JP3280686B2 - 民生用素子およびその製造方法 - Google Patents
民生用素子およびその製造方法Info
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Description
素子、特にリードフレーム、TABテープ、リード線な
どに適したはんだの接合性、界面の強度の信頼性を向上
させた低価格の民生用素子およびその製造方法に関す
る。
出力で多機能を有することが要求されているが、それと
並んで高い生産性をもって低価格で製造されることも必
要とされる。
開発されているが、それらのうち、樹脂モールドする方
法はかなり有用な方法として一般に用いられているが、
この方法に用いるリードフレームには次のような特性が
要求されている。
少ないこと、引張り強度が大きいこと、延性が充分で曲
げ加工性に富むこと、高温特性たとえば 250℃以上の温
度における機械的強度がすぐれていること、はんだとの
濡れ性や耐候性が良好であること、エッチング性が良好
であること、プレス打抜き性やプレス曲げ性のような加
工性がすぐれること等の要件を具備することが要求され
ている。
とから、リードフレームの材料としては従来から42Ni
ーFe合金が使用されてきたが、価格の点で未だ満足で
きるものではなく、また製造面でも直接はんだづけがで
きないという問題があった。そのため、近年、Cuの強
度不足をFe,Ni,Sn,Cr,Zrなどの補ったC
u合金が広く使用されるようになってきている。さらに
最近では、直接はんだづけが可能で、高い生産性をもっ
て低価格で製造可能なCuーFeの2相合金を用いたリ
ードフレームも提案されている(特開昭63ー103053号、
特開昭63ー293147号)
2相合金からなるリードフレームは、導電性、熱伝導
性、機械的強度が良好で、直接はんだづけも可能であ
り、しかも比較的高い生産性をもって安価に製造可能で
あるという利点があるが、長時間加熱しているとリード
フレームとはんだとの界面の接合強度が低下していると
いう欠点があった。
接合強度が劣化しないリードフレームの開発が要望され
るようになっていた。
れたもので、はんだとの界面の接合強度の経時信頼性を
向上させた民生用素子およびその製造方法の提供を目的
とする。
5〜90重量%のCuと、残部FeまたはFeとCr、Z
r、ZnおよびMgから選ばれた1種以上の元素とから
なる第1の金属素体と、これに接合される第2の金属素
体とを、Snを含むはんだにより接合して成る民生用素
子において、前記はんだと前記第1の金属素体との接合
部に、該第1の金属素体の表面のFe相をエッチング除
去することにより形成された処理層が設けられており、
該処理層に生成される金属間化合物のうち、CuとSn
を主成分とする金属間化合物とFeとSnを主成分とす
る金属間化合物の量比が、第1の金属素体のCuとFe
との量比より大きくされていることを特徴としている。
また、本発明の民生用素子の製造方法は、5〜90重量%
のCuと、残部FeまたはFeとCr、Zr、Znおよ
びMgから選ばれた1種以上の元素とからなる第1の金
属素体と、これに接合される第2の金属素体とを、Sn
を含むはんだにより接合する民生用素子の製造方法にお
いて、前記第1の金属素体の表面のFe相をエッチング
除去することにより、CuとSnを主成分とする金属間
化合物の生成を促進し、前記はんだと前記第1の金属素
体との接合部に形成される金属間化合物のうち、前記C
uとSnを主成分とする金属間化合物とFeとSnを主
成分とする金属間化合物の量比を、第1の金属素体のC
uとFeとの量比より大きくすることを特徴としてい
る。
含有量を 5〜90重量%としたのは、Cuの含有量が 5重
量%未満では導電性が不十分となり、90重量%を越える
と強度が著しく劣るようになるためである。
る成分であり、Cr,Zr,Zn,Mgは、はんだとの
界面に拡散して濃縮し、Fe−Sn金属間化合物の形成
を抑制する作用をする。CrはFe相の耐蝕性を向上さ
せる作用もする。
を与えない範囲、すなわちCrは10重量%以下、Zr,
Zn,Mg等は、5重量%以下の範囲とすることが好ま
しい。なお、いずれも0.1 重量%未満では添加の効果が
認められなくなるので添加する場合には0.1 重量%以上
とすることが望ましい。なお、これらの元素は総量でF
eの量に対して、1/30以上、1/5 未満の範囲とすること
が望ましい。
は、PbーSn共晶はんだや、Ag添加PbーSn共晶
が適しいおり、溶湯はんだでもめっきでもかまわない。
第2の金属素体とをはんだ接合する際に、はんだと第1
の素体のCu−Fe合金により、両者の界面にCu3 S
nやCu6 Sn5 のようなCuーSn金属間化合物とF
e3 SnのようなFeーSnの金属間化合物とを生成さ
せる。このときCuーSn金属間化合物(Feが多少固
溶していてもよい)の方が、FeーSn金属間化合物よ
りも多く形成されるように制御する。
(CuーSn)、FeーSn金属間化合物量をM(Fe
ーSn)、第1金属素体のCu含有量をM(Cu)、第
1金属素体のFe含有量をM(Fe)とし、 K={M(CuーSn)/M(FeーSn)}/{M
(Cu)/M(Fe)} としたとき、 50>K>1 程度となるようにKの値を制御する。なお、このとき金
属間化合物層の厚さは1μm以下とすることが望まし
い。
接合性が向上する。Kの値が25を越えると、強度が低
下するようになり、Kの値が1未満になるとFeがリッ
チになって、脆くて剥離しやすいFeーSn拡散層が生
成するようになるので好ましくない。なお、Kの範囲は
25〜 1程度であることがより好ましい。
には、第1の金属素体の表面にCuメッキを施したり、
表面のFe相だけを選択的にエッチング除去するように
すればよい。Fe相の選択的エッチングには、HFとH
2 O2 の混液への浸漬や、水酸化アンモニウムや水酸化
ナトリウム液中での電解を用いることができる。また、
はんだづけを 230℃以上の高温で行ったり、Fe相を有
効に溶かすフラックスを使用したり、超音波はんだづけ
をしたり、めっき後 180℃以上で加熱したりする事によ
っても、CuーSn金属間化合物の生成を促進すること
ができる。
を機械的研磨や過酸化水素などによる化学エッチングに
より取り除いたのちX線回析法で行うことができる。す
なわち、X線回析法により、CuーSn金属間化合物に
帰属するピーク(主としてCu3 SnやCu6 Sn5 )
とFeーSn金属間化合物(主としてFe3 Snあるい
は、Cuの固溶したFe3-x Cux Sn等)に帰属する
ピークを求め、それらの相対強度比較を行って生成量比
を決定する事ができる。
ムに限るものではなく、TABテープやリード線などの
場合にも同様に適用可能である。
の接合部を長時間加熱していると、接合界面には部は、
CuーSn金属間化合物と、FeーSn金属間化合物と
が形成されるが、この内FeーSn金属間化合物は脆
く、剥離しやすいため接合強度を著しく低下させる。
する金属間化合物とFeとSnを主成分とする金属間化
合物の量比を、第1の金属素体のCuとFeとの量比よ
り大きくすることにより、FeーSn金属間化合物の生
成を抑制し、これにより接合強度を向上させている。
した後溶湯を作り、その溶湯を溶湯炉に入れて保持させ
た。次いて、この溶湯をタンデッシュに注ぎ込み、タン
デッシュから幅 500mmの溝を通して高速に回転している
冷却手段を備えた双ロール間に注ぎ込み、ここで薄板状
に成形するとともに急速冷却して金属帯を作成した。
で冷却して時効処理した後、10℃/分で約 200℃まで徐
冷した。その後大気中で放冷し、表面のスケールを硝酸
で洗い落とし、コイルに巻き取ってCuーFe合金を得
た。
ードフレームに成形し、その1組を溶融しているPbー
Sn共晶はんだに浸漬し、(一部ははんだめっき後120
℃で3時間加熱させた)接合させた後、リードフレーム
とはんだとの界面の状態を調べた。図1は接合界面の状
態を模式的に示す拡大断面図であり、1はリードフレー
ム、2ははんだ、3はCu−Sn金属間化合物、4はF
e−Sn金属間化合物、5はCu相、6はFe相を示
す。
の総合評価は、はんだぬれ性とはんだ耐候性( 150℃で
500時間、剥離強度試験)で評価し、全面密着で良好で
あるものを○、一部剥離で好ましくないものを△、ほぼ
全面剥離で不良のものを×とした。
た後、実施例1の場合と同じ条件でリードフレームを製
造した。
同ー方法で特性を調査した。その結果を表1に示す。
てその総合評価は良好であり、K値を1以下とした比較
例の場合はすべてその総合評価は不良もしくは好ましく
なかった。
1の金属素体との接合部に形成される金属間化合物のう
ち、CuとSnを主成分とする金属間化合物とFeとS
nを主成分とする金属間化合物の量比を、第1の金属素
体のCuとFeとの量比より大きくしたので、はんだと
の接合性、界面の強度の信頼性に優れており、リードフ
レーム、TABテープ、リード線などの用途に好適に適
用することができる。
に示す断面図である。
n金属間化合物、4……FeーSn金属間化合物、5…
…Cu相、6……Fe相
Claims (4)
- 【請求項1】 5〜90重量%のCuと、残部Feまたは
FeとCr、Zr、ZnおよびMgから選ばれた1種以
上の元素とからなる第1の金属素体と、これに接合され
る第2の金属素体とを、Snを含むはんだにより接合し
て成る民生用素子において、前記はんだと前記第1の金
属素体との接合部に、該第1の金属素体の表面のFe相
をエッチング除去することにより形成された処理層が設
けられており、該処理層に生成される金属間化合物のう
ち、CuとSnを主成分とする金属間化合物とFeとS
nを主成分とする金属間化合物の量比が、第1の金属素
体のCuとFeとの量比より大きくされていることを特
徴とする民生用素子。 - 【請求項2】 前記処理層のCu−Sn金属間化合物量
をM(Cu−Sn)、Fe−Sn金属間化合物量をM
(Fe−Sn)、前記第1金属素体のCu含有量をM
(Cu)、Fe含有量をM(Fe)とし、K={M(C
u−Sn)/M(Fe−Sn)}/{M(Cu)/M
(Fe)}としたとき、25≧K>1であることをこと
を特徴とする請求項1記載の民生用素子。 - 【請求項3】 第1の金属素体と前記はんだとの界面
に、Cr、Zr、Zn、Mgの中から選ばれる少なくと
も1種の元素が濃縮されていることを特徴とする請求項
1または2記載の民生用素子。 - 【請求項4】 5〜90重量%のCuと、残部Feまたは
FeとCr、Zr、ZnおよびMgから選ばれた1種以
上の元素とからなる第1の金属素体と、これに接合され
る第2の金属素体とを、Snを含むはんだにより接合す
る民生用素子の製造方法において、前記第1の金属素体
の表面のFe相をエッチング除去することにより、Cu
とSnを主成分とする金属間化合物の生成を促進し、前
記はんだと前記第1の金属素体との接合部に形成される
金属間化合物のうち、前記CuとSnを主成分とする金
属間化合物とFeとSnを主成分とする金属間化合物の
量比を、第1の金属素体のCuとFeとの量比より大き
くすることを特徴とする民生用素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01691292A JP3280686B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 民生用素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01691292A JP3280686B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 民生用素子およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05217609A JPH05217609A (ja) | 1993-08-27 |
JP3280686B2 true JP3280686B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=11929354
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01691292A Expired - Lifetime JP3280686B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 民生用素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3280686B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1941906B (zh) * | 2005-09-28 | 2010-05-12 | 株式会社泛泰 | 用于播放活动图像的摘要的系统和具有其的移动通信终端 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4623737B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2011-02-02 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 高強度高導電性二相銅合金 |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP01691292A patent/JP3280686B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN1941906B (zh) * | 2005-09-28 | 2010-05-12 | 株式会社泛泰 | 用于播放活动图像的摘要的系统和具有其的移动通信终端 |
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