JP3281406B2 - 電解コンデンサの電解液 - Google Patents
電解コンデンサの電解液Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミ電解コンデンサ
の電解液に関するものである。
の電解液に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来よりアルミ電解コンデンサの電解液
には、エチレングリコ−ルおよび水を主体とした溶媒
に、有機酸あるいはその塩を溶解した電解液が多用され
ている。
には、エチレングリコ−ルおよび水を主体とした溶媒
に、有機酸あるいはその塩を溶解した電解液が多用され
ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エチレングリコ−ルを使用したアルミ電解コンデンサは
低温での特性が悪いため、広温度範囲において使用可能
な電解液の溶媒としてγ−ブチロラクトンが使用される
ようになったが、γ−ブチロラクトンは高温雰囲気中に
おける蒸気圧が高いため、面実装へ使用した場合、半田
リフロ−炉中で約２６０℃の熱によって電解液が気化し
てしまい、外観膨張を発生してしまうという問題を有し
ていた。
エチレングリコ−ルを使用したアルミ電解コンデンサは
低温での特性が悪いため、広温度範囲において使用可能
な電解液の溶媒としてγ−ブチロラクトンが使用される
ようになったが、γ−ブチロラクトンは高温雰囲気中に
おける蒸気圧が高いため、面実装へ使用した場合、半田
リフロ−炉中で約２６０℃の熱によって電解液が気化し
てしまい、外観膨張を発生してしまうという問題を有し
ていた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
には、使用する溶媒を有機酸に対する溶解性にすぐれ、
低蒸気圧かつ高沸点のものにすれば良い。すなわち、γ
−ブチロラクトンより分子量が大きく、かつエステル結
合および−ＯＨ基を有するアルコ−ル類をエチレングリ
コ−ルあるいはγ−ブチロラクトンに混溶させた溶媒
に、有機酸またはその塩を溶解したことを特徴とする電
解液である。
には、使用する溶媒を有機酸に対する溶解性にすぐれ、
低蒸気圧かつ高沸点のものにすれば良い。すなわち、γ
−ブチロラクトンより分子量が大きく、かつエステル結
合および−ＯＨ基を有するアルコ−ル類をエチレングリ
コ−ルあるいはγ−ブチロラクトンに混溶させた溶媒
に、有機酸またはその塩を溶解したことを特徴とする電
解液である。
【０００５】
【作用】本発明の電解液に使用したグリセリルモノアセ
テ−トおよびグリセリルジアセテ−トは、γ−ブチロラ
クトンと同様にいずれもエステル結合を有しているが、
γ−ブチロラクトンより分子量が大きいため、より蒸気
圧を低くすることが可能であり、高温度雰囲気における
電解コンデンサの試験においても外観膨張を生じること
がない。また、アルコ−ルでもあるため、有機酸に対す
る溶解力も高く、さらにエチレングリコ−ルおよびγ−
ブチロラクトンと自由に混溶することができる。
テ−トおよびグリセリルジアセテ−トは、γ−ブチロラ
クトンと同様にいずれもエステル結合を有しているが、
γ−ブチロラクトンより分子量が大きいため、より蒸気
圧を低くすることが可能であり、高温度雰囲気における
電解コンデンサの試験においても外観膨張を生じること
がない。また、アルコ−ルでもあるため、有機酸に対す
る溶解力も高く、さらにエチレングリコ−ルおよびγ−
ブチロラクトンと自由に混溶することができる。
【０００６】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。表１は、本発明に使用した溶媒と従来使用されてい
る溶媒の沸点および凝固点の比較を示す。表２は、表中
に示した本発明の電解液と従来の電解液を用いて試作し
た、定格１０Ｖ，３３０μＦの面実装品を実装した基板
を２６０℃の半田リフロ−炉に通した後の外観膨張発生
率を示した。なお、表２中電解液試料記号Ａ，Ｂは従来
例、Ｃ，Ｄ，Ｅは本発明例であり、γ−ブチロラクトン
はＧＢＬ、エチレングリコ−ルはＥＧ、グリセリルモノ
アセテ−トはＧＭＡ、グリセリルジアセテ−トはＧＤＡ
とそれぞれ記号で示す。また、溶質はいずれの電解液試
料記号においてもフタル酸モノテトラエチルアンモニウ
ムを１０重量％混合した。
る。表１は、本発明に使用した溶媒と従来使用されてい
る溶媒の沸点および凝固点の比較を示す。表２は、表中
に示した本発明の電解液と従来の電解液を用いて試作し
た、定格１０Ｖ，３３０μＦの面実装品を実装した基板
を２６０℃の半田リフロ−炉に通した後の外観膨張発生
率を示した。なお、表２中電解液試料記号Ａ，Ｂは従来
例、Ｃ，Ｄ，Ｅは本発明例であり、γ−ブチロラクトン
はＧＢＬ、エチレングリコ−ルはＥＧ、グリセリルモノ
アセテ−トはＧＭＡ、グリセリルジアセテ−トはＧＤＡ
とそれぞれ記号で示す。また、溶質はいずれの電解液試
料記号においてもフタル酸モノテトラエチルアンモニウ
ムを１０重量％混合した。
【０００７】
【表１】
【０００８】
【表２】
【０００９】表２から明かなように、本発明に係わる試
料記号Ｃ，Ｄ，Ｅの電解液を用いた電解コンデンサは従
来の電解液を用いたものに比べ、高温雰囲気中での電解
液の気化による外観膨張が見られない。なお、副溶媒で
あるグリセリルモノアセテートおよびグリセリルジアセ
テートが一種以上合わせて５．０重量％未満の場合に
は、半田リフロー炉試験において外観膨張、抑制効果に
乏しく、また４５重量％を超えた場合には、電解液の粘
度が高くなってしまうため、低温雰囲気中における tan
δの上昇が見られた。
料記号Ｃ，Ｄ，Ｅの電解液を用いた電解コンデンサは従
来の電解液を用いたものに比べ、高温雰囲気中での電解
液の気化による外観膨張が見られない。なお、副溶媒で
あるグリセリルモノアセテートおよびグリセリルジアセ
テートが一種以上合わせて５．０重量％未満の場合に
は、半田リフロー炉試験において外観膨張、抑制効果に
乏しく、また４５重量％を超えた場合には、電解液の粘
度が高くなってしまうため、低温雰囲気中における tan
δの上昇が見られた。
【００１０】
【発明の効果】以上のように、有機酸およびその塩を主
溶質とし、エチレングリコ−ルまたはγ−ブチロラクト
ンを主溶媒とするアルミ電解コンデンサの電解液におい
て、副溶媒としてグリセリルモノアセテ−ト、グリセリ
ルジアセテ−トのうち一種または二種を副溶媒として混
溶したことを特徴とする電解液は、低蒸気圧・高沸点で
あるため、これを用いた電解コンデンサは半田リフロ−
炉などでの高温雰囲気中においても外観膨張が発生しな
い。また、γ−ブチロラクトンよりは凝固点が高いもの
の、低凝固点であるため広温度範囲において優れた特性
を示し、工業的ならびに実用的価値の大なるものであ
る。
溶質とし、エチレングリコ−ルまたはγ−ブチロラクト
ンを主溶媒とするアルミ電解コンデンサの電解液におい
て、副溶媒としてグリセリルモノアセテ−ト、グリセリ
ルジアセテ−トのうち一種または二種を副溶媒として混
溶したことを特徴とする電解液は、低蒸気圧・高沸点で
あるため、これを用いた電解コンデンサは半田リフロ−
炉などでの高温雰囲気中においても外観膨張が発生しな
い。また、γ−ブチロラクトンよりは凝固点が高いもの
の、低凝固点であるため広温度範囲において優れた特性
を示し、工業的ならびに実用的価値の大なるものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項１】 有機酸あるいはその塩を主溶質とし、エ
チレングリコ−ルまたはγ−ブチロラクトンを主溶媒と
する電解コンデンサの駆動用電解液において、副溶媒と
してエステル結合を有するアルコ−ル類を５．０〜４５
重量％含むことを特徴とするアルミ電解コンデンサの電
解液。 - 【請求項２】 請求項１および請求項２において、エス
テル結合を有するアルコ−ル類は、グリセリルモノアセ
テ−ト、グリセリルジアセテ−トであり、一種以上合わ
せて５．０〜４５重量％存在することを特徴とするアル
ミ電解コンデンサの電解液。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08491492A JP3281406B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電解コンデンサの電解液 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08491492A JP3281406B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電解コンデンサの電解液 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05251277A JPH05251277A (ja) | 1993-09-28 |
| JP3281406B2 true JP3281406B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=13843993
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08491492A Expired - Fee Related JP3281406B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電解コンデンサの電解液 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3281406B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002280268A (ja) * | 2001-03-22 | 2002-09-27 | Nichicon Corp | 電解コンデンサの駆動用電解液 |
| CN110212245B (zh) * | 2019-06-17 | 2022-04-29 | 商丘神风能源科技有限公司 | 可提高锂电池高温循环寿命的添加剂、含有该添加剂的非水锂离子电池电解液及锂离子电池 |
-
1992
- 1992-03-06 JP JP08491492A patent/JP3281406B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05251277A (ja) | 1993-09-28 |
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