JP3283312B2 - 低熱膨張セラミックス成形体の製造法 - Google Patents

低熱膨張セラミックス成形体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屑ガラスの使用も可能
で、低焼成収縮で寸法精度に優れ、迅速焼成が可能で、
かつ、低熱膨張係数を有する、大型の建築材に適した低
熱膨張セラミックス成形体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、住宅、ビルの内外装に用いられ
ているタイル、瓦などのセラミックス焼成体は、原料と
して粘土質成分を含有しており、乾燥収縮が大きくかつ
焼成温度が1200〜1400℃と高く焼成収縮も大き
い。このため、一般のタイル、瓦用の組成物では、大型
品、異形品の正確な寸法の製品を得るのが困難である。
【0003】また、これの対策として従来から特開昭5
5−113662号公報のようなガラス粉末を含有させ
る低温焼成の陶磁器が研究されているが、特開昭55−
113662号公報では、粘土質成分を含有させている
ため、吸水率が5%以下程度の石器質から磁器質の大型
で耐久性に優れたセラミックス焼結体のものを低焼成収
縮で、なおかつ発泡させずに作成するのは不可能であっ
た。
【0004】そこで、特開平4−89350号公報
、粘土質成分を含まないセラミックス骨材と軟化温度
がセラミックス骨材より低いガラス粉末とを主原料
し、低焼成収縮を達成し、大型品の焼成を可能としてい
る。しかし、熱膨張率が大きいため短時間焼成が困難で
生産性が充分でなく、さらには、この大きな熱膨張率の
ため建築材料としては充分でないという課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術が有していた上記課題を解消した、新しい低熱膨
張セラミックス焼成体の製造法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、NaOを含
み熱膨張係数が2×10−6〜7×10−6/℃である
低膨張ガラス粉末と、軟化温度が前記ガラス粉末より高
く熱膨張係数が−7×10−6〜7×10−6/℃であ
るLiO−Al−SiO系低膨張セラミック
ス骨材とを主原料とし、前記主原料中の含有量は、無機
成分として重量%表示で前記ガラス粉末20〜70%、
前記低熱膨張セラミックス骨材30〜80%であり、
記主原料に成形助剤を加え、加圧成形し、700〜10
00℃で焼成することにより形成され、耐熱衝撃性が優
れる低熱膨張セラミックス成形体の製造法である。
【0007】本発明で使用する低膨張セラミックス骨材
は、補強材(骨材)の役割で使用されるため、用いるガ
ラス粉末の軟化温度よりも高い軟化温度を有するもので
ある。かつ、低膨張セラミックス骨材は、熱膨張係数が
−7×10 −6 〜7×10−6/℃であるLiO−A
−SiO系のものである。具体的には、スポ
ジューメン(LiO・Al・4SiO)、ユ
ークリプタイト(LiO・Al・2Si
)、ペタライト(LiO・Al・8SiO
)等を含み、その化学組成としては、LiO:5〜
8重量%、Al:15〜30重量%、SiO
60〜80重量%、NaO:0〜1重量%、KO:
0〜1重量%、Fe:0〜1重量%のものが例示
される。この際、通常陶磁器などで用いられる粘土質成
分、例えば、蛙目粘土、木節粘土等の可塑性粘土、タル
ク、ベントナイト等は、乾燥、焼成後の収縮が大きくな
るため好ましくない。
【0008】低膨張セラミックス骨材は、補強材(骨
材)の役割で使用されるため、30〜80重量%の割合
で使用する。低膨張セラミックス骨材の含有量は、30
重量%未満では、焼成収縮及び熱膨張率が大きくなるの
で好ましくなく、80重量%を超えると焼結が不充分と
なり吸水率が大きくなるので好ましくない。
【0009】また、低膨張セラミックス骨材は、−7×
10 −6 〜7×10−6/℃の熱膨張係数を有するもの
を使用する。熱膨張係数が7×10−6/℃を超える
と、耐熱衝撃性が悪くなり好ましくなく、−7×10
−6/℃未満の熱膨張係数を有するセラミックス骨材は
高価であり、また、使用するガラス粉末の熱膨張係数と
の差が大きくなり、耐熱衝撃性が悪くなるため、本発明
では使用されない。
【0010】本発明で使用する前記ガラス粉末として
は、熱膨張係数が2×10 −6 〜7×10−6/℃であ
るホウケイ酸ガラスが用いられる。ガラスの組成は、S
iO:65〜75重量%、Al:3〜6重量
%、NaO:7〜12重量%、Fe:0.2重
量%、B:10〜16重量%、CaO:0〜2重
量%のものが望ましく、原料費の面から魔法瓶のガラス
屑が望ましい。
【0011】該ガラス粉末は、20〜70重量%の割合
で使用する。該ガラス粉末が、20重量%未満では70
0〜1000℃程度の低温焼成では焼結が充分に進ま
ず、吸水率が小さくなり難いので好ましくない。また、
該ガラス粉末が70重量%を超えると焼成時の収縮が大
きく、寸法精度が悪くなりやすいので好ましくない。
【0012】本発明においては、加圧成形により均一な
成形体を得るために成形助剤を用いる。該成形助剤とし
て水溶性高分子材料を用いるが、成形性の確保及び低乾
燥収縮化を目的にメチルセルロースまたはヒドロキシエ
チルセルロースの使用が望ましい。一般にタイルなどの
セラミックス成形体は、成形後の乾燥において水の逸散
により原料の粒子間隔が狭まり乾燥収縮を生じるが、前
記メチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース
を成形助剤として適量用いることにより、乾燥において
水の逸散が生じても原料粒子間にスケルトン状となった
前記メチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロー
スが残り原料粒子間隔が狭まるのを防ぎ、乾燥収縮を小
さく抑えることができる。
【0013】該水溶性高分子材料は、0.2〜3重量%
の範囲で使用することが好ましい。0.2重量%未満で
は、該水溶性高分子材料を全ての原料粒子の表面に均一
に付着させることが難しく、前記の目的を達成し難いた
め好ましくない。また、3重量%を超えると原料コスト
が高くなり、また、乾燥後の焼成において充分な脱脂工
程が必要で、寸法精度が悪くなりやすいので好ましくな
い。
【0014】また、加圧成形のうち押出成形法により成
形する場合は、成形助剤として前記水溶性高分子材料に
加えマイクロシリカを用いることが望ましい。マイクロ
シリカとしては、フェロシリコン、脱珪ジルコニア生産
時の珪酸質ダストで、球状で、SiO分含有量が80
重量%以上で、比表面積10m/g以上、好ましくは
20m/g以上のものがボールベアリング効果が大き
で好ましい。
【0015】マイクロシリカの含有量は、1〜20重量
%の範囲が好ましい。1重量%未満では、押出成形が容
易にできないので好ましくない。また、20重量%を超
えると押出成形性は特に問題ないが、焼成時に発泡現象
を示す傾向があり、寸法精度が悪くなるので好ましくな
い。
【0016】以上の成分に水を加えて混練し、加圧成形
を行なう。添加する水量は、成形方法により異なるが、
押出成形においては無機成分100重量部に対して15
〜25重量部程度である。また、押出成形にあたっての
押出圧力としては5〜50kg/cm程度が採用され
る。プレス成形における添加水量は無機成分100重量
部に対して5〜30重量部程度である。また、プレス成
形にあたってのプレス圧力としては2〜200kg/c
程度が採用される。各成形方法において、成形体の
形状は特に限定されない。
【0017】かくして成形した成形体の焼結は、ガラス
の軟化点と同等か若干高い温度に保持することにより達
成される。ホウケイ酸ガラスの粉末を使用する場合は、
通常700〜1000℃の温度に1〜3時間保持するこ
とにより達成される。
【0018】
【作用】次に、本発明の作用について説明する。主原料
としてガラス粉末と骨材を組み合わせれば、これらを低
い温度で焼結でき、充分な強度を発現させうる。しか
し、主原料の熱膨張率が小さくなければ、大型形状の成
形体として迅速に焼成することは困難であり、さらに、
建築材として適さない。そこで、ガラス粉末としてNa
Oを含む低膨張ガラスの粉末を用い、骨材としてLi
O−Al−SiO系低膨張セラミックス骨材
を用いることにより、骨材中のリチウムがガラス中のナ
トリウムと置換し骨材とガラスの界面部分のガラスの軟
化を促進し、700〜900℃での焼成で骨材とガラス
が充分に融着する。さらに、ガラスと骨材の熱膨張率が
小さく、その差も小さいために大型品の迅速焼成が可能
であり、その焼成体は、耐熱衝撃性に優れるものであ
る。
【0019】
【実施例】表1に示す各配合の混練物を本田鉄工社製押
出機DE−250型に投入し、600×20mmの口金
ダイスより押出成形し、1000mm長さで切断し成形
体を得た。この成形体を40℃で16時間、その後11
0℃で3時間乾燥し、表1の焼成温度で焼成し冷却して
試料を作製した。表1において、スポジューメンよりマ
イクロシリカまでの単位は重量%であり、これら100
重量部に対する重量部によりメチルセルロース、水の量
を示す。また、表1に示した各原料の組成等を表2に示
した。
【0020】この試料より供試体を切り出し、熱膨張係
数、耐熱衝撃性、曲げ強度及び吸水率を測定するととも
に供試体の外観を肉眼にて観察した。また、成形後、乾
燥後及び焼成後の寸法を測定し、数1により乾燥収縮率
及び焼成収縮率を求めた。
【0021】
【数1】
【0022】吸水率は、JIS−A5209に基づき次
のようにして求めた。すなわち、試験体を105〜11
0℃の空気乾燥器内で約3時間保った後常温に冷却し、
その重量を測定して乾燥時の重量(W)とする。次に
これを常温の清水中に浸し、24時間経過した後取り出
し、固く絞った湿布で手早く拭き直ちに測定した重量を
吸水時の重量(W)とする。吸水率は数2によって求
める。
【0023】
【数2】
【0024】熱膨張係数は、マックサイエンス社製熱分
析システムにより、室温から900℃まで測定し、その
平均値(単位:×10−6/℃)とした。なお、900
℃以下で軟化する場合は、室温から軟化開始温度までの
平均値とした。
【0025】耐熱衝撃性はJIS−A1321(建築物
の内装材料及び工法の難燃性試験方法)の表面試験に基
づいて行なった。
【0026】なお、比較例についても同様の試験を行な
った。これらの結果は、表1に示すとおりである。同表
中の耐熱衝撃性の欄の○印は、割れが生じなかったこと
を示し、×印は割れを生じたことを示す。
【0027】
【表1】
【表2】 表1より明かなように、本発明によるものは熱膨張係数
が小さく、耐熱衝撃性に優れている。
【0030】
【発明の効果】本発明による低熱膨張セラミックス成形
体は、各種加圧成形に適しているため、大物、薄物、異
形品の成形が可能であると同時に、焼成においては、焼
成収縮率及び熱膨張率が小さいため、迅速な焼成により
低い吸水率のものが寸法精度良く得られ、また、得られ
たものの熱膨張率が小さいため、耐熱衝撃性に優れるの
で大物セラミックス建材として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 旭 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 審査官 三崎 仁 (56)参考文献 特開 平4−89350(JP,A) 特開 昭61−295283(JP,A) 特開 昭60−118668(JP,A) 特開 昭59−130005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/14 - 35/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NaOを含み熱膨張係数が2×10−6
    〜7×10−6/℃である低膨張ガラス粉末と、軟化温
    度が前記ガラス粉末より高く熱膨張係数が−7×10
    −6〜7×10−6/℃であるLiO−Al
    SiO系低膨張セラミックス骨材とを主原料とし、
    記主原料中の含有量は、無機成分として重量%表示で前
    記ガラス粉末20〜70%、前記低熱膨張セラミックス
    骨材30〜80%であり、前記主原料に成形助剤を加
    え、加圧成形し、700〜1000℃で焼成することに
    より形成され、耐熱衝撃性が優れる低熱膨張セラミック
    ス成形体の製造法。
  2. 【請求項2】前記セラミックス成形体の吸水率が5.0
    %以下である請求項1に記載の低熱膨張セラミックス成
    形体の製造法。
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