JP3281948B2 - 上塗り塗料組成物 - Google Patents

上塗り塗料組成物

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JP3281948B2 JP10228796A JP10228796A JP3281948B2 JP 3281948 B2 JP3281948 B2 JP 3281948B2 JP 10228796 A JP10228796 A JP 10228796A JP 10228796 A JP10228796 A JP 10228796A JP 3281948 B2 JP3281948 B2 JP 3281948B2
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弘明 木谷田
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、耐汚染性、
柔軟性、耐酸性、光沢等の優れた塗膜を形成し得る、自
動車プラスチック部材用上塗り塗料として好適な塗料組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車プラスチック部材用上塗り塗料の
重要性能として、平滑性、光沢、鮮映性等の仕上り外観
や屈曲性等の加工性の優れた塗膜を形成することが挙げ
られる。現在用いられている水酸基含有アクリル樹脂又
はポリエステル樹脂とアミノ樹脂とを主成分とする自動
車プラスチック部材用上塗り塗料により、仕上り外観、
耐候性、物理的性質等に優れた塗膜を得ることができ
る。
【0003】しかし、近年、大気汚染が進み、森林が枯
れる等の酸性雨による被害が深刻な社会問題となってお
り、特に上記塗膜が塗装されている自動車のプラスチッ
ク製外板等は、酸性雨により表面劣化しやすいという欠
点を有している。現在、かかる欠点を解消した上塗り塗
料組成物として、炭化水素環含有ビニル系モノマーをモ
ノマー成分として含有する水酸基含有ビニル系樹脂、水
酸基含有ポリエステル系樹脂、アミノ樹脂及びポリマー
微粒子を含有する塗料組成物が公知である(特開平6−
41496号)が、更に、自動車プラスチック部材用上
塗り塗膜として、耐汚染性、柔軟性、耐酸性、光沢等の
一層の向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗膜
の仕上り外観、耐候性、物理的性質等を損なうことな
く、大幅に耐酸性、柔軟性、耐汚染性、光沢等が向上し
た塗膜を形成できる塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、特に芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマ
ーを特定範囲で含有する水酸基含有ビニル系樹脂、特定
のエーテル化メラミン樹脂、ポリマー微粒子及び特定の
ポリシロキサン化合物を主成分とする塗料組成物により
形成された塗膜が、上記目的を達成できるものであるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(A)芳香族炭化水素環
含有ビニル系モノマーをモノマー成分として40〜90
重量%含有する水酸基含有ビニル系樹脂、(B)ヘキサ
メトキシメチルメラミン及び/又はそのメトキシ基の一
部若しくは全部を炭素数4以上の1価アルコールで置換
したエーテル化メラミン樹脂、(C)平均粒子径0.0
1〜1μmのポリマー微粒子、並びに(D)一般式
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は、全てがメチル基を示し、nは、10〜1000の整
数を示す。)で表されるポリシロキサン化合物を含有す
ることを特徴とする上塗り塗料組成物に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明塗料組成物における(A)
成分は、芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマーをモノ
マー成分として40〜90重量%含有する水酸基含有ビ
ニル系樹脂である。該水酸基含有ビニル系樹脂は、該樹
脂中に芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマーをモノマ
ー成分として40〜90重量%、好ましくは45〜75
重量%含有するものである。芳香族炭化水素環含有ビニ
ル系モノマーの含有量が40重量%を下回ると塗膜の耐
酸性、仕上り性等が劣り、一方90重量%を上回ると塗
膜の加工性が劣る。
【0010】上記芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマ
ーにおける芳香族炭化水素環は、単環でも多環であって
もかまわなく、また、環にアルキル基(例えば炭素数1
〜4の低級アルキル基)が置換した構造を持つものも包
含される。
【0011】芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマーを
モノマー成分として含有する水酸基含有ビニル系樹脂
は、具体的には芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマ
ー、水酸基含有ビニル系モノマー及びこれら以外のその
他のビニル系モノマーをラジカル共重合反応して得られ
るものが好適に使用できる。
【0012】芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマーと
しては、具体的には例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル
(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、p−tert−ブチル−安息
香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとのエステ
ル化物等が挙げられる。
【0013】上記した芳香族炭化水素環含有ビニル系モ
ノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる
が、特にスチレン単独又はスチレンとその他の芳香族炭
化水素環含有ビニル系モノマーとを組合わせて用いるこ
とが好ましい。また、組合わせて用いる場合には芳香族
炭化水素環含有ビニル系モノマー成分としてスチレンが
約20重量%以上、好ましくは約40重量%以上となる
範囲が良い。該スチレンは、コストが低く、経済的に有
利であり実用的であると共に耐酸性等に優れた塗膜が得
られる。
【0014】水酸基含有ビニル系モノマーとしては、1
分子中に1個のビニル基と1個以上の水酸基を含有する
モノマーであって、2価アルコールのモノ(メタ)アク
リル酸エステル、ε−カプロラクトン変性ビニルモノマ
ー等が包含される。
【0015】2価のアルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピ
ル、1,4−ブタンジオールモノアクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
【0016】ε−カプロラクトン変性ビニルモノマーと
しては、一般式
【0017】
【化3】
【0018】(式中、Rは水素原子又はメチル基を示
し、n’はモノマーの平均重合度を示し、0.5〜5で
ある。)で表わされるモノマーが包含され、例えば、
「プラクセルFA−1」、「プラクセルFA−2」、
「プラクセルFA−3」、「プラクセルFA−4」、
「プラクセルFA−5」、「プラクセルFM−1」、
「プラクセルFM−2」、「プラクセルFM−3」、
「プラクセルFM−4」、「プラクセルFM−5」(い
ずれもダイセル化学(株)製、商品名、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル類)等を挙げることができるが、これ
に限定するものではない。
【0019】上記した水酸基含有モノマーは1種又は2
種以上組合わせて使用できる。また、上記したモノマー
の中でも1,4−ブタンジオールモノアクリレートは耐
擦り傷性に、また上記一般式で表わされるε−カプロラ
クトン変性(メタ)アクリレートは加工性にそれぞれ優
れた塗膜を形成するので、これらのものを単独で用いる
か又はこれらのものとその他の水酸基含有ビニル系モノ
マーとを組合わせて用いることが望ましい。
【0020】水酸基含有ビニル系モノマーの配合割合
は、水酸基含有ビニル系樹脂(A)の水酸基価が60〜
140mgKOH/g樹脂、好ましくは90〜120m
gKOH/g樹脂になるように配合するのが最も良い。
水酸基価が60mgKOH/g樹脂未満では耐擦り傷性
が低下することがあり、一方140mgKOH/g樹脂
を越えるとメラミン樹脂やポリマー微粒子との相溶性が
損なわれるため、塗装仕上り外観が低下することがあ
る。
【0021】本発明の(A)成分において、好ましい水
酸基含有ビニル系モノマーとして、特にε−カプロラク
トン変性(メタ)アクリル単量体を水酸基含有ビニル系
モノマー中に少なくとも10重量%用い、且つ、水酸基
価が60〜140mgKOH/g樹脂となるように炭素
数3以下の2価アルコールの(メタ)アクリル酸エステ
ルモノマーを共重合することが好ましい。
【0022】その他のビニル系モノマーとしては、炭素
数4〜24の1価のアルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステルを用いることが好ましく、具体的には、例えばn
−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。
【0023】また、その他のビニル系モノマーにおい
て、芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマーとしてスチ
レンを用いた際には、炭素数4〜24の1価のアルコー
ルのアクリル酸エステルを用いることにより、スチレン
との共重合性が改善され、低分子量域(重量平均分子量
約2000以下)でのスチレンオリゴマーの生成量を著
しく少なくすることができ、その結果として耐候性を低
下させずに耐酸性に優れた塗膜が形成できる。該炭素数
4〜24の1価のアルコールのアクリル酸エステルの具
体例としては、例えば前記炭素数4〜24の1価のアル
コールの(メタ)アクリル酸エステルのうちアクリル酸
エステルのものが挙げられる。
【0024】上記その他のビニル系モノマーの配合割合
は、水酸基含有ビニル系樹脂の構成モノマー成分量とし
て約1〜45重量%、好ましくは約5〜40重量%の範
囲が望ましい。配合割合が約1重量%未満では耐擦り傷
性、耐候性、加工性等が低下し、一方、約45重量%を
越えると耐擦り傷性、耐酸性等が低下するので好ましく
ない。
【0025】また、上記したその他のビニル系モノマー
以外に従来から公知のラジカル重合性モノマーを適宜選
択して使用することができる。具体的には(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリ
ロニトリル等が挙げられる。該モノマーは、その他のビ
ニル系モノマー成分中で約10重量%以下の範囲で配合
できる。
【0026】芳香族炭化水素環含有ビニル系モノマー、
水酸基含有ビニル系モノマー、及びその他のビニル系モ
ノマーの共重合反応は、通常のアクリル樹脂、ビニル樹
脂等の合成方法と同様にして行うことができる。
【0027】水酸基含有ビニル系樹脂(A)の重量平均
分子量は、3000〜30000が好ましい。3000
未満では耐候性が低下することがあり、30000以上
では塗装仕上り外観が低下することがある。
【0028】本発明組成物の(B)成分は、ヘキサメト
キシメチルメラミン及び/又はそのメトキシ基の一部若
しくは全部を炭素数4以上の1価アルコールで置換した
エーテル化メラミン樹脂である。
【0029】該メラミン樹脂としては、メラミンとアル
デヒドとの反応によって得られる部分又は完全メチロー
ル化メラミン樹脂にメタノールをエーテル化反応させて
なるヘキサメトキシメチルメラミン樹脂、メタノールに
代えて又は併用して適当な炭素数4以上の1価アルコー
ルによってエーテル化したものも使用できる。メラミン
と反応するアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パ
ラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデ
ヒド等が例示できる。エーテル化に用いられる炭素数4
以上のアルコールとしては、n−ブチルアルコール、イ
ソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチ
ルヘキサノール等が例示できる。
【0030】本発明において、(B)成分のメラミン樹
脂としては、サイメル303(フルメトキシ化メラミン
樹脂、サイテック社製)、ユーバン20SE−60(ブ
チル化メラミン樹脂、三井東圧社製)等の商標名で市販
されているメラミン樹脂を用いることができる。
【0031】本発明塗料組成物の(C)成分は、平均粒
子径0.01〜1μmの範囲のポリマー微粒子である。
【0032】本発明塗料組成物において、該微粒子を用
いることによって、更に仕上がり外観及び耐久性に優れ
た塗膜が形成できる。
【0033】該微粒子を構成するポリマーは本発明塗料
組成物で用いる有機溶剤に不溶性でなければならない。
また、該ポリマーは架橋又は未架橋であってもかまわな
いが好ましくは架橋したものが望ましい。該微粒子はそ
れ自体公知のものであり、従来のものから適宜選択して
使用できるが、特に非水ディスパージョン型ビニル樹脂
を使用することが好ましい。
【0034】該非水ディスパージョン型ビニル樹脂は、
高分子分散安定剤及び有機溶剤の存在下で少なくとも1
種のビニルモノマーを分散重合させてなるものである。
高分子分散安定剤としては、従来から非水ディスパージ
ョンの分野で使用されている既知のものを使用でき、例
えば下記(1)〜(9)のものを例示することができ
る。
【0035】(1)12−ヒドロキシステアリン酸等の
水酸基を含有する脂肪酸の自己縮合ポリエステルとアク
リル酸グリシジル又はメタクリル酸グリシジルを付加し
て分子中に約1.0個の重合性二重結合を導入したポリ
エステルマクロモノマー。
【0036】(2)上記(1)のポリエステルマクロモ
ノマーとメチルメタクリレート及び/又はその他の(メ
タ)アクリル酸エステル、ビニルモノマーを共重合した
櫛型ポリマー。
【0037】(3)上記(2)に少量のグリシジル(メ
タ)アクリレートを共重合させておき、そのグリシジル
基に後から(メタ)アクリル酸を付加して二重結合を導
入したもの。
【0038】(4)炭素数4以上のモノアルコールの
(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも20%共重合
してなる水酸基含有アクリル共重合体。
【0039】(5)上記(4)に数平均分子量基準で1
分子当り0.3以上の二重結合を導入する方法として
は、例えば、もとのアクリル共重合体中に少量の(メ
タ)アクリル酸グリシジルを共重合しておき、後からそ
のグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加する方法が
挙げられる。
【0040】(6)ミネラルスピリット許容率の高いア
ルキルメラミン樹脂。
【0041】(7)油長15%以上のアルキド樹脂及び
/又はそれに重合性二重結合を導入したもの。重合性二
重結合を導入する方法としては、例えばアルキド樹脂中
のカルボキシル基に(メタ)アクリル酸グリシジルを付
加する方法が挙げられる。
【0042】(8)ミネラルスピリット許容率の高いオ
イルフリーポリエステル樹脂、油長15%以上のアルキ
ド樹脂及び/又はそれに重合性二重結合を導入したも
の。
【0043】(9)重合性二重結合を導入したセルロー
スアセテートブチレート。重合性二重結合を導入する方
法としては、例えばセルロースアセテートブチレートに
イソシアネートエチルメタクリレートを付加する方法が
挙げられる。
【0044】これらの分散安定剤は、単独で又は複数の
タイプのものを組合わせて用いられる。
【0045】上記分散安定剤の中でも、本発明において
特に好適な分散安定剤は、脂肪族炭化水素等の比較的低
極性溶剤に溶解可能であって、しかも塗膜性能上の要求
をもある程度満たすことができるものであり、その様な
条件を満たす分散安定剤としては、殊に分子量、ガラス
転移温度、極性(ポリマーのSP値)、水酸基価、酸価
等を容易に調整することができ、耐候性にも優れている
上記(4) 及び(5) のアクリル系共重合体が好適である。
更に分散微粒子とグラフト重合可能な重合性二重結合を
分子中に平均して約0.2〜1.2個有するアクリル系
共重合体が好適である。
【0046】本発明で使用される非水ディスパージョン
型ビニル樹脂は、上記高分子分散安定剤の存在下、該分
散安定剤及び分散微粒子を形成する後記ビニルモノマー
は溶解するが、該ビニルモノマーから生成する重合体微
粒子は実質的に溶解しない脂肪族炭化水素を主体とする
有機溶剤中で、少なくとも1種のビニルモノマーを分散
重合することによって容易に製造される。
【0047】前記高分子分散安定剤として好適な上記ビ
ニル系共重合体を形成するモノマーの成分及び上記分散
微粒子を形成するビニルモノマーとしては、ラジカル重
合性不飽和単量体であれば特に制限されることなく、各
種のものを使用することができる。その代表的なものを
例示すれば以下の通りである。
【0048】(a)アクリル酸又はメタクリル酸のエス
テル 例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル
酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のアクリル酸又
はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル:
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート:
アリルアクリレート、アリルメタクリレート等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエス
テル:ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又は
メタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエス
テル:アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシ
エチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸
の炭素数3〜18のアルケニルオキシアルキルエステル
等。
【0049】(b)ビニル芳香族化合物 例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−クロルスチレン、ビニルピリジン等。
【0050】(c)α,β−エチレン性不飽和酸 例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等。
【0051】(d)アクリル酸、又はメタクリル酸のア
ミド 例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ブト
キシメチルアクリルアミド、n−メチロールアクリルア
ミド、n−ブトキシメチルメタクリルアミド、n−メチ
ロールメタクリルアミド等。
【0052】(e)その他 例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチ
ルイソプロペニルケトン;酢酸ビニル、ベオバモノマー
(シェル化学社製)、ビニルプロピオネート、ビニルピ
バレート、イソシアネートエチルメタクリレート、パー
フルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、p−ス
チレンスルホンアミド、N−メチル−p−スチレンスル
ホンアミド、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン等。
【0053】上記した単量体の中でも特に分散安定剤と
なるビニル系共重合体の調製に好適に用いられるもの
は、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル等の比較的長鎖の低極性単
量体を主体とし、これに必要に応じてスチレン、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸等を併用した単
量体混合物である。
【0054】これらの単量体を共重合した重合体にグリ
シジル(メタ)アクリレート又はイソシアネートエチル
メタクリレートを後付加して重合性二重結合を導入した
ものが好適である。
【0055】分散安定剤となるビニル共重合体はラジカ
ル重合開始剤を用い、従来公知の溶液重合法によって容
易に製造される。
【0056】分散安定剤の数平均分子量は、1000〜
50000程度の範囲が好ましく、3000〜2000
0程度の範囲がより好ましい。
【0057】また、上記した単量体の中でも特に分散微
粒子を形成するビニルモノマーとして好適なものは、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリロニトリル等の比較
的高極性単量体を主体とし、これに必要に応じて、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルを併用したものを挙げることができる。またジビニ
ルベンゼンやエチレングリコールジメタクリレート等の
多官能モノマーを少量併用するか、メタクリル酸グリシ
ジルとメタクリル酸のようにお互いに反応する官能基を
有する複数のモノマーを共重合するか、N−アルコキシ
メチル化アクリルアミドやγ−メタクリロキシトリアル
コキシシランのように自己反応性のモノマーを共重合す
ることによって粒子内を架橋しゲル化粒子としてもよ
い。
【0058】分散重合を行うに当たり、分散安定剤と分
散微粒子となるビニルモノマーとの配合割合としては、
重量比で5/95〜80/20、好ましくは10/90
〜60/40の範囲内とするのがよく、分散重合はラジ
カル重合開始剤の存在下で従来公知の方法に従い行い得
る。
【0059】本発明塗料組成物における(D)成分は、
一般式
【0060】
【化4】
【0061】(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
は、全てがメチル基を示し、nは、10〜1000の整
数を示す。)で表されるポリシロキサン化合物である。
【0062】該ポリシロキサン化合物を塗料組成物に配
合することによって、本発明塗料組成物の他の成分であ
る(A)、(B)及び(C)の各成分の相溶性が向上
し、又塗膜の光沢が改良される。
【0063】
【0064】
【0065】ポリシロキサン化合物の分子量としては、
特に限定されるものではないが、通常、数平均分子量が
1000〜100000、好ましくは2000〜500
0のものが用いられる。
【0066】本発明の塗料組成物は、上記(A)、
(B)、(C)及び(D)成分を有機溶媒中に混合分散
せしめることによって得られる。
【0067】これらの各成分の混合比率は、特に制限さ
れないが、(A)、(B)及び(C)の各成分は、これ
ら各成分の合計100重量%に基づき、(A)成分は3
0〜80重量%、特に50〜70重量%、(B)成分は
5〜40重量%、特に10〜25重量%、(C)成分は
3〜30重量%、特に5〜15重量%が、それぞれ好ま
しい。更に、(D)成分は、(A)、(B)及び(C)
の各成分の合計100重量部あたり0.01〜3重量
部、特に0.05〜0.5重量部が好ましい。
【0068】本発明塗料組成物には、前記した成分以外
にセルロースアセテートブチル、エポキシ樹脂、アルキ
ド樹脂等の変性樹脂を少量併用してもよい。又、必要に
応じて、有機溶剤、顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、塗
面調整剤、酸化防止剤、流動性調整剤、顔料分散剤、シ
ランカップリング剤等の添加剤等を配合せしめることが
できる。
【0069】上記有機溶媒としては、ヘプタン、トルエ
ン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化
水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブ
チル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート等のエステル系溶媒、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等の
ケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタ
ノール等のアルコール系溶媒、n−ブチルエーテル、ジ
オキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系、
コスモ石油社製の商品名スワゾール310、スワゾール
1000、スワゾール1500等の芳香族石油溶剤系等
を挙げることができる。該有機溶剤は1種又は2種以上
混合して使用できる。又、硬化性の点からは沸点が15
0℃程度以下のものが好ましいが、これに限定されるも
のではない。
【0070】本発明塗料組成物中に含有してもよい顔料
としては、例えば有機顔料(例えばキナクリドン等のキ
ナクリドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシア
ニン系等)、無機顔料(例えば、酸化チタン、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、バリタ、クレー、シリカ等)、
炭素系顔料(カーボンブラック)、メタリック粉末(例
えばアルミニウム、雲母状酸化鉄、ステンレススチール
等)、防錆顔料(例えば、ベンガラ、ストロンチゥーム
クロメート等)が使用できる。
【0071】硬化触媒としては、硬化剤が(ブロック)
ポリイソシアネート化合物である場合にはジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ラウ
レート、トリエチルアミン、又はジエタノールアミン等
が挙げられる。
【0072】本発明塗料組成物によれば、上記各必須成
分を用いることにより、形成される硬化塗膜が、チュー
コン(TUKON)硬度が4〜12、好ましくは6〜1
0、ガラス転移温度が60〜90℃、及び架橋間分子量
が700以下となるような塗膜が形成できる。
【0073】チューコン(TUKON)硬度は、所定の
加熱条件で焼き付けた硬化塗膜を20℃において、アメ
リカンチェインアンドケーブルカンパニー社(American
Chain & Cable Company)製のチューコンマイクロ硬度
試験器(TUKON microhardnesstester)にて測定したも
ので、数値が大きいほど硬質である。本発明では、チュ
ーコン硬度が4より小さくなると、耐汚染性が著しく低
下し、12より硬くなると耐衝撃性や耐屈曲性等が不充
分となるのでいずれも好ましくない。ガラス転移温度
は、単離塗膜をバイブロン動的粘弾性測定装置ダイナミ
ックビスコエラストメーターモデルビブロン(DAYNAMIC
VISCO ELASTOMETER MODEL VIBRON)DDV−IIEA 型(ト
ーヨーバルドウィン社(TOYO BALDWIN CO. Ltd)製)を
用いて、周波数110ヘルツ、昇温速度3℃/分におい
て測定した動的ガラス転移温度(℃)であって、ガラス
転移温度が60℃より低くなると、耐汚染性が著しく低
下する。
【0074】架橋間分子量は、上記で測定したガラス転
移温度の値をフローリー(Folry)等の下記のゴム粘弾
性理論式にあてはめて求めた理論計算値であって、70
0より大きくなると、耐汚染性が著しく低下するので好
ましくない。
【0075】架橋間分子量Mc=3ρRT/Emin[た
だし、R=8.131×107(erg/゜Kmol)、T=弾性
率最小のときの温度(K)、ρ=試料塗膜の密度(g/c
m)で、一般に0.5、Emin=高温域での最小弾性率
(dyne/cm)である]。
【0076】本発明塗料組成物は、例えば静電塗装(ベ
ル型等)、エアースプレー塗装等の手段により、乾燥膜
厚10〜60μm程度に塗装できる。また、乾燥は架橋
剤の種類によっても異なるが、通常、約60〜140℃
で10〜60分間程度で十分である。
【0077】本発明塗料組成物は、塗膜の加工性に優れ
た性質をもつことから、特にプラスチック基材の上塗り
塗料組成物に適用することが好ましい。以下、この塗膜
形成方法について述べる。
【0078】塗膜の形成は、プラスチック基材に直接又
はプライマー若しくはプライマー/中塗りを施した塗膜
面に、本発明塗料組成物を塗布し、硬化させることによ
り実施できる。
【0079】プラスチック基材としては、特に制限なし
に使用でき、具体的にはポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、EPDM、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリフェニレンオキサイド、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、エチ
レン−ビニルアセテート共重合体、不飽和ポリエステ
ル、ポリウレタン、強化ポリウレタン等のプラスチック
が使用できる。これらのプラスチック基材としては、必
要に応じてアルカリ、酸、有機溶剤等で洗浄又は化学処
理、コロナ放電処理等を行なったものが使用できる。
【0080】上記したプラスチック基材又はプラスチッ
ク基材に塗装を施した塗膜面に本発明塗料組成物を塗布
し、上塗り塗膜を形成するには、例えば1コート1ベー
ク方式(ソリッドカラーコート)、2コート1ベーク方
式(ベースコート/クリヤーコート)、2コート2ベー
ク方式(ベースコート/クリヤーコート)、3コート1
ベーク方式(ベースコート/クリヤーコート/クリヤー
コート)、3コート2ベーク方式(ベースコート/クリ
ヤーコート/クリヤーコート)等従来から公知の方法に
従って実施できる。本発明において、特に本発明塗料組
成物を最上層に形成する(例えば2コート1ベーク方式
のクリヤー等)ことが好ましい。
【0081】2コート1ベーク方式は、例えば、プラス
チック基材に着色ベースコート用塗料組成物を塗布し、
次いで本発明の塗料を用いたクリヤートップコート用塗
料を塗装し、焼き付けることによって実施できる。着色
ベース及びクリヤートップコート塗料組成物の塗装は、
通常の塗装方式、例えば静電塗装又は非静電塗装機を用
いて行える。また、着色ベースコートの膜厚は10〜5
0μm程度(硬化後)が好ましい。該塗料を塗装後、数
分間室温に放置するか、50〜80℃位で数分間強制乾
燥した後、クリヤーコート塗料組成物を塗装する。クリ
ヤー塗膜の厚さは10〜60μm(硬化後)が好まし
い。次いで60〜140℃程度の温度で20〜40分間
程度加熱が行われる。
【0082】
【実施例】以下、製造例、実施例及び比較例を掲げて本
発明をより一層明らかにする。尚、特に断らない限り
「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量
%」を意味する。
【0083】製造例1 (A)水酸基含有アクリル樹脂
溶液(A−1)の製造 攪拌機、温度計、還流冷却機等の備わった通常のアクリ
ル樹脂反応槽に、スワゾール1000〔コスモ石油
(株)製、芳香族系溶剤〕55部及びn−ブタノール5
部を仕込み、加熱攪拌し、130℃に達してから下記の
単量体混合物を3時間で滴下した。
【0084】 スチレン 60部 ラウリルメタクリレート 17部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部 アクリル酸 3部 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル 6部 上記単量体混合物を滴下終了後、更に30分、130℃
に保持した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.5
部及びスワゾール1000 20部の混合物を1時間を
要して滴下した。その後1時間125℃に保ったまま攪
拌を続けた後冷却した。このものにスワゾール1000
を35部及びn−ブタノールを5部加え希釈し、固形分
濃度50%の水酸基含有アクリル樹脂(A−1)を得
た。このアクリル樹脂の重量平均分子量(MW)は10
000、及びアクリル樹脂中のスチレン含有量(単量体
成分の全配合量に対するスチレンの含有量百分率)は7
0%であった。
【0085】製造例2〜4 (A)水酸基含有アクリル
樹脂溶液(A−2)〜(A−4)の製造 製造例1と同様の方法で、水酸基含有アクリル樹脂溶液
(A−2)〜(A−4)を製造した。固形分濃度は全て
50重量%であった。
【0086】水酸基含有アクリル樹脂溶液(A−1)〜
(A−4)の組成とそれらの重量平均分子量(MW)及
び樹脂中のスチレン含有量を表1に示した。
【0087】
【表1】
【0088】製造例5 (C)ポリマー微粒子(C−
1)の製造 攪拌機、温度計、還流冷却機等の備わった通常のアクリ
ル樹脂反応槽にキシロール45.7部、n−ブタノール
5部を仕込み、加熱攪拌し、125℃に達してから下記
の単量体混合物を3時間で滴下した。
【0089】 スチレン 30部 ラウリルメタクリレート 20部 n−ブチルアクリレート 10部 2−エチルヘキシルメタクリレート 12部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 20部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 5部 アクリル酸 3部 tert−ブチルパーオクトエート 4.6部 上記単量体混合物を滴下終了後、更に30分、125℃
に保持した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.5
部及びキシロール16部の混合物を1時間要して滴下
し、更に5時間熟成を行った。得られた樹脂溶液の固形
分は60%であった。
【0090】次いで、このワニス168部に4−tert−
ブチルピロカテコール0.03部、グリシジルメタクリ
レート2部を加えて125℃にて5時間反応を行い、重
合性二重結合を導入した。この生成物90部及びキシロ
ール48部、ヘプタン105部をフラスコに仕込み、9
0℃で下記の単量体及び重合開始剤を4時間かけて滴下
した。更に、tert−ブチルパーオクトエート0.5部を
添加し、その後3時間熟成して、非水ディスパージョン
型ビニル樹脂(C−1)を得た。
【0091】 スチレン 40部 メチルメタクリレート 20部 アクリロニトリル 16部 グリシジルメタクリレート 2部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 20部 メタクリル酸 2部 α,α′−アゾビスイソブチロニトリル 1部 得られた樹脂分散液は固形分45%のミルク状白色分散
物であった。
【0092】実施例1〜3 表2に記載した成分を配合し、実施例1〜3の塗料組成
物を得た。次に、これらのものにキシロール/n−ブタ
ノール=9/1の混合溶剤を加えて塗料粘度25秒(フ
オードカップ#4/25℃)に調整したものを後記試験
に供した。
【0093】比較例1〜3 表2に記載した成分を配合して比較の塗料組成物を得、
実施例1と同様にして溶剤で希釈した。
【0094】
【表2】
【0095】塗膜作成条件 前記実施例及び比較例の粘度調整した塗料を用いて、塗
装及び硬化塗膜の作成を行った。
【0096】トリクロールエタンで蒸気脱脂したR−R
IM(Reinforced-Reaction Injection Molding )ウレ
タンプラスチックに、ウレタンエラストマー樹脂系グレ
ー塗色プライマー(関西ペイント(株)製、「ソフレッ
クスNo.1000」プライマー)を乾燥膜厚で15〜
20μmになるようにスプレー塗装し、80℃で30分
間焼付乾燥してプラスチックの試験片とした。
【0097】塗膜作成条件I 上記プラスチック試験片にメタリックベースコート塗料
(a)(「ソフレックス No.1400」メタリック
ベースコート、関西ペイント(株)製、メラミン硬化型
塗料)をエアスプレーガンF5(明治機械製作所製、商
品名)を用いて硬化膜厚で約15μmとなるように塗装
し、室温で約3分間放置後、実施例及び比較例の塗料
を、前記エアースプレーガンF5を用いて硬化膜厚で約
40μmの厚さになるように塗装した後、約10分間室
温に放置セッティングした。次いで、このものを電気熱
風乾燥機で120℃、30分間加熱硬化せしめた。
【0098】塗膜作成条件II 塗膜物性を測定するため
の塗膜作成条件 ブリキ板に実施例及び比較例の塗料を硬化膜厚40μm
になるようにスプレー塗装し、次いで120℃、30分
間加熱硬化させた。次いで、水銀を用いてブリキ板から
硬化塗膜を剥離した。
【0099】得られたそれぞれの焼き付け塗板について
種々の試験を行った。その試験結果を表2に示す。
【0100】表2の成分及び試験における(*1)〜
(*12)は次の通りである。
【0101】成分 (*1)メラミン樹脂「サイメル303」:サイテック
社製、フルメトキシ化メラミン樹脂。
【0102】(*2)触媒:「ネイキュア5543」、
米国、キング インダストリイズ社製、有効成分約25
%のドデシルベンゼンスルホン酸アミン中和物、商品
名。
【0103】(*3)(D)成分:ジメチルポリシロキ
サン(一般式[I]において、R1〜R6が、全てメチル
基であるもの、数平均分子量3000)。
【0104】(*4)紫外線吸収剤:チバガイギー社
製、「チヌビン900」。
【0105】試験方法 (*5)チューコン(TUKON)硬度は、所定の加熱条件
で焼き付けた硬化塗膜を20℃において、アメリカンチ
ェインアンドケーブルカンパニー製のチューコンマイク
ロハードネステスターにて測定したもので、数値が大き
いほど硬質である。ブリキ板に塗装したもので測定し
た。
【0106】(*6)ガラス転移温度:単離塗膜をバイ
ブロン動的粘弾性装置「ダイナミックビスコエラストマ
ーモデルバイブロンDDV-IIEA型」(トーヨーバルドウィ
ン社製)を用いて、周波数110ヘルツ、昇温速度3℃
/分において測定した動的ガラス転移温度(℃)であ
る。ポリプロピレン板に塗装後、単離した塗膜で測定し
た。
【0107】(*7)架橋間分子量:上記(*6)で測
定したガラス転移温度の値をフローリー等の下記のゴム
粘弾性理論式にあてはめて求めた理論計算値である。ポ
リプロピレン板に塗装したもので測定した。
【0108】架橋間分子量Mc=3ρRT/Emin[た
だし、R=8.131×107(erg/゜Kmol)、T=弾性
率最小のときの温度(K)、ρ=試料塗膜の密度(g/c
m)で、一般に0.5、Emin=高温域での最小弾性率
(dyne/cm)である]。
【0109】(*8)暴露汚染性:プラスチック部材に
塗装した試験板を平塚市内の交通量の多い道路に面した
地点に、塗面を上に水平にして6か月放置した後の塗面
を観察した。目視において、◎は全く異常を認めない、
○はわずかに汚れが認められる、△は黒色又は黄色のシ
ミが点在し汚れが目立つ、×は全面が黒色又は黄色に覆
われ、汚れが著しい。
【0110】色差は、塗装直後と暴露後との色差を「エ
スアンドエムカラーコンピューターモデル4(S & M Co
lour Computer Model 4)」(スガ試験機社製)を用い
て測定した。
【0111】(*9)耐候性:サンシャインウェザーメ
ーターに1600時間曝露した後の塗膜を観察し、次の
ように評価した。
【0112】○は異常なし、△は小さいひび割れが少し
発生、×はひび割れ。
【0113】(*10)耐酸性:人工雨を試験塗板に
0.4ml滴下し、85℃に加熱したホットプレート上
で、15分間加熱した後、水洗し、塗面を観察し、次の
基準で評価した。
【0114】○は全く変化のないもの、△は塗面に異常
はないが、滴下部と非滴下部の境界にわずかに段差が認
められるもの、×は塗面が白化したもの。
【0115】人工雨としては、NaNO3 1mg/g溶
液を19.6g、KNO3 1mg/g溶液を5.2g、
CaCl2・2H2O 1mg/g溶液を3.7g、Mg
SO4・7H2O 1mg/g溶液を8.2g、(N
42SO4 1mg/g溶液を73.3g、0.1N
2SO4を30.0g、0.1N HNO3を20.0
g、0.05N HClを10.0g及びNaF1mg
/g溶液を4.7g配合し、pHをH2SO4で1に調整
したものを使用した。
【0116】(*11)低温屈曲性:塗装試験板を−2
0℃の雰囲気に4時間放置後、これを直径20mmの鉄
の棒にはさんで180゜折り曲げる。評価は、◎が屈曲
部の塗膜にひび割れ、割れ等の欠陥のないもの、○がひ
び割れ、割れ等の欠陥が若干発生したもの、△がひび割
れ、割れ等の欠陥が発生したもの、×がひび割れ、割れ
等の欠陥が著しく発生したもの、である。
【0117】(*12)光沢:60゜鏡面反射率(%)
で示した。
【0118】
【発明の効果】本発明塗料組成物によれば、塗膜の耐汚
染性、柔軟性、耐候性、耐擦り傷性、加工性、耐酸性、
光沢等の性能、特に耐汚染性、耐酸性、柔軟性及び光沢
に優れた塗膜が形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 力 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 木谷田 弘明 愛知県西加茂郡三好町大字莇生字平地1 番地 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 小野山 裕之 愛知県西加茂郡三好町大字莇生字平地1 番地 関西ペイント株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族炭化水素環含有ビニル系モノ
    マーをモノマー成分として40〜90重量%含有する水
    酸基含有ビニル系樹脂、 (B)ヘキサメトキシメチルメラミン及び/又はそのメ
    トキシ基の一部若しくは全部を炭素数4以上の1価アル
    コールで置換したエーテル化メラミン樹脂、 (C)平均粒子径0.01〜1μmのポリマー微粒子、
    並びに (D)一般式 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、全てがメ
    チル基を示し、nは、10〜1000の整数を示す。)
    で表されるポリシロキサン化合物を含有することを特徴
    とする上塗り塗料組成物。
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