JP3282042B2 - 写真処理装置 - Google Patents

写真処理装置

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JP3282042B2 JP18814192A JP18814192A JP3282042B2 JP 3282042 B2 JP3282042 B2 JP 3282042B2 JP 18814192 A JP18814192 A JP 18814192A JP 18814192 A JP18814192 A JP 18814192A JP 3282042 B2 JP3282042 B2 JP 3282042B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、写真の焼付と現像処
理に関するものである。
【0002】
【発明の背景】近年、カラー写真の普及はめざましく、
手軽に安価で良い写真が一般消費者にサービスされ、益
々その需要は増している。それと共にサービス形態の多
様化で、ユーザーニーズに応える試みがなされている。
その例として、従来高価で利用客の少なかった大サイズ
のプリントが多くなったり、長大なパノラマサイズのプ
リントも一オーダーの中に混在するなど、プリントサイ
ズの変化に適応することが求められるようになった。
【0003】そこで大サイズ、幅広の印画紙を現像処理
可能な自動現像機が使用されるようになったが、従来の
小サイズ専用の自動現像機の他に大サイズの自動現像機
を設置することはラボスペースの無駄であるため、大サ
イズの自動現像機のみを設置し、小サイズにも兼用する
工夫がなされ始めている。
【0004】その兼用について単に小サイズの印画紙を
順に処理するなら、何も工夫はいらないが、大サイズ用
の自動現像機に小サイズの印画紙を並べて複数列で処理
することにより処理能力を向上することは迅速にプリン
トサービスするために効率が大きく、その効果を安定し
て引き出すためには色々な工夫が必要であるため、未だ
先行例が少ない。
【0005】この点に着目し発明者等は、大サイズの自
動現像機に効率よく複数列で小サイズの印画紙を通して
複数並列処理する手段として、焼付露光前に印画紙をプ
リントサイズに切断して、カットシート状となった印画
紙の個々に焼付露光を行う如くして、処理速度の速い焼
付作業をそのまま早く完了し、処理速度の遅い印画紙の
現像処理に入る前のアキュームレータに相当する部分に
おいて、複数列に振り分ける振分け手段を設けることを
可能とした。
【0006】焼付露光前にプリントサイズに切断するこ
とは先行例も多く、採用する上で問題は無いが、先行例
は主に単一サイズ又は単一幅のシートであったから、切
断後焼付露光部にカットシート状印画紙を固定すること
は容易であったが、前記のように多種のプリントサイズ
の印画紙を焼付露光部に位置決め固定し、平面性良くし
て焼付露光することは容易ではないため、自動焼付装置
としての実施例が無い。
【0007】発明者等は多種のプリントサイズの印画紙
を焼付露光部に位置決め固定し、平面性良くして焼付露
光する手段として、長尺の印画紙をマガジンから引出
し、先端を焼付露光部用吸着搬送手段に受け渡すと共
に、プリントサイズに切断して、該吸着搬送手段で搬送
し、該印画紙の中心を焼付露光光軸に合わせて停止する
方法を採用した。
【0008】多種のプリントサイズに対応する印画紙の
切り換えは、マガジンの切り換えにより、また切断長さ
については、指定するプリントサイズに応じた送り長さ
の管理により、決定することが出来るものであって、こ
の構成によってプリントオーダーに応じて任意に多種の
プリントサイズを次々に処理することが可能となった。
【0009】次に、このように多種のプリントサイズで
焼付露光を終了した印画紙を多列に振り分けて自動現像
機に送り込む方法であるが、連結して使用する印画紙用
自動現像機の処理可能幅を情報として、処理可能幅以内
で何列に当該プリントサイズの印画紙が互いに重ならず
に複数列で通せるかを演算処理して判断し、振り分け手
段を制御して振り分けている。
【0010】振分け手段は焼付露光の後、カットシート
状印画紙が振分け手段に送り込まれると、一時的に該印
画紙を搬送停止し、該搬送方向に直交する方向へと上記
制御に従って移動し、複数列の決めた列に位置させる。
そして、次々に焼付露光を終えて送り込まれて来る印画
紙を同様に上記制御に従って複数列に振り分け、位置決
めし、所定の列数が満たされると、搬送を再開し、複数
列の印画紙を同時に自動現像機へと送り込むものであ
る。
【0011】このように構成することによって、処理速
度の速い焼付露光処理の終了した印画紙を処理速度の遅
い自動現像機に送り込むについて、単に蓄積しておいて
ゆっくり送り込むのではなく、まとめて複数列で自動現
像機に送り込むことで自動現像機の処理能力を複数倍に
増大する効果を奏するものである。しかし問題は、焼付
露光後現像処理に入るまでの時間の経過で焼付露光で形
成された潜像の変化があることで、印画紙の種類による
差はあるが、その変化が無視出来ない場合がある。
【0012】その経時変化のうち、特に問題は潜像濃度
の変化であって、焼付露光後の経過時間の差で潜像濃度
が大きく変化することがあり、現像処理後のプリントの
画像濃度の差となって現れることがある。多種多様の画
像間では、よほど厳密に比較しなければその差が無視出
来ることもあるが、同一被写体の連続撮影されたものの
プリントでは比較され易く、画像濃度差が無視出来ない
ので改善工夫が求められる。まして、オーダーによっ
て、同一画像コマの複数枚のプリント間での濃度差は許
されないから一層の改善が求められる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな改善要求に応えて、潜像濃度の変化の差を最小限に
制御して、多列の振り分け方式の印画紙の現像処理を効
率良く実施する写真処理装置を提供することを課題目的
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するこの
発明の写真処理装置は、印画紙を給送しプリントサイズ
に切断して焼付露光部に送る印画紙供給手段と、プリン
トサイズの印画紙を搬送し露光光軸に合わせて印画紙を
位置決めし原稿フィルムからの焼付露光を行い焼付露光
後に次の振分け手段へと搬送する焼付露光部と、焼付露
光済みの印画紙を搬送路とは交叉する方向に複数列に振
り分けて次の自動現像機へと搬送する振分け手段と、該
振り分けを制御する振分け制御手段と、大サイズの印画
紙を処理可能の自動現像機とを連結して一連の処理を行
う写真処理装置において、上記振分け制御手段が、入力
された印画紙の種類に応じて、印画紙種類別潜像変化テ
ーブルにより対応する待機時間の限界値に対して、1回
の振り分けにおける最初と最後の印画紙の潜像変化の差
が許容範囲に入るべく振り分け列数を制御することを特
徴とするものである。
【0015】
【作用】この発明において、プリントサイズに切断した
後、焼付露光する方式を採用したのは、焼付露光後直ち
に複数列に振り分けて、自動現像機に複数列で通すこと
により、処理速度の遅い自動現像機の処理能力を複数倍
に増し、処理速度の速い焼付露光部の能力を活用し、焼
付露光後、自動現像機に入る前の滞留時間を短くし、シ
ステム全体の処理能力を増大するとともに、潜像の変化
を最小限にして安定した画像を現出するものであり、最
適の組合せとして提供するものである。
【0016】次に、振分け手段を振分け制御手段をもっ
て印画紙挿入時間と潜像変化時間との比較及びオーダ情
報をもとに振り分けして待機後、挿入するか、すぐに挿
入するかを判定し、待機と挿入時期を制御するのは、焼
付露光によって印画紙に形成された潜像は時間の経過と
共に変化して、結果現像処理後の画像変化として目立っ
た差が出ることを防止するため、予め印画紙の潜像変化
をマスターテーブルとして作成し、当該印画紙の潜像変
化が処理される順番の前後のものを比較して、差が許容
範囲に入るように自動現像機に挿入する時期を制御する
ことを意味し、その制御の優先条件として、複数列に振
り分けることを決めていて、当該プリントサイズでの最
大限の振り分け列数を満たすまで待機した後、自動現像
機に挿入する場合の振分けの初の印画紙の潜像変化と、
その振り分けの最後となった印画紙の潜像変化との差が
許容範囲に入るべく、振り分け及び挿入時機を制御する
ものである。なお、上記マスターテーブルには温湿度条
件も考慮に入れることが好ましい。
【0017】振り分け列数は自動現像機の処理可能最大
幅以内で、プリントサイズの印画紙が互いに重ならずに
並列で通過出来る数であり、振分け制御演算手段をもっ
て自動現像機の処理可能最大幅と指定プリントサイズと
の比較演算処理によって決めるが、その列数を満たすた
めに、複数枚の印画紙を待機させるにつき、潜像の変化
が許容範囲に入るように、印画紙の種類に応じて振り分
け列数の制御も含む待機と、挿入時期の制御とを行うも
のである。
【0018】さらに制御条件には、オーダー情報を入
れ、1オーダーの焼付枚数に従って振り分けが均等にな
るように振り分けることを基本としながら、同一の画像
コマ番号に対する焼付枚数を優先して、潜像変化が許容
範囲に入るように振分け列数と挿入時期とを制御するも
のである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を添付図面に基づいて説明す
る。
【0020】図1はこの発明に係る写真処理装置の実施
例のシステム全体を示す断面図である。
【0021】まず、図1および図2に基づいてシステム
全体の説明をする。焼付装置1ではマガジン5に収納さ
れたプリントサイズの幅に適合した長尺の印画紙を、ロ
ーラ23をもって図示右方に送り出し、プリントサイズの
長さによって制御手段をもって送りを停止し、カッター
6で切断する。切断した印画紙はその先端を搬送手段24
に受け渡されてあるから、搬送手段24を駆動し、該印画
紙の露光中心が焼付露光光軸に一致する位置まで搬送
し、停止する。そして原稿フィルム9を通して光源10で
照明された光像をレンズ8をもって該印画紙に結像し、
焼付露光によって潜像形成する。この潜像はその後、自
動現像機を通って顕像化される。
【0022】図2は振分け手段により振り分けられた印
画紙が自動現像機内を搬送される状態を示す斜視図であ
る。
【0023】次に焼付露光済みの印画紙は、振分け手段
2に搬入され、振分け制御手段をもって振分け列数が決
められ、振分け部11で振分けが行われる。振分け部11に
搬入された印画紙は、ガイド22に係合して搬送を停止
し、ガイド22を図1の紙面に垂直方向の移動により、上
記係合した印画紙P1を奥側に片寄せてのち再び搬送を
再開すると、印画紙P1は次のローラ対12に受け渡され
ローラ対12の駆動によって下方へと挟持搬送される。そ
して、次のローラ対13,14は挟持圧を弱く設定し、印画
紙P1の押し込みにより従動回転する如くしてあるか
ら、上記ローラ対12による挟持搬送により、印画紙P1
はローラ対13,14間に押し込まれ、ローラ対12の挟持を
離れたところで移動を停止する。この実施例では2列で
あるためローラ対13,14は図1の紙面に垂直方向に関し
2列に分割してあり、各ローラ対は軸連結してない軸支
方向としたから上記2列のそれぞれの列について、該ロ
ーラ対の長さの中で小サイズの印画紙が押し込まれる
と、当該列のローラ対のみ従動回転し、他列のローラ対
は回転しない。
【0024】次に、第2に振分け部11に入った印画紙P
2は、上記片寄せ後中央に復帰しているガイド22に係合
して、手前に片寄せられ、再び搬送を再開すると印画紙
P2は次のローラ対12に受け渡され、ローラ対12の駆動
によって下方へと挟持搬送される。このとき、次のロー
ラ対13,14の手前の列に沿って印画紙P2は押し込まれ
るので、既に押し込まれている第1の印画紙P1を挟持
しているローラ対13,14の奥側の列とは軸が連結されて
いないから、上記今回の手前列の印画紙P2の押し込み
によって奥側の印画紙P1が移動することはない。そし
て、手前側の列の印画紙P2も、ローラ対12の挟持を離
れたところで移動を停止する。
【0025】このようにして2列となった印画紙P1,
P2は1オーダ内で行われるから、同一サイズであるた
め、ローラ対12の挟持を離れたところで移動を停止した
ことで後端位置が揃えられ、自動現像機3に同時に挿入
される。
【0026】自動現像機3で現像処理を終えた印画紙P
1,P2は排出ローラ27によってトレー16に排出され
る。トレー16に内蔵された図示しない機構よりなる押出
し手段に取付けた押し棒17は、印画紙Pがトレー16に排
出されたのを待って、図1の紙面に垂直方向に移動し、
この実施例では手前に移動し、印画紙P2から順に手前
の集積部に落下集積する。
【0027】上記のように振分け手段2においてこの実
施例では振分け後の印画紙を搬送部の複数列に押し込む
ための手段として、ローラ対を2列に分割したが、所望
の列だけ分割数を増してもよいし、又は分割しないでロ
ーラ対13,14について挟持を解除しておいて、従動回転
も行わないようにロックしておくことによって、複数列
の印画紙押し込みを可能として、押し込み完了時点でロ
ーラ対13,14を圧接し印画紙を挟持して搬送を開始する
方法を採用してもよい。なお、複数列に分割したローラ
を搬送再開にあたり一斉に回転するにはローラ対13,14
それぞれに1軸で、回転する駆動ローラを外周に接触駆
動することにより実施している。
【0028】次に、上記振分け制御につき図3に基づい
て説明する。図3はこの発明の写真処理装置の振分け制
御の動作を示すフローチャートである。
【0029】まず、システムとして印画紙用自動現像機
の処理可能最大幅51は決まっているから、振分け制御手
段に入力され、次いで、オーダー情報50としてプリント
サイズ、全プリント枚数、画像コマ別プリント枚数が入
力されて、基本振分け枚数52が算出される。一方、使用
する印画紙はオーダーに応じて選定した幅の印画紙をマ
ガジンでセットするのであるが、当該印画紙の種類53が
入力され、振分け制御手段の印画紙種類別潜像変化テー
ブル54で照合し、対応する待機時間の限界値55を算出す
る。
【0030】次に、振分け制御手段では基本振分け枚数
52と、待機時間の限界値55とから、振分けによる待機時
間を考慮して、オーダ内潜像変化56を算出し、振分け枚
数及び挿入時期の決定57を行い、振分け手段を制御す
る。印画紙種類別潜像変化テーブルは印画紙の種類別、
メーカ別を含めて各印画紙に標準状態で焼付露光を行っ
たときに出来た潜像を経時的に複数サンプリングしたも
ので、具体的には当該サンプルを標準状態で現像して顕
像としたときの画像濃度で登録しておくと比較が容易で
ある。潜像の変化は潜像濃度が高くなる方向に変化する
のが一般的であるが、印画紙の種類やメーカ別により大
きく異なるので各個にテーブルを作成するのが好まし
い。
【0031】次に、上記振分け制御手段で振分け列数を
決め、次々に焼付露光を終えて送られて来る印画紙を振
分けることによる待機を行ってのち、自動現像機に挿入
する時期について、例えば、オーダーにより同一画像コ
マのプリントが3枚と指定されたにもかかわらず、振り
分け枚数が2枚が限界である場合に、2列に振り分けて
先に自動現像機に挿入した後、残る1枚をどういう挿入
の仕方をするかは重要な問題である。なぜならば当該3
枚は同一画像コマのプリントであるから、出来上がりは
全く同じ画像濃度でなければならないのに、潜像変化で
上記2枚と1枚との間で濃度差が出てしまうからであ
る。この発明ではこの上記の点を考慮して、2列でなく
て1列で順に挿入するか、2列先送りして、残る1枚の
潜像濃度が先の2枚の平均と等しくなる時期に挿入する
か等、最良の組合せを算出する演算処理を行っている。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したものであ
るから、印画紙用自動現像機の処理速度が遅いことを補
って、複数列処理を行うことを可能とすると共に、オー
ダー枚数を考慮して、潜像変化の差を最低に抑えた振り
分けと挿入時期の制御を行うので、出来上がりプリント
間の画像濃度差が目立たない良いサービスが効率良く実
施出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る写真処理装置の全体構成図。
【図2】振り分けられた印画紙が自動現像機内を搬送さ
れる状態を示す斜視図。
【図3】写真処理装置の振分け制御の動作を示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1 焼付装置 2 振分け手段 3 自動現像機 5 マガジン 6 カッター 8 レンズ 9 原稿フィルム 10 光源 11 振分け部 12,13,14 ローラ対 22 ガイド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印画紙を給送しプリントサイズに切断し
    て焼付露光部に送る印画紙供給手段と、プリントサイズ
    の印画紙を搬送し露光光軸に合わせて印画紙を位置決め
    し原稿フィルムからの焼付露光を行い焼付露光後に次の
    振分け手段へと搬送する焼付露光部と、焼付露光済みの
    印画紙を搬送路とは交叉する方向に複数列に振り分けて
    次の自動現像機へと搬送する振分け手段と、該振り分け
    を制御する振分け制御手段と、大サイズの印画紙を処理
    可能の自動現像機とを連結して一連の処理を行う写真処
    理装置において、上記振分け制御手段が、入力された印
    画紙の種類に応じて、印画紙種類別潜像変化テーブルに
    より対応する待機時間の限界値に対して、1回の振り分
    けにおける最初と最後の印画紙の潜像変化の差が許容範
    囲に入るべく振り分け列数を制御することを特徴とする
    写真処理装置。
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