JP3282003B2 - 導波管同軸変換器及び導波管整合回路 - Google Patents
導波管同軸変換器及び導波管整合回路Info
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Description
られる導波管同軸変換器に関し、特に、負荷インピーダ
ンス調整機構を有する導波管同軸変換器に関する。
軸線路との間の高周波信号の伝搬形態の変換に用いられ
る。この種の導波管同軸変換器においては、導波管−同
軸線路間のインピーダンス整合や同軸線路側に設けられ
る検波器等へのバイアス機能を効果的に実現することが
望まれており、従来より種々の技術が提案されている。
は、導波管同軸変換器のリッジ部分と導波管壁面の接続
部分に絶縁層を設けるとともに導波管の管壁に設けられ
た小孔を介してリッジ形状部からの接続導体を取り出す
ことで、この接続導体をバイアス端子として用いる技術
が開示されており、特開昭63−187707号公報に
は、動作周波数外に遮断周波数がくるように、リッジ導
波管帯域断面を厳密に計算することで、1オクターブ以
上の動作周波数を確保する技術、及び導波管の開口部に
誘電体を設けてその積層量によってインピーダンス整合
を図る技術が開示されている。
は、リッジ導波管の給電部に整合回路を設けた「広ビー
ム幅空中線」が開示され、その整合回路の例として、使
用波長(管内波長)をλgとしたときに、1/4λg間隔
で導波管の給電部に複数本のビスを設けた例が開示され
ている。
(b)の側面図に示すように、導波管30の幅広面上部
に、その軸線に対して鉛直方向の挿入量調整が自在の3
つのビス32をそれぞれ1/4λg間隔で配し、インピ
ーダンス調整に際しては、各ビス32の挿入量に応じて
容量性サセプタンスを変える。これにより、全域ではな
いが、実用範囲でインピーダンスを整合させることがで
きる。なお、このようなインピーダンス調整機構を有す
る導波管30を含んで導波管同軸変換器を構成する場合
は、図3に示すように、同軸線路とのインタフェースと
なる導波管同軸変換器33を導波管30の一方の開口部
に装着する。
各従来技術の視点は、バイアス機能を付与する点それ自
体、あるいはインピーダンス整合を図る場合に容量性サ
セプタンスをいかに効果的に調整するかにあり、容量性
領域及び誘導性領域にて複合的にインピーダンスを調整
する視点がなかったため、その整合範囲を広くとること
が困難であった。実用範囲であっても、図3に示すよう
にビス32を1/4λg間隔で3本以上使用する必要が
あり、整合用の導波管30の寸法が大型化するととも
に、その調整作業に熟練を要する問題があり、改善が望
まれていた。
器33に負荷インピーダンス調整機構が設けられていな
い場合には、上記調整機構を備えた導波管30の一方の
開口部にその都度導波管同軸変換器33を装着しなけれ
ばならない煩わしさと、装着後の形状が大型化する問題
があった。
領域のみならず誘導性領域でもサセプタンスを調整でき
る小型構造の導波管同軸変換器及び導波管整合回路を提
供することにある。
同軸変換器は、高周波信号の伝播姿態を導波管モードか
ら同軸線路モードに変換する有底矩形状の導波管同軸変
換器において、前記高周波信号が伝播する導波管の軸線
方向に対して所定角をなし且つ該軸線方向に使用周波数
λgの1/8倍の間隔で導波管幅広面の所定部位に少な
くとも一対の容量性サセプタンス調整部材を設けるとと
もに、導波管内側壁幅を段階的に狭める段部を少なくと
も双方の内壁側壁に1箇所ずつ設け、各段部を形成する
段面間の軸線方向の距離が使用周波数λgの1/8倍で
あり、更に、前記容量性サセプタンス調整部材及び段差
部は、導波管開口面に平行な面内に設けられることを特
徴とする。
て、前記導波管開口部から導波管底面部方向に徐々に厚
みを増すテーパ面と、このテーパ面から導波管底面部方
向に延在する平坦面とが形成されたリッジ部を設け、同
軸線路の中心導体をリッジ部の平坦面に導く構成とした
ことを特徴とする。このリッジ部は、好ましくは、前記
段部の形成により生じるカットオフ周波数の上昇を抑制
する形状とする。
は、高周波信号の伝播経路にインピーダンス調整機構を
設けた導波管整合回路であって、該インピーダンス調整
機構は、前記高周波信号が伝播する導波管の軸線方向に
対して所定角をなし且つ該軸線方向に使用周波数λgの
1/8倍の間隔で導波管幅広面の所定部位に設けられた
少なくとも一対の容量性サセプタンス調整部材と、各容
量性サセプタンス調整部材に対してそれぞれ設けられた
誘電性棒材と、を有し、前記容量性サセプタンス調整部
材は、ビスであり、前記誘電性棒材は、その長手方向が
これらビスと平行且つ同間隔で導波管内側壁付近に設け
られ、各組の前記容量性サセプタンス調整部材と対応す
る誘導性部材とがそれぞれ導波管開口面と平行の面内に
含まれることを特徴とする。
に狭められた導波管内側壁によって負荷側の誘導性サセ
プタンスが強まるが、容量性サセプタンス調整部材によ
って容量性サセプタンス調整が可能となるので、結局、
誘導性領域から容量性領域にわたってより広い周波数範
囲でインピーダンス整合を図ることが可能となる。ま
た、容量性サセプタンス調整部材を、前記導波管の軸線
方向に対して所定角をもたせ且つ軸線方向にλg/8と
なる位置に設けることにより軸線方向の寸法が従来に比
べて格段に小さくなる。また、段部を設けた場合、カッ
トオフ周波数が上昇する虞があるが、これを抑制する形
状のリッジ部を設けることでカットオフ周波数の上昇が
補正される。
材によって負荷側の誘導性サセプタンスが強まるが、容
量性サセプタンス調整部材によって容量性サセプタンス
調整が可能となるので、結局、誘導性領域から容量性領
域にわたってより広い周波数範囲でインピーダンス整合
を図ることが可能となる。また、容量性サセプタンス調
整部材を、前記導波管の軸線方向に対して所定角をもた
せ且つ軸線方向にλg/8となる位置に設けることによ
り軸線方向の寸法が従来に比べて格段に小さくなる。
に説明する。図1は本発明の導波管同軸変換器の一例を
示す図であり、(a)は正面断面図、(b)はそのA−
A断面図である。これらの図において、符号10は導波
管同軸変換器、11a,11bはステップ部(段部)、
12は容量性サセプタンス調整用のビス、13は同軸線
路側との接続を行うためのコネクタ、14はコネクタ1
3の中心導体、15はリッジ部である。
幅広面は、底面部に至るまで徐々に狭められてテーパ状
をなし、また、一方の内側壁面と他方の内側壁面には、
λg/8の間隔をおいてステップ部11a,11bが図
示のように形成されている。このステップ部11a,1
1bを形成する段面は、それぞれ導波管同軸変換器10
の開口部と平行となっている。 各ステップ部11a,
11bの形成部位に対応する幅広面上部の所定位置に
は、内部幅広面方向への挿入量を任意に調整する機構を
有する一対のビス12(容量性サセプタンス調整部材)
が設けられている。
カットオフ周波数の上昇を補正するため、内部幅広面の
ほぼ中央部にリッジ部15が固定されている。このリッ
ジ部15は、導波管同軸変換器10の開口面から底面部
に向かう面の厚みを徐々に増したテーパ面とこのテーパ
面から底面部方向に延在する平坦面とが形成され、中心
導体14がこのリッジ部15の平坦面に取り付けられて
いる。
おいて、幅広面上部のビス12の挿入量を変化すると、
それに伴って高周波信号の減衰量が変化する。従ってビ
ス12の挿入量を可変とすることで、負荷インピーダン
スが可変となる。また、内側壁面に形成されたステップ
部11a,11bにより、各ビス12の挿入量が最小の
状態、即ち未使用状態のときは、全体として誘導性サセ
プタンスが支配的となっている。従って、容量性サセプ
タンスの調整をビス12の挿入量によって行うことによ
り、全体としてのインピーダンス調整を誘導性領域から
容量性領域にわたって行うことが可能となり、インピー
ダンス整合が図れる周波数範囲を従来よりも格段に広げ
ることができる。
めのリッジ部15を図示のように配して導波管−同軸線
路のインピーダンス変換に利用することで、容易に同軸
線路インタフェースを実現することができ、全体的な形
状の小型化も図れる。更に、本実施例のような導波管−
同軸線路のインピーダンス変換手法によれば、構造上鋳
物化に適し、しかも中心導体14にテフロン等の支持部
材を必要としないので、高電力用の導波管同軸変換器の
製造も極めて容易になり、コスト的にも従来構造に比べ
て格段に有利となる。
す正面断面図である。この図において、符号20は導波
管整合回路、21a,21bは誘導性棒材、22は容量
性サセプタンス調整用のビスである。
路20は、上述の導波管同軸変換器10のようなステッ
プ部11a,11bに代え、誘導性棒材21a,21b
を両側の内側壁付近にλg/8の間隔をおいて配し、更
に、一対のビス22をそれぞれ誘導性棒材21a,21
bと同一平面内に配している。なお、ビス22は、第1
実施例で用いたビス12と同一のものである。
いては、各ビス22の挿入量が最小の状態、即ち未使用
状態のときは、誘導性棒材21a,21bによって全体
として誘導性サセプタンスが支配的となっている。従っ
て、容量性サセプタンスの調整をビス22の挿入量によ
って行うことにより、全体としてのインピーダンス調整
を誘導性領域から容量性領域にわたって行うことが可能
となり、インピーダンス整合が図れる周波数範囲を広げ
ることができる。
1a,11b、一対の誘導性棒材21a,21bを用い
た場合について説明したが、これらの数は必ずしも一対
に限定されるものではない。
導波管同軸変換器によれば、軸線方向に対して所定角を
なし且つ軸線方向にλg/8倍間隔で一対の容量性サセ
プタンス調整部材を配したので、軸線方向の長さが短く
なる効果があり、更に少なくとも一対の段部を設けて内
側壁幅を段階的に狭める構造としたので、誘導性領域か
ら容量性領域にわたってインピーダンス調整を行うこと
が可能となる効果がある。特に、本発明の導波管同軸変
換器は、構造上、鋳物化による量産に適するのでコスト
的にも有利であり、同軸線路側の中心導体としてテフロ
ン等の支持部材を必ずしも必要としないので、高電力用
にも適する。
軸線方向に対して所定角をなし且つ軸線方向にλg/8
倍間隔で一対の容量性サセプタンス調整部材を配したの
で、軸線方向の長さを短くすることができる効果があ
り、更に少なくとも一対の誘導性部材を設けたので、誘
導性領域から容量性領域にわたってインピーダンス調整
を行うことが可能となる効果がある。
換器の正面断面図、(b)はそのA−A断面図。
図。
側部断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 高周波信号の伝播姿態を導波管モードか
ら同軸線路モードに変換する有底矩形状の導波管同軸変
換器において、 前記高周波信号が伝播する導波管の軸線方向に対して所
定角をなし且つ該軸線方向に使用周波数λgの1/8倍
の間隔で導波管幅広面の所定部位に少なくとも一対の容
量性サセプタンス調整部材を設けるとともに、 導波管内側壁幅を段階的に狭める段部を少なくとも双方
の内壁側壁に1箇所ずつ設け、各段部を形成する段面間
の軸線方向の距離が使用周波数λgの1/8倍であり、更に、前記容量性サセプタンス調整部材及び段部は、導
波管開口面に平行な面内に設けられる ことを特徴とする
導波管同軸変換器。 - 【請求項2】 請求項1記載の導波管同軸変換器におい
て、前記導波管開口面から導波管底面部方向に徐々に厚
みを増すテーパ面と、このテーパ面から導波管底面部方
向に延在する平坦面とが形成されたリッジ部を設け、同
軸線路の中心導体をこのリッジ部の平坦面に導く構成と
したことを特徴とする導波管同軸変換器。 - 【請求項3】 前記リッジ部が前記段部により生じるカ
ットオフ周波数の上昇を抑制する形状であることを特徴
とする請求項2記載の導波管同軸変換器。 - 【請求項4】 高周波信号の伝播経路にインピーダンス
調整機構を設けた導波管整合回路であって、該インピー
ダンス調整機構は、前記高周波信号が伝播する導波管の
軸線方向に対して所定角をなし且つ該軸線方向に使用周
波数λgの1/8倍の間隔で導波管幅広面の所定部位に
設けられた少なくとも一対の容量性サセプタンス調整部
材と、各容量性サセプタンス調整部材に対してそれぞれ
設けられた誘電性棒材と、を有し、 前記容量性サセプタンス調整部材は、ビスであり、前記
誘電性棒材は、その長手方向がこれらビスと平行且つ同
間隔で導波管内側壁付近に設けられ、 各組の前記容量性サセプタンス調整部材と対応する誘導
性部材とがそれぞれ導波管開口面と平行の面内に含まれ
ることを特徴とする導波管整合回路。
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