JP3280866B2 - 圧延荷重予測方法 - Google Patents

圧延荷重予測方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚鋼板等の圧延時
に用いられる圧延荷重予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば厚鋼板等の多パス圧延において、
通常、製品の板厚・形状等に直接影響を与える圧延機の
ロールギャップやパススケジュールなどの各操作量は、
そのときの圧延条件から圧延荷重を推定し、その値に基
づいて各パス毎に予め設定される。
【0003】この圧延荷重Pは、一般に、次の圧延荷重
式によって算出される。 P=Kf ×QP ×ld×B ………… 但し、Kf :圧延材の変形抵抗、QP :圧下力関数、l
d:接触弧長、B :圧延幅 上記の圧延荷重式を構成する変形抵抗Kf を求める変
形抵抗式としては、例えば次式のように、加工温度
Tや歪、歪速度などの加工条件とC量とに基づく式が知
られている。
【0004】
【数2】
【0005】ところで、圧延材の変形抵抗Kf は、C量
以外の化学成分の含有量によっても種々異なるものとな
る。そこで、C量以外の化学成分も考慮して、次式に
示す換算式により炭素当量CE を算出し、このCE を組
み込んだ変形抵抗式が提案されている。 CE =(0.6C+Si/17+Mn/12+Ni/10+Cr/20+Mo/2+V+2Nb)×100+25 …… ln(Kf )= a0+a1・CE +a2[(T+273)/1000)]+a3(lnR/h)2 +[a4+a5(lnR/h)+a6(lnR/h)2]lnγ…… 但し、R:ワークロール半径、h:出側板厚、γ:圧下率、
a0〜a6:回帰係数 上記式中の係数a0〜a6は、例えば実績の圧延データを
基に回帰手法を用いて算定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼材中
に含有される化学成分は、変形抵抗に対して相互に且つ
複雑に影響し、特に熱間圧延では、変形抵抗に対する化
学成分の影響度が温度によっても異なるため、化学成分
の影響項を前記式に示すように単純に化学成分のみを
パラメータとする線型関数を用いて表現しても、精度の
良い算出結果は得難い。
【0007】実際、化学成分の影響項を含まず、温度・
歪・歪速度のみをパラメータとする変形抵抗のモデル式
を作成し、鋼種別に係数を算定したとき、その係数は鋼
種別に相違する化学成分に依存するものとなるが、これ
ら係数は、化学成分の組成量をパラメータとする単純な
線型関数では表現できない。このように、個々の化学成
分の含有量と変形抵抗との関係については、C量を除い
て充分には検討されていないことから、現状では決定的
な定式化はなされていない。
【0008】したがって、化学成分量が相互に異なるい
ずれの鋼種でも精度の良い変形抵抗を算出できるように
するためには、例えば、上記した化学成分の影響項を含
まない変形抵抗のモデル式での係数を、いずれの鋼種に
ついても算定しておくことが必要になる。しかしなが
ら、この場合、オンラインでの実用性を考慮すると、約
一千鋼種に及ぶ厚板圧延において、全ての鋼種について
係数を算定するのは困難であり、非効率的である。
【0009】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、化学成分量が相互に異なる多くの
鋼種について、変形抵抗、ひいては圧延荷重の算定・予
測を精度良くかつ効率的になし得る圧延荷重予測方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の圧延荷重予測方法は、化学成分の含有量
が相互に異なる鋼種のなかで、変形抵抗が予め求められ
ている複数の特定鋼種Ai (i=2〜n)以外の鋼種Bの変形
抵抗Kf をファジィ推論に基づく以下の(a) 〜(d) のス
テップで求め、この変形抵抗から鋼種Bの圧延荷重を算
出することを特徴としている。
【0011】(a) 特定鋼種Ai 毎に、各化学成分pj (j
=1〜m)の含有量をそれぞれパラメータとする成分別のメ
ンバーシップ関数Fijを、各特定鋼種Ai 間の含有量の
相違に基づいて定めるステップ。 (b) 各特定鋼種Ai 毎の成分別メンバーシップ関数群(F
i1, …,Fim) から、鋼種Bの各化学成分pj の含有量に
各々対応するメンバーシップ関数値群(fi1, …,fim) を
各特定鋼種Ai 毎に対応させて求めるステップ。
【0012】(c) 各特定鋼種Ai に各々対応するメンバ
ーシップ関数値群(fi1, …,fim) 毎に最小値 Min(fi1,
…,fim) をそれぞれ算定し、これらを、特定鋼種Ai
対する鋼種Bの適合度fmi としてそれぞれ設定するステ
ップ。 (d) 上記適合度fmi を重み係数として、次式のように各
特定鋼種Ai の変形抵抗Ki の重み付平均値を鋼種Bの
変形抵抗Kf として算出するステップ。
【0013】
【数3】
【0014】上記の方法によれば、特定鋼種Ai 以外の
鋼種Bの変形抵抗Kf は、化学成分pj の含有量をパラ
メータとするファジィ推論により、特定鋼種Ai の変形
抵抗から算出される。この場合の多種類にわたる化学成
分毎のメンバーシップ関数F ijは、個々に簡単な関数形
で設定しても、これらが、複数の特定鋼種Ai について
設定されることにより、変形抵抗に対する各化学成分同
士の相互作用の影響度なども、より的確に反映された精
度の良い変形抵抗値を得ることができる。
【0015】したがって上記では、適宜の変形抵抗式中
の係数を回帰手法などにより予め求めることは、全ての
鋼種について行う必要はなく、特定鋼種Ai についての
み行えばよい。そして、これら特定鋼種Ai について得
られた各変形抵抗を基に、特定鋼種以外の鋼種について
も、より精度の高い変形抵抗値を簡単な手順で算出でき
るので、複数の鋼種についての圧延荷重の予測を効率的
に行うことが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、化学成分の含有量が相互に異なる複数鋼種の厚鋼板
に対し、熱間での多パス圧延を行う場合を例に挙げて説
明する。本実施形態の圧延荷重予測方法では、まず、圧
延荷重Pの計算式として、前記式と同様のモデル式を
採用している。その計算式を再掲しておく。
【0017】 P=Kf ×B×ld ×QP ……………(1) 但し、Kf :変形抵抗、B:板幅、ld :ロール偏平後
の接触弧長、QP :圧下力関数 上記(1) 式中の変形抵抗Kf は、予め定めた特定鋼種に
対しては後述する変形抵抗式から、また、特定鋼種以外
の鋼種に対しては特定鋼種の変形抵抗値からファジィ推
論を適用してそれぞれ算出されるが、初めに、特定鋼種
の変形抵抗Kfを求める際に使用される変形抵抗式につ
いて説明する。
【0018】この変形抵抗式として、本実施形態では、
下記(2) 式のように、転位密度ρに基づく換算式、いわ
ゆる転位密度モデルを採用している。 Kf =aρ1/2 (aは定数) ……………(2) 上記転位密度ρについては、熱間での多パス圧延におけ
るiパス目の圧下直前の転位密度をρi(S)、iパス目の
圧下直後の転位密度をρi(S)として、
【0019】
【数4】
【0020】の関係式が得られ、また、i-1 パス目の圧
下直後の転位密度をρi-1 、i-1 パス目とiパス目との
間の転位密度残留率をλi-1 として、 ρi(S)=ρi-1 ・λi-1i-1,T,t) ……………(4) 但し、t:パス間時間 の関係式が得られる。なお、関数κi は、iパス目圧下
時における歪硬化と動的回復とによる転位密度変化を考
慮して導出されたものであり、この関数κi と、パス間
での回復に伴う転位密度の変化度合いを示すλi-1
は、下記のようにそれぞれ定式化されている(その導出
過程については、本願発明者等が先に出願した特願平7-
48570 号参照)。
【0021】
【数5】
【0022】以上の転位密度モデル式において、(3)(4)
式に含まれる未知係数b1,c1, d1,d2,m,Qb,c,
d は鋼種毎に相違する定数であり、各定数はオンライン
で測定される圧延荷重、圧延温度、歪、歪速度、パス間
時間を用いて、非線形最適化手法(“FLEXIBLE POLYHED
RON SEARCH;J.A.Nelder and R.Mead,Computer J.,7p30
8(1964)" 参照)等により算定する。この際、変形抵抗
は、各パスで測定される圧延荷重Pからパス毎に圧延荷
重式(1) 式を用いて逆算したものが使用され、ρi は前
記(2) 式により各パスの変形抵抗から算出される。
【0023】なお、1パス目(i=1)の初期転位密度
ρ1(S)は、仕上圧延前の待ち時間中に転位密度は充分回
復されるものと仮定し、ρ1(S)=1.0とする。また、
(2) 式におけるaは1.68としている。次に、上記した変
形抵抗モデル式により算出された特定鋼種Ai の変形抵
抗K i から、ファジィ推論を適用して特定鋼種以外の鋼
種Bの変形抵抗Kf を算定するときの手順について、
「イ. メンバーシップ関数の設定」「ロ. 適合度の算
定」「ハ. 変形抵抗の算出」に分けて順に説明する。
【0024】イ. メンバーシップ関数の設定 圧延鋼材に含有される通常の化学成分pi としては、C,
Si,Mn,Cu,Ni,Cr,Mo,Nb,Ti,P,S,Al等が挙げられる。これ
ら化学成分別に、含有量をそれぞれパラメータとするメ
ンバーシップ関数Fijを、各特定鋼種Ai 間の含有量の
相違に基づき、表1に示すように、各特定鋼種Ai 毎に
定める。
【0025】
【表1】
【0026】ロ. 適合度の算定 各特定鋼種Ai に対する鋼種Bの適合度を求める手順に
ついて、まず、表1中の鋼種A1 との適合度fm1 の算定
手順を例に挙げて説明する。この場合、特定鋼種A1
ついての成分別メンバーシップ関数F1(C),F1(Si), …
…, F1(Al)に、それぞれ、鋼種Bの各化学成分pj の含
有量(C量, Si量, …, Al量)を順次代入して、成分別
のメンバーシップ関数値f1(C),f1(Si), ……,f1(Al)
算出する。そして、次式に示すように、これらメンバー
シップ関数値の最小値を特定鋼種A 1 に対する適合度fm
1 として算定する。
【0027】fm1 =Min(f1(C),f1(Si), ……,f1(Al) ) その他の特定鋼種に対する適合度も上記同様に行う。す
なわち、特定鋼種Aiについての成分別メンバーシップ
関数Fi (C),Fi (Si), ……, Fi (Al)の集合をメンバ
ーシップ関数群とし、これに、鋼種Bの各化学成分pj
の含有量(C量, Si量, …, Al量)を順次代入してメン
バーシップ関数値群(fi(C),fi(Si),……,fi(Al) )を各
々算出した後、次式に示すように、これらメンバーシッ
プ関数値群の最小値を特定鋼種Ai に対する適合度fmi
として、各特定鋼種Ai (j=2〜n)毎に順次算定する。
【0028】fmi = Min(fi(C),fi(Si),……,fi(Al) ) ハ.変形抵抗Kf の算出 各特定鋼種Ai (i=1〜n)の変形抵抗をそれぞれKfi(i=1
〜n)とするとき、上記のように算定した各特定鋼種Ai
との鋼種Bの適合度fm1,fm2,……, fmi,……,fmn を重
み係数として、次式のように、各特定鋼種Ai の変形抵
抗Kfiの重み付平均値を鋼種Bの変形抵抗Kf として算
出する。
【0029】
【数6】
【0030】以上のように、本実施形態では、各鋼種毎
に圧延条件に応じた圧延荷重を予測する場合、特定鋼種
i 以外の鋼種Bの変形抵抗Kf は、特定鋼種Ai の変
形抵抗から、これら特定鋼種Ai とのC量やSi量、Mn量
などの各化学成分pj の含有量をパラメータとするファ
ジィ推論を適用して算出する。この場合、多種類にわた
る各化学成分毎のメンバーシップ関数Fijを極力簡単な
関数形で個々に設定しても、これらが、複数の特定鋼種
i について設定されることによって、以降の適合度fm
i の算定、重み付平均値の算出により、変形抵抗に対す
る各化学成分同士の相互作用の影響度なども、より的確
に反映された精度の高い変形抵抗値を得ることができ
る。
【0031】したがって上記では、前記(3)(4)式中の係
数は、予め設定した複数の特定鋼種Ai のみについて行
えば、これら特定鋼種Ai 以外の鋼種Bについても、よ
り精度の高い変形抵抗値を簡単な手順で算出可能であ
る。これにより、多くの鋼種を圧延する厚板圧延等にお
いて、実用上効率的かつ高精度に圧延荷重を算定・予測
することができ、もって厚板圧延鋼種全てについて優れ
た板厚精度および、形状を有する鋼板を製造することが
可能となる。さらに、ファジィ推論の適用により、化学
成分のばらつきに対する自由度も得られ、このため、変
形抵抗算定値のばらつき低減にも貢献することができ
る。
【0032】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて説明する。な
お、本実施例では、説明を簡略化するため、表2に示す
7種のC-Si-Mn 系普通圧延材A1,B1,A2,B2,B3,B4,A3への
適用例を挙げて説明する
【0033】
【表2】
【0034】表2中のA1,A2,A3を、それらの各変形抵抗
が前記変形抵抗モデル式(2)(3)(4)により算出される特
定鋼種とし、これらの中間成分としての鋼種B1,B2,B3,B
4 の各変形抵抗Kf をファジィ推論を用いて算定した。
表2に示した鋼種A1,A2,A3,B1,B2,B3,B4のSi量は互いに
同一であり、したがって、メンバーシップ関数はC量,
Mn量についてのみ設定する。
【0035】I) C量に関するメンバーシップ関数 予めモデル係数を算定してある特定鋼種A1,A2,A3のそれ
ぞれのC量において、各々メンバーシップ関数値が1.0
となるように、C量に関して下記表3および図1に示す
メンバーシップ関数F1(C),F2(C),F3(C) を設定した。
【0036】
【表3】
【0037】例えば特定鋼種A1におけるメンバーシップ
関数F1(C) は、この鋼種A1におけるC量0.13%以下の範
囲でメンバーシップ関数値を1.0とする一方、この鋼種
A1にC量が隣合う特定鋼種A2でのC量(0.15%)で、メ
ンバーシップ関数値を0とし、これらの間を直線的に結
んだ台形状の簡単な関数形で設定している。また、特定
鋼種A2におけるメンバーシップ関数F2(C) は、この鋼種
A2におけるC量0.15%でメンバーシップ関数値を1.0と
する一方、この鋼種A2にC量がそれぞれ隣合う特定鋼種
A1,A3 でのC量(0.13%, 0.19%)で、メンバーシップ
関数値をそれぞれ0とし、これらの間を直線的に結んだ
三角型の関数形で設定している。
【0038】II) Mn量に関するメンバーシップ関数 この場合も、下記表4および図2に示すように、特定鋼
種A1,A2,A3のそれぞれのMn量において、各々メンバーシ
ップ関数値が1.0となるよう、前記した台形型、および
三角型の簡単な関数形でメンバーシップ関数F1(Mn),F
2(Mn),F3(Mn)を設定した。
【0039】
【表4】
【0040】次に、例えば鋼種B2を例に挙げて、各特定
鋼種A1,A2,A3に対する適合度の算定、および変形抵抗K
f の算出過程について説明する。この場合の特定鋼種A1
の各メンバーシップ関数から得られる関数値f1(C),f1(M
n)は、鋼種B2のC量が0.16%、Mn量が0.70%であるの
で、これらを表3中のF1(C),表4中のF1(Mn)にそれぞれ
代入して、 f1(C) =F1( 0.16%)=0.0 、f1(Mn)=F1( 0.60%)=
0.0 したがって、特定鋼種A1との鋼種B1の適合度fm1 は、 fm1 =Min(0.0 , 0.0)=0.0 同様に、特定鋼種A2およびA3との鋼種B1の適合度fm2,fm
3 は、 fm2 =Min(0.75, 0.661)=0.661 fm3 =Min(0.25, 0.339)=0.25
【0041】以上のように算定された適合度fm1,fm2,fm
3 と、各特定鋼種A1,A2,A3における各変形抵抗値Kf1,
f2, Kf3とから、鋼種B2の変形抵抗Kf が、
【数7】 により求められる。
【0042】次に、上記のようにファジィ推論を用いて
算定された変形抵抗Kf の精度について、C量、Mn量に
対して特定鋼種A1とA2との中間成分鋼種であるB1と、特
定鋼種A2とA3との中間成分鋼種であるB2との算出結果を
例に挙げて説明する。図3は、鋼種B1について、上記の
ファジィ推論により変形抵抗を算定し、その結果から前
記(2) 式により圧延荷重を求め、これと実測荷重との比
を算出してプロットしたもので、ファジィ推論による予
測精度を示すグラフである。この場合の標準偏差は0.04
13であった。
【0043】一方、比較のために、上記の鋼種B1につい
ても、前記(3)(4)式における係数を求め、これらの式か
ら算出された変形抵抗値に基づく圧延荷重の予測精度
を、上記同様に、図4にグラフ化して示している。この
場合の標準偏差は0.0407であった。さらに図5および図
6に、鋼種B2について、それぞれ上記したファジィ推論
による圧延荷重の予測精度と、変形抵抗式により算出し
た圧延荷重の予測精度とをそれぞれ示しており、これら
の標準偏差は、各々0.0433、0.00392 であった。
【0044】これらの結果より、ファジィ推論を適用し
て得られた圧延荷重予測値は、化学成分が異なる鋼種毎
に各々個別に作成した変形抵抗モデル式による予測値と
同等の精度が維持されていることがわかる。なお、上記
した実施例および前述の実施形態は本発明を限定するも
のではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記では変形抵抗式として転位密度モデル式
を採用した例を示したが、その他、任意の変形抵抗式を
採用して本発明を実施することができる。もっとも、熱
間での多パス圧延では、圧下時における歪硬化および動
的回復と共に、さらにパス間での転位密度残留率λi-1
を考慮して導出された上記の転位密度モデル式によっ
て、各パスでの圧延荷重を高精度に予測することが可能
である。したがって、このモデル式を基に特定鋼種での
変形抵抗を算出し、これに基づいて特定鋼種以外の鋼種
の変形抵抗をファジィ推論により算定することで、全体
にわたってより高精度の圧延荷重の予測が可能になる。
【0045】また、本発明は、熱間での多パス圧延に限
定されることなく、その他の任意の圧延工程に適用する
ことが可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧延荷重予測方
法によれば、複数の鋼種について圧延荷重の予測を行う
場合に、適宜の変形抵抗式中の係数を回帰手法などによ
り予め求めることは全ての鋼種について行う必要はな
く、特定鋼種以外の鋼種については、化学成分の含有量
をパラメータとするファジィ推論を適用して、特定鋼種
の変形抵抗を基に簡単な手順でより精度の高い変形抵抗
値が算出される。したがって、複数の鋼種についての圧
延荷重の予測を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をC-Si-Mn 系普通圧延材に適用したとき
の一実施例におけるC量に関するメンバーシップ関数を
示すグラフである。
【図2】上記実施例におけるMn量に関するメンバーシッ
プ関数を示すグラフである。
【図3】上記実施例における鋼種B1についてファジィ推
論を用いて変形抵抗を算出した場合の圧延荷重予測精度
を示すグラフである。
【図4】上記鋼種B1について個別に作成した変形抵抗式
を用いて変形抵抗を算出した場合の圧延荷重予測精度を
示すグラフである。
【図5】上記実施例における鋼種B2についてファジィ推
論を用いて変形抵抗を算出した場合の圧延荷重予測精度
を示すグラフである。
【図6】上記鋼種B2について個別に作成した変形抵抗式
を用いて変形抵抗を算出した場合の圧延荷重予測精度を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−90021(JP,A) 特開 平5−293516(JP,A) 特開 平5−245519(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分の含有量が相互に異なる鋼種の
    なかで、変形抵抗が予め求められている複数の特定鋼種
    i (i=2〜n)以外の鋼種Bの変形抵抗Kf をファジィ推
    論に基づく以下の(a) 〜(d) のステップで求め、この変
    形抵抗から鋼種Bの圧延荷重を算出することを特徴とす
    る圧延荷重予測方法。 (a) 特定鋼種Ai 毎に、各化学成分pj (j=1〜m)の含有
    量をそれぞれパラメータとする成分別のメンバーシップ
    関数Fijを、各特定鋼種Ai 間の含有量の相違に基づい
    て定めるステップ。 (b) 各特定鋼種Ai 毎の成分別メンバーシップ関数群(F
    i1, …,Fim) から、鋼種Bの各化学成分pj の含有量に
    各々対応するメンバーシップ関数値群(fi1, …,fim) を
    各特定鋼種Ai 毎に対応させて求めるステップ。 (c) 各特定鋼種Ai に各々対応するメンバーシップ関数
    値群(fi1, …,fim) 毎に最小値 Min(fi1, …,fim) をそ
    れぞれ算定し、これらを、特定鋼種Ai に対する鋼種B
    の適合度fmi としてそれぞれ設定するステップ。 (d) 上記適合度fmi を重み係数として、次式のように各
    特定鋼種Ai の変形抵抗Ki の重み付平均値を鋼種Bの
    変形抵抗Kf として算出するステップ。 【数1】
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