボルト1に対する第一杆体13
の連結方法は、第一実施例における吊りボルト1と杆体
2のそれと同様である。しかしこの第一杆体13は図示
するように門型状に形成してあり、かつこの門型形成部
の側壁部14に係合孔15を形成してある。
【0033】16は前記第一杆体13とは上下逆に形成
した第二杆体であり、したがってこの第二杆体16の門
型形成部の側壁部14’にも係合孔15’が穿設されて
いる。
【0034】17は四方側面に前記係合孔15,15’
に係合可能な係合突部18を突設した芯金ブロックであ
り、この芯金ブロック17は図示するところによれば四
角形状に形成してあるが、例えば円盤状であっても構わ
ない。尚、この芯金ブロック17に対する係合突部18
の配設方法は、芯金ブロック17の該当箇所にあらかじ
め挿入孔を穿設しておくとともに、この芯金ブロック1
7を上下方向に向き合わせた門型形成部内に挿入した
後、この門型形成部の側壁部14,14’の外側から係
合孔15,15’を経由して係合突部18を螺着するこ
とによって行うことができる。
【0035】19は前記芯金ブロック17の上下面の中
央に形成した椀型凹部19であり、20は第一杆体13
及び第二杆体16の軸部に形成した孔21中に配設した
スプリングである。そしてこの孔21における芯金ブロ
ック17側には、前記スプリング20に係合せしめた球
体受け金22を配設してあり、したがってこの球体受け
金22は前記スプリング20の伸縮に追随して上下動す
ることになる。
【0036】第一杆体13側に配設した球体受け金22
にはその下面に、また第二杆体16に配設した球体受け
金22にはその上面に、球体23が係合する程度の深さ
を有する椀型凹部19’をそれぞれ形成してあり、この
椀型凹部19’と前記した芯金ブロック17に形成した
椀型凹部19との間に前記球体23を配設するのであ
る。
【0037】尚、前記第二杆体16の下端は、コントロ
ーラー5又は移動壁本体Wに第一実施例と同様の手段に
より連結されている。
【0038】したがった地震によって移動壁本体Wに横
揺れが発生した場合、第二杆体16も同方向へ揺れ、こ
の第二杆体16はこれに係合している係合突部18を中
心に回動することになり、その結果、第二杆体16に弾
性的に配設されている球体23が、第二杆体16に係合
しつつ芯金ブロック17に形成した椀型凹部19から外
れ、芯金ブロック17の平面部によってスプリング20
の弾性に抗して第二杆体16に形成した孔21内に若干
退避する状態を呈することになる。したがって球体23
は外部に飛出するようなことはない。
【0039】移動壁本体Wはそれ自体、自重を有するも
のであるが、地震の揺れによって往復揺動をなし、その
都度前記球体23が芯金ブロック17の椀型凹部19に
係脱を繰り返すことになるが、地震による揺れが止む
と、移動壁本体Wの自重をして全体が垂直状態を呈する
ことになるため、前記球体23は芯金ブロック17の椀
型凹部19に確実に係合し、平時の姿勢に復帰すること
になるのである。
【0040】以上は地震により移動壁本体W及び第二杆
体16が揺れた場合について述べたが、地震による揺れ
の方向は特定も予測もできないため、むしろ第一杆体1
3側が揺れる場合及び双方ともに揺れる場合もあり得る
が、この場合における第一杆体13側の揺れに基づく球
体23の変動についても第二杆体16におけるそれとま
ったく同一である。
【0041】
【発明の効果】前記のように、この発明に係る移動壁吊
り下げ機構における耐震システム(請求項1)によれ
ば、移動壁本体をハンガーレールに沿って移動せしめる
ためのランナーに連結した吊りボルトに杆体を連結する
とともに、この杆体を、移動壁本体内に配設したコント
ローラー又は移動壁本体自体に挿通せしめ、前記コント
ローラー又は移動壁本体がテーパー面を有する鼓型断面
に形成した挿通用孔を介して上下方向に移動可能に連結
し、かつコントローラー及び移動壁本体内部における杆
体挿通用孔周辺下面に、下面に球面を有するワッシャー
状部材を固着するとともに、杆体の下端に、前記球面に
対応する湾曲面を形成した受材を固着してあるので、コ
ントローラー又は移動壁本体が杆体に沿って上下動自在
になり、地震による移動壁本体の縦揺れ及び積雪等によ
る上下方向への圧縮に吸収することができるという効果
を有するのである。
【0042】またこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システム(請求項2)によれば、移動壁本体
をハンガーレールに沿って移動せしめるためのランナー
に連結した吊りボルトに、下部を門型に形成した第一杆
体を連結するとともに、その下方に上部を逆門型に形成
した第二杆体を配し、これら第一及び第二杆体のそれぞ
れの門型形成部の側壁部に係合孔を形成し、この係合孔
に係合する係合突部を四方に有する芯金ブロックの係合
突部を前記係合孔との係合により第一杆体及び第二杆体
を互いに回動自在に連結し、かつ前記第一杆体の門型形
成部の中央下面及び第二杆体の門型形成部の中央上面に
球体を弾性的に配設するとともに、この球体を前記芯金
ブロックの上下面中央に形成した椀型凹部に係合せし
め、前記第二杆体を移動壁本体内に配設したコントロー
ラー又は移動壁本体自体に挿通せしめ、前記コントロー
ラー又は移動壁本体が上下方向に移動可能に連結してあ
るので、地震が発生した場合は、芯金ブロックに形成し
た椀型凹部に弾性的に係合している球体を、その弾性に
抗して押し出し、球体を芯金ブロックとの係合を解くこ
とになり、その結果、前記第二杆体は自在に揺動するこ
とになり、したがって移動壁本体の揺れの吸収、すなわ
ち吊りボルトに伝達することがないとともに、また地震
が止むことにより、移動壁本体の自重により全体的に垂
直姿勢に復帰することになるので、再び球体は芯金ブロ
ックの椀型凹部に自動的に係合することになるという効
果を有するのである。
【0043】さらにこの発明に係る移動壁吊り下げ機構
における耐震システム(請求項3)によれば、コントロ
ーラー及び移動壁本体に形成した杆体又は第二杆体挿通
用孔をテーパー面を有する鼓型断面に形成してあるの
で、前記までの効果に加え、前記挿通用孔の断面形状を
して地震に際してコントローラー又は移動壁が杆体又は
第二杆体に対して角度変化が生じてもそれを許容するこ
とになり、したがって地震の横揺れを杆体又は第二杆体
の上方へ伝達しないという効果を有するのである。
【0044】またこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システム(請求項4)によれば、杆体又は第
二杆体の下面に、杆体又は第二杆体挿通用孔からの抜け
出し防止用ストッパーを形成してあるので、前記までの
効果に加え、平時において移動壁本体を移動せしめる際
に、この移動壁本体の下端が床面に接することを防止
し、また展示用パネルのごとくが上下方向に短く、かつ
その下端が床面間に接しない場合においても、杆体又は
第二杆体から移動壁本体が離脱(落下)することを防止
することができるという効果を有するのである。
【0045】さらにこの発明に係る移動壁吊り下げ機構
における耐震システム(請求項5)によれば、コントロ
ーラー及び移動壁本体内部における杆体又は第二杆体挿
通用孔周辺下面に、下面に球面を有するワッシャー状部
材を固着するとともに、杆体又は第二杆体の下端に、前
記球面に対応する湾曲面を形成した受材を固着してある
ので、前記までの効果に加え、地震による横揺れが生
じ、杆体又は第二杆体に対するコントローラー及び移動
壁本体の角度が変わった場合にも、ワッシャー状部材及
び受材に形成した球面及び湾曲面の自在な滑動によって
常に全体が垂直姿勢となる傾向を維持し、いわゆる自動
調心を可能にするという効果を有するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る移動壁吊り下げ機構における耐
震システムにおいてコントローラーに対する杆体の連結
方法の一例を示す断面図である。
【図2】(イ)はこの発明に係る移動壁吊り下げ機構に
おける耐震システムにおいて移動壁本体に対する杆体の
連結方法の一例を示す断面図、(ロ)は(イ)のA−A
線断面図である。
【図3】杆体の下端部に取り付けたワッシャー状部材と
受材の関係を示す断面図である。
【図4】この発明に係る移動壁吊り下げ機構における耐
震システムの第二実施例を示す断面図(イ)及び第一及
び第二杆体並びに芯金ブロックの分解斜視図(ロ)であ
る。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吊りボルト 2 杆体 3 凹部 4 ナット 5 コントローラー 6 杆体挿入用孔 7 ストッパー 8 ワッシャー状部材 9 受材 10 H鋼 11,21 孔 12 カップリング 13 第一杆体 14,14’ 側壁部 15,15’ 係合孔 16 第二杆体 17 芯金ブロック 18 係合突部 19,19’ 椀型凹部 20 スプリング 22 球体受け金 23 球体 W 移動壁本体

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動壁本体をハンガーレールに沿って移
    動せしめるためのランナーに連結した吊りボルトに杆体
    を連結するとともに、この杆体を、移動壁本体内に配設
    したコントローラー又は移動壁本体自体に挿通せしめ、
    前記コントローラー又は移動壁本体がテーパー面を有す
    る鼓型断面に形成した挿通用孔を介して上下方向に移動
    可能に連結し、かつコントローラー及び移動壁本体内部
    における杆体挿通用孔周辺下面に、下面に球面を有する
    ワッシャー状部材を固着するとともに、杆体の下端に、
    前記球面に対応する湾曲面を形成した受材を固着したこ
    とを特徴とする移動壁吊り下げ機構における耐震システ
    ム。
  2. 【請求項2】 移動壁本体をハンガーレールに沿って移
    動せしめるためのランナーに連結した吊りボルトに、下
    部を門型に形成した第一杆体を連結するとともに、その
    下方に上部を逆門型に形成した第二杆体を配し、これら
    第一及び第二杆体のそれぞれの門型形成部の側壁部に係
    合孔を形成し、この係合孔に係合する係合突部を四方に
    有する芯金ブロックの係合突部を前記係合孔との係合に
    より第一杆体及び第二杆体を互いに回動自在に連結し、
    かつ前記第一杆体の門型形成部の中央下面及び第二杆体
    の門型形成部の中央上面に球体を弾性的に配設するとと
    もに、この球体を前記芯金ブロックの上下面中央に形成
    した椀型凹部に係合せしめ、前記第二杆体を移動壁本体
    内に配設したコントローラー又は移動壁本体自体に挿通
    せしめ、前記コントローラー又は移動壁本体が上下方向
    に移動可能に連結したことを特徴とする移動壁吊り下げ
    機構における耐震システム。
  3. 【請求項3】 コントローラー及び移動壁本体に形成し
    た杆体又は第二杆体挿通用孔はテーパー面を有する鼓型
    断面に形成した請求項2記載の移動壁吊り下げ機構にお
    ける耐震システム。
  4. 【請求項4】 杆体又は第二杆体の下面に、杆体又は第
    二杆体挿通用孔からの抜け出し防止用ストッパーを形成
    した請求項1、請求項2又は請求項3記載の移動壁吊り
    下げ機構における耐震システム。
  5. 【請求項5】 コントローラー及び移動壁本体内部にお
    ける杆体又は第二杆体挿通用孔周辺下面に、下面に球面
    を有するワッシャー状部材を固着するとともに、杆体又
    は第二杆体の下端に、前記球面に対応する湾曲面を形成
    した受材を固着した請求項2、請求項3又は請求項4記
    載の移動壁吊り下げ機構における耐震システム。
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