JP3283156B2 - 複合金属材料の連続製造方法 - Google Patents
複合金属材料の連続製造方法Info
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- JP3283156B2 JP3283156B2 JP07516295A JP7516295A JP3283156B2 JP 3283156 B2 JP3283156 B2 JP 3283156B2 JP 07516295 A JP07516295 A JP 07516295A JP 7516295 A JP7516295 A JP 7516295A JP 3283156 B2 JP3283156 B2 JP 3283156B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異なる 2種の金属材料
を積層した複合金属材料を連続的に製造する方法に関す
る。
を積層した複合金属材料を連続的に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、工業技術の発展に伴って、単独材
料では実現が不可能な複数の機能を兼備した素材、例え
ば特性の異なる 2種の金属材料を積層、接合した複合金
属材料に対する要求が高まっている。例えば、リニアモ
ータを利用した交通機関や昇降機等においては、リニア
モータと対向させてリアクションプレート、リアクショ
ンパイプ等と呼ばれる回転モータのステータに相当する
部材が配置される。これらリアクションプレートやリア
クションパイプには、高強度、低コストの鋼材と高電気
伝導率を有するアルミニウムや銅とのクラッド材が用い
られており、特に長尺形状のものが求められている。
料では実現が不可能な複数の機能を兼備した素材、例え
ば特性の異なる 2種の金属材料を積層、接合した複合金
属材料に対する要求が高まっている。例えば、リニアモ
ータを利用した交通機関や昇降機等においては、リニア
モータと対向させてリアクションプレート、リアクショ
ンパイプ等と呼ばれる回転モータのステータに相当する
部材が配置される。これらリアクションプレートやリア
クションパイプには、高強度、低コストの鋼材と高電気
伝導率を有するアルミニウムや銅とのクラッド材が用い
られており、特に長尺形状のものが求められている。
【0003】上述したような異なる 2種の金属材料を積
層した複合金属材料を製造する方法としては、従来、
(1)母材用金属とクラッド用金属とを爆着法により積層
接合する方法、 (2)母材用金属板とクラッド用金属板と
を熱間圧延法により積層接合する方法、 (3)母材用金属
板上に連続鋳造法によりクラッド用金属の溶湯を堆積さ
せつつ凝固させる方法、 (4)母材用金属芯材をクラッド
用金属の溶湯で連続的に鋳ぐるみする方法(特開昭 62-
203640号公報、特開平5-123831号公報等参照)、等が知
られている。
層した複合金属材料を製造する方法としては、従来、
(1)母材用金属とクラッド用金属とを爆着法により積層
接合する方法、 (2)母材用金属板とクラッド用金属板と
を熱間圧延法により積層接合する方法、 (3)母材用金属
板上に連続鋳造法によりクラッド用金属の溶湯を堆積さ
せつつ凝固させる方法、 (4)母材用金属芯材をクラッド
用金属の溶湯で連続的に鋳ぐるみする方法(特開昭 62-
203640号公報、特開平5-123831号公報等参照)、等が知
られている。
【0004】しかし、上述した (1)爆着法では、母材と
クラッド材との接合面が波打ち状態となりやすく、接合
面積に限界があり、また製造コストが非常に高くなる等
の問題があった。また、 (2)熱間圧延法では、材料間の
固相拡散により接合しているために接合強度が弱く、特
に高温強度が低いという問題があった。
クラッド材との接合面が波打ち状態となりやすく、接合
面積に限界があり、また製造コストが非常に高くなる等
の問題があった。また、 (2)熱間圧延法では、材料間の
固相拡散により接合しているために接合強度が弱く、特
に高温強度が低いという問題があった。
【0005】これらに比べて、例えば (3)連続鋳造法
は、母材用金属板上にクラッド用金属溶湯を堆積させ、
水冷ロールを通過させる際に凝固させながら圧延する方
法であるため、極めて低い圧力で 2種の金属材料の圧接
することができる。また、 (4)連続鋳ぐるみ法は、母材
用金属芯材をクラッド用金属溶湯が収容された鋳型内に
連続的に挿入し、芯材の周囲に金属溶湯を付着、凝固さ
せつつ、鋳型から芯材を引抜くことで複合金属材料を連
続的に得る方法であり、 2種の金属材料の連続的な接合
が容易であるというような利点を有している。
は、母材用金属板上にクラッド用金属溶湯を堆積させ、
水冷ロールを通過させる際に凝固させながら圧延する方
法であるため、極めて低い圧力で 2種の金属材料の圧接
することができる。また、 (4)連続鋳ぐるみ法は、母材
用金属芯材をクラッド用金属溶湯が収容された鋳型内に
連続的に挿入し、芯材の周囲に金属溶湯を付着、凝固さ
せつつ、鋳型から芯材を引抜くことで複合金属材料を連
続的に得る方法であり、 2種の金属材料の連続的な接合
が容易であるというような利点を有している。
【0006】ところで、上述した連続鋳造法において
は、クラッド用金属溶湯と母材用金属板との間で拡散反
応を十分な進行させることが重要となる。そこで、予め
不活性雰囲気中で母材用金属板を還元処理して表面の酸
化被膜を除去し、上記拡散を促進させて接合強度の向上
を図ることが一般に行われている。
は、クラッド用金属溶湯と母材用金属板との間で拡散反
応を十分な進行させることが重要となる。そこで、予め
不活性雰囲気中で母材用金属板を還元処理して表面の酸
化被膜を除去し、上記拡散を促進させて接合強度の向上
を図ることが一般に行われている。
【0007】しかし、母材用金属板上にクラッド用金属
溶湯を堆積する際に急激に熱が奪われ、圧延する前に凝
固して十分に拡散反応が進行しない場合があり、十分に
高い接合強度が安定して得られにくいという問題があっ
た。特に、母材用金属板の板厚が厚い場合、連続鋳造法
では接合が不可能になる。そこで、クラッド用金属の溶
融状態を維持するために、母材用金属板を予熱すること
が検討されているが、十分な温度まで予熱するためには
母材用金属板が高温酸化しないように、装置全体を不活
性雰囲気にしなければならず、現実的な対策とは見なさ
れていない。
溶湯を堆積する際に急激に熱が奪われ、圧延する前に凝
固して十分に拡散反応が進行しない場合があり、十分に
高い接合強度が安定して得られにくいという問題があっ
た。特に、母材用金属板の板厚が厚い場合、連続鋳造法
では接合が不可能になる。そこで、クラッド用金属の溶
融状態を維持するために、母材用金属板を予熱すること
が検討されているが、十分な温度まで予熱するためには
母材用金属板が高温酸化しないように、装置全体を不活
性雰囲気にしなければならず、現実的な対策とは見なさ
れていない。
【0008】また、連続鋳ぐるみ法においても、上記連
続鋳造法と同様に拡散反応を十分に進行させる必要があ
る。これは、母材用金属芯材の外表面を一旦溶融させる
ことで達成され、高接合強度が得られるものの、母材用
金属の融点がクラッド用金属の融点より著しく高い、あ
るいは両者が反応し難い場合には、十分な強度を有する
接合が困難となるという問題があった。
続鋳造法と同様に拡散反応を十分に進行させる必要があ
る。これは、母材用金属芯材の外表面を一旦溶融させる
ことで達成され、高接合強度が得られるものの、母材用
金属の融点がクラッド用金属の融点より著しく高い、あ
るいは両者が反応し難い場合には、十分な強度を有する
接合が困難となるという問題があった。
【0009】そこで、例えば特開平5-123831号公報に
は、クラッド用金属の溶融温度範囲を規定し、母材用金
属芯材の外周囲を溶融させず、一旦凝固した初期凝固シ
ェルを再溶解して溶湯中へ拡散させることによって、良
好な結合状態を得る方法が記載されているが、この方法
では母材用金属芯材の肉厚がクラッド用金属の肉厚より
著しく厚い場合、すなわち母材用金属の熱容量が大きい
場合には母材用金属へ流出する熱量が大きくなり、一旦
凝固した凝固シェルを再溶解する熱源はないため、十分
な効果が得られないというような問題がある。
は、クラッド用金属の溶融温度範囲を規定し、母材用金
属芯材の外周囲を溶融させず、一旦凝固した初期凝固シ
ェルを再溶解して溶湯中へ拡散させることによって、良
好な結合状態を得る方法が記載されているが、この方法
では母材用金属芯材の肉厚がクラッド用金属の肉厚より
著しく厚い場合、すなわち母材用金属の熱容量が大きい
場合には母材用金属へ流出する熱量が大きくなり、一旦
凝固した凝固シェルを再溶解する熱源はないため、十分
な効果が得られないというような問題がある。
【0010】さらに、上述した (1)〜 (4)の各方法に共
通する問題として、 2種の金属材料間の熱膨張係数の差
が大きい場合には、接合処理後の冷却過程で生じる熱応
力に起因して、形状のうねりや界面剥離等が発生しやす
いという問題がある。
通する問題として、 2種の金属材料間の熱膨張係数の差
が大きい場合には、接合処理後の冷却過程で生じる熱応
力に起因して、形状のうねりや界面剥離等が発生しやす
いという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の複合金属材料の連続製造方法のうち、連続鋳造法や連
続鋳ぐるみ法は、極めて低い圧力で 2種の金属材料を圧
接することができる、 2種の金属材料の連続的な接合が
容易である、というような利点を有しているものの、従
来の連続鋳造法ではクラッド用金属溶湯が早期冷却し
て、十分な拡散反応が進行しずらいという問題があり、
また従来の連続鋳ぐるみ法では材料の組合せによっては
同様に拡散反応を十分に進行させることができないとい
うような問題があった。
の複合金属材料の連続製造方法のうち、連続鋳造法や連
続鋳ぐるみ法は、極めて低い圧力で 2種の金属材料を圧
接することができる、 2種の金属材料の連続的な接合が
容易である、というような利点を有しているものの、従
来の連続鋳造法ではクラッド用金属溶湯が早期冷却し
て、十分な拡散反応が進行しずらいという問題があり、
また従来の連続鋳ぐるみ法では材料の組合せによっては
同様に拡散反応を十分に進行させることができないとい
うような問題があった。
【0012】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、金属材料の組合せ等にかかわらず、
異なる 2種の金属材料間の拡散反応を良好に進行させる
ことによって、高接合強度を安定して得ることを可能に
した複合金属材料の連続製造方法を提供することを目的
としている。
になされたもので、金属材料の組合せ等にかかわらず、
異なる 2種の金属材料間の拡散反応を良好に進行させる
ことによって、高接合強度を安定して得ることを可能に
した複合金属材料の連続製造方法を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段と作用】本発明における第
1の複合金属材料の連続製造方法は、異なる 2種の金属
材料を積層した複合金属材料を連続的に製造するにあた
り、第1の金属材料の表面に多孔質中間層を形成する工
程と、前記第1の金属材料上に前記多孔質中間層を介し
て第2の金属材料の溶湯を連続的に堆積させ、この第2
の金属材料の溶湯を前記多孔質中間層内に含浸させつつ
連続的に圧延、凝固させる工程とを有することを特徴と
している。
1の複合金属材料の連続製造方法は、異なる 2種の金属
材料を積層した複合金属材料を連続的に製造するにあた
り、第1の金属材料の表面に多孔質中間層を形成する工
程と、前記第1の金属材料上に前記多孔質中間層を介し
て第2の金属材料の溶湯を連続的に堆積させ、この第2
の金属材料の溶湯を前記多孔質中間層内に含浸させつつ
連続的に圧延、凝固させる工程とを有することを特徴と
している。
【0014】また、本発明における第2の複合金属材料
の連続製造方法は、異なる 2種の金属材料を積層した複
合金属材料を連続的に製造するにあたり、第1の金属材
料の表面に多孔質中間層を形成する工程と、第2の金属
材料の溶湯を収容した鋳型に前記多孔質中間層を形成し
た第1の金属材料を連続的に挿入しつつ、前記多孔質中
間層に前記第2の金属材料の溶湯を含浸および付着さ
せ、これら含浸および付着された第2の金属材料の溶湯
を凝固させつつ、第1の金属材料を前記鋳型から引抜く
工程とを有することを特徴としている。
の連続製造方法は、異なる 2種の金属材料を積層した複
合金属材料を連続的に製造するにあたり、第1の金属材
料の表面に多孔質中間層を形成する工程と、第2の金属
材料の溶湯を収容した鋳型に前記多孔質中間層を形成し
た第1の金属材料を連続的に挿入しつつ、前記多孔質中
間層に前記第2の金属材料の溶湯を含浸および付着さ
せ、これら含浸および付着された第2の金属材料の溶湯
を凝固させつつ、第1の金属材料を前記鋳型から引抜く
工程とを有することを特徴としている。
【0015】本発明の複合金属材料の連続製造方法に用
いる 2種の金属材料は特に限定されるものではなく、例
えば高強度金属材料と高電気伝導性金属材料との組合
せ、高強度金属材料と高熱伝導性金属材料との組合せ、
磁性金属材料と高熱伝導性金属材料との組合せ等、種々
の異なる金属材料の組合せを適用することが可能であ
り、特に 2種の金属材料間での拡散速度が遅く、かつ界
面反応しにくい異種材料等に好適である。
いる 2種の金属材料は特に限定されるものではなく、例
えば高強度金属材料と高電気伝導性金属材料との組合
せ、高強度金属材料と高熱伝導性金属材料との組合せ、
磁性金属材料と高熱伝導性金属材料との組合せ等、種々
の異なる金属材料の組合せを適用することが可能であ
り、特に 2種の金属材料間での拡散速度が遅く、かつ界
面反応しにくい異種材料等に好適である。
【0016】また、多孔質中間層は、第1の金属材料の
表面に固着された多孔質状態の層であって、第1の金属
材料と第2の金属材料との間の接合強化層、反応促進
層、熱膨張緩和層、第2の金属材料の溶湯の早期冷却抑
制層等として機能するものである。多孔質中間層の形態
としては、例えば空孔率を35〜 95%程度とすることが好
ましい。空孔率が 95%を超えると、第1の金属材料との
十分な結合強度が得られにくく、また 35%未満であると
断熱層等としての機能が十分に得られないおそれがある
と共に、第2の金属材料の含浸量が減少して、接合面積
の拡大効果やくさび効果等を十分に得ることができない
おそれがある。より好ましい多孔質中間層の空孔率は40
〜 80%の範囲である。
表面に固着された多孔質状態の層であって、第1の金属
材料と第2の金属材料との間の接合強化層、反応促進
層、熱膨張緩和層、第2の金属材料の溶湯の早期冷却抑
制層等として機能するものである。多孔質中間層の形態
としては、例えば空孔率を35〜 95%程度とすることが好
ましい。空孔率が 95%を超えると、第1の金属材料との
十分な結合強度が得られにくく、また 35%未満であると
断熱層等としての機能が十分に得られないおそれがある
と共に、第2の金属材料の含浸量が減少して、接合面積
の拡大効果やくさび効果等を十分に得ることができない
おそれがある。より好ましい多孔質中間層の空孔率は40
〜 80%の範囲である。
【0017】上述したような多孔質中間層の構成材料と
しては、少なくとも第1の金属材料と親和性、すなわち
良好な結合性や反応性等を有し、さらには熱膨張率が近
似する等の特性を有する材料を用いることが好ましい。
このような多孔質中間層を構成する材料の具体例として
は、例えば第1の金属材料がステンレス鋼であれば同材
や鉄系材料等が例示される。また、多孔質中間層を構成
する材料としては、第1の金属材料と良好な親和性を有
する材料と、第2の金属材料と良好な親和性を有する材
料との混合物等を用いることもできる。 2種類の金属材
料間の熱膨張係数の差が大きい場合には、この熱膨張差
を緩和するような材料を選択することもでき、これによ
り応力緩和を図ることができる。さらに、熱膨張係数や
気孔率等を制御するために、セラミックス材料等を混合
した材料を用いることも可能である。
しては、少なくとも第1の金属材料と親和性、すなわち
良好な結合性や反応性等を有し、さらには熱膨張率が近
似する等の特性を有する材料を用いることが好ましい。
このような多孔質中間層を構成する材料の具体例として
は、例えば第1の金属材料がステンレス鋼であれば同材
や鉄系材料等が例示される。また、多孔質中間層を構成
する材料としては、第1の金属材料と良好な親和性を有
する材料と、第2の金属材料と良好な親和性を有する材
料との混合物等を用いることもできる。 2種類の金属材
料間の熱膨張係数の差が大きい場合には、この熱膨張差
を緩和するような材料を選択することもでき、これによ
り応力緩和を図ることができる。さらに、熱膨張係数や
気孔率等を制御するために、セラミックス材料等を混合
した材料を用いることも可能である。
【0018】上述したような多孔質中間層を第1の金属
材料上に形成する方法としては、焼成接合法、溶射法、
電気化学的成膜法等が例示される。これらのうち、特に
多孔質中間層を容易に連続形成できること等から、焼成
接合法を適用することが好ましい。焼成接合法は、第1
の金属材料上に例えば中間層構成材料や中間層構成材料
とバインダとの混合物の塗布層をスプレー塗布やロール
塗布等で形成した後、それを焼成することにより実施さ
れる。このような多孔質中間層の厚さは特に限定される
ものではなく、用いる金属材料の形状、寸法、材質等に
応じて設定するものとするが、上述したような効果を安
定に得る上で 5μm 〜 5mm程度とすることが好ましい。
より好ましい多孔質中間層の厚さは50〜 500μm の範囲
である。本発明の第1の複合金属材料の連続製造方法に
おいては、上述したような多孔質中間層を形成した第1
の金属材料上に、この多孔質中間層を介して第2の金属
材料の溶湯を連続的に堆積させ、この第2の金属材料の
溶湯を冷却圧延ロール等で多孔質中間層内に含浸させつ
つ連続的に圧延、凝固させる。この際、多孔質中間層内
の無数の空孔と第2の金属材料溶湯の表面張力の関係
で、冷却圧延ロール等で第2の金属材料溶湯が空孔に含
浸されるまでは、第2の金属材料溶湯と第1の金属材料
板との全面接触が抑制されると共に、多孔質中間層が断
熱層の役割を果たすため、第2の金属材料溶湯の急激な
温度低下を避けることができる。従って、液相拡散反応
が十分に進行して、高接合強度を得ることが可能とな
る。
材料上に形成する方法としては、焼成接合法、溶射法、
電気化学的成膜法等が例示される。これらのうち、特に
多孔質中間層を容易に連続形成できること等から、焼成
接合法を適用することが好ましい。焼成接合法は、第1
の金属材料上に例えば中間層構成材料や中間層構成材料
とバインダとの混合物の塗布層をスプレー塗布やロール
塗布等で形成した後、それを焼成することにより実施さ
れる。このような多孔質中間層の厚さは特に限定される
ものではなく、用いる金属材料の形状、寸法、材質等に
応じて設定するものとするが、上述したような効果を安
定に得る上で 5μm 〜 5mm程度とすることが好ましい。
より好ましい多孔質中間層の厚さは50〜 500μm の範囲
である。本発明の第1の複合金属材料の連続製造方法に
おいては、上述したような多孔質中間層を形成した第1
の金属材料上に、この多孔質中間層を介して第2の金属
材料の溶湯を連続的に堆積させ、この第2の金属材料の
溶湯を冷却圧延ロール等で多孔質中間層内に含浸させつ
つ連続的に圧延、凝固させる。この際、多孔質中間層内
の無数の空孔と第2の金属材料溶湯の表面張力の関係
で、冷却圧延ロール等で第2の金属材料溶湯が空孔に含
浸されるまでは、第2の金属材料溶湯と第1の金属材料
板との全面接触が抑制されると共に、多孔質中間層が断
熱層の役割を果たすため、第2の金属材料溶湯の急激な
温度低下を避けることができる。従って、液相拡散反応
が十分に進行して、高接合強度を得ることが可能とな
る。
【0019】さらに、多孔質中間層は、それを含む第1
の金属材料と第2の金属材料溶湯との接触面積(反応面
積)拡大効果や第2の金属材料のくさび効果等をもたら
すため、より一層接合強度の向上を図ることができる。
また、多孔質中間層を第1の金属材料と第2の金属材料
との中間の熱膨張係数を有する材料で形成することによ
って、第2の金属材料の溶湯の冷却、凝固に伴う熱応力
の発生を抑制することができ、これによって形状のうね
りや界面剥離等を防止することが可能となる。本発明の
第2の複合金属材料の連続製造方法においては、上述し
たような多孔質中間層を形成した第1の金属材料を、第
2の金属材料の溶湯を収容した鋳型に連続的に挿入して
多孔質中間層内に第2の金属材料の溶湯を含浸させると
共に、その上に第2の金属材料の溶湯を付着させ、これ
ら含浸および付着された第2の金属材料の溶湯を連続的
に凝固させつつ第1の金属材料を鋳型から引抜く。ここ
で、第2の製造方法における多孔質中間層の空孔径、空
孔率、厚さ等は、第2の金属材料の溶湯が毛細管現象に
より十分に含浸し得るように、第2金属材料溶湯の流動
性、表面張力、第1の金属材料との濡れ性等を考慮し
て、適宜設定することが好ましい。
の金属材料と第2の金属材料溶湯との接触面積(反応面
積)拡大効果や第2の金属材料のくさび効果等をもたら
すため、より一層接合強度の向上を図ることができる。
また、多孔質中間層を第1の金属材料と第2の金属材料
との中間の熱膨張係数を有する材料で形成することによ
って、第2の金属材料の溶湯の冷却、凝固に伴う熱応力
の発生を抑制することができ、これによって形状のうね
りや界面剥離等を防止することが可能となる。本発明の
第2の複合金属材料の連続製造方法においては、上述し
たような多孔質中間層を形成した第1の金属材料を、第
2の金属材料の溶湯を収容した鋳型に連続的に挿入して
多孔質中間層内に第2の金属材料の溶湯を含浸させると
共に、その上に第2の金属材料の溶湯を付着させ、これ
ら含浸および付着された第2の金属材料の溶湯を連続的
に凝固させつつ第1の金属材料を鋳型から引抜く。ここ
で、第2の製造方法における多孔質中間層の空孔径、空
孔率、厚さ等は、第2の金属材料の溶湯が毛細管現象に
より十分に含浸し得るように、第2金属材料溶湯の流動
性、表面張力、第1の金属材料との濡れ性等を考慮し
て、適宜設定することが好ましい。
【0020】この際、第2の金属材料の融点が第1の金
属材料の融点よりも著しく高い場合には、その中間の融
点を有する材料で多孔質中間層を形成することにより、
第1の金属材料の激しい溶融が抑制され、適性な界面反
応層を得ることができる。これにって、良好かつ高強度
の結合状態が得られる。また逆に、第1の金属材料の融
点が第2の金属材料の融点より著しく高い、もくしくは
第2の金属材料の溶湯が第1の金属材料と反応しにくい
場合には、その中間の融点を有する多孔質中間層を形成
することによって、融点の近接効果および接触面積の拡
大効果(界面反応の面積増大効果)等により、 2種の金
属材料の液相反応を促進することができる。従って、た
とえ多孔質中間層の構成材料が第1の金属材料と同一の
場合であっても、良好な結合状態が得られる。また、こ
の第2の製造方法における多孔質中間層は、上述した第
1の製造方法と同様に、断熱層、接触面積並びに接合強
度の向上層、熱応力緩和層等としても機能する。
属材料の融点よりも著しく高い場合には、その中間の融
点を有する材料で多孔質中間層を形成することにより、
第1の金属材料の激しい溶融が抑制され、適性な界面反
応層を得ることができる。これにって、良好かつ高強度
の結合状態が得られる。また逆に、第1の金属材料の融
点が第2の金属材料の融点より著しく高い、もくしくは
第2の金属材料の溶湯が第1の金属材料と反応しにくい
場合には、その中間の融点を有する多孔質中間層を形成
することによって、融点の近接効果および接触面積の拡
大効果(界面反応の面積増大効果)等により、 2種の金
属材料の液相反応を促進することができる。従って、た
とえ多孔質中間層の構成材料が第1の金属材料と同一の
場合であっても、良好な結合状態が得られる。また、こ
の第2の製造方法における多孔質中間層は、上述した第
1の製造方法と同様に、断熱層、接触面積並びに接合強
度の向上層、熱応力緩和層等としても機能する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】まず、本発明の第1の複合金属材料の連続
製造方法の実施例について述べる。図1および図2は、
第1の金属材料上に多孔質中間層を形成する装置を模式
的に示す図である。第1の金属材料ロール1から供給さ
れた第1の金属材料板2は、予熱器3で予熱された後、
多孔質中間層を構成する材料とバインダとの混合物の塗
布部4に連続的に送られる。ここで、図1では上記混合
物はエアースプレー4Aにより塗布され、また図2では
ロール塗装機4Bにより塗布される。
製造方法の実施例について述べる。図1および図2は、
第1の金属材料上に多孔質中間層を形成する装置を模式
的に示す図である。第1の金属材料ロール1から供給さ
れた第1の金属材料板2は、予熱器3で予熱された後、
多孔質中間層を構成する材料とバインダとの混合物の塗
布部4に連続的に送られる。ここで、図1では上記混合
物はエアースプレー4Aにより塗布され、また図2では
ロール塗装機4Bにより塗布される。
【0023】多孔質中間層を構成する材料とバインダと
の混合物が塗布された第1の金属材料板2は、乾燥器5
で乾燥された後に焼成炉6に連続的に送られ、この焼成
炉6内を通過する際に不活性雰囲気中で焼結処理が施さ
れ、所定の厚さと空孔率の多孔質中間層が連続的に形成
される。この多孔質中間層が形成された第1の金属材料
板7は再度ロール8に巻き取られる。
の混合物が塗布された第1の金属材料板2は、乾燥器5
で乾燥された後に焼成炉6に連続的に送られ、この焼成
炉6内を通過する際に不活性雰囲気中で焼結処理が施さ
れ、所定の厚さと空孔率の多孔質中間層が連続的に形成
される。この多孔質中間層が形成された第1の金属材料
板7は再度ロール8に巻き取られる。
【0024】図3は、第1の金属材料上に多孔質中間層
を介して第2の金属材料の溶湯を堆積、圧延・凝固させ
る装置を模式的に示す図である。多孔質中間層を有する
第1の金属材料板7はロール8から供給されて、第2の
金属材料溶湯の堆積部9に送られる。第2の金属材料溶
湯の堆積部9は、第2の金属材料溶湯10を収容する溶
融槽11を有し、その下部から第2の金属材料溶湯10
が多孔質中間層を有する第1の金属材料板7上に供給さ
れる。
を介して第2の金属材料の溶湯を堆積、圧延・凝固させ
る装置を模式的に示す図である。多孔質中間層を有する
第1の金属材料板7はロール8から供給されて、第2の
金属材料溶湯の堆積部9に送られる。第2の金属材料溶
湯の堆積部9は、第2の金属材料溶湯10を収容する溶
融槽11を有し、その下部から第2の金属材料溶湯10
が多孔質中間層を有する第1の金属材料板7上に供給さ
れる。
【0025】この際、図4および図5に示すように、第
1の金属材料板2表面に形成された多孔質中間層12上
に堆積された第2の金属材料溶湯10は、多孔質中間層
12が断熱層として機能するために、冷却圧延ロール1
3で冷却、凝固される直前まで溶融状態が維持され、こ
の間に第1の金属材料板2との間で十分に拡散が進行す
る。また、第2の金属材料溶湯10が多孔質中間層12
の空孔内に入り込むことによって、反応面積の拡大とく
さび効果等による接合強度の向上が図られる。この後、
第2の金属材料溶湯10が堆積された多孔質中間層を有
する第1の金属材料板7を、冷却圧延ロール13、13
間を通過させることによって、第2の金属材料溶湯10
が圧延、冷却・凝固されて、多孔質中間層12内に含
浸、固化されると共に、多孔質中間層を有する第1の金
属材料板7に積層接合された第2の金属材料層14が形
成される。このようにして、第1の金属材料板2と第2
の金属材料層14との複合金属材料15が連続的に作製
される。なお、図4において16はガイドプレートであ
る。
1の金属材料板2表面に形成された多孔質中間層12上
に堆積された第2の金属材料溶湯10は、多孔質中間層
12が断熱層として機能するために、冷却圧延ロール1
3で冷却、凝固される直前まで溶融状態が維持され、こ
の間に第1の金属材料板2との間で十分に拡散が進行す
る。また、第2の金属材料溶湯10が多孔質中間層12
の空孔内に入り込むことによって、反応面積の拡大とく
さび効果等による接合強度の向上が図られる。この後、
第2の金属材料溶湯10が堆積された多孔質中間層を有
する第1の金属材料板7を、冷却圧延ロール13、13
間を通過させることによって、第2の金属材料溶湯10
が圧延、冷却・凝固されて、多孔質中間層12内に含
浸、固化されると共に、多孔質中間層を有する第1の金
属材料板7に積層接合された第2の金属材料層14が形
成される。このようにして、第1の金属材料板2と第2
の金属材料層14との複合金属材料15が連続的に作製
される。なお、図4において16はガイドプレートであ
る。
【0026】次に、上述したような製造装置を用いて作
製した複合金属材料の具体例およびその評価結果につい
て説明する。
製した複合金属材料の具体例およびその評価結果につい
て説明する。
【0027】実施例1〜4 まず、図1または図2に示した装置を用いて、厚さ 0.6
〜 1.6mmの冷間圧延鋼板もしくはステンレス鋼板の表面
に、粒子径44μm 以下のFe粉末もしくはステンレス粉末
とバインダとの混合物を、エアスプレー法もしくはロー
ル塗装法により塗布した後、水素雰囲気中で1423〜 144
8Kで焼結させて、所定の厚さおよび 50%の空間率を有す
る多孔質中間層を連続的に形成した。
〜 1.6mmの冷間圧延鋼板もしくはステンレス鋼板の表面
に、粒子径44μm 以下のFe粉末もしくはステンレス粉末
とバインダとの混合物を、エアスプレー法もしくはロー
ル塗装法により塗布した後、水素雰囲気中で1423〜 144
8Kで焼結させて、所定の厚さおよび 50%の空間率を有す
る多孔質中間層を連続的に形成した。
【0028】次に、上記多孔質中間層を形成した冷間圧
延鋼板もしくはステンレス鋼板上に、図3に示した装置
を用いて、アルミニウム合金の溶湯を堆積、圧延・凝固
させて、冷間圧延鋼もしくはステンレス鋼とアルミニウ
ム合金との複合金属材料を連続的に作製した。
延鋼板もしくはステンレス鋼板上に、図3に示した装置
を用いて、アルミニウム合金の溶湯を堆積、圧延・凝固
させて、冷間圧延鋼もしくはステンレス鋼とアルミニウ
ム合金との複合金属材料を連続的に作製した。
【0029】このようにして得た複合金属材料の接合強
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
【0030】実施例5〜6 図2に示した装置を用いて、厚さ 0.6〜 1.2mmのステン
レス鋼板の表面に、粒子径 100μm 以下のステンレス粉
末とバインダとの混合物をロール塗装法により塗布した
後、水素雰囲気中で 1448Kで焼結させて、所定の厚さお
よび 50%の空間率を有する多孔質中間層を連続的に形成
した。
レス鋼板の表面に、粒子径 100μm 以下のステンレス粉
末とバインダとの混合物をロール塗装法により塗布した
後、水素雰囲気中で 1448Kで焼結させて、所定の厚さお
よび 50%の空間率を有する多孔質中間層を連続的に形成
した。
【0031】次に、上記多孔質中間層を形成したステン
レス鋼板上に、図3に示した装置を用いて、無酸素銅の
溶湯を堆積、圧延・凝固させて、ステンレス鋼と銅との
複合金属材料を連続的に作製した。
レス鋼板上に、図3に示した装置を用いて、無酸素銅の
溶湯を堆積、圧延・凝固させて、ステンレス鋼と銅との
複合金属材料を連続的に作製した。
【0032】このようにして得た複合金属材料の接合強
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
【0033】実施例7 図1に示した装置を用いて、厚さ 1.2mmのベリリウム−
銅合金板の表面に、粒子径77μm 以下のベリリウム−銅
合金粉末とバインダとの混合物をエアスプレー法により
塗布した後、水素雰囲気中で 1123Kで焼結させて、所定
の厚さおよび50%の空間率を有する多孔質中間層を連続
的に形成した。
銅合金板の表面に、粒子径77μm 以下のベリリウム−銅
合金粉末とバインダとの混合物をエアスプレー法により
塗布した後、水素雰囲気中で 1123Kで焼結させて、所定
の厚さおよび50%の空間率を有する多孔質中間層を連続
的に形成した。
【0034】次に、上記多孔質中間層を形成したベリリ
ウム−銅合金板上に、図3に示した装置を用いて、アル
ミニウム合金の溶湯を堆積、圧延・凝固させて、ベリリ
ウム−銅合金とアルミニウム合金との複合金属材料を連
続的に作製した。
ウム−銅合金板上に、図3に示した装置を用いて、アル
ミニウム合金の溶湯を堆積、圧延・凝固させて、ベリリ
ウム−銅合金とアルミニウム合金との複合金属材料を連
続的に作製した。
【0035】このようにして得た複合金属材料の接合強
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
度を測定した。その結果を上記製造工程の詳細条件と共
に表1に示す。
【0036】比較例1〜7 多孔質中間層を形成しない以外は、実施例1〜7と同一
条件で第1の金属材料板上に第2の金属材料溶湯を連続
鋳造圧延した。このようにして得た複合金属材料につい
ても接合強度を測定した。その結果を詳細条件と共に表
1に示す。
条件で第1の金属材料板上に第2の金属材料溶湯を連続
鋳造圧延した。このようにして得た複合金属材料につい
ても接合強度を測定した。その結果を詳細条件と共に表
1に示す。
【0037】
【表1】 表1から明らかなように、各実施例で製造した長尺な複
合金属材料は、比較例で製造した複合金属材に比べて、
いずれも著しく接合強度が向上していることが分かる。
合金属材料は、比較例で製造した複合金属材に比べて、
いずれも著しく接合強度が向上していることが分かる。
【0038】次に、本発明の第2の複合金属材料の連続
製造方法の実施例について述べる。図6は、多孔質中間
層を形成した第1の金属材料の周囲に第2の金属材料溶
湯を含浸、付着、凝固させる装置、すなわち連続鋳ぐる
み装置を模式的に示す図である。なお、第1の金属材料
への多孔質中間層の形成は、前述した第1の製造方法の
実施例と同様にして行うことができる。
製造方法の実施例について述べる。図6は、多孔質中間
層を形成した第1の金属材料の周囲に第2の金属材料溶
湯を含浸、付着、凝固させる装置、すなわち連続鋳ぐる
み装置を模式的に示す図である。なお、第1の金属材料
への多孔質中間層の形成は、前述した第1の製造方法の
実施例と同様にして行うことができる。
【0039】多孔質中間層21が周囲に形成された第1
の金属材料からなる芯材22は、第2の金属材料溶湯2
3が収容された鋳型24内に連続的に挿入される。鋳型
24の下面には、第2の金属材料溶湯23の鋳ぐるみ厚
に応じて開孔径が設定されている引抜き孔24aが設け
られており、第2の金属材料溶湯23中を通過した第1
の金属材料芯材22は、上記引抜き孔24aから連続的
に引抜かれる。
の金属材料からなる芯材22は、第2の金属材料溶湯2
3が収容された鋳型24内に連続的に挿入される。鋳型
24の下面には、第2の金属材料溶湯23の鋳ぐるみ厚
に応じて開孔径が設定されている引抜き孔24aが設け
られており、第2の金属材料溶湯23中を通過した第1
の金属材料芯材22は、上記引抜き孔24aから連続的
に引抜かれる。
【0040】また、鋳型24の下方には水冷ジャケット
25が設けられており、この水冷ジャケット25により
第1の金属材料芯材22の周囲に付着された第2の金属
材料溶湯23が冷却・凝固されて、多孔質中間層21内
に含浸、固化されると共に、第1の金属材料芯材22に
積層接合された第2の金属材料層26が形成される。こ
のようにして、第1の金属材料芯材22と第2の金属材
料層26との複合金属材料27が連続的に作製される。
25が設けられており、この水冷ジャケット25により
第1の金属材料芯材22の周囲に付着された第2の金属
材料溶湯23が冷却・凝固されて、多孔質中間層21内
に含浸、固化されると共に、第1の金属材料芯材22に
積層接合された第2の金属材料層26が形成される。こ
のようにして、第1の金属材料芯材22と第2の金属材
料層26との複合金属材料27が連続的に作製される。
【0041】次に、上述したような製造装置を用いて作
製した複合金属材料の具体例およびその評価結果につい
て説明する。
製した複合金属材料の具体例およびその評価結果につい
て説明する。
【0042】実施例8〜13 実施例1〜7と同様にして多孔質中間層を形成した鉄芯
材もしくは銅芯材を、融点より 100〜200K高い温度の第
2の金属材料(Al合金、銅等)溶湯を供給した鋳型内に
挿入しつつ約50mm/minの引抜き速度で引抜いて、鋳ぐる
みを実施することによって、複合金属材料を連続的に製
造した。表2に詳細条件を示す。これら各実施例により
製造した複合金属材料は、いずれも良好な結合状態が得
られていた。
材もしくは銅芯材を、融点より 100〜200K高い温度の第
2の金属材料(Al合金、銅等)溶湯を供給した鋳型内に
挿入しつつ約50mm/minの引抜き速度で引抜いて、鋳ぐる
みを実施することによって、複合金属材料を連続的に製
造した。表2に詳細条件を示す。これら各実施例により
製造した複合金属材料は、いずれも良好な結合状態が得
られていた。
【0043】比較例8〜13 多孔質中間層を形成しない以外は、実施例8〜13と同
一条件で第1の金属材料芯材の周囲に第2の金属材料溶
湯を連続的に鋳ぐるみした。このようにして得た複合金
属材料においては、層間剥離や第1の金属材料芯材の溶
融が生じ、製品上の欠陥および製造不能が発生した。
一条件で第1の金属材料芯材の周囲に第2の金属材料溶
湯を連続的に鋳ぐるみした。このようにして得た複合金
属材料においては、層間剥離や第1の金属材料芯材の溶
融が生じ、製品上の欠陥および製造不能が発生した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の複
合金属材料の連続製造方法によれば、第2の金属材料の
溶湯の早期冷却を防止できること等から、第1の金属材
料との拡散反応を十分に進行させることができ、また機
械的な結合力等も向上するため、高接合強度を有する複
合金属材料を連続的に安定して得ることが可能となる。
また、本発明の第2の複合金属材料の連続製造方法によ
れば、金属材料の組合せにかかわらず、 2種の金属材料
間の液相拡散を十分に進行させることができるため、結
合状態が良好で高強度の複合金属材料を連続的に安定し
て得ることが可能となる。
合金属材料の連続製造方法によれば、第2の金属材料の
溶湯の早期冷却を防止できること等から、第1の金属材
料との拡散反応を十分に進行させることができ、また機
械的な結合力等も向上するため、高接合強度を有する複
合金属材料を連続的に安定して得ることが可能となる。
また、本発明の第2の複合金属材料の連続製造方法によ
れば、金属材料の組合せにかかわらず、 2種の金属材料
間の液相拡散を十分に進行させることができるため、結
合状態が良好で高強度の複合金属材料を連続的に安定し
て得ることが可能となる。
【図1】 本発明の第1の複合金属材料の連続製造方法
の一工程に使用される製造装置を模式的に示す図であ
る。
の一工程に使用される製造装置を模式的に示す図であ
る。
【図2】 図1に示す製造装置の変形例を示す図であ
る。
る。
【図3】 図1または図2に示す製造装置の後工程に使
用される製造装置を模式的に示す図である。
用される製造装置を模式的に示す図である。
【図4】 図3に示す製造装置の要部を拡大して示す断
面図である。
面図である。
【図5】 図4の要部をさらに拡大して示す断面図であ
る。
る。
【図6】 本発明の第2の複合金属材料の連続製造方法
の一工程に使用される製造装置を模式的に示す図であ
る。
の一工程に使用される製造装置を模式的に示す図であ
る。
2……第1の金属材料板 10、23……第2の金属材料溶湯 12、21……多孔質中間層 14、26……第2の金属材料層 15、27……複合金属材料 22……第1の金属材料芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−68656(JP,A) 特開 平6−142890(JP,A) 特開 平5−31566(JP,A) 特開 平5−177336(JP,A) 特開 平7−232261(JP,A) 特開 平8−86324(JP,A) 特開 昭60−83748(JP,A) 特開 昭60−255239(JP,A) 特開 昭61−49748(JP,A) 特開 昭62−259641(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B21B 1/22 B22D 19/00 B22D 19/16 B22F 7/04
Claims (1)
- 【請求項1】 異なる 2種の金属材料を積層した複合金
属材料を連続的に製造するにあたり、第1の金属材料の
表面に多孔質中間層を形成する工程と、前記第1の金属
材料上に前記多孔質中間層を介して第2の金属材料の溶
湯を連続的に堆積させ、この第2の金属材料の溶湯を前
記多孔質中間層内に含浸させつつ連続的に圧延、凝固さ
せる工程とを有することを特徴とする複合金属材料の連
続製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07516295A JP3283156B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 複合金属材料の連続製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07516295A JP3283156B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 複合金属材料の連続製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08267179A JPH08267179A (ja) | 1996-10-15 |
JP3283156B2 true JP3283156B2 (ja) | 2002-05-20 |
Family
ID=13568243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07516295A Expired - Fee Related JP3283156B2 (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 複合金属材料の連続製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3283156B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4845074B2 (ja) * | 2001-09-21 | 2011-12-28 | 英雄 中嶋 | ガイドワイヤー |
JP4440525B2 (ja) * | 2002-10-18 | 2010-03-24 | 日本ピストンリング株式会社 | 軽金属合金鋳包み用バルブシート |
CN108543931B (zh) * | 2018-05-14 | 2020-11-06 | 重庆大学 | 一种MgAl复合铸件制造方法 |
CN113547100A (zh) * | 2021-06-15 | 2021-10-26 | 中国兵器科学研究院宁波分院 | 一种双金属复合构件的制造方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP07516295A patent/JP3283156B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08267179A (ja) | 1996-10-15 |
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